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JP5868279B2 - 深絞り成形用フィルム、深絞り包装体用底材および深絞り包装体 - Google Patents

深絞り成形用フィルム、深絞り包装体用底材および深絞り包装体 Download PDF

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Description

本発明は、業務用のガーゼ、綿棒等の包装に好適に使用できる深絞り成形用フィルム、深絞り包装体用底材および深絞り包装体に関するものである。
近年、深絞り包装体中に収容された業務用ガーゼ、綿棒等が薬局、スーパー、コンビニエンスストア等で流通している。かかる深絞り包装体は、例えば図1に示すように、中央部に凹部30を有する底材20と、高密度ポリエチレン製不織布または滅菌紙の蓋材10とをヒートシール等により接合して得られるものである。ガーゼ等40は、底材20の凹部30中に収容されている。
従来、深絞り包装体用の底材20としては、ナイロン系樹脂(Ny)フィルムと、ヒートシール可能な樹脂フィルムとをラミネート(ラミネート法)させたラミネートフィルムが広く一般に使用されている(例えば、特許文献1)。その理由は、この構成を有するフィルムが、蓋材(例えば、高密度ポリエチレン製不織布や滅菌紙など)と比較的低温度においてヒートシール可能であり、かつ、ある程度のイージーピール性を付与できるためである。
しかしながら、ラミネートフィルムのシール層で使用される樹脂は、蓋材との界面剥離でイージーピール性を付与するものであるため、製造工程におけるシール温度、圧力等の相違により、イージーピール強度が大きく異なり、均一なイージーピール強度を得ることが困難であるという問題がある。また、イージーピール強度が大きいと、蓋材がポリエチレン製不織布や滅菌紙で形成されている場合、蓋材の強度は一般のプラスチック製蓋材と比較して弱いため、開封時に蓋材が破れて内容物が取り出しにくくなってしまうという問題がある。さらに、フィルムの製造方法がラミネート法であるため、フィルム製造時のコストが嵩むという問題もある。
一方、上記問題を解決するために、ポリエチレン製不織布や滅菌紙と良好なイージーピール性を有する深絞り包装用共押出多層フィルムが検討されている(特許文献2)。
しかしながら、特許文献2に記載のフィルムのイージーピール層は、内面にむき出しの凝集破壊層であるため、表面に微細な凹凸が形成され、外部ヘーズに劣るという欠点がある。含気包装することの多い当該包装体において、外観上、安全上の観点から内容物の視認性向上の要望もある。
特開平11−115119号公報 特開2006−256144号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その解決課題は、高密度ポリエチレンの不織布とヒートシール可能であり、良好な開封性を有する深絞り成形用フィルム、底材および包装体を提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を採用すれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、ポリアミド樹脂(PA)層、135℃以下でポリエチレン製不織布または滅菌紙とヒートシール可能なシール層、およびシール層との層間剥離性を有するイージーピール層とを有する共押出多層フィルムであって、シール層の厚みが0.1〜10μmであり、イージーピール層が、イージーピール層全体の質量を基準(100質量%)として、50〜99質量%の下記樹脂組成物Aと1〜50質量%の下記樹脂組成物Bとより構成されていることを特徴とする深絞り成形用フィルムに存する。
樹脂組成物A: 主成分がポリプロピレン(PP)またはポリブテン(PB)である樹脂組成物
樹脂組成物B: 主成分がエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)およびこれらのアイオノマーである樹脂組成物
また、当該深絞り成形用共押出多層フィルムにより形成されることを特徴とする深絞り包装体用底材、および当該包装体用底材を使用し、深絞り包装体用蓋材としてポリエチレン製不織布または滅菌紙を使用することを特徴とする深絞り包装体に存する。

