JP5209152B1 - 炭化珪素半導体素子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
炭化珪素半導体素子は、(0001)Si面から傾斜した主面を有する炭化珪素基板と、炭化珪素基板の主面に配置された炭化珪素層と、炭化珪素層に配置され、底面、側壁、および、側壁と炭化珪素層の上面との間に位置する上部コーナー領域を含むトレンチと、トレンチの側壁の少なくとも一部、上部コーナー領域の少なくとも一部、および炭化珪素層上面の少なくとも一部の上に配置されたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に配置されたゲート電極とを備え、上部コーナー領域は、炭化珪素層の上面とも側壁を構成する面とも異なる面を含み、ゲート電極は、ゲート絶縁膜のうち上部コーナー領域上に位置する第1部分および側壁上に位置する第2部分の両方と接しており、ゲート絶縁膜の第1部分の厚さは、ゲート絶縁膜のうち炭化珪素層の上面の上に位置する第3部分の厚さよりも大きく、ゲート電極の端部は、上部コーナー領域上に位置する。
Description
本願は、SiCを用いた半導体素子及びその製造方法に関する。特に、高耐圧、大電流用に使用される、炭化珪素半導体素子(パワー半導体デバイス)に関する。
炭化珪素(シリコンカーバイド:SiC)は、珪素(Si)に比べてバンドギャップが大きく、絶縁破壊電界強度が高いことなどから、次世代の低損失パワーデバイス等へ応用されることが期待される半導体材料である。SiCは、立方晶系の3C−SiCや六方晶系の6H−SiC、4H−SiC等、多くのポリタイプを有する。この中で、実用的な炭化珪素半導体素子を作製するために一般的に使用されているポリタイプは4H−SiCである。
SiCを用いたパワーデバイスの代表的なスイッチング素子として、金属−絶縁体−半導体電界効果トランジスタ(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor、以下「MISFET」)、金属−半導体電界効果トランジスタ(Metal Semiconductor Field Effect Transistor、以下「MESFET」)等の電界効果トランジスタがある。このようなスイッチング素子では、ゲート電極−ソース電極間に印加する電圧によって、数A(アンペア)以上のドレイン電流が流れるオン状態と、ドレイン電流がゼロとなるオフ状態とを切り替えることができる。また、オフ状態のとき、数百V以上の高耐圧を実現できる。また、代表的な整流素子として、ショットキーダイオードやpnダイオードなどがある。これらは、大電流、高耐圧を実現する整流素子として期待されている。
SiCは、Siよりも高い絶縁破壊電界および熱伝導度を有するので、SiCを用いたパワーデバイス(SiCパワーデバイス)では、Siパワーデバイスよりも高耐圧化、低損失化が容易である。このため、Siパワーデバイスと同一性能を実現させる場合、Siパワーデバイスよりも面積および厚さを大幅に縮小することが可能となる。
MISFETなどのパワーデバイスで更なる大電流を流すためには、チャネル密度を高くすることが有効である。このため、従来のプレーナゲート構造に代わって、トレンチゲート構造の縦型パワーMISFETが提案されている。プレーナゲート構造では、半導体層表面にチャネル領域が形成されるのに対し、トレンチゲート構造では、半導体層に形成されたトレンチの側面にチャネル領域が形成される。
以下、トレンチゲート構造を有する縦型MISFETの断面構造を、図面を参照しながら説明する。縦型MISFETは、一般に、二次元に配列された複数のユニットセルを備えている。各ユニットセルにはトレンチゲートが設けられている。
図10は、トレンチゲート構造を有する従来の縦型MISFET1000の1セルピッチ(すなわち1個のユニットセル)を示す断面図である。ここでは、各ユニットセルに、基板の主面に略垂直な側面を有するトレンチゲートが設けられた例を示す。
縦型MISFET1000は、炭化珪素によって構成される炭化珪素基板1と、炭化珪素基板1の主面に形成された炭化珪素層2とを有している。炭化珪素層2は、炭化珪素基板1の主面上に形成されたn型のドリフト領域2dと、ドリフト領域2dの上に形成されたp型のボディ領域3とを有している。ボディ領域3の表面領域の一部には、n型のソース領域4が配置されている。炭化珪素層2には、ボディ領域3を貫通し、ドリフト領域2dに達するトレンチ5が形成されている。この例では、トレンチ5は、炭化珪素基板1の主面に垂直な側面を有している。トレンチ5内には、ゲート電極7、および、ゲート電極7と炭化珪素層2とを絶縁するためのゲート絶縁膜6が配置されている。また、炭化珪素層2の上には、ソース領域4およびボディ領域3に接するようにソース電極10が設けられている。炭化珪素基板1の裏面にはドレイン電極9が設けられている。
このような縦型MISFETは、例えば次のようにして製造される。
まず、低抵抗のn型の炭化珪素基板1の主面上に、炭化珪素基板1と同様の結晶構造を持つ炭化珪素層2を形成する。例えば、炭化珪素基板1の主面上に、エピタキシャル成長によりn型のドリフト領域2dとp型のボディ領域3とをこの順で形成し、炭化珪素層2を得る。この後、炭化珪素層2の所定領域上にシリコン酸化膜からなるマスク層(図示せず)を配置し、これをマスクとしてn型の不純物イオン(例えばN(窒素)イオン)をボディ領域3に注入することにより、ボディ領域3内にソース領域4を形成する。
マスク層を除去した後、ソース領域4の一部の上に、酸化膜を介してAl膜(図示せず)を形成し、これをマスクとして、ドリフト領域2dに達する垂直なトレンチ5を形成する。
続いて、トレンチ5内に、ゲート絶縁膜6およびゲート電極7を形成する。ゲート絶縁膜6は、例えば炭化珪素層2の熱酸化によって形成された酸化膜である。
ゲート電極7は、ゲート絶縁膜6上に、例えばLP−CVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法によりポリシリコンを堆積した後、パターニングすることによって形成される。また、炭化珪素層2の上に、ボディ領域3およびソース領域4の両方に跨るようにソース電極10を形成し、炭化珪素基板1の裏面上にドレイン電極9を形成する。このようにしてトレンチゲート構造を有する縦型MISFETが完成する。
トレンチゲート構造を有するMISFETでは、ソース電極10がアース電位に接続され、かつ、ゲート電極7がアース電位に接続されている時もしくはゲート電極7に負バイアスが印加されている時には、ソース領域4とドリフト領域2dとの間において、ボディ領域3とゲート絶縁膜6との界面近傍の領域に正孔が誘起された蓄積状態となり、伝導キャリアである電子の経路が遮断されるため電流が流れない(オフ状態)。この時、ドレイン電極9とソース電極10との間にドレイン電極9側が正となる高電圧を印加すると、ボディ領域3とドリフト領域2dとの間のPN接合が逆バイアス状態になるので、ボディ領域3およびドリフト領域2d内に空乏層が広がり、高電圧が維持される。
また、ゲート電極7に閾値以上の正バイアスを印加すると、ソース領域4とドリフト領域2dとの間において、ボディ領域3とゲート絶縁膜6との界面近傍に電子が誘起されて反転状態となり、反転層が形成される。この結果、ソース電極10、ソース領域4、ボディ領域3に形成され、ゲート絶縁膜6と接する反転層(図示せず)、ドリフト領域2d、炭化珪素基板1およびドレイン電極9の順にキャリアが流れる(オン状態)。
