JP5242934B2 - 炭酸塩及びその製造方法 - Google Patents
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Description
炭酸塩の結晶形としては、カラサイト、アラゴナイト、バテライトなどが挙げられるが、これらの中でも、アラゴナイトは針状であり、強度や弾性率に優れる点で、様々な用途に有用である。
しかし、前記特許文献1に記載の炭酸塩の製造方法では、得られる炭酸塩の長さが30〜60μmと大きいだけでなく、粒子サイズの分布幅が広く、所望の粒子サイズに制御した炭酸塩を得ることができないという問題がある。また、前記特許文献2に記載の炭酸塩の製造方法を用いても、長さが20μm〜30μmの大きな粒子しか得ることができない。更に、前記特許文献3に記載の炭酸塩の製造方法では、製造工程において、加熱制御を行わなければならない。
尿素の熱分解反応は遅いので、生成する核の数が少なくなってしまう。アスペクト比の大きな針状粒子は得られるが、粒子は大きくなってしまう(Figure 1c)。また、酵素を用いて尿素分解を行った場合は、そもそも粒子が球状形態となってしまうが、粒子中に酵素(たんぱく質)が含まれてしまうので、この粒子を最終的な材料に導入した際にコンタミ等の影響が懸念される。
また、本発明は、尿素の分解反応による炭酸イオンの発生を利用しているので、ゆっくりと炭酸塩粒子を成長させることができ、高い結晶性を有する炭酸塩を提供することを目的とする。
<1> 少なくとも尿素を含む反応溶液中で種結晶を成長させる種結晶成長工程を少なくとも含むことを特徴とする炭酸塩の製造方法である。
<2> 種結晶が、炭酸ストロンチウム粒子である前記<1>に記載の炭酸塩の製造方法である。
<3> 反応溶液中に金属イオン源を含み、該金属イオン源が、ストロンチウムの水酸化物である前記<1>から<2>のいずれかに記載の炭酸塩の製造方法である。
<4> 種結晶成長工程が、55℃〜95℃の温度で行われる前記<1>から<3>のいずれかに記載の炭酸塩の製造方法である。
<5> 種結晶成長工程が、該種結晶成長工程の開始から終了までの間においてpH10以上で行われる前記<1>から<4>のいずれかに記載の炭酸塩の製造方法である。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の炭酸塩の製造方法により製造されたことを特徴とする炭酸塩である。
<7> 平均アスペクト比が2以上であり、平均長径が5μm以下である前記<6>に記載の炭酸塩である。
<8> 炭酸ストロンチウム粒子である前記<6>から<7>のいずれかに記載の炭酸塩である。
また、本発明によると、種結晶の成長過程で単純に尿素を用いただけでは、尿素の熱分解反応の進行が遅く、反応液中の金属イオンが完全に消費されるまでには莫大な時間がかかってしまう現象を、尿素の熱分解反応を高アルカリ性下で行って分解反応を促進することにより、高収率化を達成することができた。
本発明の炭酸塩の製造方法は、少なくとも種結晶成長工程を含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
前記種結晶成長工程は、少なくとも炭酸源としての尿素を含み、金属イオン源を含む反応溶液中で種結晶を成長させる工程である。
前記種結晶としては、その形状、大きさ、材料、製法などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記種結晶材料としては、例えば炭酸ストロンチウム粒子、炭酸カルシウム粒子、炭酸バリウム粒子、炭酸亜鉛粒子、及び炭酸鉛粒子から選択される少なくとも1種であることが好ましく、これらの中でも、炭酸ストロンチウム粒子が特に好ましい。
前記種結晶の形状としては、例えば、球形状、楕円状、針状、棒状、不定形などが挙げられ、これらの中でも、より小さなサイズを作りやすいという点で球形状が特に好ましい。
前記種結晶の大きさ(粒径)としては、目的とする最終粒子サイズに合わせて選択すればよい。
前記金属イオン源としては、金属イオンを含む限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記炭酸源と反応して、カルサイト、アラゴナイト、バテライト、及びアモルファスのいずれかの形態を有する炭酸塩を形成するものが好ましく、アラゴナイト型の結晶構造を有する炭酸塩を形成するものが特に好ましい。