本発明によれば、高密度ポリエチレンの不織布とヒートシール可能であり、良好な開封性を有する深絞り成形用フィルムを提供することができ、本発明の工業的価値は高い。
接合前の包装体を示す概略説明図である。 蓋材と底材の接合後の包装体を示す概略説明図である。
本発明において、「層間剥離性を有する」とは、深絞り包装体を開封する際に、シール層の破断が起こり、シール層とEP層とが所望の強度で剥離し、シール層が蓋材側の両方に残ることをいう。また、「ポリエチレン製不織布または滅菌紙とヒートシール可能」とは、所定の温度でヒートシールした場合、本発明の底材とポリエチレン製不織布または滅菌紙とを所望のイージーピール強度でシールできることをいう。
本発明において、前記EP層は、EP層全体の質量を基準(100質量%)として、以下で示される通常50質量%以上、好ましくは80質量%以上、99質量%以下、好ましくは95質量%以下の樹脂組成物Aと通常1質量%以上、好ましくは5質量%以上、50質量%以下、好ましくは20質量%以下の樹脂組成物Bとより構成されていることが好ましい。
樹脂組成物A:主成分がポリプロピレン(PP)またはポリブテン(PB)である樹脂組成物
樹脂組成物B:主成分がエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)およびこれらのアイオノマーである樹脂組成物
ここで「主成分」とは、樹脂組成物全体を構成する成分のうち50質量%以上、好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは85質量%以上95質量%以下の含有率で含まれる成分をいう。
本発明のフィルムは、前記PA層の前記シール層側の面とは反対側の面上に、少なくとも1層のポリプロピレン樹脂層(以下「PP層」ともいう。)を有することができる。
本発明のフィルムは、前記PA層と前記シール層との間、および/または前記PA層と前記PP層との間に、少なくとも1層のエチレン−酢酸ビニル共重合体層(以下「EVA層」ともいう)またはポリエチレン樹脂層(以下「PE層」ともいう)を有していることが好ましい。
本発明のフィルムは、前記PA層と前記シール層との間、および/または前記PA層とPP層との間に、少なくとも1層の接着樹脂層を有していることが好ましい。
本発明のフィルムは、前記シール層とEP層とのイージーピール強度が25℃で0.8N/15mm幅以上5.0N/15mm幅以下であることが好ましい。
本発明のフィルムは、JIS K 7128に準ずる外部ヘーズが、15%以下であることが好ましく、さらに好ましくは10%以下である。
本発明の包装体は、深絞り包装体用底材として上記本発明の底材を使用し、かつ深絞り包装体用蓋材として高密度ポリエチレン製不織布または滅菌紙を使用する深絞り包装体であることが好ましい。
本発明のフィルムは、PA層と、135℃以下の温度でポリエチレン製不織布または滅菌紙とヒートシール可能なシール層を有し、かつ層間剥離性を有するEP層とを少なくとも有する。この構成により、本発明であれば、包装体を形成した場合、開封時に不織布や滅菌紙を破ることなく底材と蓋材とを開封可能なイージーピール性が付与でき、かつ視認性の高い深絞り包装体を得ることができる。
また、本発明の深絞り包装体用底材および深絞り包装体は、本発明のフィルムを含むため、不織布や滅菌紙に対して所望のイージーピール性を有する深絞り包装体用底材および深絞り包装体を提供することができる。
本発明のフィルムは、PA層と、135℃以下の温度でポリエチレン製不織布または滅菌紙とヒートシール可能なシール層を有し、かつ層間剥離性を有するEP層とを少なくとも有する。
本発明のフィルムは、外観を損なうことのない、15%以下の外部ヘーズを有することが好ましい。
本発明において、耐ピンホール性と深絞り成形性を付与する目的で少なくとも1層のPA層を設けることが重要である。
