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JP5221132B2 - 生理活性物質を含むバイオミメティック溶液で基体をコートするバイオミメティック法、ならびに骨、結合組織、脂肪組織、および筋組織工学における当該方法および基体の使用 - Google Patents

生理活性物質を含むバイオミメティック溶液で基体をコートするバイオミメティック法、ならびに骨、結合組織、脂肪組織、および筋組織工学における当該方法および基体の使用 Download PDF

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Description

本発明は、基体、特にインプラントといった医療用装置をコーティングするバイオミメティック方法、そのようなコーティングされた基体、ならびに骨、結合組織、脂肪組織、および筋組織工学におけるその適用に関する。
歯科および整形外科の移植学の分野における研究は、現在、骨移植(osseointegration)を可能にしおよび十分な機能性の再構築を促進する手段および方法論の開発に集中している。このような目的の実現により、患者の治癒段階および回復期は短縮され、社会的および職業的復帰が早く行えるだろう。
インプラントの骨伝導性(osteoconducivity)における改善は、すでに、様々な結晶性または非結晶性形態のリン酸カルシウムの層で表面をコーティングすることで達成されている。トランスフォーミング成長因子βまたは骨形成タンパク質(bone morphogenetic proteins)といった骨形成成長因子の添加によって、これらのコーティングに骨誘導性(osteoinductive)を付与する試みも行われてきた。しかし現在まで、この課題には大きな障害が存在している。ほとんどの無機性コーティングを作製する技術は、非常に高温(例えば、プラズマ溶射)またはその他の高度に反生理的な物理的条件下にて行われており、このことが、その蓄積の間における生物学的活性を有したタンパク質性分子の取り込みを妨げている。
研究者らは、前もって形成された無機性層の表面に骨形成薬剤を二次的に吸着させることで、この困難性を回避する試みを行ってきた。しかしながら、そのような表面的に吸着された分子は二次元的で、従って限られた保持機能しか果たさず、このため生理学的環境にさらされたときに一度の破壊ですばやく放出されてしまう。それゆえ、これらの薬剤の骨誘導効果は、時間的かつ空間的に制限されている。研究者らは、吸着される成長因子の濃度を反生理的なレベルまで増加することで、この問題を克服しようと試みてきた。しかしながら、当該分子は、なおも一度の破壊ですばやく放出され、これによって発生する局所的に高濃度の分子が、インプラント近傍にてコラーゲン原繊維およびそのほかの細胞外マトリックス分子と、望ましくない非特異的な結合を起こしてしまう。
また、吸着された成長因子の放出を遅延させる試みで、前もって形成したリン酸カルシウム層に化学的な修飾が行われた。しかし、そのような処理を行っても、薬剤の放出速度はなお、三次元的デポー(格子状取り込み)の場合より速かった。これらの物理的コーティング技術のさらなる欠陥は、金属合金といった高温耐性素材および相対的に滑らかな表面形態を有する素材のみにしか適用できないことである。
近年、全ての種類の基体にコーティングを沈着させる方法が、幾つか提案されている。これらの方法は、K. de Grootらの論文(Proc Instn Mech Engrs Vol 212 part H)に概説されている。この総説書において、プラズマ溶射、減圧プラズマ溶射、高速酸素燃料噴霧(high velocity oxy-fuel spraying)といった技術、さらに電気泳動的沈着、電気化学的沈着、バイオミメティック沈着といった湿性技術、またさらには、スパッター技術、すなわち標準的スパッター沈着、イオン補助沈着(ion assisted deposition)、パルスレーザー蓄積、マグネトロン蓄積、熱間静水圧圧縮成形およびフリットエナメル処理(frit enamelling)の技術について記載されている。
ハンクス液(過飽和)または擬似的な体液中に浸して、基体に生物学的活性を有した骨様アパタイト層を形成することを含むバイオミメティック沈着法は、特別な興味がある。
米国特許6.207.218号には、以下の段階を含む、インプラントのコーティング方法を記載している:
a) マグネシウム、カルシウムおよびリン酸イオンの水溶液にインプラントを摂食させる;
b) 水溶液中に二酸化炭素ガスを通し、濃縮されたイオンの溶液を維持する;および
c) 水溶液を脱気し、インプラントに塩を蓄積させる。
この方法の不利な点は、この方法が開放系で行われ、さらに無菌的な条件が維持されないことである。そのうえ、コーティング厚およびコーティング方法の微妙な条件を制御しにくい。この製法では、単純な方法で生理活性物質を取り込むことができない。このことを達成するには、2段階の工程を行う必要があり、始めに種となる層として薄いコーティングを形成し、次に閉鎖系(生理活性分子を含んでよい)に切り替え、例えばリン酸カルシウムコーティングといった二次的層を形成する。そのような方法は複雑で、商業的応用に適さない。また、2段階目の溶液は非常に大きな体積を必要とし、コーティングに取り込もうとする生理活性分子を非常に大量に損失してしまう。それゆえ、この方法は、かなりコストがかかる。
発明の概要
本発明の目的は、上述の不利な点を大部分軽減する方法を提供することである。本発明によると、バイオミメティックコーティング組成物が作製され、該組成物は、組織、特に軟部組織または結合組織の電解質組成物を模倣した電解質溶体から成り、持続的または遅延的に放出させることが可能な生理活性物質を含み、該生理活性物質と、その他の成分、主に生理活性物質の取り込みをもたらす塩との共沈殿により、好ましくは、実質的に、コーティングに不可欠な部分を形成する格子において、生理的量で作製され、該コーティングは、好都合に、基体上に、先行技術の2段階工程とは異なり、1段階で薄膜として刷り込まれる。
本発明の別の目的は、閉鎖系、好ましくは防腐性(aseptic)または実質的に無菌的(virtually sterile)な条件下で行われるコーティング方法を提供する。
本発明のさらに別の目的は、コーティングの厚さおよびコーティングの物理的状態(結晶性、非結晶性または混合形態)が、使用する出発混合物の成分の組成物をあらかじめ調節することで、制御される方法を提供することである。
本発明の別の目的は、バイオミメティクス方法を提供すること、すなわち、典型的に、コーティングに取り込まれる生理活性物質の活性および安定性に有害作用をもたらさない温度で行われる、穏和な方法を提供する。