プレーナ構造の縦型MISFETでは、隣接するユニットセルの間で寄生的に接合型電界効果トランジスタ(Junction Field Effect Transistor、以下「JFET」と略す)が形成され、抵抗成分(JFET抵抗)となる。JFET抵抗は、隣接するボディ領域の間に挟まれたドリフト領域を電流が流れるときの抵抗であり、ユニットセルの間隔(隣接するボディ領域の間隔)が狭くなるほど大きくなる。従って、微細化のためにセルピッチを小さくするとJFET抵抗の増加に伴ってオン抵抗が増大する。
これに対し、トレンチゲート構造のMISFET1000では、JFET抵抗が存在しないため、セルピッチを小さくすれば単調にオン抵抗が減少するという長所がある。このため、ユニットセルのサイズの微細化に有利である。
しかしながら、トレンチゲート構造のMISFET1000には、次のような問題が生じ得る。トレンチ5の内部のダメージや汚染などによりトレンチ5の内壁に形成したゲート絶縁膜6の信頼性が低下する可能性がある。また、トレンチ5の開口部におけるコーナー部5Aやトレンチ5の底部におけるコーナー部5Bに電界集中が生じやすいために、デバイス耐圧の低下を引き起こしたりする可能性がある。
このような問題に対し、ドライエッチングにより炭化珪素層にトレンチを形成した後、熱処理を行うことにより、トレンチ5のコーナー部を平滑化およびラウンド化する方法(例えば、特許文献1参照)が提案されている。「ラウンド化」とは、コーナー部(角部やエッジ部)を丸みを帯びた形状にすることをいう。また、トレンチ底部の耐圧をさらに確保するために、トレンチ底部へSiO2膜の埋め込む方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献1および2に提案された方法では、トレンチの内壁の平滑化、トレンチのコーナー部のラウンド化、あるいは、トレンチ底部へのSiO2膜の埋め込み等によって、トレンチのコーナー部およびトレンチ底部への電界集中を緩和でき、ゲート絶縁膜の信頼性を高めることが可能である。しかしながら、本発明者が検討したところ、上述した従来技術では、半導体素子の耐圧低下を十分に抑制できない場合があることが分かった。詳細は後述する。従って、トレンチゲート構造を有する半導体素子のさらなる耐圧の向上が求められていた。
本願の、限定的ではない例示的なある実施形態は、ゲート電極の幅を確保しつつ、ゲート耐圧を高めることの可能なトレンチゲート構造を有する炭化珪素半導体素子を提供する。
本発明の一態様は、(0001)Si面から傾斜した主面を有する炭化珪素基板と、前記炭化珪素基板の前記主面に配置された炭化珪素層と、前記炭化珪素層に配置され、底面、側壁、および、前記側壁と前記炭化珪素基板の上面との間に位置する上部コーナー領域を含むトレンチと、前記トレンチの前記側壁の少なくとも一部、前記上部コーナー領域の少なくとも一部、および前記炭化珪素層の上面の少なくとも一部の上に配置されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に配置されたゲート電極とを備え、前記上部コーナー領域は、前記炭化珪素層の上面とも前記側壁を構成する面とも異なる面を含み、前記ゲート電極は、前記ゲート絶縁膜のうち前記上部コーナー領域上に位置する第1部分および前記側壁上に位置する第2部分の両方と接しており、前記ゲート絶縁膜の前記第1部分の厚さは、前記ゲート絶縁膜のうち前記炭化珪素層の上面の上に位置する第3部分の厚さよりも大きく、前記ゲート電極の端部は、前記上部コーナー領域上に位置する炭化珪素半導体素子を含む。
本発明の一態様にかかる炭化珪素半導体素子は、(0001)Si面に配置されたトレンチを備え、トレンチは、側壁の上方に、Si面ともトレンチの側壁を構成する面とも異なる面から構成された上部コーナー領域を有している。このため、上部コーナー領域上におけるゲート絶縁膜の厚さを、炭化珪素層上面(Si面)上におけるゲート絶縁膜の厚さよりも大きくできる。さらに、ゲート電極の端部が上部コーナー領域上に位置しているので、ゲート電極がゲート絶縁膜とSi面上で接することを抑制できる。従って、炭化珪素層の上面、および、トレンチの側壁上部のコーナー部に生じる電界集中を緩和することができ、従来よりも高いゲート耐圧を確保できる。
トレンチゲート構造を有する半導体素子では、トレンチのコーナー部および底部への電界集中を考慮するだけでは、半導体素子の耐圧低下を十分に抑制できない場合がある。本発明者が検討したところ、従来のトレンチゲート構造を有する半導体素子では、トレンチが形成されていないプレーナ面における電界集中によって、耐圧が低下するという問題があることが分かった。
上記の問題について、炭化珪素基板1の例えば(0001)Si面にトレンチ型MISFET1000を製造する場合(図10)を例に詳しく説明する。ゲート絶縁膜6を炭化珪素の熱酸化により形成すると、ゲート絶縁膜6のうちトレンチ5の側壁50上に位置する部分6aの厚さ(例えば70nm)よりも、炭化珪素層2の上面であるプレーナ面(Si面)52上に位置する部分6bの厚さ(例えば20nm)が非常に小さくなる。プレーナ面52上に位置する部分6bの厚さは、側壁50上に位置する部分6aの厚さの例えば約0.2〜0.3倍程度である。このプレーナ面52に位置する部分6b上にゲート電極7が形成されると、例えばMISFETをゲート電圧20Vで動作させた時にゲート絶縁膜6に加わる電界強度は10MV/cm(=20V÷20nm)に達する。このため、プレーナ面52上において、ゲート絶縁膜6の劣化もしくは破壊が生じる可能性がある。
一方、Si技術において、トレンチ内部のみにゲート電極を埋め込み、Si層の上面にはゲート電極を配置しない構造が提案されているが、この方法ではゲート電極の幅がトレンチの幅で規定されるので、ゲート電極の断面積が小さくなりすぎることでゲート抵抗が増加しスイッチング速度の低下を招く場合がある。また、ゲート電極を埋め込むためには、ドライエッチングや研磨によりゲート電極をエッチバックする工程を追加する必要があり、この工程自体のプロセスマージンが少ないために、歩留まりを低下させる恐れがある。
そこで、本発明者は、トレンチゲート構造を有する炭化珪素半導体素子において、ゲート電極の幅を確保しつつ、プレーナ面における電界集中を抑制することによって、ゲート耐圧を高めることの可能な構成を見出し、本願発明に至った。
本発明の一態様の概要は以下のとおりである。
本発明の一態様である炭化珪素半導体素子は、(0001)Si面から傾斜した主面を有する炭化珪素基板と、前記炭化珪素基板の前記主面に配置された炭化珪素層と、前記炭化珪素層に配置され、底面、側壁、および、前記側壁と前記炭化珪素層の上面との間に位置する上部コーナー領域を含むトレンチと、前記トレンチの前記側壁の少なくとも一部、前記上部コーナー領域の少なくとも一部、および前記炭化珪素層の上面の少なくとも一部の上に配置されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に配置されたゲート電極とを備え、前記上部コーナー領域は、前記炭化珪素層の上面とも前記側壁を構成する面とも異なる面を含み、前記ゲート電極は、前記ゲート絶縁膜のうち前記上部コーナー領域上に位置する第1部分および前記側壁上に位置する第2部分の両方と接しており、前記ゲート絶縁膜の前記第1部分の厚さは、前記ゲート絶縁膜のうち前記炭化珪素層の上面の上に位置する第3部分の厚さよりも大きく、前記ゲート電極の端部は、前記上部コーナー領域上に位置する。
