JP5565089B2 - 血液低下を防ぐ間歇補液法及び血液浄化装置 - Google Patents
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Description
一方、透析濾過治療中に血圧が低下した際に、150ml程度の補液を行うと、血圧が回復することが知られている。このことは、他の分野(ICUなど)では信じられない現象であるが、透析濾過治療中にのみ発生する現象である。
ここで、血圧の急激な低下の発生を回避するために補液間隔は余り長くない方がよく、また、血流を止めて補液する関係で補液間隔は余り短くない方がよい。また、透析濾過治療中に血圧が低下した際に、150ml程度の補液を行うと、血圧が回復することが知られていることから、1回当たりの補液量は150ml程度が適当と思われる。従って、補液間隔は10〜20分が適当であり、血圧を回復させるために補液量は100〜200mlが適当であり、15分おきに45〜60秒間150ml程度の補液が好ましい。
各補液後の除水については、血圧上昇率=(補液後の血圧−補液前の血圧)/補液前の血圧×100%。という指標を導入している。血圧上昇率が30%を超えた場合、アデノシン、NOが発生して血圧低下が起こり、この血液低下をカバーするために血圧上昇率が大きくなったと考えられるので、補液を行った後に除水を行う必要がない。この場合、最初に設定していたドライウエイトよりも多い状態で透析治療が終了することになるが、この治療終了後の体重が血圧低下を引き起こさない後体重であり、適切なドライウエイトになると考えられる。
また、血圧上昇率が20%〜30%の場合には、若干アデノシンとNOが分泌されていたと考えられるので、体重増加分は除水するが補液分は除水せず体液量を増加させることで血圧の安定化を図ることができる。
また血圧上昇率が20%以下の場合には、アデノシン、NOによる血圧低下ではないと考えられるので、通常通り体重増加分と補液した分を除水することができる。
従って、血圧上昇率>30%の場合には、補液を行った後に除水を行わず、20%<血液上昇率≦30%の場合には、体重増加分のみ除水を行い、血液上昇率≦20%の場合には、体重増加分と補液した分の除水を行うのが好ましい。
また、補液手段としては、オンライン、逆濾過、生食ラインのいずれも採用可能である。
ここで、補液ラインは、透析液供給回路と、血液ポンプより上流側の血液回路とを接続するもの(オンラインという)であっても、生食ラインであってもよい。また、開閉手段としては、所定の間隔で開閉するように制御された自動開閉弁を採用してもよく、また、血栓の発生を避けるために、手動で操作できるコッフェルやクレンメを採用してもよい。
また、本発明の血液浄化装置は、血液浄化器と、血液回路と、前記血液浄化器より上流側の血液回路に設けられた血液ポンプと、前記血液浄化器より下流側の血液回路に設けられた静脈チャンバと、透析液供給回路と排液回路を含んでなる血液浄化装置において、
透析液供給回路または排液回路に逆濾過手段を設けるとともに、前記血液ポンプより上流側の血液回路に開閉手段を設け、該開閉手段より上流側の血液回路に圧力測定手段を設けてなることを特徴とする。
ここで、開閉手段としては、所定の間隔で開閉するように制御された自動開閉弁を採用してもよく、また、血栓の発生を避けるために、手動で操作できるコッフェルやクレンメを採用してもよい。
図1は実施例1の概略説明図であり、輸液ラインがオンラインの場合の血液浄化装置を示す。
実施例1の 血液浄化装置は、血液浄化器1と、血液回路2と、前記血液浄化器1より上流側の血液回路21に設けられた血液ポンプ3と、前記血液浄化器1より下流側の血液回路22に設けられた静脈チャンバ23と、透析液供給回路41と排液回路42を含んでいる。そして、透析液供給回路41と、血液ポンプ3より上流側の血液回路21とを接続する補液ライン5(このようなラインをオンラインという)が設けられており、この補液ライン5および、補液ライン5との接続部分51より上流側の血液回路21にそれぞれ自動開閉弁V2、V1が設けられ、自動開閉弁V1より上流側の血液回路21に圧力測定手段24が設けられている。
実施例2の血液浄化装置は、血液浄化器1と、血液回路2と、前記血液浄化器1より上流側の血液回路21に設けられた血液ポンプ3と、前記血液浄化器1より下流側の血液回路22に設けられた静脈チャンバ23と、透析液供給回路41と排液回路42を含んでおり、血液ポンプ3より上流側の血液回路21に生食ライン6が設けられ、この生食ライン6および、生食ライン6との接続部分62より上流側の血液回路21にそれぞれコッフェルK2、K1が設けられ、コッフェルK1より上流側の血液回路21に圧力測定手段2が設けられている。尚、図中61は生食容器であり、透析液側は省略されている。