本発明のさらに別の目的は、商業的価値があり、高い再現性を示す方法であって、医療用装置またはインプラントをコーティング組成物に浸漬するために、小反応装置系(mini reactor system)が必要とする体積が、相対的に低く、つまり100 ml未満および好ましくは5から20 mlの体積である方法を提供することである。
最後に、本発明の目的は、特に結合組織、骨組織、脂肪組織および筋組織工学に有用な、コーティング組成物および装置を提供することである。
これらの、およびその他の目的ならびに利点は、本発明のより詳細な説明により、明確となるだろう。
発明の詳細な説明
最も一般的な形態において、本発明による基体をコーティングするバイオミメティック方法は、以下の工程を含む:
a) カルシウム、マグネシウム、リン酸、炭酸水素イオンおよび生理活性物質を含む食塩水混合物を含む酸性化されたバイオミメティック組成物を、閉鎖系にてバッチ式で作製する;
b) 基体を該バイオミメティック組成物に接触させる;
c) 基体をバイオミメティック組成物と接触させて貯蔵(storage)し、pHを徐々に増加させ、前記基体上に塩と生理活性物質との共沈殿を生じさせる。
本発明による方法において、生理活性物質は、あらかじめ最初の混合物に取り込まれている。該生理活性物質は、無機塩と共沈殿し、この構造または結晶格子中で純化(scaveged)される。
当該方法が行われる反応装置は、好ましくは防腐性(aseptic)または実質的に無菌的(virtually sterile)な条件で操作される。これを達成するための方法および手段は、当該技術において周知である。例えば、細菌用フィルターを使用することができ、可能な場合には、約100℃から110℃周辺の高温に耐えられる装置および溶液に対して、熱処理を適用することができる。滅菌ガスを使用した滅菌法もまた使用することができる。コーティングされた基体は、続いて空気乾燥され、または不活性ガスによって乾燥され、時折、好ましくは無菌的条件下で凍結乾燥される。
しかしながら、工程c)に続く最後の段階で、防腐(aseptic)および無菌(sterilize)状態でない条件下にて、ガンマ線照射を用いて当該方法を行うことも可能である。
反応装置は、閉鎖系として設計されている。反応装置は、密閉可能な容器から成るようにでき、最も単純な形態として、ガラスビンとすることができる。
当該方法は、本発明によるコーティング方法に使用するための相対的に低い体積(しばしば、100 ml未満、またさらには20 ml未満)を考えて、小または微小系の反応装置(mini or micro system reactor)にて行うことができる。
本発明による方法において、タンパク質であり得る生理活性物質を含む、全ての成分を溶解するのに十分な量の酸が、該タンパク質の等電点を考慮して加えられる。本発明による方法において、酸を食塩水混合物に加えてよいこと、または塩を酸性化された水に加えてよいことが容易に理解されるだろう。使用される酸は、原則として、酢酸といった有機酸または無機酸であるが、好ましくは塩酸、硫酸およびリン酸から成る群から選択される。使用する酸の少なくとも一部を水に加え、続いて様々な塩を加えることが都合がよい。
混合物の全ての成分の溶解を促進するため、5.2から6.6の範囲のpHが適切である。好ましい範囲は、5.8から6.4である。
引き続いて、pHの上昇が可能な状態とし、混合物を、好ましくはpHが7.0から8.5の範囲の値に到達するのに十分な時間、撹拌して保存し、沈殿および基体のコーティングを達成させる。pHの増加は、以下の段階を誘導することができる:不飽和状態、超飽和状態または準安定状態ならびに核形成および結晶成長。溶液が超飽和限界(super saturation limit)または準安定状態に到達したとき、不均一な核形成が起こる。超飽和状態において、準安定的な溶液から、結晶が成長できる。より高濃度の場合、均一な核形成または沈殿が生じ得る。pHを変えることで、上記の変化は調節される。
本発明の好ましい実施態様は、以下の順番にて塩を加えることによる、溶液の作製に関する:
i) 好ましくは六水和物の形態における、塩化マグネシウム;
ii) 好ましくは二水和物の形態における、塩化カルシウム;
iii) 好ましくは二水和物の形態における、リン酸水素ナトリウム
その後、pHを所定の範囲にするために酸性化された水に
iv) 炭酸水素ナトリウムを加える。
最後の炭酸水素塩の添加の後、pHは、究極的に、上述した弱アルカリの範囲の値に到達するまで、上昇する。
上述した塩は、軟部組織および骨組織の両組織の電解質組成物を刺激する基礎成分を構成する。我々は、柔部組織の沈着を想定した場合、例えば0.1 g/lから1 g/lといった少量の塩化カルシウムの添加が有用であることを発見した。
塩類組成物は、組織の電解質組成物を模倣する。ある場合には、血液と等張の組成物を使用することが有利となりうる。
コーティングの好ましい厚さは、混合物の成分およびそのそれぞれの濃度の適切な選択によって、その厚さに予め設定される。
非常に効果的であることが証明された、非常に好ましい組成物は、0.2から2.0 g/lの塩化マグネシウム、0.4から2.0 g/lの塩化カルシウム、1.0から5.0 g/lの炭酸水素ナトリウム、0.2から1.5 g/lのNa2HPO4にて作製される。
実施において、想定される応用例に依存して、結晶化度もしくは非結晶性状態またはそれらの混合形態の観点で、コーティングの性質に影響を与えるために、塩化ナトリウムを適切な量加えることが非常に有用であることがわかった。結晶化の度合いは、X線解析にてモニターまたは測定することができる。この場合、いわゆるノイズパターンが、結晶化の度合いの指標となる。
塩化マグネシウムおよび塩化ナトリウムの両方が、沈殿速度を低下させ、沈殿の工程の進行を遅らせる。漸進的でゆっくりとした工程は、正しい厚さを有した適切なコーティングを得る上で、有利である。
通常、20から50 g/lまでの異なる水性混合物中の塩化ナトリウム濃度が適しているだろう。
本発明によるバイオミメティックコーティング方法は、通常、15から50℃、好ましくは20から45℃、最も好ましくは25から40℃および理想的には37℃で行われる。理想的温度の選択は、使用する生理活性物質の性質、ならびにその安定性および活性が有害作用を受けうる温度に依存する。温度の違いは、コーティング方法の持続時間の調節に寄与しうる。
コーティング組成物と接触させて基体を貯蔵する期間は、0.5から100μmの間の厚さとするために、3から96時間の間であり、好ましくは5から48時間の間であり、また必要ならば、より長い期間となるだろう。コーティングの厚さは、生理活性物質の放出の遅延を決定する因子である。体内に移植された場合、コーティングの分解時間を決定する別の因子は、コーティング組成物に、適した因子を取り込むことで誘発することができる、動因される巨細胞(body giant cells)または破骨細胞の量である。コーティングの分解によって、骨形成組織、脂質生成組織または結合組織の成長因子が遊離される。