PAは特に限定されないが、耐ピンホール性の観点からはナイロン系樹脂(Ny)を用いることが好ましい。Nyとしては、例えば、6ナイロン、66ナイロン、69ナイロン、6−66ナイロン、12ナイロン、11ナイロン、610ナイロン、612ナイロン、6I−6Tナイロン、MXD6ナイロン等の縮合単位の重合体またはこれら2種以上との共重合体、さらにはこれらの混合物を挙げることができる。中でも6ナイロンや6−66ナイロンを用いることが好ましい。
PA層の厚みは、耐ピンホール性および成形性の観点から少なくとも5μmであることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、15μm以上であることがさらに好ましい。またPA層の厚みは200μm以下であることが好ましく、180μm以下であることがより好ましく、150μm以下であることがさらに好ましい。PA層の厚みの下限値を5μmとすることにより良好な耐ピンホール性が得られ、また上限値を200μmとすることによりフィルムの熱成形性を良好に維持することができる。
本発明のフィルムは、最内層として135℃以下の温度でポリエチレン製不織布または滅菌紙とヒートシール可能なシール層を有することが重要である。すなわち、シール層において135℃以下、好ましくは130℃以下、さらに好ましくは125℃以下であり、かつ100 ℃以上、好ましくは105℃以上、さらに好ましくは110℃以上のシール温度でポリエチレン製不織布または滅菌紙とヒートシール可能な樹脂を用いることが重要である。かかる樹脂でシール層を構成することにより、深絞り包装機を用いてヒートシールする際にポリエチレン製不織布が溶融し、不織布側のシール部分が透明になって見栄えが悪くなることを防止することができる。
シール層を構成する樹脂は、前記シール温度範囲内でポリエチレン製不織布または滅菌紙とヒートシール可能であり、かつEP層との層間剥離性を有する樹脂であれば特に限定されない。シール層は、以下に説明する樹脂より構成することが出来る。
シール層は、融点120℃以下、好ましくは100℃以下、さらに好ましくは75℃以上85℃以下で、かつJIS K 7210に準ずる190℃、21.18N荷重の条件で測定したメルトフローレイト(MFR)が通常1g/10分〜15g/10分、好ましくは2g/10分〜10g/10分の範囲内にあり、エチレン−α−オレフィン共重合体、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)およびこれらのアイオノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂組成物により構成される。
シール層を前記融点範囲内、かつMFR範囲内より選定することで、ポリエチレン製不織布または滅菌紙への含浸性が高まり、前述シール温度範囲内での安定したシール強度を発現し、フィルム製造時の巻取り、および包装機での成型、搬送の際、ブロッキング等の不具合を起こしにくく生産効率、ハンドリング性が向上する。
また、シール層厚みは、製膜性および剥離外観性の観点から通常0.1μm以上、好ましくは1μm以上、さらに好ましくは2μm以上であり、通所10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは4μm以下の範囲とすることが望ましい。EP層の厚みを2μm以上とすることにより、安定した製膜性が得られる。一方、EP層の厚みを4μm以下にすることにより剥離時に膜残りが発生し難くすることができ、良好な剥離外観が得られる。
EP層を構成する樹脂は、シール層と層間剥離性を有する樹脂であれば特に限定されない。EP層は、例えば、種類の異なる以下に説明する樹脂組成物Aと樹脂組成物Bとより構成することができる。
上記樹脂組成物Aとしては、主成分がポリプロピレン(PP)またはポリブテン(PB)であり、ポリプロピレンとして、ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、またはそれらの混合物等を使用できるが、中でも深絞り成型性の観点からランダムPPコポリマーを用いることが好ましい。
上記樹脂組成物Bとしては、主成分がエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)およびこれらのアイオノマーなどを使用できるが、中でも剥離性(剥離面の美麗さ)の観点からエチレン−α−オレフィン共重合体を用いることが好ましい。
