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JP2008078526A - 窒化物半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

窒化物半導体装置及びその製造方法 Download PDF

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JP2008078526A JP2006258367A JP2006258367A JP2008078526A JP 2008078526 A JP2008078526 A JP 2008078526A JP 2006258367 A JP2006258367 A JP 2006258367A JP 2006258367 A JP2006258367 A JP 2006258367A JP 2008078526 A JP2008078526 A JP 2008078526A
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Abstract

【課題】 リーク電流を低減して高耐圧化を実現し、また周波数分散の制御を可能とし、さらにまた閾値電圧の制御が容易な窒化物半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 基板上に積層したIII−V族窒化物半導体層からなる第1の窒化物半導体層と、第1の窒化物半導体層上に第1の窒化物半導体層の成膜温度より低い温度で積層したIII−V族窒化物半導体層からなり、かつアルミニウムを含まない微結晶構造からなる第2の窒化物半導体層と、制御電極形成領域の第2の窒化物半導体層上に積層したIII−V族窒化物半導体層からなり、p型の導電性を有する第3の窒化物半導体層と、第3の窒化物半導体層にオーミック接触する制御電極とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、能動層に窒化物半導体を用いた窒化物半導体装置及びその製造方法に関し、特に高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron Mobility Transistor)や電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor)のような制御電極を有するノーマリーオフ型の窒化物半導体装置及びその製造方法に関する。
図7は、従来のIII−V族窒化物半導体からなる窒化物半導体装置の断面図を示している。図7に示す窒化物半導体装置は、いわゆるHEMT構造を示しており、サファイア基板からなる基板101上には、窒化ガリウム(GaN)からなるバッファ層102、窒化ガリウムからなるチャネル層103、n型窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)からなるキャリア供給層104、ノンドープ窒化アルミニウムガリウムからなるショットキ層105が順次積層した構造となっており、チャネル層103とキャリア供給層104とからなるヘテロ接合界面近傍に、ポテンシャル井戸からなる電子移動度が極めて大きい2次元電子ガス層が形成されている。この窒化物半導体装置では、ショットキ層105の一部にリセス構造108を設け、このリセス構造108内にショットキ接触するゲート電極106(制御電極)に印加する電圧を制御することにより、ソース電極107aとドレイン電極107bとの間を流れるキャリア(2次元電子ガス)を制御している。またリセス構造108を備えることにより、ノーマリーオフ動作を可能としている。この種の半導体装置は、例えば非特許文献1に開示されているような様々な構造が提案されている。
T. Kawasaki他2名「Normally-off AlGaN/GaN HENT with Recessed Gate for High Power Applications」、Extended Abstracts of the 2005 International Conference on SOLID STATE DEVICES AND MATERIALS,KOBE,2005、応用物理学会固体素子・材料コンファレンス、2005年9月13日、p.206−207