得られたコーティングは、非結晶性、結晶性、または非結晶性-結晶性状態で、および生理活性物質の有効量で、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム二水和物、リン酸オルトカルシウム(orthocalcium phosphate)、ヒドロキシル炭酸アパタイト(hydroxyl carbonate apatite)等から選択される、全ての多様な塩を含んでよい。
基体、医療用装置またはインプラントは、おそらく膜の形態にて、コラーゲン、ポリ乳酸塩、ゼラチンといった軟質または硬質ポリマーで構成することができ、生物分解性または非生物分解性とすることができ、持続性または遅延性放出コーティングを適用できる。このコーティングには、例えば、骨形成物質、BMP、FGF、TGF/CTFG(組織および結合組織成長因子)といった細胞成長促進因子、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)またはFGF-2(線維芽細胞成長因子-2)となり得る血管形成因子、抗生物質、何れかのタンパク質、ビタミン、ホルモンまたはなんらかの生理的機能を阻害する物質といった薬剤を含み、これらは、コーティング組成物の作製および基体への共沈殿にて使用する成分の出発混合物中に加えられる。これらの成長因子と同様な効果を示す遺伝子またはその断片を、共沈殿することさえ可能である。
上述の原則の興味深い応用は、歯学への応用、または例えば口蓋裂といった遺伝的障害における成形術といった成形術への応用である。
別の興味深い応用は、例えば女性の豊胸手術のための、単独または脂質生成因子との組み合わせによる、血管形成因子の取り込みによる、脂肪組織形成の誘導に関する。
最後ではあるが重要なこととして、バイオミメティック組成物は、新たな歯の作製に関するコーティング方法に応用することができる。これは、歯の異なる層に対する異なるシグナル物質を組成物中に取り込み、そのようなコーティングを、適した基体担体(matrix-carriers)に適用することで達成される。
本発明は、次に、以下の実施例にて例示されるだろう。これらの実施例は限定的に解釈されるべきでない。
[実施例1]
容量20 mlの閉鎖型小反応装置(closed minireactor)にて、pHが6.0に到達するのに十分な量の1M HCl溶液を加えて酸性化した水に、撹拌しながら以下の成分を所定の順序で加え、食塩水混合物を作製した。各成分の終濃度は、括弧内に示す値として、コーティング組成物を作製した。
塩化マグネシウム(0.5g/l)、塩化カルシウム(1.0g/l)、Na2HPO4, (0.25g/l)、NaHC03 (5.0g/l)、塩化ナトリウム(40g/ml)。
タンパク質(BSA)を、試験物質として、20μg/mlの濃度で加えた。
直径15 mmのチタニウムディスクを、小反応装置中のコーティング組成物に接触させた。小反応装置およびその内容物を、マグネチックスターラーで撹拌しながら貯蔵(stored)した。
室温で6時間貯蔵(storage)している間、pHは、8前後の値まで徐々に上がり、タンパク質を含む塩の沈殿が生じ、ディスク表面にタンパク質を含んだフィルム状コーティングが形成された。その後、食塩水溶液から取り出し、空気乾燥させた。コーティングされたディスクには、約4μmの厚さのコーティングが形成された。
本操作の全ての工程は、室温、無菌条件下で行い、細菌用フィルターにて全ての溶液をフィルター滅菌した。
[実施例2]
実施例1を、以下に示す終濃度の塩の混合物にて行った:塩化マグネシウム(1.52 g/l)、塩化カルシウム(1.84 g/l)、Na2HPO4 (0.89 g/l)、NaHCO3 (1.76 g/l)、塩化ナトリウム(40 g/l)。
ディスク表面に、優れたコーティングが得られた。コーティングの厚さは約4μmであった。
[実施例3]
実施例2を、塩化ナトリウムを用いずに行った。得られたコーティングは、実施例2で得られたものより厚さが薄かった。3時間より早くpHがアルカリ性に達し、沈殿およびコーティングは上述の実施例より短い時間で起こった。
[実施例4]
以下の比較例にて、以下のサンプル群を作製し、in vivoおよびin vitroでの物理的性質、機械的性質、放出性、生理的性質に関して評価した:
a) コーティングされていない対照サンプル;
b) BMP-2タンパク質を含まない対照サンプル;
c) 前もって形成した層に、表面的にBMP-2が吸着した、BMP-2タンパク質を含む対照サンプル;
d) BMP-2タンパク質および塩の共沈殿にて作製された、本発明による代表サンプル。
BMP-2含有バイオミメティックコーティングを有したチタニウム合金インプラントの、in vivoでの骨誘導の可能性を検討した。この目的のために、よく確立されたラットによる局所的(皮下)骨形成モデルを使用した。これは、生体機能材料(biomaterial)および生理活性薬剤の骨形成活性のスクリーニングに広く利用されている。このモデルを用いて、初めて、5週間の経過観察期間を通した、骨形成の週当たりの純速度および(おそらく細胞に媒介される)コーティングの分解速度に関したデータが示された。BMP-2誘導性骨形成の空間的広がりも定量した。このパラメーターは、しばしば外科移植後に治癒しそこなってできる大きな隙間を埋める上で、実際的、臨床的に重要なことである。そのうえ、局所的な骨粗鬆症の条件下において、インプラント周囲の骨形成の活性および急速な誘導は、早期段階における人工器官(prostheses)の機械的安定性の改善に役立つ可能性がある。
[材料と方法]
[研究計画]
本研究は2つの部分に分かれる:インプラントのコーティングの作製および性質決定に関するin vitroの実験から成る第一の部分;5週間の経過観察期間を通じた、骨組織形成およびコーティングの分解の組織学的および組織化学的分析ならびに組織形態計測的評価を含む、ラットにおけるin vivoの移植実験から成る第二の部分である。
[in vitro 実験]
インプラントコーティングの作製:
チタニウム合金(Ti6A14V)ディスク(直径1 cm)を、5倍濃縮した擬似体液(MgCl2 1.52 g/l、CaCl2 1.84 g/l、Na2HPO4 0.89 g/l、NaCl 40 g/l、NaHCO3 1.76 g/l)に、結晶成長を阻害するため高度な核形成条件下で、37℃で24時間浸した。それによって形成される、実施例1に記載される塩の非結晶性混合物の微細で高密度の層は、結晶性層の沈着のための種となる表面となる。後者の結晶性層は、サンプル(n = 90)を、実施例1に記載される通りの塩の混合物の過飽和溶液であって、ヒト組み換えBMP-2 (10 mg/l) (Wyeth, Cambridge, MA, USA)を欠いた溶液(n = 60)または含む溶液(n = 30)に、37℃で40時間浸して作製した。BMP-2が表面吸着された陽性対照として、実施例1に記載される塩の混合物にてBMP-2非存在下でコーティングを形成したサンプル(n = 30)を、次に、BMP-2 (10 mg/l)を含んだリン酸緩衝食塩水(PBS)に37℃で48時間浸して作製した。全てのサンプルは、無菌条件下にて作製し、その後-80℃で保存した。
