JP5434159B2 - 発光素子、発光装置、表示装置および電子機器 - Google Patents
発光素子、発光装置、表示装置および電子機器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5434159B2 JP5434159B2 JP2009059397A JP2009059397A JP5434159B2 JP 5434159 B2 JP5434159 B2 JP 5434159B2 JP 2009059397 A JP2009059397 A JP 2009059397A JP 2009059397 A JP2009059397 A JP 2009059397A JP 5434159 B2 JP5434159 B2 JP 5434159B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- light emitting
- layer
- light
- carrier generation
- generation layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Electroluminescent Light Sources (AREA)
- Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
Description
また、発光素子として、さらなる発光特性(発光効率、低駆動電圧)、発光寿命の向上が要求されている。
本発明の発光素子は、陽極と、
陰極と、
前記陽極と前記陰極との間に設けられ、前記陽極と前記陰極との間で通電することにより発光する第1の発光層と、
前記陰極と前記第1の発光層との間に設けられ、前記陽極と前記陰極との間で通電することにより発光する第2の発光層と、
前記第1の発光層と前記第2の発光層との間に設けられ、正孔および電子を発生させるキャリア発生層とを有し、
前記キャリア発生層は、前記陽極側に設けられ、(8−キノラリト)リチウム錯体と、仕事関数が4.0eV以上の金属とを含む、平均厚さが2〜3nmである第1のキャリア発生層と、前記陰極側に前記第1のキャリア発生層と接合して設けられ、下記化1に示される化合物で構成され、平均厚さが10〜30nmである第2のキャリア発生層とを有することを特徴とする。
また、本発明の発光素子では、前記第1のキャリア発生層の平均厚さは、1〜5nmであることにより、第1のキャリア発生層は、第1の発光層および第2の発光層から放出される光を十分に透過することができるとともに、第1の発光層に効率よく電子を供給することができる。
さらに、本発明の発光素子では、前記キャリア発生層の平均厚さは、10〜40nmであることにより、発光素子の駆動電圧が高くなるのを防止しつつ、キャリア発生層の機能を十分に発揮させることができる。
これにより、前記(8−キノラリト)リチウム錯体は好適に還元されて、優れた電子注入性を発揮することができ、第1のキャリア発生層は、第1の発光層に好適に電子を供給することができる。
これにより、比較的低電圧で駆動し、高い発光効率および長い発光寿命を有しており、信頼性の高い発光装置を提供することができる。
これにより、少ない消費電力で高品位な画像を長期にわたり表示することができる表示装置を提供することができる。
本発明の電子機器は、本発明の表示装置を備えることを特徴とする。
これにより、少ない消費電力で高品位な画像を長期にわたり表示することができる電子機器を提供することができる。
図1は、本発明の好適な実施形態にかかる発光素子の縦断面を模式的に示す図である。なお、以下では、説明の都合上、図1中の上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。
言い換えすれば、発光素子1は、第1の発光部4とキャリア発生層5と第2の発光部6と電子注入層7がこの順に積層で積層された積層体15が2つの電極間(陽極3と陰極8との間)に介挿されて構成されている。
そして、発光素子1は、その全体が基板2上に設けられるとともに、封止部材9で封止されている。
基板2の構成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアリレートのような樹脂材料や、石英ガラス、ソーダガラスのようなガラス材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような基板2の平均厚さは、特に限定されないが、0.1〜30mm程度であるのが好ましく、0.1〜10mm程度であるのがより好ましい。
不透明基板としては、例えば、アルミナのようなセラミックス材料で構成された基板、ステンレス鋼のような金属基板の表面に酸化膜(絶縁膜)を形成したもの、樹脂材料で構成された基板等が挙げられる。
[陽極]
