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JP5347228B2 - 電界効果トランジスタ - Google Patents

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Description

本発明は、電界効果トランジスタに関し、特にSiN膜などの絶縁膜によって表面が被覆された窒化物半導体電界効果トランジスタに関するものである。
図6は、従来技術によるヘテロ接合電界効果トランジスタ(Hetero-Junction Field Effect Transistor;以下HJFETという)の断面構造図である。このような従来技術のHJFETは、例えば非特許文献1に報告されている。このHJFETは、サファイアあるいはSiCからなる基板1の上に緩衝層2が形成されている。緩衝層2の上にGaNチャネル層3が形成され、その上にAlGaN電子供給層4が形成されている。その上にソース電極5とドレイン電極6が形成されており、これらの電極はAlGaN電子供給層4にオーム性接触している。また、ソース電極5とドレイン電極6の間にゲート電極7が形成され、このゲート電極はAlGaN電子供給層4にショットキー性接触している。最上層には表面保護膜としてSiN膜10が形成されている。
このようなAlGaN/GaN HJFETにおいては、電流コラプス量とゲート耐圧の間にトレードオフが存在し、その制御が非常に困難である。AlGaN/GaNヘテロ接合においては、自発分極とAlGaN層とGaN層の格子不整合に起因するストレスによってピエゾ分極が発生し、AlGaN/GaN界面に2次元電子ガスが供給される。そのため表面電荷に敏感となり、AlGaN表面状態がHJFETの素子特性に大きな影響を与える。コラプスとは、HJFETが大信号動作する際に、表面トラップの応答によって表面に負電荷が蓄積された状態になり、最大ドレイン電流が抑制される現象である。コラプスが顕著になると大信号動作時のドレイン電流が抑制されるため、飽和出力が低下する。図6は、コラプス量を示すコラプス係数の算出方法を説明するための説明図である。コラプス係数(CF)は、Vdsが10Vを越えることのない条件でトランジスタを動作させた後のVds=10Vとしたときの最大電流:Imax(10V)と、Vdsを80Vに達するまで上昇させてトランジスタを動作させた後にVds=10Vとしたときの最大電流:との変化の割合を示す係数である。すなわち、CF=[{Imax(10V)−Imax(80V)}/Imax(10V)]x100である。このコラプス係数は素子表面にSiN膜がない場合(膜厚0nm)では60%以上であるが、SiN膜厚100nmでは10%以下に抑制できる。このように、素子の表面状態に敏感なGaNトランジスタでは、素子の表面にSiN膜を形成すると、SiN膜によってAlGaN表面が保護されるため、表面準位による負電荷の発生を抑制する効果があり、コラプス量を減らすことができるのである。一方、適度な表面負電荷はゲート-ドレイン間の電界集中を緩和し、ゲート耐圧を高める効果がある。このため、SiN膜でAlGaN表面を保護した場合、表面負電荷が打ち消されると、ゲート-ドレイン間の電界集中が顕著になり、ゲートリーク電流が増加する問題があった。
ゲートリーク電流が増加する機構は現在明らかにされていないが、SiN/AlGaNの界面準位が低くゲート電極のドレイン端に電界集中が発生して起こるという考えやSiN/AlGaN表面にN空孔が発生して高濃度のn型層となるためトンネル電流が流れる等の考えがある。この課題を解決するための技術として、例えば特許文献1には、SiN保護膜中の水素含有量を15%以下すると、SiN保護膜中に水素が存在することで生じる窒化物半導体表面の状態変化と表面欠陥準位の荷電状態の変化が抑制され、ゲート漏れ電流と電流コラプスとをユーザの特性要求を満足させるレベルにまで抑制することが可能となることが開示されている。
