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JP5847722B2 - pH調節剤を含むタキサンの医薬溶液、およびその作製方法 - Google Patents

pH調節剤を含むタキサンの医薬溶液、およびその作製方法 Download PDF

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Description

本発明は、医薬製剤技術の分野に関する。より詳細には、本発明は、pH調節剤を含むタキサンの医薬溶液、およびその作製方法に関する。
タキサンは、食品医薬品局(FDA)に認可された2つの種類の抗癌薬のタキサンであるパクリタキセル(商品名:Taxol)およびドセタキセル(商品名:Taxotem)を含む。これらはいずれも水難溶性薬物に属し、水にはほとんど溶解することができず(約4μg/mlの水溶解性)、経口投与後に吸収されるのは僅かに2%〜4%である。従って、これらは、静脈内投与しか行なえない。パクリタキセルの水溶性を高める目的で、入手可能であるパクリタキセル注射液は、ポリオキシエチレンヒマシ油と無水エタノールとの50:50(体積/体積)の混合溶媒によって作製される無色粘稠性濃縮溶液である。複合溶媒の存在によって、パクリタキセルの溶解性は高められるが、この注射液に含有される可溶化剤、特にポリオキシエチレンヒマシ油によって一連の副作用が誘発されやすくなる。入手可能なパクリタキセル製剤の投与後の副作用は重く:呼吸困難、顔の紅潮、動悸、および皮膚の発疹などのアレルギー反応、などであり、これらは、多くの潜在的な安全性の問題や苦痛を患者にもたらすものである。同様に、入手可能なドセタキセル製剤でも問題が存在する。ドセタキセルの臨床製剤は、Tween80溶液および13%エタノール溶液から成る。患者へ静脈持続点滴で投与する場合、通常の生理食塩水の添加によってドセタキセルの溶解性が改善されるが、しかし、この注射の可溶化剤として用いられるTween80は、ある程度の溶血の影響を及ぼす。従って、入手可能なドセタキセル製剤は、臨床適用において薬物安全性が低い。利用可能な臨床適用における多くの欠点を考慮して、タキサン薬物の注射製剤に関する研究がますます活発に行われてきている。
Fortner et al.(非特許文献1)は、適切な注射用の溶媒に溶解して医薬溶液を作製することによる水難溶性薬物の新規な剤形を報告しており、これは続いて、静脈持続点滴によって患者へと投与する際に注射用のエマルジョンに添加された。以来、この剤形は、より重要視されてきた。
発明の名称が「Parenteral paclitaxel in a stable non-toxic formulation」であるB.S Andersonによって出願された特許出願では(特許文献1)、医薬溶液の溶媒は、比率
3:1のPEG‐400およびジメチルアセトアミドから成り、この場合、ジメチルアセトアミドは、薬物溶解性の向上を補助することによる可溶化剤として用いられたものであるが、製剤の毒性および副作用を誘発する効果を増加させた。従って、可溶化剤として用いられたジメチルアセトアミドは、製剤の毒性および副作用を増加させる場合がある。Zhou Lianfang et al.(非特許文献2)は、ジメチルアセトアミドがマウスおよびラットに対して、体重減少、網膜萎縮症、脳波の変化、ならびに肺、胃、肝臓、および腎臓などの臓器への多くの傷害などの複数の重度の傷害を引き起こす可能性があることを指摘した。
発明の名称が「Pharmaceutical composition containing hardly water soluble medicament」であるTakeda Koichi et al.によって出願された特許出願では(特許文献2)、
医薬溶液の溶媒は、主としてPEG‐400およびオレイン酸から成るものであった。R.C. Rocheによって示されたように(非特許文献3)、オレイン酸は、赤血球破壊、すなわち溶血の影響を引き起こす可能性がある。英国では、これは、非注射製剤にのみ認可されている。
発明の名称が「A concentrated emulsion containing taxane compound and its using
method」であるHu Yufangによって出願された特許出願では(特許文献3)、医薬溶液は、Tween‐80、PVP、およびレシチンなどの界面活性剤を含有する混合溶媒中に製剤された。これらの界面活性剤は、溶血活性および刺激性の両方を有する。
中国特許第97196934.5号 中国特許出願第200680007345.3号 中国特許出願第200410025522.3号
Am. J. Hosp. Pharm. (1975) 32, 582-584 Research progress on the toxicity of dimethylacetamide [J]. China Occupational Medicine, (2009), 36 (1): 66-67 Handbook of Pharmaceutical Excipients, original 4th edition: 476
現在主として注目されている重要な技術は、生体適合性、インビボでの許容性、および剤形の安定性などの選択された物質の特性である。いくつかの剤形に関する研究で得られた進展にも関わらず、薬物ローディングが低いこと、および安定時間が短いことによって効果的な治療濃度を得ることが不可能であるため、臨床での適用は依然として限定されている。本発明者らによって開発され、発明の名称が「A taxane intravenous infusion preparation and its preparative method」である特許出願では(中国特許出願第200810100234.8号)、例えばポリオキシエチレンヒマシ油、Tween‐80、ジメチルアセトアミド、オレイン酸、およびPVPなどを例とする毒性のある可溶化剤は含有しておらず、それによって、最終的にその安全性および安定性が大きく改善されている。
本発明は、中国特許出願(特許出願第200810100234.8号)に基づくさらなる研究である。pH値の特定の範囲内において医薬溶液中にエマルジョンを分散させることにより、安定化時間および外観が予想よりも良好なものになることが見出された。安定化時間は大きく延長され;分散溶液の表面に油分の浮遊がなく、外観は望ましいものであった。臨床的には、薬物の安全性および効果がさらに改善された。従って、本発明は、タキサンの改善された点滴静注製剤、およびその作製方法に関する。
本発明は、医薬製剤の2つの部分、すなわちタキサンの医薬溶液およびエマルジョン、から作製されるタキサンの医薬組成物を提供する。医薬溶液は、pH値を2.0〜4.0に調節するために用いられるpH調節剤を含有する。本発明は、医薬溶液とエマルジョンとを、1:10〜100(体積/体積)、好ましくは1:20〜50(体積/体積)、最も好ましくは1:25(体積/体積)の比率で混合することによって達成される。
本発明によると、使用前にタキサンの医薬溶液へ、pHを2.0〜4.0に調節するために用いられるpH調節剤を添加することにより、注射用のエマルジョンと混合した後、高い安定性が示される。
本発明によると、タキサン、pH調節剤、および溶媒を含有するタキサンの医薬溶液が提供される。
好ましくは、成分の比率は以下の通りである:
タキサン 1〜8%(g/ml)
pH調節剤 pHを2〜4に調節するために十分な適切量
残りは、溶媒、および必要に応じて、追加の医薬補助剤である。
より好ましくは、成分の比率は以下の通りである:
タキサン 1〜6%(g/ml)
pH調節剤 pHを2〜3.98に調節するために十分な適切量
残りは、溶媒、および必要に応じて、追加の医薬補助剤である。
ここで、追加の医薬補助剤は、必要に応じて医薬溶液の作製過程で添加される物質であり、例えば、可溶化剤、等張性調節剤(isotonic regulator)、界面活性剤、およびキレート化剤などである。実際、このような医薬補助剤を添加するかどうかは、タキサン、pH調節剤、および溶媒の特性に依存する。
本発明において、好ましくは、pH値は、3〜3.98に調節される。
本発明によると、タキサンは、タキサンのいずれか1つであり、好ましくは、市販のパクリタキセルまたはドセタキセルである。
本発明によると、pH調節剤は、水溶性の酸であり、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、塩酸、酢酸、リン酸、および酒石酸から成る群より選択される1もしくは2つ以上の種類を含み、好ましくはクエン酸である。
本発明によると、溶媒は、PEG‐200、PEG‐300、PEG‐400、PEG‐600、プロピレングリコール、グリセロール、無水エタノール、および注射用水から成る群より選択される1もしくは2つ以上の溶媒を含み、好ましくはPEG‐400である。
本発明によると、本発明の溶液を作製する方法は、タキサンおよびpH調節剤を溶媒中に溶解する工程を含む。追加の医薬補助剤を、必要に応じて添加してよい。
好ましくは、本方法は:パクリタキセルまたはドセタキセルを秤量する工程;パクリタキセルまたはドセタキセルを溶媒に添加する工程;50〜100℃での加熱および攪拌、またはせん断によって溶解する工程;この混合物を溶媒で希釈する工程;pH調節剤によりpHを2.0〜4.0に調節する工程;0.01%〜3%(g/ml)の注射用の活性炭を添加し、25〜100℃にて15〜120分間加熱することによって吸着処理を行う工程;次に、ろ過し、個別にパッケージし、キャップでシールし、殺菌処理してタキサンの医薬溶液を得る工程、を含む。
