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JP2021095353A - ヒアルロン酸の液滴を使用する美容方法 - Google Patents

ヒアルロン酸の液滴を使用する美容方法 Download PDF

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JP2021095353A JP2019226591A JP2019226591A JP2021095353A JP 2021095353 A JP2021095353 A JP 2021095353A JP 2019226591 A JP2019226591 A JP 2019226591A JP 2019226591 A JP2019226591 A JP 2019226591A JP 2021095353 A JP2021095353 A JP 2021095353A
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Abstract

【課題】それほど侵襲的でない方法で、ヒアルロン酸又はその塩を皮膚及び唇等のケラチン物質に送達することができる美容方法又はキットを提供すること。【解決手段】本発明は、皮膚及び唇等のケラチン物質のための美容方法であって、液滴の形態にある、少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む少なくとも1種の組成物を、100m/秒以上、好ましくは100〜300m/秒、より好ましくは100〜250m/秒の速度でケラチン物質上にブローする工程を含み、ヒアルロン酸又はその塩がケラチン物質内に浸透することができる、美容方法に関する。本発明は、それほど侵襲的でない方法で、ヒアルロン酸又はその塩を皮膚及び唇等のケラチン物質に送達することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、ヒアルロン酸又はその塩を含む液滴の、ヒアルロン酸又はその塩が皮膚及び唇等のケラチン物質内に浸透することを可能にするための、美容上の使用に関する。
ヒアルロン酸(HA)は、ヒトの体内で天然に発生する化合物であり、皮膚、関節の滑液、及び目の硝子体液を含む多くのヒト組織内で見出されうる。ヒトの体内のHAのうち最大量が、皮膚内で見出されうる。
皮膚は老化し、例えば太陽からのUV線に繰り返し曝露されるため、真皮細胞は、時間の経過とともにそれらのHA生成を減少させる傾向にある。皮膚内のHA生成の減少は、しわ、及び皮膚テクスチャの悪化を引き起こすことがある。したがって、HAを皮膚に供給する必要性がある。
HAを皮膚に供給する目的のために、様々な分子量を有するHA及びそのナトリウム塩又はカリウム塩が、クリーム、ローション、トニック、マスク等の形態にある多くの化粧料中で使用されている。これらの製品は、局所的に適用されるが、HAが皮膚内に浸透することは難しく、これがしわ及び皮膚テクスチャにおいてもたらす効能は、限定的又は短期である。
HAの効能を改善する目的のために、HAをベースとする組成物が、例えば小じわ、ひだ及びしわを充填するために皮膚内に注射されることがある。このHAベース組成物は、真皮充填剤として知られる。これらの真皮充填剤は、典型的には皮膚の表面の直下に、ほとんどは表皮-真皮のつなぎ目に、又は真皮内に、針で注射される。しかしながら、これらの注射は、例えば針の恐怖症、感染、困難な無菌化等のいくつかの欠点及びリスクを有する。
上記の欠点及びリスクを回避するために、無針注射システムが提案されてきた。無針注射システムでは、皮膚充填剤が強制的に皮膚に向かって押され、その結果、それは皮膚を通ることができる。例えば、米国特許第7824360号及び米国特許第8066662号は、高圧ジェット流又は他のエネルギー源を使用して、HA等の皮膚充填剤の流れが皮膚の真皮へ浸透することを可能にする無針注射デバイスを提案している。米国特許第8021323号もまた、流れの形態にあるHA等の真皮充填剤を皮膚内に送達するための無針注射デバイスを提案している。他方で、米国特許第8734384号は、無針注射デバイスを設計するためのいくつかのパラメータを記載している。
上記の従来の無針注射システムでは、HAは、微細なオリフィスを有するノズルから皮膚に適用される。微細なオリフィスから押し出されたHAは、微細な流れの形態にあることができ、これは、皮膚を穿刺してHAが皮膚内へ入ることを可能にすることができる。
微細な流れの形態にあるHAの適用は、きわめて侵襲的であり、以下の欠点を有する:
- HAの微細な流れは針として機能することができ、したがってそれはわずかな痛みを引き起こすことがある、及び
- HAの微細な流れは皮膚の深層に達することができ、したがってHAの適用は専門家又は皮膚科医によってのみ実施可能である。
米国特許第7824360号 米国特許第8066662号 米国特許第8021323号 米国特許第8734384号 米国特許第9457151号
本発明の目的は、それほど侵襲的でない方法で、ヒアルロン酸又はその塩を皮膚及び唇等のケラチン物質に送達することができる美容方法又はキットを提供することである。
上記の目的は、皮膚及び唇等のケラチン物質のための美容方法であって、
液滴の形態にある、少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む少なくとも1種の組成物を、100m/秒以上、好ましくは100〜300m/秒、より好ましくは100〜250m/秒の速度でケラチン物質上にブローする工程
を含み、ヒアルロン酸又はその塩がケラチン物質内に浸透することができる、美容方法によって達成することができる。
本発明による方法において使用されるヒアルロン酸又はその塩は、5μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上の深さでケラチン物質内に浸透することができる可能性がある。
本発明による方法において使用される組成物は、0.2〜7Paのずり減粘応力にて、0.01〜60Pa.s未満、好ましくは0.1〜30Pa.s未満、より好ましくは1〜10Pa.s未満の、25℃での粘度を有しうる。
