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JP5456421B2 - 押出発泡ボード - Google Patents

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本発明は、ポリプロピレン系樹脂の押出発泡ボードに関する。
従来、ポリエチレン系樹脂押出発泡体はよく知られているが、その物性には種々の問題がある。一方、ポリプロピレン系樹脂は、高い剛性を有しているため、押出発泡体とした時に少ない樹脂量で高い機械的特性を有し、しかも軽量である優れた発泡体製品とすることができる。そのため、近年さかんに開発が行われている。
例えば、特許文献1には、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、及びスチレン−エチレン・プロピレンブロック共重合体を含む押出発泡ボードが開示されている。特許文献2には、結晶性プロピレン系樹脂とスチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体とを含む結晶性プロピレン系樹脂含有発泡体の製造方法が開示されている。また、特許文献3には、ポリプロピレン系樹脂とポリスチレン樹脂とを含む発泡粒子が開示されている。
特開2000−281824号公報 特許2505543号公報 特開2001−302837号公報
しかしながら、従来のポリプロピレン系樹脂は、溶融時の粘度、張力が低く、そのため発泡時に気泡壁の強度が十分に保持されず、ポリエチレン系樹脂発泡体のような肉厚の発泡体を製造することは極めて困難である。
すなわち、特許文献1では、ガラス転移温度(Tg)が100℃程度のGPPSをポリプロピレンとブレンドして使用しており、ポリプロピレンの発泡温度付近において、GPPSの粘度が不足するために適当な発泡が生じず、独立気泡率や発泡倍率等の点において充分に要求を満たす発泡ボードが得られない、という問題があった。また、得られた発泡ボードは、GPPSのTg付近にて熱変形が生じるなど、耐熱性が充分ではない。さらに、ポリプロピレンが架橋することにより粘度がアップするため、押出の際に炭酸ガスで可塑化する必要があることや、発泡ボードのリサイクルが困難であるなど、生産上の問題がある。
特許文献2の方法でも、ポリプロピレンの発泡温度付近において適当な発泡が生じず、独立気泡率が不十分であった。また、ポリプロピレン又はスチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体を架橋させるため、粘度がアップすることによる生産性の低下やリサイクルが困難であるという問題がある。
特許文献3で開示されている発泡粒子は、逐次発泡という工程が多くなる製造方法であり、生産コストが課題である。また、発泡粒子の成形温度を下げるため、GPPSを混合しており、やはり耐熱性が充分ではないという問題がある。
上記事情に鑑み、本発明は、高独立気泡率、高発泡倍率、耐加熱クリープ特性(耐熱性)などの効果を併せ持つポリプロピレン系押出ボードを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、Tgの高い非晶性樹脂とスチレン系熱可塑性エラストマーをポリプロピレン樹脂にアロイすることにより、その目的を達成し得ることを見いだし、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、(a)ポリプロピレン系樹脂(本明細書中において、「(a)成分」ともいう)、(b)Tgが115℃以上の非晶性樹脂(本明細書中において、「(b)成分」ともいう)、及び(c)スチレン系熱可塑性エラストマー(本明細書中において、「(c)成分」ともいう)を含み、上記(a)成分と上記(b)成分との質量比が90:10〜60:40であり、かつ上記(a)成分と上記(b)成分との合計100質量部に対して上記(c)成分が1〜10質量部である発泡体用樹脂組成物を発泡させてなる押出発泡ボードを提供する。
本発明の押出発泡ボードは、上述の構成を採用することにより、ポリプロピレン系樹脂の適正発泡温度において上記発泡体用樹脂組成物が十分な粘度を有するため、独立気泡率、高発泡倍率及び耐加熱クリープ特性を併せ持つポリプロピレン系樹脂押出発泡ボードとすることができる。
上記押出発泡ボードは、上記(a)成分の融点から上記(b)成分のTgを引いた値が0〜45℃であることが好ましい。
(a)ポリプロピレン系樹脂と(b)Tgが115℃以上の非晶性樹脂とをこのように選択することにより、ポリプロピレン系樹脂の発泡に適した温度範囲において非晶性樹脂の伸長粘度が適切に維持され、発泡倍率と独立気泡率がより高い、良好な押出発泡ボードを得ることができる。