本発明によると、タキサンの医薬溶液およびエマルジョンを、臨床適用のために組み合わせた形で配置された2つの別々の容器に充填して含むキットが提供される。より詳細には、本発明のキットは、タキサンの医薬溶液および薬用エマルジョン(medicinal emulsion)を、1:10〜10:1、好ましくは1:1の比率で含み、これらは、1つの大きな容器中に組み合わせた形で配置されたプラスチック製またはガラス製の2つの別々のボトル中に充填される。一般的に、本キットは、1回使い切りの用量のために設計されることが望ましい。
本発明によると、エマルジョンは、油‐水混合乳化製剤であり、油または油溶液が液滴
の形態で分散媒に分散することで形成された不均一分散系である。それには、経口エマルジョンおよび点滴静注エマルジョンが含まれる。本発明のエマルジョンは、点滴静注エマルジョン、好ましくは点滴静注用の脂肪エマルジョンであり、例えば、20%の長/中鎖脂肪エマルジョン、20%の長鎖脂肪エマルジョンなどである。
本発明によると、本発明のエマルジョンは、注射用の市販のエマルジョン、または先行技術に従って特に作製されたエマルジョンであり、一般的には、注射用油、乳化剤、抗酸化剤、等張性調節剤、pH調節剤、および注射用水を含む。
本発明によると、注射用油は、1〜30%(g/ml)の濃度の、カプリル酸カプリン酸トリグリセリド、カプリル酸モノグリセリド、カプリル酸ジグリセリド、カプリル酸トリグリセリド、ガノデルマルシズム(Ganoderma lucidum)胞子油、カプリン酸モノグリ
セリド、カプリン酸ジグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、カプリル酸カプリン酸モノグリセリド、ヨクイニン油、ブルセアジャバニカ(Brucea Javanica)油、ヘルバアル
テミシアエアヌアエ(Herba Artemisiae Annuae)油、カプリル酸カプリン酸ジグリセリ
ド、大豆油、魚油、亜麻仁油、ヒマワリ種子油、月見草油、シーバックソーン油、ウコン(zedoary turmeric)油、サフラワー種子油、ゴマ油、トウモロコシ油、エレメン油、およびガーリック油から成る群より選択される1もしくは2つ以上の油類であってよい。エマルジョン中の油類の濃度(g/ml)は、エマルジョン1ミリリットルあたりの油類のグラム数で示される。
好ましくは、注射用油は、10〜30%(g/ml)の濃度の、カプリル酸カプリン酸トリグリセリドおよび大豆油から成る群より選択される1もしくは2つ以上の油類である。
本発明によると、乳化剤は、0.5〜5%(g/ml)の濃度の、大豆リン脂質、卵黄リン脂質、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、パルミトイル‐オレオイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(DSPE)、およびポロキサマー188から成る群より選択される1もしくは2つ以上の乳化剤であってよく、好ましくは、乳化剤は、0.8〜3%(g/ml)の濃度の、大豆リン脂質および卵黄リン脂質から成る群より選択される1もしくは2つ以上の種類である。エマルジョン中の乳化剤の濃度(g/ml)は、エマルジョン1ミリリットルあたりの乳化剤のグラム数で示される。
本発明によると、抗酸化剤は、0〜0.5%(g/ml)、好ましくは0〜0.3%(g/ml)の濃度のトコフェロールである。
本発明によると、等張性調節剤は、グリセロール、ソルビトール、マンニトール、グルコース、および塩化ナトリウムなどから成る群より選択される1もしくは2つ以上の種類であってよく、好ましくはグリセロールである。
本発明によると、pH調節剤は、クエン酸、リンゴ酸、塩酸、酢酸、乳酸、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、および水酸化ナトリウムから成る群より選択される1もしくは2つ以上の種類であってよく、好ましくは水酸化ナトリウムであり、それによって、pH値は、6.0〜9.0、好ましくは6.5〜8.5に調節される。
本発明によると、点滴静注エマルジョンは、先行技術において通常行われる方法に従って作製されるものであり:注射用油を抗酸化剤と混合し、50〜90℃に加熱し、次に乳化剤を添加し、攪拌またはせん断によって溶解することで油相を形成し;等張性調節剤お
よび安定化剤を適切な量の注射用水に添加し、50〜90℃に加熱し、攪拌によって溶解させることで水相を形成し;得られた油相および水相を50〜90℃で混合し、続いてせん断型乳化装置の使用による乳化または攪拌乳化を、5〜60分間、5000〜30000rpmの回転速度で行って一次エマルジョンを得る。得られた一次エマルジョンをさらに乳化させ、注射用水により一定体積まで希釈し、そのpH値を6.0〜9.0に調節する。次に、得られたエマルジョンをろ過し、個別にパッケージし、窒素充填し、キャップでシールし、殺菌処理し、こうしてエマルジョンが得られる。
一般的に、エマルジョンを作製するための方法は、乳化剤を注射用油または水のいずれかに溶解させる工程を含む。本発明の場合、一次エマルジョンは、高圧ホモジナイザーにより5000〜25000psiの圧力下にてさらに乳化される。エマルジョンの作製における殺菌処理の方法は、回転式高圧スチーム殺菌装置、循環蒸気、または微孔性メンブレンフィルターを用いることを含み、ここで、高温殺菌処理の温度は100〜121℃であり、殺菌時間は8〜45分間である。ろ過装置としては、これらに限定されないが、微孔性メンブレンフィルター、サンドフィルターロッド(sand-filter rod)、焼結ろ過用
漏斗、またはカプセルフィルターなどが挙げられる。最終エマルジョンは、白色またはオフホワイト色の乳光を示す乳化液であり、エマルジョンのマイクロ粒子の平均粒子サイズは、100から500nmの範囲であり、pH値は6.0〜9.0である。
本発明によると、タキサンの医薬溶液を使用する方法が提供され、その方法は、タキサンの医薬溶液を薬用エマルジョン中に1:10〜100の体積比で、好ましくは1:25の体積比で分散させること、および静脈持続点滴用に十分に振とうすること、を含む。別の選択肢として、エマルジョンによって分散された医薬溶液を、使用する際に、通常生理食塩水または注射用グルコース溶液に添加してもよい。
本発明の利点を、以下の実験データによって示す。
1.パクリタキセル静注分散液の投与前の安定性の評価
実施例1の方法に従って作製されたパクリタキセル静注液を例として用い、薬物含有量、粒子サイズ、および外観における種々の変化に関する研究を行った。
研究方法:4mlの医薬溶液を100mlのエマルジョン中に分散し、十分に振とうした。分散溶液の薬物含有量および粒子サイズを、それぞれHPLCおよび粒子サイズ分析装置によって異なる時間点で測定し;異なる時間点で薬物含有量を測定する場合、適切な量の分散溶液をインジェクターで抽出し、まず0.45μmの微孔性メンブレンフィルターでろ過し、次にろ液中の薬物含有量を測定し、示されたパーセント量を算出し、これを用いて薬物の結晶が析出したかどうかを推定し;粒子サイズは直接測定し;外観は、肉眼で観察した。結果を表1にまとめる。
Figure 0005847722
考察:
表1の結果で示されるように、実施例1の方法に従って作製されたパクリタキセル静注分散溶液の薬物含有量は、投与前の5日間以内ではほとんど変化がなかった。このことは、この期間内では、パクリタキセルの結晶析出が起こらなかったことを示唆するものであった。同様に、粒子サイズは、安定性試験時間内では、大きな変化をまったく見せなかった。この結果、本パクリタキセル静注液は、臨床適用のための要件を完全に満たしていた。
2.ドセタキセル静注分散液の投与前の安定性の評価
実施例2の方法に従って作製されたドセタキセル静注液を例として用い、薬物含有量、粒子サイズ、および外観における種々の変化に関する研究を行った。
研究方法:4mlの医薬溶液を100mlのエマルジョン中に分散し、十分に振とうした。分散溶液の薬物含有量および粒子サイズを、それぞれHPLCおよび粒子サイズ分析装置によって異なる時間点で測定し;異なる時間点で薬物含有量を測定する場合、適切な量の分散溶液をインジェクターで抽出し、まず0.45μmの微孔性メンブレンフィルターでろ過し、次にろ液中の薬物含有量を測定し、示されたパーセント量を算出し、これを用いて薬物の結晶が析出したかどうかを推定し;粒子サイズは直接測定し;外観は、肉眼で観察した。結果を表2にまとめる。
Figure 0005847722
考察:
表2の結果に示されるように、実施例2の方法に従って作製されたドセタキセル静注分散溶液の薬物含有量は、投与前の少なくとも10日間以内ではほとんど変化がなかった。半月後、このサンプルを再度分析したところ、薬物含有量は変化していなかった。開始からの第20日に分析したところ、示されたパーセント量は90.2%に低下した。このことは、少なくとも15日間以内では、ドセタキセルの結晶析出が起こらなかったことを示唆するものであった。同様に、粒子サイズは、安定化試験時間内では、大きな変化をまったく見せなかった。この結果、本ドセタキセル静注液は、臨床適用のための要件を完全に満たしていた。
3.特定のpH値の範囲内におけるエマルジョンの分散液の安定性評価
本発明の重要な特性および予想外の結果を示す目的で、特定pHおよび通常pHの医薬溶液の間で分散溶液の安定性を比較した。本発明において、特定pH値は2.0〜4.0の範囲であり、通常pH値は4.0以上であった。