このような従来の窒化物半導体装置の耐圧は、ゲート金属と窒化物半導体層との接触で形成されるショットキ特性に大きく左右されていた。一般的に窒化物半導体層、例えば窒化アルミニウムガリウム層や窒化ガリウム層上に形成されるゲート金属のショットキ特性は、高いゲートリーク電流が見られ、これが衝突イオン化のトリガーとなり、高出力素子の窒化物半導体装置の重要なパラメータであるオフ耐圧(FETがオフ状態でのドレイン耐圧)を予想される数値よりも低下させて、ワイドギャップ材料の高耐圧という性能を十分に引き出すことができないという問題があった。
また窒化アルミニウムガリウム層や窒化ガリウム層などの窒化物半導体層上にゲート電極を形成した半導体装置は、窒化物半導体層の表面準位にトラップされた電子により、表面のポテンシャルが揺らぎ、電流−電圧特性の周波数分散が生じるという問題があった。
さらにリセス構造のゲート電極を備えるノーマリーオフ動作の窒化物半導体装置では、厚さ25nm程度のショットキ層105を、厚さ10nm程度までドライエッチングしてリセス構造を形成していた。しかし、その制御性は不十分であり、閾値電圧(Vth)の制御が困難であった。またドライエッチングによるダメージにより、ゲートリーク電流が増大する課題も抱えていた。さらにまたショットキ障壁が1.0eV程度であるので、ゲート電極に印加できる正電圧は1.5V程度と小さい値であるので、ノーマリーオフ動作のFETの閾値電圧(Vth)をシリコンMOSFEETやIGBTのように1Vを超えるような大きな値にすることが困難であり、また十分なドレイン電流が得られないという問題があった。
本発明は、窒化物半導体層に形成される制御電極のリーク電流を大幅に低減し、窒化物半導体層内での衝突イオン化を抑制することにより高耐圧化を実現することができる窒化物半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。また、周波数分散の抑制を可能とし、再現性良くノーマリーオフ動作を実現できる窒化物半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。さらにまた本発明は、閾値電圧の制御が容易な窒化物半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本願請求項1に係る発明は、ガリウム、アルミニウム、ホウ素及びインジウムからなる群のうち少なくとも1つからなるIII族元素と、窒素、リン及び砒素からなる群のうちの少なくとも窒素を含むV族元素とで構成されたIII−V族窒化物半導体層からなる窒化物半導体装置において、基板上に積層した前記III−V族窒化物半導体層からなる第1の窒化物半導体層と、該第1の窒化物半導体層上に前記第1の窒化物半導体層の成膜温度より低い温度で積層した前記III−V族窒化物半導体層からなり、かつアルミニウムを含まない微結晶構造からなる第2の窒化物半導体層と、制御電極形成領域の前記第2の窒化物半導体層上に積層した前記III−V族窒化物半導体層からなり、p型の導電性を有する第3の窒化物半導体層と、前記第3の窒化物半導体層にオーミック接触する制御電極とを備えたことを特徴とするものである。
本願請求項2に係る発明は、請求項1記載の窒化物半導体装置において、前記第3の窒化物半導体層は、前記制御電極形成領域のみ前記第2の窒化物半導体層を除去して露出した前記第1の窒化物半導体層上、あるいは更に表面の一部を除去した前記第1の窒化物半導体層上に積層していることを特徴とするものである。
本願請求項3に係る発明は、請求項1または2いずれか記載の窒化物半導体装置において、前記基板と前記第1の窒化物半導体層との間に、前記第1の窒化物半導体層のエネルギーギャップより小さいエネルギーギャップを持つ、前記III−V族窒化物半導体層からなる第4の窒化物半導体層を備えたことを特徴とするものである。
