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JP5839179B2 - インクジェット記録用処理液、インクジェット記録用水性インクセット、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録用処理液、インクジェット記録用水性インクセット、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 Download PDF

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JP5839179B2 JP2011244843A JP2011244843A JP5839179B2 JP 5839179 B2 JP5839179 B2 JP 5839179B2 JP 2011244843 A JP2011244843 A JP 2011244843A JP 2011244843 A JP2011244843 A JP 2011244843A JP 5839179 B2 JP5839179 B2 JP 5839179B2
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Description

本発明は、インクジェット記録用処理液、インクジェット記録用水性インクセット、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置に関する。
従来より、水性インクを用いたインクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置は、複数のノズルが配列されたインクジェットヘッドを備え、所定の解像度に応じてノズルから水性インクを記録媒体上に吐出することで、記録媒体上にインクジェット記録を行う(特許文献1参照)。一方、記録物の画質向上のために、上記インクジェット記録に際し記録媒体上に処理液を付与することが知られている(特許文献2参照)。
特開2011−173328号公報 特開2009−220436号公報
上記水性インクを用いたインクジェット記録では、少ないインク液滴量で均一なベタ画像を記録しようとすると、良好な画質を得られない場合がある。良好な画質が得られないとは、例えば、ブラックインクによりベタ画像を記録するときに記録用紙の地色である白色のスジ(白スジ)が目立ち、カラーインクの場合は色ムラが目立つことである。この現象に対し、ベタ画像の記録のときにはインクの液滴量を増やすことが考えられるが、多量の水性インクを消費しなければならないという問題があった。この問題は、特に低解像度でベタ画像を記録しようとする場合に顕著である。
そこで、本発明は、少ないインク液滴量での均一なベタ画像の記録を可能にするインクジェット記録用処理液を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のインクジェット記録用処理液は、インクジェット記録に用いる処理液であって、
水及び水溶性有機溶剤を含み、
前記水溶性有機溶剤は、ポリオキシアルキレン骨格を有する水溶性有機溶剤(以下、「ポリオキシアルキレン型水溶性有機溶剤」と言う。)を含み、
前記処理液は、さらに、ポリオキシアルキレン骨格を有する非イオン性界面活性剤(以下、「ポリオキシアルキレン型非イオン性界面活性剤」と言う。)を含み、
前記処理液全量に対する前記ポリオキシアルキレン型水溶性有機溶剤(X)及び前記ポリオキシアルキレン型非イオン性界面活性剤(Y)の合計配合量(X+Y)が、40重量%以上であることを特徴とする。
本発明の処理液は、前記ポリオキシアルキレン型水溶性有機溶剤及び前記ポリオキシアルキレン型非イオン性界面活性剤を、前記処理液全量に対し前記所定の合計配合量で含むため、少ないインク液滴量での均一なベタ画像のインクジェット記録を可能にする。
図1は、本発明のインクジェット記録装置の一例の構成を示す概略斜視図である。 図2(a)及び(b)は、本発明のインクジェット記録方法による記録例を示す図である。
本発明において、少ないインク液適量とは、例えば、ある解像度(例えば、600dpi×300dpi又は600dpi×600dpi)のベタ画像(100%duty)の記録において、例えば、インク液適量が1mL/inch〜5mL/inch(0.155mL/cm〜0.775mL/cm)であり、好ましくは、1mL/inch〜4mL/inch(0.155mL/cm〜0.620mL/cm)であり、より好ましくは、1mL/inch〜3mL/inch(0.155mL/cm〜0.465mL/cm)でである。
前述のとおり、本発明の処理液は、インクジェット記録に用いる処理液であって、水、前記ポリオキシアルキレン型水溶性有機溶剤及び前記ポリオキシアルキレン型非イオン性界面活性剤を含む。本発明の処理液は、水、前記ポリオキシアルキレン型水溶性有機溶剤及び前記ポリオキシアルキレン型非イオン性界面活性剤以外のその他の成分を含んでもよい。
前記水は、イオン交換水又は純水であることが好ましい。前記処理液全量に対する前記水の配合量は、例えば、他の成分の残部としてもよい。
前記処理液全量に対する前記ポリオキシアルキレン型水溶性有機溶剤(X)及び前記ポリオキシアルキレン型非イオン性界面活性剤(Y)の合計配合量(X+Y)は、40重量%以上である。前記合計配合量を40重量%以上とすることで、少ないインク液滴量での均一なベタ画像のインクジェット記録が可能となる。前記合計配合量の上限は、特に制限されない。前記合計配合量は、好ましくは、40重量%〜90重量%であり、より好ましくは、40重量%〜80重量%であり、さらに好ましくは、40重量%〜60重量%である。
前記ポリオキシアルキレン型水溶性有機溶剤は、ポリオキシアルキレン骨格を有する水溶性有機溶剤であればいかなるものであってもよいが、例えば、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール誘導体、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール誘導体等があげられる。前記ポリエリレングリコール誘導体としては、例えば、ポリエチレングリコールジメチルエーテル(例えば、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等)等があげられる。前記ポリプロピレングリコール誘導体としては、例えば、ポリプロピレングリコールジメチルエーテル等があげられる。前記ポリオキシアルキレン型水溶性有機溶剤の重量平均分子量は、特に制限されないが、例えば、150〜6000であり、好ましくは、200〜1000であり、より好ましくは、200〜600である。
