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JP5856621B2 - 無針注射器および注射性能を最適化する同注射器の設計パラメータ - Google Patents

無針注射器および注射性能を最適化する同注射器の設計パラメータ Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、無針注射を利用した液体薬剤製剤の送達に関し、具体的には、無針注射技術を用いた注射性能の最適化に利用できる、送達時の製剤圧力プロファイルに関するパラメータに関する。これらパラメータの適切な選択を用いて、所望のレベルの成功した注射、すなわち、注射剤が無針注射器から皮膚を通りそして皮下組織内に送達されることを最適化することができる。
発明の背景
多くの身体状態に対して、適応する医薬の注射が自宅で生じることがある。しかし多くの患者は針を嫌うかもしくは針恐怖症に苦しんでおり、かつ/または、複雑な指示に従うことができないかもしくはそれを望んでいない、自己投与を恐れている、針刺し傷害および交差汚染の危険があるなど、他の困難を持っている。治療コンプライアンスの確実性を期すことが問題となることがある。加えて、いくつかの適応においては患者が自己投与する注射の回数がほんの数回であるとはいえ、注射の自己投与には患者のトレーニングが必要となりうることも問題である。加えて、一般的に針およびシリンジを充填する必要があり、そして一部の製剤については薬剤が乾燥しており水を加えて復元する必要があるため、このことが自己投与をさらに複雑にしてコンプライアンスを低下させる。これらの問題点のため、自己治療かまたは家族など比較的訓練されていない介護者による、自宅環境での治療の可能性は除外されてしまうことが多い。自宅で投薬できないことは、治療費の上昇、治療の遅れ、コンプライアンスの低下、快適性の低下、および院内感染症への曝露の可能性につながる可能性がある。
いくつかの問題点は、粘稠度の高い製剤という状況において特に深刻であり、そのような製剤としては非限定的に、放出制御製剤、およびモノクローナル抗体(MAB)などの生物学的薬剤の製剤などがある。粘稠度が高いと、針およびシリンジに対して必要な手の力が大きくなる、送達時間が長くなる、および、口径の大きな針に関連する痛みおよび恐れの増加など、送達上の多くの困難につながる。ゆえに、これらの化合物を針なしで送達し、好ましくは、充填、水を加えた復元、または他の複雑な手順を必要としないシステムを用いて迅速かつ自動的な様式で送達するというニーズが存在する。
急性かつ衰弱性の身体状態に対しては、簡単かつ素早く自己投与できる剤形が非常に重要となる可能性があり、例えば、偏頭痛および群発頭痛に対するトリプタンなどの低分子、または低血糖の急性治療用のポリペプチドであるグルカゴンなどがこれに該当する。経口薬は自己投与が容易であるという利点がある。しかし多くの薬剤、特にペプチドおよびタンパク質の薬剤は、消化および肝臓における初回通過代謝のため、経口投与によるバイオアベイラビリティが非常に限られている。加えて、経口送達後の吸収には遅れがあり、最高血漿濃度到達時間(Tmax)は約40分かまたはそれ以上である。
無針注射器は、患者の針恐怖症、治療コンプライアンス、針刺し傷害、および交差汚染という前述の問題点を解決できることが公知である。しかし、成功した注射を確実にするには、薬剤容器内の圧力、注射用オリフィスのサイズ、および送達時の圧力プロファイルといった設計パラメータが適切に選択されることが重要である。パラメータの選択が不適切であると、ウェットな(不完全な)注射か、またはもう一方の極端な場合として例えば筋肉内などの深すぎる注射といった問題につながる可能性がある。
無針注射器は多くの異なるタイプのエネルギー源を用いたものが利用可能であり、そのエネルギーは、例えばばねが手動で圧縮されそして注射器を作動させる必要が生じるまでエネルギーを一時的に蓄えるためラッチされるなど、ユーザーによって供給されてもよい。あるいは、注射器は、例えばあらかじめ圧縮されたばね(機械的なばねもしくは圧縮ガス)の手段かまたは発火用チャージなどにより、エネルギーがすでに蓄えられた状態で供給されてもよい。
一部の注射器は単回使用後に廃棄されるよう意図されており、一方、他の注射器は、再装填可能かかつ/または多回投与用のエネルギー蓄積手段と、単回投与用または多回投与用の薬物カートリッジとを持っており、そして、特定の用途および市場に合わせた多くの組み合わせが存在する。本開示の目的において、「アクチュエータ(actuator)」という用語は、薬物カートリッジと組み合わせられているか否かにかかわらず、エネルギー蓄積および解放機構を説明するために用いられる。すべての場合において、薬物の全用量を必要な圧力で送達するため、送達の最後に十分な力が生じるようアレンジする必要がある。
EP 0 063 341およびEP 0 063 342は、圧力剤によりモーターによって駆動される、注射用の液体を吐出するためのピストンポンプを含む無針注射器を開示している。液体容器はピストンポンプの横にマウントされている。ピストンが引かれると、インレット通路およびフラップ逆止弁によって、注射に必要な量の液体がポンプチャンバ内に吸い込まれる。ピストンがノズルボディの方向に動かされると、ただちに液体がアウトレット通路を通ってノズルに送られ、そして吐出される。ピストンポンプのピストンは中実の丸いピストンである。
EP 0 133 471は、特殊なバルブによりサイフォンカートリッジから供給される加圧下の二酸化炭素によって動作される無針ワクチン投与ユニットについて記載している。
EP 0 347 190は、注射された薬剤の貫通深さをガス圧によって調整でき、薬剤の体積をピストンストロークによって調整できる、真空圧縮ガス注射器を開示している。
EP 0 427 457は、2段弁により圧縮ガスによって動作される無針の皮下用シリンジを開示している。注射剤は、注射器ハウジングに固定された保護ケーシング内にフィッティングされたアンプル内に配される。アンプルはピストンロッドの端にフィッティングされる。アンプルの他端には、アンプルの端に向かって直径が小さくなるノズルが配される。
WO 89/08469は単回使用用の無針注射器を開示している。WO 92/08508は3回の注射用に設計された無針注射器について記載している。薬剤を含有したアンプルが駆動ユニットの1つの端にねじ込まれ、ピストンロッドがアンプルの開放端にフィッティングされる。アンプルはその1つの端にノズルを含有し、薬剤はこのノズルを通って吐出される。アンプルの長さのほぼ中央に、ずらすことが可能な閉鎖プラグが提供される。注射される用量は、アンプルの深さを変えることによって調整できる。注射器の作動後に駆動ユニットから突出するピストンロッドは、手で押し戻される。いずれのユニットも圧縮ガスで動作される。
WO 93/03779は、2部式ハウジングと、ユニットの横にフィッティングされた液体容器とを備えた、無針注射器を開示している。ピストン用の駆動ばね駆動モーターによって応力がかけられる。注射位置にノズルを押し付けることによってハウジングの2つの部分が互いに対してずらされると、すぐにばねが解放される。液体用の取り込み通路および計量チャンバのアウトレットにそれぞれ弁が提供される。
WO 95/03844はさらなる無針注射器を開示している。この無針注射器は、1つの端にノズルを含む、液体で充填されたカートリッジを含み、液体はこのノズルを通って吐出される。カートリッジの他端は、カートリッジに押し込むことができるキャップタイプのピストンによって閉じられる。あらかじめ応力がかけられたばねによってローディングされたピストンが、ばねの解放後、キャップタイプのピストンを既定の距離だけカートリッジ内にずらし、このとき、注射されるべき量の液体が吐出される。ばねは、ノズルが注射位置に十分しっかりと押し付けられたらすぐにトリガされる。この注射器は1回使用または反復使用が意図されている。カートリッジは、ばねローディング式ピストンの前に配置され、かつ注射器の固定構成要素である。複数回使用が意図された注射器のピストンの位置は、毎回の使用後、ノズルに向かう方向に所与の距離だけずらされる。ピストンおよび駆動ばねはリセットできない。ばねにあらかじめかける応力は、最初、カートリッジ内の液体の全量を1度に吐出できるだけ十分に大きい。ばねは、注射器が解体されて、完全に充填された新鮮なカートリッジが注射器の駆動部に組み付けられた場合にのみ、再度応力をかけることができる。
