JP5544699B2 - リチウム二次電池用正極合剤ペースト - Google Patents
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Description
又、本発明は、大電流での放電特性あるいは充電特性、サイクル特性、及び電極合剤の導電性に優れ、電極集電体と電極合剤との接触抵抗が小さい電極を具備するリチウム二次電池に関する。
とりわけ電極の内部抵抗を低減することは、大電流での放電を可能とすることや、充放電の効率を向上させる上で非常に重要となっている。
酸性官能基を有する樹脂が、
スルホン酸基を有するポリフッ化ビニリデン系樹脂または燐酸基を有するポリフッ化ビニリデン系樹脂である酸性官能基を有するポリフッ化ビニリデン系樹脂(A1)、
分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(s)の存在下、エチレン性不飽和単量体(m)をラジカル重合してなる、片末端に2つの水酸基を有するビニル重合体(a)中の水酸基と、テトラカルボン酸二無水物(b)中の酸無水物基とを反応させてなるポリビニル系樹脂(A2)、並びに、
下記一般式(1):
(HOOC−) m −R 21 −(−COO−[−R 23 −COO−] n −R 22 ) t (1)
〔一般式(1)中、R 21 は、4価のテトラカルボン酸化合物残基であり、R 22 は、モノアルコール残基であり、R 23 は、ラクトン残基であり、mは、2又は3であり、nは、1〜50の整数であり、tは、(4−m)である。〕
で表されるポリエステル系樹脂(A3)、
からなる群から選ばれる1種類以上の酸性官能基を有する樹脂であるリチウム二次電池用正極合剤ペーストにより解決される。
に関する。
二次電池用正極合剤ペーストに関する。
酸性官能基を有する樹脂が、
スルホン酸基を有するポリフッ化ビニリデン系樹脂または燐酸基を有するポリフッ化ビニリデン系樹脂である酸性官能基を有するポリフッ化ビニリデン系樹脂(A1)、
分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(s)の存在下、エチレン性不飽和単量体(m)をラジカル重合してなる、片末端に2つの水酸基を有するビニル重合体(a)中の水酸基と、テトラカルボン酸二無水物(b)中の酸無水物基とを反応させてなるポリビニル系樹脂(A2)、並びに、
下記一般式(1):
(HOOC−) m −R 21 −(−COO−[−R 23 −COO−] n −R 22 ) t (1)
〔一般式(1)中、R 21 は、4価のテトラカルボン酸化合物残基であり、R 22 は、モノアルコール残基であり、R 23 は、ラクトン残基であり、mは、2又は3であり、nは、1〜50の整数であり、tは、(4−m)である。〕
で表されるポリエステル系樹脂(A3)、
からなる群から選ばれる1種類以上の酸性官能基を有する樹脂であるリチウム二次電池用正極合剤ペーストの製造方法に関する。
酸性官能基を有する樹脂が、
スルホン酸基を有するポリフッ化ビニリデン系樹脂または燐酸基を有するポリフッ化ビニリデン系樹脂である酸性官能基を有するポリフッ化ビニリデン系樹脂(A1)、
分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(s)の存在下、エチレン性不飽和単量体(m)をラジカル重合してなる、片末端に2つの水酸基を有するビニル重合体(a)中の水酸基と、テトラカルボン酸二無水物(b)中の酸無水物基とを反応させてなるポリビニル系樹脂(A2)、並びに、
下記一般式(1):
(HOOC−) m −R 21 −(−COO−[−R 23 −COO−] n −R 22 ) t (1)
〔一般式(1)中、R 21 は、4価のテトラカルボン酸化合物残基であり、R 22 は、モノアルコール残基であり、R 23 は、ラクトン残基であり、mは、2又は3であり、nは、1〜50の整数であり、tは、(4−m)である。〕
で表されるポリエステル系樹脂(A3)、
からなる群から選ばれる1種類以上の酸性官能基を有する樹脂であるリチウム二次電池用正極合剤ペーストの製造方法に関する。
本発明のリチウム二次電池用正極合剤ペーストに使用する正極活物質としては特に限定はされないが、リチウムイオンをドーピング又はインターカレーション可能な、金属酸化物、及び金属硫化物等の金属化合物を使用することができる。例えば、Ti、Fe、Co、Ni、及びMn等の遷移金属の酸化物、前記遷移金属とリチウムとの複合酸化物、並びに、前記遷移金属の硫化物等の無機化合物等が挙げられる。
MnO、V2O5、V6O13、及びTiO2等の遷移金属酸化物粉末;
層状構造のニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、及びスピネル構造のマンガン酸リチウム等のリチウムと遷移金属との複合酸化物粉末;
オリビン構造のリン酸化合物であるリン酸鉄リチウム系材料;並びに、
TiS2、及びFeS等の遷移金属硫化物粉末等が挙げられる。
本発明のリチウム二次電池用正極合剤ペーストは、正極活物質の良好な分散及び分散安定性を得るために、酸性官能基を有する樹脂を添加することが好ましい。又、好ましい酸性官能基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、及び燐酸基である。酸性官能基を有する樹脂は、分散安定性の観点から、(A1)〜(A3)の三つのタイプが好ましい。
酸性官能基を有するポリフッ化ビニリデン系樹脂(A1)は、特に限定されるものではないが、特公昭52−24959号公報、特開58−136605号公報、特開平2−604号公報、特開平6−172452号公報、WO2004−049475号公報、特許第3121943号公報、又は特許第3784494号公報等を参考に合成することができる。以下、具体例を示すが、モノマーとは、エチレン性不飽和単量体を意味する。