本発明による方法において使用されるヒアルロン酸の分子量は、5kDa〜20MDa、好ましくは20kDa〜10MDa、より好ましくは100kDa〜2,000kDaであってもよい。
本発明による美容方法においてブローアウトされる液滴のサイズは、10μm未満、好ましくは5μm未満、より好ましくは1μm未満であってもよい。
本発明による方法において使用される組成物中のヒアルロン酸の濃度は、組成物の総質量に対して、0.01質量%〜10質量%、好ましくは0.1質量%〜5質量%、より好ましくは0.5質量%〜1.5質量%であってもよい。
上記の目的はまた、皮膚及び唇等のケラチン物質の美容トリートメントのためのキットであって、
少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む、少なくとも1種の組成物と、
液滴の形態にある組成物を、100m/秒以上、好ましくは100〜300m/秒、より好ましくは100〜250m/秒の速度でケラチン物質上にブローするための少なくとも1つのデバイスと
を備え、ヒアルロン酸又はその塩がケラチン物質内に浸透することができる、キットによっても達成することができる。
本発明によるキット中で使用されるヒアルロン酸又はその塩は、5μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上の深さで、ケラチン物質内に浸透することができる可能性がある。
本発明によるキット中で使用される組成物は、0.2〜7Paのずり減粘応力にて、0.01〜60Pa.s未満、好ましくは0.1〜30Pa.s、より好ましくは1〜10Pa.sの、25℃での粘度を有しうる。
本発明によるキット中で使用されるヒアルロン酸の分子量は、5kDa〜20MDa、好ましくは20kDa〜10MDa、より好ましくは100kDa〜2,000kDaであってもよい。
本発明によるキット中のデバイスからブローアウトされる液滴のサイズは、10μm未満、好ましくは5μm未満、より好ましくは1μm未満であってもよい。
本発明によるキット中で使用される組成物中のヒアルロン酸の濃度は、組成物の総質量に対して、0.01質量%〜10質量%、好ましくは0.1質量%〜5質量%、より好ましくは0.5質量%〜1.5質量%であってもよい。
本発明によるキット中のデバイスは、少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む組成物の液滴を放出することができる少なくとも1個のノズルを備えてもよい。
本発明によるキット中のデバイスは、組成物をブローするための、60〜200psi、好ましくは65〜150psi、より好ましくは70〜100psiの圧力で少なくとも1種のガスを供給できる少なくとも1つのガス貯蔵タンクを備えてもよい。
本発明はまた、液滴の形態にある、少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む少なくとも1種の組成物を、100m/秒以上、好ましくは100〜300m/秒、より好ましくは100〜250m/秒の速度で皮膚又は唇等のケラチン物質上にブローするための少なくとも1つのデバイスの、ヒアルロン酸又はその塩がケラチン物質内に浸透することを可能にするための、美容上の使用にも関する。
液滴の形態にある、少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む組成物をブローするためのデバイスの例の概略図である。 実施例1で使用した噴霧デバイスのノズル周りの写真である。 実施例1で使用した液滴の速度/ヒアルロン酸水性溶液の体積とガスの圧力との関係を示すグラフである。 比較例1で使用した噴霧デバイスのノズル周りの写真である。
鋭意検討の結果、本発明者らは、それほど侵襲的でない方法で、ヒアルロン酸又はその塩を皮膚及び唇等のケラチン物質に送達することができる美容方法又はキットを提供することが可能であることを発見した。
本発明は、少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む組成物を、流れ又はフィラメント(微細な流れ)としてではなく液滴として、皮膚及び唇等のケラチン物質に高速で適用することができる。
少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む組成物の液滴を、ケラチン物質上に高速で適用すると、ヒアルロン酸又はその塩をケラチン物質内に浸透させることができ、その浸透は、ケラチン物質の浅層、例えば角質層、又は皮膚の表皮内の任意の他の層(例えば顆粒層、有棘層及び基底層)に限定される。
本発明の一態様は、皮膚及び唇等のケラチン物質のための美容方法であって、
液滴の形態にある、少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む少なくとも1種の組成物を、100m/秒以上、好ましくは100〜300m/秒、より好ましくは100〜250m/秒の速度でケラチン物質上にブローする工程
を含み、ヒアルロン酸又はその塩がケラチン物質内に浸透することができる、美容方法である。
本発明による美容方法は、それほど侵襲的でなく、したがって、ヒアルロン酸又はその塩は、ケラチン物質の浅層、例えば角質層、又は皮膚の表皮内の任意の他の層のみに送達され得、皮膚の真皮等のケラチン物質の深層には送達されない。
そのため、本発明による美容方法は、痛みなしで実施することができる。更に、本発明による美容方法が専門家又は皮膚科医によって実施されることは必要でない。
本発明の別の態様は、皮膚及び唇等のケラチン物質の美容トリートメントのためのキットであって、
少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む、少なくとも1種の組成物と、
液滴の形態にある組成物を、100m/秒以上、好ましくは100〜300m/秒、より好ましくは100〜250m/秒の速度でケラチン物質上にブローするための少なくとも1つのデバイスと