Y.Ando et al., IEDM 01-381〜384, 2001 特開2005−286135号公報
上記したように、窒化物半導体の表面をSiN膜で被覆した電界効果トランジスタでは、電流コラプスは低減することができるもののゲート漏れ電流が増加してしまうという問題があった。一方、特許文献1に開示されたように、SiN保護膜中の水素含有量を15%以下すると、ゲート漏れ電流と電流コラプスとをユーザの特性要求を満たすレベルにまで抑制することが可能である。しかし、通常のシランガス(SiH)、アンモニアガス(NH)、窒素ガス(N)を用いたプラズマCVD成長方法では、成膜したSiN膜には15%前後の水素が含有されやすく水素濃度低減にはアンモニアガス(NH)対する窒素ガス(N)の比率を大幅に上げる必要がある。この時、NガスはNHに比べて分解しにくくSiN膜に対して十分なNが供給できずにSiN膜のNが不足して十分な絶縁性が再現性良く得られないことが問題となる。
本発明の課題は、上述した従来技術の問題点を解決することであって、その目的は、電流コラプスとゲートリーク電流のトレードオフを解決し高い高周波パワー特性を有する窒化物半導体トランジスタを制御性良く提供できるようにすることである。
上記の目的を達成するため、本発明によれば、第1の窒化物半導体上にこれと接して該第1の窒化物半導体よりもエネルギーバンドギャップが広い第2の窒化物半導体が形成され、該第2の窒化物半導体に接してソース電極、ドレイン電極およびゲート電極が形成され、前記第2の窒化物半導体の結晶表面上にこれと接してフッ素を含有する絶縁膜を備えている電界効果トランジスタにおいて、前記フッ素を含有する絶縁膜でのフッ素の含有量が5atom % 以下、0.001atom % 以上であることを特徴とする電界効果トランジスタ、が提供される。
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、第1の窒化物半導体上にこれと接して該第1の窒化物半導体よりもエネルギーバンドギャップが広い第2の窒化物半導体が形成され、該第2の窒化物半導体に接してソース電極、ドレイン電極およびゲート電極が形成され、前記第2の窒化物半導体の結晶表面上にこれと接してフッ素とカーボンを含有する絶縁膜を備えている電界効果トランジスタにおいて、前記フッ素とカーボンを含有する絶縁膜でのフッ素の含有量が5atom % 以下、0.001atom % 以上であることを特徴とする電界効果トランジスタ、が提供される。
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、第1の窒化物半導体上にこれと接して該第1の窒化物半導体よりもエネルギーバンドギャップが広い第2の窒化物半導体が形成され、該第2の窒化物半導体に接してソース電極、ドレイン電極およびゲート電極が形成され、前記第2の窒化物半導体の結晶表面上に多層構造の絶縁膜が形成され前記第2の窒化物半導体に接する第1層がフッ素を含有する絶縁膜で構成されている電界効果トランジスタにおいて、前記フッ素を含有する絶縁膜でのフッ素の含有量が5atom % 以下、0.001atom % 以上であることを特徴とする電界効果トランジスタ、が提供される。

また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、第1の窒化物半導体上にこれと接して該第1の窒化物半導体よりもエネルギーバンドギャップが広い第2の窒化物半導体が形成され、該第2の窒化物半導体に接してソース電極、ドレイン電極およびゲート電極が形成され、前記第2の窒化物半導体の結晶表面上に多層構造の絶縁膜が形成され前記第2の窒化物半導体に接する第1層がフッ素とカーボンを含有する絶縁膜で構成されている電界効果トランジスタにおいて、前記フッ素とカーボンを含有する絶縁膜でのフッ素の含有量が5atom % 以下、0.001atom % 以上であることを特徴とする電界効果トランジスタ、が提供される。