酸性官能基を有するポリビニル系樹脂(A2)を製造するための第一の工程は、一般式(2)に示すように、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(s)の存在下、エチレン性不飽和単量体(m)をラジカル重合して、片末端に2つの水酸基を有するビニル重合体(a)を製造する工程である。分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(s)のチオール基が連鎖移動剤として働き、エチレン性不飽和単量体(m)が重合した溶媒親和性ビニル重合体部位(M)の末端に、S原子を介して2つの水酸基が導入されたビニル重合体(a)が合成される。
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の脂肪族環を有する(メタ)アクリレート類;
テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート等のヘテロ環を有する(メタ)アクリレート類;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、及びフェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香族環を有する(メタ)アクリレート類;
メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、及びエトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、及びアクリロイルモルホリン等のN置換型(メタ)アクリルアミド類;
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、及びN,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類;
スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;
エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、及びイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;並びに、
酢酸ビニル、及びプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類等があげられるが、特にこれらに限定されるものではなく、2種類以上を組み合わせたり、必要に応じて、以下に示す単量体を併用しても良い。
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2(又は3)−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2(又は3、又は4)−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、及びグリセロール(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;
N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、及びN−(2−ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド等のN−(ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミド類;
2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−(又は3−)ヒドロキシプロピルビニルエーテル、及び2−(又は3−、又は4−)ヒドロキシブチルビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル類;並びに、
2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、2−(又は3−)ヒドロキシプロピルアリルエーテル、及び2−(又は3−、又は4−)ヒドロキシブチルアリルエーテル等のヒドロキシアルキルアリルエーテル類が挙げられる。
本発明におけるX0は、テトラカルボン酸ニ無水物(b)が片末端に2つの水酸基を有するビニル重合体(a)と反応した後の反応残基である。好ましくは、下記一般式(4)、又は一般式(5)で示されるテトラカルボン酸二無水物が、水酸基を有するビニル重合体(a)と反応した後の反応残基である。
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、及びビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸無水物等の脂肪族テトラカルボン酸無水物;並びに、
