JP5434257B2 - 石油回収薬剤及びその製造方法、並びに石油回収用圧入液体 - Google Patents
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Description
二次回収の代表例である水攻法では、油層に水を圧入して石油を回収するが、圧入水が透水性層に偏って浸透したり、油と水の粘度の違いにより油が水で十分置換されず、回収効率が期待通り向上しない問題があった。そこで、水の代わりにポリマー水溶液を用いるポリマー攻法が三次回収法として近年行われるようになった。
ポリマー攻法において圧入されたポリマー水溶液は、油層深度にもよるが、通常40℃〜100℃の高温下で、圧入後数ヶ月〜数十ヶ月かけて生産井までゆっくり移動する。ポリマー攻法に用いられるポリマーは、水溶性に優れ、低濃度で高い粘度を与えるものが使用されるが、ポリアクリルアミド、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ポアクリロニトリル、キサンタンガムなどのポリマー水溶液は高温で熱劣化し、塩類の存在下でさらに粘度低下することもあって、実用上大きな問題を有していた。
一方、添加剤ではなくポリマー自体の熱安定性が良好な共重合体を用いることによって、熱劣化を抑制する方法が提案されている(例えばGB2110744号)。
(A)2-メチル−2−プロペニル−1−スルホン酸の含有量が120重量ppm以下である、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及び/又はその塩。
(B)アクリルアミド
(C)(メタ)アクリル酸及び/又はその塩、(メタ)アクリル酸エステル、N−ビニルアミド、N−置換アクリルアミド及びN,N−二置換アクリルアミドから選ばれるビニル単量体。
また、本発明の第二は、単量体(A)が、第1反応槽でアクリロニトリルと発煙硫酸とを混合し、この混合液を第2反応槽に供給してイソブチレンと反応させて連続的に製造された2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及び/又はその塩である、第一の発明に記載の圧入液体混合用の石油回収薬剤である。
また、本発明の第三は、単量体(A)中の2-メチル−2−プロペニル−1−スルホン酸の含有量が60重量ppm以下である、第一又は第二の発明に記載の圧入液体混合用の石油回収薬剤である。
また、本発明の第四は、単量体(A)中の2-メチル−2−プロペニル−1−スルホン酸の含有量が30重量ppm以下である、第一又は第二の発明に記載の圧入液体混合用の石油回収薬剤である。
また、本発明の第五は、単量体(C)がアクリル酸及び/又はその塩、N−ビニルアミドから選ばれるビニル単量体である、第一〜第四のいずれかに記載の圧入液体混合用の石油回収薬剤である。
また、本発明の第六は、単量体(A)、(B)及び(C)をゲル重合させてなる第一〜第五のいずれかに記載の圧入液体混合用の石油回収薬剤の製造方法である。
また、本発明の第七は、第一〜第五のいずれかに記載の圧入液体混合用の石油回収薬剤0.005〜0.5重量%、無機塩0.01〜25重量%及び水99.98〜75重量%から構成される石油回収用圧入液体である。
本発明のスルホン酸(塩)基含有単量体は、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(以下ATBSと略称する)及び/又はその塩である。
該単量体は、通常、アクリロニトリル、硫酸、イソブチレンを使用して製造される。かかる3成分は、化学量論的には等モルで反応するものであるが、アクリロニトリルは反応媒体の役割も担うため大過剰に用いられる。ATBSは、アクリロニトリルに難溶性であるため、生成物はスラリー状となり、先ずこのスラリーからATBS粗体を分離し、次の精製工程で精製することが行われている。こうして製造されたATBSには不純物が含まれており、該物質の含有量によって重合体の分子量がばらつく問題があった。
本発明者らは該不純物が下記式(1)で示される2−メチル−2−プロペニル−1−スルホン酸(以下IBSAと略称する)であることを先の発明において確認した。
その理由は、定かではないが、IBSAは不飽和結合を含んでいるため、共重合体の成分として取り込まれるが、ATBSよりスルホン酸基の長さが短く且つアミド基を含まないため、性能の低下に繋がったと考えられる。また、退化的連鎖移動によってポリマー末端に結合するIBSA単位はポリマーの熱安定性を低下させると推定されるが、この不安定末端が減少することによって長期安定性が向上した可能性もある。