を備え、ヒアルロン酸又はその塩がケラチン物質内に浸透することができる、キットである。
本発明によるキットは、それほど侵襲的でない美容トリートメントを実施することができ、したがって、ヒアルロン酸又はその塩は、ケラチン物質の浅層、例えば角質層、又は皮膚の表皮内の任意の他の層のみに送達され得、皮膚の真皮等のケラチン物質の深層には送達されない。
そのため、本発明によるキットは、痛みなしで、美容トリートメントのために使用することができる。更に、本発明によるキットが専門家又は皮膚科医によって使用されることは必要でない。
本発明(美容方法とキットとの両方)では、少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む組成物の液滴の高速は、高圧ガスによって付与されうる。
本発明(美容方法とキットとの両方)は、ヒアルロン酸又はその塩をケラチン物質の浅層、例えば角質層、又は皮膚の表皮中の任意の他の層内に充填するのに有用である。充填されたヒアルロン酸又はその塩は、例えば皮膚の欠陥、例えばしわ、小じわ及びひだをトリートメントすることができ、皮膚に、なめらかな触感等の改善されたテクスチャをもたらすことができる。
そのため、本発明は、美容トリートメント又は非治療的処理に好都合である。
これ以降、本発明による美容方法、キット等を、詳細に説明する。
[美容方法]
皮膚及び唇等のケラチン物質のための本発明による美容方法は、
液滴の形態にある、少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む少なくとも1種の組成物を、100m/秒以上、好ましくは100〜300m/秒、より好ましくは100〜250m/秒の速度でケラチン物質上にブローする工程
を含み、ヒアルロン酸又はその塩は、ケラチン物質内に浸透することができる。
ヒアルロン酸又はその塩が、5μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上の深さでケラチン物質内に浸透できることが好ましい。他方で、ヒアルロン酸又はその塩がケラチン物質内への深すぎる浸透ができないこともまた好ましい。例えば、ケラチン物質が皮膚である場合、ヒアルロン酸又はその塩が、皮膚の表皮、例えば角質層内に浸透できるが、それが皮膚の真皮内に浸透しないことが好ましい。そのため、ヒアルロン酸又はその塩が、200μm以下、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下の深さまでケラチン物質内に浸透できることが好ましい場合がある。
液滴のサイズは、10μm未満、好ましくは5μm未満、より好ましくは1μm未満であってもよい。液滴のサイズは、例えばハイスピードカメラで、液滴をブローする画像を分析することによって測定することができる。液滴のサイズの下限値に限定はないが、液滴のサイズは、10nm以上、100nm以上、又は500nm以上であってもよい。
液滴の形態にある、少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む組成物を、ケラチン物質上にどのようにブローするかは限定されない。高速の動きを伴う液滴を供給するために、高圧ガスを使用して、少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む組成物の液滴をブローすることが好ましい。
液滴の速度は、平均速度である。言い換えると、液滴について、100m/秒以上、好ましくは100〜300m/秒、より好ましくは100〜250m/秒の速度が、液滴の平均速度である。液滴の(平均)速度は、例えばハイスピードカメラで、液滴をブローする画像を分析することによって測定することができる。
液滴が拡がる又は放散することが好ましい。言い換えると、液滴の動く方向が平行でないことが好ましい。
ケラチン物質への液滴の移動長は、できるだけ短いことが好ましい。移動長は、本明細書では、動いている液滴の出発点からケラチン物質までの最短距離を意味する。ケラチン物質への液滴の移動長が、5cm未満、好ましくは3cm未満、より好ましくは1cm未満であることが好ましい場合がある。
高速で動く液滴は、ケラチン物質の表面にぶつかる又は当たって、液滴中のヒアルロン酸又はその塩をケラチン物質内へ押し込むことができる。そのため、ヒアルロン酸又はその塩は、ケラチン物質内に浸透することができる。ケラチン物質が皮膚である場合、ヒアルロン酸又はその塩は、角質層を通り抜けることができ、表皮内で分散する又は拡散することができる。
上記のブロー工程が、ケラチン物質上の所望の領域のために実施されることが好ましい。例えば、液滴の適用部位が、ケラチン物質の表面上で動けることが好ましい。
本発明による美容方法は、皮膚及び唇、好ましくは皮膚、より好ましくは顔の皮膚等の、ケラチン物質の美容トリートメントのためであることが意図されてもよい。
本発明による美容方法は、例えば、ヒアルロン酸又はその塩を皮膚の浅層内に充填することによって、皮膚等のケラチン物質の審美的外観を改善するために使用することができる。
本発明による美容方法は、皮膚及び唇等のケラチン物質に、しわ及び/又は小じわの低減等の美化効果をもたらすことができる。本発明による美容方法は、ケラチン物質に、永続的な美化効果をもたらすことができる。更に、ケラチン物質に美化効果をもたらすのに、痛みは伴わない。
本発明による美容方法は、HAの流れを使用するきわめて侵襲的なトリートメントには相当せず、その理由は、そのようなきわめて侵襲的なトリートメントは、それが針を使用しない場合でさえ痛みを伴うからである。
これ以降、本発明による美容方法のために使用される組成物等、及び本発明による美容方法をどのように実施するかの実施形態を詳細に説明する。
{組成物}
本発明による美容方法のために使用される組成物は、少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む。
単一の組成物を使用してもよいが、2種以上の組成物を組み合わせて使用することもできる。
単一のヒアルロン酸又はその塩を使用してもよいが、2種以上のヒアルロン酸又はその塩を組み合わせて使用することもできる。
