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JP2008144025A - スチレン系樹脂発泡シートの製造方法 - Google Patents

スチレン系樹脂発泡シートの製造方法 Download PDF

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JP2008144025A
JP2008144025A JP2006332212A JP2006332212A JP2008144025A JP 2008144025 A JP2008144025 A JP 2008144025A JP 2006332212 A JP2006332212 A JP 2006332212A JP 2006332212 A JP2006332212 A JP 2006332212A JP 2008144025 A JP2008144025 A JP 2008144025A
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Kohei Nishino
広平 西野
Tetsuya Niimura
哲也 新村
Nobuo Kanazawa
信夫 金沢
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Denka Polymer KK
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Denki Kagaku Kogyo KK
Denka Polymer KK
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Abstract

【課題】従来に比べ大幅に軽量化することが可能であり、二次成形性が良好でかつ強度及び外観にも優れるスチレン系樹脂発泡シートを製造することができるスチレン系樹脂発泡シートの製造方法を提供する。
【解決手段】メタクリル酸単位含有量が0.2〜4.0質量%であるスチレン−メタクリル酸共重合体を含有する樹脂組成物に対して、0.005〜0.8質量%のエポキシ化大豆油およびエポキシ化アマニ油から選ばれる少なくとも一方と、0〜0.5質量%の高級脂肪酸金属塩を添加し、次いで加熱溶融し、次いで押し出す。
【選択図】なし

Description

本発明は、スチレン系樹脂発泡シートの製造方法、該方法により製造されたスチレン系樹脂発泡シート、及び該スチレン系樹脂発泡シートを成形してなる食品包装用容器に関わる。
スチレン系樹脂の押出発泡シートは、緩衝性や熱遮断性などの特徴を活かして、食料品トレー、弁当箱、即席麺容器、カップ等に広く成形されており、主にコスト削減の観点より、軽量化とともに成形時の生産性の向上が求められている。かかる押出発泡シートは、一般に押出機を用い、スチレン系樹脂にタルクや炭酸カルシウムなどの核剤を溶融・混合し、発泡剤を圧入したのち、サーキュラー・ダイスより押出発泡することによって製造されている。
スチレン系樹脂発泡シートの軽量化、つまり、発泡倍率を高くするには、発泡シート押出の際に添加する発泡剤の添加量を増やす必要がある。しかしながら、発泡剤の添加量が増えると発泡剤の可塑化効果により押出機内の樹脂粘度が低下し、押出機先端にあるダイス内の圧力が低下し、ダイス内で発泡が生じてしまい、外観が悪化する問題がある。そのため、軽量化に対しては、高粘度化のためにより分子量の高い材料が要求されるが、従来の技術では経済的に生産できる分子量に限界がある。また、分子量が高くなればなるほど、押出機での熱劣化による分子量低下の度合いが大きくなり効率が悪化する。
さらに、軽量化を行うと発泡シートを構成する樹脂量が減少するため、シート及び成形品の強度が低下し、また、シートから成形品に二次成形する際に亀裂や破れが発生し易くなる問題がある。
この改善策として、重合開始剤として特定の化学構造を有する有機過酸化物を用いてスチレン系単量体を重合したポリスチレン樹脂を成形材料に使用する方法(特許文献1〜3参照)が提案されているが、軽量化と二次成形性及び強度、外観のバランスは十分ではなく、軽量化にも限界が見られた。