樹脂組成物Aの含有率は、開封性の観点から、EP層全体の質量(100質量%)に対して樹脂組成物Aを通常50質量%以上、好ましくは80質量%以上であり、通常99質量%以下、好ましくは95質量%以下とすることが望ましい。
同様の観点から樹脂組成物Bの含有率は、通常1質量%以上、好ましくは5質量%以上とし、通常50質量%以下、好ましくは20質量%以下とすることが望ましい。樹脂組成物Aの含有率を80質量%以上(すなわち、樹脂組成物Bの含有率を20質量%以下)にすることにより、シール層樹脂との良好な層間剥離性を維持することができる。
シール層とEP層とのイージーピール強度は、易開封性およびシール性のバランスの点から、25℃で、通常0.8N/15mm幅以上、好ましくは1.0N/15mm幅以上であり、5N/15mm幅以下、好ましくは3.0N/15mm幅以下であることが望ましい。イージーピール強度は、本発明のフィルムで形成された深絞り包装体のシール部分を15mm幅の短冊状に切断し、引張試験機を用いて200mm/minの速度で蓋材と底材を剥離したときの最大荷重から求めることができる。
本発明のフィルムは、PA層のシール層側の面とは反対側の面上にさらに外層を設けることができる。またPA層とEP層との間に中間層を設けることもできる。ここで、「外層」とは、PA層のシール層側の面とは反対側の面に設けられた一層あるいは二層以上の複数層からなる層をいう。また「中間層」とは、PA層とEP層との間、またはPA層と外層との間に設けられた一層あるいは二層以上の複数層からなる層をいう。以下に、外層および中間層を構成する各層について説明する。
本発明のフィルムは、硬さを付与する目的で、PA層の外層としてポリプロピレン層(PP層)を好適に配設することができる。PP層で使用されるPPの種類は特に限定されず、例えば、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、ホモポリマーまたはそれらの混合物を挙げることができる。中でも深絞り成形性の観点からランダムコポリマーを用いる好ましい。
本発明のフィルムは、PA層とEP層との間、および/またはPA層とPP層との間に、柔軟性を付与する目的でエチレン−酢酸ビニル共重合体層(EVA層)またはポリエチレン層(PE層)を中間層として配設することができる。一方で硬さを付与する目的で外層のほかに、当該中間層に前記同様PP層を配設することができる。
EVA層で使用されるEVAのエチレン含有率は特に限定されるものではないが、製膜安定性の観点から通常1モル%以上、好ましくは1.5モル%以上であり、通常20モル%以下、好ましくは15モル%以下であることが望ましい。EVA層を設ける場合、製膜性の観点からEVA層の厚みは10μm以上、好ましくは20μm以上、さらに好ましくは25μm以上であり、上限は100μm以下、好ましくは80μm以下、さらに好ましくは60μm以下とすることが望ましい。
中間層としてPE層を配設する場合、PE層で使用されるPEは特に限定されるものではなく、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)またはLDPEとHDPEの混合物を使用することができる。LDPEとHDPEの混合物における混合比は所望の柔軟性を付与する目的で適宜決定することができ、例えば、LDPEとHDPEの混合比を質量比で40〜80:60〜20、好ましくは50〜80:50〜20、さらに好ましくは60〜80:40〜20とすることができる。
LDPEまたはLLDPEは、密度が0.90以上のものが好ましく、HDPEは、密度0.94以上のものが好適に使用される。密度の高いものを使用することにより、PE層に柔軟性を維持しつつ、適度の硬さを付与することができる。PE層を設ける場合、PE層の厚みは10μm以上、好ましくは20μm以上、さらに好ましくは25μm以上であり、かつ上限が100μm以下、好ましくは80μm以下、さらに好ましくは60μm以下であることが望ましい。