コーティングに含まれた(associated)BMP-2の定量化:
それぞれのコーティングに含まれたBMP-2の量は、ELISA(個々の変種ごとにn = 6 (10))にて決定した。それぞれのコーティングを、基礎となるチタニウム合金ディスクから機械的に剥がし、1 mlの20%EDTAに溶解した。抽出サンプルを、10または100倍に希釈し、それぞれ100μlを96-ウェルマイクロプレートに移した。100μlの抗ヒト組み換えBMP-2(Wyeth, Cambridge, MA, USA)(PBSに1:10000希釈)を、それぞれのウェルに加え、反応生成物の発色強度を、マイクロプレートリーダー(microplate reader)を用いて、吸収波長405 nmで、比色定量的に(colorimetrically)測定した。測定結果を、検量線を用いて、BMP-2のng量に変換した。
コーティング厚の測定:
それぞれのコーティングの初めの厚さを、測定域が0から100μmの間である、磁気誘導プローブ(magnetic induction probe)(Electrophysik minitest 2100, Germany)を用いて、in vitroで測定した。それぞれのサンプルを6回測定し、平均値を出した。
フーリエ変換赤外分光法:
この技術は、コーティングの結晶性の特徴を決定するために使用した。それぞれのコーティングを、基礎となるチタニウム合金ディスクから剥がし、0.6から0.8 mgのサンプルの材料を、280 mgの臭化カリウムと混合した。作製された透明なペレットを、フーリエ変換赤外分光計(範囲1000にて、Perkin-Elmer. UK)にて分析した。
走査型電子顕微鏡観察およびエネルギー分散性X線分析:
コーティングされたチタニウム合金ディスクに、炭素粒子を12から16 mm厚になるまで、スパッター処理した。その後、走査型電子顕微鏡(model 525, Philips, Eindhoven;. The Netherlands)にて観察し、同時にエネルギー分散性X線分析(EDX.Voyager. Philips. Eindhoven, The Netherlands)に供した。
コーティングの機械的強度:
それぞれのコーティングの機械的強度を、改良型機械的表面試験システム(advanced mechanical surface-testing system)(CSEM Instruments, Neuchatel. Switzerland)を用いて行われる、微小引っ掻き試験(micro-scratch test)にて評価した。この試験では、コーティングの端から端まで(基礎となるチタニウム合金ディスクまで接して)一定の速度にて(10 mm/分)、連続的に一定の割合(30 N/分)で負荷を大きくする条件下で、球状ダイアモンドスタイラス(Rockwell C diamond;先端部直径が100μm)を引いて、傷をつける。臨界の(critical)負荷、すなわち、引っ掻きにより「きれいな」切り口でなく、材料の崩壊(非密着性)が生じる負荷は、(その他の要因の中でも)コーティングの機械的強度(付着性および粘着性(adhesion and cohesion))に依存する。
[in vivo実験]
実験計画:
1つの実験群(BMP-2を取り込んでいる)および3つの対照群を設定した:実施例1に記載される塩とBMP-2の混合物の共沈殿層を有したチタニウム合金ディスク(BMP-2取り込み群);露出したチタニウム合金ディスク[リン酸カルシウム層およびBMP-2の効果に対する陰性対照(非コーティング群)];実施例1に記載される塩の混合物のみのバイオミメティック層を有するチタニウム合金ディスク[BMP-2の効果に対する陰性対照(BMP-2非取り込み群)];および実施例1に記載される塩の混合物のバイオミメティック層および表面吸着されたBMP-2を有するチタニウム合金ディスク[BMP-2に対する陽性対照(吸着BMP-2群)]。1群当りおよび1回の回収当り6枚のディスクを、ラットの皮下に移植した。それぞれのラットに2枚のディスクを移植し、1枚は左側、もう1枚は右側の背面に移植した。任意のラットの相対する側のディスクは、全てのラットにおいて異なる試験群からのものである。しかしながら、それぞれのラットは、常に、BMP-2含有ディスク(BMP-2取り込み群もしくは吸着BMP-2群)またはBMP-2非含有ディスク(非コーティング群またはBMP-2非取り込み群)のどちらかを移植された。この方策は、交差反応性の可能性を排除するために採用した。この前提条件にて、様々な種類のディスクを、系統的なプロトコールに従って60のラットにおいて分配した。予備実験において、BMP-2取り込み群のディスクおよび吸着BMP-2群のディスクの間では、交差反応性は生じなかった(すなわち、骨形成応答は、前者の場合に観察されたが、後者では観察されなかった)。移植されたディスクは、分析のため5週間にわたって7日おきに回収した(表1参照)。
移植:
60匹の若青年期(young adult)のオスのウィスターラット(体重185-251 g)を本研究に使用した。ラットは標準食を与えられ、自由に水を摂取できるようにした。手術は一般的な麻酔(Vetalar(登録商標)(塩酸ケタミン)を使用)の条件下で行った。それぞれのラットの背面の左側および右側の領域において、体毛を剃り、消毒し、皮膚を切開した。1つのインプラントを、それぞれのラットのそれぞれの切開部分の皮下に挿入し、その後外科的切開部分を縫合して閉じた。ラットは動物実験のためのオランダのガイドラインに従って飼育し、研究はオランダ動物実験研究委員会(the Dutch animal experimental study committee) (Cbe/00/13883)にて承認を受けた。
組織の処置およびサンプル採取プロトコールの説明:
ラットを、過量の二酸化炭素ガスを投与して殺処分した。鋭利に切開して、インプラントを最少量の周辺組織とともに回収した。この最小量とは、結合組織によるインプラントの被覆の度合いで決定した。回収物を、10%ホルマリン液に数日間室温で浸して固定した。サンプルは次に、水道水ですすぎ、エタノール中で脱水し、メタクリル酸メチル中に包埋した。系統的ランダムサンプル採取プロトコール(systematic random sampling protcol)[22]を適用し、それぞれ600μm厚の切片を2 mm間隔で5枚、ダイヤモンド鋸を用いて、それぞれのサンプルから作製した。切片はプレキシガラスホルダーに固定し、磨き、光学顕微鏡による組織学的分析のために、マクニールテトラクローム(McNeil's Tetrachrome)、塩基性フクシン(basic Fuchsine)およびトルイジンブルーO[46]にて、表面を染色した。