間歇補液に際しては、先ず、コッフェルK2を開き、次いでコッフェルK1を閉じる。この状態では、生食(これが補液になる)は、血液ポンプ3により生食ライン6を通って血液回路21に流入し血液浄化器1に供給される。そして補液量が所定量に達したら、コッフェルK1を開き、次いでコッフェルK2を閉じると血液浄化が再開される。
補液後の除水については実施例1と同様である。
実施例3の血液浄化装置は、血液浄化器1と、血液回路2と、血液浄化器1より上流側の血液回路21に設けられた血液ポンプ3と、血液浄化器1より下流側の血液回路22に設けられた静脈チャンバ23と、透析液供給回路41と排液回路42を含んでおり、透析液供給回路41に逆濾過手段が設けられるとともに、血液ポンプ3より上流側の血液回路21に自動開閉弁V1が設けられ、この自動開閉弁V1より上流側の血液回路21に圧力測定手段24が設けられている。透析液供給回路41と排液回路42には、血液浄化器1と透析液供給回路41、排液回路42との間に密閉回路を構成するイコライザー43が設けられており、イコライザー43としては、例えば、透析液供給装置(図示されていない)から透析液供給回路412を通って供給された新鮮な透析液を貯留し透析液供給回路411を通して血液浄化器1に供給する室と、血液浄化器1から排液回路421を通って流入する使用済透析液を貯留する室との2室を有するものや、更に除水のための室を有するものが使用されている。貯留された使用済透析液は、イコライザー43から血液浄化器1に供給される新鮮透析液が無くなったときに、新たに新鮮な透析液が新鮮透析液室に供給されることにより、排液回路422を通って排液される。イコライザー43の室は柔軟な膜で仕切られており、新鮮透析液の室が満杯の時に使用済透析液の室が空になるように構成されている。逆濾過手段は、このイコライザー43を跨ぐように透析液供給回路41に設けられており、透析液供給回路411と412を接続する逆濾過回路44と、イコライザー43と血液浄化器1の間が密閉状態の時に、透析液供給回路412の透析液を透析液供給回路411に送液する逆濾過ポンプ45からなる。
間歇補液に際しては、先ず、逆濾過ポンプ45が駆動し、次いで開閉弁V1が閉じて、逆濾過ポンプ45によって透析液供給回路412から血液浄化器1に供給された透析液(これが補液になる)は、血液浄化器1の膜を通って血液側に流入し、血液回路22を通って患者の体内に注入される。そして補液量が所定量に達すると開閉弁V1が開き、次いで逆濾過ポンプ45が駆動停止して血液浄化が再開される。
<実験例1>
このことから、透析濾過治療中に血圧が低下した際に、150ml程度の補液を行うと、血圧が回復することがわかる。
<実験例2>
図5〜図7から、急激な血圧の低下が、アデノシンやNOの分泌に起因するものであることが予測され、従って、補液後の除水は、血圧上昇率によって調整するのが有効であることがわかった。
2 血液回路
21 血液透析器より上流側の血液回路
22 血液透析器より下流側の血液回路
23 静脈チャンバ
24 圧力測定手段
3 血液ポンプ
41 透析液供給回路
411 イコライザーより下流の透析液供給回路
412 イコライザーより上流の透析液供給回路
42 排液回路
421 イコライザーより下流の排液回路
422 イコライザーより上流の排液回路
5 補液ライン(オンライン)
51 血液ポンプより上流側の血液回路と補液ラインとの接続部分
6 生食ライン
61 生食容器
62 血液ポンプより上流側の血液回路と生食ラインとの接続部分
V1、V2 自動開閉弁
K1、K2 コッフェル
Claims (1)
- 血液浄化器と、血液回路と、前記血液浄化器より上流側の血液回路に設けられた血液ポンプと、前記血液浄化器より下流側の血液回路に設けられた静脈チャンバと、透析液供給回路と排液回路を含んでなる血液浄化装置において、前記血液ポンプより上流側の血液回路に補液ラインを設けるとともに、該補液ラインおよび、該補液ラインとの接続部分より上流側の血液回路にそれぞれ開閉手段を設け、該血液回路の開閉手段より上流側の血液回路に圧力測定手段を設けてなり、補液ラインが、透析液供給回路と、血液ポンプより上流側の血液回路とを接続するものである血液浄化装置。
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