上記押出発泡ボードは、発泡倍率が2〜100cc/gであることが好ましく、厚みが10mm以上であることが好ましい。
本発明の発泡ボードは、ホモ、ブロック、ランダムなど各種ポリプロピレン系樹脂にTgが115℃以上の非晶性樹脂とスチレン系熱可塑性エラストマーをアロイすることにより、適正発泡温度にて発泡体用樹脂組成物が十分な粘度を有し、高独立気泡率、高発泡倍率、耐加熱クリープ特性などの効果を有する。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明は、(a)ポリプロピレン系樹脂、(b)Tgが115℃以上の非晶性樹脂、及び(c)スチレン系熱可塑性エラストマーを含む発泡体用樹脂組成物を発泡させてなるポリプロピレン系樹脂押出発泡ボードに関する。
(a)ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンモノマーを主成分として重合したポリマーであれば特に制限はなく、ホモポリプロピレンのほかに、プロピレンと、エチレン、1−ブテン若しくは4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンとの、ランダム若しくはブロック共重合体、又はこれら共重合体の混合物であってもよい。
(a)ポリプロピレン系樹脂としては、重量平均分子量が30万〜60万であるものが好ましい。なお、本明細書中において、重量平均分子量とは、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定を行い、クロマトグラムのピークの分子量を、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して求めた重量平均分子量である。
また、(a)成分のメルトフローレート(MFR)は、0.01〜10.0g/10分であることが好ましく、0.1〜5.0g/10分であることがより好ましい。MFRがこの範囲であれば、発泡体用樹脂組成物の溶融混練が容易となり、十分な発泡性を有する押出発泡ボードとなる。ここで、本明細書中において、MFRとは、押出し形プラストメータとして、例えば、ASTMD1238を用い、JIS K7210の方法に準じて、230℃にて2.16kg荷重した際に、開口部(ノズル)から10分間あたりに押出された樹脂の重量を意味する。
(b)成分は、ポリスチレン、メタアクリル酸−スチレン共重合体(SMAA)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)及びポリメタクリル酸メチル(PMMA)からなる非晶性樹脂群より選ばれる、1種単独又は2種を混合したもののうち、Tgが115℃以上のものである。2種を混合した非晶性樹脂の場合、混合樹脂のTgが115℃であればよい。(b)成分のTgが115℃以上であることにより、発泡体の耐熱性が向上し、(a)ポリプロピレン系樹脂の発泡適正温度範囲における伸長粘度が維持されるため、良好な発泡体が得られる。
なお、本明細書において、樹脂のTgとは、示差走査熱量測定装置(例えば、パーキンエルマー社製のDSC−7)を用いて、JIS−K−7121に準拠して求めた値を示す。具体的には、窒素雰囲気下、10℃/minで室温から250℃まで昇温し、その後10℃/minで室温まで戻す。再び10℃/minで250℃まで昇温し、2度目の昇温過程で測定されるガラス転移温度をTgとする。
また、(b)成分としては、重量平均分子量が1万〜40万であるものが好ましい。
(b)成分のMFR(測定条件は上述のとおり)は、0.01〜10.0g/10分であることが好ましく、0.1〜5.0g/10分であることがより好ましい。MFRがこの範囲であれば、発泡体用樹脂組成物の溶融混練が容易となり、発泡性がさらに向上する。
(a)ポリプロピレン系樹脂の発泡適正温度において、(b)成分の粘度が十分満足されるように、(a)成分の融点から(b)成分のTgを引いた値が0〜45℃となることが好ましく、10〜45℃となることがより好ましい。この範囲であれば(a)成分の発泡適正温度範囲において(b)成分の伸長粘度がより適切に維持され、発泡倍率と独立気泡率がともに高い、より良好な発泡体が得られる。
ここで、本明細書において、(a)ポリプロピレン系樹脂の発泡適正温度範囲とは、(a)ポリプロピレン系樹脂として用いる樹脂ごとに決まり、例えば、(a)ポリプロピレン系樹脂の融点−20〜+10℃の温度範囲をいう。
(c)スチレン系熱可塑性エラストマーにおいて、(c)成分全体に対するスチレンの含量量は、40〜85質量%であることが好ましく、45〜80質量%であることがより好ましく、50〜75質量%であることがさらに好ましい。この範囲であれば、(a)成分相と(b)成分相との界面に(c)成分が存在しやすくなり、(c)成分による相溶化効果が充分に期待できる。
