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JP5409459B2 - オーステナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents

オーステナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ Download PDF

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JP5409459B2 JP2010061377A JP2010061377A JP5409459B2 JP 5409459 B2 JP5409459 B2 JP 5409459B2 JP 2010061377 A JP2010061377 A JP 2010061377A JP 2010061377 A JP2010061377 A JP 2010061377A JP 5409459 B2 JP5409459 B2 JP 5409459B2
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Description

本発明は、溶接金属の機械的性能が良好で、テンパーカラーの生成量が少ないビード外観および良好なビード形状が得られ、スパッタ発生量が少なく溶接作業性に優れるオーステナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤに関する。
フラックス入りワイヤは、高能率で良好な溶接作業性が得られることから、被覆アーク溶接棒の需要から置換が進み、特にステンレス鋼の溶接の場合、最も使用量が多い溶接材料である。
しかし、市販のオーステナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤを用いてオーステナイト系ステンレス鋼の溶接を行うと、ビード表面にテンパーカラーが生成し、このテンパーカラーが耐食性の低下や、美観を損なうことから、酸洗いなどの表面処理が必要となる。したがって、工期短縮などのコストメリットを考慮した場合、テンパーカラーの生成量が少なく、溶接作業性が良好なフラックス入りワイヤが強く要望されている。
オーステナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤとして例えば、特許文献1に、C、N、Cr、Ni、Mo、Nb、Cu、Ti、Si、Mnなどの合金成分およびフラックス中の酸化物の適正化を図ったステンレス鋼用フラックス入りワイヤが提案されている。しかし、特許文献1に記載の技術では、溶接直後にスラグ剥離が開始されるため、ビード表面が酸化してテンパーカラーが生成するといった課題があった。
また、特許文献2には、溶接作業性が良好で、スパッタ発生量を抑制することができるオーステナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤが提案されている。しかし、特許文献2に記載の技術では、スパッタ発生量を減少することができても、テンパーカラーの生成量を低減できないといった課題があった。
特許第3027313号公報 特許第2667634号公報
本発明は、溶接金属の機械的性能が良好で、テンパーカラーの生成量が少ないビード外観および良好なビード形状が得られ、スパッタ発生量が少なく溶接作業性に優れるオーステナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤを提供することを目的とする。
テンパーカラーとは、金属表面の酸化皮膜の厚さにより、反射光の干渉に差が生じ、色調が変化する現象であり、溶接直後の高温なビード表面が大気に晒された場合、テンパーカラーが生成する。このテンパーカラーが耐食性の低下や、美観を損なうことから、表面処理が必要となる。
そこで、本発明者らは、前記課題を解決するためにオーステナイト系ステンレス鋼外皮に充填するフラックスの金属およびスラグ剤成分について種々検討を行った。その結果、ビード表面のテンパーカラーの生成量を低減するためには、フラックスにMgを添加することが有効であることが判明した。Mgは、脱酸作用により溶接金属中の酸素量を低減させ、スラグの粘性および融点を調整する。また、溶接金属とスラグとの熱収縮の差によって生じるスラグ剥離の時期を遅らせて生成される酸化皮膜を抑制することにより、テンパーカラーの生成量を低減することができることが明らかとなった。