a)試験サンプルの作製
実施例16の方法に従って、4つの医薬溶液を作製した。pH値は、クエン酸により、それぞれ2.04、2.68、3.20、および3.98に調節し、同様に、実施例16の方法を考慮して、医薬溶液を1:25の体積比で市販のエマルジョンに分散させ、十分に振とうして試験サンプルを得た。
b)コントロールサンプルの作製
実施例16の方法に従って、4つの医薬溶液を作製した。pH値は、水酸化ナトリウムまたは塩酸により、4.50、5.61、6.87、および7.53に調節し、同様に、実施例16の方法を考慮して、医薬溶液を1:25の体積比で市販のエマルジョンに分散させ、十分に振とうし、次に薬物含有量を測定して、コントロールサンプルを得た。
c)分散溶液安定性の比較結果
試験サンプルおよびコントロールサンプルの薬物含有量および粒子サイズを、それぞれHPLCおよび粒子サイズ分析装置により異なる時間点で測定した。異なる時間点で薬物含有量を測定する場合、適切な量の分散溶液をインジェクターで抽出し、まず0.45μmの微孔性メンブレンフィルターでろ過し、次にろ液中の薬物含有量を測定し、示されたパーセント量を算出し、これを用いて薬物の結晶が析出したかどうかを推定した。加えて、粒子サイズは直接測定し、外観は肉眼で観察した。結果を表3にまとめる。
Figure 0005847722
考察
2〜4の範囲内の特定のpH値を有する本発明の医薬溶液のエマルジョン分散溶液の安定化時間は、pH値が4以上であるコントロール分散溶液よりも遥かに長かった。外観に関しては、2〜4の範囲内のpH値を有する本発明の分散溶液では、予想外なことに、油分の浮遊がなく、外観が改善され、油分浮遊の問題が解決されたが、一方、pH値が4以上であるコントロールサンプルの分散溶液では、より多くの油分の浮遊が見られ、容器壁に大量の油脂分が付着し、浮遊油分は時間と共に増加した。さらに、粒子サイズは、薬物の析出前は大きな変化を見せなかったが、薬物の析出と共に大きくなる傾向にあった。
これらの知見はすべて、2〜4の範囲内の特定のpH値を有する医薬溶液のエマルジョン分散液が、pH値4以上のコントロール分散溶液と比較して、大きく改善された安定性を示すことを示唆するものであった。より重要なことには、分散溶液の安定化時間が延長され、浮遊油分の問題が解決された。従って、本発明の製剤品質が大きく改善され、臨床適用における安全性および効力が高められた。
4.本発明およびジメチルアセチルアミドを含有する比較特許の安定性対比試験
中国特許(特許番号:第97196934.5号)において提案されているように、25mg/mlの薬物ローディングにて、1:3の比率でジメチルアセチルアミドをPEG‐400に添加した。対比溶液として、この特許の方法に従って医薬溶液を作製し、試験溶液を、実施例16に従って作製した。4mlの試験および対比溶液を、それぞれ実施例16の市販のエマルジョン100ml中に分散し、十分に振とうして測定サンプルを得た。分散溶液の薬物含有量は、HPLCにより異なる時間点にて測定した。異なる時間点で薬物含有量を測定する場合、適切な量の分散溶液をインジェクターで抽出し、まず0.45μmの微孔性メンブレンフィルターでろ過し、次にろ液中の薬物含有量を測定し、示されたパーセント量を算出し、これを用いて薬物の結晶が析出したかどうかを推定した。加えて、外観を肉眼で観察した。結果を表4にまとめる。
Figure 0005847722
考察
結果に示されるように、両分散溶液は、溶媒として同じ市販エマルジョンに分散させたが、異なる安定化時間を示し:本発明の製剤は、17時間もしくはそれを超える安定化時間を有していたが、ジメチルアセチルアミドを含有する対比製剤の安定化時間は、6時間未満である。従って、本発明は、中国特許(第97196934.5号)と比較して、非常に大きな利点および予想外の効果を有することが明らかであった。外観に関しては、本発明の分散溶液では油分の浮遊は見られず、一方、ジメチルアセチルアミド含有対比製剤では、より多くの油分の浮遊がしており、非常に多くの油脂分が容器壁に付着もしていた。
5.本発明およびオレイン酸を含有する比較特許の安定性対比試験
中国特許出願(特許出願番号:第200680007345.3号)において提案されているように、PEG‐400に基づいて0.01〜5%の量のオレイン酸を添加した。この方法を考慮して、0.3%、1.0%、および5.0%オレイン酸/PEG‐400溶液をそれぞれ作製し、これを溶媒として用いて、対比溶液として25mg/mlのパクリタキセル溶液を作製した。試験溶液として、医薬溶液を実施例16に従って作製した。4mlの試験および対比溶液を、それぞれ実施例16の市販のエマルジョン100ml中に分散し、十分に振とうして測定サンプルを得た。分散溶液の薬物含有量は、HPLCにより異なる時間点にて測定した。異なる時間点で薬物含有量を測定する場合、適切な量の分散溶液をインジェクターで抽出し、まず0.45μmの微孔性メンブレンフィルターでろ過し、次にろ液中のパクリタキセル含有量を測定し、示されたパーセント量を算出し、これを用いて薬物の結晶が析出したかどうかを推定した。加えて、外観を肉眼で観察した。結果を表5にまとめる。
Figure 0005847722
考察
結果に示されるように、両分散溶液は、溶媒として同じ市販エマルジョンに分散させたが、異なる安定化時間を示し:オレイン酸含有対比製剤は6時間未満であり、その安定性は、オレイン酸の量と共に低下し、希釈後は上昇している。このことは、オレイン酸が製剤の安定性に対して破壊的な影響を有していることを示唆するものであった。対照的に、本発明の製剤は、17時間の長さ、もしくはそれより長い安定性であった。従って、本発明は、中国特許出願(特許出願番号:第200680007345.3号)と比較して、非常に大きな利点および予想外の効果を有することが明らかであった。外観に関しては、本発明の分散溶液では油分の浮遊は見られず、一方、対比製剤では、より多くの油分の浮遊がしており、非常に多くの油脂分が容器壁に付着もしていた。
6.本発明および界面活性剤を含有する比較特許の安定性対比試験
中国特許出願(特許出願番号:第200410025522.3号)において提案されているように、これは主に、パクリタキセル、Tween‐80、PVP、レシチン、および注射用溶媒から構成した。本発明に最も近い方法は実施例3であり、1.8gのパクリタキセル、22gのリン脂質、40gのプロピレングリコール、残りを無水エタノールで100mlとした配合であった。この方法を考慮して、対比溶液として医薬溶液を作製し、試験溶液として本発明の実施例16の方法に従ってパクリタキセル溶液を作製した。4mlの試験および対比溶液を、それぞれ実施例16の市販のエマルジョン100ml中に分散し、十分に振とうして測定サンプルを得た。分散溶液の薬物含有量は、HPLCにより異なる時間点にて測定した。異なる時間点で薬物含有量を測定する場合、適切な量の分散溶液をインジェクターで抽出し、まず0.45μmの微孔性メンブレンフィルターでろ過し、次にろ液中のパクリタキセル含有量を測定し、示されたパーセント量を算出し、これを用いて薬物の結晶が析出したかどうかを推定した。加えて、外観を肉眼で観察した。結果を表6にまとめる。
Figure 0005847722
考察
結果に示されるように、両分散溶液は、溶媒として同じ市販エマルジョンに分散させたが、異なる安定化時間を示し:界面活性剤含有対比製剤は8時間未満の安定化時間であったが、本発明の製剤は、17時間もしくはそれより長い安定化時間であった。外観に関しては、本発明の分散溶液では油分の浮遊は見られなかったが、界面活性剤含有対比製剤では、より多くの油分が浮遊しており、非常に多くの油脂分が容器壁に付着もしていた。従って、本発明は、中国特許出願(特許出願番号:第200410025522.3号)と比較して、非常に大きな利点および予想外の効果を有することが明らかであった。
本発明のタキサンの点滴静注製剤は、以下に示すいくつかの利点を提供する。
(1)本発明の製剤は、優れた安全性を有する。本発明の製剤は、ポリオキシエチレンヒマシ油、tween‐80、ジメチルアセトアミド、オレイン酸、およびポリビドンなどの毒性および副作用を有する可溶化剤をまったく含有しないものであり、ここで、ポリオキシエチレンヒマシ油およびtween‐80は、重篤な溶血およびアレルギー反応を引き起こすため、その安全性は低い。マウスに対するジメチルアセトアミドの経口LD50は、4.620g/kgである。これに対して、本発明における注射用溶媒としては、無毒性および非刺激性のPEG‐400を用いることが好ましく、そのマウスに対する経口LD50は、28.9g/kgに達し、これはジメチルアセトアミドの6.3倍である。従って、PEG‐400は、注射用の安全な溶媒であることが証明されている。加えて、R.C. Roche(Handbook of pharmaceutical excipients, original 4th edition: p476)に
よって示されるように、オレイン酸は、赤血球破壊を引き起こす可能性があり、すなわち溶血活性を有しており、このことにより、非注射製剤にしか用いることができない。従って、毒性および副作用を持つ可溶化剤が存在しないことは、本発明の最も重要な注目点である。
(2)本発明の製剤は、優れた安定性を有している。本発明の溶液を用いて作製された分散溶液は、その安定性が大きく改善された。このことにより、分散溶液の安定化時間が大きく延長され、浮遊油分の問題が予想以上に解決され、さらに分散溶液の安定性が改善される。
本発明の最良の形態