特開2003−49033号公報 特開平6−279612号公報 特開平11−246624号公報
本発明は、従来に比べ大幅に軽量化することが可能であり、二次成形性が良好でかつ強度及び外観にも優れるスチレン系樹脂発泡シートを製造することができるスチレン系樹脂発泡シートの製造方法、該方法により製造されたスチレン系樹脂発泡シート及び該スチレン系樹脂発泡シートを成形してなる食品包装用容器を提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するため、鋭意研究を進めたところ、スチレン−メタクリル酸共重合体を含有する樹脂組成物に対して、エポキシ化大豆油およびエポキシ化アマニ油の少なくとも一方を添加し、次いで、加熱溶融し、次いで押し出しすることで、スチレン系樹脂発泡シートの軽量化が可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のスチレン系樹脂発泡シートの製造方法は、メタクリル酸単位含有量が0.2〜4.0質量%であるスチレン−メタクリル酸共重合体を含有する樹脂組成物に対して、0.005〜0.8質量%のエポキシ化大豆油およびエポキシ化アマニ油から選ばれる少なくとも一方と、0〜0.5質量%の高級脂肪酸金属塩を添加し、次いで加熱溶融し、次いで押し出すことを特徴とする。
本発明の製造方法によれば、スチレン系樹脂発泡シートの押し出し時に、分子量を増大することが可能となる。その結果、発泡倍率を大きくするために発泡剤の添加量を増やしても押出機先端にあるダイス内の圧力をダイス内発泡しないレベルに保つことができ、従来と同等の外観で軽量化が可能となる。また、分子量の増大により、強度の低下を抑えることができる。また、特に高分子量側の成分(Z平均分子量)を増大させることが可能なため、二次成形性も良好となる。
本発明のスチレン系樹脂発泡シートは、従来に比べ大幅に軽量化され、しかも強度・外観に優れ、経済的にも優れる。また、二次成形性も良好であるため、食品包装容器等を成形する際の生産性向上も可能となる。
まず、本発明の製造方法について説明する。
本発明の製造方法で用いる樹脂組成物は、スチレン−メタクリル酸共重合体を含有する。
スチレン−メタクリル酸共重合体のメタクリル酸単位の含有量は、0.2〜4.0質量%であり、好ましくは0.5〜2.0質量%、さらに好ましくは0.7〜1.5質量%である。0.2質量%未満であると、押出機内での分子量増大効果が小さく、発泡シートの軽量化が困難となる。また、4質量%を超えると、スチレンの単独重合体であるポリスチレンとの相溶性が悪化する。そのため、従来のポリスチレンを主成分とするスチレン系樹脂発泡シートとリターン材(シートの抜きカス等)を回収できないという問題が生じる。なお、メタクリル酸単位の含有量は、中和滴定により測定できる。
スチレン−メタクリル酸共重合体の200℃、49N荷重の条件にて測定したメルトマスフローレート(MFR)は、好ましくは0.5〜3.0g/10分であり、更に好ましくは1.0〜2.0g/10分である。0.5g/10分未満であると、スチレン−メタクリル酸共重合体を経済的に生産することが困難となる可能性があり、3.0g/10分を超えると樹脂粘度の不足により、発泡シートの軽量化が困難となる可能性がある。尚、メルトマスフローレートは、JIS K−7210に基づき測定することができる。
スチレン−メタクリル酸共重合体の分子量については特に制限はないが、発泡シートの分子量が後述する範囲となるように、設定することが好ましい。
スチレン−メタクリル酸共重合体には、共重合体の特性を損なわない範囲で、スチレンとメタクリル酸以外の重合可能な単量体が少量含有されていても良い。
スチレン−メタクリル酸共重合体の重合方法としては、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法等、公知のスチレン重合方法が挙げられる。また、溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、エチルベンゼン及びキシレン等のアルキルベンゼン類やアセトンやメチルエチルケトン等のケトン類、ヘキサンやシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素等が使用できる。