少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む組成物は、流動性である液体等の、流体の形態にある。少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む組成物が、室温(例えば25℃)で周囲圧力(760mmHg)で、流体、より好ましくは液体であることが好ましい。
本発明による美容方法のために使用される組成物の粘度は、限定されない。しかしながら、該組成物は、0.2〜7Paのずり減粘応力にて、60Pa.s未満、好ましくは30Pa.s未満、より好ましくは10Pa.s未満の、25℃での粘度を有しうる。他方で、本発明による美容方法のために使用される組成物は、0.2〜7Paのずり減粘応力にて、0.01Pa.s以上、好ましくは0.1Pa.s以上、より好ましくは1Pa.s以上の、25℃での粘度を有しうる。そのため、該組成物は、0.2〜7Paのずり減粘応力にて、0.01〜60Pa.s未満、好ましくは0.1〜30Pa.s未満、より好ましくは1〜10Pa.s未満の、25℃での粘度を有しうる。
(ヒアルロン酸及びその塩)
ヒアルロン酸は、皮膚内で見出される優勢なグルコサミノグリカンである。そのため、線維芽細胞は、コラーゲン、コラーゲン以外のマトリックスグリコタンパク質(フィブロネクチン、ラミニン)、プロテオグリカン及びエラスチンを優勢的に合成する。ケラチン生成細胞としては、硫酸化グリコサミノグリカン及びヒアルロン酸を優勢的に合成する。ヒアルロン酸はまた、ヒアルロナンとも呼ばれる。
ヒアルロン酸は、表皮内及び真皮内に遊離状態において存在し、皮膚の膨満状態を左右する。この多糖は、実際、その質量の1000倍までに相当する大きい体積の水を保持することができる。この意味で、ヒアルロン酸は、組織内に結合されている水の量を増やすことにおいて、更には皮膚の機械的性質において及びしわ形成において、重要な役割を果たす。
ヒアルロン酸は、以下の化学式:
Figure 2021095353
によって表すことができる。
本発明の文脈では、用語「ヒアルロン酸」は、具体的には、式:
Figure 2021095353
のヒアルロン酸の基本単位を包含する。
これは、二糖ダイマー、すなわちD-グルクロン酸及びN-アセチルグルコサミンを含むヒアルロン酸の最小の部分である
塩として、ナトリウム塩及びカリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、及びこれらの混合物を挙げることができる。
ヒアルロン酸又はその塩の分子量は限定されない。ヒアルロン酸の分子量は、5kDa以上、好ましくは20kDa以上、より好ましくは100kDa以上であってもよい。ヒアルロン酸又はその塩の分子量は、20MDa以下、好ましくは10MDa以下、より好ましくは2,000kDa以下であってもよい。そのため、ヒアルロン酸の分子量は、5kDa〜20MDa、好ましくは20kDa〜10MDa、より好ましくは100kDa〜2,000kDaであってもよい。
説明において別段の定義がない限り、「分子量」は、数平均分子量を意味することができる。
ヒアルロン酸は、具体的には、Hyactive社により商品名CPN(MW: 10〜150kDa)で、Soliance社により商品名Cristalhyal(MW: 1〜1.4MDa)で、Bioland社により名称Nutra HA(MW: 820,000Da)で、Bioland社により名称Nutra AF(MW: 69,000Da)で、又はBioland社により名称Oligo HA(MW: 6100Da)で供給されているヒアルロン酸でありうる。
本発明による美容方法のために使用される組成物中のヒアルロン酸又はその塩の量は、限定されない。ヒアルロン酸又はその塩の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上であってもよい。ヒアルロン酸又はその塩の量は、組成物の総質量に対して、10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下であってもよい。そのため、ヒアルロン酸又はその塩の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%〜10質量%、好ましくは0.1質量%〜5質量%、より好ましくは0.5質量%〜1.5質量%の範囲であってもよい。
(ビヒクル)
本発明による美容方法のために使用される組成物は、少なくとも1種のビヒクルを含むことができる。
本発明による美容方法のために使用される組成物中のビヒクルは限定されない。
例えば、ビヒクルは、親水性媒質及び水から選択することができる。
親水性媒質は、アルコール、具体的には一価アルコール、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール及びフェニルエチルアルコール;ジオール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール及びブチレングリコール;他のポリオール、例えばグリセロール、糖及び糖アルコール;並びにエーテル、例えばエチレングリコールモノメチル、モノエチル及びモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル、モノエチル及びモノブチルエーテル、並びにブチレングリコールモノメチル、モノエチル及びモノブチルエーテルであってもよい。
本発明による美容方法のために使用される組成物が水を含むことが好ましい場合がある。
そのため、本発明による美容方法のために使用される組成物がヒアルロン酸又はその塩の水性溶液であることが好ましい場合がある。
本発明のために使用される組成物中のビヒクルの量は限定されない。本発明のために使用される組成物中のビヒクルの量は、組成物の総質量に対して、50質量%以上、好ましくは55質量%以上、より好ましくは60質量%以上であってもよい。本発明のために使用される組成物中のビヒクルの量は、組成物の総質量に対して、99質量%以下、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下であってもよい。そのため、本発明のために使用される組成物中のビヒクルの量は、組成物の総質量に対して、50質量%〜99質量%、好ましくは55質量%〜95質量%、より好ましくは60質量%〜90質量%の範囲であってもよい。