本発明のフィルムは、上記中間層や外層において、各層を接着するために接着樹脂層を配設することができる。接着樹脂層で使用される接着樹脂は、PA層、PE層、PP層を必要な強度に接着することができれば特に限定されないが、不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィン系樹脂を好適に用いることができる。不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸等が挙げられる。また接着樹脂として、前記不飽和カルボン酸のエステルや無水物も用いることができ、さらに誘導体としてアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸ナトリウム等のほか、酢酸ビニルを用いることができる。市販の接着樹脂としては、例えば、三井化学(株)製、商品名アドマーが挙げられ、これらを好適に使用することができる。
接着樹脂層は、層間接着強度をより高める観点からは上記PA層と上記EP層との間、および/または上記PA層とPP層の間に少なくとも1層設けることが好ましい。具体的には、PA層とEP層の間、PA層とPE層の間、PA層とEVA層の間、PA層とPP層の間のいずれかに1層以上設けることが好ましい。
接着樹脂層の厚みは、各層を必要な接着強度で接合できれば特に限定されないが、通常2μm以上、好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上であり、通常20μm以下、好ましくは15μm以下、さらに好ましくは10μm以下であることが望ましい。
本発明のフィルムの層構成は、最外層としてPA層、最内層としてシール層、シール層に隣接したEP層を配すれば、その他の層の層構成は特に制限されない。例えば、PA層(A)、PE層(B)、EVA層(C)、PP層(D)、EP層(E)、シール層(F)および接着樹脂層(G)で表した場合、以下の層構成を形成することができる。中でも好ましい層構成は、下記(1)、(3)、(5)または(7)であり、最も好ましい層構成は(1)または(5)である。
(1)A/G/E/F
(2)A/G/B/E/F
(3)A/G/C/E/F
(4)D/G/A/G/E/F
(5)D/G/A/G/B/E/F
(6)D/G/A/G/C/E/F
(7)A/G/A/G/E/F
(8)A/G/A/G/B/E/F
(9)A/G/A/G/C/E/F
(10)D/A/G/A/G/E/F
(11)D/A/G/A/G/B/E/F
(12)D/A/G/A/G/C/E/F
本発明のフィルムは、PA層、EP層およびシール層と、その中間に形成される中間層と、PA層のシール層側の面とは反対側の面上に形成される外層とを同時または逐次的に積層して作製することができる。
本発明のフィルムは、Tダイ法、チューブラ法など既存の方法により、ダイを備えた押出機を用いて共押出しすることにより、ポリアミド樹脂層、イージーピール層、シール層、中間層および外層を同時に作製することができる。また、前記積層フィルムは、各層を構成する樹脂を別々にシート化した後にプレス法やロールニップ法などを用いて積層して逐次的に作製することもできる。
また、各基材層には各々の特性を損なわない範囲で、無機フィラー、有機フィラー、酸化防止剤、耐候安定剤、耐光安定剤、アンチブロッキング剤、滑剤、核剤、または顔料等、各種添加剤が配合されていても良い。
シール層とヒートシールされるポリエチレン製不織布を構成するPEは、EP層とヒートシール可能であり、かつ不織布を形成した場合に、通気性と容器内への菌類の侵入を防止する特性(防菌性)を発揮できるものであれば、特に限定されない。そのようなPEとしては、HDPE、LDPE、LLDPEなど各種のPEを使用できるが、中でもヒートシール性に優れたHDPEを使用することが好ましい。ポリエチレン製不織布は、深絞り包装容器を形成した場合に、通気性と防菌性を発揮し得る程度の小孔を有することが好ましく、例えば、0.00001dtex以上20dtex未満の範囲内の繊維で構成され、目付が10g/m2以上500g/m2未満である不織布であることが望ましい。
また、シール層とヒートシールされる滅菌紙は、通気性と防菌性を発揮できるものであれば、特に限定されない。そのような滅菌紙として、坪量40g/m2以上300g/m2未満である滅菌紙であることが望ましい。
