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JP5190797B2 - 複合酸化物触媒、これを用いたディーゼルパティキュレートフィルタ及び複合酸化物触媒の製造方法 - Google Patents

複合酸化物触媒、これを用いたディーゼルパティキュレートフィルタ及び複合酸化物触媒の製造方法 Download PDF

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本発明は、排気中のPM(Particulate Matter、パティキュレートマター)を浄化するPM酸化触媒である複合酸化物触媒、これを用いたディーゼルパティキュレートフィルタ(Diesel particulate Filter、以下「DPF」と称する。)、及び複合酸化物触媒の製造方法に関する。
ディーゼル機関等からの排気中に含まれるPMは、大気や人体に与える影響が大きく、PMを浄化する触媒や、この触媒を用いたDPF等が種々提案されている。
PMの酸化を促進すべく、希土類金属を含むジルコニウム系複合酸化物、希土類金属又はアルカリ土類金属を含むセリウム系複合酸化物の少なくとも一方と、白金(Pt)、ロジウム(Rh)等の貴金属とを有するパティキュレート酸化触媒を、セラミック製等の担体上に担持させたDPFが提案されている(例えば特許文献1)。
特開2007−54713号公報
また、Pt、Rh等の貴金属元素を含まずに、PMの酸化を促進させる触媒として、マンガン(Mn)又は鉄(Fe)と、セリウム(Ce)との複合酸化物から成るPM酸化用酸化触媒(特許文献2)、Ceと、コバルト(Co)と、イットリウム(Y)と、酸素で構成されたPM酸化触媒用複合酸化物(特許文献3)、Ceと、Fe等の遷移金属と、Y等の元素と酸素で構成されるPM酸化触媒用複合酸化物(特許文献4)等が提案されている。
特開2007−160297号公報 特開2007−229619号公報 特開2007−237005号公報
しかし、上記特許文献1のDPFに用いる触媒にあってはPt、Rh等の白金属元素を使用しており、コストの面で改善の余地があった。また、上記特許文献2〜4の貴金属を使用していないPM酸化触媒用複合酸化物もPMの酸化温度の低下が図られているものの、必ずしも十分とはいえなかった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、良好な酸素イオン伝導性を有し、活性酸素を生成し易く、PMの酸化温度を低下することのできるPM酸化触媒である複合酸化物触媒、これを用いたディーゼルパティキュレートフィルタ、及び複合酸化物触媒の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意検討を重ねた結果、セリウムの一部を、イットリウム、マンガン及び鉄と置換すると共に、蛍石型構造を有するPM酸化触媒である複合酸化物触媒を用いることにより、上記目的を達成し得ることを見出した。
即ち、本発明は、セリウムとイットリウムとマンガンと鉄と酸素とを含有し、イットリウム、マンガン及び鉄がセリウムの一部と置換した蛍石型構造を有するPM酸化触媒であるCe−Y−Mn−Fe複合酸化物触媒である。
また、本発明は、PM酸化触媒であるCe−Y−Mn−Fe複合酸化物触媒を担体に担持させたことを特徴とするディーゼルパティキュレートフィルタである。
また、本発明は、PM酸化触媒であるCe−Y−Mn−Fe複合酸化物触媒を製造するに当たり、セリウム、イットリウム、マンガン及び鉄を含むPM酸化触媒前駆体である複合酸化物前駆体を、アルカリ金属イオンを溶解した溶液に曝し、次いで、乾燥及び焼成することにより、上記セリウムとイットリウムとマンガンと鉄とを含有し、イットリウム、マンガン及び鉄がセリウムの一部と置換した蛍石型構造を有する複合酸化物を形成する。
本発明によれば、良好な酸素イオン伝導性を有し、多くの活性酸素(O )を生成して、PMの酸化を促進し、PMの酸化温度を低下するPM酸化触媒である複合酸化物触媒、これを用いたディーゼルパティキュレートフィルタ、及び複合酸化物触媒の製造方法を提供することができる。
以下、本発明のPM酸化触媒である複合酸化物触媒について詳細に説明する。