組織形態計測的評価:
骨形成、コーティング分解および再吸収性細胞活性(異物巨細胞または破骨細胞による被覆)を、組織形態計測的に評価した。2つの異なる終倍率(final magnificatio)(x 74およびx 184)にて、定義された系統的ランダムサンプル採取プロトコールを用いて、1切片あたり(すなわち、ディスク1枚から得られる5枚の切片それぞれに対して)8枚のデジタル画像を、Nikon-Eclipse光学顕微鏡にて取得し、カラー印刷を行った。組織形態計測的分析を、これらのカラー画像にて、Cruz-Oriveら、Gundersonらにより組み立てられ、文献に記載された、点および交差計数法(the point- and intersection counting methodologies)を用いて行った。以下の形態計測パラメーターを決定した;その回収時点ごと切片ごとの骨組織の体積密度、およびコーティング物質の体積密度を、文献に記載されるカヴァリエリ法(Cavalieri's method)を用いて推定した。次に、週ごとディスクごとの骨形成の純速度、および週ごとディスクごとのコーティング分解の純速度を、それぞれの手術後の週で、群ごとに計算した。
インプラントの表面からそれぞれの切片において骨の新生が観察される位置までの最大の距離を、定規を用いてこの表面に対して垂直に測定した。そして平均最大距離を、それぞれの群に対してそれぞれの回収時点(適用可能な場合に)で決定した。
TRAPの組織化学的染色:
マクニールテトラクローム(McNeil's Tetrachrome)、塩基性フクシン(basic Fuchsine)およびトルイジンブルーOで表面を染色した切片を用いて、多核細胞(すなわち、異物巨細胞および破骨細胞)で覆われたインプラントまたはコーティング表面のパーセンテージを、ディスク表面に対して垂直方向のラインシステム(line system)を用いて、交差計数法(intersection counting)にて推定した。この処理のおよび上述したその他の形態計測学的分析の完了後、標準的プロトコールを用いた酒石酸抵抗性酸性フォスファターゼ(tartrat-resistant acid phosphatise)(TRAP)反応に従って、組織化学的染色を行うために、組織サンプルを約20-30μmの厚さまで研磨した。破骨細胞のみTRAP陽性である;異物巨細胞は染色されない。上述されるような、同様の交差計数法を用いて、TRAP陽性細胞(すなわち破骨細胞)で覆われたインプラントまたはコーティング表面のパーセンテージを推定した。異物巨細胞で覆われた表面のパーセンテージを、多核細胞の全値(通常に染色された切片を用いて推定)からTRAP陽性細胞(すなわち破骨細胞)の値を減じて決定した。
統計学的分析:
特定のサンプル採取時間における様々な群の間での差(4群それぞれにおける異物巨細胞による表面被覆;コーティングを有する3群におけるコーティング体積)、およびそれぞれのサンプル採取時間における同一群内での差を、有意水準をP < 0.05に設定して、一元配置分散分析法(one way ANOVA test)を用いて統計学的に分析した。SAS統計ソフトウェア(バージョン8.2)を、この目的のために用いた。次に事後比較(Post hoc comparisons)を、ボンフェローニ補正(Bonferroni correction)を用いて行った。コーティング厚、コーティング内に取り込まれたBMP-2の全量、コーティング表面に吸着されたBMP-2の全量、コーティング強度(微小引っ掻き試験(micro-scratch test))、BMP-2取り込み群における回収時点ごとの蓄積した骨の全体積、BMP-2取り込み群における回収時点ごとのディスクの骨被覆、およびBMP-2取り込み群における回収時点ごとの破骨細胞による表面被覆のデータを、同様の統計学的試験によって分析した。全ての数値的データは、標準偏差(SD)または平均値の標準誤差(SEM)の一方とともに平均値として表した。
[結果]
in vitroデータ
BMP-2のバイオミメティックコーティングへの取り込み:
実施例1に記載される塩とBMP-2との混合物の共沈殿によって作製されるコーティングは、ELISA法により、ディスク1枚当り1.7±0.079μg(平均値±SD)、またはコーティング1 mg当り0.5±0.138μgの骨形成成長因子が取り込まれていることが明らかになった。前もって作製された実施例1に記載される塩の混合物の表面に対して、表面吸着されたBMP-2の量は、有意に低く(P < 0.05)、ディスク1枚当り0.98±0.045μg(平均値±SD)であり、またコーティングでは0.1±0003μgであった(表1)。
コーティングの特性:
コーティングは、一様の厚さを有しており、BMP-2の非存在および存在下で作製されたものは、それぞれ25.00 (± 6.4)μm (n = 6)および23.85 (± 4.8)μm (n = 6)という平均値(±SD)であった。2者の間に有意な差はなかった。表面吸着されたBMP-2の層を有する、前もって作製された実施例1に記載される塩の混合物は、この薬剤の蓄積の前後で厚さに有意な差は生じなかった。
フーリエ変換赤外分光法では、バイオミメティックコーティングが、BMP-2の存在、非存在に関係なく、典型的にリン酸八カルシウム(octacalcium phosphate)結晶構造の特徴を有することがわかった。走査型電子顕微鏡は、まっすぐで板状の、角の尖った結晶単位から全体的に成る、無機性の格子を明らかにした;この幾何学的配列において、BMP-2の存在によって変化が誘発されることはなかった。
微小引っ掻き試験から、BMP-2の存在下で作製された実施例1に記載される塩の混合物は、BMP-2の非存在下で作製されたものよりも、大きな機械的強度を有することがわかり、それぞれの場合における臨界の(critical)負荷、すなわち、引っ掻きにより「きれいな」切り口でなく、材料の崩壊(非密着性)が生じる負荷は、それぞれ2.5±0.37 N(平均値±SD)および1.8±0.08 N(平均値±SD)(それぞれの群において、P < 0.05;n = 6)であった。
in vivoデータ
組織学:
移植から第1週後、非コーティング群およびBMP-2非取り込み群は、80-90%の面積の範囲で異物巨細胞によって覆われた。被覆は、続く4週間の間、連続的に増加した。第5週目の終わりに、非コーティング群の被覆(41%)は、3つのコーティングを有した群の何れよりも、有意に高かった(P < 0.05)(図1および表2)。