陽極3は、後述する第1の発光部4に正孔を注入する電極である。この陽極3の構成材料としては、仕事関数が大きく、導電性に優れる材料を用いるのが好ましい。
陽極3の構成材料としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、In3O3、SnO2、Sb含有SnO2、Al含有ZnO等の酸化物、Au、Pt、Ag、Cuまたはこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような陽極3の平均厚さは、特に限定されないが、10〜200nmであるのが好ましく、50〜150nmであるのがより好ましい。
第1の発光部4は、上述したように、正孔輸送層41と第1の発光層42と電子輸送層43とを有している。
(正孔輸送層)
正孔輸送層41は、陽極3から注入された正孔を第1の発光層42まで輸送する機能を有するものである。
このような正孔輸送層41の平均厚さは、特に限定されないが、10〜150nmであるのが好ましく、10〜100nmであるのがより好ましい。
この第1の発光層42は、発光材料を含んで構成されている。
発光材料は、陰極8側から電子が供給(注入)されるとともに、陽極3側から正孔が供給(注入)されることにより、正孔と電子とが再結合し、この再結合に際して放出されたエネルギーによりエキシトン(励起子)が生成し、エキシトンが基底状態に戻る際にエネルギー(蛍光やりん光)を放出(発光)するものである。
このような発光材料としては、特に限定されず、各種蛍光材料、各種燐光材料を1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
黄色の蛍光材料としては、例えば、ルブレン系材料等のナフタセン骨格を有する化合物であって、ナフタセンにアリール基(好ましくはフェニル基)が任意の位置で任意の数(好ましくは2〜6)置換された化合物、モノインデノペリレン誘導体等を用いることができる。
発光材料をゲスト材料とするホスト材料は、正孔と電子とを再結合して励起子を生成するとともに、その励起子のエネルギーを発光材料に移動(フェルスター移動またはデクスター移動)させて、発光材料を励起する機能を有する。
また、第1の発光層42の平均厚さは、特に限定されないが、1〜100nmであるのが好ましく、5〜70nmであるのがより好ましく、10〜50nmであるのがさらに好ましい。
なお、本実施形態では、第1の発光層が1層の発光層を備えるものを例に説明しているが、第1の発光層は、複数の発光層が設けられた積層体であってもよい。この場合、複数の発光層の発光色が互いに同じであっても異なっていてもよい。また、第1の発光層が複数の発光層を有する場合、発光層同士の間に中間層が設けられていてもよい。
電子輸送層43は、キャリア発生層5から注入された電子を第1の発光層42に輸送する機能を有するものである。また、電子輸送層43は、第1の発光層42を通過した正孔をブロックすることにより、正孔がキャリア発生層5に届いて後述するキャリア発生層5にあるLi化合物の還元が阻害されたり、キャリア発生層5が劣化するのを防止する機能を有している。
キャリア発生層5は、キャリア(正孔および電子)を発生させる機能を有するものである。
このようなキャリア発生層5は、陰極側に設けられ、Li化合物と仕事関数が4.0eV以上の金属とを含む第1のキャリア発生層51と、陽極側に前記第1のキャリア発生層と接合して設けられ、芳香環を有する有機シアン化合物を含む第2のキャリア発生層52とを有する。
第1のキャリア発生層51は、第2のキャリア発生層52で発生した電子を効率よく隣接する層(本実施形態では第1の発光部4の電子輸送層43)に注入する機能を有している。
また、第1のキャリア発生層51は、Li化合物と仕事関数が4.0eV以上の金属とを含む。
また、Li化合物は、単体のLi金属と比較して大気中において安定した化合物であり、好適に発光素子1の製造に用いることができる。このため、製造される発光素子1の品質が安定しやすくなるとともに、発光素子1の歩留まりが高いものとなる。
第1のキャリア発生層51に用いることのできるLi化合物としては、例えば、下記化6に示される(8−キノラリト)リチウム錯体(Liq)等のキノリン錯体、ジビバロイルメタナトリチウム錯体等のジビバロイルメタナト錯体、アセチルアセトネートリチウム錯体等のアセチルアセトネート錯体等のLi金属錯体;Li2O、LiO等のリチウムカルコゲナイド(酸化物、硫化物、セレン化物、テルル化物);LiF、LiCl等のハロゲン化リチウム;Li2CO3等のリチウム塩等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、仕事関数が4.0eV未満の金属を第1のキャリア発生層に用いた場合、Li化合物が十分に還元されず、第1のキャリア発生層は、十分な電子注入性を有さないものとなる。この結果、第1の発光層は、好適に発光することができず、このような発光素子は発光効率が劣るものとなる。