本願請求項4に係る発明は、請求項1乃至3いずれか記載の窒化物半導体装置において、前記第2の窒化物半導体層上にオーミック接触するオーミック電極を備えたことを特徴とするものである。
また本願請求項5に係る発明は、ガリウム、アルミニウム、ホウ素及びインジウムからなる群のうち少なくとも1つからなるIII族元素と、窒素、リン及び砒素からなる群のうちの少なくとも窒素を含むV族元素とで構成されたIII−V族窒化物半導体層からなる窒化物半導体装置の製造方法において、 基板上に、前記III−V族窒化物半導体層からなる第1の窒化物半導体層を形成する工程と、該第1の窒化物半導体層上に、前記第1の窒化物半導体層を形成する際の成膜温度より低い温度で、前記III−V族窒化物半導体層からなり、かつアルミニウムを含まない微結晶構造からなる第2の窒化物半導体層を形成する工程と、該第2の窒化物半導体層上に、制御電極形成領域を開口したマスク膜を形成する工程と、該マスク膜を用いて前記第2の窒化物半導体層上に、あるいは該マスク膜を用いて前記開口内の前記第2の窒化物半導体層を除去して露出した前記第1の窒化物半導体層上に、あるいは更に表面の一部を除去した前記第1の窒化物半導体層上に、前記III−V族窒化物半導体層からなり、p型の導電性を有する第3の窒化物半導体層を選択的に形成する工程と、該第3の窒化物半導体層上に、該第3の窒化物半導体層とオーミック接触する制御電極を形成する工程とを含むことを特徴とするものである。
本願請求項6に係る発明は、請求項5記載の窒化物半導体装置の製造方法において、前記基板と前記第1の窒化物半導体層との間に、前記第1の窒化物半導体層のエネルギーギャップより小さいエネルギーギャップをもつ、前記III−V族窒化物半導体層からなる第4の窒化物半導体層を形成する工程を含むことを特徴とするものである。
本願請求項7に係る発明は、請求項5または6いずれか記載の窒化物半導体装置の製造方法において、前記第2の窒化物半導体層上にオーミック接触するオーミック電極を形成する工程を含むことを特徴とするものである。
本発明の窒化物半導体装置は、p型の導電性を有する窒化物半導体層(第3の窒化物半導体層)とこれにオーミック接触する制御電極を、少なくともアルミニウムを含まない、絶縁性の高い微結晶構造の窒化物半導体層(第2の窒化物半導体層)に接触させる構造とするため、リーク電流を少なくすることができる。
本発明の制御電極をFETあるいはHEMT等のゲート電極とした場合、ゲートリーク電流が減少する。さらにチャネルでの衝突イオン化が抑制されることにより、高耐圧化を実現できる。またゲート−ドレイン電極の間に絶縁性の高い微結晶構造からなる窒化物半導体層を備える構造とするため、ゲート−ドレイン電極の間の表面準位にトラップされる電子の抑制若しくは表面準位密度の低減により電流コラプス現象が抑制され、高周波特性も改善される。さらにまた、微結晶構造の窒化物半導体層にオーミック接触する構造となり、低コンタクト抵抗のオーミック電極を形成することができ、低オン抵抗化を実現することができる。
また本発明によれば、拡散電位が大きくなり(具体的は、p型GaN上に制御電極を形成した場合、拡散電位は3V以上)、従来のショットキ接合の制御電極と比べて、容易にノーマリーオフ動作を実現することができ、またノーマリーオフ動作にもかかわらず、高いドレイン電流が得られることも確認された。
また本発明の窒化物半導体装置は、少なくともアルミニウムを含まない、絶縁性の高い微結晶構造の窒化物半導体層(第2の窒化物半導体層)の一部を除去して、p型の導電性を有する窒化物半導体層(第3の窒化物半導体層)とこれにオーミック接触する制御電極を、下層の窒化物半導体層(第1の窒化物半導体層)に直接接触させる構造とする場合でも、リーク電流を少なくすることができる。