一方、Mgの添加は、スラグの粘性が高くなり溶滴移行が円滑に行われず、溶接作業性が低下するといった課題が生じたため、更なる検討を加えた。その結果、Alを添加することによって、スラグの粘性を改善し、溶接作業性を損なうことなく、ビード表面のテンパーカラーの生成量を低減することが可能になることを見出し、本発明を完成した。
本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)鋼製外皮へフラックスを充填したフラックス入りワイヤにおいて、
ワイヤ全質量に対して質量%で、
C:0.06%以下、
Si:0.3〜1.0%、
Mn:0.5〜3.0%、
Ni:8〜14%、
Cr:17〜25%、
Mo:0.01〜3.0%、
Cu:0.01〜0.75%、
Bi:0.01〜0.15%、
Al:0.002〜0.1%、
Mg:0.005〜0.1%でAlとMgの和:0.01〜0.15%
を含有し、さらに、スラグ剤成分として、
TiO2:0.1〜3.0%、
SiO2:0.5〜5.0%、
Al23:0.1〜1.5%、
ZrO2:0.1〜2.5%、
金属弗化物のF換算値:0.01〜0.15%
を含有し、さらに、アーク安定剤成分として、
Li、NaまたはKのアルカリ金属酸化物の1種または2種以上:0.02〜2.0%
を含有し、かつ金属酸化物および金属弗化物の合計が4.2〜11.4%
で、残部はFeおよび不可避不純物であることを特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ。
本発明のオーステナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤによれば、オーステナイト系ステンレス鋼の溶接において、テンパーカラーの生成量が少ないビード外観および良好なビード形状が得られ、スパッタ発生量が少なく溶接作業性および溶接金属の機械的性能に優れ、高品質な溶接部が得られる。
本発明は、オーステナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤの外皮および充填フラックスの各成分組成それぞれの共存による単独および相乗効果によりなし得たもので、特に、ビード表面のテンパーカラーの生成量を低減するためには、フラックスにMgをワイヤ全質量に対して0.005〜0.1質量%添加することが有効であること、しかし、Mgの添加は、スラグの粘性が高くなり溶滴移行が円滑に行われず、溶接作業性が低下するため、Alをワイヤ全質量に対してAlとMgの合計量0.01〜0.15%添加することによって、スラグの粘性を改善し、溶接作業性を損なうことなく、ビード表面のテンパーカラーの生成量を低減することが可能になることを見出して、オーステナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤの成分設計を行なったものである。
以下にそれぞれの各成分組成の添加理由および限定理由を述べる。なお、各成分組成の含有量%は、ワイヤ全質量に対する質量%で示す。
まず、スラグ剤成分について説明する。
TiO:0.1〜3.0%、
TiOは、アークを安定にする。TiOが0.1%未満では、アークが不安定となる。一方、3.0%を超えると、スラグの剥離時期が早くなってテンパーカラーが生成する。従って、TiOは0.1〜3.0%とするが、好ましくは0.15〜2.75%である。TiOとしては、ルチール、チタンスラグ、イルミナイト、チタン酸カリ、チタン酸ソーダ等が使用できる。
SiO:0.5〜5.0%、
SiOは、スラグの粘性調整に必要でスラグ被包性およびビード形状を良好にする。SiOが0.5%未満では、スラグの粘性が高くビード形状が不均一となる。一方、5.0%を超えると、スラグが流れやすくなりスラグ被包性が悪くビード外観が不良となる。従って、SiOは0.5〜5.0%とするが、好ましくは1.0〜4.50%である。SiOとしては、硅砂、硅石の他、カリ長石等が使用できる。