スチレン−メタクリル酸共重合体の重合に際して、必要に応じて重合開始剤、連鎖移動剤を使用することができる。重合開始剤として、有機化酸化物、例えば過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシベンゾネート、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、ポリエーテルテトラキス(t−ブチルパーオキシカーボネート)、エチル−3,3−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブチレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等が挙げられる。連鎖移動剤としては、例えば、脂肪族メルカプタン、芳香族メルカプタン、ペンタフェニルエタン、α−メチルスチレンダイマー及びテルピノーレン等を使用できる。
スチレン−メタクリル酸共重合体含有樹脂組成物には、ポリスチレンを0〜70質量%含有することができる。また、その他必要に応じてゴム質を含有する成分としてHI−PS樹脂、MBS樹脂等のゴム強化芳香族ビニル系樹脂やSBS等の芳香族ビニル系熱可塑性エラストマーが数%程度含有されていても良い。この場合、スチレン−メタクリル酸共重合体含有樹脂組成物中におけるスチレン−メタクリル酸共重合体のメタクリル酸単位の含有量が、上記理由により0.2質量%以上となるようにすることが好ましい。
本発明の製造方法では、上記スチレン−メタクリル酸共重合体含有樹脂組成物に、エポキシ化大豆油およびエポキシ化アマニ油から選ばれる少なくとも一方を添加する。
エポキシ化大豆油とエポキシ化アマニ油は、単独あるいは併用して添加され、その添加量はスチレン−メタクリル酸共重合体含有樹脂組成物に対して、0.005〜0.8質量%、好ましくは0.01〜0.5質量%、より好ましくは0.05〜0.3質量%である。0.005質量%未満の添加量であると、分子量の増大効果が十分でなく、発泡シートの軽量化は困難となる。0.8質量%を超える添加量であると、ゲル状物質が生成し外観が悪化する。
エポキシ化大豆油やエポキシ化アマニ油の添加方法について、特に制限は無く、直接単独で押出機の供給孔に添加しても良いし、スチレン−メタクリル酸共重合体含有樹脂組成物と共に添加することもできる。また、スチレンの単独重合体であるポリスチレン等を基材としたマスターバッチを作成して、そのマスターバッチを用いて供給することもできる。また、あらかじめエポキシ化大豆油やエポキシ化アマニ油を配合したゴム強化スチレン系樹脂やスチレン系熱可塑性エラストマーを用いて供給することもできる。
本発明の製造方法では、エポキシ化大豆油やエポキシ化アマニ油とスチレン−メタクリル酸共重合体との反応を促進するために、高級脂肪酸金属塩を併用することができる。添加量は、スチレン−メタクリル酸共重合体含有樹脂組成物に対して、0〜0.5質量%であり、好ましくは0.02〜0.2質量%である。0.5質量%を超える添加量であると、ダイスに汚れが発生し易く好ましくない。
高級脂肪酸金属塩としては、炭素数8〜22の高級脂肪酸亜鉛、高級脂肪酸マグネシウム、高級脂肪酸カルシウム、高級脂肪酸リチウム、高級脂肪酸アルミニウム等が挙げられる。エポキシ化大豆油やエポキシ化アマニ油とスチレン−メタクリル酸共重合体との反応を促進する効果の高い高級脂肪酸亜鉛と高級脂肪酸マグネシムが特に好ましい。
高級脂肪酸金属塩の添加方法について、特に制限は無く、直接単独で押出機の供給孔に添加しても良いし、スチレン−メタクリル酸共重合体含有樹脂組成物と共に添加することもできる。また、スチレンの単独重合体であるポリスチレン等を基材としたマスターバッチを作成して、そのマスターバッチを用いて供給することもできる。また、あらかじめ高級脂肪酸金属塩を配合したゴム強化スチレン系樹脂やスチレン系熱可塑性エラストマーを用いて供給することもできる。