前記処理液全量に対する前記ポリオキシアルキレン型水溶性有機溶剤の配合量は、前記合計配合量を満たす範囲であれば特に制限されないが、例えば、40重量%〜90重量%であり、好ましくは、40重量%〜80重量%であり、より好ましくは、40重量%〜60重量%である。前記ポリオキシアルキレン型水溶性有機溶剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
前記ポリオキシアルキレン型非イオン性界面活性剤は、ポリオキシアルキレン骨格を有する非イオン性界面活性剤であればいかなるものであってもよいが、例えば、アセチレングリコールEO(エチレンオキサイド)付加体、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミンエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー等があげられる。前記ポリオキシアルキレン型非イオン性界面活性剤としては、例えば、市販品を用いてもよい。前記市販品としては、例えば、エアープロダクツアンドケミカルズ社製の「サーフィノール(登録商標)440」及び「サーフィノール(登録商標)485」(いずれも、アセチレンジオールEO付加体);日信化学工業(株)製の「オルフィン(登録商標)E1010」(アセチレンジオールEO付加体);日油(株)製の「ナイミーン(登録商標)S−210」(ポリオキシエチレンステアリルアミン);花王(株)製の「エマルゲン(登録商標)MS110」(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル)、「エマルゲン(登録商標)123P」(ポリオキシエチレンラウリルエーテル)、「レオドール(登録商標)TW−P120」(ポリオキシエチレンソルビタンモノバルミテート)、「レオドール(登録商標)460V」(テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット)及び「レオドール(登録商標)TW−IS399C」(ポリオキシエチレンソルビタントリイソステアレート)等があげられる。前記ポリオキシアルキレン型非イオン性界面活性剤のポリオキシアルキレン付加モル数は、例えば、3〜160であり、好ましくは、14〜25である。
前記処理液全量に対する前記ポリオキシアルキレン型非イオン性界面活性剤の配合量は、前記合計配合量を満たす範囲であれば特に制限されないが、例えば、0.1重量%〜50重量%であり、好ましくは、0.1重量%〜20重量%であり、より好ましくは、1重量%〜10重量%である。前記ポリオキシアルキレン型非イオン性界面活性剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
前記処理液は、さらに、凝集剤を含んでもよい。前記凝集剤としては、例えば、多価金属塩、カチオン性ポリマー、カチオン性界面活性剤等があげられる。
前記多価金属塩としては、例えば、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、塩化バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム、酸化バリウム、硝酸バリウム、チオシアン酸バリウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、リン酸二水素カルシウム、チオシアン酸カルシウム、乳酸カルシウム、フマル酸カルシウム、クエン酸カルシウム、塩化銅、臭化銅、硫酸銅、硝酸銅、酢酸銅、塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄、硫酸鉄、硝酸鉄、シュウ酸鉄、乳酸鉄、フマル酸鉄、クエン酸鉄、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、硝酸マンガン、リン酸二水素マンガン、酢酸マンガン、サリチル酸マンガン、安息香酸マンガン、乳酸マンガン、塩化ニッケル、臭化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、酢酸ニッケル、硫酸スズ、塩化チタン、塩化亜鉛、臭化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、チオシアン酸亜鉛、酢酸亜鉛等があげられる。これらの中でも、カルシウム、マグネシウムの多価金属塩が好ましい。また、本発明の処理液と共に使用する水性インクに含まれる着色剤の凝集度合いの観点から、2価の金属塩が好ましい。
前記カチオン性ポリマーとしては、例えば、ポリアミン、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリビニルピリジン、ポリエチレンイミン−エピクロルヒドリン反応物、ポリアミド−ポリアミン樹脂、ポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂、カチオンデンプン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアミジン、カチオンエポキシ樹脂、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリビニルホルムアミド、アミノアセタール化ポリビニルアルコール、ポリビニルベンジルオニウム、ジシアンジアミド・ホルマリン重縮合物、ジシアンジアミド・ジエチレントリアミン重縮合物、エピクロルヒドリン・ジメチルアミン付加重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド・SO共重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、及びこれらの誘導体等があげられる。