JP5253267B2

JP5253267B2 - ポンプ付き薄肉容器

Info

Publication number: JP5253267B2
Application number: JP2009083393A
Authority: JP
Inventors: 幸一相良; 重之川又; 義則稲川; 和仁桑原; 當麻　　徹
Original assignee: Kao Corp; Yoshino Kogyosho Co Ltd
Current assignee: Kao Corp; Yoshino Kogyosho Co Ltd
Priority date: 2009-03-30
Filing date: 2009-03-30
Publication date: 2013-07-31
Anticipated expiration: 2029-03-30
Also published as: JP2010235134A

Description

本発明は、内容物の充填容量が減るにしたがい外観形状が変形、減容していく容器本体を備えたポンプ付き薄肉容器に関するものであり、内容物の充填容量が減った場合であっても容器本体の外観形状の変形、減容を抑制し自立性を確保するとともに美観を安定的に保持しようとするものである。

化粧料や整髪料、シャンプーあるいはリンス等を入れる容器としては、ハンディータイプや据え置きタイプに関わらずポンプを装着したものが多数上市されており、これにより容器内の内容物を衛生的、かつ効率的に注出することができるようになっている。

ところで、最近、この種の容器にあっては資源の有効活用、ゴミの減量化を図る観点から容器そのものの肉厚を薄くすることが求められているところ、容器の薄肉化は自立性を確保するのを困難とし、容器の外観形状を損なう等の種々の問題を生じさせることからその実現を図るにも限界があった。

この点に関する先行技術としては、内容物を入れる容器を柔軟な袋状の容器体とし、この容器体を内側に納める外ケース体を備えた液体吐出器が知れられている（例えば、特許文献１参照）。しかし、かかる液体吐出器では外ケース体を別途に用意する必要があり、また、袋状の容器体を取替えるだけとはいえ、その取替え作業が煩雑であり使い勝手がよいとはいえない。

実開平５−３４１６７号公報

本発明の課題は、外ケース体等の余計な部材を不要とし、内容物の充填容量が少なくなっても外観形状を損なうことのないポンプ付き薄肉容器を提案するところにある。

本発明は、内容物の充填空間を区画形成するとともに内容物の排出に伴って減容可能な薄肉の容器本体と、この容器本体の口部を通して充填空間の上部に吊り下げ保持され、エアシリンダー内でエアピストンを往復移動させることによって充填空間内に圧縮されたエアを供給するエアポンプとを備えたポンプ付き薄肉容器であって、
前記エアシリンダーに、エアを容器本体内に噴出させる時のみ開放する逆止弁を設け、前記エアピストンに容器本体内の圧力上昇により該逆止弁によるエアの噴出が不能になった場合に開放し、エアシリンダー内のエアを容器の外側へ向けて放出する圧力開放弁を設けたことを特徴とするポンプ付き薄肉容器である。

上記の構成になるポンプ付き薄肉容器において、前記圧力開放弁は、エアピストンの圧縮側からその反対側に向けて貫通する経路を有するケースと、このケース内でエアシリンダーの圧縮側に向けて弾性支持され、該経路の座面に当接して該経路を閉塞状態に保持する弁体とから構成されるものが本発明に有利に適合する。

前記エアシリンダーの径方向内側には、容器本体内の内容物を噴出させる液用ポンプを設けることができ、液用ポンプとしては、内容物の排出経路を形成する液用シリンダーと、この液用シリンダー内でエアピストンと同期して排出経路を開閉する液用開閉弁と、この液用開閉弁に連係する中空ステムと、この中空ステムにつながり、該液用開閉弁の開放によって中空ステムを通して内容物を噴出させるノズルヘッドとを備えたものが適用される。

エアポンプを作動させることによって充填空間内にエアを供給するようにしたため、内容物の残量にかかわりなく容器本体は初期形状を保つこととなり、その結果として、自立性が確保されるとともに美観が保たれる。

本発明にしたがうポンプ付き薄肉容器の実施の形態を示した図である。ノズルヘッドを押し込んだ状態を示した図である。（ａ）(ｂ)は液用開閉弁（閉状態）の要部拡大図である（（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ断面を示した図）。液用開閉弁（開状態）の要部拡大図である。

以下、図面を参照して本発明をより具体的に説明する。
図１は本発明にしたがうポンプ付き薄肉容器の実施の形態を示したものである。

図における１は内容物の充填空間Ｍを区画形成するとともに内容物の排出に伴って減容可能な薄肉の容器本体である。

また、２は充填空間Ｍ内にエアを供給するエアポンプである。このエアポンプ２は、容器本体１の口部１ａを通して充填空間Ｍの上部に吊り下げ保持されるエアシリンダー２ａと、このエアシリンダー２ａ内で往復移動可能なエアピストン２ｂから構成されている。