Al:0.1〜1.5%、
Alは、アークを安定にする。Alが0.1%未満では、アーク集中性に欠けてアークが不安定となる。一方、1.5%を超えると、スラグ剥離性が悪くなるため、Alは0.1〜1.5%とするが、好ましくは0.13〜1.13%である。
ZrO:0.1〜2.5%、
ZrOは、スラグ被包性を改善する効果がある。ZrOが、0.1%未満では、スラグの粘性が低く十分なスラグ被包性が得られずビード外観が不良となる。一方、2.5%を超えると、スラグ粘性が増加して溶滴移行が円滑に行われずスパッタ発生量が増加する。従って、ZrOは0.1〜2.5%とするが、好ましくは1.2〜2.21%である。
金属弗化物のF換算値:0.01〜0.15%、
金属弗化物は、スラグ融点の調整として必要でスラグ被包性およびスラグ剥離性を良好とする目的で添加する。金属弗化物のF換算値が0.01%未満ではスラグ被包性が悪くビード外観およびスラグ剥離性が悪くなる。しかし、0.15%を超えると、スラグの融点が著しく低下してビード形状が不良となる。従って、金属弗化物のF換算値は0.01〜0.15%とする。金属弗化物はNaF、LiF、CaF、AlF、KZrF、KSiF等が使用でき、いずれの金属弗化物を使用しても同様な効果が得られる。
金属酸化物および金属弗化物のスラグ剤成分の合計が4.2〜11.4%、
フラックス中の金属酸化物および金属弗化物のスラグ剤成分の合計は、スラグ被包性、スラグ剥離性およびビード形状を良好にする。スラグ剤成分の合計が4.2%未満では、スラグ量が少なくなりビード形状が劣化する。一方、スラグ剤成分の合計が11.4%を超えると、スラグ量が過剰となりスラグが不均一に被包してビード外観およびスラグ剥離性を悪くする。従って、スラグ剤成分の合計は4.2〜11.4%とする。
また、フラックス中には、従来と同様に、合金剤(鉄粉を含む)、脱酸剤およびアーク安定剤を添加することができる。
従来と同様に、合金剤としては、金属粉または合金粉として添加することができ、そして、溶着金属の機械的性能を得るために添加する脱酸剤としては、鋼製外皮およびフラックス成分中に、例えば、C、Si、Mn或いはそれらの鉄合金として含有させることができ、また、アーク安定剤としてはLi、Na、K等を弗化物、炭酸塩、酸化物等の形態で合わせて0.02%以上、好ましくは0.05〜2.0%添加することにより、極めて安定したアークとすることができる。
次に、鋼製外皮およびフラックス中の他の成分について説明する。
Al:0.002〜0.1%、
Alは、0.002%以上含有することによってアークを安定にする効果がある。一方、Alが0.1%を超えると、アークが不安定となる。従って、Alは、0.002〜0.1%とする。
Mg:0.005〜0.1%、
Mgは、溶接金属とスラグとの熱収縮の差によって生じるスラグ剥離の時期を改善し、テンパーカラーの生成量を低減する効果がある。Mgが0.005%未満であると、テンパーカラー生成量の低減効果が得られない。一方、0.1%を超えると、スラグの粘性が高くなりスラグ剥離性が劣化する。従って、Mgは、0.005〜0.1%とするが、好ましくは0.02〜0.08%である。
AlとMgの和:0.01〜0.15%、
さらに前記AlとMgの和を0.01〜0.15%、好ましくは0.05〜0.12%にすることにより、スラグの融点および粘性を改善してアークを安定にする。AlとMgの和が0.01%未満では、アークが不安定となる。一方、0.15%を超えると、スラグ量が増加してスラグ剥離性が悪くなる。
C:0.06%以下、
Cは、Crと化合して炭化物を生成して溶接金属の耐食性および靭性を劣化させるため、少ないほうが好ましく、Cの含有量は0.06%以下とする。好ましくは0.04%以下である。
Si:0.3〜1.0%、
Siは、スラグの粘性を調整してビード形状を良好にする。また、脱酸作用により溶接金属の靭性を改善する効果を有する。0.3%未満では、脱酸反応が促進されず、溶接金属中のO量が高くなり靭性が劣化する。一方、1.0%を超えると、ビード形状が凸になる。従って、Siは0.3〜1.0%とする。
Mn:0.5〜3.0%、
Mnは、脱酸作用により溶接金属の靭性を向上する効果を有する。Mnが0.5%未満では、溶接金属の靭性が劣化し、3.0%を超えると、溶滴が大きく成長してスパッタ発生量が多くなる。従って、Mnは0.5〜3.0%とする。