また、第1のキャリア発生層51の平均厚さは、1〜5nmであることが好ましく、1〜3nmであることがより好ましい。これにより、第1のキャリア発生層51は、第1の発光層42および第2の発光層62から放出される光を十分に透過することができるとともに、第1の発光部4に効率よく電子を注入することができる。
第2のキャリア発生層52は、隣接する層(本実施形態では、第2の発光部6の正孔輸送層61)から電子を引き抜くことにより、隣接する層に正孔を注入し、引き抜いた電子を第1のキャリア発生層51に輸送する機能を有している。
また、本発明において、第2のキャリア発生層52は、芳香環を有する有機シアン化合物(以下、「芳香環含有有機シアン化合物」ともいう。)を含む。
このような芳香環含有有機シアン化合物としては、前述したような機能を発揮し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、シアノ基が導入されたヘキサアザトリフェニレン誘導体であるのが好ましく、下記化7で示すようなヘキサアザトリフェニレン誘導体を用いるのがより好ましい。
このような化合物は、芳香環含有有機シアン化合物としての機能に優れており、隣接する層(正孔輸送層61)から十分に電子を引き抜くことができるとともに、好適に引き抜いた電子を陽極3側に輸送することができる。
また、キャリア発生層5の平均厚さは、5〜40nmであることが好ましく、10〜30nmであることがより好ましい。これにより、発光素子1の駆動電圧が高くなるのを防止しつつ、キャリア発生層5の機能を十分に発揮させることができる。
第2の発光部6は、上述したように、正孔輸送層61と第2の発光層62と電子輸送層63とを有している。
(正孔輸送層)
正孔輸送層61は、第2のキャリア発生層52から注入された正孔を第2の発光層62まで輸送する機能を有する。また、正孔輸送層61は、第2の発光層62を通過した電子をブロックすることにより、電子がキャリア発生層5に届いてキャリア発生層5が劣化するのを防止する機能を有している。
この正孔輸送層61の構成材料には、正孔輸送層41と同様の構成材料を用いることができる。
このような正孔輸送層61の平均厚さは、特に限定されないが、10〜150nmであるのが好ましく、10〜100nmであるのがより好ましい。これにより、第2の発光層62に正孔を好適に輸送することができるとともに、第2の発光層62を通過した電子を好適にブロックすることができる。
この第2の発光層62は、発光材料を含んで構成されている。
このような発光材料としては、特に限定されず、上述した第1の発光層42と同様の発光材料を用いることができる。なお、第2の発光層62に用いる発光材料は、第1の発光層42の発光材料と同一であってもよいし、異なるものであってもよい。発光素子1から放出される光の色を目的のものとするために、第1の発光層42の発光材料と第2の発光層62の発光材料とを適宜選択し、組み合わせて用いることができる。
前述したような発光材料(ゲスト材料)およびホスト材料を用いる場合、第2の発光層62中における発光材料の含有量(ドープ量)は、0.1〜10wt%であるのが好ましく、0.5〜5wt%であるのがより好ましい。発光材料の含有量をこのような範囲内とすることで、発光効率を最適化することができる。
なお、本実施形態では、第2の発光層が1層の発光層を備えるものを例に説明しているが、第1の発光層は、複数の発光層が設けられた積層体であってもよい。この場合、複数の発光層の発光色が互いに同じであっても異なっていてもよい。また、第2の発光層が複数の発光層を有する場合、発光層同士の間に中間層が設けられていてもよい。
電子輸送層63は、陰極8から電子注入層7を介して注入された電子を第2の発光層62に輸送する機能を有するものである。
電子輸送層63の構成材料(電子輸送性材料)としては、上述した電子輸送層43と同様の材料を用いることができる。
電子輸送層63の平均厚さは、特に限定されないが、0.5〜100nmであるのが好ましく、1〜50nmであるのがより好ましい。
電子注入層7は、陰極らの電子注入効率を向上させる機能を有するものである。
この電子注入層7の構成材料(電子注入材料)としては、例えば、各種の無機絶縁材料、各種の無機半導体材料が挙げられる。
このような無機絶縁材料としては、例えば、アルカリ金属カルコゲナイド(酸化物、硫化物、セレン化物、テルル化物)、アルカリ土類金属カルコゲナイド、アルカリ金属のハロゲン化物およびアルカリ土類金属のハロゲン化物等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらを主材料として電子注入層を構成することにより、電子注入性をより向上させることができる。特にアルカリ金属化合物(アルカリ金属カルコゲナイド、アルカリ金属のハロゲン化物等)は仕事関数が非常に小さく、これを用いて電子注入層7を構成することにより、発光素子1は、高い輝度が得られるものとなる。