上記の炭化珪素半導体素子は、例えば、前記トレンチと前記ゲート絶縁膜との間に配置された炭化珪素エピタキシャル層をさらに備え、前記炭化珪素エピタキシャル層は、例えば、前記上部コーナー領域上に位置するエピ層上部コーナー領域を有しており、前記ゲート電極の端部は、前記エピ層上部コーナー領域上に位置する。
前記炭化珪素基板の前記主面に垂直で、かつ、前記トレンチの前記側壁に垂直な断面において、例えば、前記主面は前記(0001)Si面から傾斜しており、前記エピ層上部コーナー領域は、第1エピ層上部コーナー領域と、前記第1エピ層上部コーナー領域と対向し、かつ、前記第1エピ層上部コーナー領域よりも、(0001)Si面が前記炭化珪素基板の前記主面に対して傾斜して上がっていく方向側に位置する第2エピ層上部コーナー領域とを含み、前記第1エピ層上部コーナー領域の幅は、前記第2エピ層上部コーナー領域の幅よりも大きくてもよい。
前記炭化珪素基板の前記主面の法線方向から見て、前記第1エピ層上部コーナー領域のうち前記ゲート電極と重なっている部分の幅は、例えば、前記第2エピ層上部コーナー領域のうち前記ゲート電極と重なっている部分の幅よりも大きくてもよい。
前記炭化珪素基板の前記主面に垂直な断面において、前記上部コーナー領域の幅は、例えば0.1μm以上1μm以下である。
前記炭化珪素基板の前記主面は、例えば、(0001)Si面から<11−20>方向に傾斜しており、前記トレンチの前記側壁の面方位は、例えば、{11−20}である。
前記炭化珪素基板の前記主面は、例えば、(0001)Si面から<1―100>方向に傾斜しており、前記トレンチの前記側壁の面方位は、例えば、{1―100}である。
前記炭化珪素基板の前記主面は、例えば、(0001)Si面から0.1度以上10度以下傾斜している。
前記ゲート絶縁膜は、熱酸化膜を含んでもよい。
本発明の一態様である炭化珪素半導体素子の製造方法は、(0001)Si面から傾斜した主面を有する炭化珪素基板であって、前記主面に炭化珪素層が配置された炭化珪素基板を用意する工程と、前記炭化珪素層の前記主面にトレンチを形成する工程であって、前記トレンチは、底面、側壁、および、前記側壁と前記炭化珪素層の上面との間に位置する上部コーナー領域を有し、前記上部コーナー領域は、前記炭化珪素層の上面とも前記側壁を構成する面とも異なる面を含む、工程と、前記トレンチの前記側壁の少なくとも一部、前記上部コーナー領域の少なくとも一部、および前記炭化珪素層の上面の少なくとも一部の上にゲート絶縁膜を形成する工程であって、前記ゲート絶縁膜のうち前記上部コーナー領域上に位置する第1部分の厚さは、前記炭化珪素層の上面上に位置する第3部分の厚さよりも大きい工程と、前記ゲート絶縁膜上に、前記ゲート絶縁膜の前記第1部分および前記側壁上に位置する第2部分の両方と接するゲート電極を形成する工程であって、前記ゲート電極の端部が前記上部コーナー領域上に位置するように前記ゲート電極を形成する工程とを包含する。
上記の炭化珪素半導体素子の製造方法は、前記炭化珪素層にトレンチを形成する工程の後であって、前記ゲート絶縁膜を形成する工程の前に、前記トレンチの前記側壁の少なくとも一部および前記上部コーナー領域の少なくとも一部上に炭化珪素エピタキシャル層を形成する工程をさらに包含してもよい。
前記炭化珪素エピタキシャル層は、前記上部コーナー領域上に位置するエピ層上部コーナー領域を有しており、前記ゲート電極の端部は、前記エピ層上部コーナー領域上に位置しており、前記炭化珪素基板の前記主面に垂直で、かつ、前記トレンチの前記側壁に垂直な断面において、前記主面は(0001)Si面から傾斜しており、前記エピ層上部コーナー領域は、例えば、第1エピ層上部コーナー領域と、前記第1エピ層上部コーナー領域と対向し、かつ、前記第1エピ層上部コーナー領域よりも、(0001)Si面が前記炭化珪素基板の前記主面に対して傾斜して上がっていく方向側に位置する第2エピ層上部コーナー領域とを含み、前記第1エピ層上部コーナー領域の幅は、前記第2エピ層上部コーナー領域の幅よりも大きく、前記ゲート電極は、前記炭化珪素基板の前記主面の法線方向から見て、例えば、前記第1エピ層上部コーナー領域のうち前記ゲート電極と重なっている部分の幅が、前記第2エピ層上部コーナー領域のうち前記ゲート電極と重なっている部分の幅よりも大きくなるように形成される。
前記炭化珪素層にトレンチを形成する工程は、例えば、前記炭化珪素層に凹部を形成する工程と、前記凹部が形成された前記炭化珪素層に対して熱処理を行って、前記凹部の開口部のコーナーに前記上部コーナー領域を形成することにより、前記トレンチを得る工程とを包含する。
以下に、本発明の炭化珪素半導体素子およびその製造方法の実施の形態を、図面とともに詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1を参照しながら、本実施形態の炭化珪素半導体素子の構造を具体的に説明する。本実施形態の炭化珪素半導体素子は、トレンチゲート構造を有する炭化珪素MISFETである。
図1を参照しながら、本実施形態の炭化珪素半導体素子の構造を具体的に説明する。本実施形態の炭化珪素半導体素子は、トレンチゲート構造を有する炭化珪素MISFETである。
本実施形態の炭化珪素半導体素子は、二次元に配列された複数のユニットセル100を備えている。図1(a)は、ユニットセル100の断面図である。図1(b)は、半導体素子の炭化珪素層表面において、ユニットセル100の配置の一例を示す平面図である。図1(a)は、図1(b)のA−A’線に沿った断面図である。
ユニットセル100は、(0001)Si面を有する炭化珪素基板1を有している。本実施形態では、炭化珪素基板1の表面(主面)に配置され、炭化珪素により構成される炭化珪素層(例えばエピタキシャル層)2をさらに有している。炭化珪素層2の上面52は、(0001)Si面である。ここでは、炭化珪素基板1として、例えばn型のSiC基板を用いる。炭化珪素基板1の主面は(0001)Si面である。
炭化珪素層2は、炭化珪素基板1の主面上に形成された第1導電型(ここではn型)のドリフト領域2dと、ドリフト領域2dの上に形成された第2導電型(ここではp型)のボディ領域3とを有している。また、ボディ領域3の表面領域の一部には、第1導電型(n型)のソース領域4が配置されている。図示する例では、ソース領域4は、炭化珪素層2の上面においてボディ領域3に包囲されている。