Ni:8〜14%、
Niは、溶接金属のオーステナイト組織を安定化させる効果を有する。Niが8%未満では、オーステナイトの晶出量が減少してフェライト量を増加させ靭性が劣化する。一方、14%を超えると、オーステナイト量が増加して強度が低下する。従って、Niは8〜14%とする。
Cr:17〜25%、
Crは、溶接金属のフェライト組織を安定化させて強度を確保する効果を有する。Crが17%未満では、フェライトの晶出量が減少して強度が低下する。一方、25%を超えると、溶滴が粗大となりスパッタ発生量が増加する。従って、Crは17〜25%とする。
Mo:0.01〜3.0%、
Moは、溶接金属のフェライト相を安定化させて強度を改善する効果を有する。Moが0.01%未満では、十分な強度が得られない。一方、3.0%を超えると、脆い金属間化合物であるσ相を生成して靭性が劣化する。従って、Moは、0.01〜3.0%とする。
Cu:0.01〜0.75%、
Cuは、極微量の添加でスパッタ発生を抑制する効果を有する。しかし、Cuが0.01%未満であると、スパッタ発生を抑制する効果が得られない。一方、Cuが0.75%を超えると、Cuを含む金属間化合物を析出して靭性が劣化する。従って、Cuは0.01〜0.75%とする。
Bi:0.01〜0.15%、
Biは、スラグ剥離性を改善する目的で添加する。Biが0.01%未満では、スラグ剥離性が悪くなる。一方、0.15%を超えると、溶接ビードとスラグ間に低融点化合物相を生成して溶接直後にスラグが剥離してビード表面が大気に晒されテンパーカラーが生成する。従って、Biは、:0.01〜0.15%とする。
なお、上記に述べた成分の残部は、鋼製外皮のFe分、合金剤のFe分、脱酸剤のFe分などからのFeおよび不可避不純物である。また、ステンレス鋼外皮へのフラックス充填率については、ステンレス鋼外皮へのフラックス充填率が18%未満では、外皮の肉厚が厚くなり、溶滴が肥大化してアークが不安定となる。一方、30%を超えると外皮の肉厚が薄く、スラグ量が過剰となりスラグ被包性が劣化する。従って、フラックス充填率は18〜30%とすることが好ましい。


フラックス入りワイヤの製造方法について言及すると、例えば外皮を帯鋼より管状に成形する場合には、配合、撹拌、乾燥した充填フラックスをU形に成形した溝に満たした後丸形に成形し、所定のワイヤ径まで伸線する。この際、整形した外皮シームを溶接することで、シームレスタイプのフラックス入りワイヤとすることもできる。また外皮がパイプの場合には、パイプを振動させてフラックスを充填し、所定のワイヤ径まで伸線する。
充填フラックスは、供給、充填が円滑に行えるように、固着剤(珪酸カリおよび珪酸ソーダの水溶液)を添加して造粒して用いることもできる。特に、微細なTi酸化物を添加する場合には、充填に先立って充填フラックスを造粒することは、充填性を高めると同時に偏析を防止する上で極めて有効である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
表1に示す化学成分のオーステナイト系ステンレス鋼外皮を用いて表2に示す組成のワイヤ径1.2mmのステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤを各種試作した。なお、フラックス充填率は18〜30%とした。
Figure 0005409459
Figure 0005409459
溶接は、オーステナイト系ステンレス鋼を用いてJIS Z 3323に基づいて溶着金属試験を行った。溶着金属性能は、JIS Z 3111に準拠し、引張試験および衝撃試験を行った。溶着金属性能は、引張強さ:520MPa以上、−20℃における吸収エネルギー:30J以上を良好とした。また、腐食試験は、JIS G 0577に準拠した。試験片は、テンパーカラーの生成による耐食性の低下を考慮し、溶接後のビード状態のままで試験を行った。耐食性は、孔食電位が300mV以上を良好とした。
溶接作業性は、オーステナイト系ステンレス鋼を用いて水平すみ肉溶接を行い、アーク安定性、スパッタ発生量、スラグ被包性、スラグ剥離性、ビード形状およびテンパーカラーの生成状態を調べた。