(c)スチレン系熱可塑性エラストマーには、ポリブタジエンブロックが含まれることが好ましい。この場合の(c)成分中のポリブタジエンブロックに占める1,2結合型ポリブタジエン含量は、ポリブタジエン全量に対して、30〜80質量%であることが好ましく、40〜75質量%であることがより好ましく、45〜70質量%であることがさらに好ましい。この範囲であれば、(a)成分相と(b)成分相との界面に、より(c)成分が存在しやすくなり、(c)成分による相溶化効果が充分に期待できる。
また、(c)成分中のポリブタジエンブロックは、ポリブタジエンの二重結合の水素添加率が好ましくは40%以上、より好ましくは70%以上のものである。この範囲であれば、(a)成分相と(b)成分相との界面に、より(c)成分が存在しやすくなり、(c)成分による相溶化効果が充分に期待できる。
また、(c)成分としては、重量平均分子量が3万〜10万であるものが好ましい。
(c)成分のMFR(測定条件は上述のとおり)は、好ましくは0.1〜50g/10分であり、より好ましくは0.3〜20g/10分であり、さらに好ましくは、0.5〜10g/10分である。この範囲であれば、充分な相溶化効果が期待できる。
(c)成分としては、水素添加スチレン−エチレン−ブチレンブロック共重合体(SEBS)や、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBS)、溶液重合スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、変性溶液重合スチレン−ブタジエンゴム(変性SBR)などが挙げられるが、これらの中でもSEBSが特に好ましい。
発泡体用樹脂組成物に含まれる(a)成分と(b)成分の組成比は、質量比で、90:10〜60:40である。(a)成分の質量比が90%を超えると発泡性が低下し、逆に60%未満では充分な圧縮回復性が得られない。剛性を高める場合は、(b)成分の組成比を多くし、圧縮回復性を重視する場合には(a)成分の比率を増やす調整が可能であるが、剛性と圧縮回復性のバランスから、より好ましい(a)成分と(b)成分の組成比は、質量比で、85:15〜65:25である。また、発泡体用樹脂組成物は、(a)成分及び(b)成分以外の樹脂を含んでいてもよい。
発泡体用樹脂組成物中の(c)成分の含有量は、(a)成分と(b)成分の合計量100質量部に対して、1〜10質量部であり、好ましくは2〜8質量部、より好ましくは3〜6質量部である。1質量部未満では、相溶化効果が不充分となる。また、10質量部を超えると押出機内の粘度が低下してダイ内発泡が生じ良好な発泡体が得られなくなる。たとえ発泡体が得られたとしても、充分な剛性が得られず、また経済的でない。
本発明の押出発泡ボードは、上記発泡体用樹脂組成物に発泡剤を添加して発泡させて得ることができる。発泡剤としては、例えば、二酸化炭素、炭化水素を利用でき、この炭化水素の具体例としてはプロパン、ブタン、ペンタン、ペンテン、ヘキセンなどが挙げられる。また、これらの発泡剤を2種類以上混合して用いても良い。
また、発泡剤の種類には、物理発泡剤と化学発泡剤があり、いずれも好ましく利用可能である。発泡剤を上記発泡体用樹脂組成物に添加する方法としては、物理発泡剤の場合には、高圧下で発泡剤を液化ガスや超臨界流体として押出機内の樹脂と溶解混練させる方法、化学発泡剤の場合は発泡剤と樹脂とを混合して押出し、押出機内で熱分解により発泡させ、樹脂に溶解混練させる方法などが挙げられる。
発泡剤の添加量は、発泡体用樹脂組成物100質量部当たり5〜50質量部の範囲が望ましく、さらに好ましくは7〜30質量部の範囲である。5質量部以上とすることで高倍率の発泡体を得られやすくなり、また30質量部以下とすることで、発泡体用樹脂組成物と発泡剤の分離が起こりにくく、適度な発泡が得られる。
上記発泡体用樹脂組成物に、必要に応じて、一般に使用されているガス透過調整剤を加えてもよい。このガス透過調整剤としては、例えば、パルチミン酸グリセリド、ステアリン酸グリセリド等の脂肪酸グリセリド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリルステアリン酸アミド等のアルキル脂肪酸アミド等が挙げられる。これらのガス透過調整剤は単独で用いるほか、適宜混合して用いることができる。これらのガス透過調整剤を使用することにより発泡剤の流出速度と大気中の空気の流入速度を調整し、発泡体の体積変化を抑え安定させることができる。