但し、高級脂肪酸金属塩をエポキシ化大豆油やエポキシ化アマニ油とあらかじめ一緒に配合したマスターバッチを用いて押出機に供給した場合、エポキシ化大豆油やエポキシ化アマニ油の分子量増大効果が乏しくなる場合があるので、高級脂肪酸金属塩とエポキシ化大豆油やエポキシ化アマニ油は、あらかじめ一緒に熱履歴をかけない方が好ましい。
本発明の製造方法では、エポキシ化大豆油等を添加した後、加熱溶融し、次いで押し出すことで発泡シートを製造する。
本発明の製造方法では、発泡剤として、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロブタン、シクロペンタン等の環式脂肪族炭化水素、トリクロロフロロメタン、ジクロロジフロロメタン、1,1−ジフルオロエタン、1,1−ジフルオロ−1−クロロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、メチルクロライド、エチルクロライド、メチレンクロライド等のハロゲン化炭化水素などの物理的発泡剤を使用することができる。また、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾビスイソブチロニトリル、重炭酸ナトリウム、クエン酸等の分解型発泡剤、二酸化炭素、窒素等の無機ガスや水を使用することもできる。これらの発泡剤を適宜混合して使用できるが、工業的にはブタンが使用されることが多く、発泡押出性や発泡シートの二次成形性、発泡剤の保持性の観点から、イソブタンとノルマルブタンからなる混合ブタンを用いることが好ましい。発泡剤の添加量は、通常、押出機に供給される樹脂組成物に対して、1〜10質量%である。
発泡用の核剤としては、タルク、炭酸カルシウム、クレー等の無機物粉末が挙げられ、単独あるいは混合物を用いることができる。気泡径を小さくする効果が大きく、安価という点でタルクが最も好ましい。核剤の添加方法は特に制限は無く、直接押出機の供給孔に添加しても良いし、スチレン−メタクリル酸共重合体含有樹脂組成物と共に添加することもできる。また、スチレンの単独重合体であるポリスチレン等を基材としたマスターバッチを作成して、そのマスターバッチを用いて供給することもできる。核剤の添加量は、通常、押出機に供給される樹脂組成物に対して、0.1〜5質量%である。
なお、核剤含有マスターバッチ中に高級脂肪酸金属塩をあらかじめ配合しておいても良い。また、エチレンビスステアリルアミド等の滑剤、流動パラフィンやシリコーンオイル等の展着剤、その他界面活性剤、帯電防止剤、酸化防止剤、可塑剤、耐光剤、顔料等が含まれていても良い。
本発明の製造方法に用いられる製造装置としては、公知の押し出し発泡シート製造装置が好適である。すなわち、単軸押出機や二軸押出機等の公知の溶融混錬装置を単独あるいは2機以上直列にして用いることができる。反応を十分進めるための滞留時間という観点から、押出機を2機以上直列に用いることが好ましい。具体的には、1機目の押出機で加熱溶融した樹脂組成物に対して発泡剤を圧入して混合し、2機目の押出機で冷却により樹脂温度を120〜180℃に調整した後、サーキュラー・ダイスより空気中に発泡シートを押し出す方法が好ましい。発泡シートの厚みは、ダイスの構造など設備構造や樹脂の処理流量、シートの引取速度等の運転条件により、調整することができる。また、発泡シートの密度は、発泡剤の添加量等により調整することができる。
本発明の製造方法では、発泡剤を圧入するまでの1機目の押出機シリンダーの設定温度が重要であり、200〜270℃に設定するのが好ましく、さらに好ましくは220〜250℃である。200℃より低いと反応が十分に進まず、分子量増大効果が小さくなってしまい、スチレン系樹脂発泡シートの軽量化が困難となる可能性がある。また、270℃より高いと、2機目の押出機での冷却が困難になり、樹脂温度を十分に下げることができず、ダイス内発泡してしまう可能性がある。
次に、本発明のスチレン系樹脂発泡シートについて説明する。
本発明の発泡シートは、上記本発明の製造方法によって製造される。
本発明の発泡シートの厚さは1〜3mmである。シートの厚さが1mm未満の場合、発泡シートを二次成形して得られる容器の強度や断熱性が低下する。3mmを超える場合は、発泡シートの内部と外部に温度ムラが発生しやすく、金型の形状を再現した容器を得ることができない。発泡シートの厚さは、ダイヤルゲージやマイクロメータを使用して測定することができ、発泡シートを垂直に切断し、断面を顕微鏡等で観察することで厚さを測定することもできる。