そして、好ましくは、前記フッ素を含有する絶縁膜でのフッ素の含有量が5atom % 以下である。また、一層好ましくは、前記フッ素を含有する絶縁膜でのフッ素の含有量が0.001atom % 以上である。
AlGaN電子供給層の表面をSiN膜で被覆した従来例では、図1(b)のエネルギーバンド図に示すように、AlGaN電子供給層の界面電位が低下し、AlGaN層とSiN膜との界面に電荷がたまる。その結果、図6に示されるように、大きな表面リーク電流11が流れる。而して、本発明によると、SiN膜などの表面保護絶縁膜にフッ素が添加される。アイイーイーイーエレクトロンデバイスレター26巻7号435ページには、ゲート電極形成前に直下のAlGaN表面にフッ素(F)を含む反応性ガスのプラズマ処理をすることによりAlGaN層中にフッ素(F)が進入して負の電荷が形成され、ゲート電極形成後しきい値電圧が正側に移動することが報告されている。本発明の構成を用いれば、ゲート電極直下ではなく、ソース電極、ゲート電極、ドレイン電極間の絶縁膜/AlGaN電子供給層4界面に存在するイオン化したフッ素(F)およびAlGaN電子供給層4中に拡散したフッ素(F)イオンにより、従来の絶縁膜で問題となった絶縁膜/AlGaN電子供給層4界面電位の低下を防ぐことができる。すなわち、フッ素が添加されたことにより、図1(a)のエネルギーバンド図に示されるように、AlGaN電子供給層の界面電位が持ち上げられ界面電荷が解消される。このため、逆方向電圧印加時にゲート電極界面に電界が集中するのが抑えられ、逆方向リーク電流が低減できる。本発明によると、表面リーク電流が従来構成の1/100程度ないしそれ以下に低減され、高電圧動作が可能となり高周波の出力特性が格段に向上する。その一方で、本発明の電界効果トランジスタではAlGaN電子供給層の表面がSiN膜によって被覆されているので、電流コラプスを低減することができる。また、このSiN膜は、容易に再現性よく形成することができる。よって、本発明によると、電流コラプスが低くかつゲートリーク電流が低減した、高周波パワー特性の良好なトランジスタを再現性良く提供することが可能になる。
次に、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図2は、本発明の窒化物半導体電界効果トランジスタの第1の実施の形態を示す断面図である。図2に示されるように、基板1上には、緩衝層2、GaNチャネル層3、AlGaN電子供給層4が順次成長させられている。AlGaN電子供給層4の表面にはソース電極5、ドレイン電極6およびゲート電極7が形成され、露出したAlGaN電子供給層4の表面は、フッ素を含むフッ素含有絶縁膜8により被われている。
ここで、基板としては、SiC基板、サファイア基板、シリコン基板、ZnO基板等、GaNを結晶成長させることのできる基板であれば利用可能である。また、緩衝層2としては、GaNあるいはAlNなどの格子定数がGaNに近い材料が選択される。フッ素含有絶縁膜8の絶縁物材料としては、SiNが好ましく用いられるが、AlやHfO膜などの高誘電率、高エネルギーバンドギャップ材料も使用が可能である。フッ素含有絶縁膜8の望ましい膜厚は50〜200nmである。
フッ素含有絶縁膜8内での望ましいフッ素濃度は、5atom%以下である。これ以上になると、絶縁膜の特性が劣化して絶縁膜本来の電気的絶縁性、表面形状、耐湿性を維持できなくなるからである。