本発明のPM酸化触媒である複合酸化物触媒は、セリウム(Ce)とイットリウム(Y)とマンガン(Mn)と鉄(Fe)と酸素(O)とを含有し、Y、Mn及びFeがCeの一部と置換した蛍石型構造を有するものである。
PM酸化触媒であるCe−Y−Mn−Fe複合酸化物触媒は、蛍石型構造を有するCeOのCeサイトの一部が、Y、Mn及びFeと置き換えられることにより、複合酸化物触媒中で酸素が移動し易くなり、多くの活性酸素(O )が生成されて、PMの酸化が促進され、PMが燃焼する酸化温度を低下することができる。
PM酸化触媒であるCe−Y−Mn−Fe複合酸化物触媒の酸素イオン伝導が向上され、活性酸素(O )が生成され易くなる理由としては、次の2つの理由があると推測される。
(1)第1の理由
CeOのCeサイトの一部が、Y、Mn及びFeと置き換えられた場合に、酸素欠陥(酸素空孔)が形成されたことにより、活性酸素(O )が生成され易くなると推測される。
即ち、蛍石型構造を有するCeOの4価のCeサイト(Ce4+)の一部が、Y、Mn及びFeの3価又は2価(例えばMn3+等)の陽イオンに置き換えられると、電荷バランスが崩れ、酸素欠陥(酸素空孔)が形成される。この酸素空孔に気相中の酸素イオンが吸着され、活性酸素(O )となって脱離される。本例のPM酸化触媒であるCe−Y−Mn−Fe複合酸化物触媒は、活性酸素(O )によりPMの酸化が促進され、PMの酸化温度を低下することができる。
(2)第2の理由
CeOのCeサイトの一部が、Y、Mn及びFeと置き換えられると、以下の理由により、酸素イオン伝導が起こり易くなると推測される。
即ち、蛍石型構造を有するCeOのCeサイト(Ce4+)の一部が、Ceよりもイオン半径の小さい原子(例えばMn3+)に置き換えられると、結晶構造の格子間の距離が若干短くなる。この格子間の距離が短くなったことにより、Mn3+イオンを囲む酸素イオン同士の電子雲の重なりが大きくなり、酸素イオン伝導が起こり易くなる。PM酸化触媒であるCe−Y−Mn−Fe複合酸化物触媒を介して、酸素イオン伝導が起こると、移動した酸素が脱離され、多くの活性酸素(O )が生成される。本例のPM酸化触媒であるCe−Y−Mn−Fe複合酸化物触媒は、酸素イオン伝導が向上され、活性酸素(O )が生成され易くなったことにより、PMの酸化が促進され、PMの酸化温度を低下することができる。
PM酸化触媒である複合酸化物触媒の酸素イオン伝導を向上させるために、複合酸化物の結晶構造が蛍石型構造を維持していることが必要となることが分かっている。
図1(a)及び(b)はCeOの蛍石型構造を模式的に示す説明図である。
図1(a)及び(b)に示すように、CeOの蛍石型構造は、Ce4+イオンが体心立方格子配列をとる8個の酸素イオンに囲まれている(8配位)。また、4個のCe4+イオンが、酸素イオンを四面体的に囲んでいる。
このCe4+イオンを、Y3+イオン、Mn3+イオン(又はMn2+イオン)、Fe3+イオン(又はFe2+イオン)に置き換えると、電荷バランスが崩れ、酸素空孔が形成される。
しかし、電荷バランスが崩れすぎると、蛍石型構造から他の結晶構造に変わってしまう場合がある。蛍石型構造を有するCeOのCeサイトの一部が、例えばMnと置き換えられることにより、Ce4+イオンが8個の酸素イオンに囲まれていた8配位の構造を有していたのに対し、イオン半径の小さいMn3+イオンでは、6個の酸素イオンに囲まれた6配位の構造となる場合があると推測される。
次に、蛍石型構造を有するCeOのCeサイトの一部が、Y、Mn又はFeと置き換えられることにより、結晶構造が変化する例を図面に基づきを説明する。
図2中、(a)は蛍石型構造(CeO)、(b)はパイロクロア型構造(Ce0.50.51.75)、(c)はC型希土類型構造(YO1.5=Y)を模式的に示す説明図である。
例えば、蛍石型構造を有するCeOのCeサイトの半分(1/2)が、Y3+に置き換えられた場合は、パイロクロア型構造(Ce0.50.51.75)になる(図2(b)参照)。
また、蛍石型構造を有するCeOのCeサイトの全てがY3+に置き換えられた場合は、C型希土類型構造(YO1.5=Y)になる(図2(c)参照)。
図2(a)〜(c)に示すように、CeOのCeサイトの一部が、Ce4+イオンよりもイオン半径の大きい、3価の陽イオン(例えばY3+)で置き換えられた場合、置き換えられたY3+の量により、結晶構造が変化する。
図2(a)〜(c)に示す例に限らず、結晶構造は、Ceサイトと置き換えられる原子の価数やイオン半径等によっても変化する。