本発明の制御電極をFETあるいはHEMT等のゲート電極とした場合も、ゲートリーク電流が減少する。さらにチャネルでの衝突イオン化が抑制されることにより、高耐圧化を実現できる。またゲート−ドレイン電極の間に絶縁性の高い微結晶構造からなる窒化物半導体層を備える構造とするため、ゲート−ドレイン電極の間の表面準位にトラップされる電子の抑制若しくは表面準位密度の低減により電流コラプス現象が抑制され、高周波特性も改善される。さらにまた、微結晶構造の窒化物半導体層にオーミック接触する構造となり、低コンタクト抵抗のオーミック電極を形成することもでき、低オン抵抗化を実現することもできる。
また本発明によれば、拡散電位が大きくなり(具体的は、p型GaN上に制御電極を形成した場合、拡散電位は3V以上)、従来のショットキ接合の制御電極と比べて、容易にノーマリーオフ動作を実現することができ、またノーマリーオフ動作にもかかわらず、高いドレイン電流が得られることも確認された。
特に第3の窒化物半導体層を第1の窒化物半導体層に接触させる構造とした場合、閾値電圧を1V以上の大きな値とすることができ、ノイズに強いスイッチングトランジスタとして好適となる。
さらに本発明の窒化物半導体装置の製造方法は、通常の半導体装置の製造工程に従い形成することができ、製造工程の制御性が良く、特性の優れた窒化物半導体装置を歩留まり良く製造することができる。
以下、本発明の窒化物半導体装置及びその製造方法について、III−V族窒化物半導体装置であるHEMTを例に取り、詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施例のHEMTの断面図、図2はその製造方法の説明図である。以下、製造工程に従い、説明する。まず、炭化珪素(SiC)からなる基板11上に、MOCVD(有機金属化学的気相堆積)法により、厚さ100nm程度の窒化アルミニウム(AlN)からなるバッファ層12、後述するバリヤ層(キャリア供給層)のエネルギーギャップより小さいエネルギーギャップを持ち厚さ2μmのノンドープ窒化ガリウム(GaN)からなるチャネル層13(第4の窒化物半導体層)、チャネル層13との界面にキャリアとなる2次元電子ガス層を形成する厚さ25nmのノンドープの窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)からなるバリヤ層14(第1の窒化物半導体層)とを基板温度1080℃で順次積層成長させる。その後、基板温度を550℃として、厚さ10nmの微結晶構造からなるノンドープ窒化ガリウムからなるキャップ層15(第2の窒化物半導体層)を成長させる(図2a)。
キャップ層15上にプラズマCVD法等により酸化珪素(SiO2)膜からなる誘電体膜16を形成し、ゲート電極形成領域を開口するように誘電体膜16をドライエッチングにより除去して凹部16aを形成する。この誘電体膜16(マスク膜)をマスクとして使用し、MOCVD法により、成長温度1080℃として厚さ50nmのp型不純物としてマグネシウム(Mg)を5×1019/cm3ドープしたp型窒化ガリウム層17(第3の窒化物半導体層)を凹部16aのみに選択的に成長させる(図2b)。
通常のリソグラフィー技術を用いて凹部16a上にフォトレジストの開口部を形成してニッケル(Ni)/金(Au)の積層体等からなる金属を蒸着し、リフトオフ法によりp型窒化ガリウム17にゲート電極18形成する。その後、熱処理を行い、p型窒化ガリウム層17にゲート電極18をオーミック接触させる(図2c)。キャップ層15上に形成された誘電体膜16をエッチング除去し、露出したキャップ層15上にチタン(Ti)/アルミニウム(Al)/チタン(Ti)/金(Au)からなるソース電極19a、ドレイン電極19bを形成する。その後、熱処理を行い、キャップ層15にオーミック接触を形成し、図1に示す構造の窒化物半導体装置を形成することができる(図2d)。
キャップ層15は、MOCVD法によりバリヤ層14の成膜温度より500℃程度低い温度で成膜することにより、微結晶構造からなり、高い絶縁性の窒化物半導体層となる。具体的には、比抵抗が109Ωcm以上の高抵抗となっている。