非コーティング群およびBMP-2非取り込み群において、リンパ球およびマクロファージを伴う、穏やかな炎症反応が、ディスクから50-200μmの距離までの位置にて観察された。この反応の度合いおよび範囲は、時間とともに徐々に増加した。ディスクは、血管化結合組織による進行性の被包が起こった。第5週目までに、大きな針状結晶構造が、BMP-2非取り込み群のディスクに沿って多くの位置に現れた。これらの構造は、本来の無機性の格子の構成要素となる構造と類似点を生じなかった。非コーティング群では、そのような蓄積は観察されなかった。
吸着BMP-2群におけるディスクは、移植から第1週後、80%の面積の範囲で異物巨細胞によって同様に覆われ(図1)、穏やかな炎症反応が、周囲のすぐ近くの範囲にて同様に観察された。ディスクに近接した位置に、接着する破骨細胞および造骨細胞とともに網状骨の小さな島が、非常に時折観察された。しかし、この骨形成活性は非常に小さかったため、形態計測学的に測定できなかった。これは、軟骨内性(enchodral)でない、直接の骨形成機構に基づいていた。移植から第2週後、骨組織のこれらの島は、完全に再吸収されていた。続く残りの期間、コーティング表面にそっても、または周囲の結合組織内においても、骨形成活性のさらなる証拠が明らかになることはなかった。手術後の初期段階(第1週目および第2週目)の間の、はっきりした穏やかな炎症反応は、実質的に3週目までに止んだ。この後者の時点において、実質的な結合組織のカプセルが観察された。異物巨細胞によるコーティングの被覆面積は、3週目までに60%、および5週目までに25%に減少した(図1)。この後者の時点において、吸着BMP-2群におけるディスクは、BMP-2非取り込み群にて観察されたものと同様な針状結晶構造の蓄積を有した。
BMP-2取り込み群において、移植から第1週後、その組織学的画像が、非コーティング群およびBMP-2非取り込み群にて記録されたものと類似することが示された。骨形成活性は見られなかった。第2週目までに、多くの骨形成中心が、コーティング表面だけでなく、それより150±5.3 (SEM)μm離れた範囲までにおいても観察された。この骨形成活性は、圧倒的に直接の骨形成機構に基づいていた。軟骨内骨形成は、わずかな部分でしか観察されなかった。実際、これらはあまりに稀なため、形態計測学的に測定することができなかった。骨形成活性は、第3週目、第4週目および第5週目の間、維持され(図4a-b)、質量の増加する網状骨の形成をもたらした。骨トラベキュラが、コーティングに直接接した状態および結合組織のカプセル内の両方において観察された。5週目までに、穏やかな炎症反応はほとんど完全に鎮まったが、異物巨細胞(および破骨細胞)によるコーティングの再吸収は続いた。異物巨細胞は、しばしば骨に覆われていないコーティングの部分を占めた。第5週目において、異物巨細胞によるコーティングの被覆面積(11%)は、このBMP-2取り込み群において、その他の何れの群よりも低かった(図1)。しかしながら、異物巨細胞の数と、新たに形成された骨または破骨細胞のないディスク面積との間の相関性を示した場合、被覆面積は、コーティングされた3群それぞれの値と同等であった(24-32%(データは示していない))。第5週目の終わりまでに、BMP-2取り込み群におけるディスクはほとんど完全に網状骨に囲まれた。骨組織は、第3週目および第5週目のディスクから、それぞれ最大340±13 (SEM)μmおよび217±5.4 (SEM)μm離れた位置にて観察された。この距離の減少は、おそらく骨再構築の増強に起因しうる(次の節:組織形態計測を参照)。
それぞれの群において、ディスク表面と本来の組織との反応性は非常に低かった。結合組織による被包を除いて、炎症反応は穏やかで、時間とともに軽減した。それらが、インプラント表面から400μmの距離の範囲を越えて、広がる様子が観察されることはなかった。顆粒球の存在といった、急性の拒絶反応の徴候は決して表れなかった。
組織形態計測:
組織形態計測では、移植後第1週の間に、何れの群においても、測定可能な骨形成活性の証拠は明らかにならなかった。第2週後、骨組織が、BMP-2取り込み群のディスクの周囲に蓄積したが、その他の群では蓄積しなかった。形成された骨の純体積は、第2週目の5.8 mm3から、第3週目の10.3 mm3まで増大した。第4週目までに、6.8 mm3に減少したが、第5週目には、第3週目に近い、10.4 mm3に再び増大した。骨形成の週当たりの純速度は、第2週目が最大であった(週当り、ディスク当り5.8 mm3);第3週目の間では、わずかに落ち(週当り、ディスク当り4.49 mm3)、第5週目の間には再び落ちた(週当り、ディスク当り3.64 mm3)。第4週目の間、骨再吸収の週当りの純速度は、骨形成のその値を上回った。にもかかわらず、インプラントの骨被覆は、第3週目と第4週目の間に、着実に増加した。第5週目の終わりまでに、BMP-2取り込み群のディスクのほとんどは、新たに形成された網状骨によって完全に囲まれた。この後者の時点において、コーティング体積は、約60%まで減少した(「ゼロ」時点の値を基に計算)。それゆえ、5週間の経過観察期間の間、骨密度は増加し、コーティング体積は減少したということである。
BMP-2群およびBMP-2取り込み群におけるディスクコーティングは、5週間の経過観察期間の間、不規則に分解した。吸着BMP-2群のコーティングは、第3週(実質的)および第5週の間のみで、分解が起こった(表3)。
TRAP組織化学:
TRAPの組織化学的染色は、3つの対照群それぞれにおけるディスクと結合した、多核細胞の集団が、もっぱらTRAP陰性であることを明らかにした。従って、これらは全て異物巨細胞であると同定された。移植から第1週後、(実験上の)BMP-2取り込み群におけるディスクは、TRAP陰性(異物巨)細胞のみにて被覆された。しかし、第2週後、骨形成活性が明らかとなったとき、TRAP陽性細胞(すなわち破骨細胞)が現れた。異物巨細胞および破骨細胞の両細胞の存在は、おそらく、この群における、第3週および第4週の間に観察される(表3)、コーティング分解の高い割合の原因となっている。
[考察]
歯学および整形外科に使用される、金属インプラントの骨伝導性(osteoconductivity)は、その表面を、実施例1に記載される塩の混合物または骨マトリックス様材料のどちらかの層でコーティングすることで増強できる。これらの無機性の層は当然、三次元格子であり、これは、インプラント周辺部位に骨誘導性薬剤を送達するために使用可能である。以前の研究において我々は、バイオミメティック技術を用いて、骨形成成長因子BMP-2を実施例1に記載される塩の混合物に取り込んだ。BMP-2は三次元無機性格子の必須部分を形成し、単に表面に吸着されただけではなかった。そのうえ、このように取り込まれたBMP-2の骨形成性は、持続的であるだけでなく、培養される骨芽前駆細胞で構成されるin vitro系において増強された。
本研究で我々は、BMP-2と実施例1に記載される塩の混合物のバイオミメティックな共沈殿層を有したチタニウム合金インプラントの、in vivoにおける骨誘導性の可能性を、異所性の(皮下)ラットモデルを用いて評価したいと望んだ。