(任意選択の成分)
本発明による美容方法のために使用される組成物は、前述の成分に加えて、化粧料中で典型的に利用される成分、具体的には抗老化剤、美白剤、UVフィルター、保湿剤、界面活性剤又は乳化剤、親水性又は親油性増粘剤、動物又は植物由来の天然抽出物、ビタミン、ペプチド、セラミド等を、本発明の効果を損なわない範囲内で含んでよい。
本発明による美容方法のために使用される組成物は、上記の任意選択の添加剤を、組成物の総質量に対して、0.01質量%〜50質量%、好ましくは0.05質量%〜30質量%、より好ましくは0.1質量%〜10質量%の量で含んでよい。
(調製)
本発明のために使用される組成物は、上に説明したように、例えば、必須成分としてのヒアルロン酸又はその塩及びビヒクルと、必要な場合は任意選択の成分とを、混合することによって調製することができる。
上記の必須成分と任意選択の成分とを混合する方法及び手段は、限定されない。任意の従来の方法及び手段を、上記の必須成分と任意選択の成分とを混合して本発明のために使用される組成物を調製するために用いることができる。
{デバイス}
液滴の形態にある、少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む少なくとも1種の組成物をケラチン物質上にどのようにブローするかは、限定されない。
したがって、本発明による美容方法では、液滴の形態にある、少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む少なくとも1種の組成物を、100m/秒以上、好ましくは100〜300m/秒、より好ましくは100〜250m/秒の速度でケラチン物質上にどのようにブローするかは限定されない。
しかしながら、高速の動きを伴う液滴を付与するために、高圧ガスを使用して、少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む少なくとも1種の組成物の液滴をブローすることが好ましい。
そのため、液滴の形態にある、少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む少なくとも1種の組成物を、100m/秒以上、好ましくは100〜300m/秒、より好ましくは100〜250m/秒の速度でケラチン物質上にブローするためのデバイスを使用することが好ましい。
図1は、液滴の形態にある、少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む組成物をブローするためのデバイスの例を示す。
図1に示すブロー用デバイス1は、少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む組成物3を含む貯蔵器2、貯蔵器2から組成物3が放出されうるチューブ4を備える。チューブ4の一方の端はノズル11を形成し、チューブ4の他の端はバルブ5に連結され、これは、バルブ開度コントローラ8によって調節される。バルブ5はまた、レギュレータ7を介して空気及びCO2等の高圧ガスを収容するガス貯蔵タンク6にも連結され、レギュレータ7は、ガス貯蔵タンク6中のガスの圧力を調節する。ガス貯蔵タンク6中のガスの圧力は限定されないが、低すぎる圧力は、液滴を形成するのに有用でない場合があり、高すぎる圧力は、使用のために不快感を引き起こしうる。そのため、ガスの圧力は、60〜200psi、好ましくは65〜150psi、より好ましくは70〜100psiとすることができる。ガスとして、食品グレード又は医療グレードであるガスが好ましい場合がある。
ノズル11は、組成物3の液滴を図1の右方向へ向かってブローできる放出口を形成する。放出口の直径は限定されないが、2mm〜20mm、好ましくは3mm〜15mm、より好ましくは5mm〜10mmであってもよい。ノズル11が微細なオリフィスを有していないことが好ましく、その理由は、微細なオリフィスは、液滴ではなく組成物3の流れを形成しうるからである。
ブロー用デバイス1が使用されるとき、バルブ開度コントローラ8が、ユーザによって、バルブ5を開くよう操作される。そのため、レギュレータ7により調整される、ガス貯蔵タンク6中に貯蔵されている高圧ガスが、ガス貯蔵タンク6から噴出し、ガスジェット9としてバルブ5から放出される。
バルブ5から放出されたガスジェット9は、ノズル11へ向かってチューブ4中で動く(図1の右方向へ)。ノズル11への途中で、ガスジェット9は、貯蔵器2からチューブ4中へと分配された組成物3の液体10にぶつかり、組成物3の液滴12を形成する。ガスジェット9のエネルギーは、微細なサイズ及び高速の液滴12を調製することができる。次いで、液滴12は、ノズル11の放出口から(図1の右方向へ)放出される又はブローアウトされる。
ノズル11からブローアウトされた液滴12は、ケラチン物質(図1に示さず)上に適用される。液滴12は、液滴12中のヒアルロン酸又はその塩に、ケラチン物質内に浸透するのに十分な物理的な力を付与できる速度を有する。したがって、液滴12中のヒアルロン酸又はその塩は、ケラチン物質内に浸透することができる。
或いは、液滴の形態にある、少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む組成物をケラチン物質上にブローするためのデバイスの別の例として、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9457151号に開示されているデバイスを挙げることができる。更に、液滴の形態にある、少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む組成物をケラチン物質上にブローするためのデバイスの別の例として、台湾のGold Nano Tech, Inc.社製の市販のデバイスを挙げることができる。しかしながら、100m/秒以上、好ましくは100〜300m/秒、より好ましくは100〜250m/秒の速度で液滴をブローアウトするためには、上記デバイスのためのガス圧力等のいくつかの準備が必要である。