米国特許第5,891,086号は、アクチュエータと薬物カートリッジとを組み合わせた無針注射器について記載している。カートリッジは、対象に注射される液体であらかじめ充填され、そして液体アウトレットと、液体と接触状態にある自由ピストンとを持ち;アクチュエータは、ばねにより推進されそしてラッチ手段により一時的に抑制されているインパクト部材を具備し;インパクト部材は、ばねの力の下で第一の方向に移動可能であり、これによりまず自由ピストンを叩きそれから続いてピストンを第一の方向に移動させて、液体の所与の用量を液体アウトレットを通して吐出させ;ばねは、内蔵式のエネルギー蓄積を提供し、そして、より高いエネルギー状態からより低いエネルギー状態へと移るがその逆にはならないように適合している。アクチュエータは、カートリッジの液体アウトレットと対象との間で既定の接触力が実現されたときにのみラッチを動作させ、これにより注射を開始するためのトリガ手段を具備していてもよい。
米国特許第3,859,996号において、Mizzyは、注射器オリフィスが、対象の皮膚の姿勢に対して正確に垂直に、必要な圧力で皮膚に置かれるようにするための、制御式リークの方法を開示している。置く条件が満たされると、対象の皮膚上の接触圧によって制御式リークの密閉が外され、感圧性パイロット弁が開くまで注射器制御回路内の圧力が上昇して、これにより高圧ガスがピストンを駆動しそして薬物を注射する。
WO 82/02835においてCohen、およびEp-A-347190においてFingerは、オリフィスと皮膚との間の密閉を向上させ、かつこれらの間の相対運動を防ぐための方法を開示している。この方法は、真空デバイスを利用して、表皮を放出オリフィス上に直接的かつしっかりと吸引するというものである。表皮をオリフィス内に吸引するため、放出オリフィスは皮膚表面に対して垂直に位置決めされる。薬物を皮膚内に注射するためのこの方法および注射器機構は、その独特のアンプル設計のため、本発明とは異なり、本発明に該当しない。
米国特許第3,859,996号において、Mizzyは、対象に置かれる注射器上の感圧性スリーブを開示しており、この注射器の動作は、オリフィスと皮膚との間で正しい接触圧が実現されるまで動作しないよう防がれている。基本的な目的は、放出オリフィス上で表皮を引き伸ばし、そして、表皮がオリフィスから離れて変形するのよりも速い速度で、加圧した薬物を適用することである。
米国特許第5,480,381号において、T. Westonは、表皮がオリフィスから離れて変形するだけの時間を持つ前に表皮を穿孔するよう十分速い速度で薬物を加圧する手段を開示している。加えて、同デバイスは、対象の表皮上の放出オリフィスの圧力が、注射器の動作を許容する既定の値であることを直接的に感知する。同デバイスは、機械的シーケンシング用のカムおよびカムフォロア機構に基づいており、液体吐出用の液体アウトレットが提供されたチャンバと、液体吐出用のインパクト部材とを含有している。
米国特許第5,891,086号において、T. Westonは、加圧ガスであらかじめ充填されたチャンバを含有する無針注射器について記載しており、この加圧ガスは、カートリッジの構成要素を叩いて所与の用量の薬物を吐出させるため、インパクト部材に一定の力を加える。このデバイスは、インパクトギャップと、用量を設定する調整ノブとを含有し、そして注射を開始するため直接的な接触圧感知を用いる。この無針注射器に関するさらなる例および改善は、参照により本明細書に組み入れられるUS6620135、US6554818、US6415631、US6409032、US6280410、US6258059、US6251091、US6216493、US6179583、US6174304、US6149625、US6135979、US5957886、US5891086、およびUS5480381に記載がある。
粘性製剤中の多数の生物活性剤が、無針注射器を用いて送達されることの恩恵を受けると考えられる。この群は以下のものからなりうる(が、これらに限定されるわけではない):抗炎症薬;抗菌剤;抗寄生虫剤;抗真菌剤;抗ウイルス剤;抗新生物剤;オピオイドを含む鎮痛剤;関節リウマチを含む関節炎を治療するための薬剤;モノクローナル抗体を含む抗体;組換えタンパク質およびペプチドを含むタンパク質およびペプチド薬剤;抗精神病剤;麻酔剤;ワクチン;中枢神経系剤;成長因子;ホルモン;抗ヒスタミン剤;骨誘導剤;心血管作用剤;抗潰瘍剤;気管支拡張剤;血管拡張剤;産児調節剤および受胎促進剤;インターフェロン・アルファ;成長ホルモン;PTH、PTH類似体、およびPTHフラグメントを含む骨粗鬆症薬;肥満薬;精神科薬;抗糖尿病剤;抗女性不妊剤;抗AIDS剤;小児の成長遅延、肝炎、多発性硬化症、偏頭痛、およびアレルギー反応の治療剤。
本発明の1局面は、無針注射器から製剤を送達する方法であって、以下の段階を含む方法である:
液体製剤を加圧し、注射器のオリフィスを通る製剤の注射を生じさせるよう、無針注射器を作動させる段階;
最大圧力を伴う主要圧力ピークを含む皮膚穿刺フェーズを含む、作動後の圧力プロファイル対時間曲線を作成するため、引き続き製剤を加圧する段階;
皮膚穿刺フェーズに続く送達フェーズを通して製剤をさらに引き続き加圧する段階であって、送達フェーズは主要圧力ピークの最大圧力と比較して低い圧力で生じ、ここで送達フェーズはオリフィスあたりの注射剤0.5 mLあたりの送達時間によって特徴付けられ、送達時間およびピーク圧力は以下の関係を満たすように選択される段階:
17.4*MPP (MPa) - TotIT0.5 (ms/0.5 ml) ≧ 363.2
式中、TotIT0.5はオリフィスあたり送達される製剤0.5ミリリットルあたりの総注射時間をミリ秒単位で測定したものであり、MPPは穿刺フェーズの主要ピークのピーク圧力をMPa単位で測定したものである。
本発明の別の局面は、送達フェーズ中に到達される平均圧力が主要圧力ピークの最大圧力の2.5分の1〜4.0分の1である方法である。
本発明の別の局面は、送達フェーズ中に到達される平均圧力が主要圧力ピークの最大圧力の2.5分の1〜3.2分の1である方法である。
本発明の別の局面は、送達時間およびピーク圧力が以下の関係を満たすように選択される方法である:
17.4*MPP (MPa) - TotIT0.5 (ms/0.5 ml) ≧ 554.9。
本発明の別の局面は、オリフィスあたりの0.5 mLあたりの送達時間が200 ms未満である方法である。
本発明の別の局面は、オリフィスあたりの0.5 mLあたりの送達時間が100 ms未満である方法である。
本発明の別の局面は、オリフィスあたりの0.5 mLあたりの送達時間が60 ms未満である方法である。
本発明の別の局面は、オリフィスあたりの0.5 mLあたりの送達時間が35 msより長い方法である。
本発明の別の局面は、目標送達体積が1.0 mLである方法である。
本発明の別の局面は、目標送達体積が1.0 mLより大きい方法である。
本発明の別の局面は、少なくとも1つのオリフィスを通る無針注射が生じるよう液体製剤が加圧される無針注射器であって、
該注射器は、作動時に、最大圧力を伴う主要圧力ピークを含む穿刺フェーズを含む圧力プロファイル対時間曲線を生成するように構成されており、
該注射器は、穿刺フェーズに続いて、主要圧力ピークの最大圧力より低い圧力で生じる送達フェーズを提供するようさらに構成されており、これはオリフィスあたりの注射剤0.5 mLあたりの送達時間によって特徴付けられ、送達時間およびピーク圧力は以下の関係を満たすように選択される、無針注射器である:
17.4*MPP (MPa) - TotIT0.5 (ms/0.5 ml) ≧ 363.2
式中、TotIT0.5はms単位で測定され、MPPはMPa単位で測定される。
本発明の別の局面は、作動時に、送達フェーズ中の製剤の圧力が比較的一定となるように構成されている注射器である。
本発明の別の局面は、作動時に、送達フェーズ中に製剤の圧力が徐々に低下するように構成されている注射器である。
本発明の別の局面は、作動時に、送達フェーズ中の最大圧力が主要圧力ピークの最大圧力の1/2未満となるように構成されている注射器である。
本発明の別の局面は、作動時に、送達フェーズ中の最大圧力が主要圧力ピークの最大圧力の1/3未満となるように構成されている注射器である。
本発明の別の局面は、作動時に、送達フェーズ中の平均圧力が主要圧力ピークの最大圧力の2.5分の1〜4.0分の1となるように構成されている注射器である。
本発明の別の局面は、作動時に、送達フェーズ中の平均圧力が主要圧力ピークの最大圧力の2.5分の1〜3.2分の1となるように構成されている注射器である。
本発明の別の局面は、作動時に、送達時間およびピーク圧力が以下の関係を満たすように選択されるように構成されている注射器である:
17.4*MPP (MPa) - TotIT0.5 (ms/0.5 ml) ≧ 554.9。
本発明の別の局面は、作動時に、主要圧力ピークの最大圧力が35〜40 MPaとなるように構成されている注射器である。
