JP5844573B2 - ピタバスタチンを含有する錠剤 - Google Patents
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Description
本明細書において三二酸化鉄とは式Fe2O3によって表される化合物である。すなわち、用語『三二酸化鉄』は、黄色三二酸化鉄(Fe2O3・H2O)を含まない。
添加剤としては、医薬品の製造に使用可能なものをいずれも使用でき、特に制限されない。例えば、乳糖、ブドウ糖、白糖等の糖類;D−マンニトール、エリスリトール、D−ソルビトール、マルチトール等の糖アルコール類;結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース等のセルロース誘導体;ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム等のケイ酸塩類;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム等の滑沢剤が挙げられる。
本発明の錠剤にはさらに、着色剤として酸化チタンを含むことが好ましい。三二酸化鉄と酸化チタンとを組み合わせて使用することで、ごく少量の三二酸化鉄の添加によって優れた光安定性改善効果を発現する。
本発明のピタバスタチン含有錠剤は、賦形剤、結合剤、滑沢剤、安定化剤、矯味剤等の、通常錠剤に含まれる他の添加剤をさらに含んでいてもよい。上述のD―マンニトールは、好ましい賦形剤の一例である。
本発明のピタバスタチンカルシウム含有錠剤は、公知乃至慣用の製造方法により製造することができる。具体的には、直接打錠法、乾式顆粒圧縮法、湿式顆粒圧縮法を例示することができる。
ピタバスタチン類は、光分解により開環体、ケト体を生じることが知られている。本明細書において、『類縁物質』は、これらに限られず、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)法により検出されたすべての成分のうち、ピタバスタチンを除くものをいう。HPLCの試験条件等は、実施例に示すものと実質的に同様なものとする。
本錠剤は、添加剤及び着色剤の選択及び組み合わせの効果により、上述のような素錠(裸錠)のままであっても光安定性及び保存安定性に優れている。しかしながら、素錠表面を適宜なコーティング剤により被覆して、コーティング錠とすることでさらに光安定性及び保存安定性を改善する事ができる。
ピタバスタチンカルシウム(6.0g)、D−マンニトール(288.00g)、三二酸化鉄(4.20g)を混合し、均質な粉末混合物を調製した。該粉末混合物を、流動層造粒機(フロイント工業;『FL−LABO』)を用いて造粒した。方法及び条件を以下に示す。
〈工程1〉吸気温度70℃、吸気風量0.2m3/分で予熱・混合を10分間行った。
〈工程2〉予め精製水137mLに溶解したヒドロキシプロピルセルロース(7.2g)を噴霧して粉末混合物を顆粒化した後、吸気温度80℃、吸気風量0.2m3/分の条件で、排気温度が45℃となるまで乾燥を行い、ピタバスタチンカルシウム含有造粒物を得た。
得られたピタバスタチンカルシウム含有造粒物(254.50g)、ケイ酸カルシウム(7.50g)、及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(30g)をタンブラー型混合機(昭和化学機械工作所;『TM−15』)を用いて30rpmの速度で10分間混合した。次いで、ステアリン酸マグネシウム(3.0g)を加えて30rpmの速度でさらに1分間混合し、ピタバスタチンカルシウム含有打錠用組成物を得た。
得られたピタバスタチンカルシウム含有打錠用粉末を打錠して、ピタバスタチンカルシウム含有素錠(i)を得た。得られた素錠は、重量118mg/錠、直径7.0mm、R(曲率半径)10.0mmであった。上述の打錠にはロータリー式打錠機(菊水製作所;『VIRGO24』)を用いた。打錠条件は以下に示すとおりであった。
予圧目盛: 2.0
本圧目盛: 1.6
打圧 : 950kg
盤回転数: 30rpm
処方を表3に示す通りに変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、ピタバスタチンカルシウム含有素錠(ii)を得た。
ピタバスタチンカルシウム6.0g、D−マンニトール283.95g、三二酸化鉄1.05g、及び酸化チタン7.20gを混合し、均質な粉末混合物を調製した。該粉末混合物を用いて、実施例1と同様の方法により造粒し、混合し、打錠してピタバスタチンカルシウム含有素錠(iii)を得た。処方を表4に示す。
処方を表4に示す通りに変更した以外は、実施例3と同様の操作を行い、ピタバスタチンカルシウム含有素錠(iv)〜(vii)を得た。
三二酸化鉄を用いず、処方を表3に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、ピタバスタチン含有素錠(a)を得た。