また、前記カチオン性ポリマーとしては、例えば、ジメチルアミノエチル−メタクリレート(DM)、メタクリロイロキシエチル−トリメチルアンモニウム−クロライド(DMC)、メタクリロイロキシエチル−ベンジルジメチル−アンモニウムクロライド(DMBC)、ジメチルアミノエチル−アクリレート(DA)、アクリロイロキシエチル−トリメチルアンモニウム−クロライド(DMQ)、アクリロイロキシエチル−ベンジルジメチル−アンモニウムクロライド(DABC)、ジメチルアミノプロピル−アクリルアミド(DMAPAA)、アクリルアミドプロピル−トリメチルアンモニウム−クロライド(DMAPAAQ)等の水溶性モノマーの少なくとも一つからなる単一モノマー重合体又は複数種のモノマーの共重合体等もあげられる。これらの中でも、ポリアミン、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミンが好ましい。
前記カチオン性界面活性剤としては、例えば、第1級、第2級及び第3級アミン塩型化合物、アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、脂肪族アミン塩、ベンザルコニウム塩、第4級アンモニウム塩、第4級アルキルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、オニウム塩等があげられる。具体的には、例えば、ラウリルアミン、ヤシアミン、ロジンアミン等の塩酸塩、酢酸塩等、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、ジメチルエチルラウリルアンモニウムエチル硫酸塩、ジメチルエチルオクチルアンモニウムエチル硫酸塩、トリメチルラウリルアンモニウム塩酸塩、セチルピリジニウムクロライド、セチルピリジニウムブロマイド、ジヒドロキシエチルラウリルアミン、デシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルジメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルジメチルアンモニウムクロライド等があげられ、これらの中でも、ジメチルエチルラウリルアンモニウムエチル硫酸塩、ジメチルエチルオクチルアンモニウムエチル硫酸塩、トリメチルラウリルアンモニウム塩酸塩、ドデシルジメチルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルアンモニウムクロライドが好ましい。
前記処理液全量に対する前記凝集剤の配合量は、特に限定されず、例えば、多価金属塩であれば、例えば、1重量%〜30重量%であり、好ましくは、5重量%〜25重量%であり、例えば、カチオン性ポリマーであれば、例えば、0.1重量%〜15重量%であり、好ましくは、1重量%〜10重量%であり、例えば、カチオン性界面活性剤であれば、例えば、1重量%〜30重量%であり、好ましくは、4重量%〜25重量%である。前記凝集剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
前記処理液は、着色剤を含んでもよいし、含まなくてもよい。前記処理液が着色剤を含む場合には、記録画像に影響を与えない程度の量であることが好ましい。
前記処理液は、必要に応じて、さらに、従来公知の添加剤を含んでもよい。前記添加剤としては、例えば、pH調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、酸化防止剤、防黴剤等があげられる。前記粘度調整剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース、水溶性樹脂等があげられる。
前記処理液は、例えば、水、前記ポリオキシアルキレン型水溶性有機溶剤及び前記ポリオキシアルキレン型非イオン性界面活性剤と、必要に応じて他の添加成分とを、従来公知の方法で均一に混合することにより調製できる。
本発明の処理液と共に使用するインクジェット記録用水性インク(以下、「水性インク」又は「インク」と言うことがある。)は、特に制限されず、例えば、つぎのインクジェット記録用水性インクセットで説明する水性インクを用いることができる。
つぎに、本発明のインクジェット記録用水性インクセット(以下、「水性インクセット」又は「インクセット」と言うことがある。)について説明する。本発明の水性インクセットは、インクジェット記録用水性インク及び処理液を含むインクジェット記録用水性インクセットであって、前記水性インクが、着色剤、水及び水溶性有機溶剤を含む水性インクであり、前記処理液が、本発明の処理液であることを特徴とする。水性インクと本発明の処理液を組み合わせた本発明の水性インクセットは、少ないインク液滴量での均一なベタ画像のインクジェット記録を可能にする。
前記着色剤は、顔料又は染料のいずれであってもよい。また、前記着色剤として、顔料及び染料を混合して用いてもよい。
前記顔料は、例えば、カーボンブラック、無機顔料及び有機顔料等があげられる。前記カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等があげられる。前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄系無機顔料及びカーボンブラック系無機顔料等をあげることができる。前記有機顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料;フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料;塩基性染料型レーキ顔料、酸性染料型レーキ顔料等の染料レーキ顔料;ニトロ顔料;ニトロソ顔料;アニリンブラック昼光蛍光顔料;等があげられる。また、その他の顔料であっても水相に分散可能なものであれば使用できる。これらの顔料の具体例としては、例えば、C.I.ピグメントブラック1、6及び7;C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、15、16、17、55、78、150、151、154、180、185及び194;C.I.ピグメントオレンジ31及び43;C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、12、15、16、48、48:1、53:1、57、57:1、112、122、123、139、144、146、149、166、168、175、176、177、178、184、185、190、202、221、222、224及び238;C.I.ピグメントバイオレット196;C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、16、22及び60;C.I.ピグメントグリーン7及び36等があげられる。