少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む組成物の液滴の、ケラチン物質上への適用の方法は限定されない。
例えば、少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む組成物の液滴は、1ショットとして1回ブローアウトされうる。或いは、少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む組成物の液滴は、数ショットとして数回ブローアウトされうる。ショット数は、例えばケラチン物質上の標的、及びケラチン物質上に適用される組成物の量に依存しうる。例としては、1〜5mlの組成物をケラチン物質上に適用するために、100〜1,000のショットが必要でありうる。
[キット及び使用]
本発明はまた、皮膚及び唇等のケラチン物質の美容トリートメントのためのキットであって、
少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む、少なくとも1種の組成物と、
液滴の形態にある組成物を、100m/秒以上、好ましくは100〜300m/秒、より好ましくは100〜250m/秒の速度でケラチン物質上にブローするための少なくとも1つのデバイスと
を備え、ヒアルロン酸又はその塩がケラチン物質内に浸透することができる、キットにも関する。
本発明による美容方法のために使用される組成物についての上記の説明はまた、本発明によるキット中の組成物にも当てはめることができる。加えて、本発明による美容方法のために使用されうるデバイスに関する説明はまた、本発明によるキット中のデバイスにも当てはめることができる。
少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む組成物は、美容目的のために一般に使用されうる容器(vessel)等の任意の容器(container)中に収容することができる。
キット中の、少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む組成物をブローするためのデバイスが、少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む組成物の液滴を放出できる少なくとも1個のノズルを備えることが好ましい。
液滴の形態にある、少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む組成物をケラチン物質上にどのようにブローするかは、限定されない。高速の動きを伴う液滴を付与するために、高圧ガスを使用して、少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む組成物の液滴をブローすることが好ましい。
そのため、少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む組成物をブローするためのデバイスが、少なくとも1種の高圧ガスを収容する少なくとも1つのガス貯蔵タンクを備えることが好ましい。その圧力は限定されないが、60〜200psi、好ましくは65〜150psi、より好ましくは70〜100psiであってもよい。
キットは、好ましくは、本発明による美容方法を実施するために使用することができる。
本発明によるキット中のデバイスが、少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む組成物の液滴のブローアウトを開始できるトリガーを備えることが好ましい。
本発明はまた、液滴の形態にある、少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む少なくとも1種の組成物を、100m/秒以上、好ましくは100〜300m/秒、より好ましくは100〜250m/秒の速度で皮膚又は唇等のケラチン物質上にブローするための少なくとも1つのデバイスの、ヒアルロン酸又はその塩がケラチン物質内に浸透することを可能にするための、美容上の使用にも関する。
本発明は、80kDa超、例えば100kDa以上、500kDa以上又は1000kDa以上の分子量を有するヒアルロン酸又はその塩を取り扱うことができる。
ヒアルロン酸又はその塩が、5μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上の深さでケラチン物質内に浸透できることが好ましい。他方で、ヒアルロン酸又はその塩がケラチン物質内への深すぎる浸透ができないこともまた好ましい。例えば、ケラチン物質が皮膚である場合、ヒアルロン酸又はその塩が、皮膚の表皮、例えば角質層内に浸透できるが、それが皮膚の真皮内に浸透しないことが好ましい。そのため、ヒアルロン酸又はその塩が、200μm以下、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下の深さでケラチン物質内に浸透できることが好ましい場合がある。
液滴のサイズは、10μm未満、好ましくは5μm未満、より好ましくは1μm未満であってもよい。液滴のサイズは、例えばハイスピードカメラで、液滴をブローする画像を分析することによって測定することができる。液滴のサイズの下限値に限定はないが、液滴のサイズは、10nm以上、100nm以上、又は500nm以上でありうる。
液滴の速度は、平均に基づく。言い換えると、液滴についての、100m/秒以上、好ましくは100〜300m/秒、より好ましくは100〜250m/秒の速度が、平均速度である。液滴の(平均)速度は、例えばハイスピードカメラで、液滴をブローする画像を分析することによって測定することができる。
液滴が、デバイスから、具体的にデバイスのノズルから、拡がる又は放散することが好ましい。言い換えると、液滴の動く方向が平行でないことが好ましい。