ピロメリット酸無水物、エチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、プロピレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、ブチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、3,3',4,4'−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸無水物、3,3',4,4'−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸無水物、3,3',4,4'−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸無水物、3,3',4,4'−テトラフェニルシランテトラカルボン酸無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸無水物、4,4'−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド無水物、4,4'−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン無水物、4,4'−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン無水物、3,3',4,4'−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4'−ジフェニルエーテル無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4'−ジフェニルメタン無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン酸無水物、9,9−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン酸無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸無水物、及び3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−メチル−1−ナフタレンコハク酸無水物等の芳香族テトラカルボン酸無水物が挙げられる。
本発明で用いることのできる酸性官能基を有するポリエステル系樹脂(A3)は、下記一般式(1)で表される構造を有する限り、その化学構造及び製造方法は特に限定されるものではない。その製造方法は、例えば、モノアルコールを開始剤として、ラクトンを開環重合して片末端に水酸基を有するポリエステルを製造する第一の工程と、該片末端に水酸基を有するポリエステルと、テトラカルボン酸二無水物を反応させる第二の工程とからなる方法であることが好ましい。
(HOOC−)m−R21−(−COO−[−R23−COO−]n−R22)t (1)
〔一般式(1)中、R21は、4価のテトラカルボン酸化合物残基であり、R22は、モノアルコール残基であり、R23は、ラクトン残基であり、mは、2又は3であり、nは、1〜50の整数であり、tは、(4−m)である。〕
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸二無水物;
1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、及びビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等の脂環式テトラカルボン酸二無水物;並びに、
2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、及び5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物等の複素環式テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。
で表される基であり、R22が、炭素原子数8〜20の脂肪族アルキル基、又は分子量200〜1500の末端エーテル若しくはエステルポリオキシアルキレン(アルキレン部分の炭素原子数が2〜4)基であり、R23が、ヘキサメチレン基、ペンタメチレン基、又はアルキル置換されたヘキサメチレン基であり、mが、2又は3であり、nが、3〜20の整数であり、そしてtが、(4−m)である一般式(1)で表される酸性官能基を有するポリエステル系樹脂(A3)である。
本発明におけるリチウム二次電池用正極合剤ペーストに添加する導電助剤としては、炭素材料が最も好ましい。炭素材料としては、導電性を有する炭素材料であれば特に限定されるものではないが、グラファイト、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンファイバー、及びフラーレン等を単独で、若しくは2種類以上併せて使用することができる。導電性、入手の容易さ、及びコスト面から、カーボンブラックの使用が好ましい。
トーカブラック#4300、#4400、#4500、及び#5500等の東海カーボン社製ファーネスブラック;
プリンテックスL等のデグサ社製ファーネスブラック;
Raven7000、5750、5250、5000ULTRAIII、5000ULTRA、Conductex SC ULTRA、975 ULTRA、PUER BLACK100、115、及び205等のコロンビヤン社製ファーネスブラック;
#2350、#2400B、#2600B、#30050B、#3030B、#3230B、#3350B、#3400B、及び#5400B等の三菱化学社製ファーネスブラック;
MONARCH1400、1300、900、VulcanXC−72R、及びBlackPearls2000等のキャボット社製ファーネスブラック;
Ensaco250G、Ensaco260G、Ensaco350G、及びSuperP−Li等のTIMCAL社製ファーネスブラック;
ケッチェンブラックEC−300J、及びEC−600JD等のアクゾ社製ケッチェンブラック; 並びに、
デンカブラック、デンカブラックHS−100、FX−35等の電気化学工業社製アセチレンブラック等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明に使用する溶剤としては、例えば、アルコール類、グリコール類、セロソルブ類、アミノアルコール類、アミン類、ケトン類、カルボン酸アミド類、リン酸アミド類、スルホキシド類、カルボン酸エステル類、リン酸エステル類、エーテル類、ニトリル類、及び水等が挙げられる。