前記顔料は、自己分散型顔料であってもよい。前記自己分散型顔料は、例えば、顔料粒子にカルボニル基、ヒドロキシル基、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基等の親水性官能基及びそれらの塩の少なくとも一種が、直接又は他の基を介して化学結合により導入されていることによって、分散剤を使用しなくても水に分散可能なものである。前記自己分散型顔料は、例えば、特開平8−3498号公報、特表2000−513396号公報、特表2008−524400号公報、特表2009−515007号公報等に記載の方法によって顔料が処理されたものを用いることができる。前記自己分散型顔料の原料としては、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。また、前記処理を行うのに適した顔料としては、例えば、三菱化学(株)製の「MA8」及び「MA100」等のカーボンブラックがあげられる。前記自己分散型顔料は、例えば、市販品を用いてもよい。前記市販品としては、例えば、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ社製の「CAB−O−JET(登録商標)200」、「CAB−O−JET(登録商標)250C」、「CAB−O−JET(登録商標)260M」、「CAB−O−JET(登録商標)270Y」、「CAB−O−JET(登録商標)300」、「CAB−O−JET(登録商標)400」、「CAB−O−JET(登録商標)450C」、「CAB−O−JET(登録商標)465M」及び「CAB−O−JET(登録商標)470Y」;オリエント化学工業(株)製の「BONJET(登録商標)BLACK CW−2」及び「BONJET(登録商標)BLACK CW−3」;東洋インキ製造(株)製の「LIOJET(登録商標)WD BLACK 002C」;等があげられる。
前記水性インク全量に対する前記顔料の固形分配合量(顔料固形分量)は、特に限定されず、例えば、所望の光学濃度又は色彩等により、適宜決定できる。前記顔料固形分量は、例えば、0.1重量%〜20重量%であり、好ましくは、1重量%〜10重量%であり、より好ましくは、2重量%〜8重量%である。
前記染料は、特に限定されず、例えば、直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料等があげられる。前記染料の具体例としては、例えば、C.I.ダイレクトブラック、C.I.ダイレクトブルー、C.I.ダイレクトレッド、C.I.ダイレクトイエロー、C.I.ダイレクトオレンジ、C.I.ダイレクトバイオレット、C.I.ダイレクトブラウン、C.I.ダイレクトグリーン、C.I.アシッドブラック、C.I.アシッドブルー、C.I.アシッドレッド、C.I.アシッドイエロー、C.I.アシッドオレンジ、C.I.アシッドバイオレット、C.I.ベーシックブラック、C.I.ベーシックブルー、C.I.ベーシックレッド、C.I.ベーシックバイオレット及びC.I.フードブラック等があげられる。前記C.I.ダイレクトブラックとしては、例えば、C.I.ダイレクトブラック17、19、32、51、71、108、146、154及び168等があげられる。前記C.I.ダイレクトブルーとしては、例えば、C.I.ダイレクトブルー6、22、25、71、86、90、106及び199等があげられる。前記C.I.ダイレクトレッドとしては、例えば、C.I.ダイレクトレッド1、4、17、28、83及び227等があげられる。前記C.I.ダイレクトイエローとしては、例えば、C.I.ダイレクトイエロー12、24、26、86、98、132、142及び173等があげられる。前記C.I.ダイレクトオレンジとしては、例えば、C.I.ダイレクトオレンジ34、39、44、46及び60等があげられる。前記C.I.ダイレクトバイオレットとしては、例えば、C.I.ダイレクトバイオレット47及び48等があげられる。前記C.I.ダイレクトブラウンとしては、例えば、C.I.ダイレクトブラウン109等があげられる。前記C.I.ダイレクトグリーンとしては、例えば、C.I.ダイレクトグリーン59等があげられる。前記C.I.アシッドブラックとしては、例えば、C.I.アシッドブラック2、7、24、26、31、52、63、112及び118等があげられる。前記C.I.アシッドブルーとしては、例えば、C.I.アシッドブルー9、22、40、59、93、102、104、117、120、167、229及び234等があげられる。前記C.I.アシッドレッドとしては、例えば、C.I.アシッドレッド1、6、32、37、51、52、80、85、87、92、94、115、180、256、289、315及び317等があげられる。前記C.I.アシッドイエローとしては、例えば、C.I.アシッドイエロー11、17、23、25、29、42、61及び71等があげられる。前記C.I.アシッドオレンジとしては、例えば、C.I.アシッドオレンジ7及び19等があげられる。前記C.I.アシッドバイオレットとしては、例えば、C.I.アシッドバイオレット49等があげられる。前記C.I.ベーシックブラックとしては、例えば、C.I.ベーシックブラック2等があげられる。前記C.I.ベーシックブルーとしては、例えば、C.I.ベーシックブルー1、3、5、7、9、24、25、26、28及び29等があげられる。前記C.I.ベーシックレッドとしては、例えば、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14及び37等があげられる。前記C.I.ベーシックバイオレットとしては、例えば、C.I.ベーシックバイオレット7、14及び27等があげられる。前記C.I.フードブラックとしては、例えば、C.I.フードブラック1及び2等があげられる。