アルカリ土類金属カルコゲナイドとしては、例えば、CaO、BaO、SrO、BeO、BaS、MgO、CaSe等が挙げられる。
アルカリ金属のハロゲン化物としては、例えば、CsF、LiF、NaF、KF、LiCl、KCl、NaCl等が挙げられる。
アルカリ土類金属のハロゲン化物としては、例えば、CaF2、BaF2、SrF2、MgF2、BeF2等が挙げられる。
電子注入層7の平均厚さは、特に限定されないが、0.1〜1000nm程度であるのが好ましく、0.2〜100nm程度であるのがより好ましく、0.2〜50nm程度であるのがさらに好ましい。
陰極8は、前述した電子注入層7を介して第2の発光部6に電子を注入する電極である。この陰極8の構成材料としては、仕事関数の小さい材料を用いるのが好ましい。
陰極8の構成材料としては、例えば、Li、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb、Ag、Cu、Al、Cs、Rbまたはこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、複数層の積層体等)用いることができる。
このような陰極8の平均厚さは、特に限定されないが、50〜400nm程度であるのが好ましく、100〜200nm程度であるのがより好ましい。
なお、本実施形態の発光素子1は、ボトムエミッション型であるため、陰極8に、光透過性は、特に要求されない。
封止部材9は、陽極3、積層体15、および陰極8を覆うように設けられ、これらを気密的に封止し、酸素や水分を遮断する機能を有する。封止部材9を設けることにより、発光素子1の信頼性の向上や、変質・劣化の防止(耐久性向上)等の効果が得られる。
封止部材9の構成材料としては、例えば、Al、Au、Cr、Nb、Ta、Tiまたはこれらを含む合金、酸化シリコン、各種樹脂材料等を挙げることができる。なお、封止部材9の構成材料として導電性を有する材料を用いる場合には、短絡を防止するために、封止部材9と陽極3、積層体15、および陰極8との間には、必要に応じて、絶縁膜を設けるのが好ましい。
以上のように構成された発光素子1によれば、陽極3と陰極8との間で電圧を印加することにより、キャリア発生層5で正孔および電子が発生する。発生した電子は、第1の発光層42に輸送され、陽極3から注入された正孔と再結合することにより、発光に寄与する。また、発生した正孔は、第2の発光層62に輸送され、陰極8から注入された電子と再結合することにより、発光に寄与する。
以上より、本願発明では、キャリア発生層5の構成として上記のような構成とすることにより、従来のキャリア発生層を設けた発光素子と比較して、発光特性および発光寿命が顕著に優れたものとなることを見出したものである。
以上のように構成された発光素子1は、例えば、次のようにして製造することができる。
陽極3は、例えば、プラズマCVD、熱CVDのような化学蒸着法(CVD)、真空蒸着等の乾式メッキ法、電解メッキ等の湿式メッキ法、溶射法、ゾル・ゲル法、MOD法、金属箔の接合等を用いて形成することができる。
第1の発光部4は、正孔輸送層41、第1の発光層42および電子輸送層43を順次陽極3上に形成することにより設けることができる。
上述したような各層は、例えば、CVD法や、真空蒸着、スパッタリング等の乾式メッキ法等を用いた気相プロセスにより形成することができる。
また、各層の構成材料を溶媒に溶解または分散媒に分散してなる液体材料を、陽極3(またはその上の層)上に供給した後、乾燥(脱溶媒または脱分散媒)することによっても形成することができる。
液状材料の調製に用いる溶媒または分散媒としては、例えば、各種無機溶媒や、各種有機溶媒、または、これらを含む混合溶媒等が挙げられる。
なお、乾燥は、例えば、大気圧または減圧雰囲気中での放置、加熱処理、不活性ガスの吹付け等により行うことができる。
ここで、酸素プラズマ処理の条件としては、例えば、プラズマパワー100〜800W程度、酸素ガス流量50〜100mL/min程度、被処理部材(陽極3)の搬送速度0.5〜10mm/sec程度、基板2の温度70〜90℃程度とするのが好ましい。
キャリア発生層5は、第1の発光部4上に第1のキャリア発生層51、第2のキャリア発生層52を順次積層することにより形成することができる。
第1のキャリア発生層51は、例えば、CVD法や、真空蒸着、スパッタリング等の乾式メッキ法等を用いた気相プロセスにより形成することができる。
上述したように、第1のキャリア発生層51中に含まれるリチウム化合物および還元性金属は、取り扱いが比較的容易であるため、第1のキャリア発生層51を精度よく、効率的に形成することができる。特に、リチウム化合物がリチウム金属錯体である場合、気相成膜法によって工程に第1のキャリア発生層51を形成することができる。
また、第2のキャリア発生層52の材料を溶媒に溶解または分散媒に分散してなる第2のキャリア輸送層形成用材料を、第1のキャリア発生層51上に供給した後、乾燥(脱溶媒または脱分散媒)することによっても形成することができる。