炭化珪素層2の上面(Si面)52には、ボディ領域3およびソース領域4を貫通し、ドリフト領域2dに達するトレンチ5が設けられている。トレンチ5は、トレンチ5の側壁50と炭化珪素層2の上面52との間に、炭化珪素層2の上面(ここではSi面)52とも側壁50の表面とも異なる面から構成された上部コーナー領域51を有している。上部コーナー領域51は、トレンチ5の開口部におけるコーナー部(開口部のエッジ部分)5Aに配置されている。また、上部コーナー領域51は、ソース領域4に配置され、ボディ領域3に配置されていなくてもよい。これにより、トレンチ5の側壁50に露出したボディ領域3の表面領域(チャネル部分)におけるゲート絶縁膜6の厚さを所定の厚さに制御できるので、所望のトランジスタ特性を確保できる。上部コーナー領域51は曲面でも平面でもよい。この例では、上部コーナー領域51は、丸みを帯びた形状を有するラウンド領域である。なお、「ラウンド領域」とは、丸みを帯びた領域、例えば0.1μm以上の曲率半径を有する曲面領域をいう。また、本明細書において、ラウンド領域などの上部コーナー領域51に含まれる「面」は、微視的(原子レベル)に見た場合の面(例えば微細なマイクロステップを構成する各面など)のように、ゲート絶縁膜6の厚さを考慮して十分に小さい面を意味するものではない。
トレンチ5の側壁50(少なくともボディ領域3の側壁)、上部コーナー領域51、および炭化珪素層2の上面(Si面)52上にはゲート絶縁膜6が配置されている。ゲート絶縁膜6は、例えば熱酸化で形成されたシリコン酸化膜、もしくは窒素(N)を含むシリコン酸化膜である。ゲート絶縁膜6のうち上部コーナー領域51上に位置する部分(第1部分)6cの厚さは、Si面52上に位置する部分(第3部分)6bの厚さよりも大きい。また、この例では、ゲート絶縁膜6のうち側壁50上に位置する部分(第2部分)6aの厚さも、第3部分6bの厚さよりも大きい。なお、ゲート絶縁膜6の第2部分6aの厚さとは、側壁50におけるボディ領域3上に位置する部分の厚さをいう。
トレンチ5の内部には、ゲート絶縁膜6の第1部分6cおよび第2部分6aと接するようにゲート電極7が配置されている。ゲート電極7と炭化珪素層2とは、ゲート絶縁膜6によって絶縁されている。
炭化珪素層2の上には、ボディ領域3とソース領域4との両方に接するようにソースとボディに共通のソース電極10が配置されている。また、炭化珪素基板1の裏面にはドレイン電極9が配置されている。
本実施形態によると、トレンチ5よりも幅の広いゲート電極7を、所定の厚さを有するゲート絶縁膜6の第1部分6cおよび第2部分6a上に配置できるので、ゲート絶縁膜に生じる電界集中を緩和できる。
ゲート電極7は、ゲート絶縁膜6の第3部分6b上に配置せずに、ゲート電極7の端部は上部コーナー領域51上に位置する。これにより、ゲート電極7と、ゲート絶縁膜6のうちSi面52上に位置する部分6bとが接することをより確実に防止できるので、より効果的に耐圧を高めることができる。
炭化珪素基板1の主面に垂直な断面において、上部コーナー領域51の幅wは、0.1μm以上1μm以下であることが好ましい。幅wが0.1μm以上であれば、リソグラフィ工程の露光装置のアライメント精度上、ゲート電極7を上部コーナー領域51上に余裕を持ってパターニングできるので、アライメントずれによる歩留まり低下を抑えることができる。一方、幅wが1μm以下であれば、ユニットセルのサイズを小さく抑えることができるので、デバイスの集積度を向上することができる。
図示する例では、炭化珪素基板1の主面に垂直な断面において、炭化珪素層2の上面52のトレンチ5側の端部は、トレンチ5の側壁50の上端よりも上方であり、かつ、トレンチ5の外側に配置されている。この例では、上部コーナー領域51は、トレンチ5の側壁50の上端と、炭化珪素層2の上面52のトレンチ5側の端部とを接続するように配置された平面、曲面またはそれらの組み合わせた領域である。
次に、図2を参照しながら、本実施形態の半導体素子の製造方法を具体的に説明する。図2は、本発明の実施の形態1の炭化珪素半導体素子の製造方法を説明するための工程断面図である。
まず、図2(a)に示すように、ドリフト領域2d、ボディ領域3およびソース領域4を有する炭化珪素層2が表面に形成された炭化珪素基板1を用意する。この炭化珪素層2に、トレンチ5を形成する。
ここでは、炭化珪素基板1として、例えば(0001)面から4°のオフ角を有するn型4H−SiC基板を用いる。この炭化珪素基板1の(0001)Si面上に、エピタキシャル成長によって炭化珪素層2を形成する。炭化珪素層2のキャリア濃度は例えば8×1015cm-3、厚さは例えば12μmである。n型ドーパントとしては、例えば窒素が使用される。
この後、炭化珪素層2の表面にp型のボディ領域3を形成する。ボディ領域3のキャリア濃度は例えば2×1018cm-3、厚さは例えば1μmである。ボディ領域3は、炭化珪素層2にp型の不純物イオン(例えばAlイオン)をイオン注入することにより形成できる。炭化珪素層2のうちボディ領域3が形成されなかった領域がドリフト領域2dとなる。なお、ボディ領域3は、p型ドーパント(例えば、トリメチルアルミニウム)を供給しながらエピタキシャル成長させることによって、n型の炭化珪素層2上に形成してもよい。
次いで、ボディ領域3内にn型ソース領域4を形成する。ソース領域4は、炭化珪素層2上に配置されたシリコン酸化膜やポリシリコンなどのマスク層(図示せず)を用いて、n型の不純物イオン(例えばNイオン)をボディ領域3に注入することによって形成され得る。この後、不活性ガス雰囲気中、例えば1700℃の温度で30分程度のアニール処理を行う。アニール処理によって、ボディ領域3およびソース領域4が活性化される。
次に、炭化珪素層2に、ソース領域4およびボディ領域3を貫通し、ドリフト領域2d内に底面を有するトレンチ(凹部)5を形成する。本実施形態では、まず、ソース領域4の一部の上に、例えばプラズマ酸化膜などのマスク層(図示せず)を形成し、これをマスクとして反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching;RIE)を行う。これにより、炭化珪素層2にトレンチ(深さ:例えば1.5μm、幅:例えば1μm)5を形成する。図示する例では、トレンチ5の側壁は、炭化珪素基板1の主面に対して略垂直であるが、トレンチ5は炭化珪素基板1の主面の法線方向に対して傾斜した側面を有してもよい(テーパー形状、逆テーパー形状)。
次に、図2(b)に示すように、トレンチ5の開口部におけるコーナー部に上部コーナー領域51を形成する。ここでは、丸みを帯びたラウンド領域を形成する。
具体的には、炭化珪素層2が形成された炭化珪素基板1を、例えばアルゴンガス(Ar)雰囲気中において、例えば1530℃、200mbarの条件でアニール処理を実施する。アニール処理の時間は例えば10分間とする。このアニール処理によって、SiCの表面拡散の現象が生じ、トレンチ5の開口部コーナーがラウンド化し、上部コーナー領域51が得られる。上部コーナー領域51の曲率半径は例えば0.5μm程度である。このアニール処理によって、RIE法によってトレンチ表面に導入された結晶ダメージの除去やトレンチ底部のコーナーに発生するサブトレンチについても除去することができる。さらに、トレンチ底部のコーナー部5Bも、アニール処理によってラウンド化される。
なお、アニール処理条件については、上記に限定されない。ガス雰囲気はアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気、水素雰囲気、塩素系ガス雰囲気、またはそれらの混合ガス雰囲気を使用することができる。例えばアルゴン不活性ガス雰囲気を用いる。アニール温度も特に限定しないが、例えば1500℃以上1600℃以下であることが好ましい。1500℃以上であれば、1時間以下の短時間でトレンチ5のコーナー部にラウンド領域を形成でき、かつ、1600℃以下であれば炭化珪素層2の表面にステップバンチングやSi抜けなどの著しい表面荒れが発生することを抑制することができる。なお、トレンチ深さとトレンチ幅がデバイス設計上の許容範囲を保つことなどを考慮して、アニール処理条件を適宜調整してもよい。