処方を表3に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、ピタバスタチンカルシウム含有素錠(b)及び(c)を得た。
三二酸化鉄を用いず、処方を表 に示す通りに変更した以外は、実施例3と同様の操作を行い、ピタバスタチン含有素錠(d)を得た。
三二酸化鉄に代えて赤色2号を用い、処方を表4に示す通りに変更した以外は、実施例3と同様の操作を行い、ピタバスタチン含有素錠(e)を得た。
三二酸化鉄に代えて赤色3号を用い、処方を表4に示す通りに変更した以外は、実施例3と同様の操作を行い、ピタバスタチン含有素錠(e)を得た。
三二酸化鉄に代えて赤色102号を用い、処方を表4に示す通りに変更した以外は、実施例3と同様の操作を行い、ピタバスタチン含有素錠(e)を得た。
実施例6で得られた素錠(vii)にフィルムコーティングを施し、ピタバスタチン含有フィルムコーティング錠を得た。フィルムコーティングは以下の方法及び条件により行った。
〈コーティング液の調製〉 ヒドロキシプロピルメチルセルロース(15.9g)、及びクエン酸トリエチル(3.0g)を精製水(150mL)に溶解した。該溶液を、別に用意した酸化チタン(2.1g)を精製水(30mL)に分散した分散液と混合してコーティング液を得た。
〈工程1〉 フィルムコーティング機(フロイント産業;『HC−LABO』に素錠(vii)を投入し、給気温度70℃、パン回転数5rpmで予熱した。
〈工程2〉 フィルムコーティング機のパン回転数を35rpmに上げ、コーティング液を噴霧して規定量(7mg)の被膜を施した。
〈工程3〉 排気温度が50℃となるまで乾燥した後、カルナウバロウを散布して艶出しを行った。
実施例及び比較例で得られたピタバスタチン含有素錠、並びにフィルムコーティング錠の光安定性を評価した。また、市販のピタバスタチンカルシウムを含む錠剤(以下、「市販品」と称する場合がある。)についても同じ評価を行った。試験は、高速液体クロマトグラフィー法により、各錠剤中のピタバスタチン類縁物質の定量することにより行った。方法及び条件を以下に示す。
25℃で、光試験機(白色ランプ)を使用して各錠剤を露光した。開始時、120時間露光後(積算60万lx・hr照射後)、及び240時間露光後(積算120万lx・hr照射後)に類縁物質の定量を行った。
(試料溶液の調製)
各素錠又はフィルムコーティング錠の、ピタバスタチンカルシウム(C50H46CaF2N2O8)約10mgに対応する量を精密に量りとり、メタノール/水(1:1)混液に溶解した。これをメタノール/水(1:1)混液で50mLにメスアップした後、遠心分離により水不溶成分を分離した。上澄液をメンブランフィルター(孔径0.45μm)でろ過してさらに水不溶成分を除去し、試料溶液を得た。
(標準溶液の調製)
定量用ピタバスタチンカルシウム約11mgを精密に量りとり、メタノール/水(1:1)混液に溶解した。これをメタノール/水(1:1)混液で50mLにメスアップした。
(試験方法)
試料溶液又は標準溶液50μLを以下の条件により高速液体クロマトグラフィー試験に付し、ピーク面積の総和を自動積分法により求めた。
(試験条件)
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:245nm)
カラム:内径4.6mm、長さ25cmのステンレス管
充填剤:液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲル(粒子径5μm)
(YMC−Pack Pro C18)
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相A:下記a1液 mLに下記a2を添加して、pH3.8に調整した。
a1液:酢酸0.6gを水に溶解して1000mLとした。
a2液:酢酸ナトリウム三水和物0.68gを水に溶解して500mLとした。
移動相B:アセトニトリル
移動相の送液:表2に示す
面積測定範囲:溶媒ピークの出現後から、ピタバスタチンの保持時間の約2倍まで
類縁物質の総量を処方とともに表3に示す。総量は、配合したピタバスタチンに対する類縁物質の割合(%)として示す。
Claims (2)
- ピタバスタチンカルシウムと、三二酸化鉄と、酸化チタンと、添加剤とを含む錠剤であって、照度5000lxの光を240時間受光後のピタバスタチン類縁物質の生成量が、1.9%未満である、ピタバスタチンカルシウム含有錠剤(ただし、胃溶性ポリマーを含有する場合を除く)。
- 前記三二酸化鉄の含有量は、前記ピタバスタチンカルシウム1重量部に対して0.05から0.4重量部であり、かつ
前記酸化チタンの含有量は、前記ピタバスタチンカルシウム1重量部に対して0.5から5重量部である、
請求項1に記載のピタバスタチンカルシウム含有錠剤。
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