このように形成した窒化物半導体装置のゲート−ソース電極間の電流−電圧特性を図3に示す。図3において、横軸はゲート−ソース電圧Vgs(V)を、縦軸はゲート電流Ig(A)を示している。比較のため、キャップ層15をバリヤ層14と同じ温度、成膜条件で成膜させたノンドープ窒化アルミニウムガリウムからなる窒化物半導体層とし、同じ構造のゲート電極を形成した場合の電流−電圧特性を従来例として示している。両者を比較した場合、本実施例の窒化物半導体装置の方が、絶縁特性が優れているため、2桁以上ゲート電流(ゲートリーク電流)が低減していることがわかる。ゲートリーク電流の低減に伴い、チャネルでの衝突イオン化が抑制でき、その結果、オフ耐圧が従来の90Vから150Vに改善された。窒化物半導体HEMTのオフ耐圧は熱暴走ではなく、衝突イオン化が起因しており、ショットキ電極からチャネルに流れ込むトンネル電流に大きく支配されていることが報告されている(International Conference on Nitride Semiconductor, Nara, 2003, Tu-P2.067)。
図4は、ドレイン電流−電圧特性を示しており、ドレインのスイープ電圧が0V〜20Vであり、ゲート電圧は0Vから+3Vまでステップ1Vで変化させており、ノーマリーオフ動作が確認できた。また測定周期は10ms、ゲート電圧はパルス幅300μsecで印加され、ドレイン電圧はステップ的に0Vから40Vに昇圧されたパルスI−V測定においても従来構造に比べて大幅に電流コラプスが抑制されることが確認できた。さらにまた、微結晶構造の窒化物半導体層にオーミック接触する構造となり、低コンタクト抵抗のオーミック電極が形成できることが確認できた。
次に第2の実施例について図5を用いて説明する。前述の第1の実施例同様、炭化珪素(SiC)からなる基板11上に、MOCVD(有機金属化学的気相堆積)法により、厚さ100nm程度の窒化アルミニウム(AlN)からなるバッファ層12、後述するバリヤ層のエネルギーギャップより小さいエネルギーギャップを持ち厚さ2μmのノンドープ窒化ガリウム(GaN)からなるチャネル層13(第4の窒化物半導体層)、チャネル層13との界面にキャリアとなる2次元電子ガス層を形成する厚さ10nmのノンドープの窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)からなるバリヤ層14(第1の窒化物半導体層)とを基板温度1080℃で順次積層成長させる。その後、基板温度を550℃として、厚さ10nmの微結晶構造からなるノンドープ窒化ガリウムからなるキャップ層15(第2の窒化物半導体層)を成長させる(図5a)。
キャップ層15上にプラズマCVD法等により酸化珪素(SiO2)膜からなる誘電体膜16を形成し、ゲート電極形成領域を開口するように誘電体膜16をドライエッチングにより除去して凹部16aを形成する。この誘電体膜16(マスク膜)をマスクとして使用し、キャップ層15をエッチング除去してバリヤ層14を露出させる。その後、誘電体膜16をマスクとして使用し、MOCVD法により、成長温度1080℃として厚さ50nmのp型不純物としてマグネシウム(Mg)を5×1019/cm3ドープしたp型窒化ガリウム層17(第3の窒化物半導体層)を凹部16aのみに選択的に成長させる(図5b)。
通常のリソグラフィー技術を用いて凹部16a上にフォトレジストの開口部を形成してニッケル(Ni)/金(Au)の積層体等からなる金属を蒸着し、リフトオフ法によりp型窒化ガリウム17にゲート電極18を形成する。その後、熱処理を行い、p型窒化ガリウム層17にゲート電極18をオーミック接触させる(図5c)。キャップ層15上に形成された誘電体膜16をエッチング除去し、露出したキャップ層15上にチタン(Ti)/アルミニウム(Al)/チタン(Ti)/金(Au)からなるソース電極19a、ドレイン電極19bを形成する。その後、熱処理を行い、キャップ層15にオーミック接触を形成することで、本実施例の窒化物半導体装置を形成することができる(図5d)。
本実施例においても、上述の第1の実施例同様、ノーマリーオフ動作及び電流コラプスの抑制を確認できた。また、微結晶構造に窒化物半導体層にオーミック接触する構造となり、低コンタクト抵抗のオーミック電極が形成できることが確認できた。