前記アラゴナイト型の結晶構造は、CO3 2−ユニットで表され、該CO3 2−ユニットが積層されて針状及び棒状のいずれかの形状を有する炭酸塩を形成する。このため、該炭酸塩が、後述する延伸処理により、任意の一方向に延伸されると、その延伸方向に粒子の長軸方向が一致した状態で結晶が並ぶ。
また、下記表1にアラゴナイト型鉱物の屈折率を示す。表1に示すように、前記アラゴナイト型の結晶構造を有する炭酸塩は、複屈折率δが大きいため、配向複屈折性を有するポリマーへのドープに好適に使用することができる。
これらの中でも、ストロンチウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、及び鉛から選択される少なくとも1種の金属の水酸化物が好ましく、ストロンチウムの水酸化物が特に好ましい。
炭酸ストロンチウムを作製する際には、イオン源として、Sr(OH)2・8H2Oが特に好ましい。
前記炭酸源としては、尿素[(NH2)2CO]を用いる。尿素を炭酸源として用いることにより、例えば加熱反応によって系内で均一な反応を進行させることができる(この反応は均一沈殿法と呼ばれている)。一方で、この反応では尿素の分解が律速であるので、自発的核生成は起こりにくいが、本発明のように種結晶を用い、これを成長させる段階で尿素の分解を活用して粒子成長を行うのであれば、粒子サイズ制御の観点や高結晶性粒子を得る観点から好ましいものとなる。
まず、酸性領域では、前記尿素の加水分解が下記式(1)のように行われる。
(NH2)2CO+3H2O→2NH4 ++OH−+CO2・・・・・式(1)
また、アルカリ性領域では、前記尿素の加水分解が下記式(2)のように行われる。
(NH2)2CO+2OH−→CO3 2−+2NH3・・・・・式(2)
そして、前記式(1)又は式(2)で示す加水分解中に発生する炭酸イオン(CO3 2−)と、例えば、電離したストロンチウムイオン(Sr2+)とが、下記式(3)のように反応し、前記炭酸塩としての炭酸ストロンチウム(SrCO3)が合成される。
Sr2++CO3 2−→SrCO3・・・・・式(3)
前記加熱反応における反応時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、15分間〜360分間が好ましく、30分間〜240分間がより好ましい。
なお、前記加熱反応は撹拌しながら行うのが好ましく、撹拌速度としては、500rpm〜1,500rpmが好ましい。
本発明においては、炭酸塩形成に必要な金属イオン源として、例えば水酸化ストロンチウム・8水和物を使用すると、この化合物はアルカリ性であるため、Sr2+イオン源を含有する液はアルカリ性を示す。しかし、反応の進行、具体的には、上記(2)式の反応によってpHは低下していくので、高pHを維持する観点から、前記炭酸源と前記金属イオン源とを反応させる際にアルカリ剤を添加することが必要となる。ただ、このアルカリ剤を添加することには別の効果もある。上記(2)式の反応は右側へと進行するので、尿素の分解は加速され、結果として短時間で高い収率の沈殿(炭酸塩粒子)を得ることができる。
前記アルカリ剤の添加は、前記炭酸源と前記金属イオン源とを反応させる際であれば特に制限はなく、前記炭酸源と前記金属イオン源が既に添加された液中にアルカリ剤を添加してもよいし、あるいはアルカリ剤を独立に添加してもよい。
前記アルカリ剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばNaOH、KOH、LiOHなどが挙げられる。前記アルカリ剤の添加量は、反応液のpHが10以上に維持できる量が好ましい。
また、合成される炭酸塩の結晶の溶解度を下げることを目的として、前記液中に溶剤を含むのが好ましい。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、メタノール、エタノール、及びイソプロピルアルコールから選択される少なくとも1種であるのが好ましい。但し、尿素の分解反応として選択する反応温度との兼ね合いで、その溶剤の沸点と照らし合わせて、適切な溶剤を選択する必要がある。