例えばCeOのCeサイトの一部が、Ce4+イオンよりもイオン半径の小さい、例えばMn3+(又はMn2+)、Fe3+(又はFe2+)に置き換えられた場合も、結晶構造が変化する。
複合酸化物の結晶構造が変わってしまうと、酸素イオンの電子雲同士の重なりが変化してしまい、酸素イオン伝導が起こらないか、起こりにくくなることが推測される。
CeOのCeサイトの一部が、Y、Mn又はFeに置き換えられる場合に、蛍石型構造を維持し、電荷バランスを崩しすぎないように、Ceサイトの一部を、Y、Mn又はFeに置き換えることが必要になる。
本発明者らが鋭意研究した結果、蛍石型構造を有するCeOのCeサイトの一部が、Y、Mn又はFeと置き換えられても、置き換えられたY、Mn及びFeの量が適当であれば、蛍石型構造が維持されることが分かった。
即ち、蛍石型構造を有するCeOのCeサイトの一部を、適量のY、Mn及びFeと置き換えることによって、蛍石型構造を維持しつつ、酸素イオン伝導性が向上されるような酸素空孔を有し、多くの活性酸素(O )を生成し易い、PM酸化触媒であるCe−Y−Mn−Fe複合酸化物触媒を得ることができる。
PM酸化触媒であるCe−Y−Mn−Fe複合酸化物触媒のCe/Y+Mn+Feのモル比は、好ましくは99/1〜50/50である。
即ち、YとMnとFeの全モル量1に対して、Ceのモル比が0.5〜0.99であることが好ましい。CeOのCeサイトの一部が、Y、Mn又はFeに置き換えられた場合に、Ceのモル比が上記範囲内であると、蛍石型構造を維持することができる。
PM酸化触媒であるCe−Y−Mn−Fe複合酸化物触媒のCe/Yのモル比は、好ましくは70/30である。より好ましくはYとCeの全モル量1に対して、Yのモル比が0.5未満である。
CeOのCeサイトの一部が、他の原子と置き換えられた場合、この複合酸化物は、Ce1−A2−A/2(X:他の元素、0<A<1)で表される。
Ceサイトの半分(1/2)が、他の原子に置き換えられた複合酸化物は、Ce0.50.51.75で表される。
しかし、Ceサイトの半分(1/2)が、3価の陽イオン(例えばY3+等)で置き換えられると、結晶構造がパイロクロア型構造(図2(b)参照)と変わってしまうため、Ceサイトの一部が置き換えられる量は、0.5未満であることが好ましい。
Ce1−A2−A/2(X:他の元素、0<A<1)で表される複合酸化物の酸素の空孔量は、(A/2)で表される。Aの最大量が1.0であるから、酸素の空孔量は、最大値で0.5である。しかし、PM酸化触媒である複合酸化物触媒のCeサイトの半分(1/2=0.5)以上が他の元素で置き換えられると、パイロクロア型構造に変わってしまう場合があるため、Aは0.5未満であることが好ましく、蛍石型構造を維持しつつ、酸素空孔を形成するためには、(A/2)が0.25未満であることが好ましい。
PM酸化触媒であるCe−Y−Mn−Fe複合酸化物触媒は、Ceサイトの一部を、Ce4+イオンよりもイオン半径の大きいY3+イオンと置き換えることによって、PM酸化触媒前駆体である複合酸化物触媒前駆体を高温(例えば1000℃程度)で焼成した場合であっても、結晶構造の格子間が小さくなり過ぎず、適度な表面積を有するPM酸化触媒であるCe−Y−Mn−Fe複合酸化物触媒を得ることができる。
PM酸化触媒であるCe−Y−Mn−Fe複合酸化物触媒のMn+Fe/Ce+Yのモル比は、好ましくは1/99〜49/51、より好ましくは5/85〜40/60、特に好ましくは15/85〜30/70である。
Mn+Fe/Ce+Yのモル比が49/51を超えると、CeOに固溶しないMnとFeが酸化物(例えばMn、MnO、Fe、FeO、MnFeO等)を生成し、PM酸化触媒であるCe−Y−Mn−Fe複合酸化物触媒の触媒性能が低下するため好ましくない。
PM酸化触媒であるCe−Y−Mn−Fe複合酸化物触媒は、Ceサイトの一部を、Ce4+イオンよりもイオン半径の小さいMn3+又はFe3+と置き換えることによって、結晶構造の格子間の距離が若干短くなり、酸素イオン伝導性が向上され、より多くの活性酸素(O )を生成するPM酸化触媒であるCe−Y−Mn−Fe複合酸化物触媒を得ることができる。
本例のPM酸化触媒であるCe−Y−Mn−Fe複合酸化物触媒は、良好な酸素イオン伝導性を有し、活性酸素(O )を生成し易いため、PMの酸化を促進させ、PMが燃焼する酸化温度を低下することができる