一方で、絶縁膜中のフッ素濃度は表面電位を持ち上げるのに十分な値が必要であり、以下のように下限値が選定される。d1はフッ素を含む絶縁膜の厚さ、Nはフッ素濃度とするとAlGaN電子供給層4の表面に発生する分極電荷は1x1013cm−2程度であり、この値を表面状態によって変化させるのであるから、絶縁膜の厚さd1とフッ素濃度Nの積d1xNが1x1013cm−2以上であることが必要となる。例えば絶縁膜の厚さが100nmであるとすると、必要なフッ素濃度は1x1018cm−3以上となる。ここで、絶縁膜母材の原子密度が1x1023cm−3であると見積もると、上記1x1018cm−3以上は、0.001atom%以上に相当することになる。
フッ素含有絶縁膜8には、フッ素に加えカーボン(C)を添加されていてもよい。フッ素含有絶縁膜8内での望ましいC濃度は、5atom%以下である。これ以上添加しても特に特性の改善は望めず、かえって、絶縁膜の特性が劣化して絶縁膜本来の電気的絶縁性、表面形状、耐湿性を維持できなくなるからである。
(第2の実施の形態)
図3は、本発明の窒化物半導体電界効果トランジスタの第2の実施の形態を示す断面図である。図3に示されるように、基板1上には、緩衝層2、GaNチャネル層3、AlGaN電子供給層4が順次成長させられている。AlGaN電子供給層4の表面にはソース電極5、ドレイン電極6およびゲート電極7が形成され、露出したAlGaN電子供給層4は、フッ素を含むフッ素含有絶縁膜8とその上を覆う上層絶縁膜9とからなる多層絶縁膜により被われている。
ここで、トランジスタ表面を覆う保護絶縁膜以外の構成は、図2に示される第1の実施の形態の場合と同様であるので、多層絶縁膜についてのみ説明することにする。フッ素含有絶縁膜8の絶縁物材料としては、SiNが好ましく用いられるが、AlやHfO膜などの高誘電率、高エネルギーバンドギャップ材料も使用が可能である。フッ素含有絶縁膜8の望ましい膜厚は50〜150nmである。フッ素含有絶縁膜8内での望ましいフッ素濃度は、第1の実施の形態の場合と同様に、0.001atom%以上、5atom%以下である。フッ素含有絶縁膜8には、5atom%以下の濃度でカーボンが添加されていてもよい。
上層絶縁膜9は、フッ素が添加されていない絶縁膜で構成され、好ましくはSiN、SiON、SiO、Al、HfOなどにより形成される。その望ましい膜厚は、30〜150nmである。例えば、寄生容量を低く抑えたい用途の場合、誘電率の低いSiOを用いて、SiN-F/SiO構造の多層膜を用い、また、耐湿性を高めたいのであれば、SiN-F/SiN構造の多層膜を用いるなど、用途に応じて適宜の材料を選定すればよい。また、上記の絶縁材料を組み合わせ使用して、上層絶縁膜9自体を2層以上の多層膜として、様々な要求に応えられるようにしてもよい。例えば、SiN-F/SiO/SiN、SiN-F/Al/SiN、SiN-F/HfO/SiNなどにより表面保護膜を構成してもよい。
次に、具体的な実施例について説明する。実施例1のデバイス構造は、図2に示される第1の実施の形態のものである。基板1として高抵抗SiC基板を用い、緩衝層2として、AlNバッファ層を4nm、GaNチャネル層3としてGaN層を2000nm、AlGaN電子供給層4としてAl組成比0.25のAlGaNを厚さ30nmに、それぞれ有機金属気相成長法により、結晶成長させた。ソース電極5、ドレイン電極6としてここではTi、Alを蒸着し、リフトオフ工程を用いてパターン形成した後窒素雰囲気中650℃で熱処理することによりオーミックコンタクトを形成した。ゲート長Lg=0.5μmのゲート電極7を、Niを20nm、Auを200nmを蒸着し、リフトオフして形成した。
その後、フッ素含有絶縁膜8としてSiN-Fをここでは100nmの厚さに、並行平板電極を有するプラズマCVD装置を用いて、N希釈2%のSiHガス 200SCCM、100%SiFガスは0.1から5SCCMの範囲、100%NHガス 50SCCM、Nガス 500SCCMを流して基板温度300℃、PRパワー200Wで形成した。