本発明の炭酸塩の製造方法により製造される炭酸塩は、平均アスペクト比としては、2以上が好ましく、3〜20がより好ましい。前記平均アスペクト比が2未満になると、炭酸塩結晶が粒状又は球状に近くなり、前記樹脂中で透明樹脂の分子配向に伴って粒子配向が発現する確率が減少するか、又はまったく発現しなくなり、本発明の効果が得られなくなる。
なお、前記アスペクト比は、前記炭酸塩の長さと直径との比を表し、その数値は大きいほど好ましい。
前記平均長径は5μm以下が好ましく、300nm以下がより好ましく、200nm以下が更に好ましい。前記平均長径が5μmを超えると、光学樹脂材料中に添加した場合に、その透過率を大幅に低下させてしまうことがある。
ここで、前記長径及び短径の変動係数とは、長径及び短径の平均値に対する該長径及び短径の標準偏差の比で表され、以下の数式(1)で求められ、この数式(1)の値を100倍して表示したものである。
前記nの値は100以上と定義するが、nの値としては大きいことが好ましく、200以上がより好ましい。nの値が100未満となると、粒子の分散を正確に反映することができなくなる。
本発明の炭酸塩の製造方法により製造される炭酸塩は、平均アスペクト比が2より大きい、即ち、球状ではなく、針状及び棒状などの形状を有するため、プラスチックの強化材、摩擦材、断熱材、フィルタ等として有用である。特に、延伸材料などの変形を施した複合材料においては、粒子が配向することによりその強度や光学特性を改良することが可能である。
前記延伸処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一軸延伸が挙げられる。該一軸延伸の方法としては、必要に応じて加熱しながら、延伸機で所望の延伸倍率に延伸することが挙げられる。
以下の実施例及び比較例において、収率は理論収量を100%とし、最終的に得られた乾燥粒子の重量を計測することにより求めた。
また、炭酸塩結晶の粒子サイズ、平均アスペクト比、変動係数は、充分に分散させた炭酸塩粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察し、撮影した粒子画像ファイル情報を、株式会社マウンテック製、画像解析式粒度分布測定ソフトウエア「Mac−View」Ver.3を用いて1粒子ごとに測定して、集計することで求めた。
−種結晶の作製−
純水38.5ml、及びメタノール230.0ml中に、9.96gのSr(OH)2・8H2O(関東化学株式会社製)を添加し、攪拌してSr(OH)2縣濁液を調製した。次に、純水1,000ml中に、9.80gの炭酸アンモニウム(関東化学株式会社製)を溶解させて、炭酸源溶液を準備した。
Sr(OH)2縣濁液を恒温槽に入れ、5℃の状態を保ち、攪拌700rpmを維持したままの状態で、炭酸源溶液62.5mlを2本のノズルに分け、0.30ml/minの添加速度で添加した。添加完了後、得られた粒子分散液を、遠心分離にかけ、回収できた沈殿を繰り返して水洗し、純水496.4ml中に乾燥時の換算で0.92gのSrCO3粒子が含まれるようにして、種結晶用SrCO3分散液を調製した。
得られた種結晶SrCO3分散液に、6.64gのSr(OH)2・8H2Oと、32.00gのNaOH顆粒を添加し、攪拌した。ここに、4Mの尿素水溶液500mlを混合した後、攪拌回転数を1,000pmに維持した状態で、90℃で2時間反応させた。なお、反応開始時のpHは13.9、終了時のpHは11.8であった。
得られた沈殿は、透過型電子顕微鏡(TEM)観察を行った。結果を図1A及び図1Bに示す。残りの沈殿を60℃で乾燥し、粉砕させた後、結晶相の同定を行うためにX線回折(XRD)測定を行った。結果を図2に示す。
図1A及び図1BのTEM写真から、得られた炭酸ストロンチウム粒子の平均アスペクト比は9.3であり、平均長径が3.4μmであった。
また、図2のX線回折(XRD)ピークの結果から、非常にシャープであり、市販品と同レベルの結晶性の良好な粒子が得られていることが分かった。
また、実施例1の炭酸ストロンチウムの収率は、96%であった。
種結晶用SrCO3分散液のSrCO3質量を1.85gにした以外は、実施例1と同様にして、炭酸ストロンチウム粒子を製造した。反応開始時のpHは14.0、終了時のpHは10.4であった。
得られた炭酸ストロンチウム粒子について、透過型電子顕微鏡(TEM)観察を行った結果を図3A及び図3Bに示す。得られた炭酸ストロンチウム粒子は、平均アスペクト比が7.9であり、平均長径が2.1μmであった。