上述したように、芳香環含有有機シアン化合物は、蒸着等の気相成膜法で容易に第2のキャリア発生層52を形成できる化合物であり、気相成膜法によって形成された第2のキャリア発生層52は、精度よくむらのないものとなる。また、気相成膜法によって形成されることにより、芳香環含有有機シアン化合物は、非晶質の状態となる。
第2の発光部6は、第1の発光部4と同様にして形成することができる。
[5] 次に、第2の発光部6上に、電子注入層7を形成する。
電子注入層7の構成材料として無機材料を用いる場合、電子注入層7は、例えば、CVD法や、真空蒸着、スパッタリング等の乾式メッキ法等を用いた気相プロセス、無機微粒子インクの塗布および焼成等を用いて形成することができる。
陰極8は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、金属箔の接合、金属微粒子インクの塗布および焼成等を用いて形成することができる。
以上のような工程を経て、発光素子1が得られる。
最後に、得られた発光素子1を覆うように封止部材9を被せ、基板2に接合する。
このような発光装置は、前述したような発光素子1を備えるため、比較的低電圧で駆動し、高い発光効率および長い発光寿命を有しており、信頼性の高いものとなっている。
また、このような発光装置は、例えば照明等に用いる光源等として使用することができる。
また、発光装置中の複数の発光素子1をマトリックス状に配置することにより、ディスプレイ装置に用いる発光装置を構成することができる。
図2は、本発明の表示装置を適用したディスプレイ装置の実施形態を示す縦断面図である。
図2に示すディスプレイ装置100は、サブ画素100R、100G、100Bに対応して設けられた複数の発光素子1R、1G、1Bを備える発光装置101と、カラーフィルタ19R、19G、19Bとを有している。ここで、ディスプレイ装置100は、トップエミッション構造のディスプレイパネルである。なお、ディスプレイ装置の駆動方式としては、特に限定されず、アクティブマトリックス方式、パッシブマトリックス方式のいずれであってもよい。
基板21上には、複数の駆動用トランジスタ24が設けられ、これらの駆動用トランジスタ24を覆うように、絶縁材料で構成された平坦化層22が形成されている。
各駆動用トランジスタ24は、シリコンからなる半導体層241と、半導体層241上に形成されたゲート絶縁層242と、ゲート絶縁層242上に形成されたゲート電極243と、ソース電極244と、ドレイン電極245とを有している。
発光素子1Rは、平坦化層22上に、反射膜32、腐食防止膜33、陽極3、積層体(有機EL発光部)15、陰極8、陰極カバー34がこの順に積層されている。本実施形態では、各発光素子1R、1G、1Bの陽極3は、画素電極を構成し、各駆動用トランジスタ24のドレイン電極245に導電部(配線)27により電気的に接続されている。また、各発光素子1R、1G、1Bの陰極8は、共通電極とされている。
隣接する発光素子1R、1G、1B同士の間には、隔壁31が設けられている。
また、このように構成された発光装置101上には、これを覆うように、エポキシ樹脂で構成されたエポキシ層35が形成されている。
カラーフィルタ19Rは、発光素子1Rからの白色光Wを赤色(R)に変換するものである。また、カラーフィルタ19Gは、発光素子1Gからの白色光Wを緑色(G)に変換するものである。また、カラーフィルタ19Bは、発光素子1Bからの白色光Wを青色(B)に変換するものである。このようなカラーフィルタ19R、19G、19Bを発光素子1R、1G、1Bと組み合わせて用いることで、フルカラー画像を表示することができる。
そして、カラーフィルタ19R、19G、19Bおよび遮光層36上には、これらを覆うように封止基板20が設けられている。
このようなディスプレイ装置100(本発明の表示装置)は、前述したような発光装置を用いるため、比較的低電圧で駆動し、耐久性に優れ(発光寿命が長く)、発光効率に優れたものである。そのため、少ない消費電力で高品位な画像を長期にわたり表示することができる。
また、このようなディスプレイ装置100(本発明の表示装置)は、各種の電子機器に組み込むことができる。このような電子機器は、前述したような表示装置を用いているため、耐久性に優れたものとしつつ、発光効率を高め、駆動電圧を低減することができる。そのため、高品位な画像を長期にわたり表示することができる。
この図において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部を備える表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このパーソナルコンピュータ1100において、表示ユニット1106が備える表示部が前述のディスプレイ装置100で構成されている。