本発明の大きな利点および予想外の効果を実証する目的で、本発明を以下の実施例に従って実施するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 パクリタキセル点滴静注製剤およびそのキット
a)医薬溶液の作製:2.5gのパクリタキセルを適切量のPEG‐400に添加し、70℃まで加熱してせん断によって溶解し、PEG‐400で100mlまで希釈した。クエン酸を添加してpH値を3.24に調節し、0.2gの注射用の活性炭を添加して25℃において30分間の吸着処理を行った。次に、この溶液を微孔性メンブレンフィルターでろ過し、個別にパッケージし、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により121℃にて30分間殺菌処理し、こうしてパクリタキセル溶液を得た。
b)エマルジョンの作製:100gの大豆油および100gのカプリル酸カプリン酸トリグリセリドを湯浴中で70℃まで加熱し、これに20gの注射用大豆リン脂質を添加し、せん断によって溶解し、十分に攪拌して油相を形成し;22.5gのグリセロールおよび10gのポロキサマー188を750mlの注射用水に添加し、70℃で攪拌してグリセロールおよびポロキサマー188を溶解して水相を形成し;70℃にて油相を水相と混合し、続いて、せん断型乳化装置を用いて、15000rpmの回転速度にて15分間の乳化を行い、一次エマルジョンを得た。この一次エマルジョンを、15000psiの圧力下、高圧ホモジナイザーによってさらに乳化した。このエマルジョンを注射用水により
1000mlに希釈し、そのpH値を、水酸化ナトリウム溶液で7.50に調節した。このエマルジョンを微孔性メンブレンフィルターでろ過し、次にろ液を個別にパッケージし、窒素充填し、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により121℃にて15分間殺菌処理して、エマルジョンを得た。エマルジョンマイクロ粒子の平均粒子サイズを測定したところ、130nmであり、pH値は6.99であった。
上記で得られたパクリタキセル溶液および薬用エマルジョンを、それぞれプラスチック製またはガラス製のボトルに充填し、これらを1:1の比率で1つの大きな容器にパッケージした。
使用時は、パクリタキセル溶液を、薬用エマルジョン中へ1:25の体積比で添加し、均一に分散させて、静脈持続点滴を直接行ってよく;または、医薬溶液をやはりエマルジョンにまず添加し、次に、所定量の通常生理食塩水を有する通常生理食塩水注射液または注射用グルコース溶液を添加して、注射を行ってもよい。
実施例2 ドセタキセル点滴静注製剤およびそのキット
a)医薬溶液の作製:2.5gのドセタキセルを適切量のPEG‐400に添加し、80℃まで加熱してせん断によって溶解し、PEG‐400で100mlまで希釈した。クエン酸を添加してpH値を3.50に調節し、0.2gの注射用の活性炭を添加して25℃において30分間の吸着処理を行った。次に、この溶液をカプセルフィルターでろ過し、0.22μmの微孔性メンブレンフィルターで殺菌し、個別にパッケージし、キャップでシールし、こうしてドセタキセル溶液を得た。
b)エマルジョンの作製:200gの注射用大豆油を湯浴中で80℃まで加熱し、これに12gの注射用卵黄リン脂質を添加し、攪拌によって溶解して油相を得た。22.5gのグリセロールを680mlの注射用水に添加し、攪拌によって溶解し、80℃に加熱して水相を得た。80℃にて油相を水相と混合し、続いて、せん断型乳化装置を用いて、18000rpmの回転速度にて15分間の乳化を行い、一次エマルジョンを得た。この一次エマルジョンを、20000psiの圧力下、高圧ホモジナイザーによってさらに乳化した。このエマルジョンを注射用水により1000mlに希釈し、そのpH値を、水酸化ナトリウム溶液で7.10に調節した。このエマルジョンを微孔性メンブレンフィルターでろ過し、次にろ液を個別にパッケージし、窒素充填し、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により121℃にて15分間殺菌処理して、エマルジョンを得た。エマルジョンマイクロ粒子の平均粒子サイズを測定したところ、210nmであり、pH値は6.57であった。
上記で得られたドセタキセル溶液および薬用エマルジョンを、それぞれプラスチック製またはガラス製のボトルに充填し、これらを1:1の比率で1つの大きな容器にパッケージした。
使用時は、医薬溶液を、エマルジョン中へ1:25の体積比で添加し、均一に分散させて、静脈持続点滴を直接行ってよい。
実施例3 パクリタキセル点滴静注製剤およびそのキット
a)医薬溶液の作製:3gのパクリタキセルを適切量のPEG‐400に添加し、90℃まで加熱して攪拌によって溶解し、PEG‐400で100mlまで希釈した。クエン酸を用いてpH値を3.14に調節した。0.5gの注射用の活性炭を添加して25℃において45分間の吸着処理を行った。次に、この溶液を微孔性メンブレンフィルターでろ過し、個別にパッケージし、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により115℃にて30分間殺菌処理し、こうしてパクリタキセル溶液を得た。
b)エマルジョンの作製:50gの大豆油および50gのカプリル酸カプリン酸トリグリセリドを湯浴中で55℃まで加熱し、これに12gの注射用卵黄リン脂質を添加し、せん断によって溶解して油相を形成し;25gのグリセロールを800mlの注射用水に添加し、55℃で攪拌してグリセロールを溶解して水相を形成し;55℃にて油相を水相と混合し、続いて、せん断型乳化装置を用いて、22000rpmの回転速度にて20分間の乳化を行い、一次エマルジョンを得た。この一次エマルジョンを、18000psiの圧力下、高圧ホモジナイザーによってさらに乳化した。このエマルジョンを注射用水により1000mlに希釈し、そのpH値を、水酸化ナトリウム溶液で7.80に調節した。このエマルジョンをカプセルフィルターでろ過し、次にろ液を個別にパッケージし、窒素充填し、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により115℃にて30分間殺菌処理して、エマルジョンを得た。エマルジョンマイクロ粒子の平均粒子サイズを測定したところ、178.1nmであり、pH値は7.18であった。
上記で得られたパクリタキセル溶液および薬用エマルジョンを、それぞれプラスチック製またはガラス製のボトルに充填し、これらを1:1の比率で1つの大きな容器にパッケージした。
使用時は、医薬溶液を、エマルジョン中へ1:50の体積比で添加し、均一に分散させて、静脈持続点滴を直接行ってよい。
実施例4 ドセタキセル点滴静注製剤およびそのキット
a)医薬溶液の作製:4.0gのドセタキセルを適切量のPEG‐400に添加し、55℃まで加熱してせん断によって溶解し、PEG‐400で100mlまで希釈した。クエン酸を用いてpH値を3.04に調節した。1.0gの注射用の活性炭を添加して60℃において15分間の吸着処理を行った。次に、この溶液を微孔性メンブレンフィルターでろ過し、個別にパッケージし、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により115℃にて30分間殺菌処理し、こうしてドセタキセル溶液を得た。
b)エマルジョンの作製:150gの大豆油、150gのカプリル酸カプリン酸トリグリセリド、および2gのトコフェロールを混合し、湯浴中で85℃まで加熱し、これに10gの注射用卵黄リン脂質および10gの大豆リン脂質を添加し、せん断によって溶解して油相を形成し;22gのグリセロールおよび10gのポロキサマー‐188を650mlの注射用水に添加し、85℃に加熱して水相を形成し;85℃にて油相を水相と混合し、続いて、せん断型乳化装置を用いて、5000rpmの回転速度にて30分間の乳化を行い、一次エマルジョンを得た。この一次エマルジョンを、25000psiの圧力下、高圧ホモジナイザーによってさらに乳化した。このエマルジョンを注射用水により1000mlに希釈し、そのpH値を、水酸化ナトリウム溶液で7.51に調節した。このエマルジョンをサンドフィルターロッドでろ過し、次にろ液を個別にパッケージし、窒素充填し、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により115℃にて30分間殺菌処理して、エマルジョンを得た。エマルジョンマイクロ粒子の平均粒子サイズを測定したところ、280.2nmであり、pH値は7.05であった。
上記で得られたドセタキセル溶液および薬用エマルジョンを、それぞれプラスチック製またはガラス製のボトルに充填し、これらを1:1の比率で1つの大きな容器にパッケージした。
使用時は、医薬溶液を、エマルジョン中へ1:30の体積比で添加し、均一に分散させて、静脈持続点滴を直接行ってよい。
実施例5 パクリタキセル点滴静注製剤およびそのキット
a)医薬溶液の作製:4.0gのパクリタキセルを適切量のPEG‐400に添加し、82℃にてせん断によって溶解し、PEG‐400で100mlまで希釈した。クエン酸を用いてpH値を3.98に調節した。0.05gの注射用の活性炭を添加して80℃にて20分間の吸着処理を行った。次に、この溶液をサンドフィルターロッドでろ過し、個別にパッケージし、キャップでシールし、循環蒸気により100℃にて45分間殺菌処理し、こうしてパクリタキセル溶液を得た。