本発明のリチウム二次電池用正極合剤ペーストには、更に、酸性官能基を有する樹脂以外のバインダー成分を含有させることができる。
本発明の正極合剤ペーストは、リチウム二次電池用正極合剤ペーストとして用いることができる。正極合剤ペーストとして用いる場合は、上記の酸性官能基を有する樹脂と、正極活物質と、溶剤とを含んでなるペースト、更に、を含んでなるペーストに、導電助剤としての炭素材料、及びバインダー成分を含有させ正極合剤ペーストとして使用することが好ましい。
次に、本発明の正極合剤ペーストの製造方法について説明する。
ディスパー、ホモミキサー、若しくはプラネタリーミキサー等のミキサー類;
エム・テクニック社製「クレアミックス」、若しくはPRIMIX社「フィルミックス」等のホモジナイザー類;
ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、若しくはコボールミル等のメディア型分散機;
湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、スギノマシン社製「スターバースト」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)、エム・テクニック社製「クレアSS−5」、若しくは奈良機械社製「MICROS」等のメディアレス分散機;又は、
その他ロールミル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。又、分散機としては、分散機からの金属混入防止処理を施したものを用いることが好ましい。
又、乾式処理機を使用する際、処理剤は、そのまま直接添加しても良いが、より均一に正極活物質表面に処理を行うために、前もって処理剤を少量の溶剤に溶解、又、分散させておき、正極活物質の凝集粒子を解しながら添加する方法が好ましい。更に、処理効率を上げるために、加温することが好ましい場合もある。
る。
次に、本発明の正極合剤ペーストを用いたリチウム二次電池について説明する。
電極について、使用する集電体の材質や形状は特に限定されず、材質としては、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、又はステンレス等の金属や合金が用いられるが、特に正極材料としてはアルミニウムが、負極材料としては銅が、好ましい。又、形状としては、一般的には平板上の箔が用いられるが、表面を粗面化したものや、穴あき箔状のもの、及び
メッシュ状のものも使用できる。
本発明のリチウム二次電池を構成する電解液としては、リチウムを含んだ電解質を非水系の溶剤に溶解したものを用いる。電解質としては、LiBF4、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiCF3SO3、Li(CF3SO2)2N、LiC4F9SO3、Li(CF3SO2)3C、LiI、LiBr、LiCl、LiAlCl、LiHF2、LiSCN、又はLiBPh4等が挙げられるがこれらに限定されない。
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、及びジエチルカーボネート等のカーボネート類;
γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、及びγ−オクタノイックラクトン等のラクトン類;
テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,2−メトキシエタン、1,2−エトキシエタン、及び1,2−ジブトキシエタン等のグライム類;
メチルフォルメート、メチルアセテート、及びメチルプロピオネート等のエステル類;
ジメチルスルホキシド、及びスルホラン等のスルホキシド類;並びに、
アセトニトリル等のニトリル類等が挙げられる。又、これらの溶剤は、それぞれ単独で使用しても良いが、2種以上を混合して使用しても良い。
<酸性官能基を有するポリフッ化ビニリデン系樹脂(A1)タイプ>
[スルホン酸基を有するポリフッ化ビニリデン系樹脂(A1−1)の合成]
スルホン酸基を有するポリフッ化ビニリデン系樹脂の調製は、特許第3784494号公報に準じた。即ち、1Lのセパラブルフラスコ中で各種分子量のポリフッ化ビニリデン系樹脂100gをクロロホルム400mLに分散させ、攪拌しながらクロロスルホン酸100mLを滴下した後に、2時間加熱還流させた。その後、反応液を氷水中に注ぎ、固形物を濾別し、水洗、乾燥を経て、重量平均分子量約1万のスルホン酸変性ポリフッ化ビニリデン樹脂を得た。
重量平均分子量約1万のポリフッ化ビニリデン系樹脂としては、公知の方法で合成した1,1-ジフルオロエチレンのホモポリマーを使用した。
特開平6−172452号公報に準じて以下の様に、ヒドロキシル基を有するポリフッ化ビニリデン系樹脂を合成した。即ち、2Lのオートクレーブに、イオン交換水1040g、メチルセルロース0.8g、酢酸エチル2.5g、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート4g、フッ化ビニリデン396g、2-ヒドロキシエチルアクリレート4gを仕込み、28℃で45時間懸濁重合を行った。重合完了後、重合体スラリーを脱水、水洗後、80℃で20時間乾燥して重合体を得た。次に、窒素ガス導入管及び、コンデンサをつけた1Lのセパラブルフラスコ中で上記のヒドロキシル基含有ポリフッ化ビニリデン系樹脂100gをクロロホルム400mLに分散させ、窒素下で攪拌しながらオルトリン酸換算含有量116%のポリリン酸100gを混合した後、2時間加熱還流させた。その後、反応液を氷水中に注ぎ、固形物を濾別し、水洗、乾燥を経て、重量平均分子量約1万の燐酸変性ポリフッ化ビニリデン樹脂(A1−2)を得た。