ケラチン物質への液滴の移動長は、できるだけ短いことが好ましい。移動長は、本明細書では、上記デバイスのノズル等の動いている液滴の出発点からケラチン物質までの最短距離を意味する。ケラチン物質への液滴の移動長が、5cm未満、好ましくは3cm未満、より好ましくは1cm未満であることが好ましい場合がある。
高速で動く液滴は、ケラチン物質の表面にぶつかる又は当たって、液滴中のヒアルロン酸又はその塩をケラチン物質内へ押し込むことができる、そのため、ヒアルロン酸又はその塩は、ケラチン物質内に浸透することができる。ケラチン物質が皮膚である場合、ヒアルロン酸又はその塩は、角質層を通り抜けることができ、表皮内で分散する又は拡散することができる。
上記のブロー工程が、ケラチン物質上の所望の領域のために実施されることが好ましい。例えば、液滴を適用する部位が、ケラチン物質の表面上で動けることが好ましい。
本発明によるキット及び使用は、皮膚及び唇、好ましくは皮膚、より好ましくは顔の皮膚等の、ケラチン物質の美容トリートメントのためであることが意図されてよい。
本発明によるキット及び使用は、例えば、ヒアルロン酸又はその塩を皮膚の浅層内へ充填することによって皮膚等のケラチン物質の審美的外観を改善するために使用することができる。
本発明によるキット及び使用は、皮膚及び唇等のケラチン物質に、しわ及び/又は小じわの低減等の美化効果をもたらすことができる。本発明によるキット及び使用は、ケラチン物質に、永続的な美化効果をもたらすことができる。更に、ケラチン物質に美化効果をもたらすのに、痛みは伴わない。
本発明によるキット及び使用は、HAの流れを使用するきわめて侵襲的なトリートメントには相当せず、その理由は、そのようなきわめて侵襲的なトリートメントは、それが針を使用しない場合でさえ、痛みを伴うからである。
本発明を、実施例によって、より詳細に説明する。しかしながら、これら実施例が本発明の範囲を限定するものとは解釈すべきでない。以下の実施例は、本発明の技術分野の非限定的な例示として提示される。
(実施例1)
0.2Paのずり減粘応力にて濃度が1質量%で25℃での粘度が3.5Pa.sの、分子量1,100kDaを有するヒアルロン酸の水性溶液を調製した。
ヒアルロン酸水性溶液を、市販の、台湾のGold Nano Tech, Inc.社製の噴霧デバイス中に装入した。噴霧デバイスを、日本の日本炭酸瓦斯株式会社から得た圧縮CO2ガスカートリッジと結合させた。カートリッジから放出したCO2ガスの圧力を、70〜100psiに設定した。
ヒアルロン酸水性溶液を、噴霧デバイスのノズルから噴出させた。噴霧デバイスのノズル周りの一連の映像を、ハイスピードカメラ/ビデオを用いて、Photron FASTCAM SA-A type 2100K-M-64GBで、1秒当たり80,000フレームで撮影した。CO2ガスの圧力が80psiであったときの写真のうちの1枚を図2に示す。
図2に示す通り、ヒアルロン酸水性溶液を、写真の右端に示すノズルから液滴の形態で、写真の右から左の方向に沿ってブローアウトした。
次に、液滴の速度もまた測定した。結果を図3に示す。
図3は、ガス圧力が100psiから70psiに低下すると、1質量%ヒアルロン酸液滴の速度が230m/秒から125m/秒に低下したことを示す。
次に、適用1分、すなわち100ショットの間に放出したヒアルロン酸水性溶液の体積を算出した。この結果もまた図3に「流量」として示す。ガス圧力が100psiから70psiに低下すると、「流量」は190μlから160μlに変化した。
(比較例1)
2Paのずり減粘応力にて濃度が1質量%で25℃での粘度が60Pa.sの、分子量1.8〜2.6MDaを有するヒアルロン酸の水性溶液を調製した。
ヒアルロン酸水性溶液を、市販の、台湾のGold Nano Tech, Inc.社製の噴霧デバイス中に装入した。噴霧デバイスを、日本の日本炭酸瓦斯株式会社から得た圧縮CO2ガスカートリッジと結合させた。カートリッジから放出したCO2ガスの圧力を100psiに設定した。
ヒアルロン酸水性溶液を噴霧デバイスのノズルから噴出させた。噴霧デバイスのノズル周りの一連の映像を、ハイスピードカメラ/ビデオを用いて、Photron FASTCAM SA-A type 2100K-M-64GBで、1秒当たり80,000フレームで撮影した。写真のうちの1枚を図4に示す。
図4に示す通り、ヒアルロン酸水性溶液を、写真の右端に示すノズルから薄いフィラメントの形態で、写真の右から左の方向に沿ってブローアウトした。
ヒアルロン酸水性溶液を液滴の形態ではブローアウトしなかったので、これは本発明には相当しない。
(実施例2)
ex vivo研究
分子量1,100kDa、濃度1質量%を有する、蛍光を発するように変更した、ヒアルロン酸の水性溶液を調製した。
ヒアルロン酸水性溶液を、市販の、台湾のGold Nano Tech, Inc.社製の噴霧デバイス中に装入した。噴霧デバイスを、日本の日本炭酸瓦斯株式会社から得た圧縮CO2ガスカートリッジと結合させた。カートリッジから放出したCO2ガスの圧力を140psiに設定した。
ヒアルロン酸水性溶液を、ヒトの死体の皮膚上に、周波数2Hzで、適用時間2分間ショットした。皮膚を凍結させ、切断して、皮膚の断面試料を調製した。この断面試料を、蛍光顕微鏡で観察した。
観察の結果、蛍光ヒアルロン酸が角質層内に浸透し、その結果、それは角質層の下にある、表皮内の次の層に達したことを見出した。
(比較例2)
ex vivo研究
分子量1,100kDa、濃度1質量%を有する、蛍光を発するように変更した、ヒアルロン酸の水性溶液を調製した。
ヒアルロン酸水性溶液を、ヒトの死体の皮膚上に、適用時間2分間、適用した。皮膚を凍結させ、切断して、皮膚の断面試料を調製した。この断面試料を蛍光顕微鏡で観察した。
観察の結果、蛍光ヒアルロン酸が角質層内に浸透しなかったことを見出した。
(実施例3)
ex vivo研究
分子量600〜1,120kDa、濃度1質量%を有する、蛍光を発するように変更した、ヒアルロン酸の水性溶液を調製した。