b)エマルジョンの作製:200gのカプリル酸カプリン酸トリグリセリドを湯浴中で65℃まで加熱して油相を形成し;9gの大豆リン脂質、9gの卵黄リン脂質、および22.5gのグリセロールを700mlの注射用水に添加し、十分に攪拌し、65℃に加熱して水相を形成し;65℃にて油相を水相と混合し、続いて、せん断型乳化装置を用いて、6000rpmの回転速度にて28分間の乳化を行い、一次エマルジョンを得た。この一次エマルジョンを、10000psiの圧力下、高圧ホモジナイザーによってさらに乳化した。このエマルジョンを注射用水により1000mlに希釈し、そのpH値を、水酸化ナトリウム溶液で6.58に調節した。このエマルジョンを焼結ろ過用漏斗でろ過し、個別にパッケージし、窒素充填し、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により121℃にて8分間殺菌処理して、エマルジョンを得た。エマルジョンマイクロ粒子の平均粒子サイズを測定したところ、150nmであり、pH値は6.01であった。
上記で得られたパクリタキセル溶液および薬用エマルジョンを、それぞれプラスチック製またはガラス製のボトルに充填し、これらを1:1の比率で1つの大きな容器にパッケージした。
使用時は、医薬溶液を、エマルジョン中へ1:70の体積比で添加し、均一に分散させて、静脈持続点滴を直接行ってよい。
実施例6 ドセタキセル点滴静注製剤およびそのキット
a)医薬溶液の作製:5.0gのドセタキセルを、50gのPEG‐400と35gの無水エタノールとの混合物に添加し、55℃まで加熱してせん断によって溶解し、無水エタノールで100mlまで希釈した。塩酸を用いてpH値を2.02に調節した。1.0gの注射用の活性炭を添加して90℃にて110分間の吸着処理を行った。次に、この溶液をカプセルフィルターでろ過し、個別にパッケージし、キャップでシールし、循環蒸気により100℃にて45分間殺菌処理し、こうしてドセタキセル溶液を得た。
b)エマルジョンの作製:70gの亜麻仁油、80gのヒマワリ種子油、50gのカプリル酸モノグリセリド、50gのカプリル酸トリグリセリド、および4gのトコフェロールの混合物を湯浴中で75℃まで加熱し、これに5gのDMPCおよび3gのDPPCを添加し、攪拌によって溶解して油相を形成し;21.0gのグリセロールを620mlの注射用水に添加し、75℃に加熱し、攪拌によって溶解して水相を形成し;75℃にて油相を水相と混合し、続いて、せん断型乳化装置を用いて、30000rpmの回転速度にて8分間の乳化を行い、一次エマルジョンを得た。この一次エマルジョンを、12000psiの圧力下、高圧ホモジナイザーによってさらに乳化した。このエマルジョンを注射用水により1000mlに希釈し、そのpH値を、水酸化ナトリウム溶液で9.00に調節した。このエマルジョンを焼結ろ過用漏斗でろ過し、個別にパッケージし、窒素充填し、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により121℃にて10分間殺菌処理して、エマルジョンを得た。エマルジョンマイクロ粒子の平均粒子サイズを測定したところ、259nmであり、pH値は8.48であった。
上記で得られたドセタキセル溶液および薬用エマルジョンを、それぞれプラスチック製
またはガラス製のボトルに充填し、これらを1:1の比率で1つの大きな容器にパッケージした。
使用時は、医薬溶液を、エマルジョン中へ1:80の体積比で添加し、均一に分散させて、静脈持続点滴を直接行ってよい。
実施例7 パクリタキセル点滴静注製剤およびそのキット
a)医薬溶液の作製:1.0gのパクリタキセルを、30gのプロピレングリコール、60gのPEG‐200、および5gの注射用水の混合物に添加し、70℃にてせん断によって溶解し、注射用水で100mlまで希釈した。塩酸を添加してpH値を2.54に調節し、2.6gの注射用の活性炭により25℃にて90分間の吸着処理を行った。次に、この溶液を焼結ろ過用漏斗でろ過し、個別にパッケージし、キャップでシールし、循環蒸気により100℃にて45分間殺菌処理し、こうしてパクリタキセル溶液を得た。
b)エマルジョンの作製:6gのヨクイニン油、6gのブルセアジャバニカ油、10gのカプリン酸モノグリセリド、3gのトウモロコシ油、5gのカプリル酸ジグリセリド、および0.5gのトコフェロールを混合し、湯浴中で70℃まで加熱し、十分に攪拌して油相を形成し;1gの注射用ポロキサマー、4gの卵黄リン脂質、1gのDSPE、および25gのグリセロールを850mlの注射用水に添加し、せん断によって分散させ、70℃に加熱して水相を形成し;70℃にて油相を水相と混合し、続いて、攪拌によって10分間の乳化を行い、一次エマルジョンを得た。この一次エマルジョンを、7000psiの圧力下、高圧ホモジナイザーによってさらに乳化した。このエマルジョンを注射用水により1000mlに希釈し、そのpH値を、水酸化ナトリウム溶液で8.75に調節した。このエマルジョンを微孔性メンブレンフィルターでろ過し、個別にパッケージし、窒素充填し、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により115℃にて30分間殺菌処理して、エマルジョンを得た。エマルジョンマイクロ粒子の平均粒子サイズを測定したところ、110nmであり、pH値は8.31であった。
上記で得られたパクリタキセル溶液および薬用エマルジョンを、それぞれプラスチック製またはガラス製のボトルに充填し、これらを1:1の比率で1つの大きな容器にパッケージした。
使用時は、医薬溶液を、エマルジョン中へ1:10の体積比で添加し、均一に分散させて、静脈持続点滴を直接行ってよい。
実施例8 ドセタキセル点滴静注製剤およびそのキット
a)医薬溶液の作製:3.0gのドセタキセルを、60gのPEG‐600、10gのグリセロール、および20gの無水エタノールの混合物に添加し、85℃で攪拌することで溶解し、無水エタノールで100mlまで希釈した。塩酸を添加してpH値を2.68に調節し、1.4gの注射用の活性炭で50℃にて60分間の吸着処理を行った。次に、この溶液をカプセルフィルターでろ過し、個別にパッケージし、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により121℃にて15分間殺菌処理し、こうしてドセタキセル溶液を得た。
b)エマルジョンの作製:200gの魚油および2gのトコフェロールを混合し、湯浴中で80℃まで加熱し、十分に攪拌して油相を形成し;12gの卵黄リン脂質および22.5gのグリセロールを800mlの注射用水に添加し、せん断によって分散させ、80℃に加熱して水相を形成し;80℃にて油相を水相と混合し、続いて、せん断型乳化装置を用いて、7000rpmの回転速度にて25分間の乳化を行い、一次エマルジョンを得た。この一次エマルジョンを、25000psiの圧力下、高圧ホモジナイザーによって
さらに乳化した。このエマルジョンを注射用水により1000mlに希釈し、そのpH値を、水酸化ナトリウム溶液で8.10に調節した。このエマルジョンをカプセルフィルターでろ過し、個別にパッケージし、窒素充填し、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により121℃にて15分間殺菌処理して、エマルジョンを得た。エマルジョンマイクロ粒子の平均粒子サイズを測定したところ、208.5nmであり、pH値は7.60であった。
上記で得られたドセタキセル溶液および薬用エマルジョンを、それぞれプラスチック製またはガラス製のボトルに充填し、これらを1:1の比率で1つの大きな容器にパッケージした。
使用時は、医薬溶液を、エマルジョン中へ1:25の体積比で添加し、均一に分散させて、静脈持続点滴を直接行ってよい。
実施例9 パクリタキセル点滴静注製剤およびそのキット
a)医薬溶液の作製:4.0gのパクリタキセルを、80gのPEG‐400に添加し、78℃にてせん断によって溶解し、PEG‐400で100mlまで希釈した。酢酸を添加してpH値を3.30に調節し、0.3gの注射用の活性炭を添加して30℃にて70分間の吸着処理を行った。次に、この溶液をカプセルフィルターでろ過し、個別にパッケージし、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により121℃にて12分間殺菌処理し、こうしてパクリタキセル溶液を得た。
b)エマルジョンの作製:60gのヘルバアルテミシアエアヌアエ油、30gのカプリル酸カプリン酸ジグリセリド、65gのカプリン酸トリグリセリド、65gのカプリル酸カプリン酸モノグリセリド、32gのサフラワー種子油、30gのゴマ油、18gのシーバックソーン油、および4.5gのトコフェロールを混合し、湯浴中で78℃まで加熱し、十分に攪拌して油相を形成し;22.5gのグリセロール、40gの卵黄リン脂質、および10gのポロキサマー 188を、600mlの注射用水に添加し、せん断によって溶解し、70℃に加熱して水相を形成し;78℃にて油相を水相と混合し、続いて、せん断型乳化装置を用いて、8500rpmの回転速度にて20分間の乳化を行い、一次エマルジョンを得た。この一次エマルジョンを、25000psiの圧力下、高圧ホモジナイザーによってさらに乳化した。このエマルジョンを注射用水により1000mlに希釈し、そのpH値を、水酸化ナトリウム溶液で6.86に調節した。このエマルジョンを微孔性メンブレンフィルターでろ過し、個別にパッケージし、窒素充填し、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により121℃にて10分間殺菌処理して、エマルジョンを得た。エマルジョンマイクロ粒子の平均粒子サイズを測定したところ、287.2nmであり、pH値は6.55であった。