上記発泡体用樹脂組成物に、必要に応じて、通常使用される気泡核形成剤を含ませることができる。この気泡核形成剤としては、例えばタルク、酸化ケイ素のような無機質微粉末、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムのような有機質微粉末やクエン酸、炭酸水素ナトリウムのような加熱によりガスを発生しうる微粉末などが用いられる。その他、必要に応じて、炭酸カルシウム、タルク、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ、ウィスカー、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化アンモニウム、酸化アンチモン等の無機充填剤、カーボンブラック、カーボン繊維等の有機充填剤、及び酸化防止剤、顔料、難燃材、帯電防止剤、滑剤、紫外線吸収剤等の任意の添加剤を含むことができる。充填剤、添加剤の種類はプラスチックの配合に一般的に用いられているものであれば特に制限はない。
本発明の押出発泡ボードは、押出発泡法により製造される。押出発泡法とは、押出機内で上記発泡体用樹脂組成物及び発泡剤を加圧下で溶融混練した後、適正な発泡温度まで冷却して得られた発泡性溶融混合物を押出機先端に取り付けたダイスを通して大気圧下に押出して発泡させることによるものである。
上記押出発泡ボードには、必要に応じて、大気圧下に押出して発泡させた後、針状の治具を発泡体に突き刺す穿孔処理を施してもよい。穿孔処理を行うことにより、発泡剤と大気中空気との置換を促進することができる。
上記押出発泡ボードの厚みは、好ましくは10mm以上、より好ましくは25mm以上、さらに好ましくは40mm以上である。ここで、本明細書において、押出発泡ボードの厚みとは、加圧下で溶融混練した発泡体用樹脂組成物を、矩形のダイスを通して大気圧下に押出した際、押出方向と鉛直な面の短辺を厚みとする。また、長辺を幅とし、ダイスから押出した後にプレートやロールなどの成形装置により厚みと幅を調整してもよい。
上記押出発泡ボードの独立気泡率は、穿孔による孔の部分を除いて、好ましくは60〜100%、より好ましくは70〜100%、さらに好ましくは80〜100%である。独立気泡率が70%以上であると、緩衝包装材として充分な緩衝性能を発揮することができるとともに、発泡体内へ水が浸入しにくいため吸水率を低くすることができる。
上記押出発泡ボードの発泡倍率は、好ましくは2〜100cc/g、より好ましくは25〜100cc/gである。発泡倍率が2〜100cc/gであると、断熱材、浮き材、緩衝包装材用途として好適に使用できる。なお、本明細書において、発泡倍率とは、発泡体の体積を重量で除した値(cc/g)を意味する。
上記押出発泡ボードのセルサイズは、好ましくは0.01mm〜5.0mm、より好ましくは0.1mm〜3.0mmである。断熱材用途においては、セルサイズは小さいほど断熱性能はよく、また、セルサイズが大きいと水と接触した場合にセル開口面への水の浸入が発生し、吸水率の増加につながる。
次に、実施例及び比較例によって本発明を説明する。
各実施例及び比較例には、原料樹脂として以下のものを用いた。
(1)ポリプロピレン系樹脂
PP−1:ランダムポリプロピレン、密度0.90g/cm、融点150℃
PP−2:ホモポリプロピレン、密度0.90g/cm、融点160℃
(2)非晶性樹脂
SMAA:メタクリル酸−スチレン共重合体、密度1.07g/cm、Tg125℃
GPPS:ポリスチレン、密度1.05g/cm、Tg100℃
PPE:ポリフェニレンエーテル、密度1.04g/cm、Tg210℃
(3)スチレン系熱可塑性エラストマー
SEBS−1:スチレン含有量67%、密度0.97g/cm
SEBS−2:スチレン含有量12%、密度0.89g/cm
以下の実施例1〜4及び比較例1〜3において、上述の各成分を表1に示した混合比で混合して発泡体を製造した。得られた発泡体は、40℃の環境下にてエージングを行い、発泡体内の発泡剤が逸散し、充分空気に置換された後に以下の評価を行った。
[1]独立気泡率
ASTM−D2856に記載されているエアーピクノメーター法(東京サイエンス(株)製、空気比較式比重計1000型使用)により測定し、n=5の平均で算出した。
[2]発泡倍率
発泡体の重量W(g)を測定した後、水没法で体積V(cc)を測定し、その体積を重量で除した値を発泡倍率(cc/g)とした。
[3]発泡体の耐加熱クリープ特性(耐熱性)
試験温度を130℃に変更した以外はJIS K6767に記載されている圧縮クリープ法に準じて測定を行った。試験荷重は0.05kgf/cmとし、試験開始24時間後の歪率C(%)を下記数式(1)により算出し、その値を基に耐加熱クリープを以下の基準で評価した。
C(%)=(t0−t1)/t0×100 (1)