この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206とともに、表示部を備えている。
携帯電話機1200において、この表示部が前述のディスプレイ装置100で構成されている。
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
ディジタルスチルカメラ1300において、この表示部が前述のディスプレイ装置100で構成されている。
また、ケース1302の正面側(図示の構成では裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部に表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板1308のメモリに転送・格納される。
例えば、前述した発光素子は、2層の発光層と1層のキャリア発生層とを有するものとして説明したが、これに限定されず、例えば、発光素子は、3層以上の発光層とその各発光層の間に存在する2層以上のキャリア発生層とを有していてもよい。
また、前述した発光素子では、発光部は、正孔輸送層と発光層と電子輸送層とを有するものとして説明したが、これに限定されず、例えば、発光層のみで構成されていてもよく、1層以上の発光層を有する任意の構成とすることができる。
1.発光素子の製造
(実施例1)
<1> まず、平均厚さ0.5mmの透明なガラス基板を用意した。次に、この基板上に、スパッタ法により、平均厚さ100nmのITO電極(陽極)を形成した。
そして、基板をアセトン、2−プロパノールの順に浸漬し、超音波洗浄した後、酸素プラズマ処理を施した。
<3> 次に、正孔輸送層上に、発光材料としての前記化3に示すテトラアリールジインデノペリレン誘導体と、ホスト材料としての前記化4に示されるルブレンとを真空蒸着法により蒸着させ、平均厚さ30nmの第1の発光層を形成した。ここで、第1の発光層中の発光材料(ドーパント)の含有量(ドープ濃度)は、1.0wt%とした。
<5> 次に、電子輸送層上に、前記化6に示される(8−キノラリト)リチウム錯体と、Alとを真空蒸着法により蒸着させ、平均厚さ2nmの第1のキャリア発生層を形成した。なお、第1のキャリア発生層中の(8−キノラリト)リチウム錯体(Liq)と、Alとの含有量は、重量比で1:1となるようにした。
<7> 次に、第2のキャリア発生層上に、前記化2に示されるN,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ジフェニル−4,4’−ジアミン(NPD)をを真空蒸着法により蒸着させ、平均厚さ90nmの正孔輸送層を形成した。
<9> 次に、第2の発光層上に、前記化5に示されるトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)を真空蒸着法により蒸着させ、平均厚さ10nmの電子輸送層を形成した。
<11> 次に、電子注入層上に、Alを真空蒸着法により成膜した。これにより、Alで構成される平均厚さ100nmの陰極を形成した。
<12> 次に、形成した各層を覆うように、ガラス製の保護カバー(封止部材)を被せ、エポキシ樹脂により固定、封止した。
以上の工程により、図1に示すような発光素子を製造した。
第2のキャリア発生層の平均厚さを30nmとした以外は、前記実施例1と同様にして発光素子を製造した。
以下のように、第1のキャリア発生層および第2のキャリア発生層の構成を変更した以外は、前記実施例1と同様にして発光素子を製造した。
第1のキャリア発生層の構成材料として、前記化5に示されるトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)とリチウム(Li、単体金属)とを用い、第1のキャリア発生層の平均厚さを10nmとした。
また、第2のキャリア発生層の構成材料として、MoO3を用い、第2のキャリア発生層の平均厚さを5nmとした。
第2のキャリア発生層の構成材料として、MoO3を用い、第2のキャリア発生層の平均厚さを5nmとした以外は、前記実施例1と同様にして発光素子を製造した。
(比較例3)
第2のキャリア発生層の構成材料として、WO3を用い、第2のキャリア発生層の平均厚さを5nmとした以外は、前記実施例1と同様にして発光素子を製造した。
第2のキャリア発生層の構成材料として、下記化9に示される2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(F4−TCNQ)を用い、第2のキャリア発生層の平均厚さを5nmとした以外は、前記実施例1と同様にして発光素子を製造した。
第2のキャリア発生層の構成材料として、前記化9に示される2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(F4−TCNQ)を用い、第2のキャリア発生層の平均厚さを10nmとした以外は、前記実施例1と同様にして発光素子を製造した。