上記で得られたパクリタキセル溶液および薬用エマルジョンを、それぞれプラスチック製またはガラス製のボトルに充填し、これらを1:1の比率で1つの大きな容器にパッケージした。
使用時は、医薬溶液を、エマルジョン中へ1:60の体積比で添加し、均一に分散させて、静脈持続点滴を直接行ってよい。
実施例10 ドセタキセル点滴静注製剤およびキット
a)医薬溶液の作製:2.5gのドセタキセルを90gのPEG‐400に添加し、80℃に加熱して攪拌することで溶解し、PEG‐400で100mlまで希釈した。酢酸を添加してpH値を3.30に調節し、0.5gの注射用の活性炭を添加して25℃にて45分間の吸着処理を行った。次に、この溶液をカプセルフィルターでろ過し、個別にパ
ッケージし、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により115℃にて30分間殺菌処理し、こうしてドセタキセル溶液を得た。
b)エマルジョンの作製:150gの注射用大豆油および50gのガノデルマルシズム胞子油を混合し、湯浴中で70℃まで加熱し、これに12gの注射用卵黄リン脂質を添加し、せん断によって溶解して油相を形成し;22.5gのグリセロールを680mlの注射用水に添加し、攪拌によって溶解し、70℃に加熱して水相を形成し;70℃にて油相を水相と混合し、続いて、せん断型乳化装置を用いて、27000rpmの回転速度にて5分間の乳化を行い、一次エマルジョンを得た。この一次エマルジョンを、15000psiの圧力下、高圧ホモジナイザーによってさらに乳化した。このエマルジョンを注射用水により1000mlに希釈し、そのpH値を、水酸化ナトリウム溶液で8.52に調節した。このエマルジョンを微孔性メンブレンフィルターでろ過し、個別にパッケージし、窒素充填し、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により117℃にて20分間殺菌処理して、エマルジョンを得た。エマルジョンマイクロ粒子の平均粒子サイズを測定したところ、220nmであり、pH値は8.02であった。
上記で得られたドセタキセル溶液および薬用エマルジョンを、それぞれプラスチック製またはガラス製のボトルに充填し、これらを1:1の比率で1つの大きな容器にパッケージした。
使用時は、医薬溶液を、エマルジョン中へ1:100の体積比で添加し、均一に分散させて、静脈持続点滴を直接行ってよい。
実施例11 パクリタキセル点滴静注製剤およびそのキット
a)医薬溶液の作製:2.5gのパクリタキセルを、適切量のPEG‐400に添加し、85℃にてせん断によって溶解し、PEG‐400で100mlまで希釈した。クエン酸を添加してpH値を2.84に調節し、0.2gの注射用の活性炭を添加して25℃にて30分間の吸着処理を行った。次に、この溶液を微孔性メンブレンフィルターでろ過し、個別にパッケージし、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により115℃にて30分間殺菌処理し、こうしてパクリタキセル溶液を得た。
b)エマルジョンの作製:100gの注射用カプリル酸カプリン酸トリグリセリドおよび100gの大豆油を混合し、湯浴中で70℃まで加熱し、これに20gの注射用大豆リン脂質を添加し、せん断によって溶解し、十分に攪拌して油相を形成し;22.5gのグリセロールを750mlの注射用水に添加し、攪拌によって溶解し、70℃に加熱して水相を形成し;70℃にて油相を水相と混合し、続いて、せん断型乳化装置を用いて、15000rpmの回転速度にて15分間の乳化を行い、一次エマルジョンを得た。この一次エマルジョンを、15000psiの圧力下、高圧ホモジナイザーによってさらに乳化した。このエマルジョンを注射用水により1000mlに希釈し、そのpH値を、水酸化ナトリウム溶液で8.10に調節した。このエマルジョンを微孔性メンブレンフィルターでろ過し、個別にパッケージし、窒素充填し、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により121℃にて15分間殺菌処理して、エマルジョンを得た。エマルジョンマイクロ粒子の平均粒子サイズを測定したところ、240nmであり、pH値は7.68であった。
上記で得られたパクリタキセル溶液および薬用エマルジョンを、それぞれプラスチック製またはガラス製のボトルに充填し、これらを1:1の比率で1つの大きな容器にパッケージした。
使用時は、医薬溶液を、エマルジョン中へ1:25の体積比で添加し、均一に分散させ
て、静脈持続点滴を直接行ってよい。
実施例12 ドセタキセル点滴静注製剤およびそのキット
a)医薬溶液の作製:2.5gのドセタキセルを適切量のPEG‐400に添加し、70℃にて攪拌することで溶解し、PEG‐400で100mlまで希釈した。クエン酸を添加してpH値を3.14に調節し、0.5gの注射用の活性炭を添加して25℃にて60分間の吸着処理を行った。次に、この溶液をカプセルフィルターでろ過し、個別にパッケージし、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により121℃にて15分間殺菌処理し、こうしてドセタキセル溶液を得た。
b)エマルジョンの作製:50gの注射用カプリル酸カプリン酸トリグリセリドおよび50gの大豆油を混合し、湯浴中で70℃まで加熱し、これに12gの注射用大豆リン脂質を添加し、せん断によって溶解し、十分に攪拌して油相を形成し;22.5gのグリセロールを780mlの注射用水に添加し、攪拌によって溶解し、75℃に加熱して水相を形成し;75℃にて油相を水相と混合し、続いて、せん断型乳化装置を用いて、12000rpmの回転速度にて10分間の乳化を行い、一次エマルジョンを得た。この一次エマルジョンを、15000psiの圧力下、高圧ホモジナイザーによってさらに乳化した。このエマルジョンを注射用水により1000mlに希釈し、そのpH値を、水酸化ナトリウム溶液で8.80に調節した。このエマルジョンを微孔性メンブレンフィルターでろ過し、個別にパッケージし、窒素充填し、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により115℃にて30分間殺菌処理して、エマルジョンを得た。エマルジョンマイクロ粒子の平均粒子サイズを測定したところ、210nmであり、pH値は8.17であった。
上記で得られたドセタキセル溶液および薬用エマルジョンを、それぞれプラスチック製またはガラス製のボトルに充填し、これらを1:1の比率で1つの大きな容器にパッケージした。
使用時は、医薬溶液を、エマルジョン中へ1:20の体積比で添加し、均一に分散させて、静脈持続点滴を直接行ってよい。
実施例13 パクリタキセル点滴静注製剤およびそのキット
a)医薬溶液の作製:2.5gのパクリタキセルを、適切量のPEG‐400に添加し、90℃に加熱し、せん断によって溶解し、PEG‐400で100mlまで希釈した。酢酸を添加してpH値を3.40に調節し、0.1gの注射用の活性炭を添加して60℃にて15分間の吸着処理を行った。次に、この溶液をカプセルフィルターでろ過し、個別にパッケージし、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により121℃にて15分間殺菌処理し、こうしてパクリタキセル溶液を得た。
b)エマルジョンの作製:150gの注射用カプリル酸カプリン酸トリグリセリドおよび150gの大豆油を混合し、湯浴中で70℃まで加熱し、これに12gの注射用卵黄リン脂質を添加し、せん断によって溶解し、十分に攪拌して油相を形成し;10gのポロキサマー‐188および22.5gのグリセロールを650mlの注射用水に添加し、攪拌によって溶解し、70℃に加熱して水相を形成し;70℃にて油相を水相と混合し、続いて、せん断型乳化装置を用いて、10000rpmの回転速度にて15分間の乳化を行い、一次エマルジョンを得た。この一次エマルジョンを、20000psiの圧力下、高圧ホモジナイザーによってさらに乳化した。このエマルジョンを注射用水により1000mlに希釈し、そのpH値を、水酸化ナトリウム溶液で6.67に調節した。このエマルジョンをカプセルフィルターでろ過し、個別にパッケージし、窒素充填し、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により121℃にて12分間殺菌処理して、エマルジ
ョンを得た。エマルジョンマイクロ粒子の平均粒子サイズを測定したところ、340nmであり、pH値は6.41であった。
上記で得られたパクリタキセル溶液および薬用エマルジョンを、それぞれプラスチック製またはガラス製のボトルに充填し、これらを1:1の比率で1つの大きな容器にパッケージした。
使用時は、医薬溶液を、エマルジョン中へ1:50の体積比で添加し、均一に分散させて、静脈持続点滴を直接行ってよい。
実施例14 ドセタキセル点滴静注製剤およびそのキット
a)医薬溶液の作製:4.0gのドセタキセルを、適切量のPEG‐400に添加し、85℃に加熱し、せん断によって溶解し、PEG‐400で100mlまで希釈した。クエン酸を添加してpH値を3.94に調節し、次に0.05gの注射用の活性炭を添加して25℃にて90分間の吸着処理を行った。次に、この溶液をカプセルフィルターでろ過し、個別にパッケージし、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により121℃にて15分間殺菌処理し、こうしてドセタキセル溶液を得た。