本発明の発泡シートの密度は50〜80kg/m3であり、好ましくは60〜70kg/cm3である。発泡シートの密度が50kg/m3未満では、二次成形後の容器の剛性が不足し、80kg/m3を超えると容器を軽量化できない。発泡シートの密度D(kg/cm3)は、発泡シートの坪量S(g/m2)と厚さT(mm)より、D=S/Tで算出することができる。
また、発泡シートのポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が30万〜55万、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比(Mz/Mw)が2.1〜4.0であることが好ましい。重量平均分子量(Mw)が30万未満で、Mz/Mwが2.1未満では、発泡シート及び成形品の強度が不足し、スチレン系樹脂発泡シートを二次成形する際に亀裂や破れが発生し易くなる。重量平均分子量(Mw)が55万を超えるとゲル状物質が生成し外観が悪化する可能性がある。重量平均分子量(Mw)及びZ平均分子量(Mz)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、測定することができる。
本発明の発泡シートは、加熱され、二次発泡と同時に成形されることで、種々の形状に二次成形され、食料品トレー、弁当箱、即席麺容器、カップ等の食品包装容器に広く用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<重合体の製造>
まず、重合体の製造に用いた重合開始剤を以下に示す。
重合開始剤1:2,2−ビス(4,4−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン(日本油脂株式会社製、パーテトラA)
重合開始剤2:1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日本油脂株式会社製、パーヘキサC)
(1)重合体T1
完全混合型撹拌槽である第1反応器と第2反応器及び静的混合器付プラグフロー型反応器である第3反応器を直列に接続して重合工程を構成した。各反応器の容量は、第1反応器を39リットル、第2反応器を39リットル、第3反応器を16リットルとした。
スチレン90.2質量%、エチルベンゼン9.0質量%、メタクリル酸0.8質量%の混合溶液を作成し、スチレンとメタクリル酸の合計量に対して重合開始剤1を質量基準で200ppm混合し、原料溶液とした。
この原料溶液を毎時13.5kgの割合で第1反応器へ連続的に供給した。各反応器の反応温度は、第1反応器で120℃、第2反応器で125℃、第3反応器では、流れの方向に沿って温度勾配をつけ、中間部分で135℃、出口部分で140℃となるよう調整した。
続いて、第3反応器より連続的に取り出した重合体を含む溶液を直列に2段より構成される予熱器付き真空脱揮槽に導入し、未反応スチレン及びエチルベンゼンを分離した後、ストランド状に押し出しして冷却した後、切断してペレットとした。なお、1段目の予熱器の温度は200℃に設定し、真空脱揮槽の圧力は6.67×104Pa(500torr)とし、2段目の予熱器の温度は250℃に設定し、真空脱揮槽の圧力は6.67×102Pa(5torr)とした。
得られた重合体T1の特性を下記方法で評価した。結果を表1に示す。
a)メルトマスフローレート
200℃、49N荷重の条件によるメルトマスフローレートを、JIS K−7210に基づき測定した。
b)メタクリル酸含有量
室温にて、重合体0.5gを秤量し、トルエン/エタノール=8/2(体積比)の混合溶液に溶解後、水酸化カリウム0.1mol/Lエタノール溶液にて中和滴定を行い、終点を検出し、水酸化カリウムエタノール溶液の使用量より、メタクリル酸の質量基準の含有量を算出する。なお、電位差自動滴定装置(京都電子工業株式会社製、AT−510)により測定を行った。
c)分子量