2−1.発光状態の評価
各実施例および各比較例について、直流電源を用いて発光素子に20mA/cm2の定電流を流し、目視によって発光状態を観察し、以下の3段階の基準に従い、評価した。
A:発光むらが観察されず、均一に発光していた。
B:発光むらがわずかに観察された。
C:発光むらが顕著に観察された。
各実施例および各比較例について、直流電源を用いて発光素子に20mA/cm2の定電流を流し、輝度計を用いて輝度を測定した。そして、測定された輝度から、発光効率(cd/A、電流あたりの輝度)を求めた。また、このときの発光素子に印加された駆動電圧も測定した。
各実施例および各比較例について、直流電源を用いて発光素子に200mA/cm2の定電流を流しつづけ、その間、輝度計を用いて輝度を測定し、その輝度が初期の輝度の80%となる時間(LT80)を測定した。そして、比較例2におけるLT80の時間を1.00として、各比較例および各実施例のLT80の時間を相対的に評価した。
以上の各評価の結果を、各実施例および各比較例のキャリア発生層の構成とともに、表1に示す。なお、表中、芳香環含有有機シアン化合物としての前記化8に示すようなヘキサシアノヘキサアザトリフェニレンを「CN−Ph」で示した。
これに対し、各比較例の発光素子では、満足のいく結果が得られなかった。
Claims (5)
- 陽極と、
陰極と、
前記陽極と前記陰極との間に設けられ、前記陽極と前記陰極との間で通電することにより発光する第1の発光層と、
前記陰極と前記第1の発光層との間に設けられ、前記陽極と前記陰極との間で通電することにより発光する第2の発光層と、
前記第1の発光層と前記第2の発光層との間に設けられ、正孔および電子を発生させるキャリア発生層とを有し、
前記キャリア発生層は、前記陽極側に設けられ、(8−キノラリト)リチウム錯体と、仕事関数が4.0eV以上の金属とを含む、平均厚さが2〜3nmである第1のキャリア発生層と、前記陰極側に前記第1のキャリア発生層と接合して設けられ、下記化1に示される化合物で構成され、平均厚さが10〜30nmである第2のキャリア発生層とを有することを特徴とする発光素子。
- 前記第1のキャリア発生層における前記(8−キノラリト)リチウム錯体の含有率をA[wt%]、前記仕事関数が4.0eV以上の金属の含有率をB[wt%]としたとき、0.3≦A/B≦3の関係を満足する請求項1に記載の発光素子。
- 請求項1または2に記載の発光素子を備えることを特徴とする発光装置。
- 請求項3に記載の発光装置を備えることを特徴とする表示装置。
- 請求項4に記載の表示装置を備えることを特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009059397A JP5434159B2 (ja) | 2009-03-12 | 2009-03-12 | 発光素子、発光装置、表示装置および電子機器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009059397A JP5434159B2 (ja) | 2009-03-12 | 2009-03-12 | 発光素子、発光装置、表示装置および電子機器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010212187A JP2010212187A (ja) | 2010-09-24 |
JP5434159B2 true JP5434159B2 (ja) | 2014-03-05 |
Family
ID=42972127
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009059397A Active JP5434159B2 (ja) | 2009-03-12 | 2009-03-12 | 発光素子、発光装置、表示装置および電子機器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5434159B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2416628A4 (en) * | 2009-04-01 | 2013-08-14 | Ason Technology Co Ltd | ORGANIC ELECTROLUMINESCENCE ELEMENT |
JP5834872B2 (ja) * | 2011-12-14 | 2015-12-24 | セイコーエプソン株式会社 | 発光素子、発光装置、表示装置および電子機器 |
JP2018098024A (ja) * | 2016-12-13 | 2018-06-21 | パイオニア株式会社 | 発光装置 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3933591B2 (ja) * | 2002-03-26 | 2007-06-20 | 淳二 城戸 | 有機エレクトロルミネッセント素子 |