本発明の効果を比較するために、その後フッ素を含まない絶縁膜としてSiN膜10を、並行平板電極を有するプラズマCVD装置を用いて、N希釈2%のSiHガス 200SCCM、100%NHガス 50SCCM、Nガス 500SCCMを流して基板温度300℃、RFパワー200Wで、100nmの膜厚に形成し、図6のデバイス構造のトランジスタを形成した。また、比較のために表面保護膜を形成しない試料も従来例として用意した。
図4に、フッ素(F)を含むSiN膜をSiFのガス流量0.2SCCMで成膜した本実施例のトランジスタと従来構造のトランジスタとのゲートリーク電流特性評価結果を示す。本実施例トランジスタのSiN膜中のF濃度は、分析の結果1x1019cm−3であった。従来技術のFを含まないSiNを有するトランジスタではゲートリーク電流が多く良好な高周波の出力特性が得られなかった。一方、本発明の実施例では、リーク電流が大幅に低減されるため(概略2桁)、良好な高周波の出力特性が得られた。
上記実施例ではにフッ素(F)を含むSiN膜をSiFのガス流量0.2SCCMで成膜したが、成膜時のSiFガス流量を4SCCMとした試料ではSiN中のF濃度が8%となりそのときのSiNは表面形状が粗く、電気的抵抗も十分高く無くゲートリーク電流増加した。
実施例2のデバイス構造を図2に示す。基板1として高抵抗SiC基板を用い、緩衝層2としてAlNバッファ層を4nm、GaNチャネル層3としてGaN層を2000nm、AlGaN電子供給層4としてAl組成比0.25のAlGaN層を30nmの厚さに、それぞれ有機金属気相成長法により形成した。ソース電極5、ドレイン電極6としてここではTi、Al金属を蒸着し、リフトオフ工程を用いてパターン形成した後、窒素雰囲気中650℃で熱処理することによりオーミックコンタクトを形成した。ゲート長Lg=0.5μmのゲート電極7を、Niを20nm、Auを200nmの膜厚にそれぞれ蒸着し、リフトオフして形成した。その後フッ素含有絶縁膜8としてSiN -C−Fを例えば並行平板電極を有するプラズマCVD法を用いてN希釈2%のSiHガス 200SCCM、100%CFガスは、0.1から5SCCMの範囲、100%NHガス 50SCCM、Nガス 500SCCMを流して基板温度300℃、PRパワー200Wで形成した。
本発明の効果を比較するため、フッ素を含まないSiN膜10としてSiNを、並行平板電極を有するプラズマCVD装置を用いて、N希釈2%のSiHガス 200SCCM、100%NHガス 50SCCM、Nガス 500SCCMを流して基板温度300℃、RFパワー200Wで膜厚100nmに形成し、図6に示されるデバイス構造のトランジスタを形成した。また、比較のために、表面保護膜を形成しない試料も従来例として用意した。
図5に、本実施例のトランジスタと従来構造のトランジスタのゲートリーク電流特性評価結果を示す。本実施例トランジスタのSiN -C−F膜中のF濃度、C濃度は分析の結果それぞれ1x1019cm−3、5x1018cm−3であった。SiN膜中にFだけでなく、電子を捕らえる準位を形成する不純物Cを含み、捕らえられた電子の負の電荷によりSiN/AlGaN界面が持ち上げられるため更にゲートリーク電流が低減できた。従来技術のFを含まないSiNを有するトランジスタではゲートリーク電流が多く良好な高周波の出力特性が得られなかった。一方本発明の実施例では、リーク電流が1/100以下に低減されるため、良好な高周波の出力特性が得られた。