前記水性インク全量に対する前記染料の配合量は、特に限定されず、例えば、0.1重量%〜20重量%であり、好ましくは、0.3重量%〜10重量%である。
前記着色剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
前記水性インクに用いられる前記水は、イオン交換水又は純水であることが好ましい。前記水性インク全量に対する前記水の配合量(水割合)は、例えば、10重量%〜90重量%であり、好ましくは、40重量%〜80重量%である。前記水割合は、例えば、他の成分の残部としてもよい。
前記水性インクに用いられる前記水溶性有機溶剤としては、例えば、インクジェットヘッドのノズル先端部における水性インクの乾燥を防止する湿潤剤及び記録媒体上での乾燥速度を調整する浸透剤があげられる。
前記湿潤剤は、特に限定されず、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の低級アルコール;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド;アセトン等のケトン;ジアセトンアルコール等のケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル;ポリアルキレングリコール、アルキレングリコール、グリセリン等の多価アルコール;2−ピロリドン;N−メチル−2−ピロリドン;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等があげられる。前記ポリアルキレングリコールは、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等があげられる。前記アルキレングリコールは、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール等があげられる。これらの湿潤剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。これらの中で、アルキレングリコール、グリセリン等の多価アルコールが好ましい。
前記水性インク全量に対する前記湿潤剤の配合量は、例えば、0重量%〜95重量%であり、好ましくは、5重量%〜80重量%であり、より好ましくは、5重量%〜50重量%である。
前記浸透剤は、例えば、グリコールエーテルがあげられる。前記グリコールエーテルは、例えば、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコール−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコール−n−ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコール−n−プロピルエーテル、トリエチレングリコール−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコール−n−プロピルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールエチルエーテル、トリプロピレングリコール−n−プロピルエーテル及びトリプロピレングリコール−n−ブチルエーテル等があげられる。前記浸透剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
前記水性インク全量に対する前記浸透剤の配合量は、例えば、0重量%〜20重量%であり、好ましくは、0.1重量%〜15重量%であり、より好ましくは、0.5重量%〜10重量%である。
前記水性インクは、必要に応じて、さらに、従来公知の添加剤を含んでもよい。前記添加剤としては、例えば、界面活性剤、pH調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、防黴剤等があげられる。前記粘度調整剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース、水溶性樹脂等があげられる。
前記水性インクは、例えば、着色剤、水及び水溶性有機溶剤と、必要に応じて他の添加成分とを、従来公知の方法で均一に混合し、フィルタ等で不溶解物を除去することにより調製できる。
つぎに、本発明において、インクジェット記録用水性インクセットは、インクカートリッジとして提供することも可能である。例えば、本発明のインクカートリッジは、インク収納部及び処理液収納部を有し、インク収納部に本発明の水性インクが収納され、処理液収納部に本発明の処理液が収納されている。本発明のインクカートリッジにおいて、本発明の水性インク以外の水性インクの収納部を有してもよい。
本発明のインクカートリッジは、別個独立に形成された水性インクカートリッジ及び処理液カートリッジが集合したインクカートリッジ集合体であってもよいし、インク収納部と処理液収納部とを形成するようにその内部が間仕切りされた一体型のインクカートリッジであってもよい。本発明のインクカートリッジの本体としては、例えば、従来公知のものを使用できる。
つぎに、本発明のインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置について説明する。
本発明のインクジェット記録方法は、インクジェット記録用水性インク及び処理液を含むインクジェット記録用水性インクセットを用いて記録するインクジェット記録方法であって、記録媒体に前記処理液を付与する処理液付与工程と、前記処理液付与工程において前記処理液が付与された前記記録媒体に前記水性インクをインクジェット方式により吐出する吐出工程とを有し、前記水性インクセットとして、本発明のインクジェット記録用水性インクセットを用いることを特徴とする。
本発明のインクジェット記録装置は、インクセット収容部と、処理液付与手段と、インク吐出手段とを含むインクジェット記録装置であって、前記インクセット収容部に、本発明のインクジェット記録用水性インクセットが収容され、前記水性インクセットを構成する前記処理液が、前記処理液付与手段によって記録媒体に付与され、前記水性インクセットを構成する前記水性インクが、前記インク吐出手段によって前記記録媒体に吐出されることを特徴とする。
本発明のインクジェット記録方法は、例えば、本発明のインクジェット記録装置を用いて実施可能である。前記記録は、印字、印画、印刷等を含む。
図1に、本発明のインクジェット記録装置の一例の構成を示す。このインクジェット記録装置1は、インクカートリッジ集合体2と、インク吐出手段(インクジェットヘッド)3と、ヘッドユニット4と、キャリッジ5と、駆動ユニット6と、プラテンローラ7と、パージ装置8と、制御部(図示せず)とを主要な構成要素として含む。なお、本例のインクジェット記録装置1は、目的に応じて、低解像度でインクジェット記録を実行する低解像度モードと、高解像度でインクジェット記録を実行する高解像度モードとのいずれかを設定可能である。前記制御部は、設定された記録モードにもとづいて、所定の解像度でインクジェット記録動作を実行するようにインクジェットヘッド3を駆動する。低解像度とは、例えば、解像度600dpi×600dpi以下の解像度であり、高解像度とは、それ以上の解像度である。なお、本発明のインクジェット記録装置において、前記制御部は、任意の構成要素である。本発明のインクジェット記録装置は、前記制御部を含むことが好ましいが、含まなくともよい。
インクカートリッジ集合体2は、処理液カートリッジ2aと、4つの水性インクカートリッジ2bとを含む。処理液カートリッジ2aは、本発明の処理液を含む。4つの水性インクカートリッジ2bは、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色の水性インクを、それぞれ1色ずつ含む。
ヘッドユニット4に設置されたインクジェットヘッド3は、記録媒体(例えば、記録用紙)Pに記録を行う。キャリッジ5には、インクカートリッジ集合体2及びヘッドユニット4が搭載される。駆動ユニット6は、キャリッジ5を直線方向に往復移動させる。駆動ユニット6としては、例えば、従来公知のものを使用できる(例えば、特開2008−246821号公報参照)。プラテンローラ7は、キャリッジ5の往復方向に延び、インクジェットヘッド3と対向して配置されている。
パージ装置8は、インクジェットヘッド3の内部に溜まる気泡等を含んだ不良インクを吸引する。パージ装置8としては、例えば、従来公知のものを使用できる(例えば、特開2008−246821号公報参照)。
パージ装置8のプラテンローラ7側には、パージ装置8に隣接してワイパ部材20が配設されている。ワイパ部材20は、へら状に形成されており、キャリッジ5の移動に伴って、インクジェットヘッド3のノズル形成面を拭うものである。図1において、キャップ18は、処理液及び水性インクの乾燥を防止するため、記録が終了するとリセット位置に戻されるインクジェットヘッド3の複数のノズルを覆うものである。
本例のインクジェット記録装置1においては、インクカートリッジ集合体2は、ヘッドユニット4と共に、1つのキャリッジ5に搭載されている。ただし、本発明は、これに限定されない。前記インクジェット記録装置において、インクカートリッジ集合体2の各カートリッジは、ヘッドユニット4とは別のキャリッジに搭載されていてもよい。また、インクカートリッジ集合体2の各カートリッジは、キャリッジ5には搭載されず、インクジェット記録装置内に配置、固定されていてもよい。これらの態様においては、例えば、インクカートリッジ集合体2の各カートリッジと、キャリッジ5に搭載されたヘッドユニット4とが、チューブ等により連結され、インクカートリッジ集合体2の各カートリッジからヘッドユニット4に前記処理液及び前記水性インクが供給される。
このインクジェット記録装置1を用いたインクジェット記録は、例えば、つぎのようにして実施される。ここでは、インクジェット記録装置1において、記録モードが低解像度モードに設定されているとする。まず、前記制御部からの命令を受けて、インクジェットヘッド3は、記録用紙Pに本発明の処理液を付与(吐出)する。前記処理液の付与は、記録用紙Pの記録面の全面でもよく、一部でもよい。一部に付与する場合、記録用紙Pの記録面の少なくとも水性インクによる記録部分が付与部となる。一部に付与する場合、付与部の大きさは、記録部分よりも大きい方がよい。例えば、図2(a)に示すように、記録用紙Pに対し、文字(X)を記録する場合は、前記文字の線幅よりも大きな線幅で付与部30を形成するように処理液を付与することが好ましい。また、図2(b)に示すように、記録用紙Pに対し、図柄を記録する場合は、前記図柄よりも大きな付与部40を形成するように処理液を付与することが好ましい。
つぎに、インクジェットヘッド3から、記録用紙Pの前記処理液の付与部に、前記水性インクを吐出する。前記処理液の吐出から、前記水性インクの吐出までの時間は、特に制限されない。例えば、前記水性インクの吐出は、前記処理液の吐出と同一走査内で実施すればよい。記録用紙P上において、前記処理液及び前記水性インクが接触することで、少ないインク液滴量での均一なベタ画像の記録が可能となる。また、少ないインク液適量で均一なベタ画像を記録可能であることから、記録用紙Pのカールが抑制され、且つ、速乾性が向上する。
なお、インクジェット記録装置1において、記録モードが高解像度モードに設定されている場合は、少ない液滴量であっても画質に与える影響が少ないと考えられる。この場合、前記制御部は、処理液の付与量を、低解像度モードに設定されている場合に処理液を付与する量よりも減少させるように制御する。または、前記制御部は、インクジェットヘッド3が前記処理液の付与(吐出)を省略し、前記水性インクを吐出するように動作させてもよい。これにより、高解像度モードが設定されている場合の処理液の付与量を減らす、または処理液の付与自体を割愛できるため、より経済的である。
本例のように、前記処理液は、前記水性インクの吐出に先立ち記録用紙Pに付与する前処理液として使用することが好ましい。ただし、本発明は、これに限定されない。本発明では、記録用紙Pに前記水性インクを先に吐出した後、前記処理液を付与してもよいし、前記記録用紙Pへの前記処理液の付与と前記水性インクの吐出とを同時に行ってもよい。