我々の組織学的および組織形態計測的発見は、我々の予想を立証した:バイオミメティックコーティングに取り込まれたBMP-2は、非常に低く薬理学的なレベルにて異所的骨形成を誘導するだけでなく、5週間の経過観察の期間全体にわたってこの過程を維持した。BMP-2があらかじめ作製されたバイオミメティックコーティングの表面にのみ吸着された場合、もっぱら表面に蓄積されるBMP-2の全量(ディスク当り0.98μg)が、BMP-2取り込み群における格子全体を通して分配される量(ディスク当り1.7μg)と大きく異なっていないとしても、非常に一過性および散発性の骨形成応答以上の応答を誘導することができず、つまり1週間以上持続せず、定量的に無視可能であった。
骨組織が軟骨内機構よりも直接的機構によって形成されるということは、我々の研究において予期せぬ発見である。この異所性骨形成ラットモデルを使用したその他の研究において、BMP-2は、12-14日間以上維持されない軟骨内骨形成カスケードを誘導した;この後、骨再吸収が始まり、第3週目までに完了した。直接の骨形成は、剪断応力(shear stress)のない、機械的に安定した場所においてのみ起こることがわかっている。そして、我々の系において、そのような環境は、強固なチタニウム合金ディスクによって明らかに供給された。以前の研究において、BMP-2は、小粒子またはコラーゲン性もしくはガラス性マトリックスに結合した。これらは、ラットの皮膚筋肉(skin muscles)の運動の間、摩擦性の接触を受けやすい。原線維コラーゲンの大きな膜状集団にBMP-2が適用された研究例が1例のみあり、この場合、直接的骨形成が起こった。
我々の研究では、これらの以前の研究における状況と異なり、骨組織は、2週間後において再吸収を開始しなかった。続く残りの3週間、骨組織は連続的に形成された。骨形成の週当たりの速度における減少が第4週目に観察されたが、これは、この段階における骨再構築活性の優位性を反映しており、このことは能動的応力場(active stress fields)がない状態において予想されることである。この状況にもかかわらず、第4週目に存在する骨の全量は、実質的に低下していない。その上、ディスクの骨被覆自体は、第3週と第4週の間で着実に(降下することなく)増加しているため、損失はインプラント周辺に限定されていた。5週間後、コーティング材料の約40%が分解されずに残っており、取り込まれたBMP-2も同様の割合で遊離しないままであることを示唆している。骨形成活性は、実験の終了後さらに数週間続くことが示唆される。BMP-2送達および骨形成活性の維持は、当然、骨誘導性コーティングの目的とするところであり、この性質はインプラントの最適な骨形成(osseointegration)に非常に重要である。約60%のコーティング材料が、5週間の経過観察期間中に分解されたため、始めに取り込んだBMP-2の60%(ディスク1枚当り1.7μg)がまた、おそらくこの期間に放出されており、つまり5週間の間に1.02μgが放出されている。BMP-2のこの量は、5週間を通して、相対的に高いレベルで骨形成活性を誘導し維持するのに十分な量であり、他方で表面吸着させた同様な量のBMP-2(ディスク1枚当り0.98μg)は、短期間(おそらく数日を超えない期間)に、一度の破壊で放出される場合に、非常に一時的で、散発性でおよび頓挫性(abortive)の骨形成応答しか誘導しない。これらのことは、低く薬理学的なレベルで維持される量の薬剤が、短期間に大量に送達される場合よりも、骨形成において強力かつ有効であることを示唆している。
成長因子の調節性放出のためのその他の応用系の種類についても、文献にて述べられてきた。例えば、ポリ-D.L-ラクチドが、インスリン様成長因子-1およびトランスフォーミング成長因子β-1を運搬するために使用された。この薬剤運搬体との組み合わせにおいて、これらの骨形成薬剤は、一度の大量な投与量にて、自由に投与した場合(表面吸着デポーから破壊により放出される場合と同様)よりも、低いものの持続的な投与量で骨形成を刺激し、同様に有効であった。
BMP-2の骨誘導の有効性もまた、別の系で試験されてきた。例えば、コラーゲンマトリックスにコーティングされる実施例1に記載される塩の混合物、および接着剤(cement)に直接適用された。しかしながら、骨形成応答を誘発するのに必要なBMP-2の濃度は、本研究にて使用された量よりも、数桁高い量であった。実際我々は、BMP-2が、ラットにおいてコラーゲンスポンジを介して異所的部位に送達される場合には、実施例1に記載される塩の混合物にバイオミメティクス的に取り込まれる場合よりも、高濃度の薬剤が骨形成活性の誘導に必要であることを確認した。これらの発見から、薬剤送達の様式の重要性が強調される。生体適合性が低い材料がBMP-2の運搬に使用される場合、高レベルの有害な組織反応性(すなわち、増大される異物巨細胞応答)のために、この薬剤は低い生物活性しか持たない。同様に、そのような材料と組み合わせた場合、BMP-2は、骨形成活性を支配できる、非常に早期の激しい骨再吸収反応を誘発する。
手術後第1週の間、BMP-2が含まれた、実施例1に記載される塩の混合物を含むバイオミメティックコーティングの分解は、もっぱら異物巨細胞に仲介された;その後に初めて、破骨細胞がこの過程に関与した。第3週目の間およびその後に観察され、第5週目までにコーティングの体積の有意な減少をもたらした、高い割合のコーティングの分解は、きっとおそらく、異物巨細胞および破骨細胞の相乗的な再吸収活性が原因であろう。手術後初期の段階(第1週)において、外来性物質に対する炎症性反応の役割として移植部位に引き寄せられ、コーティングを攻撃することで破壊の仕事に従事する異物巨細胞は、無機性マトリックスを分解しそこからBMP-2を遊離させることにより、事実上、骨形成活性を促進している可能性がある。従って、異物巨細胞は、生理的な骨形成においておよび再構築を基礎とするシグナル経路において破骨細胞が担う役割を持つと想定できる。その役割とは、我々のモデルにおいて、手術後第1週目以降に破骨細胞自身が担う役割である。それゆえ、潜在的に破壊性の異物巨細胞は、形成する能力として機能することができる。しかしながら、我々は現在、この仮説を支持する証拠がない。もちろん、BMP-2がコーティングから自発的に放出されていると主張することができる。しかし、以前の研究において、ELISAによる試験によると、取り込まれたモデルタンパク質(ウシ血清アルブミン)の自発的放出は、無視可能なレベルであった。このように遊離されるBMP-2の量もまた、おそらく無視可能であり、ほとんど確実に骨誘導の閾値より下である。この推測は、我々の吸着BMP-2群における発見にて支持される。これらのコーティングは、手術後第1週の間、頓挫性(abortive)の骨形成応答しか誘導せず、形成された骨の島は、あまりに小さく稀であったため、定量的に測定できなかった;第2週目までに、この骨組織は完全に再吸収された。