実施例3のデバイス構造を図3に示す。基板1として高抵抗SiC基板を用い、緩衝層2としてAlNバッファ層を4nm、GaNチャネル層3としてGaN層を2000nm、AlGaN電子供給層4としてAl組成比0.25のAlGaN層を、30nmの厚さにそれぞれ有機金属気相成長法により形成した。ソース電極5、ドレイン電極6としてここではTi、Alを蒸着し、リフトオフ工程を用いてパターン形成した後、窒素雰囲気中650℃で熱処理することによりオーミックコンタクトを形成した。ゲート長Lg=0.5μmのゲート電極7を例えばNiを20nm、Auを200nmの膜厚に蒸着し、リフトオフして形成した。その後、フッ素含有絶縁膜8としてSiN -Fを、50nmの厚さに、並行平板電極を有するプラズマCVD装置を用いて、N希釈2%のSiHガス 200SCCM、100%SiFガス 0.2SCCM、100%NHガス 50SCCM、Nガス500SCCMを流して基板温度300℃、RFパワー200Wで形成し、一度放電を停止してSiFガスの流量のみを0SCCMとし他の条件を変えることなく再び成膜を開始して上層絶縁膜9としてSiN膜を50nmの膜厚に形成した。
本発明の効果を比較するため、その後フッ素を含まない絶縁膜としてSiN膜10を100nmの厚さに、並行平板電極を有するプラズマCVD装置を用いて、N希釈2%のSiHガス 200SCCM、100%NHガス 50SCCM、Nガス 500SCCMを流して基板温度300℃、PRパワー200Wで形成し、図6に示されるデバイス構造のトランジスタを形成した。
フッ素(F)を含むSiN膜をSiFのガス流量0.2SCCMで成膜した本発明のトランジスタと従来構造のトランジスタのゲートリーク電流特性を評価した。SiN−F膜中のF濃度は分析の結果1x1019cm−3であった。図4と同様に従来技術のFを含まないSiNを有するトランジスタではゲートリーク電流が多く良好な高周波の出力特性が得られなかった。一方、本実施例では、リーク電流が大幅に低減されるため、良好な高周波の出力特性が得られた。また表面のSiN膜は従来成長条件の中から長期信頼性に優れた条件にて成膜も可能となる利点を有している。
実施例4のデバイス構造を図2に示す。基板1として高抵抗SiC基板を用い、緩衝層2としてAlNバッファ層を4nm、GaNチャネル層3としてGaN層を2000nm、AlGaN電子供給層4としてAl組成比0.25のAlGaN層を30nmの厚さに、それぞれ有機金属気相成長法により形成した。ソース電極5、ドレイン電極6としてここではTi、Alを蒸着し、リフトオフ工程を用いてパターン形成した後、窒素雰囲気中650℃で熱処理することによりオーミックコンタクトを形成した。ゲート長Lg=0.5μmのゲート電極7を、Niを20nm、Auを200nmの膜厚に蒸着し、リフトオフして形成した。その後フッ素含有絶縁膜8としてAl-Fをここでは100nmの厚さに、AlをターゲットとしてECR(Electron Cyclotron Resonance)スパッタ法を用いて、Arガス 20SCCM、CFガス 0.2SCCM、基板温度200℃、ECRパワー200Wで形成した。
本発明の効果を比較するため、実施例4と同一構造のトランジスタ上にフッ素を含まない絶縁膜としてAl膜を100nmの厚さに、AlをターゲットとしてECRスパッタ法を用いてArガス 20SCCM、基板温度200℃、ECRパワー200Wで形成した試料を用意した。
フッ素(F)を含むAl膜を成膜した本実施例のトランジスタと従来構造のトランジスタのゲートリーク電流特性評価を行なった。膜中のF濃度は分析の結果4x1018cm−3であった。図4と同様に従来技術のFを含まないAlを有するトランジスタではゲートリーク電流が多く良好な高周波の出力特性が得られなかった。一方、本発明の実施例では、リーク電流が大幅に低減されるため、良好な高周波の出力特性が得られた。またAlの代わりにECRスパッタ法により成膜したHfO膜でも同様のF添加効果があった。また、Al膜やHfO膜にフッ素に加えカーボンを添加しても同様の効果があった。
本発明の効果と従来例の問題点を説明するための、本発明と従来のトランジスタとのエネルギーバンド図。 本発明の第1の実施の形態の構造を示す断面図。 本発明の第2の実施の形態の構造を示す断面図。 本発明の実施例1と従来例のゲートリーク電流特性図。 本発明の実施例2と従来例のゲートリーク電流特性図。 従来例の構造断面図。 従来技術の問題点である電流コラプスを説明する図。