次に、図2(c)に示すように、トレンチ5の側壁50上および底面上、および上部コーナー領域51上にゲート絶縁膜6を形成する。図示する例では、トレンチ5の周辺の炭化珪素層2の上面(Si面)上にもゲート絶縁膜6を形成する。
ここでは、トレンチ5が形成された後の炭化珪素基板1を洗浄した後、酸化炉に投入し、例えばドライ酸化雰囲気で1200℃、0.5時間の処理を行う。これにより、ゲート絶縁膜6として、トレンチ5の側壁50、底面および上部コーナー領域51、および上面52上にシリコン酸化膜(熱酸化膜)が形成される。シリコン酸化膜の厚さは、トレンチ5の側壁50上で例えば70nmである。上部コーナー領域51上におけるシリコン酸化膜の厚さは例えば60nmである。また、プレーナ面(Si面)52上には20nmのシリコン酸化膜が形成される。なお、ゲート絶縁膜6として窒素を含んだシリコン酸化膜を形成してもよい。これにより、ゲート絶縁膜界面の界面準位が低減され、チャネル移動度の向上が期待できる。
次に、図2(d)に示すように、トレンチ5の内部および炭化珪素層2の上面上にゲート電極7を形成する。具体的には、ウエハ表面全体にLP−CVD法によって燐(P)ドープのポリシリコンを例えば800nm堆積した後、例えば不活性ガス雰囲気中、1000℃、60秒のRTA処理を行うことにより燐の活性化を行う。この後、トレンチ5が設けられている領域以外の領域を開口させたレジスト等のマスク層を形成する(図示せず)。続いて、RIE法によりポリシリコンをエッチングすることにより、ゲート電極7を形成する。本実施形態におけるゲート電極7は、ゲート絶縁膜6のうち上部コーナー領域51上に形成された部分6c、およびトレンチ5の側壁50上に形成された部分6aと接するように形成される。ゲート絶縁膜6のうちプレーナ面52(Si面)上に形成された薄い部分6bには接していない。
次に、図2(e)に示すように、ボディ領域3およびソース領域4と接するようにソース電極10を形成する。ソース電極10は、炭化珪素層2の上面上に、ボディ領域3とソース領域4とに跨るように配置される。具体的には、まず、炭化珪素層2およびゲート電極7を覆うように層間絶縁膜(図示せず)を形成する。次いで、層間絶縁膜に、ソース領域4の一部およびボディ領域3の一部を露出する開口部を設ける。この開口部内に導電膜(例えばTiなどの金属膜)を形成し、必要に応じてアニール処理を行う。これにより、ソース領域4およびボディ領域3とオーミック接触するソース電極10が得られる。
また、炭化珪素基板1の裏面(主面と反対側)上にドレイン電極9を形成する。これにより、トレンチゲート構造を有するMISFETが得られる。
このように、プレーナ面52(Si面)上におけるゲート絶縁膜6の厚さは、トレンチ5の側壁50上における厚さの約0.25〜0.3倍と小さくなるが、上部コーナー領域51上におけるゲート絶縁膜6の厚さは、トレンチ5の側壁50上における厚さの約0.5〜1倍となる。従って、上部コーナー領域51上に上面52上よりも厚い酸化膜を形成することが可能である。
また、ゲート電極7は、上部コーナー領域51上およびトレンチ5の側壁50上においてゲート絶縁膜6と接するように形成されており、プレーナ面52(Si面)上においてゲート絶縁膜6とは接していない。これにより、より効果的にゲート耐圧を確保できる。具体的には、MISFETをゲート電圧20Vで動作させた場合、上部コーナー部のゲート絶縁膜6に加わる電界強度は3.3MV/cm(=20V÷60nm)と低く抑えることが可能となるため、ゲート絶縁膜6の破壊を防止することができる。
さらに、本実施形態によると、炭化珪素基板1の主面に垂直な断面において、ゲート電極7の幅を大きく(例えばトレンチ5の幅Dよりも大きく)形成できる。このため、ゲート抵抗を低く抑えることができるため、スイッチング特性も確保することができる。なお、ここでいう「ゲート電極7の幅」とは、炭化珪素基板1の主面に垂直な断面において、炭化珪素層2上にトレンチ5を覆うように配置されたゲート電極7のパターンの2つの端部間の距離をいうものとする。
また、上部コーナー領域51(ラウンド領域)を形成するためのアニール処理により、トレンチ5内部のRIEダメージなどの除去もされているため、信頼性の高いゲート絶縁膜6を得ることが可能である。
なお、本実施形態では、ゲート絶縁膜6として熱酸化膜のみを形成しているが、ゲート絶縁膜6は熱酸化膜以外の膜を含んでいてもよい。
トレンチ5の底部のラウンド形状の状態により、トレンチ5の底面にSi面に近い面が広く出る場合がある。その場合には、熱酸化により形成するトレンチ5の底部におけるゲート絶縁膜6の厚さはSi面52上における厚さと同程度に小さくなってしまうおそれがある。この対策として、図3に示す変形例のように、ゲート絶縁膜6を、トレンチ5に埋め込まれた絶縁膜61と、トレンチ5の側壁に形成された熱酸化膜62とによって構成してもよい。このようなゲート絶縁膜6は、トレンチ5の底部にあらかじめ絶縁膜を埋め込んで絶縁膜61を形成し、この後、トレンチ5の側壁50に熱酸化膜62を形成することによって得られる。絶縁膜61の形成方法の一例としては、例えばプラズマ酸化膜をトレンチ5内に埋め込んだ後、ウェットエッチングにより底部にプラズマ酸化膜を残す方法が挙げられる。あるいは、トレンチ5の底部にイオン注入により結晶性を劣化させ、熱酸化時に酸化速度を上げることによって、トレンチ5の底部のゲート絶縁膜を厚くする方法を用いても良い。
さらに、本実施形態では、上部コーナー領域51としてラウンド領域を形成したが、上部コーナー領域51は、図4に示すように、開口部のコーナー部5Aにおけるエッジを面取りした形状を有する平面領域であってもよい。
また、図2を参照しながら前述した方法では、アニール処理によって上部コーナー領域51を形成したが、代わりに異方性エッチングを用いてもよい。その場合、図5に示すように、トレンチ5の開口部におけるコーナーはラウンド化されるが、トレンチ5の底部に(0001)ファセット面(Si面ジャスト)が広く出る場合がある。この場合、熱酸化膜を形成する前に、トレンチ5の底部に埋め込み絶縁膜61を形成しておいてもよい。なお、アニール処理や異方性エッチング以外の方法(例えばCMP、犠牲酸化など)を用いることもできる。
(実施の形態2)
以下、図6を参照しながら、本発明による炭化珪素半導体素子の実施の形態2を説明する。図6(a)は、本実施形態の炭化珪素半導体素子のユニットセル200の断面図であり、図6(b)はユニットセルが長方形状(ストライプ状)に延びている場合の配置の一例を示した平面図である。ユニットセル200は、他の形状(正方形、多角形)でも構わない。簡単のため、図1と同様の構成要素には同じ参照符号を付し、説明を省略する。
以下、図6を参照しながら、本発明による炭化珪素半導体素子の実施の形態2を説明する。図6(a)は、本実施形態の炭化珪素半導体素子のユニットセル200の断面図であり、図6(b)はユニットセルが長方形状(ストライプ状)に延びている場合の配置の一例を示した平面図である。ユニットセル200は、他の形状(正方形、多角形)でも構わない。簡単のため、図1と同様の構成要素には同じ参照符号を付し、説明を省略する。