本例のインクジェット記録装置1では、前記インク吐出手段が、前記処理液付与手段を兼ねている。ただし、本発明は、これに限定されない。本発明において、前記処理液の付与は、例えば、スタンプ塗布、刷毛塗り、ローラ塗布等の方式により実施してもよい。
このようにして記録された記録用紙Pは、インクジェット記録装置1から排紙される。図1においては、記録用紙Pの給紙機構及び排紙機構の図示を省略している。
図1に示す装置では、シリアル型インクジェットヘッドを採用するが、本発明は、これに限定されない。前記インクジェット記録装置は、ライン型インクジェットヘッドを採用した装置であってもよい。
つぎに、本発明の実施例について比較例と併せて説明する。なお、本発明は、下記の実施例及び比較例により限定及び制限されない。
[実施例1〜17及び比較例1〜14]
処理液組成(表2及び表3)の各成分を、均一に混合して、実施例1〜17及び比較例1〜14の処理液を得た。
実施例及び比較例の処理液について、(a)水性ブラックインク使用時の白スジ評価、(b)水性ブラックインク使用時の光学濃度(OD値)評価、(c)水性シアンインク使用時の色ムラ評価及び(d)総合評価を、下記の方法により実施した。なお、各評価に用いるサンプルは、つぎのようにして準備した。
〔評価サンプルの作製〕
普通紙上に、実施例1〜17及び比較例1〜14の処理液を、ローラ塗布機を用いて均一に広げた。処理液の塗布量は、約0.17mg/cm(約1.1mg/inch)とした。ついで、ブラザー工業(株)製のインクジェットプリンタ搭載デジタル複合機MFC−J6710DWを使用して、インクジェット記録用水性ブラックインク又はインクジェット記録用水性シアンインクを用いて前記普通紙上に解像度600dpi×300dpiで単色ベタ画像を記録した。インク液適量は、約16pL(約2.9mL/inch(約0.45mL/cm)に相当)とした。前記普通紙には、Xerox社製のBusiness4200を用いた。前記インクジェット記録用水性ブラックインク及び前記インクジェット記録用水性シアンインクの調製方法は、つぎのとおりである。すなわち、まず、水性インク組成(表1)における、自己分散型顔料を除く成分を、均一に混合しインク溶媒を得た。つぎに、水に分散させた自己分散型顔料に前記インク溶媒を加え、均一に混合した。その後、得られた混合物を、東洋濾紙(株)製のセルロースアセテートタイプメンブレンフィルタ(孔径3.00μm)でろ過することで、前記インクジェット記録用水性ブラックインク及び前記インクジェット記録用水性シアンインクを得た。
Figure 0005839179
(a)水性ブラックインク使用時の白スジ評価
前記水性ブラックインクを用いて作製した前記評価サンプルを目視及び拡大鏡(倍率:
20倍)にて観察し、下記評価基準に従って評価した。
水性ブラックインク使用時の白スジ評価 評価基準
AA:白い箇所がなく、ベタが埋まっていた
A :スジはないが、僅かに白い箇所があった
B :スジはないが、所々白い箇所があった
C :白スジがはっきりと観察された
(b)水性ブラックインク使用時の光学濃度(OD値)評価
前記水性ブラックインクを用いて作製した前記評価サンプル中の5箇所の光学濃度(OD値)を、X−Rite社製の分光測色計SpectroEye(光源:D50、濃度基準:ANSI T、白色ベースAbs、内蔵フィルタNO(なし))により測定し、下記評価基準に従って評価した。
水性ブラックインク使用時の光学濃度(OD値)評価 評価基準
A:光学濃度(OD値)の平均値が、1.17以上
B:光学濃度(OD値)の平均値が、1.14以上1.17未満
C:光学濃度(OD値)の平均値が、1.14未満
(c)水性シアンインク使用時の色ムラ評価
前記水性シアンインクを用いて作製した前記評価サンプルを目視及び拡大鏡(倍率:
20倍)にて観察し、下記評価基準に従って評価した。
水性シアンインク使用時の色ムラ評価 評価基準
A:色ムラが少なく画像品質に優れていた
B:若干均一性に欠けるが、実用上問題ない範囲であった
C:均一性に欠け、色ムラが顕著であった
(d)総合評価
前記(a)〜(c)の結果から、下記評価基準に従って、総合評価を行った。
総合評価 評価基準
A:(a)〜(c)の結果に、B又はCが無かった
B:(a)〜(c)のいずれかの結果に、Bがあった
C:(a)〜(c)のいずれかの結果に、Cがあった
実施例1〜17の処理液組成及び評価結果を、表2に示す。また、比較例1〜14の処理液組成及び評価結果を、表3に示す。なお、表3には、処理液を塗布することなく前記インクジェット記録用水性ブラックインク又は前記インクジェット記録用水性シアンインクを用いて前記評価サンプルを作成したブランクの評価結果をあわせて示す。また、表2において、脚注*6〜14における括弧内の数値は、ポリオキシアルキレン付加モル数である。
Figure 0005839179
Figure 0005839179
表2に示すとおり、実施例1〜17では、水性ブラックインク使用時の白スジ評価、水性ブラックインク使用時の光学濃度(OD値)評価及び水性シアンインク使用時の色ムラ評価の全ての結果が良好で、少ないインク液滴量での均一なベタ画像の記録が可能であった。前記ポリオキシアルキレン型界面活性剤のポリオキシアルキレン付加モル数が15〜25である実施例1〜8では、水性ブラックインク使用時の白スジ評価結果が特に優れており、水性ブラックインク使用時の光学濃度(OD値)評価及び水性シアンインク使用時の色ムラ評価の結果も良好であった。
一方、表3に示すとおり、前記ブランクでは、水性ブラックインク使用時の白スジ評価の結果が悪かった。
前記ポリオキシアルキレン型水溶性有機溶剤を用いなかった比較例1では、水性ブラックインク使用時の白スジ評価及び水性シアンインク使用時の色ムラ評価の結果が悪かった。また、前記ポリオキシアルキレン型非イオン性界面活性剤を用いなかった比較例2でも、水性ブラックインク使用時の白スジ評価及び水性シアンインク使用時の色ムラ評価の結果が悪かった。そして、前記合計配合量が40重量%未満である比較例3及び4でも、水性ブラックインク使用時の白スジ評価及び水性シアンインク使用時の色ムラ評価の結果が悪かった。
前記ポリオキシアルキレン型水溶性有機溶剤に代えてポリオキシアルキレン骨格を有さない水溶性有機溶剤を用いた比較例5〜7では、水性ブラックインク使用時の白スジ評価、水性ブラックインク使用時の光学濃度(OD値)評価及び水性シアンインク使用時の色ムラ評価の全ての結果が悪かった。