次に第3の実施例について説明する。上述の実施例では、ゲート電極18をキャップ層15若しくはキャップ層15のみを除去してバリヤ層14上に形成する場合について説明した。しかし実施例では、図6に示すように、キャップ層15を除去して露出したバリヤ層14の一部を更にエッチングしてリセス構造とし、バリヤ層14上にp型窒化ガリウム層17を成長した構造とすることもできる。このような構造の窒化物半導体装置の製造工程では、上述の第2の実施例同様、誘電体膜16をマスクとして使用し、キャップ層15をエッチング除去してバリヤ層14を露出させた後、露出したバリヤ層14を所定の深さエッチング除去する工程を付加すればよい。その後、上述の第2の実施例同様、誘電体膜16をマスクとして使用し、MOCVD方により成長温度1080℃として厚さ50nmのp型窒化ガリウム層17を選択的に成長させる。さらに、凹部16a上にフォトレジストの開口部を形成してニッケル(Ni)/金(Au)の積層体等からなる金属を蒸着し、リフトオフ法によりp型窒化ガリウム17にゲート電極18を形成し、熱処理を行い、オーミック接触させることにより制御電極を形成することができる。
本実施例においても、上述の第1及び第2の実施例同様、ノーマリーオフ動作及び電流コラプスの抑制が確認できた。また、微結晶構造の窒化物半導体層にオーミック接触する構造となり、低コンタクト抵抗のオーミック電極が形成できることが確認できた。更に本実施例では、リセス構造を導入することにより、ショットキ構造のFETの場合と比較して、1Vを超える閾値電圧を容易に実現できることが確認できた。
またリセス構造とすることにより、p型窒化ガリウム17上に形成したゲート電極18の拡散電位が3V以上あることにより容易に1V以上の閾値電圧(Vth)を実現でき、同時に、ゲート・ソース間の2次元電子ガス濃度も十分であるので、ゲート・ソース間抵抗を小さくすることができることにより、高周波数特性やオン抵抗を改善できる。また従来のショットキゲートの1.0V程度のショットキ障壁高に比べて、本発明のゲート電極の拡散電位が3V以上あるので、要求されるリセス量の制御性も緩和される。
以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものでなく、種々変更可能である。例えば、制御電極、オーミック電極の種類、キャップ層やバリヤ層の厚さ及び不純物濃度は、適宜選択、設定することができる。また、HEMT構造の窒化物半導体装置の代わりに、不純物が添加された窒化物半導体層を能動層(チャネル層、第1の窒化物半導体層に相当)とし、その上に上述のキャップ層15(第2の窒化物半導体層に相当)が形成された構造のFET構造とすることも可能である。また窒化物半導体層は、GaN/AlGaN系に限定されるものではなく、GaN、InN、AlNあるいはこれらの混晶化合物からなる層で形成することができる。上記実施例において使用した炭化珪素(SiC)基板の代わりにサファイア基板を用いてもかまわない。その場合はバッファ層12として低温成長の窒化ガリウム(GaN)を用いる方が好ましい。また炭化珪素(SiC)基板の代わりにシリコン基板(Si)を用いても構わない。
なお第2の窒化物半導体層について微結晶構造と説明したが、これは微結晶粒の集合体あるいはそれらの再配列化した構造であり、成長温度、成長時の雰囲気ガス組成、成長させる基板の種類などによって、結晶粒の大きさや配列等は変わるものであり、所望の絶縁特性(許容できるゲートリーク電流)が得られる範囲で、成長温度を制御することによって得られるものである。第2の窒化物半導体層の成長温度は、第1の窒化物半導体層の成長温度より400℃程度以上低い温度に設定すると、HEMTあるいはFETの制御電極を形成する場合に好適である。
本発明の第1の実施例である窒化物半導体装置の断面図である。 本発明の第1の実施例である窒化物半導体装置の製造方法の説明図である。 本発明の効果を説明するゲート・ソース間の電流−電圧特性を示す図である。 本発明の効果を説明するドレイン電流-電圧特性を示す図である。 本発明の第2の実施例である窒化物半導体装置の製造方法の説明図である。 本発明の第3の実施例である窒化物半導体装置の断面図である。 従来のこの種の窒化物半導体装置の断面図である。