本実施形態におけるユニットセル200は、トレンチ5とゲート絶縁膜6との間に炭化珪素エピタキシャル層8を有する点で、第1の実施形態におけるユニットセル100(図1)と異なっている。炭化珪素エピタキシャル層8は、チャネル層として機能する。なお、本実施形態でも、炭化珪素基板1としてオフ角を有するSiC基板を用いており、炭化珪素半導体素子を炭化珪素基板1の(0001)Si面に設けている。図6(a)は、炭化珪素基板1の主面に垂直であり、かつ、側壁50に垂直な断面構造(例えばオフ方向に平行な断面構造)を示している。この断面では、炭化珪素基板1の主面は(0001)Si面から傾斜している。図6(b)から分かるように、この例では、トレンチ5は、炭化珪素基板1の主面の法線方向から見て、ストライプ状のユニットセル200と同じ方向に延びており、図6(a)に示す断面図は、トレンチ5の延びている方向(長軸方向)に垂直な断面構造に相当する。なお、矩形や多角形のユニットセルの場合には、例えば、トレンチ5における対向する2つの側壁50に垂直な断面構造に相当する。
炭化珪素エピタキシャル層8は、トレンチ5の側壁50の少なくとも一部上(少なくともボディ領域3の側壁上)、トレンチ5の上部コーナー領域51上、および炭化珪素層2の上面(Si面)52上に配置されている。炭化珪素エピタキシャル層8の表面は、側壁50上に位置する部分の表面80(以下、「側壁80」)と、Si面52上に位置する部分の表面82(以下、「上面82」)と、それらの間に位置するエピ層上部コーナー領域81a、81bとを有している。炭化珪素エピタキシャル層8の上面82はSi面である。エピ層上部コーナー領域81a、81bは、トレンチ5の一対の上部コーナー領域51上に、それぞれ配置されている。図示する例では、エピ層上部コーナー領域81a、81bは丸みを帯びた形状のラウンド領域である。
炭化珪素基板1の主面に垂直であり、かつ、側壁50に垂直な断面において、炭化珪素基板1の主面は(0001)Si面に対して傾斜しており、対向する一対のエピ層上部コーナー領域81a、81bは左右非対称性を有している。例えば、これらの領域81a、81bの曲率半径はそれぞれ異なっている。エピ層上部コーナー領域のうちオフ上流側(この図中のトレンチ左側)に位置する第1エピ層上部コーナー領域81aの幅は、オフ下流側(この図中のトレンチ右側)に位置する第2エピ層上部コーナー領域81bの幅よりも大きい。
ここで、本明細書におけるオフ上流、オフ下流の定義を説明する。この断面図の中の破線で示した(0001)面と、基板表面との間にはオフ角が形成されており、このオフ角により、エピタキシャル成長はステップフローモードで図中の左側(上流)から右側(下流)にかけて進行する。このことから、オフ角つまり(0001)面が右肩上がりになるように断面を見た場合に、左側をオフ上流、右側をオフ下流と定義した。なお、図11は、炭化珪素層2を形成する際のステップフロー成長の進行方向、オフ上流およびオフ下流を示す拡大断面図である。また、本明細書において、図11に示す断面図の右側であるオフ下流側を、「(0001)Si面が炭化珪素基板の主面に対して傾斜して上がっていく方向側」ともいう。
トレンチ5に形成された炭化珪素エピタキシャル層8の側壁80、底面およびエピ層上部コーナー領域81a、81b上には、熱酸化で形成されたシリコン酸化膜、もしくは窒素(N)を含むシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜6が形成されている。ゲート絶縁膜6のうちトレンチ5の側壁(少なくともボディ領域3の側壁)50上に位置する部分6a、およびエピ層上部コーナー領域81a、81b上に位置する部分6cはゲート電極7と接している。
本実施形態の炭化珪素半導体素子は、第1の実施形態と同様の効果を有する。また、本実施形態では、炭化珪素エピタキシャル層8を形成することにより、高い移動度を実現できる。さらに、炭化珪素エピタキシャル層8のキャリア濃度および膜厚を適宜調整することにより、MISFETの閾値電圧を調整することが可能である。
本実施形態では、図示する断面において、ゲート電極7の2つの端部は、エピ層上部コーナー領域81a、81b上に位置している。また、ゲート絶縁膜6のうち炭化珪素エピタキシャル層8のSi面82上に位置する部分6bはゲート電極7と接していない。
また、ゲート電極7は、トレンチ5に対して、オフ上流側にシフトするように配置されていてもよい。言い換えると、炭化珪素基板1の主面の法線方向から見て、第1エピ層上部コーナー領域81aのうちゲート電極7と重なっている部分の幅Daは、第2エピ層上部コーナー領域81bのうちゲート電極7と重なっている部分の幅Dbよりも大きい。これにより、ゲート電極7の幅を確保しつつ、ゲート耐圧を高めることができる。さらに言い換えると、図示する断面において、ゲート電極7のオフ上流側の端部とトレンチ5のオフ上流側の側壁との距離Eaは、ゲート電極7のオフ下流側の端部とトレンチ5のオフ下流側の側壁との距離Ebよりも大きい。
この例では、図6(b)に示すように、炭化珪素基板1の主面の法線方向から見て、ゲート電極7は、トレンチ5の長軸方向に沿った中心線mに対して非対称な形状を有している。トレンチ5の中心線mからゲート電極7のオフ上流側の端部までの距離Laは、トレンチ5の長軸方向に沿った中心線mからゲート電極7のオフ下流側の端部までの距離Lbよりも大きくなる。
次に、本実施の形態2の炭化珪素半導体素子の製造方法を具体的に説明する。図7は、本発明の実施の形態2の炭化珪素半導体素子の製造方法を説明するための工程断面図である。
まず、図7(a)に示すように、炭化珪素基板1の主面上に形成された炭化珪素層2にトレンチ5を形成する。炭化珪素基板1、炭化珪素層2およびトレンチ5の構造、炭化珪素層2の形成方法およびトレンチ5の形成方法は、図2(a)を参照しながら前述した構造および形成方法と同様である。
次に、図7(b)に示すように、アニール処理により、トレンチ5の開口部におけるコーナー部に上部コーナー領域51を形成する。形成方法は、図2(b)を参照しながら前述した方法と同様である。
次に、図7(c)に示すように、トレンチ5の内壁面にチャネル層として炭化珪素エピタキシャル層8を形成する。具体的には、トレンチ5が形成された炭化珪素層2の表面に、例えば、キャリア濃度が1×1018cm-3のn型の炭化珪素エピタキシャル層8を形成する。炭化珪素エピタキシャル層8のトレンチ5の側壁50上における厚さは例えば70nmである。なお、炭化珪素エピタキシャル層8のうち炭化珪素層2の上面52上に位置する部分の表面はSi面となる。
図示する例では、上部コーナー領域(ラウンド領域)51上において、炭化珪素エピタキシャル層8の形状は、オフ角の影響を受けて左右非対称となる。この場合、オフ上流側であるエピ層上部コーナー領域81aの曲率半径(例えば0.6μm)は、オフ下流側であるエピ層上部コーナー領域81bの曲率半径(例えば0.3μm)よりも大きくなる。また、エピ層上部コーナー領域81aの幅wa(例えば0.2μm以上1.0μm以下)は、エピ層上部コーナー領域81bの幅wb(例えばトレンチ5の0.1μm以上0.5μm以下)よりも大きくなる。
なお、図7(b)に示したラウンド領域の形成のためのアニール処理工程と、図7(c)に示したトレンチ内壁面へのSiCエピタキシャル成長工程は、同じ装置内で連続的に実施することが可能である。