本発明で使用するATBSの製造は、第1反応槽でアクリロニトリルと発煙硫酸とを混合し、この混合液を第2反応槽に供給してイソブチレンと反応させて、連続的に製造されたものであるのが好ましい。
本発明で使用することのできる単量体(B)はアクリルアミドである。本発明で使用する単量体(B)の水溶性共重合体中の重量割合は20〜85重量%であり、40〜80重量%が好ましい。
単量体(B)の重量割合がこの値未満では増粘性が低下して石油回収効率が低下し、この値を越えると耐塩性や熱安低性が低下する。
本発明で使用することのできる単量体(C)は、(メタ)アクリル酸及び/又はその塩、(メタ)アクリル酸エステル、N−ビニルアミド、N−置換アクリルアミド及びN,N−二置換アクリルアミドから選ばれるビニル単量体である。なお、本発明で(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸のことをいう。
(メタ)アクリル酸及び/又はその塩は、アクリル酸及び/又はその塩が好ましく使用される。塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウムなどの金属塩と、アンモニア、トリアルキルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ピリジンなどの有機アンモニウム塩が挙げられ、一種類でも複数を併用することもできる。
N−ビニルアミドの具体例としては、N−ビニルホルムアミドやN−ビニルアセトアミドなどの鎖状アミドとN−ビニルピロリドンなどの環状アミドが挙げられる。
N−置換アクリルアミドの具体例としてはN−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミドなどのN−アルキルアクリルアミドが挙げられる。
N,N−二置換アクリルアミドの具体例としては、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミドなどのN,N−ジアルキルアクリルアミドが挙げられる。
本発明で使用する単量体(C)の共重合体中の重量割合は0〜40重量%であり、0〜30重量%が好ましい。単量体(C)の重量割合がこの値を越えると耐塩性や熱安低性が低下する。
なお、本発明の単量体の重合割合は、(A)+(B)+(C)=100%になる。
本発明の共重合体は、上に説明した単量体(A)、(B)、(C)以外に、全単量体の20重量%以内の範囲で、その他の単量体を使用することができる。
その他の単量体の例としては、 (無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの多官能不飽和カルボン酸(無水物)またはその塩、酢酸ビニル、酢酸プロピルなどのカルボン酸ビニルエステル、ATBS以外の(メタ)アクリルアミドアルキルアルカンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−アリロキシプロパンスルホン酸などの不飽和スルホン酸またはその塩、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、クロロメチルスチレンなどのスチレン系単量体、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール及びアリルアミンなどが挙げられ、これらは単独で用いても複数組み合わせて使用しても良い。
これらの単量体の使用量は、15重量%以内が好ましく、10重量%以内が更に好ましい。
本発明の共重合体のトップピーク分子量は、200万〜3000万であり、好ましいトップピーク分子量は、400万〜2000万である。トップピーク分子量がこの範囲未満では石油回収率が低下し、この範囲を越えると石油回収薬剤の粘度が高くなりすぎ溶解し難くなる。なお、共重合体の分子量は、前述したように、ポリアクリル酸を基準物質とする水系ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GPCと略す)によるピーク曲線の極大点の分子量である。
本発明の水溶性共重合体は、石油回収薬剤に用いられる。
石油回収薬剤の製造方法は、通常の重合体の合成法で用いられる、ゲル重合法、水溶液重合法及び逆相懸濁重合法などの既に公知の方法が数々ある。
高分子量の水溶性共重合体の合成は、重合体を高分子量化し易いこと及び重合操作や分子量の調整が容易なことから、ゲル重合法が好ましい。重合操作はバッチ式でも連続式でもよい。ゲル重合法の連続式の具体例としては単量体水溶液を可動式ベルト上で連続的に重合させる連続ベルト重合法などが挙げられる。