符号の説明
11;基板、12;バッファ層、13;チャネル層、14;バリヤ層、15;キャップ層、16;誘電体膜、16a;凹部、17;p型窒化ガリウム層、18;ゲート電極、19a;ソース電極、19b;ドレイン電極

Claims (7)

  1. ガリウム、アルミニウム、ホウ素及びインジウムからなる群のうち少なくとも1つからなるIII族元素と、窒素、リン及び砒素からなる群のうちの少なくとも窒素を含むV族元素とで構成されたIII−V族窒化物半導体層からなる窒化物半導体装置において、
    基板上に積層した前記III−V族窒化物半導体層からなる第1の窒化物半導体層と、該第1の窒化物半導体層上に前記第1の窒化物半導体層の成膜温度より低い温度で積層した前記III−V族窒化物半導体層からなり、かつアルミニウムを含まない微結晶構造からなる第2の窒化物半導体層と、制御電極形成領域の前記第2の窒化物半導体層上に積層した前記III−V族窒化物半導体層からなり、p型の導電性を有する第3の窒化物半導体層と、前記第3の窒化物半導体層にオーミック接触する制御電極とを備えたことを特徴とする窒化物半導体装置。
  2. 請求項1記載の窒化物半導体装置において、前記第3の窒化物半導体層は、前記制御電極形成領域のみ前記第2の窒化物半導体層を除去して露出した前記第1の窒化物半導体層上、あるいは更に表面の一部を除去した前記第1の窒化物半導体層上に積層していることを特徴とする窒化物半導体装置。
  3. 請求項1または2いずれか記載の窒化物半導体装置において、前記基板と前記第1の窒化物半導体層との間に、前記第1の窒化物半導体層のエネルギーギャップより小さいエネルギーギャップを持つ、前記III−V族窒化物半導体層からなる第4の窒化物半導体層を備えたことを特徴とする窒化物半導体装置。
  4. 請求項1乃至3いずれか記載の窒化物半導体装置において、前記第2の窒化物半導体層上にオーミック接触するオーミック電極を備えたことを特徴とする窒化物半導体装置。
  5. ガリウム、アルミニウム、ホウ素及びインジウムからなる群のうち少なくとも1つからなるIII族元素と、窒素、リン及び砒素からなる群のうちの少なくとも窒素を含むV族元素とで構成されたIII−V族窒化物半導体層からなる窒化物半導体装置の製造方法において、
    基板上に、前記III−V族窒化物半導体層からなる第1の窒化物半導体層を形成する工程と、
    該第1の窒化物半導体層上に、前記第1の窒化物半導体層を形成する際の成膜温度より低い温度で、前記III−V族窒化物半導体層からなり、かつアルミニウムを含まない微結晶構造からなる第2の窒化物半導体層を形成する工程と、
    該第2の窒化物半導体層上に、制御電極形成領域を開口したマスク膜を形成する工程と、
    該マスク膜を用いて前記第2の窒化物半導体層上に、あるいは該マスク膜を用いて前記開口内の前記第2の窒化物半導体層を除去して露出した前記第1の窒化物半導体層上に、あるいは更に表面の一部を除去した前記第1の窒化物半導体層上に、前記III−V族窒化物半導体層からなり、p型の導電性を有する第3の窒化物半導体層を選択的に形成する工程と、
    該第3の窒化物半導体層上に、該第3の窒化物半導体層とオーミック接触する制御電極を形成する工程とを含むことを特徴とする窒化物半導体装置の製造方法。
  6. 請求項5記載の窒化物半導体装置の製造方法において、前記基板と前記第1の窒化物半導体層との間に、前記第1の窒化物半導体層のエネルギーギャップより小さいエネルギーギャップをもつ、前記III−V族窒化物半導体層からなる第4の窒化物半導体層を形成する工程を含むことを特徴とする窒化物半導体装置の製造方法。
  7. 請求項5または6いずれか記載の窒化物半導体装置の製造方法において、前記第2の窒化物半導体層上にオーミック接触するオーミック電極を形成する工程を含むことを特徴とする窒化物半導体装置の製造方法。
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