[カルボキシル基を有するポリビニル系樹脂(A2−1)の合成]
ガス導入管、温度計、コンデンサ、攪拌機を備えた反応容器に、n−ブチルメタクリレート100部とベンジルメタクリレート100部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3‐メルカプト‐1,2‐プロパンジオール12部に、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を溶解した溶液を添加して、10時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。ピロメリット酸無水物19部、N-メチル−2−ピロリドン231部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.40部を追加し、120℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了し、固形分50%のカルボキシル基を有するポリビニル系樹脂(A2−1)溶液を得た。得られたポリビニル系樹脂(A2−1)の重量平均分子量(Mw)は8,500、酸価は 43mgKOH/gであった。
ガス導入管、温度計、コンデンサ、攪拌機を備えた反応容器に、メチルメタクリレート180部とメタクリル酸20部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3‐メルカプト‐1,2‐プロパンジオール12部に、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を溶解した溶液を添加して、10時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。ピロメリット酸無水物19部、N-メチル−2−ピロリドン231部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.40部を追加し、120℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了し、固形分50%のカルボキシル基を有するポリビニル系樹脂(A2−2)溶液を得た。得られたポリビニル系樹脂(A2−2)の重量平均分子量(Mw)は8,600、酸価は 93mgKOH/gであった。
ガス導入管、温度計、コンデンサ、攪拌機を備えた反応容器に、エチルアクリレート160部とメチルメタクリレート30部とメタクリル酸10部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3‐メルカプト‐1,2‐プロパンジオール12部に、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を溶解した溶液を添加して、10時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。ピロメリット酸無水物19部、N-メチル−2−ピロリドン231部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.40部を追加し、120℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了し、固形分50%のカルボキシル基を有するポリビニル系樹脂(A2−3)溶液を得た。得られたポリビニル系樹脂(A2−3)の重量平均分子量(Mw)は8,400、酸価は 70mgKOH/gであった。
[カルボキシル基を有するポリエステル系樹脂(A3−1)の合成]
ガス導入管、温度計、コンデンサ、及び攪拌機を備えた反応容器に、1−ドデカノール62.6部、ε−カプロラクトン287.4部、及び触媒としてモノブチルスズ(IV)オキシド0.1部を仕込み、窒素ガスで置換した後、120℃で4時間加熱、撹拌した。固形分測定により98%が反応したことを確認したのち、無水ピロメリット酸36.6部を加え、120℃で2時間反応させカルボキシル基を有するポリエステル系樹脂(A3−1)を得た。得られたポリエステル系樹脂(A3−1)は、常温で白色ワックス状固体であった。
ガス導入管、温度計、コンデンサ、及び攪拌機を備えた反応容器に、メトキシPEG400(片末端メトキシ化ポリエチレングリコール;分子量400)169.0部、ε−カプロラクトン96.4部、δ−バレロラクトン84.6部、及び触媒としてモノブチルスズ(IV)オキシド0.1部を仕込み、窒素ガスで置換した後、120℃で4時間加熱、撹拌した。固形分測定により98%が反応したことを確認したのち、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物62.2部を加え、120℃で2時間反応させカルボキシル基を有するポリエステル系樹脂(A3−2)を得た。得られたポリエステル系樹脂(A3−2)は、常温で淡黄色透明液体であった。
表1に示す組成及び処理方法に従って、酸性官能基を有する樹脂による正極活物質の表面処理を行った。酸性基を有する樹脂の使用量は、固形分換算で表記した。
正極活物質であるコバルト酸リチウム(HLC−17、平均一次粒径2.5μm、比表面積0.54m2/g、本荘ケミカル社製)100部、酸性官能基を有する樹脂(A1−1)0.2部、及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を25部仕込み、2本ロールにて処理し、乾燥することで表面処理正極活物質(1)を得た。