数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及びZ平均分子量(Mz)を、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、次の条件で測定した。なお、各分子量は、単分散ポリスチレンの溶出曲線より各溶出時間における分子量を算出し、ポリスチレン換算の分子量として算出したものである。
GPC機種:昭和電工株式会社製Shodex GPC−101
カラム:ポリマーラボラトリーズ社製 PLgel 10μm MIXED−B、300×7.5mm
移動相:テトラヒドロフラン 1.0ml/min
試料濃度:0.2質量%
温度:オーブン40℃、注入口35℃、検出器35℃
検出器:示差屈折計
(2)重合体T2〜T6,G1
表1に示す反応条件とした以外は、重合体T1と同様にして、重合体T2〜T6,G1を製造した。得られた重合体の特性を表1に示す。
Figure 2008144025
<マスターバッチの製造>
(1)エポキシ化大豆油マスターバッチ(ESO4%MB)
重合体G1とエポキシ化大豆油(日本油脂株式会社製、ニューサイザー510R)を96/4(質量比)で良く混合した後、二軸押出機(東芝機械社製、TEM26SS)を用いて、スクリュー回転数300rpm、バレル温度220℃、吐出量30kg/hrの条件にて、溶融混錬して、ペレット化した。
(2)エポキシ化アマニ油マスターバッチ(ELO4%MB)
重合体G1とエポキシ化アマニ油(日本油脂株式会社製、ニューサイザー512)を96/4(質量比)で良く混合した後、二軸押出機(東芝機械社製、TEM26SS)を用いて、スクリュー回転数300rpm、シリンダー温度220℃、吐出量30kg/hrの条件にて、溶融混錬して、ペレット化した。
(3)タルクマスターバッチ(タルクMB−A)
重合体G1、タルク(キハラ化成株式会社製、SP−GPSS)、ステアリン酸マグネシウム、流動パラフィンを50/45/3/2(質量比)でタンブラーにて5分間混合した。混合した組成物を押出機(長田製作所製、OCM100)を用いて、ニーダー回転数250rpm、ニーダーシリンダー温度150〜180℃、ルーダー回転数60rpm、ルーダーシリンダー温度180℃、吐出量約400kg/hrの条件にて、溶融混錬して、ペレット化した。
(4)タルクマスターバッチ(タルクMB−B)
重合体G1、タルク(キハラ化成株式会社製、SP−GPSS)、ステアリン酸マグネシウム、流動パラフィンを52/45/1/2(質量比)でタンブラーにて5分間混合した。混合した組成物を押出機(長田製作所製、OCM100)を用いて、ニーダー回転数250rpm、ニーダーシリンダー温度150〜180℃、ルーダー回転数60rpm、ルーダーシリンダー温度180℃、吐出量約400kg/hrの条件にて、溶融混錬して、ペレット化した。
(5)タルクマスターバッチ(タルクMB−C)
重合体G1、タルク(キハラ化成株式会社製、SP−GPSS)、流動パラフィンを53/45/2(質量比)でタンブラーにて5分間混合した。混合した組成物を押出機(長田製作所製、OCM100)を用いて、ニーダー回転数250rpm、ニーダーシリンダー温度150〜180℃、ルーダー回転数60rpm、ルーダーシリンダー温度180℃、吐出量約400kg/hrの条件にて、溶融混錬して、ペレット化した。
<実施例1>
重合体T1:93.0質量%とESO4%MB:5.0質量%、タルクMB:2.0質量%からなる組成物(重合体T1に対して、エポキシ化大豆油0.2質量%、ステアリン酸マグネシウム0.06質量%)を115mm径単軸押出機(シリンダー温度230℃)に150kg/時間で供給し、溶融混合した後、発泡剤としてイソブタンとノルマルブタンからなる60/40(質量比)の混合ブタンを押出機に供給される樹脂組成物に対して約5質量%圧入した。その後、180mm径単軸押出機に移送して、押出機出口の樹脂温度を150℃まで冷却後、サーキュラー・ダイスより押出して発泡させた。
得られた発泡シートの特性を下記方法で評価した。結果を表2に示す。
(1)厚さ
発泡シートの厚さは、ダイヤルゲージで試料が変形しないように注意して測定した。
(2)密度