本発明の別の局面は、作動時に、オリフィスあたりの0.5 mLあたりの送達時間が200 ms未満となるように構成されている注射器である。
本発明の別の局面は、作動時に、オリフィスあたりの0.5 mLあたりの送達時間が100 ms未満となるように構成されている注射器である。
本発明の別の局面は、作動時に、オリフィスあたりの0.5 mLあたりの送達時間が60 ms未満となるように構成されている注射器である。
本発明の別の局面は、作動時に、オリフィスあたりの0.5 mLあたりの送達時間が35 msより長くなるように構成されている注射器である。
本発明の別の局面は、作動時に、目標送達体積が0.5 mLとなるように構成されている注射器である。
本発明の別の局面は、作動時に、目標送達体積が1.0 mLとなるように構成されている注射器である。
本発明の別の局面は、作動時に、目標送達体積が1.0 mLより大きくなるように構成されている注射器である。
本発明の1つの目的は、針刺しおよび、例えばHIVウイルスなどによる、交差汚染の可能性を制限し;患者のコンプライアンスを向上させ;かつ薬剤送達の有効性を向上させる、注射可能な治療剤を送達するための方法を提供することである。
本発明は好ましくは無針注射器を用いて実施される。より好ましくは、本発明は、あらかじめ充填された、自己内蔵型、単回使用式、可搬式の無針注射器を利用して実施される。
特に好ましい態様において、本発明は、(参照によりそのすべてが組み入れられる)米国特許第5,891,086号にその要素が記載されている自己内蔵型の圧縮ガスチャージを動力源とする無針注射器を用いて実施される。この態様は、例えば皮下(SC)、皮内(ID)、または筋肉内(IM)などに無針注射によって製剤を送達するためのデバイスを含む。アクチュエータが薬剤カートリッジと共に用いられて無針注射器を形成する。カートリッジは、対象に注射される液体であらかじめ充填され、少なくとも1つの液体アウトレットと、液体アウトレットの内部に液体と接触状態にある自由ピストンとを有する。
アクチュエータは以下を含む:
(a)カートリッジと接続するように適合した前部を持つハウジング;
(b)カートリッジが接続されたときに自由ピストンに衝突し、引き続き自由ピストンを液体アウトレットに向かって動かし、これによって所与の用量の液体がカートリッジの液体アウトレットを通って吐出されるよう、第一の位置から該前部に向かって移動できるように、ハウジングの中に該前部の内部にマウントされたインパクト部材;
(c)該インパクト部材の移動を防ぐため該インパクト部材と係合し、作動時には該インパクト部材の移動を可能にする、ハウジング内の要素。
本発明は、5,891,086の注射器を含む無針注射器を用いて送達できるさまざまな製剤について記載する。これらの製剤は活性成分を含み、かつさまざまなポリマーおよびキャリヤなどを含んでいてもよい。
本発明の1つの局面は望ましい送達時間であり、特に高粘度の製剤について望ましい送達時間である。望ましい送達時間は、製剤が良好に送達されるような任意の送達時間を含みうる。好ましい送達時間は、ヒトの反応時間より短い時間を含み、例えば送達される製剤0.5 mLあたり約600 ms未満であり、より好ましくは100 ms未満 / 0.5 mLである。
本発明の別の局面は、注射に関連する許容可能な痛みである。
本発明の別の局面は、製剤の注射に関連する針への恐れの緩和に関する。
本発明の別の局面は、製剤の注射に関連する針刺し傷害および交差汚染の危険の排除に関する。
本発明の別の局面は、あらかじめ充填された単回使用の使い捨て式注射器を供給することによって、製剤の注射に関連する準備を簡素化することに関する。
本発明の別の局面は、高粘度デポ製剤の注射に関連する薬剤放出プロファイルに関し、特に表面侵食系(surface eroding system)に関する。
不完全な(ウェットな)注射の率を、あらかじめ選択された水準より低く実現することも、本発明の1つの局面である。より具体的には、少なくとも既定の成功水準を確実なものにすることによって、治療される患者母集団の適切なパーセンテージが治療目標に達するように注射の信頼性を確保することが、本発明の1つの局面である。
無針注射器の設計を制約するのに使用できるよう、ウェット注射の率を高い信頼性で予測するために使用できるモデルを供給することは、本発明の別の局面である。
追加の臨床試験を必要とせずに、無針注射器の設計変更がインビボ有効性の低下をもたらさないことを確実にできるインビトロ/インビボ相関(IVIVC)を供給することは、本発明のさらなる局面である。
本発明のさらなる局面は、あらかじめ選択された水準より低いウェット注射の率と整合する設計要素を備えた無針注射器である。
本発明のさらなる局面は、あらかじめ選択された水準より低いウェット注射の率を実現する無針注射器である。
本発明のさらなる局面は、ウェット注射が許容可能な率である無針注射器である。好ましい態様において、無針注射器はインビボにおいて、注射剤の目標用量の90%以上を送達する。より具体的には、許容可能な率が信頼度95%と定義されている場合、注射の95%以上において、薬剤の目標量の90%以上が対象の皮下組織に送達される。
[本発明1001]
液体製剤が加圧されて注射器の少なくとも1つのオリフィスから押し出されるような無針注射器であって、
該注射器は、作動時に、最大圧力を伴う主要圧力ピークを含む穿刺フェーズを含む圧力プロファイル対時間曲線を生成するように構成されており、
該注射器は、該穿刺フェーズに続いて、該主要圧力ピークの該最大圧力より低い圧力で生じる送達フェーズを提供するようさらに構成されており、これはオリフィスあたりの注射剤0.5 mLあたりの送達時間によって特徴付けられ、該送達時間および該ピーク圧力は以下の関係
17.4 * MPP (MPa) - TotIT 0.5 (ms/0.5 ml) ≧ 363.2
を満たすように選択され、式中、TotIT 0.5 はms単位で測定され、かつMPPはMPa単位で測定される、無針注射器。
[本発明1002]
作動時に送達時間およびピーク圧力が以下の関係
17.4 * MPP (MPa) - TotIT 0.5 (ms/0.5 ml) ≧ 504.4
を満たすように選択されるように構成されている、本発明1001の無針注射器。
[本発明1003]
作動時に送達時間およびピーク圧力が以下の関係
17.4 * MPP (MPa) - TotIT 0.5 (ms/0.5 ml) ≧ 530.2
を満たすように選択されるように構成されている、本発明1001の無針注射器。
[本発明1004]
少なくとも1つのオリフィスの直径が1 mm未満でありかつ0.1 mmより大きい、本発明1001の無針注射器。
[本発明1005]
主要圧力ピークが、エネルギー源によってギャップを越えるように推進され、かつ表面に衝突した際に該エネルギー源から得られたエネルギーの大部分を製剤に移すインパクト部材によってもたらされる、本発明1004の無針注射器。
[本発明1006]
前記表面がピストンの一部であり、かつエネルギー源による推進によって前記インパクト部材および該ピストンが送達フェーズにおいて引き続き移動して、送達される製剤の残りを少なくとも1つのオリフィスから押し出させる、本発明1005の無針注射器。
[本発明1007]
作動時に、送達フェーズ中の製剤中の圧力が比較的一定となるように構成されている、本発明1004の無針注射器。
[本発明1008]
作動時に、送達フェーズ中に製剤中の圧力が徐々に低下するように構成されている、本発明1004の無針注射器。
[本発明1009]
作動時に、送達フェーズ中の最大圧力が主要圧力ピークの最大圧力の1/2未満となるように構成されている、本発明1004の無針注射器。
[本発明1010]
作動時に、送達フェーズ中の平均圧力が主要圧力ピークの最大圧力の2.5分の1〜3.2分の1となるように構成されており;かつ
送達時間およびピーク圧力が以下の関係
17.4 * MPP (MPa) - TotIT 0.5 (ms/0.5 ml) ≧ 554.9
を満たすように選択される、本発明1004の無針注射器。
[本発明1011]
作動時に主要圧力ピークの最大圧力が35〜40 MPaとなるように構成されており、かつ単一の注射オリフィスを有する、本発明1004の無針注射器。
[本発明1012]
作動時に、オリフィスあたりの0.5 mLあたりの送達時間が100 ms未満となるように構成されている、本発明1004の無針注射器。
[本発明1013]
作動時に、オリフィスあたりの0.5 mLあたりの送達時間が35 msより長くなるように構成されている、本発明1004の無針注射器。
[本発明1014]
目標送達体積が0.5 mLである、本発明1013の無針注射器。
[本発明1015]