また、得られた炭酸ストロンチウム粒子について、X線回折(XRD)測定を行ったところ、高い結晶性を有していた。
また、実施例2の炭酸ストロンチウム粒子の収率は、100%であった。
6.64gのSr(OH)2・8H2Oと、32.00gのNaOH顆粒を添加し、攪拌した。ここに、4Mの尿素水溶液500mlを混合した後、攪拌回転数を1,000pmに維持した状態で、90℃で2時間反応させた。なお、反応開始時のpHは13.1、終了時のpHは12.0であった。
得られた沈殿は、透過型電子顕微鏡(TEM)観察を行った。結果を図4に示す。残りの沈殿を60℃で乾燥し、粉砕させた後、結晶相の同定を行うためにX線回折(XRD)測定を行って評価した。
図4のTEM写真から、得られた炭酸ストロンチウム粒子の平均アスペクト比は16.4であり、平均長径が16.7μmであった。
また、得られた炭酸ストロンチウム粒子について、X線回折(XRD)測定を行ったところ、高い結晶性を有していた。
また、比較例1の炭酸ストロンチウム粒子の収率は、92%であった。
−炭酸塩の製造−
金属イオン源を含む液としての0.01M水酸化ストロンチウム[Sr(OH)2]懸濁液(pH12.2)10mlの入った容器と、炭酸源としての固体の炭酸アンモニウム[(NH4)2CO3]とを密閉容器内に配置した。すると、(NH4)2CO3から炭酸ガスが発生し、(NH4)2CO3が炭酸ガスを密閉容器内の気相中に放出した。該気相中に放出した炭酸ガスが、ゆっくりと拡散し、水酸化ストロンチウム[Sr(OH)2]懸濁液に溶け込んだ。このとき、水酸化ストロンチウム[Sr(OH)2]懸濁液を撹拌して、反応温度25℃にて360minにわたって炭酸ガスと反応させ、前記炭酸塩としての炭酸ストロンチウム結晶を得た。なお、反応開始時のpHは12.2、反応終了時のpHは9.4であり、炭酸ガスの溶解に伴う水酸化ストロンチウム[Sr(OH)2]懸濁液のpHの低下が確認された。
また、得られた炭酸ストロンチウム粒子について、X線回折(XRD)測定を行った結果、実施例1のXRD回折ピークと比較して、ピークのブロードニングが起こっており、結晶性が低下したSrCO3粒子となっていることが分かった。
また、比較例2の炭酸ストロンチウム粒子の収率は、20%にも到達しなかった。
本発明の炭酸塩の製造方法により製造される炭酸塩は、結晶性が高く、凝集しにくく、アスペクト比が2より大きい(特に、針状、棒状などである)ため、成形品内部での配向が少なく、等方性を示し、プラスチックの強化材、摩擦材、断熱材、フィルタなどに好適に使用することができる。特に、延伸などの変形を施した複合材料においては、粒子が配向することによりその強度や光学特性を改良することが可能である。
また、本発明の炭酸塩の製造方法により製造される炭酸塩(結晶)を複屈折性を有する光学ポリマーに分散させ、延伸処理を施して前記光学ポリマーの結合鎖と前記炭酸塩とを略平行に配向させると、前記光学ポリマーの結合鎖の配向によって生ずる複屈折性を、前記炭酸塩の複屈折性で打ち消すことができる。このため、光学部品、特に、偏向特性が重要で高精度が要求される光学素子に好適に使用することができる。
Claims (6)
- 炭酸塩の製造方法であって、少なくとも尿素を含む反応溶液中で種結晶を成長させる種結晶成長工程を少なくとも含み、前記炭酸塩が炭酸ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛及び炭酸鉛の少なくともいずれかであることを特徴とする炭酸塩の製造方法。
- 種結晶が、炭酸ストロンチウム粒子である請求項1に記載の炭酸塩の製造方法。
- 反応溶液中に金属イオン源を含み、該金属イオン源が、ストロンチウムの水酸化物である請求項1から2のいずれかに記載の炭酸塩の製造方法。
- 種結晶成長工程が、55℃〜95℃の温度で行われる請求項1から3のいずれかに記載の炭酸塩の製造方法。
- 種結晶成長工程が、該種結晶成長工程の開始から終了までの間においてpH10以上で行われる請求項1から4のいずれかに記載の炭酸塩の製造方法。
- 平均アスペクト比が2以上であり、平均長径が5μm以下である請求項1から5に記載の炭酸塩の製造方法。
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