骨組織は、BMP-2取り込み群において、ディスクのすぐ近くのみでなく、その表面上にも直接蓄積した。骨髄もまた、これらのコーティングに直接接して観察された。これらの発見、特に後者の発見は、バイオミメティックコーティングが高度に生体適合性を有することを示している。というのは、骨髄は、外来性物質に非常に敏感な免疫担当細胞を含んでいるからである。異物巨細胞によるこれらのコーティングの表面被覆が、5週間の経過観察期間の終わりには、中程度であったこともまた、この考えを支持する。
骨形成中心もまた、BMP-2取り込み群におけるディスクの結合組織カプセル内に観察された。それゆえ、その中のコラーゲン原線維は、直接の骨成長に対する安定した骨組みとして明らかに役立った。骨組織は、3週間後、ディスクから340±13 (SEM)μmの距離の位置に蓄積した。このことは、生化学的にも機械的にも同所性の部位とは異なる、異所性の部位に対する印象的な発見である。BMP-2の維持性の局所的レベルは、この現象に起因していたのかもしれない。第5週目の終わりまでに、この最大距離は、217±5.4 (SEM)μmに減少しており、このことから、初期に拡大した骨形成過程は、インプラントの直近までといった、限局性となったこと、および骨再構築活性が増大したことが示される。たとえそうであっても、骨形成活性はなお、この最後の時点において優勢であり、全骨量はなお増加していた。
要約すると、本発明によるバイオミメティックコーティングへのBMP-2への取り込みは、高度な生体適合性、骨誘伝導性(osteoconductive)および骨誘導性をもたらす。そのうえ、BMP-2は、骨形成を誘導するのに十分なレベルで放出されるだけでなく、徐々に、おそらく細胞が介在した様式にて放出され、骨形成活性は、かなりの期間維持される。さらなる実験にて、この原理は、同所性の部位への応用に最適化されるであろう。

Claims (18)

  1. 基体をバイオミメティック組成物でコーティングするための、バイオミメティック方法であって、
    a) カルシウム、マグネシウム、リン酸、炭酸水素イオンおよび生理活性物質を含む食塩水混合物を含む、酸性化されたバイオミメティック組成物を、閉鎖系にてバッチ式で作製すること、ここにおいて、以下の塩が、表示される濃度で前記バイオミメティック組成物に取り込まれている:
    0.2-2.0 g/lの塩化マグネシウム、
    0.4 -2.0 g/lの塩化カルシウム、
    1.0-5.0 g/lの炭酸水素ナトリウム、および
    0.2-1.5 g/lのNa 2 HPO 4
    b) 前記基体を前記バイオミメティック組成物に接触させること、および
    c) 前記バイオミメティック組成物を前記基体と接触させて貯蔵し、pHの増加を可能な状態とし、前記基体上に塩の沈殿および前記生理活性物質の共沈殿を生じさせ、コーティングされた基体を得ること
    を含み、
    前記生理活性物質は、骨形成成長因子、細胞成長促進因子、血管形成因子、脂質生成因子、抗生物質、ビタミン、ホルモンおよび阻害剤から成る群から選択される方法。
  2. 前記基体上への共沈殿およびコーティングフィルムの刷り込みが1段階で達成される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記バイオミメティック組成物が、前記基体との接触の前に、細菌用フィルターに通される、請求項1に記載の方法。
  4. 請求項1に記載の方法であって、全ての前記塩および前記生理活性物質の完全な溶解を達成するために、5.2から6.6の範囲のpHを有する食塩溶液が、酸を加えることで作製される方法。
  5. 請求項1から請求項4の何れか1項に記載の方法であって、前記pHが、塩酸、硫酸、リン酸およびそれらの組み合わせから成る群から選択される酸を加えることで調整される方法。
  6. 請求項1から請求項5の何れか1項に記載の方法であって、前記バイオミメティック組成物が、pHが7.0から8.5の範囲の値となるまで増加するのに十分長い期間、前記基体に接触して貯蔵される方法。
  7. 請求項1から請求項6の何れか1項に記載の方法であって、前記バイオミメティック組成物が、酸性化された水に、
    i)塩化マグネシウム、
    ii)塩化カルシウム、
    iii)リン酸水素ナトリウム
    を加えることで作製され、その後
    iv) 炭酸水素ナトリウムが加えられ、前記pHの増加が許される方法。
  8. 前記塩が、i)、ii)、iii)、iv)の順序で、酸性化された水に加えられ溶解される、請求項7に記載の方法。
  9. 0.1-1g/lの塩化カリウムが前記バイオミメティック組成物に更に取り込まれる請求項に記載の方法。
  10. 請求項1から請求項の何れか1項に記載の方法であって、添加する成分の初濃度の適した量、添加する酸の量、および5から48時間の範囲である、前記基体と前記バイオミメティック組成物とを接触させる期間を選択することで、生成される前記コーティングの厚さが0.5から100μmの範囲内で調節される方法。
  11. 前記組成物が、さらに塩化ナトリウムを含む、請求項1から請求項10の何れか1項に記載の方法。
  12. 塩化ナトリウムが、20から50 g/lの濃度で使用される、請求項11に記載の方法。
  13. 請求項1から請求項12の何れか1項に記載の方法であって、バイオミメティック組成物が、軟部組織沈着のために、カリウム塩を0.1から1 g/lの範囲で含んで作製される方法。
  14. 最初の混合物における食塩水組成物が血液と等張である、請求項1から請求項13の何れか1項に記載の方法。
  15. 請求項1から請求項14の何れか1項に記載の方法であって、非結晶性、結晶性、もしくは非結晶性-結晶性状態またはそれらの混合された形態で、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム二水和物、リン酸オルトカルシウム(orthocalcium phosphate)およびヒドロキシル炭酸アパタイト(hydroxyl carbonate apatite)、ならびに有効量の生理活性物質を含むコーティングがもたらされる方法。
  16. 前記基体は医療用装置である請求項1から15の何れか1項に記載の方法。
  17. 請求項1から請求項16の何れか1項に記載の方法であって、前記基体が、コラーゲン、ポリ乳酸塩およびゼラチンから成る群から選択される軟質または硬質ポリマーからなる方法。
  18. 前記基体が、骨の人工器官または歯の人工器官である、請求項1から請求項17の何れか1項に記載の方法。
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