目標送達体積が1.0 mLより大きい、本発明1013の無針注射器。
本発明のこれらおよび他の目的、利点、および特徴は、以下により詳しく説明する製剤および方法の詳細を読むことによって、当業者に明らかになるであろう。
本発明は、以下の詳細な説明を添付の図面と共に読むことによって最もよく理解される。強調される点として、慣例により、図面のさまざまな特徴は縮尺が一律でない。逆に、見やすさのため、さまざまな特徴の寸法は任意に拡大または縮小されている。図面には以下の図が含まれる。
本発明の1つの態様である、本発明を用いて最適化した無針注射器の断面図である。 図1のデバイスの1つのバージョンを用いた製剤圧力対時間のグラフである。 「穿刺フェーズ」の初期圧力スパイク(initial pressure spike)を示すとともに、注射性能との相関を調べたパラメータを示したグラフである。 インビトロ送達の事象中に薬剤製剤圧力およびジェット速度を含むさまざまなパラメータを測定する「ジェットテスター」の略線図である。 本発明の方法を用いた、実際の視覚的評価スコア(VAS)とVAS予測値とのグラフである。 IVIVCの開発およびバリデーションに用いた本発明の態様の構成の表である。具体的には、IVIVCのバリデーションに用いられたヒト臨床試験(CPV試験)において、構成400が用いられた。 成功した注射器のパーセンテージとVAS測定値の平均とを示したグラフである。 実施例2で説明される、ガス質量およびオリフィスサイズのモデルのパラメータ空間および予測値を示したグラフである。 実施例2で説明される、ガス質量およびオリフィスサイズのモデルに関するANOVAの表である。 実施例2で説明される圧力およびオリフィスモデルの確認の結果を示したものである。
発明の詳細な説明
以下に本発明の製剤および方法を説明するが、その前に、製剤および方法は無論さまざまでありうるので、説明される特定の製剤および方法に本発明が限定されるわけではないことが理解されるべきである。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるのであるから、本明細書において用いられる用語は特定の態様を説明することのみを目的としており、本発明を限定することは意図されていないこともまた理解されるべきである。
ある範囲の値が示される場合、文脈から明確に示されるのでない限り下限の単位の10分の1まで、その範囲の上限と下限との間にある各中間値も具体的に開示されるものと理解される。言明された範囲内の言明値または中間値と、その言明された範囲内の任意の別の言明値または中間値との間の各小範囲も、本発明に含まれる。これら小範囲の上限および下限は、独立に、その範囲に入っていてもまたは入っていなくてもよく、そして、上限および下限のいずれかもしくは両方が小範囲に含まれるかまたはいずれも含まれない各範囲も本発明に含まれ、言明された範囲内に特定の除外限界値がある場合はその対象となる。言明された範囲が一方または両方の限界値を含む場合、これら含まれる限界値のいずれか一方または両方を除外した範囲もまた本発明に含まれる。
特に断りがない限り、本明細書に用いられるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者に一般的に理解されているのと同じ意味を持つ。本発明の実施または検証においては本明細書に記述のものと類似または同等の任意の方法および物質が使用可能であるが、好ましい方法および物質を以下に記述する。本明細書中で言及するすべての刊行物は、その刊行物が引用される関連における方法および/または物質を開示および記述するため、参照により本明細書に組み入れられる。
本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる名詞の単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、特に断りがない限り複数形も含む。ゆえに、例えば、「1つの製剤(a formulation)」という表現は複数のそのような製剤を含み、「その方法(the method)」という表現は1つまたは複数の方法および当業者に公知の同等物を含む。他の表現も同様である。
本明細書で言及する刊行物は、本出願の提出日より先に開示されたという理由でのみ提供される。本明細書におけるいかなる記載も、先行発明によるそのような発表に先行する権利を本発明が有さないことの承認として解釈されるべきでない。さらに、提供される発表日は実際の発表日と異なる可能性があり、独立した確認を要する場合がある。
定義
医薬品有効成分(active pharmaceutical ingredient)、API、活性薬剤物質(active drug substance)、薬物(medicament)など:薬学的製剤の構成要素であって、薬学的活性があり、所望の効果を得る目的で送達されるもの。
アクチュエータ:機構またはシステムを動かすかまたは制御するための機械的デバイス。アクチュエータの1例は、自動式注射器を送達用に準備するため患者が使用するレバーである。あるいは、アクチュエータは、エネルギー蓄積を含む自動式注射器の機械的な部分を参照する可能性もあり、送達前にセットされる必要がある安全装置およびデバイス用のトリガを含んでいてもよく、そして送達中の適切な圧力プロファイルを確保する。
凝集:ファンデルワールス力または化学結合によって結びつけられた、連結分子の形成。
AUC:送達された薬剤の経時的な血漿濃度の曲線下面積または積分値。
生分解性の(biodegradable):体内で化学的に壊れるかまたは分解して非毒性成分を生成できること。デポ剤の分解速度は薬剤放出の速度と同じである可能性があり、または異なる可能性もある。
生物学的製剤(biologic):(化学的ではなく)生物学的な工程によって作られた医薬製品。例として、ワクチン、血液および血液成分、アレルゲン、体細胞、遺伝子治療、組織、幹細胞、免疫グロブリン、ならびに治療用の組換えタンパク質などがある。生物学的製剤は、ヒト、動物、植物、もしくは微生物などの天然資源から単離される場合があり、または生物工学的方法によって作られる場合もある。
バルク侵食(bulk erosion):デポ剤への水の浸透速度が、デポ剤が侵食される(すなわち水溶性産物に変化する)速度を上回る場合。これにより、デポ剤の全体積にわたって侵食プロセスが生じる。これは、薬物送達に現在使われているほとんどの親水性ポリマーの特性である。
キャリヤ:製剤の非活性部分であり、液体であってもよく、製剤の溶媒として作用してもよく、またはその中に製剤を懸濁してもよい。有用なキャリヤは、医薬品有効成分と有害な相互作用をせず、注射、具体的には無針注射による送達を可能にするような特性を持つ。注射用の好ましいキャリヤとしては、水、生理食塩水、およびそれらの混合物などがある。好適な製剤ができるように製剤化可能であり、かつ、医薬品有効成分またはヒト組織に有害な影響を及ぼさないのであれば、他のキャリヤも使用できる。
センチポアズ(centipoise)およびセンチストークス(centistokes):粘稠度に関する異なる測定値であるが、単に異なる単位というだけではない。センチポアズは粘稠度の動的測定値であり、センチストークスは粘稠度の運動学的測定値である。センチストークスおよびセンチポアズからS.I.単位への変換を以下に示す:
1 cS = 0.0001 m2/s 1 cP = 0.001 Ns/m2
熱膨張の係数(coefficient of thermal expansion)、熱膨張係数(thermal expansion coefficient)など:1℃あたりの材料のサイズの分数変化率(ΔL/L)。
摩擦係数(coefficient of friction):2つの材料間の法線力およびそれら材料間の摩擦力に関する比例定数。一般に、摩擦は接触面積など他の要因に依存しないと考えられている。静止摩擦係数は、2つの材料が静止しているときのそれら材料間の摩擦力の特性を表す。この力は一般に、相対運動を開始するのに必要な力である。動摩擦係数は、互いに対して動いている2つの材料間の摩擦力の特性を表す。一般に、静止摩擦係数は動摩擦係数より大きい。
容器閉鎖(container closure)、容器閉鎖システム(container closure system)など:無菌性を維持しかつ薬剤製剤の汚染の可能性を排除するように設計された薬剤容器。液体製剤を含有する容器閉鎖システムでは、製品保存寿命の間に製剤の濃度が明らかに変化しないよう、透湿度も十分に低くなければならない。好ましい材料は、保管中に製剤を汚染しないよう、浸出性が十分に低い材料を持つ。容器閉鎖用の好ましい材料としては、ガラス、より好ましくはホウケイ酸ガラス、またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ化材料などがある。