本発明のフィルムは、深絞り成形後、ガーゼ等の内容物を充填し、その上に蓋材フィルムを被せてヒートシールすることにより深絞り包装体として用いることができる。特に本発明のフィルムを深絞り包装体の底材として用いる場合、良好な深絞り包装体を得ることができる。深絞り包装体用
底材として用いる場合、例えば、本発明のフィルムを深絞り成形型で所望の形状および大きさに成形した後(フィルム供給工程およびフィルム成形工程)、その中にスライスハム等の内容物を充填し(内容物充填工程)、さらにその上から蓋材フィルムでシールして(蓋材フィルム供給工程およびシール工程)、真空包装し(真空包装工程)、冷却し(冷却工程)、カットすることにより(切断工程)、深絞り包装体を作製することができる。
本発明の深絞り包装体の蓋材は、包装体ごとエチレンオキサイドガス(EOG)で殺菌される場合は通気性のあるものが望ましい。そのような観点から、本発明の深絞り包装体の蓋材としてポリエチレン(特にHDPE)製の不織布または滅菌紙が好適に用いられる。
本発明の包装体は、上記の蓋材と、本発明の底材とを、ヒートシール等の接着手段により接着することにより作製することができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明におけるサンプルの作成方法、評価方法は、以下に示すとおりである。
[パックサンプルの作製]
深絞り包装機(大森機械工業社製FV6300)によって、縦160mm、横120mm、絞り深さ50mmの形状に深絞り成型し、ガーゼ50gを入れて蓋材を被せて枠シールした。なお、蓋材は高密度ポリエチレンの不織布を使用した。
<最低ヒートシール温度>
深絞り包装機において、シール時間2秒で、ヒートシールが十分に行われる温度を最低ヒートシール温度とした。
<イージーピール強度>
パック品のシール部をフィルム流れ方向に対して15mm幅の短冊状に切断し、引張試験機で200mm/minの速度で蓋材と底材を剥離したときの最大荷重をイージーピール強度とした。
<剥離性>
パック品を手で剥離したときに蓋材が破れないものを○、破れるものを×とした。
<深絞り成型性>
縦160mm、横120mm、絞り深さ50mmの形状に深絞り成型した祭に、型どおりに成型できるものを○、成型できないものまたはフィルムが破断するものを×とした。
<外観性>
ヒートシール部の高密度ポリエチレンの不織布がヒートシールの際に溶融せずに白色のままであるものを○、溶融して透明に変色しているものを×とした。
<ヘーズ>
成型前のフラット状態のフィルムにおいて、JIS K 7128に準じて、外部ヘーズ測定を実施した。
実施例1:
全層共押出による下記層構成のフィルムを得て、実施例1とした。
Ny(50μm)/接着樹脂(20μm)/LLDPE1(46.5μm)/EP1(110.5μm)/シール1(3μm)
Ny:三菱エンジニアリングプラスチックス製ノバミッド(6Ny)
接着樹脂:三井化学製アドマー
LLDPE1:出光石油化学製モアテック
EP1:ランダムPPコポリマー(90%)とエチレンαオレフィン共重合体(10%)のブレンド
シール1:出光石油化学製モアテック(融点:117℃、MFR:10)
実施例2:
全層共押出による下記層構成のフィルムを得て、実施例2とした。
PP(20μm)/接着樹脂(10μm)/Ny(30μm)/接着樹脂(10μm)/EVA1(10μm)/EP2(30μm)/シール2(5μm)
接着樹脂:三井化学製アドマー
Ny:三菱エンジニアリングプラスチックス製ノバミッド(66Ny比率15%の6−66共重合Ny)
EVA1:日本ポリエチレン製ノバテックEVA(VAC5%)
EP2:ランダムPPコポリマー(95%)とエチレンαオレフィン共重合体(5%)のブレンド
シール2:日本ポリエチレン製レクスパールEMA(融点:77℃、MFR:2.6)
比較例1:
全層共押出による下記層構成のフィルムを得て、比較例1とした。
Ny(40μm)/接着樹脂(10μm)/LLDPE1(40μm)/EP3(5μm)
EP3:融点80℃のEVA(60%)とポリブテン(40%)のブレンド
比較例2:
全層共押出による下記層構成のフィルムを得て、比較例2とした。
PP(20μm)/接着樹脂(10μm)/Ny(30μm)/接着樹脂(10μm)/EVA1(20μm)/EP1(10μm)/シール4(3μm)