前記ポリオキシアルキレン型非イオン性界面活性剤に代えてポリオキシアルキレン骨格を有さない非イオン性界面活性剤を用いた比較例8では、水性ブラックインク使用時の白スジ評価及び水性シアンインク使用時の色ムラ評価の結果が悪かった。また、前記ポリオキシアルキレン型非イオン性界面活性剤に代えてイオン性界面活性剤を用いた比較例9及び11〜14では、水性ブラックインク使用時の白スジ評価、水性ブラックインク使用時の光学濃度(OD値)評価及び水性シアンインク使用時の色ムラ評価の全ての結果が悪く、比較例10では、水性ブラックインク使用時の白スジ評価及び水性シアンインク使用時の色ムラ評価の結果が悪かった。
以上のように、本発明の処理液は、少ないインク液滴量での均一なベタ画像のインクジェット記録を可能にする。本発明の処理液の用途は、特に限定されず、各種のインクジェット記録に広く適用可能である。
1 インクジェット記録装置
2 インクカートリッジ集合体
3 インクジェットヘッド
4 ヘッドユニット
5 キャリッジ
6 駆動ユニット
7 プラテンローラ
8 パージ装置

Claims (9)

  1. インクジェット記録用水性インク及びインクジェット記録に用いる処理液を含むインクジェット記録用水性インクセットを用いて記録するインクジェット記録方法であって、
    前記水性インクが、着色剤、水及び水溶性有機溶剤を含み、
    前記処理液が、
    水及び水溶性有機溶剤を含み、
    前記処理液に含まれる水溶性有機溶剤は、ポリオキシアルキレン骨格を有する水溶性有機溶剤を含み、
    前記処理液は、さらに、ポリオキシアルキレン骨格を有する非イオン性界面活性剤を含み、
    前記処理液全量に対する前記ポリオキシアルキレン骨格を有する水溶性有機溶剤(X)及び前記ポリオキシアルキレン骨格を有する非イオン性界面活性剤(Y)の合計配合量(X+Y)が、40重量%以上であり、
    前記インクジェット記録方法は、
    選択工程と、
    記録媒体に前記処理液を付与する処理液付与工程と、
    前記処理液付与工程において前記処理液が付与された前記記録媒体に前記水性インクをインクジェット方式により吐出する吐出工程とを有し、
    前記選択工程は、
    前記吐出工程においてなされる記録の解像度が所定の解像度以下の場合には、前記処理液付与工程における所定量の処理液を付与することを選択し、
    前記吐出工程においてなされる記録の解像度が前記所定の解像度より高い場合には、前記処理液付与量を前記所定量よりも減少させることを選択する
    ことを特徴とするインクジェット記録方法
  2. 前記ポリオキシアルキレン骨格を有する非イオン性界面活性剤のポリオキシアルキレン付加モル数が、3〜160であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録方法
  3. 前記ポリオキシアルキレン骨格を有する非イオン性界面活性剤のポリオキシアルキレン付加モル数が、14〜25であることを特徴とする請求項2記載のインクジェット記録方法
  4. 前記処理液が、さらに、凝集剤を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法
  5. インクセット収容部と、処理液付与手段と、インク吐出手段とを含むインクジェット記録装置であって、
    前記インクセット収容部に、インクジェット記録用水性インク及びインクジェット記録に用いる処理液を含むインクジェット記録用水性インクセットが収容され、
    前記水性インクが、着色剤、水及び水溶性有機溶剤を含み、
    前記処理液が、
    水及び水溶性有機溶剤を含み、
    前記処理液に含まれる水溶性有機溶剤は、ポリオキシアルキレン骨格を有する水溶性有機溶剤を含み、
    前記処理液は、さらに、ポリオキシアルキレン骨格を有する非イオン性界面活性剤を含み、
    前記処理液全量に対する前記ポリオキシアルキレン骨格を有する水溶性有機溶剤(X)及び前記ポリオキシアルキレン骨格を有する非イオン性界面活性剤(Y)の合計配合量(X+Y)が、40重量%以上であり、
    前記水性インクセットを構成する前記処理液が、前記処理液付与手段によって記録媒体に付与され、
    前記水性インクセットを構成する前記水性インクが、前記インク吐出手段によって前記記録媒体に吐出され、
    前記インクジェット記録装置は、
    さらに、前記処理液付与手段を制御する制御手段を含み、
    前記制御手段は、
    記録の解像度が所定の解像度以下の場合には、前記処理液付与手段が所定量の処理液を付与し、
    記録の解像度が前記所定の解像度より高い場合には、前記処理液付与量を前記所定量よりも減少させる
    ように前記処理液付与手段を制御することを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 前記制御手段は、
    記録の解像度が前記所定の解像度より高い場合には、インク吐出前に記録媒体に対する前記処理液の付与をしないように前記処理液付与手段を制御する
    ことを特徴とする請求項5記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記ポリオキシアルキレン骨格を有する非イオン性界面活性剤のポリオキシアルキレン付加モル数が、3〜160であることを特徴とする請求項5又は6記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記ポリオキシアルキレン骨格を有する非イオン性界面活性剤のポリオキシアルキレン付加モル数が、14〜25であることを特徴とする請求項7記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記処理液が、さらに、凝集剤を含むことを特徴とする請求項5〜8のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
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