次に、図7(d)に示すように、炭化珪素エピタキシャル層8の上にゲート絶縁膜6を形成する。ゲート絶縁膜6は、図2(c)を参照しながら前述した方法と同様の方法で形成される。これにより、ゲート絶縁膜6として、トレンチ5に形成された炭化珪素エピタキシャル層8の側壁80、底面およびエピ層上部コーナー領域81a、81b上にシリコン酸化膜(熱酸化膜)が形成される。シリコン酸化膜の厚さは、側壁80上で例えば70nmである。エピ層上部コーナー領域81a、81b上におけるシリコン酸化膜の厚さは例えば60nmである。また、炭化珪素エピタキシャル層8のプレーナ面(Si面)82上には20nmのシリコン酸化膜が形成される。
次に、図7(e)に示すように、ゲート電極7を形成する。ゲート電極7は、ゲート絶縁膜6のうちエピ層上部コーナー領域81a、81b上に位置する部分6c、および側壁80上に位置する部分6aと接するように形成される。この例では、ゲート電極7は、プレーナ面(Si面)82上に形成された部分6bには接していない。また、ゲート電極7の端部は、エピ層上部コーナー領域81a、81b上に位置している。これにより、Si面上に形成された部分6bに電界集中が生じることをより効果的に防止できる。
さらに、本実施形態では、エピ層上部コーナー領域81a、81bの左右非対称の変形に対応して、ゲート電極7は、オフ上流側にシフトさせて配置される(例えば0.1μm程度以上)。これにより、ゲート電極7の幅を確保しつつ、ゲート耐圧を高めることができる。
このようなゲート電極7は、例えば次のようにして形成され得る。まず、ゲート絶縁膜6を覆うように、ポリシリコンなどの導電膜(不図示)を形成する。この後、導電膜上にレジスト等のマスク層90を形成する。このとき、マスク層90が、炭化珪素基板1の主面の法線方向から見て、トレンチ5の中心線(ここではトレンチ5の長軸方向に沿った中心線)に対して非対称となるように、フォトマスクを設計してもよい。例えば、トレンチ5のオフ上流側の側壁50からマスク層90のオフ上流側の端部までの距離Eaが、トレンチ5のオフ下流側の側壁50からマスク層90のオフ下流側の端部までの距離Ebよりも大きくなるようにフォトマスクの設計を行ってもよい。あるいは、ゲート電極7をシフトさせない場合と同じフォトマスクを使用して、所定の距離だけオフ上流側にオフセットさせることにより、トレンチ5の中心線に対して非対称なマスク層90を形成してもよい。この後、マスク層90をエッチングマスクとして導電膜をエッチングすることにより、オフ上流側にシフトして配置されたゲート電極7を得る。なお、ゲート電極7を形成するための導電膜の形成方法やエッチング方法などは、図2(d)を参照しながら前述した方法と同様である。
炭化珪素基板1の主面の法線方向から見たときの、トレンチ5の中心線とゲート電極7の中心線との距離(以下、「シフト量」と呼ぶ。)は、例えば、(La−Lb)/2または(Ea−Eb)/2となる。シフト量は、例えば、通常のアライメント誤差(例えば0.1μm未満)を超える量に設定される。なお、シフト量は、エピ層上部コーナー領域81a、81bの幅などにより適宜選択され得る。
次に、図7(f)に示すように、ソース電極10およびドレイン電極9を形成する。形成方法は、図2(e)を参照しながら前述した方法と同様である。
このように、炭化珪素エピタキシャル層8の上面82(Si面)上におけるゲート絶縁膜6の厚さは、トレンチ5の側壁80上における厚さの約0.25〜0.3倍と小さいが、エピ層上部コーナー領域81a、81b上におけるゲート絶縁膜6の厚さは、トレンチ5の側壁80上おける厚さの約0.5〜1倍となる。従って、エピ層上部コーナー領域81a、81b上に、Si面上よりも厚い酸化膜を形成することが可能である。
ゲート電極7は、エピ層上部コーナー領域81a、81b上およびトレンチ側壁80上においてゲート絶縁膜6と接するように形成されており、上面82(Si面)上においてゲート絶縁膜6には接していない。これにより、より効果的にゲート耐圧を確保できる。具体的には、MISFETをゲート電圧20Vで動作させた場合、ゲート絶縁膜6に加わる電界強度は3.3MV/cm(=20V÷60nm)と低く抑えることが可能となるため、ゲート絶縁膜6の破壊を防止することができる。
さらに、本実施形態によると、炭化珪素基板1の主面に垂直な断面において、ゲート電極7の幅を大きく(例えばトレンチ5の幅Dよりも大きく)形成できる。このため、ゲート抵抗を低く抑えることができるため、スイッチング特性も確保することができる。
また、上部コーナー領域51を形成するためのアニール処理により、トレンチ内部のRIEダメージなどの除去もされているため、信頼性の高いゲート絶縁膜6を得ることが可能である。
以下、図面を参照しながら、実施の形態1と実施の形態2との差異について、より詳細に説明する。
図8および図9は、実施の形態2の炭化珪素基板1のオフ方向と、トレンチのチャネル面の面方位について説明する模式図である。図8(a)および図9(a)はトレンチ5をウエハ表面から見た場合の平面図であり、図8(b)と図9(b)は、それぞれ、図8(a)と図9(a)において、トレンチ5の延びる方向とオフ方向との関係を示す図である。また、図8(c)と図9(c)は、トレンチ5のチャネル面を横切るB−B´の断面図である。この断面図の中の破線で示すように(0001)と基板表面とはオフ角が発生する。また、この図中、左側がオフ上流、右側をオフ下流と定義する。
前述のように、実施の形態2では、図8に例示するように、炭化珪素基板1のオフ方向が<11−20>の場合、トレンチ5のチャネル面の面方位を{11−20}とする。あるいは、図9に例示するように、炭化珪素基板1のオフ方向が<1−100>の場合は、トレンチ5のチャネル面の面方位を{1−100}とする。
このトレンチ5の内壁面にチャネル層としての炭化珪素エピタキシャル層8を形成すると、SiCエピタキシャル膜が左右非対称に成長する。これは、プレーナ面に結晶として安定な(0001)ファセット面(Si面ジャスト)が発生するからであり、炭化珪素基板1のオフ角と平行な面を形成する。この結果、図7(c)に示すように、トレンチ5の左側においてSi面上に形成された炭化珪素エピタキシャル層8の厚さが、トレンチ5の右側においてSi面上に形成された炭化珪素エピタキシャル層8の厚さよりも大きくなる現象が起こる。そのため、トレンチ5の開口部におけるコーナー部5Aにおいて、炭化珪素エピタキシャル層8が左右非対称となり、左右非対称のエピ層上部コーナー領域81a、81bが形成される。例えばオフ上流側であるエピ層上部コーナー領域81aの曲率半径は、オフ下流側であるエピ層上部コーナー領域81bの曲率半径の約2〜4倍となる。
さらに、このトレンチ5の内壁面にチャネル層として、エピタキシャル成長によってn型炭化珪素エピタキシャル層8を形成しているため、高いチャネル移動度を達成できる。また、炭化珪素エピタキシャル層8のキャリア濃度および膜厚を変えることにより、MISFETの閾値電圧を調整することが可能である。
左右非対称に変形したエピ層上部コーナー領域にあわせて、ゲート電極7をオフ上流側にシフトさせてもよい。これにより、フォトリソグラフィの重ね合わせ精度に余裕を持たせることができ、ゲート電極7がプレーナ面82上の絶縁膜に接触することを防止できるため、MISFETの歩留まりを向上できる。