[t0:試験片の初めの厚さ(mm)、t1:試験片の24時間後の厚さ(mm)]
ここで、Cは10%未満であることが好ましく、5%未満であることがより好ましい。この範囲であれば、良好な耐加熱クリープ特性が期待できる。
[4]発泡体の断面サイズ
得られた押出発泡ボードの厚みをノギスで、幅を巻尺で寸法測定した。
[5]発泡体の密度
発泡体の重量W(kg)を測定した後、水没法で体積V(m)を測定し、その重量を体積で除した値を発泡体の密度(kg/m)とした。
[実施例1]
65mmのバレル内径を有するスクリュー型押出機の供給領域に50kg/時の速度で、ポリプロピレン系樹脂PP−1と非晶性樹脂SMAAを質量比で70/30の割合で混合した樹脂を供給し、同時にこの混合樹脂100質量部に対し、スチレン系熱可塑性エラストマーSEBS−1を5質量部と気泡調整剤としてタルク0.2質量部とガス透過調整剤としてグリセリン脂肪酸エステル(ステアリン酸モノグリセリドとパルミチン酸モノグリセリドの混合物)1.0質量部をともに供給した。押出機のバレル温度を180℃〜230℃に調整し、押出機の先端に取り付けた発泡剤注入口から発泡剤としてノルマルブタンをこの樹脂100質量部に対し13質量部を圧入し、当該溶融樹脂組成物と混合して発泡性溶融混合物とした。
この発泡性溶融混合物を押出機の出口に取り付けた冷却装置で発泡温度148℃程度まで冷却した後、約2.6mmの平均厚みと約50mm幅の開口部形状を有するオリフィス形状のダイスより、常温、大気圧下の雰囲気中に連続的に押出して発泡させ、直後に上下からロール又はプレートで挟み成形することにより、厚み45mm、幅130mm、セルサイズ1.0mm、発泡倍率48cc/g、独立気泡率85%、加熱クリープ5%の良好な板状樹脂発泡体を得た。
[実施例2]
PP−1をPP−2に変更し、発泡温度を155℃程度に変更をしたほかは、実施例1と同様の方法で、厚み40mm、幅145mm、発泡倍率40cc/g、独立気泡率73%、加熱クリープ4%の良好な板状樹脂発泡体を得た。
[実施例3]
SMAAをGPPS/PPE=75/25の混合物(GPPSとPPEは完全相溶であり、この場合のTgは127.5℃であった)に変更し、PP−1と上記混合物の質量比を80/20に変更したほかは、実施例1と同様の方法で、厚み40mm、幅135mm、発泡倍率42cc/g、独立気泡率75%、加熱クリープ4%の良好な板状樹脂発泡体を得た。
[実施例4]
SEBS−1をSEBS−2に変更したほかは、実施例1と同様の方法で、厚み35mm、幅125mm、発泡倍率40cc/g、独立気泡率64%、加熱クリープ9%の良好な板状樹脂発泡体を得た。
[比較例1]
SMAAとSEBS−1の添加量を0質量部に変更したほかは、実施例1と同様の方法で、厚み10mm、幅88mm、発泡倍率12cc/g、独立気泡率5%の板状樹脂発泡体を得た。得られた発泡体は正常な発泡をしておらず、加熱クリープは測定できなかった。
[比較例2]
PP−1とSMAAの質量比を75/25に変更し、SEBS−1の添加量を0質量部に変更したほかは、実施例1と同様の方法で、厚み25mm、幅115mm、発泡倍率18cc/g、独立気泡率10%、加熱クリープ25%の板状樹脂発泡体を得た。
[比較例3]
SMAAをGPPSに変更し、PP−2とGPPSの質量比を80/20に変更したほかは、実施例2と同様の方法で厚み25mm、幅105mm、発泡倍率15cc/g、独立気泡率45%、加熱クリープ13%の板状樹脂発泡体を得た。
Figure 0005456421
本発明の押出発泡ボードは、独立気泡率及び発泡倍率が高く、かつ高い耐加熱クリープ特性を有しており、高性能の緩衝材や断熱材、例えば、工業製品等の緩衝包装材、住宅等の断熱材、ビート板やボディボート等のスポーツ用具芯材、フロート等の浮き材などに利用することができる。

Claims (3)

  1. (a)ポリプロピレン系樹脂、(b)ガラス転移温度が115℃以上の非晶性樹脂、及び(c)スチレン系熱可塑性エラストマーを含み、前記(a)成分と前記(b)成分との質量比が90:10〜60:40であり、かつ前記(a)成分と前記(b)成分との合計100質量部に対して前記(c)成分が1〜10質量部であり、かつ前記(a)成分の融点から前記(b)成分のガラス転移温度を引いた値が0〜45℃である発泡体用樹脂組成物を発泡させてなる押出発泡ボード。
  2. 前記(c)成分は、前記(c)成分全体に対するスチレンの含有量が40〜85質量%である、請求項1に記載の押出発泡ボード。
  3. 発泡倍率が2〜100cc/gであり、厚みが10mm以上である、請求項1又は2に記載の押出発泡ボード。
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