エアポンプ２のエアシリンダー２ａは、ディスク状の底壁２ａ_１と、この底壁２ａ_１の外縁部につながりその内側にエアの加圧空間を形成する周壁２ａ_２からなっている。また、エアピストン２ｂはエアシリンダー２ａの内壁に沿って摺動しながら移動するディスクタイプのスライダー２ｂ_１と、このスライダー２ｂ_１の縁部に一体的に形成された摺動部材２ｂ_２とから構成され、その中心部には中空ステムと一体になる例で示した筒体２ｂ_３が形成されている。

３はエアピストン２ｂのスライダー２ｂ_１に設けられ、エアシリンダー２ａ内に外気（エア）を導入するときにのみ開放する外気導入弁、４はエアシリンダー２ａの底壁２ａ_１に設けた例で示した三点式の逆止弁である。この逆止弁４は、加圧されたエアを容器本体１内に噴出する時にのみ開放する。

５はエアピストン２ｂのスライダー２ｂ_１に設けられた圧力開放弁である。この圧力開放弁５は、スライダー２ｂ_１に一体に形成され、エアピストン２ｂの圧縮側ｇから背面側ｇ_１に向けて貫通する経路ｒが形成されたケース５ａと、このケース５ａ内でスプリング５ｂを介して弾性支持され、ケース５ａの座面に当接して経路ｒを閉塞する弁体５ｃと、スプリング５ｂの後端に当接するスプリング押え５ｄから構成されている。

圧力開放弁５の弁体５ｃは、エアシリンダー２ａの圧縮側ｇに向けて押し付けられているが、容器本体１内の圧力が上昇しすぎて逆止弁４によるエアの噴出が不能になるような場合にはエアシリンダー２ａ内の圧力によって弁体５ｃがスプリング５ｂの付勢力に抗してエアピストン２ｂの背面側へ向けて押され、これにより該弁体５ｃが座面から離反して経路ｒが開となり、図１の要部拡大図の矢印の如く、経路ｒを通り抜けたエアは外気導入経路を通り抜けて大気へ放出されることとなり、容器本体１は少なくとも初期の外観形状を保持するのに必要な程度の圧力に保持される。

また、６はエアシリンダー２ａの径方向内側で同心二重配置となるように設けられた液用ポンプである。この液用ポンプ６は、内容物を吸い込むための吸い込み口ｈを有し、吸い込みにかかる内容物の排出経路を形成する液用シリンダー６ａ（エアポンプ２のエアシリンダー２ａと一体に成形されている）と、この液用シリンダ−６ａでエアピストン２ｂと同期して排出経路を開閉する液用開閉弁６ｂと、この液用開閉弁６ｂの上部において連係する中空ステム６ｃとから構成されている。

液用ポンプ６の液用開閉弁６ｂは、液用シリンダー６ａの内壁に沿ってスライド可能な中空円筒状のピストン６ｂ_１と、このピストン６ｂ_１の開口を通り抜けて中空ステム６ｃの内面に形成された複数の縦リブ６ｃ_１等によって固定保持される弁体６ｂ_２と、この弁体６ｂ_２を液用シリンダー６ａ内で弾性支持するスプリング６ｂ_３からなっている。

７は中空ステム６ｃにつながり、液用開閉弁６ｂの開放によって容器本体１内の内容物を、中空ステム６ｃを通して内容物を噴出させるノズルヘッドである。

ノズルヘッド７はその外周壁にノズル７ａが設けられており、該ノズルヘッド７の押し込みと復帰操作を繰り返すことによってエアポンプ２及び液用ポンプ６を作動させるものであって、これによって充填空間Ｍ内の内容物を外界へと噴出させるとともに容器本体１内にエアを吹き込んで容器の外観形状を初期形状に保持する。

８は中空ステム６ｃの噴出経路内に配置されたボールタイプの弁体（逆止弁）、９は液用ポンプ６の吸引口ｈにつながり容器本体１の底部へ向けて伸延する吸引管である。

吸引管９はその下端に容器本体１の底部に当接させて周壁部分に内容物を流入させる切欠部９ａを形成しておくことができ、切欠部９ａを設けた場合にはその切欠部９ａから内容物を流入させることか可能となるため吸引管９の下端を容器本体１の底部に接触させて容器本体１の柱として機能させることができる。

１０は液用ポンプ６をエアポンプ２とともに容器本体１の口部１ａに固定保持するベースキャップである。ベースキャップ１０は容器本体１の口部１ａの外側壁に係合するねじ部を有する周壁１０ａと、この周壁１０ａの上端に一体連結して下向きに開放された空間領域を形成する天壁１０ｂと、この天壁１０ｂの中央部にて起立してノズルヘッド７の基体（中空ステム６ｃに嵌合する縦筒）を挿通させるガイド筒１０ｃとから構成されており、天壁１０の裏面と、容器本体１の口部１ａの先端面との間にエアポンプ２のエアシリンダー２ａ上端フランジ部を挟み込むことによりエアポンプ２を液用ポンプ６とともに固定保持するようになっている。