本発明の一態様の炭化珪素半導体素子は、トランジスタ等の半導体デバイス用途において好適に利用される。特に、EVやHEVなどの車載用、あるいは、産業機器用インバーターに搭載するためのパワー半導体デバイス用途において好適に利用される。
100、200 炭化珪素半導体素子のユニットセル
1 炭化珪素基板
2 炭化珪素層
2d ドリフト領域
3 ボディ領域
4 ソース領域
5 トレンチ
6 ゲート絶縁膜
7 ゲート電極
8 炭化珪素エピタキシャル層
9 ドレイン電極
10 ソース電極
50、80 トレンチ側壁
51 上部コーナー領域
52、82 プレーナ面(Si面)
81a、81b エピ層上部コーナー領域
1 炭化珪素基板
2 炭化珪素層
2d ドリフト領域
3 ボディ領域
4 ソース領域
5 トレンチ
6 ゲート絶縁膜
7 ゲート電極
8 炭化珪素エピタキシャル層
9 ドレイン電極
10 ソース電極
50、80 トレンチ側壁
51 上部コーナー領域
52、82 プレーナ面(Si面)
81a、81b エピ層上部コーナー領域
Claims (13)
- (0001)Si面から傾斜した主面を有する炭化珪素基板と、
前記炭化珪素基板の前記主面に配置された炭化珪素層と、
前記炭化珪素層に配置され、底面、側壁、および、前記側壁と前記炭化珪素層の上面との間に位置する上部コーナー領域を含むトレンチと、
前記トレンチの前記側壁の少なくとも一部、前記上部コーナー領域の少なくとも一部、および前記炭化珪素層の上面の少なくとも一部の上に配置されたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に配置されたゲート電極と
を備え、
前記上部コーナー領域は、前記炭化珪素層の上面とも前記側壁を構成する面とも異なる面を含み、
前記ゲート電極は、前記ゲート絶縁膜のうち前記上部コーナー領域上に位置する第1部分および前記側壁上に位置する第2部分の両方と接しており、
前記ゲート絶縁膜の前記第1部分の厚さは、前記ゲート絶縁膜のうち前記炭化珪素層の上面の上に位置する第3部分の厚さよりも大きく、
前記ゲート電極の端部は、前記上部コーナー領域上に位置する炭化珪素半導体素子。 - 前記トレンチと前記ゲート絶縁膜との間に配置された炭化珪素エピタキシャル層をさらに備え、
前記炭化珪素エピタキシャル層は、前記上部コーナー領域上に位置するエピ層上部コーナー領域を有しており、
前記ゲート電極の端部は、前記エピ層上部コーナー領域上に位置する請求項1に記載の炭化珪素半導体素子。 - 前記炭化珪素基板の前記主面に垂直で、かつ、前記トレンチの前記側壁に垂直な断面において、前記主面は(0001)Si面から傾斜しており、前記エピ層上部コーナー領域は、第1エピ層上部コーナー領域と、前記第1エピ層上部コーナー領域と対向し、かつ、前記第1エピ層上部コーナー領域よりも、(0001)Si面が前記炭化珪素基板の前記主面に対して傾斜して上がっていく方向側に位置する第2エピ層上部コーナー領域とを含み、前記第1エピ層上部コーナー領域の幅は、前記第2エピ層上部コーナー領域の幅よりも大きい請求項2に記載の炭化珪素半導体素子。
- 前記炭化珪素基板の前記主面の法線方向から見て、前記第1エピ層上部コーナー領域のうち前記ゲート電極と重なっている部分の幅は、前記第2エピ層上部コーナー領域のうち前記ゲート電極と重なっている部分の幅よりも大きい請求項3に記載の炭化珪素半導体素子。
- 前記炭化珪素基板の前記主面に垂直な断面において、前記上部コーナー領域の幅は、0.1μm以上1μm以下である請求項1から4のいずれかに記載の炭化珪素半導体素子。
- 前記炭化珪素基板の前記主面は、(0001)Si面から<11−20>方向に傾斜しており、前記トレンチの前記側壁の面方位は{11−20}である請求項1から5のいずれかに記載の炭化珪素半導体素子。
- 前記炭化珪素基板の前記主面は(0001)Si面から<1―100>方向に傾斜しており、前記トレンチの前記側壁の面方位は{1―100}である請求項1から5のいずれかに記載の炭化珪素半導体素子。
- 前記炭化珪素基板の前記主面は、(0001)Si面から0.1度以上10度以下傾斜している請求項1から7のいずれかに記載の炭化珪素半導体素子。
- 前記ゲート絶縁膜は熱酸化膜を含む請求項1から8のいずれかに記載の炭化珪素半導体素子。
- (0001)Si面から傾斜した主面を有する炭化珪素基板であって、前記主面に炭化珪素層が配置された炭化珪素基板を用意する工程と、
前記炭化珪素層にトレンチを形成する工程であって、前記トレンチは、底面、側壁、および、前記側壁と前記炭化珪素層の上面との間に位置する上部コーナー領域を有し、前記上部コーナー領域は、前記炭化珪素層の上面とも前記側壁を構成する面とも異なる面を含む、工程と、
前記トレンチの前記側壁の少なくとも一部、前記上部コーナー領域の少なくとも一部、および前記炭化珪素層の上面の少なくとも一部の上にゲート絶縁膜を形成する工程であって、前記ゲート絶縁膜のうち前記上部コーナー領域上に位置する第1部分の厚さは、前記炭化珪素層の上面上に位置する第3部分の厚さよりも大きい工程と、
前記ゲート絶縁膜上に、前記ゲート絶縁膜の前記第1部分および前記側壁上に位置する第2部分の両方と接するゲート電極を形成する工程であって、前記ゲート電極の端部が前記上部コーナー領域上に位置するように前記ゲート電極を形成する工程と
を包含する炭化珪素半導体素子の製造方法。 - 前記炭化珪素層にトレンチを形成する工程の後であって、前記ゲート絶縁膜を形成する工程の前に、前記トレンチの前記側壁の少なくとも一部および前記上部コーナー領域の少なくとも一部上に炭化珪素エピタキシャル層を形成する工程をさらに包含する請求項10に記載の炭化珪素半導体素子の製造方法。
- 前記炭化珪素エピタキシャル層は、前記上部コーナー領域上に位置するエピ層上部コーナー領域を有しており、
前記ゲート電極の端部は、前記エピ層上部コーナー領域上に位置しており、
前記炭化珪素基板の前記主面に垂直で、かつ、前記トレンチの前記側壁に垂直な断面において、前記主面は(0001)Si面から傾斜しており、前記エピ層上部コーナー領域は、第1エピ層上部コーナー領域と、前記第1エピ層上部コーナー領域と対向し、かつ、前記第1エピ層上部コーナー領域よりも、(0001)Si面が前記炭化珪素基板の前記主面に対して傾斜して上がっていく方向側に位置する第2エピ層上部コーナー領域とを含み、前記第1エピ層上部コーナー領域の幅は、前記第2エピ層上部コーナー領域の幅よりも大きく、
前記ゲート電極は、前記炭化珪素基板の前記主面の法線方向から見て、前記第1エピ層上部コーナー領域のうち前記ゲート電極と重なっている部分の幅が、前記第2エピ層上部コーナー領域のうち前記ゲート電極と重なっている部分の幅よりも大きくなるように形成される請求項11に記載の炭化珪素半導体素子の製造方法。 - 前記炭化珪素層にトレンチを形成する工程は、
前記炭化珪素層に凹部を形成する工程と、
前記凹部が形成された前記炭化珪素層に対して熱処理を行って、前記凹部の開口部のコーナーに前記上部コーナー領域を形成することにより、前記トレンチを得る工程と
を包含する請求項10から12のいずれかに記載の炭化珪素半導体素子の製造方法。
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