重合開始剤の具体例としては、過硫酸ナトリウムや過硫酸カリウム等の過硫酸アルカリ金属塩、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水素、クメンヒドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキサイド、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物、2,2’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。このとき、遷移金属塩や亜硫酸水素塩、L−アスコルビン酸(塩)、エリソルビン酸(塩)、アミン化合物等のレドックス形成用の還元剤を併用することが好ましい。
また、添加する重合開始剤の量は、使用する重合開始剤の種類や目的とする重合体の組成、重合度、粘度などに応じて調整されるが、全単量体の合計量を基準にして、5〜10000重量ppmが用いられる。好ましくは10〜5000重量ppm、特に15〜3000重量ppmがより好ましい。
本願発明においては、連鎖移動剤としても働くIBSAの含有量が低減できる結果、重合開始剤の使用量を少なくすることができる。
ゲル重合法の技術的特徴は、単量体の水溶液濃度を20〜50重量%程度とし、かつ重合開始剤の使用量を微少量、すなわち1000重量ppm以下にすることである。このような条件で初期反応液温度5〜10℃として重合を開始させると、反応液は高粘度なゲルに変換し、反応の途中からもはや攪拌および反応熱除去の操作ができなくなるが、その状態のまま一定時間放置することにより、通常最高到達温度80〜100℃を経た後、重合が完結し、目的とする高分子量の水溶性重合体が得られる。
ゲル重合法による重合反応で好ましい重合開始温度は0〜30℃、より好ましくは5〜20℃であり、好ましい重合到達温度は70〜105℃、より好ましくは80〜100℃である。この重合開始温度と重合到達温度の範囲に入るように単量体濃度を調整すればよい。また、好ましい重合時間は30分〜6時間程度である。
前項までに説明した本発明の水溶性共重合体は、石油回収薬剤として用いられる。
本発明の石油回収用圧入液体は、石油回収薬剤0.005〜0.5重量%、無機塩0.01〜25重量%及び水99.98〜75重量%から構成される。好適には、石油回収薬剤0.01〜0.3重量%、無機塩0.05〜15重量%及び水99.94〜85重量%から構成され、更に好適には石油回収薬剤0.02〜0.2重量%、無機塩0.1〜10重量%及び水98.8〜89.8重量%から構成される。
石油回収薬剤の添加量が上記の値以下では石油回収効率が低く、上記の値以上では経済性が低下する。また、無機塩の含有量が上記の値以下では圧入液体のコストが高く、上記の値以上では圧入液体の安定性が低い。
石油回収薬剤の溶解方法、溶解後の希釈方法、油層中への圧入方法は、従来公知の方法を利用すれば良い。また、本発明の石油回収薬剤は、通常のポリマー攻法以外にマイセラーポリマー攻法等にも適用でき、更に他の公知技術、例えばチャンネリングブロック法などを組み合わせて適用することもできる。
石油回収薬剤の溶解方法、溶解後の希釈方法、油層中への圧入方法は、従来公知の方法を利用すれば良い。また、本発明の石油回収薬剤は、通常のポリマー攻法以外にマイセラーポリマー攻法等にも適用でき、更に他の公知技術、例えばチャンネリングブロック法などを組み合わせて適用することもできる。
尚、以下の各例において、特に表示されていない場合の「%」は、「重量%」を意味する。
HPLC条件;Waters社製 高速液体クロマトグラフ
カラム;GLサイエンス社製ODS−3
溶離液;0.03%トリフルオロ酢酸水/アセトニトリル
溶離液流量;0.8ml/min
検出波長;200nm
攪拌機及び入口管と出口管とを備えたガラス反応器を2個連結し、下記条件でアクリロニトリルおよび発煙硫酸を第一反応器に仕込み、アクリロニトリルと発煙硫酸とを混合した後、この混合液を第二反応器に供給した。第二反応器において、前記混合物中にイソブチレンガスを吹き込み、目的物を合成した。上記反応は連続的に行った。
発煙硫酸1モルに対し、アクリロニトリルの供給量は11モル、イソブチレンの供給量は0.9モルの割合でそれぞれ供給した。反応中に、反応液を採取し、HPLCでIBSAの濃度を測定し、発煙硫酸の供給量を表1に示す様に調整した。
なお、発煙硫酸における三酸化硫黄の濃度は0.6%であり、市販の20%発煙硫酸に対して、アクリロニトリル等の原料から持ち込まれる水分を加味した上で、濃硫酸を混合して濃度調整している。第一反応器は−5〜−15℃に維持し、滞留時間は10分とする。第二反応器は30〜50℃に維持し、滞留時間は90分とする。