ニーダーに、正極活物質であるマンガン酸リチウム(CELLSEED S-LM、平均一次粒径12.0μm、比表面積0.48m2/g、日本化学工業社製)100部、酸性官能基を有する樹脂(A2−1)溶液0.2部(固形分0.1部)、及びNMPを25部仕込み、混練処理を行った。得られた処理物を乾燥、粉砕し、表面処理正極活物質(2)を得た。
ニーダーに、正極活物質となるリン酸鉄リチウム(平均一次粒径0.2μm、比表面積15m2/g、TIANJIN STL ENERGY TECHNOLOGY社製)100部、酸性官能基を有する樹脂(A2−2)溶液0.2部(固形分0.1部)、及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を43部仕込み、混練処理を行った。得られた処理物をヘキサン1000部中に添加して攪拌した後、凝集物を濾取、乾燥、粉砕して表面処理正極活物質(3)を得た。
正極活物質となるリン酸鉄リチウム(平均一次粒径0.2μm、比表面積15m2/g、TIANJIN STL ENERGY TECHNOLOGY社製)100部に対して、酸性官能基を有する樹脂(A3−1)0.75部をNMP15部に溶解させ、乾式ジェットミルにて解砕しながら処理し、乾燥することで表面処理正極活物質(4)を得た。
正極活物質であるリン酸鉄リチウム(平均一次粒径0.2μm、比表面積15m2/g、TIANJIN STL ENERGY TECHNOLOGY社製)100部、酸性官能基を有する樹脂(A3−2)1.5部、及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を25部仕込み、2本ロールにて処理し、乾燥することで表面処理正極活物質(5)を得た。
分散剤未処理の各種正極活物質及び、各種分散剤処理正極活物質を80℃で10時間減圧乾燥した。続いて乾燥物をメノウ製の乳鉢で粉砕した後、更に80℃で12時間減圧乾燥した。得られた乾燥物を再度メノウ製乳鉢で粉砕した後、錠剤成型器(Specac社製)にて500kgf/cm2で荷重をかけ、正極活物質のペレットを作製(直径10mm、厚0.5mm)した。このペレットにマイクロシリンジにて、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを1:1混合した液滴を落とし、液滴がペレットに浸透する時間を測定した。この測定を各サンプルとも5回行い、それらの平均浸透時間が1秒未満であったものを「◎」、1秒以上、5秒未満であったものを「○」、5秒以上、10秒未満であったものを「△」、10秒以上であったものを「×」とした。正極活物質の濡れ性評価の結果を表1に示した。
[正極活物質分散体(1)]
容器に、溶剤として、N−メチル−2−ピロリドン 28.6部、酸性分散樹脂(A1−1)1.4部を仕込み、混合攪拌して該誘導体を完全ないしは一部溶解させた。次に、正極活物質として、コバルト酸リチウムLiCoO2 70部を加え、メディアレス分散機であるホモジナイザーで分散し、正極活物質分散体(1)を得た。
正極活物質分散体(1)の調整と同様の方法で、表2の組成になるように分散体の調整を行い、正極活物質分散体(2)〜(8)を得た。なお、正極活物質分散体(3)は参考例である。
容器に、溶剤として、 N−メチル−2−ピロリドン 29.70部、酸性官能基を有する樹脂(A3−1)30%溶液0.23部(固形分0.07部)を仕込み、混合攪拌して該樹脂を完全ないしは一部溶解させた。次に、表面処理正極活物質(3) 70.07部加え、メディアレス分散機であるホモジナイザーで分散し、正極活物質分散体(9)を得た。
容器に、溶剤として、精製水 29.47部、表面処理正極活物質(4)70.53部を仕込み、メディアレス分散機であるホモジナイザーで分散し、正極活物質分散体(10)を得た。
容器に、溶剤として、精製水 29.22部、バインダーとして、60%ポリテトラフルオロエチレンPTFE水系分散体(PTFE、30−J、三井・デュポンフルオロケミカル製)0.78部(固形分0.47部)を仕込み、混合攪拌して該樹脂を完全ないしは一部溶解させた。次に、正極活物質として、リン酸鉄リチウムLiFePO4 70部加え、メディアレス分散機であるホモジナイザーで分散し、正極活物質分散体(11)を得た。
容器に、溶剤として、 N−メチル−2−ピロリドン 30部、リン酸鉄リチウムLiFePO4 70部加え、メディアレス分散機であるホモジナイザーで分散し、正極活物質分散体(12)を得た。
酸性樹脂:酸性官能基を有する樹脂
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
得られた正極活物質分散体(1)〜(12)の分散評価結果を、表3に示す。
LiCoO2:コバルト酸リチウム HLC−17(本荘ケミカル社製);平均一次粒径2.5μm、比表面積0.54m2/g。
LiMn2O4:マンガン酸リチウム CELLSEED S-LM(日本化学工業社製);平均一次粒径12.0μm、比表面積0.48m2/g。
LiFePO4:リン酸鉄リチウム(TIANJIN STL ENERGY TECHNOLOGY社製);平均一次粒径0.2μm、比表面積15m2/g。
<酸性官能基を有するポリフッ化ビニリデン系樹脂(A1)タイプ>
(A1−1):スルホン酸基を有するポリフッ化ビニリデン系樹脂;重量平均分子量約1万。
(A1−2):燐酸基含有ポリフッ化ビニリデン系樹脂;重量平均分子量約1万。
(A2−1):カルボキシル基を有するポリビニル系樹脂;重量平均分子量8,500、酸価43mgKOH/g。固形分50%の樹脂(A2−1)N−メチル−2−ピロリドン溶液。
(A2−2):カルボキシル基を有するポリビニル系樹脂;重量平均分子量8,600、酸価は 93mgKOH/g。固形分50%の樹脂(A2−2)N−メチル−2−ピロリドン溶液。
(A2−3):カルボキシル基を有するポリビニル系樹脂;重量平均分子量8,400、酸価 70mgKOH/g。固形分50%の樹脂(A2−3)N−メチル−2−ピロリドン溶液。