さらに、１１は弁体６ｂ_２の周壁に設けられ内容物を通過させる貫通孔、１２は弁体６ｂ_２の周壁の外表面に設けられた縦リブである。貫通孔１１は弁体６ｂ_２の周りの対向位置に２つ設けられ、この貫通孔１１の間には縦リブ１２を片側につき３つ形成したものを例として示してある（図３（ｂ）参照）。

ノズルヘッド７を最も押し込んだ図２に示すような状態において押し込みにかかる力を取り除くと、液用ポンプ６のスプリング６ｂ_３の付勢力によって中空ステム６ｃは押上げられ、エアピストン２ｂは上方へと移動し図１に示したような初期姿勢へと復帰し、液用開閉弁６ｂは図３（ａ）（ｂ）に示すような状態になる一方、エアポンプ２では、ベースキャップ１０のガイド筒１０ｃと、ノズルヘッド７の基体との相互間に形成された隙間（図示せず）及び外気導入弁３を通してエアシリンダー２ａ内にエアが導入される。

ノズルヘッド７を再び押し込むと、液用シリンダー６ａ内の液用開閉弁６ｂは図４に示すように開放され、内容物は中空ステム６ｃの噴出経路を経てノズルヘッド７のノズル７ａから外界へと噴出し、エアシリンダー２ａ内のエアは加圧、圧縮されて逆止弁４を通して容器本体１内へ噴出される。容器本体１内にエアが供給される結果、該容器本体１は常時初期形状に保持されることとなり薄肉容器であっても内容物を使い切るまで自立性が確保されるとともに外観形状が安定的に維持される。

容器本体１内の圧力がエアシリンダー２ａ内の圧力よりも高くなった場合においては、逆止弁４が開放されず容器本体１内へエアを噴出させることができなくなるが、この時、エアシリンダー２ａ内のエアは圧力開放弁５を通してエアピストン２ｂの背面側を通り容器の外側へと放出され、容器本体１内の圧力はほぼ一定に保たれる。

上記の構成になるポンプ付き薄肉容器は、充填空間Ｍ内にエアを導入し該充填空間Ｍの圧力を高めることにより容器本体１の外観形状の維持と内容物の吐出を可能にした構成例として示したが、液用シリンダー６ａの内側下端に弁体（逆止弁）を別途に配置し、液用シリンダー６ａ内に吸引された内容物を加圧、圧縮して外部へ吐出させる従来型の液用ポンプを適用することも可能であり、この場合も容器本体１の外観形状が損なわれることはない。

本発明にしたがうポンプ付きの薄肉容器は、容器本体１を構成する原料（合成樹脂）の使用量が少なくてすみゴミの減量に有効であり、廃棄に際しては小さくまとめることができるのでかさばることもない利点がある。

資源の有効利用、ゴミの減量化が可能で、容器本体の外観形状の安定的化されたポンプ付き薄肉容器が提供できる。

１容器本体
１ａ口部
２エアポンプ
２ａエアシリンダー
２ｂエアピストン
３外気導入弁
４逆止弁
５圧力開放弁
５ａケース
５ｂスプリング
５ｃ弁体
５ｄスプリング押え
６液用ポンプ
６ａ液用シリンダー
６ｂ液用開閉弁
６ｃ中空ステム
７ノズルヘッド
７ｃノズル
８弁体
９吸引管
１０ベースキャップ
１０ａ周壁
１０ｂ天壁
１０ｃガイド筒
１１貫通孔
１２縦リブ
Ｍ充填空間
ｈ吸い込み口
ｒ経路

Claims

内容物の充填空間を区画形成するとともに内容物の排出に伴って減容可能な薄肉の容器本体と、この容器本体の口部を通して充填空間の上部に吊り下げ保持され、エアシリンダー内でエアピストンを往復移動させることによって充填空間内に圧縮されたエアを供給するエアポンプとを備えたポンプ付き薄肉容器であって、
前記エアシリンダーに、エアを容器本体内に噴出させる時にのみ開放する逆止弁を設け、前記エアピストンに、容器本体内の圧力上昇により該逆止弁によるエアの噴出が不能になった場合に開放し、エアシリンダー内のエアを容器の外側へ向けて放出する圧力開放弁を設けたことを特徴とするポンプ付き薄肉容器。
前記圧力開放弁が、エアピストンの圧縮側からその反対側に向けて貫通する経路を有するケースと、このケース内でエアシリンダーの圧縮側に向けて弾性支持され、該経路の座面に当接して該経路を閉塞状態に保持する弁体とからなる、請求項１記載のポンプ付き薄肉容器。
前記エアシリンダーの径方向内側に容器本体内の内容物を噴出させる液用ポンプを設け、該液用ポンプは、内容物の排出経路を形成する液用シリンダーと、この液用シリンダー内でエアピストンと同期して排出経路を開閉する液用開閉弁と、この液用開閉弁に連係する中空ステムと、この中空ステムにつながり、該液用開閉弁の開放によって内容物を噴出させるノズルヘッドとを備える、請求項１又は２記載のポンプ付き薄肉容器。