符号の説明
1 基板
2 緩衝層
3 GaNチャネル層
4 AlGaN電子供給層
5 ソース電極
6 ドレイン電極
7 ゲート電極
8 フッ素含有絶縁膜
9 上層絶縁膜
10 SiN膜
11 表面リーク電流

Claims (7)

  1. 第1の窒化物半導体上にこれと接して該第1の窒化物半導体よりもエネルギーバンドギャップが広い第2の窒化物半導体が形成され、該第2の窒化物半導体に接してソース電極、ドレイン電極およびゲート電極が形成され、前記第2の窒化物半導体の結晶表面上にこれと接してフッ素を含有する絶縁膜を備えている電界効果トランジスタにおいて、前記フッ素を含有する絶縁膜でのフッ素の含有量が5atom % 以下、0.001atom % 以上であることを特徴とする電界効果トランジスタ。
  2. 第1の窒化物半導体上にこれと接して該第1の窒化物半導体よりもエネルギーバンドギャップが広い第2の窒化物半導体が形成され、該第2の窒化物半導体に接してソース電極、ドレイン電極およびゲート電極が形成され、前記第2の窒化物半導体の結晶表面上にこれと接してフッ素とカーボンを含有する絶縁膜を備えている電界効果トランジスタにおいて、前記フッ素とカーボンを含有する絶縁膜でのフッ素の含有量が5atom % 以下、0.001atom % 以上であることを特徴とする電界効果トランジスタ。
  3. 第1の窒化物半導体上にこれと接して該第1の窒化物半導体よりもエネルギーバンドギャップが広い第2の窒化物半導体が形成され、該第2の窒化物半導体に接してソース電極、ドレイン電極およびゲート電極が形成され、前記第2の窒化物半導体の結晶表面上に多層構造の絶縁膜が形成され前記第2の窒化物半導体に接する第1層がフッ素を含有する絶縁膜で構成されている電界効果トランジスタにおいて、前記フッ素を含有する絶縁膜でのフッ素の含有量が5atom % 以下、0.001atom % 以上であることを特徴とする電界効果トランジスタ。
  4. 第1の窒化物半導体上にこれと接して該第1の窒化物半導体よりもエネルギーバンドギャップが広い第2の窒化物半導体が形成され、該第2の窒化物半導体に接してソース電極、ドレイン電極およびゲート電極が形成され、前記第2の窒化物半導体の結晶表面上に多層構造の絶縁膜が形成され前記第2の窒化物半導体に接する第1層がフッ素とカーボンを含有する絶縁膜で構成されている電界効果トランジスタにおいて、前記フッ素とカーボンを含有する絶縁膜でのフッ素の含有量が5atom % 以下、0.001atom % 以上であることを特徴とする電界効果トランジスタ。
  5. 前記カーボンを含有する絶縁膜でのカーボンの含有量が5atom % 以下であることを特徴とする請求項2または4のいずれかに記載の電界効果トランジスタ。
  6. 前記フッ素を含有する絶縁膜、または、前記フッ素とカーボンを含有する絶縁膜が、窒化珪素(SiN)膜、酸化アルミニウム(Al)膜または酸化ハフニウム(HfO)膜のいずれかであることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の電界効果トランジスタ。
  7. 前記多層構造の絶縁膜を構成するために、前記フッ素を含有する絶縁膜、または、前記フッ素とカーボンを含有する絶縁膜と積層された他の絶縁膜が、酸化珪素(SiO)膜、酸窒化珪素(SiON)膜、酸化アルミニウム(Al)膜、酸化ハフニウム(HfO)膜または窒化珪素(SiN)膜の中のいずれか1層または複数層であることを特徴とする請求項3からのいずれかに記載の電界効果トランジスタ。
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