(A3−1):カルボキシル基を有するポリエステル系樹脂;常温で白色ワックス状固体。
(A3−2):カルボキシル基を有するポリエステル系樹脂;常温で淡黄色透明液体。
(B1):Disperbyk−111(ビックケミー社製);燐酸基を有する樹脂。
PVDF:KFポリマーW#1100(クレハ社製);ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、重量平均分子量約28万。
PTFE:PTFE30−J(三井・デュポンフロロケミカル社製);固形分60%のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)水系分散体
HS−100:デンカブラックHS−100(電気化学工業社製);アセチレンブラック、一次粒径48nm、比表面積48m2/g。
下記のように、正極活物質分散体(1)〜(12)、前記カーボンブラック、バインダー、及び溶剤を用いて、正極合剤ペースト(1)〜(12)、及び比較正極合剤ペースト(1)〜(2)を調整した。
正極活物質分散体(1) 64.3部に対して、バインダーとして、ポリフッ化ビニリデン(PVDF、KFポリマーW#11000、クレハ社製)1.6部、及びN−メチル−2−ピロリドン31.6部をプラネタリーミキサーで混合した後に、導電助剤として、デンカブラックHS−100 2.5部を加え、更に、プラネタリーミキサーで混練し、正極合剤ペースト(1)〔固形分:50%、固形分組成重量比:正極活物質/カーボンブラック/その他(酸性官能基を有する樹脂+バインダー)=90/5/5〕を得た。
実施例1と同様の方法で、表4の組成に従い、正極合剤ペースト(2)〜(9)、及び比較正極合剤ペースト(2)〔固形分:50%、固形分組成重量比:正極活物質/カーボンブラック/その他(酸性官能基を有する樹脂+バインダー)=90/5/5〕を得た。なお、実施例3は参考例である。
正極活物質分散体(10)64.3部に対して、バインダーとして、60%ポリテトラフルオロエチレンPTFE水系分散体(PTFE 30−J、三井・デュポンフロロケミカル社製)3.87部(固形分2.32部)、及び精製水29.33部をプラネタリーミキサーで混合した後に、導電助剤として、デンカブラックHS−100 2.5部を加え、更にプラネタリーミキサーにより混練し、正極合剤ペースト(10)〔固形分:50%、固形分組成重量比:正極活物質/カーボンブラック/その他(酸性官能基を有する樹脂+バインダー)=90/5/5〕を得た。
正極活物質分散体(11)を用いた以外は実施例10と同様の方法で表4の組成に従い、比較正極合剤ペースト(1)〔固形分:50%、固形分組成重量比:正極活物質/カーボンブラック/その他(酸性官能基を有する樹脂+バインダー)=90/5/5〕を得た。
PVDF:ポリフッ化ビニリデン
PTFE:ポリテトラフルオロエチレン
カーボンブラックHS1002部に対して、バインダーとしてポリフッ化ビニリデンPVDF(KFポリマーW#1100、クレハ社製)4.9部、N−メチル−2−ピロリドン82.1部を高速ディスパーで混合した後に、負極活物質としてメソフェーズカーボン(MCMB 6−28、平均粒径5〜7μm、比表面積4m2/g大阪ガスケミカル社製)93部を加えプラネタリーミキサーにより混練し、負極合剤ペースト(固形分:50%、固形分組成重量比:負極活物質/カーボンブラック/その他(塩基性官能基を有する分散樹脂+バインダー)=93/2/5)を得た。
[実施例1〜12、比較例1〜2]
先に調製した正極合剤ペースト(1)〜(12)、比較正極合剤ペースト(1)〜(2)を、集電体となる厚さ20μmのアルミ箔上にドクターブレードを用いて塗布した後、減圧加熱乾燥し、ロールプレス等による圧延処理を行い、厚さ50μmの正極合剤層を作製した。なお、実施例3は参考例である。(表4を参照)
<リチウム二次電池用負極の作製>
先に調製した負極合剤ペーストを、集電体となる厚さ20μmの銅箔上にドクターブレードを用いて塗布した後、減圧加熱乾燥し、ロールプレス等による圧延処理を行い、厚さ50μmの負極合剤層を作製した。
先に作製した正極を、直径9mmに打ち抜き作用極とし、金属リチウム箔(厚さ0.15mm)を対極として、作用極及び対極の間に多孔質ポリプロピレンフィルムからなるセパレーター(セルガード社製 #2400)を挿入積層し、電解液(エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを1:1に混合した混合溶媒にLiPF6を1Mの濃度で溶解させた非水電解液)を満たして二極密閉式金属セル(宝仙社製 HSフラットセル)を組み立てた。セルの組み立てはアルゴンガス置換したグロ−ボックス内で行い、セル組み立て後、所定の電池特性評価を行った。
先に作製した負極を、直径9mmに打ち抜き作用極とし、金属リチウム箔(厚さ0.15mm)を対極として、作用極及び対極の間に多孔質ポリプロピレンフィルムからなるセパレーター(セルガード社製 #2400)を挿入積層し、電解液(エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを1:1に混合した混合溶媒にLiPF6 を1Mの濃度で溶解させた非水電解液)を満たして二極密閉式金属セル(宝仙社製 HSフラットセル)を組み立てた。セルの組み立てはアルゴンガス置換したグロ−ボックス内で行い、セル組み立て後、所定の電池特性評価を行った。
[充放電サイクル特性 実施例1〜12、比較例1〜2]
作製した電池評価用セルを室温(25℃)で、充電レート0.2C、1.0Cの定電流定電圧充電(上限電圧4.2V)で満充電とし、充電時と同じレートの定電流で放電下限電圧3.0Vまで放電を行う充放電を1サイクル(充放電間隔休止時間30分)とし、このサイクルを合計20サイクル行い、充放電サイクル特性評価(評価装置:北斗電工社製SM−8)を行った。又、評価後のセルを分解し、電極塗膜の外観を目視にて確認した。評価結果を表5に示した。なお、実施例3は参考例である。