ヒアルロン酸水性溶液を、市販の、台湾のGold Nano Tech, Inc.社製の噴霧デバイス中に装入した。噴霧デバイスを、日本の日本炭酸瓦斯株式会社から得た圧縮CO2ガスカートリッジと結合させた。カートリッジから放出したCO2ガスの圧力を80psiに設定した。
ヒアルロン酸水性溶液を、ブタの死体の皮膚の3つの切片上に、周波数2HZでショットした。ショット数は、それぞれ、5、50及び100とした。1時間後、皮膚切片を凍結させ、切断して、皮膚の断面試料を調製した。これらの断面試料を蛍光顕微鏡で観察した。
観察の結果、以下のことを見出した。
5ショットの試料では、蛍光ヒアルロン酸は角質層内に浸透しなかった。
50ショットの試料では、蛍光ヒアルロン酸は角質層内に浸透した。しかしながら、浸透の深さは限定的であった。
100ショットの試料では、蛍光ヒアルロン酸が角質層内に浸透したことを見出した。浸透深さはおよそ30μmであった。これは、蛍光ヒアルロン酸が角質層内に浸透し、その結果それは角質層の下にある、表皮の次の層に達したことを示す。
上記の結果は、ショット数が多いほど、ヒアルロン酸の皮膚内への浸透が多くなることを示す。
(比較例3)
ex vivo研究
分子量600〜1,120kDa、濃度1質量%を有する、蛍光を発するように変更した、ヒアルロン酸の水性溶液を調製した。
ヒアルロン酸水性溶液を、ブタの死体の皮膚上に適用し、1時間放置した。皮膚を凍結させ、切断して、皮膚の断面試料を調製した。この断面試料を蛍光顕微鏡で観察した。
観察の結果、蛍光ヒアルロン酸が角質層内に浸透しなかったことを見出した。
1 ブロー用デバイス
2 貯蔵器
3 組成物
4 チューブ
5 バルブ
6 ガス貯蔵タンク
7 レギュレータ
8 バルブ開度コントローラ
9 ガスジェット
10 液体
11 ノズル
12 液滴

Claims (15)

  1. 皮膚及び唇等のケラチン物質のための美容方法であって、
    液滴の形態にある、少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む少なくとも1種の組成物を、100m/秒以上、好ましくは100〜300m/秒、より好ましくは100〜250m/秒の速度でケラチン物質上にブローする工程
    を含み、ヒアルロン酸又はその塩がケラチン物質内に浸透することができる、美容方法。
  2. ヒアルロン酸又はその塩が、5μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上の深さでケラチン物質内に浸透することができる、請求項1に記載の美容方法。
  3. 組成物が、0.2〜7Paのずり減粘応力にて、0.01〜60Pa.s未満、好ましくは0.1〜30Pa.s未満、より好ましくは1〜10Pa.s未満の、25℃での粘度を有する、請求項1又は2に記載の美容方法。
  4. ヒアルロン酸の分子量が、5kDa〜20MDa、好ましくは20kDa〜10MDa、より好ましくは100kDa〜2,000kDaである、請求項1から3のいずれか一項に記載の美容方法。
  5. 液滴のサイズが、10μm未満、好ましくは5μm未満、より好ましくは1μm未満である、請求項1から4のいずれか一項に記載の美容方法。
  6. 組成物中のヒアルロン酸の濃度が、組成物の総質量に対して、0.01質量%〜10質量%、好ましくは0.1質量%〜5質量%、より好ましくは0.5質量%〜1.5質量%である、請求項1から5のいずれか一項に記載の美容方法。
  7. 皮膚及び唇等のケラチン物質の美容トリートメントのためのキットであって、
    少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む、少なくとも1種の組成物と、
    液滴の形態にある組成物を、100m/秒以上、好ましくは100〜300m/秒、より好ましくは100〜250m/秒の速度でケラチン物質上にブローするための少なくとも1つのデバイスと
    を備え、ヒアルロン酸又はその塩がケラチン物質内に浸透することができる、キット。
  8. ヒアルロン酸又はその塩が、5μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上の深さでケラチン物質内に浸透することができる、請求項7に記載のキット。
  9. 組成物が、0.2〜7Paのずり減粘応力にて、0.01〜60Pa.s未満、好ましくは0.1〜30Pa.s、より好ましくは1〜10Pa.sの、25℃での粘度を有する、請求項7又は8に記載のキット。
  10. ヒアルロン酸の分子量が、5kDa〜20MDa、好ましくは20kDa〜10MDa、より好ましくは100kDa〜2,000kDaである、請求項7から9のいずれか一項に記載のキット。
  11. 液滴のサイズが、10μm未満、好ましくは5μm未満、より好ましくは1μm未満である、請求項7から10のいずれか一項に記載のキット。
  12. 組成物中のヒアルロン酸の濃度が、組成物の総質量に対して、0.01質量%〜10質量%、好ましくは0.1質量%〜5質量%、より好ましくは0.5質量%〜1.5質量%である、請求項7から11のいずれか一項に記載のキット。
  13. デバイスが、少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む組成物の液滴を放出できる少なくとも1個のノズルを備える、請求項7から12のいずれか一項に記載のキット。
  14. デバイスが、組成物をブローするための、60〜200psi、好ましくは65〜150psi、より好ましくは70〜100psiの圧力で少なくとも1種のガスを供給できる少なくとも1つのガス貯蔵タンクを備える、請求項7から13のいずれか一項に記載のキット。
  15. 液滴の形態にある、少なくとも1種のヒアルロン酸又はその塩を含む少なくとも1種の組成物を、100m/秒以上、好ましくは100〜300m/秒、より好ましくは100〜250m/秒の速度で皮膚又は唇等のケラチン物質上にブローするための少なくとも1つのデバイスの、ヒアルロン酸又はその塩がケラチン物質内に浸透することを可能にするための、美容上の使用。
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