上記製造で得られたATBSのスラリーをグラスフィルターで吸引ろ過して、グラスフィルター上にケーキを得た。ケーキ重量に対して表1に記載した量のアクリロニトリルをケーキに注いで再度吸引ろ過して、ケーキを洗浄した。
ケーキをトレイに移し、80℃の乾燥温度で90分乾燥した。
得られたATBSパウダーをHPLC分析にかけ、IBSAの濃度を測定したところ、ATBS中のIBSA濃度は100重量ppmであった。表1に示す。
先ず、ATBS40gを水60gに溶解し、48重量%のNaOH水溶液を添加してpHを8に調整した。これに水を加えて35重量%濃度に調整した。40重量%のアクリルアミド水溶液55.6gを加え、更に水5.2gを加えて、モノマー濃度を35重量%にした。この単量体水溶液に窒素を吹込みながら液温を30℃に調整した後、過硫酸アンモニウム0.7g、亜硫酸ナトリウム0.7g、銅イオンを10重量ppm含む塩化銅水溶液0.6g、ジアゾ系ラジカル重合開始剤としてV−50(和光純薬工業株式会社製)の10重量%水溶液0.7gを加えた。2時間後に反応を終了して共重合体を取出した。
○GPC条件
溶質として硫酸ナトリウム(1.33g/l)と水酸化ナトリウム(0.33g/l)を含む水溶液を溶媒に使用し、ポリアクリル酸(AMERICAN POLYMER STANDARDS CORP.製の分子量900万、555万、114万、44万、13万1200、7万900、2400のもの)を基準物質として検量線を作成し。溶出速度は0.6ml/分、検出器は東ソー製RI検出器 TI−8020を使用した。検出強度の最も高いピークトップ(変極点)の分子量をトップピーク分子量とした。
粘度計:ブルックフィールド社製デジタル粘度計
ローター回転速度:60rpm
測定温度:25℃
合成例1において、ケーキ洗浄のために使用するアクリロニトリル量を3倍量に変更し、ケーキの乾燥温度を110℃にした以外は、同じ操作を実施し、得られたATBSパウダーのHPLC分析をしたところ、IBSA濃度は60重量ppmであった。表1に示す。
合成例2における反応滞留時間を、120分に変更して合成反応を実施した。また、ケーキの乾燥を110℃で180分実施した。得られたATBSパウダーのHPLC分析をしたところ、IBSA濃度は20重量ppmであった。表1に示す。
このATBSから製造した共重合体のトップピーク分子量は1170万であり、UL粘度は、4.2mPa・sであった。
従来より知られているATBSの合成方法に従い合成した。すなわち、ATBSを連続的に合成したが、反応中にIBSAの濃度をHPLC分析することなく、最初の仕込割合を維持した。反応終了後、反応液を採取し、HPLC分析にてIBSA濃度を測定したところ、IBSA濃度は15000重量ppmであった。得られたATBSスラリーをグラスフィルターで吸引ろ過して、グラスフィルター上にケーキを得た。ケーキ固形分重量の2倍量のアクリロニトリルをケーキ上に注いで再度吸引ろ過することにより、ケーキを洗浄した。ケーキをトレイに移し、60℃の乾燥温度で90分間乾燥した。得られたATBSパウダーをHPLC分析したところ、IBSA濃度は200重量ppmであった。表1に示す。
このATBSから製造した共重合体のUL粘度は、1.6mPa・sであり、トップピーク分子量は700万であった。
以下に石油回収薬剤の製造例を具体的に説明する。
合成例1で得た2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のナトリウム塩(以下、ATBS−Naという)の50重量%水溶液、アクリル酸ナトリウム(以下、ANaという)の36重量%水溶液、アクリルアミド(以下、AAmという)及び純水を、表2に示した単量体重量比率になるように混合し、単量体濃度38重量%の水溶液1kgを調製した。この単量体水溶液をステンレス製デュアー瓶(反応容器)に仕込み、反応容器内の温度を10℃に温調しながら30分間窒素バブリングを行った。次いで重合開始剤として、t−ブチルハイドロパーオキサイド30重量ppm(全単量体の合計量に対しての重量基準に換算、以下同様)、過硫酸ナトリウム200重量ppm及びエリソルビン酸ナトリウム30重量ppmを添加し、そのまま8時間放置して断熱静置レドックス重合を行った。8時間の反応終了後、生成した含水ゲル状重合体を反応容器から取り出し、チョッパーに投入して挽肉状に細断した。細断された含水ゲルを熱風乾燥機で乾燥し、更に粉砕機で粉砕して目的とする粉末状の石油回収薬剤を得た。結果を表2に示す。
ATBS−Na、ANa、AAmの仕込み重量比率を表2のように変更したこと以外は実施例1と同様の方法で粉末状の石油回収薬剤を得た。結果を表2に示す。