作製した電池評価用セルを室温(25℃)、充電レート0.2Cの定電流定電圧充電(上限電圧4.2V)で満充電とし、0.1C、0.2C、0.5C、1.0Cのレートの定電流で5秒放電後、電池電圧を測定した。電流値に対し電圧値をプロットし、得られた直線関係の傾きを内部抵抗とした。評価結果を表5に示すが、実施例1の内部抵抗測定値を100としたときの相対値として示した。なお、実施例3は参考例である。
Claims (10)
- 酸性官能基を有する樹脂と、正極活物質と、を含んでなるリチウム二次電池用正極合剤ペーストであって、
酸性官能基を有する樹脂が、
スルホン酸基を有するポリフッ化ビニリデン系樹脂または燐酸基を有するポリフッ化ビニリデン系樹脂である酸性官能基を有するポリフッ化ビニリデン系樹脂(A1)、
分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(s)の存在下、エチレン性不飽和単量体(m)をラジカル重合してなる、片末端に2つの水酸基を有するビニル重合体(a)中の水酸基と、テトラカルボン酸二無水物(b)中の酸無水物基とを反応させてなるポリビニル系樹脂(A2)、並びに、
下記一般式(1):
(HOOC−)m−R21−(−COO−[−R23−COO−]n−R22)t (1)
〔一般式(1)中、R21は、4価のテトラカルボン酸化合物残基であり、R22は、モノアルコール残基であり、R23は、ラクトン残基であり、mは、2又は3であり、nは、1〜50の整数であり、tは、(4−m)である。〕
で表されるポリエステル系樹脂(A3)、
からなる群から選ばれる1種類以上の酸性官能基を有する樹脂であるリチウム二次電池用正極合剤ペースト。 - 正極活物質が、リン酸鉄リチウムである請求項1記載のリチウム二次電池用正極合剤ペースト。
- 更に、酸性官能基を有する樹脂以外のバインダー成分を含んでなる請求項1または2記載のリチウム二次電池用正極合剤ペースト。
- バインダー成分が、分子内にフッ素原子を有する高分子化合物である請求項3記載のリチウム二次電池用正極合剤ペースト。
- 更に、導電助剤を含んでなる請求項1〜4いずれか記載のリチウム二次電池用正極合剤ペースト。
- 更に、溶剤を含んでなる請求項1〜5いずれか記載のリチウム二次電池用正極合剤ペースト。
- 酸性官能基を有する樹脂を、溶剤中に完全又は一部溶解させ、その溶液中に正極活物質を添加、混合することで、分散するリチウム二次電池用正極合剤ペーストの製造方法であって、
酸性官能基を有する樹脂が、
スルホン酸基を有するポリフッ化ビニリデン系樹脂または燐酸基を有するポリフッ化ビニリデン系樹脂である酸性官能基を有するポリフッ化ビニリデン系樹脂(A1)、
分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(s)の存在下、エチレン性不飽和単量体(m)をラジカル重合してなる、片末端に2つの水酸基を有するビニル重合体(a)中の水酸基と、テトラカルボン酸二無水物(b)中の酸無水物基とを反応させてなるポリビニル系樹脂(A2)、並びに、
下記一般式(1):
(HOOC−) m −R 21 −(−COO−[−R 23 −COO−] n −R 22 ) t (1)
〔一般式(1)中、R 21 は、4価のテトラカルボン酸化合物残基であり、R 22 は、モノアルコール残基であり、R 23 は、ラクトン残基であり、mは、2又は3であり、nは、1〜50の整数であり、tは、(4−m)である。〕
で表されるポリエステル系樹脂(A3)、
からなる群から選ばれる1種類以上の酸性官能基を有する樹脂であるリチウム二次電池用正極合剤ペーストの製造方法。 - 酸性官能基を有する樹脂で、あらかじめ乾式または湿式処理された正極活物質を使用する請求項7記載のリチウム二次電池用正極合剤ペーストの製造方法であって、
酸性官能基を有する樹脂が、
スルホン酸基を有するポリフッ化ビニリデン系樹脂または燐酸基を有するポリフッ化ビニリデン系樹脂である酸性官能基を有するポリフッ化ビニリデン系樹脂(A1)、
分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(s)の存在下、エチレン性不飽和単量体(m)をラジカル重合してなる、片末端に2つの水酸基を有するビニル重合体(a)中の水酸基と、テトラカルボン酸二無水物(b)中の酸無水物基とを反応させてなるポリビニル系樹脂(A2)、並びに、
下記一般式(1):
(HOOC−) m −R 21 −(−COO−[−R 23 −COO−] n −R 22 ) t (1)
〔一般式(1)中、R 21 は、4価のテトラカルボン酸化合物残基であり、R 22 は、モノアルコール残基であり、R 23 は、ラクトン残基であり、mは、2又は3であり、nは、1〜50の整数であり、tは、(4−m)である。〕
で表されるポリエステル系樹脂(A3)、
からなる群から選ばれる1種類以上の酸性官能基を有する樹脂であるリチウム二次電池用正極合剤ペーストの製造方法。 - 集電体上に正極合剤層を有する正極と、集電体上に負極合剤層を有する負極と、リチウムを含む電解質と、を具備するリチウム二次電池であって、前記正極合剤層が、請求項1〜6いずれか記載のリチウム二次電池用正極合剤ペーストを使用して形成されてなるリチウム二次電池。
- 請求項7又は8記載の製造方法により製造されたリチウム二次電池用正極合剤ペーストを使用して形成されてなる請求項9記載のリチウム二次電池。
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