なお、溶着金属試験および溶接作業性の調査の溶接電流は180〜250A、シールドガスはCOで実施した。それらの結果を表3にまとめて示す。
Figure 0005409459
表2および表3中ワイヤNo.1〜10が本発明例、ワイヤNo.11〜20は比較例である。本発明であるワイヤNo.1〜10は、TiO、SiO、Al、ZrO、Al、Mg、AlとMgの和、金属弗化物のF換算値、スラグ剤成分の合計、C、Si、Mn、Ni、Cr、Mo、CuおよびBiの量が適正であるので、アークが安定でスパッタ発生量が少なく、スラグ被包性、スラグ剥離性およびビード形状が良好で、テンパーカラーの生成が極めて少なく、また、溶着金属性能も良好であるなど、極めて満足な結果であった。
比較例中ワイヤNo.11は、Mnが多いのでスパッタ発生量が多く、TiOが多いのでテンパーカラーが生成し、孔食電位が低かった。
ワイヤNo.12は、Biが多いのでテンパーカラーが生成し孔食電位が低かった。また、TiOが少ないのでアークが不安定であった。さらに、Mnが少ないので吸収エネルギーが低値であった。
ワイヤNo.13は、SiOが少ないのでビード形状が悪く、Alが少ないのでアークが不安定であった。また、Siが少ないので吸収エネルギーが低値であった。
ワイヤNo.14は、SiOが多いのでスラグ被包性、Siが高いのでビード形状およびAlが高いのでスラグ剥離性がそれぞれ不良であった。
ワイヤNo.15は、ZrOが少ないのでスラグ被包性が不良で、Crが多いのでスパッタ発生量が多かった。また、Niが少ないので吸収エネルギーが低値であった。
ワイヤNo.16は、ZrOが多いのでスパッタ発生量が多く、Biが少なのでスラグ剥離性が不良であった。また、Niが多いので引張強さが低値であった。
ワイヤNo.17は、Alが多いのでアークが不安定で、弗化物のF換算値が少ないのでスラグ被包性およびスラグ剥離性が不良であった。また、Mgが低いのでテンパーカラーが生成したので孔食電位が低かった。さらに、Crが少ないので引張強さが低値であった。
ワイヤNo.18は、Mgが多いのでスラグ剥離性が、弗化物のF換算値が多いのでビード形状が不良であった。また、Cuが多いので吸収エネルギーが低値であった。
ワイヤNo.19は、AlとMgの和が多いのでスラグ剥離性が不良で、スラグ剤の合計が少ないのでビード形状も不良であった。また、Moが少ないので引張強さが低値であった。
ワイヤNo.20は、AlとMgの和が少ないのでアークが不安定であった。また、スラグ剤の合計が多いのでスラグ被包性およびスラグ剥離性が不良であった。さらに、Moが多いので吸収エネルギーが低値であった。
ワイヤNo.21は、Alが少ないので、アークが不安定であった。また、Cが多いので、吸収エネルギーが低値で、孔食電位も低かった。さらにCuが低いので、スパッタ発生が多かった。

Claims (1)

  1. 鋼製外皮へフラックスを充填したフラックス入りワイヤにおいて、
    ワイヤ全質量に対して質量%で、
    C:0.06%以下、
    Si:0.3〜1.0%、
    Mn:0.5〜3.0%、
    Ni:8〜14%、
    Cr:17〜25%、
    Mo:0.01〜3.0%、
    Cu:0.01〜0.75%、
    Bi:0.01〜0.15%、
    Al:0.002〜0.1%、
    Mg:0.005〜0.1%でAlとMgの和:0.01〜0.15%
    を含有し、さらに、スラグ剤成分として、
    TiO2:0.1〜3.0%、
    SiO2:0.5〜5.0%、
    Al23:0.1〜1.5%、
    ZrO2:0.1〜2.5%、
    金属弗化物のF換算値:0.01〜0.15%
    を含有し、さらに、アーク安定剤成分として、
    Li、NaまたはKのアルカリ金属酸化物の1種または2種以上:0.02〜2.0%
    を含有し、かつ金属酸化物および金属弗化物の合計が4.2〜11.4%
    で、残部はFeおよび不可避不純物であることを特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ。
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