容器閉鎖の完全性(container closure integrity):無菌性を維持し、汚染の可能性を排除し、かつ保管中のキャリヤ損失を最小にする、容器閉鎖システムの能力。
CPV試験(CPV trial):本発明のIVIVCの予測力をバリデーションするのに用いた対象400名の試験。
送達フェーズ:製剤の圧力が一定かまたは徐々に変化し、この間に製剤用量の大部分が無針注射器から送達される(図2を参照)。本発明の好ましい態様において、望ましい注射は皮下注射である。これは一般に、送達される注射剤が通る穴を形成するための、より高圧のフェーズ(「穿刺フェーズ」を参照)が先立つことを必要とする。
デポ剤注射、デポ剤など:活性化合物を長時間にわたって安定的に放出する薬理作用物質の注射であり、通常は皮下、静脈内、または筋肉内への注射である。デポ剤注射は、デカン酸塩またはデカン酸エステルなど、薬剤の特定の形態として利用可能である場合がある。デポ剤注射の例としては、Depo Proveraおよびデカン酸ハロペリドールなどがある。デポ剤は身体の一箇所に局在化されてもよいが、常にそうであるわけではない。
DoseProまたはIntraject:現在Zogenix Corporationにより製造されている、単回使用、充填済み、使い捨て式の無針注射器。カートリッジは、対象に注射される液体であらかじめ充填され、そして液体アウトレットと、液体と接触状態にある自由ピストンとを有し;アクチュエータは、圧縮ガスばねにより推進されデバイスが作動されるまで一時的に抑制されているインパクト部材を含み;インパクト部材は、ばねの力の下で第一の方向に移動可能であり、これによりまず自由ピストンに衝突しそれから続いてピストンを第一の方向に移動させて、液体の所与の用量を液体アウトレットを通して吐出させ;ばねは、内蔵式のエネルギー蓄積を提供し、そして、より高いエネルギー状態からより低いエネルギー状態へと移るがその逆にはならないように適合している。アクチュエータは、デバイスが皮膚に押し付けられたときにのみデバイスを作動させこれにより注射を開始するためのトリガ手段を含んでいてもよい。DoseProの要素およびバリエーションは米国特許第5,891,086号に記載されており、追加の説明、改善、および異形物は、参照により本明細書に組み入れられるUS6620135、US6554818、US6415631、US6409032、US6280410、US6258059、US6251091、US6216493、US6179583、US6174304、US6149625、US6135979、US5957886、US5891086、およびUS5480381に記載がある。多数の送達システムおよび技法が本発明とともに使用されてよいが、DoseProが好ましい方法である。
賦形剤:活性薬剤の有効な送達に必要である適切な物理特性を混合物が呈することができるように活性薬剤物質に添加される任意の物質で、キャリヤもこれに含まれる。
濾紙重量(filter paper weight)またはFPW:無針注射の事象後に皮膚上に残った注射剤の量の測定値。FPWを測定するには、注射されなかった材料を濾紙に吸収させ、サンプルの重さを量り、そして風袋重量を引く。サンプル中に血液が見られる場合は、このことが注記され、一般にその結果は使用されない。血液によってFPWの過大評価が生じるからである。FPWはVASの校正および補正に使用できる。VASの定義および実施例1を参照されたい。
製剤、注射剤など:注射できる任意の液体、固体、または他の物質の状態。好ましい製剤は液体製剤であり、溶液、ナノ懸濁液を含む懸濁液、乳濁液、ポリマー、およびゲルを含むがそれに限定されるわけではない。製剤は、注射に好適な賦形剤を含有しかつ1つまたは複数の医薬品有効成分を含有する製剤を含むが、それに限定されるわけではない。
免疫原性(immunogenicity):免疫反応を引き起こす、物質(抗原)の能力。凝集していない分子が免疫原性でない場合であっても、凝集した生物学的薬剤は免疫原性となることがある。
インパクトギャップ(impact gap)、スラップハンマー距離(slap-hammer distance)など:スラップハンマー効果、すなわち製剤の圧力スパイクを作り出すために使われる、インパクト部材とピストンとの間のギャップの幅。無針送達事象の際、インパクト部材は例えば圧縮ガスまたは別のエネルギー源などによってこのギャップを越えるように推進され、このときインパクト部材は、ギャップを越えるように移動しながら、エネルギー源によってなされた仕事を統合し、そしてインパクト時にこのエネルギーを製剤に送達して、早期の圧力スパイクを作り出す。「穿刺フェーズ」も参照されたい。
インビボ(「生体内の」を意味するラテン語より):生体の一部もしくは死んだ生体を用いた実験、またはインビトロ実験と異なり、生きている生体全体を用いた実験。インビボ研究は動物試験およびヒト臨床試験を含む。インビボ試験がインビトロ試験より好まれるのは、多くの場合、その結果から臨床結果をよりよく予見できる可能性があるという理由からである。
インビトロ(「ガラス内の」を意味するラテン語より):生きている生体内ではなく(インビボを参照)、試験管または他の研究室用実験装置など、制御された環境内で行われる手技。インビトロ試験がインビボ試験より好まれるのは、多くの場合、費用が少なくかつヒトおよび/または動物の対象に対する危険が少ないという理由からである。
インビボ/インビトロ相関(in-vivo/in-vitro correlation)、IVIVCなど:インビトロの測定値および設計パラメータなどに基づいてインビボ性能を予測するモデルで、好ましくは数学モデルである。予測力があるIVIVCは、費用がかかりかつ危険な可能性があるヒトまたは動物の臨床試験の必要性を伴わずにインビボ測定値の予測値をもたらす。IVIVCは、薬剤、薬剤送達技術、または他の医用デバイス技術の異なる構成を利用した複数の臨床試験、好ましくはヒト臨床試験のメタ解析に基づくことが好ましい。本件に関して、IVIVCは、注射器の設計パラメータおよび性能のベンチ測定値に基づいて無針注射器のインビボ注射性能を予測するモデルを意味するものとみなされてもよい。
ジェット試験(jet test)、ジェットテスター(jet tester)、ジェット試験法(jet test method)など:シミュレートされた薬剤送達事象において液体ジェットの衝突を受けたときのトランスデューサ上の力を測定する卓上装置。これらのデータを用いて経時的な製剤圧力を計算できる。ジェット試験はストレインゲージ試験と同時に行われることが多い。図4は本発明の開発に用いられたジェットテスターの略図である。
無針注射器、針なし注射器(needle-less injector)、ジェット注射器(jet injector)など:皮下針を使用せずに皮下注射、筋肉内注射、または皮内注射を送達する薬剤送達システム。注射は、所望の深さまで皮膚、皮下層、または筋肉を貫通する十分な速度を備えた、少なくとも1つの高速の液体ジェットを作り出すことによって実現される。無針注射システムは以下のものを含むが、それに限定されるわけではない:Zogenix Corporationにより製造されているDosePro(登録商標)システム;Bioject Medical Technologies, Incorporatedにより製造されているBioject(登録商標)2000、Iject、またはVitajectデバイス;Antaresにより製造されているMediject VISIONおよびMediject VALEOデバイス;Visionary Medicalにより製造されているPenJetデバイス;Crossjectにより製造されているCrossJectデバイス;Biovalveにより製造されているMiniJectデバイス;Caretek Medicalにより製造されているImplajectデバイス;AlgoRxにより製造されているPowderJectデバイス;National Medical Productsにより製造されているJ-tipデバイス;Activa Systemsにより製造されているAdvantaJet;Injex-Equidyneにより製造されているInjex 30デバイス;および、Medical House Productsにより製造されているMhi-500デバイス。
ピストン:エネルギー源による力の下で液体製剤をオリフィスから出るように駆動して無針注射を実現する、無針注射器の構成要素。好ましい態様において、無針注射器は製剤であらかじめ充填され、そしてピストンは容器閉鎖システム薬剤接触表面となる。特に好ましい態様において、ピストンは、エネルギーをインパクト部材から製剤に伝えて圧力スパイクを作り出すという追加の機能を持つ。「穿刺フェーズ」を参照されたい。好ましくは、ピストンはPTFEを具備する。
ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene)、PTFE、Teflonなど:テトラフルオロエチレンの合成フルオロポリマー。PTFEはDuPontのブランド名Teflonによって最もよく知られている。PTFEは高分子量のフルオロカーボン固体であり、炭素およびフッ素のみからなる。PTFEは任意の固体に対する摩擦係数が最も低いものの1つである。
予防(prophylaxis):有害状態または医学的疾患の発生または進行を防ぐために用いられる、薬剤の投与。
穿刺フェーズ、初期圧力スパイクなど:皮膚の中にまたは皮膚を通して望ましい深さまで穿孔できる十分なエネルギーを備えたジェットを作り出す、無針注射器内の製剤の圧力の初期スパイク(図2および図3を参照)。本発明の好ましい態様において、注射は皮下注射である。有効で再現性のある皮下注射を実現するには、ジェットに、皮下まで穿孔できるだけの十分なエネルギーがあることが重要である。しかしその後は、痛みを伴う筋肉内注射になる前に穴の形成が止まるよう、製剤の大部分がより低い圧力で送達されることが重要である。
皮下脂肪厚(skinfold thickness)は、皮下脂肪の量の測定値であり、つまんだ皮膚をキャリパのジョーに挿入することによって得られる。皮下脂肪は一般的に、ヒト患者の上腕、大腿、または上腹部で測定される。
表面侵食(surface erosion):デポ剤への水の浸透速度は、デポ剤が侵食される速度より遅い−水がデバイスの全体積に浸透するより前に、デポ剤の表面から侵食が生じる。
比重(specific gravity):化合物の密度と水の密度との比。
ばね:シリンジ内の薬物を患者の皮膚内にかつ皮膚を通して体内に推進させるのに使われるエネルギーを蓄積できる機構であって、エネルギー蓄積により提供される力が変位に比例するような機構。この機構は、例えば、コイルばねまたは皿ばねスタックなどの圧縮可能な金属構成要素など、機械的なものであってもよい。好ましくは、この機構は、エネルギーが蓄積され、そして解放されるとガスが膨張する、圧縮ガスばねである。
ストレインゲージ試験(strain gauge test)、ストレインゲージ法(strain gauge method)など:インビトロ送達事象の際に製剤圧力を測定する方法であり、ストレインゲージが製剤容器に取り付けられ、製剤圧力について校正され、それから製剤の経時的な圧力プロファイルを測定するのに用いられる。ストレインゲージ試験は一般的にジェット試験と平行して行われる。
皮下組織(subcutaneous tissue)、皮下層(stratum subcutaneum)、下皮(hypodermis)、下皮(hypoderm)、または浅在筋膜(superficial fascia)など:皮膚の真皮のすぐ下にあり、主として疎性結合組織および脂肪の小葉からなる組織層。皮下層は皮下注射の標的である。
成功した注射:意図される注射体積の90%より多い体積が皮膚を通って皮下組織に送達される注射。
視覚的評価スコア(visual assessment score)、VASなど:観察に基づき、0〜4のスケールで無針注射をスコア化する、半定量的な方法。視覚的評価は、皮膚上に残った注射剤の量を計量することによって校正される。前述の「濾紙重量」の定義を参照されたい。0、1、2としてスコア化された注射は失敗といい(下記「ウェット注射」を参照)、3および4は成功した注射である。注射スコアは以下のように定義される:
0 = 注射剤が100%跳ね返り、表皮に穴もあいていない
1 = 表皮に穴があいたが、注射剤の貫通はあってもごくわずか
2 = 注射剤がいくらか貫通(約5%かつ<90%)
3 = 注射剤の貫通が約90%かつ<95%
4 = 注射剤が約95%貫通
透湿度(water vapor transmission rate(WVTR))は、水蒸気が材料を通って浸透する定常状態の速度である。値は、米国標準単位ではg/100 in2/24 hr、メートル単位ではg/m2/24 hrで表される。
ウェット注射(wet injection):注射剤のうち皮下層まで貫通しなかった分が10%より多い、失敗した無針注射。関連する定義として、視覚的評価スコア(VAS)が3未満の注射がある。
発明の全般
あらかじめ充填された注射器の使用は、標準的な針およびシリンジに対して、以下を含む多数の恩恵を有する:
・使用前に製剤をシリンジに引き入れる必要がない
・段階がより少ない
・指示がより簡潔である
・必要な装備がわずかである(注射器がユーザーにより携行されなければならない急性の適応において特に重要である)
・投与が迅速である
・患者のコンプライアンスが向上する
・疾患の転帰が向上する。
好ましい自動式注射器は、送達用のエネルギーが、患者または医薬を投与する介助者ではなくデバイスから来るという点において、追加の利点を持つ。このことは、例えば、標準的な針およびシリンジを利用して送達した場合に大きな手の力、長い送達時間、および大きな針ゲージが必要となる高粘度の製剤の送達において、非常に重要となる可能性がある。
自動式注射器の好ましい態様は無針注射器である。無針注射器が好ましいのは以下の理由による:
・針刺し傷害および関連する疾患への曝露の危険がない
・針恐怖症が生じない
・直径の小さな液体ジェットは、痛みの感覚をほとんどまたはまったくもたらさない
・鋭利物を廃棄する必要がない
・(皮下針と比較して)流路が非常に短いので、粘性損失が減るとともに、高粘度の製剤の送達が可能になる。
無針注射器は、針およびシリンジ、または針を備えた標準的な自動式注射器に対してこれらの利点を持つ一方で、針が注射の深さを設定しそして注射が適切に行われれば本質的に注射剤の全部が標的領域に送達されるという標準的な注射器と異なり、一般的に、デバイスを出る際の液体の動力学が注射の深さおよび質を決定するという短所を持つ。したがって、さまざまな設計パラメータおよび/または測定されるジェット動力学パラメータが注射性能にどのように影響しうるかを知り、そして、これらのパラメータを制御して好適な水準の成功した注射を確保すること、具体的には、システムをインビボで使用した場合にウェット注射の数が既定の数より少なくなるようにすることが、きわめて重要である。
無針注射器は、修正が可能でありかつ注射性能に影響を及ぼしうる多数のパラメータを持つ。これにはパワー源も含まれ、パワー源は、圧縮ガス、発火用チャージ、機械ばね、または他の任意のエネルギー蓄積手段であってもよい。ガスの圧力および体積、発火用チャージの化学的性質および可燃材料の量、または、機械ばねのばね定数および予圧といった、パワー源の強度は、性能に重要である可能性がある。重要となりうる他のパラメータとしては非限定的に以下のものがある:ジェットオリフィスの直径;オリフィスの数;オリフィスの長さおよび形状などの液圧パラメータ:粘稠度などの製剤特性;および、アクチュエータの機械特性、すなわち、それがパワー源からのエネルギーを製剤圧力にどのように変換するかという特性であり、より具体的には、送達事象中の圧力プロファイル対時間の特性。
好ましい態様において、無針注射器は、液体の薬剤製剤と接触しているピストンから離れているインパクト部材を含む。デバイスが(好ましくは標的皮膚領域に押し付けることによって)トリガされると、圧縮ガスのパワー源からのエネルギーがインパクト部材に移され、このとき、インパクト部材がギャップを越える際に、膨張するガスによって仕事がなされる。このことは、インパクト部材がピストンに衝突したときに製剤に圧力スパイクが作り出されるという、「スラップハンマー」効果を作り出す。この圧力スパイクは非常にエネルギーの高い液体ジェットを作り出し、この液体ジェットが、望ましい深さ、好ましくは皮下まで、表皮に穴を作り出す(「穿刺フェーズ」)。加圧ガスは引き続きインパクト部材、ひいてはピストンを前方に推進して、穴を通して皮下組織まで製剤を送達する(「送達フェーズ」)。このときの圧力は、穴を開いたままに保って製剤用量を送達するが、穴の深さを引き続き増大はさせないような、より低い圧力である。このようにして、痛みを伴う筋肉内注射を回避しながら、反復可能な皮下注射が実現される。ギャップのサイズ、インパクト部材にかかる力、および可能性としてインパクト部材の質量を制御することは、いずれも、成功した注射の割合および送達される注射剤の量に影響する可能性がある。