発泡シートの密度D(kg/cm3)は、発泡シートの坪量S(g/m2)と厚さT(mm)より、D=S/Tで算出した。坪量S(g/m2)は、発泡シートを縦10cm、横10cmに切断し、発泡シートの面積100cm2当たりの質量を測定することで算出した。
(3)分子量
上記重合体の分子量測定方法と同様の方法で、発泡シートの重量平均分子量(Mw)及びZ平均分子量(Mz)を測定した。
(4)表面状態
発泡シートの外観を目視にて観察し、その外観を○:外観良好、△:外観やや不良、×:外観不良の3段階で評価した。
(5)引張試験
発泡シートより、SD型レバー式試料裁断機(株式会社ダンベル製、SDL−200)及びスーパーダンベルカッター(株式会社ダンベル製、SDK−600−D)を用いて、引張試験用のサンプルを作成した。試験片は、JIS K−6732号に準拠するものであり、平行部分の幅が10mm、平行部分の長さが40mm、掴み部分の幅が25mm、全長120mmのダンベル形である。なお、引張試験の引張方向が、シートの流れ方向(MD)と垂直方向(TD)になるよう2種類の試験片を作成した。
室温にて、引張試験機に、得られた試験片をチャック間(掴み具間)の距離が70mmとなるようにセットし、引張速度5mm/分で引張試験を行い、試験片が破断したときの荷重及び変位を測定し、引張破壊強さ(MPa)と破壊までの変位(mm)を求めた。なお、5個の試験片を用いて試験を行い、平均値を求めて試験結果とした。
(3)二次成形性
発泡シートを真空成形機により、ヒーター温度260℃で所定の時間加熱し、軟化、二次発泡させた後、直ちに真空成形を行い、内径100mm、深さ50mmの円形丼状容器を得た。
容器内面の亀裂の発生状態を観察し、成形容器100個の内、亀裂が観察される容器の数が0個の場合を◎、5個未満の場合を○、5個以上10個未満の場合を△、10個以上の場合を×として、二次成形性(深絞り性)を評価した。
<実施例2〜12、比較例1〜8>
表2,3に示す配合とした以外は実施例1と同様として、発泡シートを製造した。得られた発泡シートの特性を表2,3に示す。
尚、比較例3では、発泡シートを製造しようとしたところ、ゲル状物質が多量に発生し、発泡シートの引き取りが困難になり、製造不可であった。
Figure 2008144025
Figure 2008144025
表2,3に示すように、本発明の製造方法によるスチレン系樹脂発泡シートは、密度が低く軽量化されており、かつ、シート外観に優れ、二次成形性に優れている。また、発泡シートの引張試験結果より、試験片が破壊するまでの変位が大きく、強度的にも優れている。

Claims (6)

  1. メタクリル酸単位含有量が0.2〜4.0質量%であるスチレン−メタクリル酸共重合体を含有する樹脂組成物に対して、0.005〜0.8質量%のエポキシ化大豆油およびエポキシ化アマニ油から選ばれる少なくとも一方と、0〜0.5質量%の高級脂肪酸金属塩を添加し、次いで加熱溶融し、次いで押し出すことを特徴とするスチレン系樹脂発泡シートの製造方法。
  2. 前記スチレン−メタクリル酸共重合体の200℃、49N荷重の条件にて測定したメルトマスフローレート(MFR)が0.5〜3.0g/10分であることを特徴とする請求項1記載のスチレン系樹脂発泡シートの製造方法。
  3. 前記樹脂組成物が、ポリスチレンを0〜70質量%含有することを特徴とする請求項1又は2記載のスチレン系樹脂発泡シートの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法によって製造され、厚さが1〜3mm、密度が50〜80kg/m3であることを特徴とするスチレン系樹脂発泡シート。
  5. ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が30万〜55万、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比(Mz/Mw)が2.1〜4.0であることを特徴とする請求項4に記載のスチレン系樹脂発泡シート。
  6. 請求項4または5に記載のスチレン系樹脂発泡シートを成形してなることを特徴とする食品包装用容器。
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