b)エマルジョンの作製:200gの注射用大豆油を湯浴中で65℃まで加熱し、これに12gの注射用卵黄リン脂質を添加し、せん断によって溶解し、十分に攪拌して油相を形成し;22.5gのグリセロールを750mlの注射用水に添加し、攪拌によって溶解し、65℃に加熱して水相を形成し;65℃にて油相を水相と混合し、続いて、せん断型乳化装置を用いて、15000rpmの回転速度にて15分間の乳化を行い、一次エマルジョンを得た。この一次エマルジョンを、20000psiの圧力下、高圧ホモジナイザーによってさらに乳化した。このエマルジョンを注射用水により1000mlに希釈し、そのpH値を、水酸化ナトリウム溶液で6.50に調節した。このエマルジョンを微孔性メンブレンフィルターでろ過し、個別にパッケージし、窒素充填し、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により121℃にて15分間殺菌処理して、エマルジョンを得た。エマルジョンマイクロ粒子の平均粒子サイズを測定したところ、207nmであり、pH値は6.12であった。
上記で得られたドセタキセル溶液および薬用エマルジョンを、それぞれプラスチック製またはガラス製のボトルに充填し、これらを1:1の比率で1つの大きな容器にパッケージした。
使用時は、医薬溶液を、エマルジョン中へ1:75の体積比で添加し、均一に分散させて、静脈持続点滴を直接行ってよい。
実施例15 パクリタキセル点滴静注製剤およびそのキット
a)医薬溶液の作製:5.0gのパクリタキセルを、適切量のPEG‐400に添加し、70℃にてせん断によって溶解し、PEG‐400で100mlまで希釈した。リンゴ酸を添加してpH値を3.50に調節し、1gの注射用の活性炭を添加して25℃にて30分間の吸着処理を行った。次に、この溶液を微孔性メンブレンフィルターでろ過し、個別にパッケージし、キャップでシールし、循環蒸気により100℃にて45分間殺菌処理し、こうしてパクリタキセル溶液を得た。
b)エマルジョンの作製:100gの注射用カプリル酸カプリン酸トリグリセリドおよび100gの大豆油を混合し、湯浴中で70℃まで加熱し、これに20gの注射用大豆リン脂質を添加し、せん断によって溶解し、十分に攪拌して油相を形成し;10gのポロキサマー‐188および22.5gのグリセロールを750mlの注射用水に添加し、攪拌
によって溶解し、70℃に加熱して水相を形成し;70℃にて油相を水相と混合し、続いて、せん断型乳化装置を用いて、10000rpmの回転速度にて20分間の乳化を行い、一次エマルジョンを得た。この一次エマルジョンを、15000psiの圧力下、高圧ホモジナイザーによってさらに乳化した。このエマルジョンを注射用水により1000mlに希釈し、そのpH値を、水酸化ナトリウム溶液で7.40に調節した。このエマルジョンを微孔性メンブレンフィルターでろ過し、個別にパッケージし、窒素充填し、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により121℃にて15分間殺菌処理して、エマルジョンを得た。エマルジョンマイクロ粒子の平均粒子サイズを測定したところ、150nmであり、pH値は6.84であった。
上記で得られたパクリタキセル溶液および薬用エマルジョンを、それぞれプラスチック製またはガラス製のボトルに充填し、これらを1:1の比率で1つの大きな容器にパッケージした。
使用時は、医薬溶液を、エマルジョン中へ1:50の体積比で添加し、均一に分散させて、静脈持続点滴を直接行ってよい。
実施例16 パクリタキセル点滴静注製剤
a)医薬溶液の作製:2.5gのパクリタキセルを、適切量のPEG‐400に添加し、85℃に加熱してせん断によって溶解し、PEG‐400で100mlまで希釈した。クエン酸を添加してpH値を3.20に調節し、次に0.2gの注射用の活性炭を添加して25℃にて30分間の吸着処理を行った。次に、この溶液を微孔性メンブレンフィルターでろ過し、個別にパッケージし、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により121℃にて15分間殺菌処理し、こうしてパクリタキセル溶液を得た。
b)市販エマルジョン:仕様:100ml、20% 中/長鎖脂肪エマルジョン;バッチ番号:GM0809034;製造者:グアンジョウバクスター‐チアオグアンファーマソ
ーティカル社(Guangzhou Baxter-Qiaoguang Pharmaceutical Inc.)
使用時は、医薬溶液を、市販エマルジョン中へ1:25の体積比で添加し、均一に分散させて、静脈持続点滴を直接行ってよい。
実施例17 パクリタキセル点滴静注製剤
a)医薬溶液の作製:4.0gのパクリタキセルを、適切量のPEG‐400に添加し、85℃にてせん断によって溶解し、PEG‐400で100mlまで希釈した。クエン酸を添加してpH値を3.20に調節し、次に0.15gの注射用の活性炭を添加して25℃にて45分間の吸着処理を行った。次に、この溶液をカプセルフィルターでろ過し、個別にパッケージし、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により121℃にて15分間殺菌処理し、こうしてパクリタキセル溶液を得た。
b)市販エマルジョン:仕様:100ml、20% 中/長鎖脂肪エマルジョン;バッチ番号:GM0809034;製造者:グアンジョウバクスター‐チアオグアンファーマソ
ーティカル社
使用時は、医薬溶液を、市販エマルジョン中へ1:40の体積比で添加し、均一に分散させて、静脈持続点滴を直接行ってよい。
実施例18 パクリタキセル点滴静注製剤
a)医薬溶液の作製:2.5gのパクリタキセルを、適切量のPEG‐400に添加し、70℃にてせん断によって溶解し、PEG‐400で100mlまで希釈した。クエン
酸を添加してpH値を3.45に調節し、次に0.2gの注射用の活性炭を添加して25℃にて30分間の吸着処理を行った。次に、この溶液を微孔性メンブレンフィルターでろ過し、個別にパッケージし、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により121℃にて30分間殺菌処理し、こうしてパクリタキセル溶液を得た。
b)市販エマルジョン:仕様:250ml、20% 中/長鎖脂肪エマルジョン;バッチ番号:80BM072;製造者:フアルイファーマソーティカル社(Huarui pharmaceutical Inc.)
使用時は、医薬溶液を、市販エマルジョン中へ1:15の体積比で添加し、均一に分散させて、静脈持続点滴を直接行ってよい。
実施例19 パクリタキセル点滴静注製剤
a)医薬溶液の作製:4.0gのパクリタキセルを、適切量のPEG‐400に添加し、90℃にてせん断によって溶解し、PEG‐400で100mlまで希釈した。塩酸を添加してpH値を3.04に調節し、次に0.5gの注射用の活性炭を添加して60℃にて15分間の吸着処理を行った。次に、この溶液をカプセルフィルターでろ過し、個別にパッケージし、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により121℃にて15分間殺菌処理し、こうしてパクリタキセル溶液を得た。
b)市販エマルジョン:仕様:250ml、20% 中/長鎖脂肪エマルジョン;バッチ番号:F090203C2;製造者:シシュアンケルンファーマソーティカル株式会社(Sichuan Kelun Pharmaceutical Joint Stock Company)
使用時は、医薬溶液を、市販エマルジョン中へ1:60の体積比で添加し、均一に分散させて、静脈持続点滴を直接行ってよい。
実施例20 パクリタキセル点滴静注製剤
a)医薬溶液の作製:2.5gのパクリタキセルを、適切量のPEG‐400に添加し、85℃にてせん断によって溶解し、PEG‐400で100mlまで希釈した。クエン酸を添加してpH値を3.24に調節し、次に0.2gの注射用の活性炭を添加して25℃にて30分間の吸着処理を行った。次に、この溶液を微孔性メンブレンフィルターでろ過し、個別にパッケージし、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により121℃にて30分間殺菌処理し、こうしてパクリタキセル溶液を得た。
b)市販エマルジョン:仕様:250ml、20% 中/長鎖脂肪エマルジョン;バッチ番号:F090203C2;製造者:シシュアンケルンファーマソーティカル株式会社
使用時は、医薬溶液を、市販エマルジョン中へ1:25の体積比で添加し、均一に分散させて、静脈持続点滴を直接行ってよい。
実施例21 パクリタキセル点滴静注製剤
a)医薬溶液の作製:2.5gのパクリタキセルを、適切量のPEG‐400に添加し、70℃にてせん断によって溶解し、PEG‐400で100mlまで希釈した。クエン酸を添加してpH値を3.24に調節し、次に0.2gの注射用の活性炭を添加して25℃にて30分間の吸着処理を行った。次に、この溶液を微孔性メンブレンフィルターでろ過し、個別にパッケージし、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により121℃にて30分間殺菌処理し、こうしてパクリタキセル溶液を得た。
b)市販エマルジョン:仕様:250ml、20% 長鎖脂肪エマルジョン;バッチ番
号:0811212‐1;製造者:ゼジアンシカングライトファーマソーティカル社(Zhejiang Kanglaite Pharmaceutical Inc.)