合成例2で得たIBSA濃度60重量ppmのATBSから誘導したATBS−Naを用いること以外は、実施例5と同様の方法で粉末状の石油回収薬剤を得た。結果を表2に示す。
合成例3で得たIBSA濃度20重量ppmのATBSから誘導したATBS−Naを用いること以外は、実施例5と同様の方法で粉末状の石油回収薬剤を得た。結果を表2に示す。
比較合成例で得たIBSA濃度200ppmのATBSから誘導したATBS−Naを用いること以外は、実施例5と同様の方法で粉末状の共重合体を得た。結果を表2に示す
純水500mlに実施例1〜7及び比較例1〜2で得られた石油回収薬剤を各々1.0gずつ加えて3時間攪拌し、十分に溶解して0.2重量%濃度の水溶液を調製した。この水溶液の粘度をB型粘度計(東京計器(株)製、形式:BM型)により、30℃、30rpmのローター回転数で測定した。
2)トップピーク分子量(Mtop)
合成例1と同様の条件でGPCにより求めた。
○評価例1〜8および比較評価例1〜2
塩化ナトリウムを3%および塩化カルシウムを1%含有する塩水中に、実施例および比較例で製造した共重合体を溶解し、溶液粘度とスクリーンファクターを測定した。共重合体の濃度は表3に示したとおりである。
溶液粘度は、既に説明した方法に準じてB型粘度計により25℃で測定した。
スクリーファクターは、スクリーン粘度計を用いて20メッシュのスクリーンの通過時間を溶媒のみの通過時間との比で表したものである。25℃で測定した。
溶液粘度とスクリーンファクターは初期値に加え、50℃の恒温槽中で30日間保存後の数値も示した。結果は表3のとおりである。
直径2.5cm,長さ20cmの円筒ガラスの中にベレア砂岩を充填して作成したコアに2%食塩水を飽和させ、ここに粘度26mPa・s(25℃)の油を塩水が出なくなるまでポンプで注入した。
この時のコア容積88mL、空隙率25%、油の飽和率73%であり、コアの含油量は16.1mlであった。
この含油コア中に、実施例7および比較例2の共重合体の水溶液(濃度0.6%)を、微量定量ポンプを用いて注入した。初期から30mlの流出液を採り、その中の油の量を調べたところ、実施例7の共重合体水溶液では10.0ml(回収率62%)、比較例2の共重合体水溶液では7.7ml(回収率48%)であり、油の回収率に大きな差があることが分かった。
Claims (7)
- 下記に示す単量体(A)15〜80重量%、単量体(B)20〜85重量%、及び単量体(C)0〜40重量%(ただし、単量体(A)+(B)+(C)=100重量%になる。)をラジカル共重合して得られる水溶液共重合体であって、トップピーク分子量が200万〜3000万である圧入液体混合用の石油回収薬剤。
(A)2-メチル−2−プロペニル−1−スルホン酸の含有量が120重量ppm以下である、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及び/又はその塩。
(B)アクリルアミド
(C)(メタ)アクリル酸及び/又はその塩、(メタ)アクリル酸エステル、N−ビニルアミド、N−置換アクリルアミド及びN,N−二置換アクリルアミドから選ばれるビニル単量体。 - 単量体(A)が、第1反応槽でアクリロニトリルと発煙硫酸とを混合し、この混合液を第2反応槽に供給してイソブチレンと反応させて連続的に製造された2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及び/又はその塩である、請求項1に記載の圧入液体混合用の石油回収薬剤。
- 単量体(A)中の2-メチル−2−プロペニル−1−スルホン酸の含有量が60重量ppm以下である、請求項1又は請求項2に記載の圧入液体混合用の石油回収薬剤。
- 単量体(A)中の2-メチル−2−プロペニル−1−スルホン酸の含有量が30重量ppm以下である、請求項1又は請求項2に記載の圧入液体混合用の石油回収薬剤。
- 単量体(C)がアクリル酸及び/又はその塩、N−ビニルアミドから選ばれるビニル単量体である、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の圧入液体混合用の石油回収薬剤。
- 単量体(A)、(B)及び(C)をゲル重合させてなる請求項1〜請求項5のいずれかに記載の圧入液体混合用の石油回収薬剤の製造方法。
- 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の圧入液体混合用の石油回収薬剤0.005〜0.5重量%、無機塩0.01〜25重量%及び水99.98〜75重量%から構成される石油回収用圧入液体。
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