製造しやすさ、コスト、信頼性、または使いやすさなどを向上させるため、開発中または当局承認後にこれらまたは他のパラメータを変更することが望ましいかまたは必要になる可能性がある。しかし、臨床試験、特にヒトの臨床試験には高額の費用および高いリスクが伴うため、これらの変更をバリデーションするうえで臨床試験を大規模に繰り返す必要がないのであれば、非常に好都合である。少なくとも、必要とされるヒト臨床試験のアウトカムは、無針注射の質に関連するリスクが最小限であることが望ましい。このため、デバイスパラメータのインビボ影響を直接的に予測するモデルか、またはより好ましくは、インビトロ、研究室の卓上実験、もしくは可能性としてそれらの組み合わせにおける性能をインビボ性能と相関させるモデルによって、変更がインビボ性能に及ぼす影響を予測する方法が必要である。そのようなモデルをインビボ/インビトロ相関またはIVIVCという。
そのようなIVIVCが開発されている(後述の実施例1を参照)。このIVIVCは、米国特許第5,891,086号に記載されているDosePro技術を用いて開発され、追加の説明および改善はUS6620135、US6554818、US6415631、US6409032、US6280410、US6258059、US6251091、US6216493、US6179583、US6174304、US6149625、US6135979、US5957886、US5891086、およびUS5480381に記載がある。このモデルでは、製剤の圧力プロファイル対時間を測定するための卓上システム(図4を参照)を用いて、DosePro技術の多数の異なる構成について特性を決定した。これらのデータを解析し、これらの構成を利用した既存のインビボ注射性能のデータと比較して、相関を開発した。インビボ性能は、送達後に皮膚上に残った注射剤の量を、訓練を受けた観察者が視覚的に評価することによって測定した。この視覚的評価法は、注射されなかった流体を濾紙上に回収して計量する直接測定と結果を比較することによってバリデーションされている。
この作業の結果は、前述のスラップハンマー効果によって作り出される穿刺フェーズの製剤圧力ピークの高さと、製剤0.5 mLあたりの総注射時間という、2つのパラメータだけに基づいて注射性能が正確に予測されるという、自明ではなくいささか驚くべき結果となった。
VAS = +1.1728 - 5.0305x103 * (TotIT0.5) + 0.0873 * (MPP)
式中、TotIT0.5はオリフィスあたり送達される製剤0.5 mLあたりの総注射時間(ms)であり、MPPは穿刺フェーズの主要ピークのピーク圧力(MPa)である(図3を参照)。
少なくとも、ガス圧、オリフィス直径、インパクトギャップ、ならびにインパクト部材の質量および水力直径は注射性能に影響すると想定されるシステムにおいて、これは想定されなかった結果であるが、想定されるインビボ性能が2つのパラメータだけを利用して予測できるという点で非常に有用性がある。この式を用いると、主要ピーク圧力および製剤0.5 mLあたりの注射時間が以下のようになる無針注射器を設計すれば、
+ 17.4*MPP (MPa) - TotIT0.5 (ms/0.5 mL) ≧ 363.2
ウェット注射が回避されると期待できる。上式は、平均VASが≧3であること、すなわち、平均して、意図される送達量の約90%を上回る量が注射されることを前提としている。
しかし、平均VASが≧3であることは許容できないと考えられる可能性もある。図7に見られるように、平均VASが3である場合、成功したとみなされる注射は60%しかない(意図される送達量の90%が注射されることを成功した注射と定義した場合)。このことは、VASが平均値であり、データの約50%(データがガウス分布をしているのであればちょうど50%)はその平均値より低いのであるから、想定されることである。最良適合ライン(図7を参照)は下式のとおりである:
FSI90 = 0.4053 * VAS - 0.6066。
上式において、FSI90は、意図される送達量の90%が注射される注射が成功した注射として定義される場合の、成功した注射の割合の測定値として定義される。この式は、望ましい水準の成功した注射を実現するのに必要なVASを与えるよう、以下のように書き換えることができる:
VAS = 2.4673 * FSI90 + 1.4967。
ゆえに、成功した注射の望ましい割合が0.9(90%)である場合、VASの目標値は3.71となる。ゆえに、以下の式を満たす無針注射器を持つことが好ましい:
+ 17.4*MPP (MPa) - TotIT0.5 (ms/0.5 mL) ≧ 505.4。
成功した注射が95%であることがより好ましい可能性もある。この場合は、VASの目標値が3.84であること、すなわち以下の式を満たす無針注射器が必要となる:
+ 17.4*MPP (MPa) - TotIT0.5 (ms/0.5 mL) ≧ 530.2。
最も好ましいのは成功した注射の期待値が100%であることであり、その場合はVASが≧3.96となる必要がある。ゆえに、以下の式を満たす無針注射器を持つことが好ましい:
+ 17.4*MPP (MPa) - TotIT0.5 (ms/0.5 mL) ≧ 554.9。
皮下注射が実現され、かつ痛みを伴うIM注射が生じないためには、送達フェーズ中の圧力が主要ピーク圧力より低いことが重要である。なぜなら、皮膚に穴を形成するような圧力で送達を続けることは、送達フェーズ中も穴が形成され続けることを意味するからである。送達フェーズの圧力は、穿刺フェーズのピーク圧力の1/2未満であるべきであり、好ましくは主要ピーク圧力の1/3未満である。好ましくは、送達フェーズ中の平均圧力は主要圧力ピークの最大圧力の2.5分の1〜4.0分の1であり、より好ましくは2.5分の1〜3.2分の1である。1つの好ましい態様において、主要圧力ピークの最大圧力は35〜40 MPaであり、オリフィスあたりの0.5 mLあたりの送達時間は100 ms未満であり、好ましくは60 ms未満であるが、好ましいのはオリフィスあたりの0.5 mLあたりの送達時間が35 msより長いことである。
1つの好ましい態様において、オリフィスの数は1であり、目標送達体積は0.5 mLである。オリフィスが1つである別の態様は、目標送達体積が1.0 mLであり、好ましくは1.0 mLより大きい。
この結論に至った研究の詳細な説明を以下の実施例1に示す。
以下の実施例は、本発明をどのように作製および利用するかについての完全な開示と説明を当業者に提供するためのものであり、本発明者らが自らの発明であると考える範囲を限定するものではなく、以下に示す態様が実施されたすべてまたは唯一の実験であることを示すものでもない。示した数字(例えば量、温度など)は正確であるように注意を払っているが、いくらかの実験誤差および逸脱は考慮に入れられるべきである。特に断りがない限り、割合は質量比による割合であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏度であり、圧力は大気圧または大気圧付近である。
実施例1
この実施例の主な目的は、注射の成功に影響しない微妙な圧力プロファイル変動の影響を受けず、予測力があるIVIVCを作り出すことであった。IVIVCを作り出すため、DosePro無針注射器の構成を、視覚的評価スコア(VAS)および濾紙重量(FPW)を反応変数として用いたインビボ試験、ならびに、図3に示すさまざまな測定値を用いたインビトロ試験の両方で試験した。FPWおよびVASには以下の関係がある:
・FPW > 475 mg 〜 VAS 1
・FPW ≦ 475 mg かつ FPW > 50 mg 〜 VAS 2
・FPW ≦ 50 mg かつ FPW > 25 mg 〜 VAS 3
・FPW ≦ 25 mg 〜 VAS 4
FPWを用いて以下のようにVASを補正した:FPWがVASから示唆される値より小さい場合は、VASを変更しない。その理由は、良好でない注射の際は注射剤が注射部位からスプレー状に飛び散って、FPWが予期値より小さくなる可能性があるからである。FPWがVASから示唆される値より大きい場合は、FPWと対応するようにVASを低く修正する。濾紙上に血液が観察される場合は、血液重量について補正する機序がないため、VASを補正しない。この作業において試験した注射のうち、VASを補正したのは1%未満であった。
試験した各構成は、材料および構成要素が同じであり、オリフィス直径およびガスチャージが異なっていた。すべての構成で同じインパクトギャップが用いられた。
IVIVCを開発するため、修正後のVASを、図3に示すさまざまな圧力パラメータの測定値についてフィッティングし、統計的に有意な相関を用いた。
予測力のあるIVIVCに関する許容基準は以下のとおりとした:
・モデルは、後のヒト臨床試験(これを「CPV」試験という)における性能を正しく予測するため、先立つヒト臨床試験の結果を利用したものでなければならない。「正しく予測する」とは、モデル予測インターバルがCPV試験における性能を含有していなければならない、という意味である。加えて、IVIVCは全体的に妥当な予測力を持っていなければならない。
・予測されるR二乗値は0.7より大きく、かつ、調整後のR二乗値の0.20以内であるべきである。
・モデルは、性能の良くない構成が良い性能を示すという正しくない予測をしてはならず、その逆もしかりである。
・構成400(図6を参照)のモデル予測インターバルは構成200の平均インビボ性能を含有してはならず、その逆もしかりである。
・モデル内のすべての点について、予測誤差の絶対値が15%未満でなければならない。
試験した異なる各構成について、送達事象中の製剤圧力対時間を、2つの非常に独立した方法で決定した(図4を参照)。送達中に、液体ジェットが作られてトランスデューサに力を与える。このことにより、ジェットの運動量の測定、ひいては薬剤カプセル圧力の計算が可能となった(「ジェット試験」法)。同時に、ガラス製の薬剤カプセルに取り付けられた校正済みのストレインゲージにより、製剤圧力を直接的に測定した(「ストレインゲージ」法)。サンプルデータを図2および図3に示す。
31項目のインビトロ計量の値を圧力トレースから決定し(図3を参照)、各構成について平均値を計算し、そしてこれらを補正後VASと相関させた。31項目のインビトロ計量のうち2項目をこのIVIVICの開発に使用した。これらは図3に示されている。モデルに使用した2つの計量は、2 - オリフィスあたりの0.5 mLあたりの総送達時間(TotIT0.5)および15 - 主要ピーク圧力(MPP)である。
モデルは以下のとおりである:
補正後VAS = +1.1728 - 5.0305 x 103 * (TotIT0.5) + 0.0873 * (MPP)
上式において、総注射時間の単位はms/(0.5 mL)、主要ピーク圧力の単位はMPaである。
実施例1に概説した予測モデルは無針注射器に広く適用可能であると考えられるが、5,891,086に記載されているタイプの無針注射器(以後、本明細書において「DosePro」という)に特異的であるより限定的なモデルもまた、本明細書に記載のパラメータで動作するように設定された場合に有用である。見出されたもののうち最良のものは、ガス質量およびオリフィスサイズのみを利用した相関モデルであった。いずれも、製造プロセスの一部として指定されるデバイスパラメータであり、すなわちシステム性能を推定するのに実験データは必要ない。皮下脂肪厚が10 mm未満の患者では注射性能が低いことがすでに示されているので、解析には皮下脂肪厚が10 mmより大きい患者のみを含めた。
モデルは以下のとおりである:
VAS = -7.68811 + 13.22749 * オリフィスサイズ + 0.10781 * ガス質量 - 17.18723 * オリフィスサイズ2 - 3.19298E-004 * ガス質量2
上式において、オリフィスサイズの単位はmm、ガス質量の単位はmgである。
モデル空間を図8に示す。モデルは相関に基づいているため、トップ(top)は、各入力変数に関するパラメータ空間の内部かまたはすぐ外側でのみ有効であると考えられる。
相関から得られたANOVAの結果を図9に示す。モデルF値が46.69であればそのモデルが有意であることが示唆される。これだけ大きな「モデルF値」がノイズによって生じる可能性はわずか0.01%である。「Prob > F」の値が0.0500未満であることは、モデルターム(model term)が有意であることを示す。「予測R二乗値」が0.8816であることは、「調整R二乗値」が0.9195であることと妥当な一致性がある。「適切精度(Adeq Precision)」は信号対雑音比の尺度である。比が4より大きいことが望ましい。比が20.160であることは、信号が十分であることを示す。
モデルの開発に使用しなかった臨床結果を用いてモデルを確認した。使用した構成および検証の結果を図10に示す。これらの結果から、このモデルで確かにDoseProの臨床結果を予測できることが確認された。
本明細書における本発明の提示および説明は、最も実際的でありかつ好ましい態様であると考えられる様式でなされている。しかし、本発明の範囲内に入る逸脱も可能であること、および、本開示を読めば当業者には明らかな変更が考えられるであろうことが認識される。
以上、具体的な態様を参照しながら本発明を説明したが、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなくさまざまな変更および同等物の置換が可能であることが当業者に理解されるべきである。加えて、特定の状況、材料、物質の組成、工程、工程の段階を本発明の目的、精神、および範囲に適合させるために、数多くの修正を行うことが可能である。そのような修正はすべて添付の特許請求の範囲内に入るものと意図される。

Claims (16)

  1. 液体製剤が加圧されて注射器の少なくとも1つのオリフィスから押し出されるような無針注射器であって、
    該注射器は、作動時に、最大圧力を伴う主要圧力ピークを含む穿刺フェーズを含む圧力プロファイル対時間曲線を生成するように構成されており、
    該注射器は、該穿刺フェーズに続いて、該主要圧力ピークの該最大圧力より低い圧力で生じる送達フェーズを提供するようさらに構成されており、これはオリフィスあたりの注射剤0.5 mLあたりの送達時間によって特徴付けられ、該送達時間および該ピーク圧力は以下の関係
    17.4*MPP (MPa) - TotIT0.5 (ms/0.5 ml) ≧ 363.2
    を満たすように選択され、式中、TotIT0.5はms単位で測定され、かつMPPはMPa単位で測定される、無針注射器。
  2. 作動時に送達時間およびピーク圧力が以下の関係
    17.4*MPP (MPa) - TotIT0.5 (ms/0.5 ml) ≧ 505.4
    を満たすように選択されるように構成されている、請求項1記載の無針注射器。
  3. 作動時に送達時間およびピーク圧力が以下の関係
    17.4*MPP (MPa) - TotIT0.5 (ms/0.5 ml) ≧ 530.2
    を満たすように選択されるように構成されている、請求項1記載の無針注射器。
  4. 少なくとも1つのオリフィスの直径が1 mm未満でありかつ0.1 mmより大きい、請求項1記載の無針注射器。
  5. 主要圧力ピークが、エネルギー源によってギャップを越えるように推進され、かつ表面に衝突した際に該エネルギー源から得られたエネルギーの大部分を製剤に移すインパクト部材によってもたらされる、請求項4記載の無針注射器。
  6. 前記表面がピストンの一部であり、かつエネルギー源による推進によって前記インパクト部材および該ピストンが送達フェーズにおいて引き続き移動して、送達される製剤の残りを少なくとも1つのオリフィスから押し出させる、請求項5記載の無針注射器。
  7. 作動時に、送達フェーズ中の製剤中の圧力が比較的一定となるように構成されている、請求項4記載の無針注射器。
  8. 作動時に、送達フェーズ中に製剤中の圧力が徐々に低下するように構成されている、請求項4記載の無針注射器。
  9. 作動時に、送達フェーズ中の最大圧力が主要圧力ピークの最大圧力の1/2未満となるように構成されている、請求項4記載の無針注射器。
  10. 作動時に、送達フェーズ中の平均圧力が主要圧力ピークの最大圧力の2.5分の1〜3.2分の1となるように構成されており;かつ
    送達時間およびピーク圧力が以下の関係
    17.4*MPP (MPa) - TotIT0.5 (ms/0.5 ml) ≧ 554.9
    を満たすように選択される、請求項4記載の無針注射器。
  11. 作動時に主要圧力ピークの最大圧力が35〜40 MPaとなるように構成されており、かつ単一の注射オリフィスを有する、請求項4記載の無針注射器。
  12. 作動時に、オリフィスあたりの0.5 mLあたりの送達時間が100 ms未満となるように構成されている、請求項4記載の無針注射器。
  13. 作動時に、オリフィスあたりの0.5 mLあたりの送達時間が35 msより長くなるように構成されている、請求項4記載の無針注射器。
  14. 目標送達体積が0.5 mLである、請求項13記載の無針注射器。
  15. 目標送達体積が1.0 mLより大きい、請求項13記載の無針注射器。
  16. インパクト部材およびピストンを含み、該ピストンが、エネルギーを該インパクト部材から液体製剤に伝えて圧力スパイクを作り出す、請求項1記載の無針注射器。
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