使用時は、医薬溶液を、市販エマルジョン中へ1:25の体積比で添加し、均一に分散させて、静脈持続点滴を直接行ってよい。
実施例22 パクリタキセル点滴静注製剤
a)医薬溶液の作製:6.0gのパクリタキセルを、適切量のPEG‐400に添加し、70℃にてせん断によって溶解し、PEG‐400で100mlまで希釈した。クエン酸を添加してpH値を3.24に調節し、次に0.2gの注射用の活性炭を添加して25℃にて30分間の吸着処理を行った。次に、この溶液を微孔性メンブレンフィルターでろ過し、個別にパッケージし、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により121℃にて30分間殺菌処理し、こうしてパクリタキセル溶液を得た。
b)市販エマルジョン:仕様:250ml、20% 中/長鎖脂肪エマルジョン;バッチ番号:8192A181;製造者:ベイランファーマソーティカル社(Beilang Pharmaceutical Inc,)、ドイツ
使用時は、医薬溶液を、市販エマルジョン中へ1:80の体積比で添加し、均一に分散させて、静脈持続点滴を直接行ってよい。
実施例23 パクリタキセル点滴静注製剤
a)医薬溶液の作製:2.5gのパクリタキセルを、適切量のPEG‐400に添加し、70℃にてせん断によって溶解し、PEG‐400で100mlまで希釈した。クエン酸を添加してpH値を3.24に調節し、次に0.2gの注射用の活性炭を添加して25℃にて30分間の吸着処理を行った。次に、この溶液を微孔性メンブレンフィルターでろ過し、個別にパッケージし、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により115℃にて30分間殺菌処理し、こうしてパクリタキセル溶液を得た。
b)市販エマルジョン:仕様:250ml、20% 中/長鎖脂肪エマルジョン;バッチ番号:GM0810022;製造者:グアンジョウバクスター‐チアオグアンファーマソ
ーティカル社
使用時は、医薬溶液を、市販エマルジョン中へ1:25の体積比で添加し、均一に分散させて、静脈持続点滴を直接行ってよい。
実施例24 パクリタキセル点滴静注製剤
a)医薬溶液の作製:2.5gのパクリタキセルを、適切量のPEG‐400に添加し、70℃にてせん断によって溶解し、PEG‐400で100mlまで希釈した。クエン酸を添加してpH値を3.32に調節し、次に0.2gの注射用の活性炭を添加して25℃にて30分間の吸着処理を行った。次に、この溶液を微孔性メンブレンフィルターでろ過し、個別にパッケージし、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により121℃にて15分間殺菌処理し、こうしてパクリタキセル溶液を得た。
b)市販エマルジョン:仕様:250ml、30% 長鎖脂肪エマルジョン;バッチ番号:GM0810022;製造者: フアルイファーマソーティカル社
使用時は、医薬溶液を、市販エマルジョン中へ1:25の体積比で添加し、均一に分散させて、静脈持続点滴を直接行ってよい。
実施例25 ドセタキセル点滴静注製剤
a)医薬溶液の作製:2.5gのドセタキセルを、適切量のPEG‐400に添加し、95℃にてせん断によって溶解し、PEG‐400で100mlまで希釈した。クエン酸を添加してpH値を3.40に調節し、次に0.2gの注射用の活性炭を添加して25℃にて30分間の吸着処理を行った。次に、この溶液を微孔性メンブレンフィルターでろ過し、個別にパッケージし、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により121℃にて15分間殺菌処理し、こうしてドセタキセル溶液を得た。
b)市販エマルジョン:仕様:100ml、20% 中/長鎖脂肪エマルジョン;バッチ番号:GM0809034;製造者:グアンジョウバクスター‐チアオグアンファーマソ
ーティカル社
使用時は、医薬溶液を、市販エマルジョン中へ1:25の体積比で添加し、均一に分散させて、静脈持続点滴を直接行ってよい。
実施例26 ドセタキセル点滴静注製剤
a)医薬溶液の作製:2.5gのドセタキセルを、適切量のPEG‐400に添加し、60℃にてせん断によって溶解し、PEG‐400で100mlまで希釈した。クエン酸を添加してpH値を3.32に調節し、次に0.2gの注射用の活性炭を添加して25℃にて30分間の吸着処理を行った。次に、この溶液を微孔性メンブレンフィルターでろ過し、個別にパッケージし、キャップでシールし、回転式高圧スチーム殺菌装置により121℃にて15分間殺菌処理し、こうしてドセタキセル溶液を得た。
b)市販エマルジョン:仕様:250ml、30% 長鎖脂肪エマルジョン;バッチ番号:GM0810022;製造者: フアルイファーマソーティカル社
使用時は、医薬溶液を、市販エマルジョン中へ1:25の体積比で添加し、均一に分散させて、静脈持続点滴を直接行ってよい。
実施例27 パクリタキセル点滴静注製剤
a)医薬溶液の作製:5.0gのパクリタキセルを、適切量のPEG‐400に添加し、95℃にてせん断によって溶解し、PEG‐400で100mlまで希釈した。クエン酸を添加してpH値を3.5に調節し、次に0.2gの注射用の活性炭を添加して25℃にて30分間の吸着処理を行った。次に、この溶液を0.22μm微孔性メンブレンフィルターでろ過して殺菌し、個別にパッケージし、キャップでシールし、こうしてパクリタキセル溶液を得た。
b)市販エマルジョン:仕様:100ml、20% 中/長鎖脂肪エマルジョン;バッチ番号:GM0809034;製造者:グアンジョウバクスター‐チアオグアンファーマソ
ーティカル社
使用時は、医薬溶液を、市販エマルジョン中へ1:50の体積比で添加し、均一に分散させて、静脈持続点滴を直接行ってよい。
実施例28 パクリタキセル点滴静注製剤
a)医薬溶液の作製:5.0gのパクリタキセルを、適切量のPEG‐400に添加し、80℃にてせん断によって溶解し、PEG‐400で100mlまで希釈した。乳酸を添加してpH値を3.28に調節し、次に0.2gの注射用の活性炭を添加して30℃にて45分間の吸着処理を行った。次に、この溶液を0.22μm微孔性メンブレンフィルターでろ過して殺菌し、個別にパッケージし、キャップでシールし、こうしてパクリタキ
セル溶液を得た。
b)市販エマルジョン:仕様:100ml、20% 中/長鎖脂肪エマルジョン;バッチ番号:GM0809034;製造者:グアンジョウバクスター‐チアオグアンファーマソ
ーティカル社
使用時は、医薬溶液を、市販エマルジョン中へ1:70の体積比で添加し、均一に分散させて、静脈持続点滴を直接行ってよい。

Claims (11)

  1. タキサン、pH調節剤、及び残部からなる、タキサンの医薬溶液であって、
    成分の比率が以下に示す通りであり:
    タキサン 1〜8%(g/ml)
    pH調節剤 pHを2〜3.98に調節するのに十分な適切量
    前記残部が、
    i)溶媒、又は、
    ii)溶媒および追加の医薬補助剤であり、
    前記溶媒が、PEG‐200、PEG‐300、PEG‐400、PEG‐600、プロピレングリコール、および注射用水から成る群より選択される1もしくは2つ以上の溶媒を含み、
    前記追加の医薬補助剤が、等張性調節剤およびキレート化剤から選択される、
    医薬溶液。
  2. 前記タキサンの比率が1〜6%(g/ml)である、請求項1に記載のタキサンの医薬溶液。
  3. 前記pH値が、前記pH調節剤によって3〜3.98に調節される、請求項2に記載のタキサンの医薬溶液。
  4. 前記タキサンが、パクリタキセルまたはドセタキセルである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のタキサンの医薬溶液。
  5. 前記pH調節剤が、水溶性の酸である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のタキサンの医薬溶液。
  6. 前記水溶性の酸が、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、塩酸、酢酸、リン酸、および酒石酸から成る群より選択される1もしくは2つ以上の種類を含む、請求項5に記載のタキサンの医薬溶液。
  7. 前記溶媒が、PEG‐400である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のタキサンの医薬溶液。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のタキサンの医薬溶液を製造するための方法であって、前記方法が、前記タキサンおよび前記pH調節剤を前記溶媒に溶解する工程を含む、方法。
  9. 更に、追加の医薬補助剤を添加する工程、を含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記方法が、以下の工程:パクリタキセルまたはドセタキセルを秤量する工程;パクリタキセルまたはドセタキセルを溶媒に添加する工程;50〜100℃での加熱および攪拌、またはせん断によって溶解する工程;前記混合物を前記溶媒で希釈する工程;前記pH調節剤によりpHを2.0〜3.98に調節する工程;0.01%〜3%(g/ml)の注射用の活性炭を添加し、25〜100℃にて15〜120分間加熱することによって吸着処理を行う工程;次に、ろ過し、個別にパッケージし、キャップでシールし、殺菌処理して前記タキサンの医薬溶液を得る工程、を含む、請求項8又は9に記載の製造方法。
  11. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の前記タキサンの医薬溶液およびエマルジョンを含むキットであって、前記タキサンの医薬溶液および前記エマルジョンが、組み合わせた形で配置された2つの別々の容器に充填される、キット。
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