シール4:融点125℃のLLDPE
比較例3:
全層共押出による下記層構成のフィルムを得て、比較例3とした。
PP(50μm)/接着樹脂(10μm)LLDPE1(30μm)/EP1(50μm)/シール1(3μm)
比較例4:
全層共押出による下記層構成のフィルムを得て、比較例4とした。
Ny(40μm)/接着樹脂(10μm)/EP4(40μm)/シール1(4μm)
EP4:ランダムPPコポリマー(45%)とエチレンαオレフィン共重合体(55%)
比較例5:
全層共押出による下記層構成のフィルムを得て、比較例とした。
Ny(40μm)/接着樹脂(10μm)/EP1(40μm)/シール1(12μm

Figure 0005868279
本発明のフィルムは、業務用ガーゼ、綿棒等の包装材料として好適に利用することができる。
10 蓋材
20 底材
30 凹部
40 ガーゼ等の内容物
50 ヒートシール部
Figure 0005868279

Claims (9)

  1. ポリアミド樹脂(PA)層、135℃以下でポリエチレン製不織布または滅菌紙とヒートシール可能なシール層、およびシール層との層間剥離性を有するイージーピール層とを有する共押出多層フィルムであって、
    シール層の厚みが0.1〜10μmであり、
    イージーピール層が、イージーピール層全体の質量を基準(100質量%)として、50〜99質量%の下記樹脂組成物Aと1〜50質量%の下記樹脂組成物Bとより構成されていることを特徴とする深絞り成形用フィルム。
    樹脂組成物A: 主成分がポリプロピレン(PP)またはポリブテン(PB)である樹脂組成物
    樹脂組成物B: 主成分がエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)およびこれらのアイオノマーである樹脂組成物
  2. シール層樹脂が、融点120℃以下であり、かつJIS K 7210に準じて190℃、21.18N荷重の条件で測定したメルトフローレイト(MFR)が1g/10分〜15g/10分の範囲内にあり、エチレン−α−オレフィン共重合体、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)およびこれらのアイオノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂組成物より構成されている請求項1に記載の深絞り成形用共押出多層フィルム。
  3. ポリアミド樹脂(PA)層のシール層側の面とは反対側の面上に、少なくとも1層のポリプロピレン樹脂(PP)層を有する請求項1または2に記載の深絞り成形用共押出多層フィルム。
  4. ポリアミド樹脂(PA)層と前記シール層との間、またはポリアミド樹脂(PA)層とポリプロピレン樹脂(PP)層との間に、少なくとも1層のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)層またはポリエチレン樹脂(PE)層を有する請求項1〜のいずれかに記載の深絞り成形用共押出多層フィルム。
  5. ポリアミド樹脂(PA)層と前記シール層との間、またはポリアミド樹脂(PA)層とポリプロピレン樹脂(PP)層との間に、少なくとも1層の接着樹脂層を有する請求項1〜のいずれかに記載の深絞り成形用共押出多層フィルム。
  6. JIS K 7128に準じた外部ヘーズが、15%以下である請求項1〜5のいずれかに記載の深絞り成形用共押出多層フィルム。
  7. シール層とイージーピール層とのイージーピール強度が、25℃で0.8〜5.0N/15mm幅の範囲ある請求項1〜のいずれかに記載の深絞り成形用共押出多層フィルム。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の深絞り成形用共押出多層フィルムにより形成されることを特徴とする深絞り包装体用底材。
  9. 深絞り包装体用底材として請求項に記載の底材を使用し、深絞り包装体用蓋材としてポリエチレン製不織布または滅菌紙を使用することを特徴とする深絞り包装体。
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