JP5167571B2 (ja) * | 2004-02-18 | 2013-03-21 | ソニー株式会社 | 表示素子 |
JP4872805B2 (ja) * | 2007-05-28 | 2012-02-08 | パナソニック電工株式会社 | 有機エレクトロルミネッセンス素子 |
-
2009
- 2009-03-12 JP JP2009059397A patent/JP5434159B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2010212187A (ja) | 2010-09-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4967952B2 (ja) | 発光素子、表示装置および電子機器 | |
JP5402134B2 (ja) | 発光素子、発光装置、表示装置および電子機器 | |
JP5772085B2 (ja) | 発光素子、発光装置、表示装置および電子機器 | |
JP5728930B2 (ja) | 発光素子、表示装置および電子機器 | |
JP5573127B2 (ja) | 発光素子、表示装置および電子機器 | |
JP5077055B2 (ja) | 発光素子、表示装置および電子機器 | |
JP5573102B2 (ja) | 発光素子、発光装置、表示装置および電子機器 | |
JP5229026B2 (ja) | 発光素子、発光装置、表示装置および電子機器 | |
JP5834872B2 (ja) | 発光素子、発光装置、表示装置および電子機器 | |
JP2012038523A (ja) | 発光素子、発光装置、表示装置および電子機器 | |
JP6432149B2 (ja) | 発光素子、発光装置、表示装置および電子機器 | |
JP2012186392A (ja) | 発光素子、発光装置、表示装置および電子機器 | |
US9401492B2 (en) | Light-emitting element, light-emitting device, display device, and electronic apparatus | |
JP5803648B2 (ja) | 発光素子、発光装置、表示装置および電子機器 | |
JP2012186091A (ja) | 発光素子、発光装置、表示装置および電子機器 | |
JP2012186257A (ja) | 発光素子、発光装置、表示装置および電子機器 | |
JP5672077B2 (ja) | 発光素子、発光装置、表示装置および電子機器 | |
JP5434159B2 (ja) | 発光素子、発光装置、表示装置および電子機器 | |
JP2015201279A (ja) | 発光素子、発光装置、表示装置および電子機器 | |
JP6435625B2 (ja) | 発光素子、発光装置、表示装置および電子機器 | |
JP5601100B2 (ja) | 発光素子、発光装置、表示装置および電子機器 | |
JP5098871B2 (ja) | 発光素子、表示装置および電子機器 | |
JP6446813B2 (ja) | 発光素子、発光装置、表示装置および電子機器 | |
JP2012059419A (ja) | 発光素子、表示装置および電子機器 | |
JP2012069857A (ja) | 発光素子、発光装置、表示装置および電子機器 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20111212 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120612 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120613 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120810 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130212 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130412 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20131112 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20131125 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5434159 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |