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JP5277457B2 - 複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料の製造方法、及びそれを用いた光学素子 - Google Patents

複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料の製造方法、及びそれを用いた光学素子 Download PDF

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JP5277457B2 JP2006321328A JP2006321328A JP5277457B2 JP 5277457 B2 JP5277457 B2 JP 5277457B2 JP 2006321328 A JP2006321328 A JP 2006321328A JP 2006321328 A JP2006321328 A JP 2006321328A JP 5277457 B2 JP5277457 B2 JP 5277457B2
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Description

本発明は、レンズ、フィルター、グレーティング、光ファイバー、平板光導波路などとして好適に用いられ、特に吸湿性が小さく、透過性が高い優れた複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料の製造方法及びそれを用いた光学素子に関する。
MO、CD、DVDといった光情報記録媒体(以下、単に媒体ともいう)に対して、情報の読み取りや記録を行なうプレーヤー、レコーダー、ドライブといった情報機器には、光ピックアップ装置が備えられている。光ピックアップ装置は、光源から発した所定波長の光を媒体に照射し、反射した光を受光素子で受光する光学素子ユニットを備えており、光学素子ユニットはこれらの光を媒体の反射層や受光素子で集光させるためのレンズ等の光学素子を有している。
光ピックアップ装置の光学素子は、射出成形等の手段により安価に作製できる等の点で、プラスチックを材料として適用することが好ましい。光学素子に適用可能なプラスチックとしては、環状オレフィンとα−オレフィンの共重合体等が知られている(例えば、特許文献1参照)。
一方、プラスチックを材料として適用した光学素子ユニットにおいては、ガラスレンズのような光学的安定性を有する物質であることが求められている。例えば、環状オレフィンのような光学的プラスチック物質は、吸水率が小さく、湿度変化に関して大幅に改善された屈折率の安定性を有するのに対し、温度変化に対する屈折率の安定性の改良は未だ十分でないのが現状である。
上記のようなプラスチックレンズの環境変化による屈折率変化を低減する方法の1つとして、微細粒子充填材を使用する方法が、種々提案されている。例えば、感温性を有するポリマー状熱可塑性樹脂と、分散された微細粒子物質から構成され、感温性が減少された微細合成物光学製品が提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。しかしながら、このような既存の酸化物微粒子を樹脂と混合した樹脂材料では、光線透過率の低下が大きく、光学素子としての実用化には適さない樹脂材料を提供することしかできていなかった。また、温度変化による屈折率変化を低減するために添加した微粒子により吸水率が上がり、湿度変化による屈折率変化が悪化するという問題も発生している。
また、高屈折率化を目的として、無機微粒子を樹脂中に分散混合する材料についても多くの提案がなされている(例えば、特許文献4、5参照)。該特許文献には、高屈折率・高アッベ数の無機微粒子を透明基材ポリマーに分散した高屈折率・高アッベ数の有機ポリマーが記載されている。しかしながら特許文献4、5の方法では微粒子の凝集が起こりやすく、光散乱を起こしやすいため、透明性が十分ではなかった。
さらに、特許文献6には、ホスト樹脂材料との屈折率差が小さい無機微粒子を高濃度で分散することにより、光線透過率が高い樹脂材料が得られることが知られている。しかし、この方法においても微粒子の凝集を防止できず、また、凝集した場合、凝集した粒子中の空隙と樹脂との屈折率差により生じる光散乱も大きいため、光学材料として十分な透明性を得ることはできていない。
また、光学素子用の樹脂材料としては、様々な光学的な特性を同時に達成することが求められる。例えば、用途に適した屈折率、温度変化による屈折率変化の大きさ、湿度変化による屈折率変化の大きさ、透過率等が挙げられる。これらの特性を単一の微粒子を添加することで改善することは困難であり、複数種類の微粒子を添加することが考えられるが、複数種類の微粒子を添加した場合、粒子の種類による微粒子の大きさのバラツキや、異なる粒子間の粒子の凝集等の問題が発生し、安定した性能の材料が得られていなかった。
樹脂中における微粒子の凝集を低減させる目的で、微粒子を表面修飾することが知られている。特に表面修飾を安定して施す技術として、超臨界状態又は亜臨界状態を反応場として金属酸化物微粒子を表面修飾する金属酸化物微粒子形成方法が提案されている(例えば、特許文献7、8参照)。特許文献7及び8においては、反応場として好適な水の臨界状態、あるいは亜臨界状態、またはそれを超える圧力−温度条件を記載している。図1には水の密度−温度・圧力依存性並びに水の誘電率−圧力依存性を示すが、そこから明らかなように超臨界状態では特異な反応環境を提供可能である。また、図2には水の臨界点近傍での水−ガス2成分系の相挙動並びに水−有機溶媒系の相挙動を示すが、同様に特徴的な均一相形成領域が存在しており、これを表面修飾反応に応用している。しかしながら、このような表面修飾された微粒子を含有した樹脂材料を用いた場合であっても、高い精度が求められる光ピックアップ装置用の光学素子としては、微粒子を添加した場合に生じる透過率の低下が問題となることが判明した。
特開2002−105131号公報 特開2002−207101号公報 特開2002−240901号公報 特開2001−183501号公報 特開2003−73563号公報 特開2005−213410号公報 特開2005−193237号公報 特開2005−194148号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、金属酸化物微粒子を添加することで屈折率を光学素子として好適な範囲に調整することを可能としながら、吸水性が低く、高い透明性を有する複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料の製造方法と、それを用いた光学素子を提供することである。
本発明の上記課題は以下の構成により達成される。
1.(1)超臨界状態又は亜臨界状態下を反応場として、少なくとも2種類以上の金属元素(但し、Laを除く)を含有する溶液を用いて複合金属酸化物微粒子を合成し、且つ、該複合金属酸化物微粒子を表面修飾する工程、及び
(2)前記複合金属酸化物微粒子を硬化性樹脂または熱可塑性樹脂と混合する工程、とを
み、
前記硬化性樹脂または熱可塑性樹脂が少なくとも環状オレフィン樹脂を含むことを特徴とする複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料の製造方法。
2.(1)超臨界状態又は亜臨界状態を反応場として、少なくとも1種の金属元素(但し、Laを除く)を有する金属酸化物微粒子上に、前記金属酸化物微粒子とは異なる少なくとも1種の金属元素を含有する溶液を用いて、金属酸化物層を設けることにより複合金属酸化物微粒子を合成し、且つ、該複合金属酸化物微粒子を表面修飾する工程、及び
(2)前記複合金属酸化物微粒子を硬化性樹脂または熱可塑性樹脂と混合する工程、とを含み、
前記硬化性樹脂または熱可塑性樹脂が少なくとも環状オレフィン樹脂を含むことを特徴とする複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料の製造方法。
3.前記複合金属酸化物微粒子は、TEM法により測定された平均粒径が5nm以上、50nm以下であり、かつ下記金属Mから成る群より選ばれる金属元素を含有する金属酸化物を少なくとも2種含有することを特徴とする前記1または2に記載の複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料の製造方法。
金属M:Si、Mg、Al、Ca、Ti、Zr、Mn
4.前記複合金属酸化物微粒子の屈折率が1.5以上1.75以下であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料の製造方法。
5.前記複合金属酸化物微粒子の複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料中の含有率が10体積%以上40体積%以下であることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料の製造方法。
6.前記硬化性樹脂または熱可塑性樹脂の屈折率をnh、前記複合金属酸化物微粒子の屈折率をnpとした時に、下記の式(A)を満たすことを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料の製造方法。
式(A) 0≦|np−nh|≦0.1
.前記1〜のいずれか1項に記載の複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料の製造方法により得られた複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料を用いて作製されたことを特徴とする光学素子。
上記第1項の構成によれば、少なくとも2種以上の金属酸化物が均一に分散された複合金属酸化物微粒子を含有させることにより、光学素子として必要な特性を改善可能な複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料を得ることができ、さらに従来と比較して光線透過率が高く及び吸水性が低い複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料を得ることができる製造方法とそれを用いた光学素子を提供することができる。
上記第2項の構成によれば、少なくとも1種の金属酸化物粒子上に異なる金属酸化物微粒子の層を有する、いわゆるコアシェル構造の複合金属酸化物微粒子を含有させることにより、光学素子として必要な特性を改善可能な複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料を得ることができ、さらに従来と比較して光線透過率が高く及び吸水性が低い複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料を得ることができる製造方法とそれを用いた光学素子を提供することができる。
上記第3項の構成によれば、光学素子としてより好適な透過率が得られるとともに、温度変化による屈折率変化を低減が小さい及び光学素子として好適な屈折率を有する、という特性のうち、少なくとも一方を示す光学素子を得ることができる。
上記第4項の構成によれば、光ピックアップ装置用光学素子として好適な屈折率を有する複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料を得ることができる。
上記第5項の構成によれば、複合金属酸化物微粒子により樹脂材料を光学素子として所望の特性に改善することができるとともに、透過率の低減を抑制することができる。
上記第6項の構成によれば、特に優れた透過率を有する光学素子用の複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料を得ることができる。
上記第項の構成によれば、所望の光学特性が改善されながら、吸水率が低く、光線透過率の高い光学素子を得ることができる。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
まず、本発明に係る複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料(以下、単に複合材料とする)について説明する。
本実施形態における複合材料は、硬化性樹脂または熱可塑性樹脂と複合金属酸化物微粒子とを含有しており、光学用樹脂レンズを始めとする光学素子等の成型物に成型されるようになっている。以下、(1)複合金属酸化物微粒子、(2)樹脂、(3)複合材料の製造方法、及び(4)成型物について説明する。
尚、本明細書中の用語、「微粒子」とは、その平均粒子径が1μm(1,000nm)以下のサイズのものを指し、好ましくはナノ粒子が挙げられる。該ナノ粒子は、一般的にはその平均粒子径が200nm以下のサイズのものを指し、好ましくは100nm以下のサイズのもの、更にはその平均粒子径が5nm以上、50nm以下のサイズのものが好ましい。また、該ナノ粒子の粒子サイズは均一なものが好ましいが、一定の割合でその粒子サイズの異なるものの混合しているものが好ましい場合もある。
粒子径の測定は当該分野で知られた方法によりそれを行うことができ、例えば、TEM、吸着法、光散乱法、SAXSなどにより測定できる。TEMでは電子顕微鏡で観察するが、粒子径分布が広い場合には、視野内に入った粒子が全粒子を代表しているか否かに注意を払う必要がある。吸着法は、N2吸着などによりBET表面積を評価するものである。
(1)複合金属酸化物微粒子
本発明では超臨界状態又は亜臨界状態を反応場として合成され、更に、表面修飾を施すことで複合金属酸化物微粒子を合成することを特徴としている。超臨界状態の反応場では、低温で合成された金属酸化物と比較して、昇温時の結晶内部からの脱水による質量変化が小さく、X線回折でシャープなピークを有していることから結晶性が高い微粒子を得ることができ、さらに超臨界状態の反応場ではin−situ表面修飾が可能であることから微粒子形成と表面修飾が同じ反応場で行え、凝集のない状態での反応液中から微粒子の回収が可能となる。具体的な反応条件は、温度条件として250℃以上500℃以下で、圧力条件として10MPa以上30MPa以下が好ましいが、臨界点またはそれを超える圧力及び/又は温度条件の反応場であれば、その限りではない。
また、反応条件を制御することにより粒径分布の狭い単分散粒子を得ることができる。
金属酸化物微粒子は光学素子としての様々な所望の光学特性を達成するため、少なくとも2種類以上の元素による複合微粒子を合成することが求められる。微粒子内の元素分布としては均一、またはコアシェル構造をとることが好ましい。
構成する元素はSi、Mg、Al、Ca、Ti、Zr、Mnより選ばれる少なくとも2種を含有する金属酸化物であることが好ましい。具体的には、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、シリカの少なくとも2種を含む複合酸化物が挙げられるが、これに限るものではない。
1種類の金属酸化物粒子を添加しただけでは、樹脂材料の環境変化に対する屈折率変化、光透過性、所望の屈折率等を全て同時に向上させることは困難であり、樹脂に分散させる微粒子は、樹脂組成物に求める特性に応じて、微粒子の屈折率等の特性を考慮して適宜複数種選択することができる。更に、母材となる樹脂(以下、ホスト材料と呼ぶ場合がある)との相性、即ち、樹脂に対する分散性、散乱を引き起こし難い微粒子を適宜選択して用いることは、光透過性を維持する上で好ましい。このことから、本発明の複合金属酸化物微粒子の屈折率とホスト材料との屈折率差が極力小さいことが好ましく、ホスト材料の屈折率をnh、前記複合金属酸化物微粒子の屈折率をnpとした時に、下記の式(A)を満たす樹脂であることが好ましい。
式(A) 0≦|np−nh|≦0.15
また、光ピックアップ装置用光学素子としては、一般的に屈折率が1.5〜1.75の範囲にあるものが好ましく用いられる。添加する複合金属酸化物微粒子の好ましい屈折率は、ホスト材料の屈折率により異なるが、従来の使用される樹脂の屈折率と近い方が高い透過性を得る観点からは好ましく、微粒子の屈折率は1.5〜1.75であることが好ましく、1.54〜1.70であることがさらに好ましい。
複合金属酸化物微粒子の表面処理に用いられる表面修飾剤としては、シラン系カップリング剤を始め、シリコーンオイル、チタネート系、アルミネート系及びジルコネート系カップリング剤等が挙げられる。これらは特に限定されず、複合金属酸化物微粒子および複合金属酸化物微粒子を分散する樹脂の種類により適宜選択することが可能である。また、各種表面処理を二つ以上同時又は異なる時に行っても良い。
具体的には、例えば、シラン系の表面処理剤として、ビニルシラザン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、トリメチルアルコキシシラン、ジメチルジアルコキシシラン、メチルトリアルコキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等が挙げられ、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等が好ましく用いられる。
シリコーンオイル系処理剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルといったストレートシリコーンオイルやアミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、片末端反応性変性シリコーンオイル、異種官能基変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、親水性特殊変性シリコーンオイル、高級アルコキシ変性シリコーンオイル、高級脂肪酸含有変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルなどの変性シリコーンオイルを用いることができる。
これらの表面修飾剤は1種類のみを用いても、複数種類を併用してもよく、さらに、用いる表面修飾剤によって得られる表面修飾微粒子の性状は異なることがあり、複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料を得るにあたって用いるホスト材料との親和性を、表面修飾剤を選ぶことによって図ることも可能である。表面修飾の割合は特に限定されるものではないが、表面修飾後の微粒子に対して、表面修飾剤の割合が10〜99質量%であることが好ましく、30〜98質量%であることがより好ましい。
また、超臨界反応場において、有機修飾剤と水との均一相化を促す溶剤を共存物質として存在してもよく、具体的な溶剤として、メタノール、エタノール、プロパノール、i−プロパノール、ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール、エチレングリコールなど挙げられる。
(2)樹脂
本発明では、複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料の母材となる樹脂としては、硬化性樹脂または熱可塑性樹脂が用いられる。
本発明で用いられる硬化性樹脂としては、紫外線及び電子線照射、あるいは加熱処理の何れかの操作によって硬化し得るもので、前記熱可塑性樹脂と未硬化の状態で混合させた後、硬化させることによって透明な樹脂組成物を形成する物であれば特に制限なく使用でき、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、シリコーン樹脂等が好ましく用いられる。例えば、硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合は、1分子中にエポキシ基を少なくとも2個以上有するものであれば何れでも使用することができ、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ブロム含有エポキシ樹脂などのハロゲン化エポキシ樹脂、ナフタレン環を有するエポキシ樹脂等を例示することができる。芳香族エポキシ樹脂については、芳香環を核水素化してシクロヘキサン環化した水素添加型エポキシ樹脂としてもよい。これらエポキシ樹脂は1種を単独で用いたりあるいは2種以上を併用したりすることもできる。また、エポキシ樹脂の硬化剤としては、特に限定されるものではないが、酸無水物硬化剤やフェノール硬化剤等を例示することができる。酸無水物硬化剤の具体例としては、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、あるいは3−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸と4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸との混合物、テトラヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸等を挙げることができる。また、必要に応じて硬化促進剤が含有される。硬化促進剤としては、硬化性が良好で、着色がなく、硬化性樹脂の透明性を損なわないものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ)等のイミダゾール類、3級アミン、4級アンモニウム塩、ジアザビシクロウンデセン等の双環式アミジン類とその誘導体、ホスフィン、ホスホニウム塩等を用いることができ、これらを1種、あるいは2種以上を混合して用いてもよい。
前記複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料を硬化させる方法として、硬化性樹脂が、紫外線及び電子線硬化性樹脂の場合は透光性の所定形状の金型等に樹脂組成物を充填、あるいは基板上に塗布した後、紫外線及び電子線を照射して硬化させればよく、一方、硬化性樹脂が熱硬化性樹脂の場合は、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形等により硬化成形することができる。
次いで、熱可塑性樹脂について説明する。
本発明に用いることのできる複合金属酸化物微粒子が分散される熱可塑性樹脂としては、光学材料として一般的に用いられる透明の熱可塑性樹脂材料であれば特に制限はないが、光学素子としての加工性を考慮すると、アクリル樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、またはポリイミド樹脂であることが好ましく、特に好ましくは環状オレフィン樹脂であり、例えば、特開2003−73559号公報等に記載の化合物を挙げることができ、その好ましい化合物を表1に示す。
Figure 0005277457
また、本発明に係る熱可塑性樹脂材料においては、吸水率が0.2質量%以下であることが好ましい。吸水率が0.2質量%以下の樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)、フッ素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テフロン(登録商標)AF(デュポン社製)、サイトップ(旭硝子社製)等)、環状オレフィン樹脂(例えば、ZEONEX(日本ゼオン社製)、アートン(JSR社製)、アペル(三井化学社製)、TOPAS(ポリプラスチック社製)等)、インデン/スチレン系樹脂、ポリカーボネートなどが好適であるが、これらに限るものではない。また、これらの樹脂と相溶性のある他の樹脂を併用することも好ましい。2種以上の樹脂を用いる場合、その吸水率は、個々の樹脂の吸水率の平均値にほぼ等しいと考えら、その平均の吸水率が0.2%以下になればよい。
(3−1)複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料の製造方法
ここでは、熱可塑性樹脂を母材とする複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料を例に取り説明するが、本発明は熱可塑性樹脂に限ったものではなく、硬化性樹脂でもよい。
熱可塑性複合材料は、ホスト材料である熱可塑性樹脂に複合金属酸化物微粒子を分散させて得られるものである。すなわち、熱可塑性樹脂と複合金属酸化物微粒子をそれぞれ独立して作製し、その後に両者を混合させる方法、予め作製した複合金属酸化物微粒子が存在する条件で熱可塑性樹脂を作製する方法、予め作製した熱可塑性樹脂が存在する条件で複合金属酸化物微粒子を作製する方法、熱可塑性樹脂と複合金属酸化物微粒子の両者を同時に作製させる方法など、いずれの方法をも採用できる。具体的には、例えば、熱可塑性樹脂が溶解した溶液と、複合金属酸化物微粒子が均一に分散した分散液の二液を均一に混合し、熱可塑性樹脂に対して溶解性が乏しい溶液中に打ち合わせることにより、目的とする複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料を得る方法を好適に挙げることができるが、これに限定されるものではない。
熱可塑性複合材料において、熱可塑性樹脂と複合金属酸化物微粒子の混合の程度は特に限定されるものではないが、本発明の効果をより効率よく発現させるためには、均一に混合していることが望ましい。混合の程度が不十分の場合には、特に屈折率やアッベ数、光線透過率などの光学特性に影響を及ぼすことが懸念され、また熱可塑性や溶融成形性などの樹脂加工性にも悪影響する恐れがある。混合の程度は、その作製方法に影響されることが考えられ、用いる熱可塑性樹脂及び複合金属酸化物微粒子の特性を十分に勘案して、方法を選択することが重要である。熱可塑性樹脂と複合金属酸化物微粒子の両者がより均一に混合するために、熱可塑性樹脂と複合金属酸化物微粒子を直接結合させる方法等も、本発明において好適に用いることができる。
本発明に係る複合金属酸化物微粒子の含有量は、本発明の効果を発揮できる範囲であれば特に限定されず、熱可塑性樹脂と複合金属酸化物微粒子の種類により任意に決めることができる。本発明に係る複合金属酸化物微粒子の含有量は、作製される複合材料の全体積に対する複合金属酸化物微粒子の体積分率が5%以上80%以下であることが好ましく、10%以上、60%以下であることがより好ましく、10%以上、40%以下であることがさらに好ましい。ここでいう無機微粒子の体積分率は、複合金属酸化物微粒子の比重をa、含有量をxグラム、作製された複合材料の全体積樹脂をYミリリットルとした時に式(x/a)/Y×100で求められる。
複合金属酸化物微粒子の含有量の定量は、透過型電子顕微鏡(TEM)による複合金属酸化物微粒子像の観察(EDX等の局所元素分析により複合金属酸化物微粒子組成に関する情報も得ることが可能)、あるいは与えられた樹脂組成物が含有する灰分の元素分析により求まる所定組成の含有質量と該組成の結晶の比重とから算出可能である。
(3−2)複合材料の特性
以上のようにして作製された本発明の複合材料は、屈折率の温度変化率(dn/dT)が小さいことが好ましい。このような複合材料を得る為には、複合金属酸化物微粒子に用いられる金属酸化物のうちの少なくとも1種のdn/dTの絶対値が、母材となる樹脂のdn/dTより小さいか、dn/dTの符号が互いに逆符号であることが好ましい。
ここでいう屈折率nの温度Tに対する変化率の指標であるdn/dTとは、材料の屈折率(n)が温度(T)の変化に対しdn/dTの割合で変化することを示している。dn/dTの値は、各温度で樹脂材料の屈折率を測定し、屈折率の温度変化率を読み取ることで求めることができる。
屈折率の測定方法としては、例えば、エリプソメトリ、分光反射率法、光導波路法、Abbe法、最小偏角法等から熱可塑性樹脂材料の形態に応じて好ましい方法を選択することができる。
複合材料においては、このdn/dTの絶対値である|dn/dT|が0以上、9.0×10-5以下であることが好ましく、さらに|dn/dT|が0以上、5.0×10-5以下であることが好ましい。このdn/dTが全ての波長領域で上記の範囲であることが好ましいが、光学素子として使用する際に用いられる波長領域で上記の範囲であれば、従来よりも温度安定性に優れた光学素子を提供することができるため好ましい。
複合材料は、可視領域波長における透明性を有することが好ましい。複合材料の透明性は、可視領域波長での光線透過率が光路長3mmにおいて70%以上であることが好ましく、更に好ましくは80%以上、最も好ましくは90%以上であるのが望ましい。かかる測定は、例えばASTM D−1003(3mm厚)規格での試験により行われる。ここでいう可視領域とは、400〜650nmの波長領域を意味する。
複合材料の屈折率は、熱可塑性樹脂と複合金属酸化物微粒子の組み合わせにより決まるが、通常は熱可塑性樹脂より屈折率の高い複合金属酸化物微粒子を選択することにより熱可塑性樹脂より高くすることが好ましい。
上述のように用いられる金属酸化物の選択により、複合材料は、屈折率の温度依存性が小さく、かつ透明度が高く、光学的に優れた材料とすることが可能である。熱可塑性材料を母材として用いる場合、熱可塑性及び/または射出成形性を有するため、ガラス材料よりも成形加工性に非常に優れた材料とすることができる。この優れた光学特性と成形加工性を併せ持った材料は、これまでに開示されている材料では達成することができなかった特性であり、前述したような特定の熱可塑性樹脂と特定の複数金属酸化物微粒子から成ることによりが、これらの特性を得ることができる。
(4)成型物
次いで、本発明の複合材料を用いて成型される成型物の一例として光学素子について説明する。
本発明に係る光学素子としては、光学レンズや光学プリズムに応用可能な光学用樹脂レンズが挙げられるが、光学用樹脂レンズの光学部品への具体的な適用例としては以下のようである。
例えば、光学用樹脂レンズとしては、カメラの撮像系レンズ;顕微鏡、内視鏡、望遠鏡レンズなどのレンズ;眼鏡レンズなどの全光線透過型レンズ;CD、CD−ROM、WORM(追記型光ディスク)、MO(書き変え可能な光ディスク;光磁気ディスク)、MD(ミニディスク)、DVD(デジタルビデオディスク)などの光ディスクのピックアップレンズ;レーザビームプリンターのfθレンズ、センサー用レンズなどのレーザ走査系レンズ;カメラのファインダー系のプリズムレンズなどが挙げられる。
光ディスク用途としては、CD、CD−ROM、WORM(追記型光ディスク)、MO(書き変え可能な光ディスク;光磁気ディスク)、MD(ミニディスク)、DVD(デジタルビデオディスク)などが挙げられる。その他の光学用途としては、液晶ディスプレイなどの導光板;偏光フィルム、位相差フィルム、光拡散フィルムなどの光学フィルム;光拡散板;光カード;液晶表示素子基板などが挙げられる。
これらの中でも、低複屈折性が要求されるピックアップレンズやレーザ走査系レンズとして好適であり、ピックアップレンズに最も好適に用いられる。
次いで、本発明の複合材料を用いて成型された光学素子の一例として光学用樹脂レンズの作製方法について説明する。
光学用樹脂レンズは、まず、複合材料(樹脂と複合金属酸化物微粒子との混合物の場合もあれば、樹脂と複合金属酸化物微粒子と添加剤との混合物の場合もある)を調製した後、得られた複合材料を成型する工程を経て作製される。
成型方法としては、格別制限されるものはないが、低複屈折性、機械強度、寸法精度等の特性に優れた成型物を得る為には溶融成型が好ましい。溶融成型法としては、例えば、市販のプレス成型、市販の押し出し成型、市販の射出成型等が挙げられるが、射出成型が成型性、生産性の観点から好ましい。
成型条件は使用目的、または成型方法により適宜選択されるが、例えば、射出成型における複合材料(複合材料単独の場合または複合材料と添加物との混合物の両方がある)の温度は、成型時に適度な流動性を複合材料に付与して成型品のヒケやひずみを防止し、複合材料の熱分解によるシルバーストリークの発生を防止し、更に、成型物の黄変を効果的に防止する観点から150℃〜400℃の範囲が好ましく、更に好ましくは200℃〜350℃の範囲であり、特に好ましくは200℃〜330℃の範囲である。
また、成型物である光学素子は、球状、棒状、板状、円柱状、筒状、チューブ状、繊維状、フィルムまたはシート形状など種々の形態で使用することができ、また、低複屈折性、透明性、機械強度、耐熱性、低吸水性に優れるため、本発明の光学素子の一つである光学用レンズとして用いられるが、その他の光学部品としても好適である。
以下、図3を参照しながら、光学素子が対物レンズとして用いられた光ピックアップ装置1について説明する。ここで、図3は、光ピックアップ装置1の内部構造を示す模式図である。
なお、本実施形態では、使用波長が405nmのいわゆる青紫色レーザ光源を用いた「高密度な光ディスク」をターゲットとしており、この光ディスクの有する保護基板厚は、0.1mmであり、記憶容量は約30GBである。
本実施形態における光ピックアップ装置1には、図3に示すように、光源である半導体レーザ発振器2が具備されている。この半導体レーザ発振器2から出射される青色光の光軸上には、半導体レーザ発振器2から離間する方向に向かって、コリメータ3、ビームスプリッタ4、1/4波長板5、絞り6、対物レンズ7が順次配設されている。
また、ビームスプリッタ4と近接した位置であって、上述した青色光の光軸と直交する方向には、2組のレンズからなるセンサーレンズ群8、センサー9が順次配設されている。
ここで、対物レンズ7は、本発明の複合材料を用いた単玉の光学レンズであり、光ディスクDに対向した位置に配置され、半導体レーザ発振器2から出射された青色光を、光ディスクDの一面上に集光するようになっている。この対物レンズ7には、2次元アクチュエータ10が具備されており、この2次元アクチュエータ10の動作により、対物レンズ7は、光軸上を移動自在となっている。なお、絞り6では、入射光束は3mm径に絞られるようになっている。
次に、光ピックアップ装置1の作用について説明する。
本実施形態における光ピックアップ装置1は、光ディスクDへの情報の記録動作時や、光ディスクDに記録された情報の再生動作時に、半導体レーザ発振器2から青色光を出射する。出射された青色光は、図1に示すように、光線L1となって、コリメータ3を透過して無限平行光にコリメートされた後、ビームスプリッタ4を透過して、1/4波長板5を透過する。さらに、絞り6及び対物レンズ7を順次透過した後、光ディスクDの保護基板D1を介して情報記録面D2に集光スポットを形成する。
集光スポットを形成した光は、光ディスクDの情報記録面D2で情報ピットによって変調され、情報記録面D2によって反射される。そして、この反射光は、光線L2となって、対物レンズ7及び絞り6を順次透過した後、1/4波長板5によって偏光方向が変更され、ビームスプリッタ4で反射する。その後、センサーレンズ群8を透過して非点収差が与えられ、センサー9で受光されて、最終的には、センサー9によって光電変換されることによって電気的な信号となる。
以後、このような動作が繰り返し行われ、光ディスクDに対する情報の記録動作や、光ディスクDに記録された情報の再生動作が完了する。
なお、光ディスクDにおける保護基板D1の厚さ寸法及び情報ピットの大きさにより、対物レンズ7に要求される開口数も異なる。本実施形態においては、高密度な光ディスクDであり、その開口数は0.85に設定されている。
また、光源の使用波長は、390nm〜420nmである範囲のものを適宜採用してもよい。
したがって、上記方法で作製された複合材料を、光ピックアップ装置に適用し、少なくとも1つの光学面に、該光学面を通過する特定の波長光に対して、予め定められた光路差を付与する光路差付与構造を有する光学素子(対物レンズ)に適用することにより、Blu−Ray Discなどのいわゆる次世代光ディスクにおける情報の記録、再生に波長400nm近傍の短波長の光を用いた場合であっても、良好な精度の光学特性を具備させることができる。加えて、当該素子を用いた光ピックアップ装置では、光情報記録媒体に対して情報の再生または記録を行う際に、良好なピックアップ特性を有することができる。
なお、本発明でいう光ピックアップ装置用の光学素子とは、光ピックアップ装置の光学系を構成する、例えば、対物レンズ、対物レンズユニット、カップリングレンズ(コリメータ)、ビームエキスパンダ、ビームシェイパ、補正板等の部材として使用することができるものを指す。
また、対物レンズとは、狭義には光ピックアップ装置に光情報記録媒体を装填した状態において、最も光情報記録媒体側の位置で、これと対向すべく配置される集光作用を有するレンズを指し、広義にはそのレンズとともに、アクチュエータによって少なくともその光軸方向に作動可能なレンズを指すものとする。
また、光情報記録媒体とは、CD、DVD、CD−R、MD、MO、高密度DVDなどの所定の波長の光束を用いて情報の再生及び/又は記録を行う一般的な光ディスクを指す。
また、情報の再生とは光情報記録媒体の情報記録面上に記録された情報を再生することをいい、情報の記録とは光情報記録媒体の情報記録面上に情報を記録することをいう。なお、ここでいう再生とは、単に情報を読み取ることを含むものである。
また、本発明に係る光ピックアップ装置は、情報の記録だけあるいは再生だけを行うために用いるものであってもよいし、記録と再生の両方を行うために用いるものであってもよい。
また、少なくとも1つの光学面とは、レンズの表裏面のうちの光の入射面又は出射面のことを言い、これら入射面と出射面のどちらか一方の面に光路差付与構造を有していても良いし、両方の面に有していても良い。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
[複合金属酸化物微粒子の合成及び表面修飾]
オートクレーブ中に所定量の0.01[mol/L]のZr(NO3)水溶液、0.01[mol/L]のテトラエトキシシラン(TEOS)に過酸化水素を0.05[mol/L]加え、仕込み、さらに所定量のヘキサメチルジシラザン(HMDS)を仕込んだ。予め、400℃設定の加熱炉に反応管を入れて加熱させた。純水と仮定した時の圧力は、390[bar]である。反応時間10[min]後、生成物を回収した。回収した微粒子のTEM写真により200個の粒子を抽出し、平均粒径(D50)と90%径(D90)を算出した。
[複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料作製]
樹脂中に複合金属酸化物微粒子を混練する前の準備として、各樹脂は80℃で8時間乾燥、複合金属酸化物微粒子は200℃、4時間乾燥を行った。
回収した微粒子は遠心分離機により固液分離、洗浄を行い、90℃、10[h]で乾燥後、白色粉末状の複合金属酸化物微粒子を得た。
得られた複合金属酸化物微粒子を、溶融した環状オレフィン樹脂(三井化学社製APEL5014DP)に添加し、溶融混練により複合金属酸化物微粒子を分散した複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料を作製した。混練条件は、HAAKE社製混練装置を用いて設定温度200℃、30rpmで粉体の添加終了後5分間の混練とした。
複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料を溶融し、加熱成型することにより厚さ3mmの試験用プレートを作製した。
実施例2
0.01[mol/L]のZr(NO3)水溶液の替わりに0.01[mol/L]のAl(NO33水溶液を用いた以外、実施例1と同様に微粒子を作製した。この微粒子により実施例1同様に複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料を作製し、溶融、加熱成形することにより厚さ3mmの試験用プレートを作製した。
実施例3
0.01[mol/L]のZr(NO3)水溶液の替わりに0.1[mol/L]のAl(NO33水溶液を用い、反応時間を3[min]にした以外、実施例1と同様に微粒子を作製した。この微粒子により実施例1同様に複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料を作製し、溶融、加熱成形することにより厚さ3mmの試験用プレートを作製した。
実施例4
0.01[mol/L]のZr(NO3)水溶液の替わりにAl23微粒子(10nm)を用いた以外、実施例1と同様に微粒子を作製した。この微粒子により実施例1同様に複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料を作製し、溶融、加熱成形することにより厚さ3mmの試験用プレートを作製した。
実施例5
0.01[mol/L]のZr(NO3)水溶液の替わりにAl23微粒子(22nm)を用いた以外、実施例1と同様に微粒子を作製した。この微粒子により実施例1同様に複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料を作製し、溶融、加熱成形することにより厚さ3mmの試験用プレートを作製した。
実施例6
0.01[mol/L]のZr(NO3)水溶液の替わりにAl23微粒子(55nm)を用いた以外、実施例1と同様に微粒子を作製した。この微粒子により実施例1同様に複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料を作製し、溶融、加熱成形することにより厚さ3mmの試験用プレートを作製した。
実施例7
0.01[mol/L]のZr(NO3)水溶液の替わりにSiO2微粒子(10nm)を用い、TEOSの替わりに0.01[mol/l]のAl(NO33水溶液を用いた以外、実施例1と同様に微粒子を作製した。この微粒子により実施例1同様に複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料を作製し、溶融、加熱成形することにより厚さ3mmの試験用プレートを作製した。
実施例8
実施例2と同様に作製した微粒子をメチルエチルケトン中に1,6−へキサンジオールジアクリレート10gを添加し、ロータリーエバポレーターで溶剤分を除去してから、80℃のホットプレート上で5時間攪拌した。増粘した時点で、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトンとベンゾフェノンの混合物からなる光重合開始剤0.1gを添加し、脱泡することにより樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を成型し、紫外線を照射することにより厚さ3mmの試験用プレートを作製した。尚、照射した紫外線の積算光量は約4000mJ/cm2であった。
実施例9
実施例4と同様に作製した微粒子を用い、表2に示す粒子充填率になるように実施例1同様に複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料を作製し、溶融、加熱成形することにより厚さ3mmの試験用プレートを作製した。
実施例10
実施例4と同様に作製した微粒子を用い、表2に示す粒子充填率になるように実施例1同様に複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料を作製し、溶融、加熱成形することにより厚さ3mmの試験用プレートを作製した。
実施例11
実施例4と同様に作製した微粒子を用い、表2に示す粒子充填率になるように実施例1同様に複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料を作製し、溶融、加熱成形することにより厚さ3mmの試験用プレートを作製した。
実施例12
実施例4と同様に作製した微粒子を用い、表2に示す粒子充填率になるように実施例1同様に複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料を作製し、溶融、加熱成形することにより厚さ3mmの試験用プレートを作製した。
実施例13
0.01[mol/L]のZr(NO3)水溶液の替わりにMgO微粒子(40nm)を用いた以外、実施例1と同様に微粒子を作製した。この微粒子により実施例1同様に複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料を作製し、溶融、加熱成形することにより厚さ3mmの試験用プレートを作製した。
比較例1
プラズマ法により作製したアルミナシリケート微粒子(50%Al23/50%SiO2混合、粒径40nm)30gに対してアルゴン下で攪拌しながらHMDSを4g加える。つづいて200℃で30分加熱、続いて、室温まで冷却し、表面修飾酸化物微粒子を得た。実施例1と同様に微粒子を作製した。この微粒子により実施例1同様に複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料を作製し、溶融、加熱成形することにより厚さ3mmの試験用プレートを作製した。
比較例2
純水4.6g、26%アンモニア水1.0g、メタノール43gの混合液に、テトラメトキシシラン(TMOS)14g、メタノール2.3gの混合液および純水6.4g、26%アンモニア水1.0gの混合液を、液温を25℃に保ちつつ15分かけ滴下し、その後、アルミニウムテトライソプロポキシド60g、イソプロパノール1.5gの混合液を10分かけて添加し、シリカ/アルミナ混合ゾルを得た。
このゾルを常圧下、加熱蒸留しつつ、純水を容量一定に保ちつつ滴下し、塔頂温が100℃に達し且つpHが8以下になったのを確認した時点で純水の滴下を終了し、微粒子分散液を得た。
該微粒子5gにメタノール300gと1モル%の硝酸水溶液を添加した。この液を50℃で撹拌しながら、メタノール100gとシクロペンチルトリメトキシシラン6gの混合液を60分かけて添加し、その後さらに24時間撹拌した。得られた透明な分散液を酢酸エチルに懸濁させ、遠心分離を行い微粒子を得た。この微粒子により実施例1同様に複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料を作製し、溶融、加熱成形することにより厚さ3mmの試験用プレートを作製した。
《複合金属酸化物微粒子の評価》
(吸水率)
高温高湿機「PR−2PK」(製品名、エスペック株式会社製)を使用し、予め100℃、10%RHで100時間乾燥させた微粒子を80℃90%RHで、500時間保存し、前後の質量増加分から吸水率を求めた。
《複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料の評価》
(屈折率の評価)
カルニュー光学工業(株)製の自動屈折計KPR−200を用いて、樹脂組成物の波長588nmの屈折率を測定した。さらに樹脂のみの屈折率測定を行い、複合金属酸化物微粒子屈折率を算出した。
(透過率の測定)
上記の試験プレートに対して波長405nmにおける青色光透過率の測定を行った。なお、透過率の測定方法はASTM D 1003に準拠した。結果を下記表2の「透過率」の欄に示す。なお、実用性の観点からは、透過率は50%以上であることが必要である。
以上の測定結果を下記表2に示す。
Figure 0005277457
上表より、本発明の構成の実施例1〜13は複数種類の金属酸化物微粒子を含有しながら、比較例に対し、複合金属酸化物微粒子の吸水率が低くかつ複合材料の透過率が著しく高く、いずれも優れた複合材料であることが分かった。
また、本発明の実施例1〜13の複合材料を、光学素子の例として光ピックアップレンズの成形材料として用いたところ、優れた成形性、屈折率、光透過性を有したレンズを得ることができた。
水の密度−温度・圧力依存性並びに水の誘電率−圧力依存性を示す図である。 水の臨界点近傍での水−ガス2成分系の相挙動並びに水−有機溶媒系の相挙動を示す図である。 光ピックアップ装置の内部構造を示す模式図である。
符号の説明
1 光ピックアップ装置
2 半導体レーザ発振器
3 コリメータ
4 ビームスプリッタ
5 1/4λ波長板
6 絞り
7 対物レンズ
8 センサーレンズ群
9 センサー
10 2次元アクチュエータ
D 光ディスク
D1 保護基板
D2 情報記録面

Claims (7)

  1. (1)超臨界状態又は亜臨界状態下を反応場として、少なくとも2種類以上の金属元素(但し、Laを除く)を含有する溶液を用いて複合金属酸化物微粒子を合成し、且つ、該複合金属酸化物微粒子を表面修飾する工程、及び
    (2)前記複合金属酸化物微粒子を硬化性樹脂または熱可塑性樹脂と混合する工程、とを含み、
    前記硬化性樹脂または熱可塑性樹脂が少なくとも環状オレフィン樹脂を含むことを特徴とする複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料の製造方法。
  2. (1)超臨界状態又は亜臨界状態を反応場として、少なくとも1種の金属元素(但し、Laを除く)を有する金属酸化物微粒子上に、前記金属酸化物微粒子とは異なる少なくとも1種の金属元素を含有する溶液を用いて、金属酸化物層を設けることにより複合金属酸化物微粒子を合成し、且つ、該複合金属酸化物微粒子を表面修飾する工程、及び
    (2)前記複合金属酸化物微粒子を硬化性樹脂または熱可塑性樹脂と混合する工程、とを含み、
    前記硬化性樹脂または熱可塑性樹脂が少なくとも環状オレフィン樹脂を含むことを特徴とする複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料の製造方法。
  3. 前記複合金属酸化物微粒子は、TEM法により測定された平均粒径が5nm以上、50nm以下であり、かつ下記金属Mから成る群より選ばれる金属元素を含有する金属酸化物を少なくとも2種含有することを特徴とする請求項1または2に記載の複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料の製造方法。
    金属M:Si、Mg、Al、Ca、Ti、Zr、Mn
  4. 前記複合金属酸化物微粒子の屈折率が1.5以上1.75以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料の製造方法。
  5. 前記複合金属酸化物微粒子の複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料中の含有率が10体積%以上40体積%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料の製造方法。
  6. 前記硬化性樹脂または熱可塑性樹脂の屈折率をnh、前記複合金属酸化物微粒子の屈折率をnpとした時に、下記の式(A)を満たすことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料の製造方法。
    式(A) 0≦|np−nh|≦0.15
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料の製造方法により得られた複合金属酸化物微粒子含有樹脂材料を用いて作製されたことを特徴とする光学素子。
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