更に、本発明のPM酸化触媒であるCe−Y−Mn−Fe複合酸化物触媒は、触媒表面に、カリウム(K)やナトリウム(Na)等のアルカリ金属、特にNaが存在するものあることが好ましい。
アルカリ金属は、アルカリ金属酸化物及びアルカリ金属塩の少なくとも一方の形態であることが好ましい。なお、アルカリ金属塩としては、炭酸塩が取り扱い易く、貯蔵安定性も良好である。
通常の酸化触媒では、Na等のアルカリ金属は触媒毒となることが知られている。
しかし、PM酸化触媒の場合は、触媒表面にNa等のアルカリ金属が存在することによって、PMの酸化が促進され、PMの酸化温度が低下する。
触媒表面にアルカリ金属が存在することによって、PMの酸化が促進するメカニズムは明らかではないが、PMが気体ではなく、固体であるため、PMが触媒表面にとどまり、このPMがNaイオンが吸着した酸素を奪うことによって、PMの酸化が促進されると推測される。また、触媒表面にNaイオンが存在すると、このNaイオンがPM粒子を活性化して、PM粒子を適当なサイズに分割するため、PMの酸化が促進されると推測される。
また、本発明のPM酸化触媒であるCe−Y−Mn−Fe複合酸化物触媒を、ハニカム状モノリス担体等の担体に担持させることにより、排気中に含まれるPMを比較的低温で酸化させて、PMを浄化するDPFとして好適に用いることができる。
ディーゼルエンジン等の希薄酸化エンジンのPMを浄化の対象とする場合は、ハニカム担体のセル一端を交互に目詰めした、いわゆるチェッカードハニカム担体等を用いることが好ましい。
次に、本発明のPM酸化触媒であるCe−Y−Mn−Fe複合酸化物触媒の製造方法について説明する。
本発明のPM酸化触媒である複合酸化物触媒は、セリウム、イットリウム、マンガン及び鉄を含むPM酸化触媒前駆体である複合酸化物前駆体を、アルカリ金属イオンを溶解した溶液に曝し、次いで、乾燥及び焼成することにより、上記セリウムとイットリウムとマンガンと鉄とを含有し、イットリウム、マンガン及び鉄がセリウムの一部と置換した蛍石型構造を有する複合酸化物を形成する。
具体的には、セリウム化合物(例えば硝酸セリウム)、イットリウム化合物(例えば硝酸イットリウム)、マンガン化合物(例えば硝酸マンガン)、及び鉄化合物(例えば硝酸鉄)を、アルカリ金属化合物(例えば水酸化ナトリウム)水溶液に混合し、共沈させて、Ce、Y、Mn、Feを含む水酸化物(沈殿物、即ち、Ce−Y−Mn−Fe複合酸化物触媒の前駆体)を生成する。
なお、Ce、Y、Mn及びFeを含む化合物は、硝酸塩に限らず、水酸化物塩、炭酸塩、及びこれらの混合物を用いてもよい。
沈殿物(Ce−Y−Mn−Fe複合酸化物触媒の前駆体)を必要に応じて水洗等した後、100〜150℃で8〜24時間乾燥し、更に500〜700℃で5〜8時間焼成することにより、PM酸化触媒であるCe−Y−Mn−Fe複合酸化物触媒を得ることができる。
この製造方法によれば、前駆体の段階からNa等のアルカリ金属をCe−Y−Mn−Fe複合酸化物触媒前駆体の表面に担持することができ、便利である。
また、セリウム化合物、イットリウム化合物、マンガン化合物及び鉄化合物を、アルカリ金属イオンを溶解していない水溶液、例えば沈殿剤としてアンモニア(NH)を用いた水溶液に混合し、共沈させて、Ce、Y、Mn、Feを含む沈殿物を生成する。この沈殿物を、アルカリ金属(例えばNa)イオンを溶解させた溶液を含浸させた後、乾燥、焼成して、PM酸化触媒であるCe−Y−Mn−Fe複合酸化物触媒を製造してもよい。このようにPM酸化触媒であるCe−Y−Mn−Fe複合酸化物触媒を製造した場合も、PM酸化触媒である複合酸化物触媒の表面にNaに担持させることができるので、PMの酸化を促進させ、PMの酸化温度を低下させることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
硝酸セリウム、硝酸イットリウム、硝酸マンガン及び硝酸鉄をCe/Y/Mn/Fe=80/10/5/5(モル比)となるように秤取し、イオン交換水に溶解させた。この溶液を1時間撹拌した後、水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、Ce−Y−Mn−Fe水酸化物沈殿を得た。得られた沈殿物を150℃で一昼夜(24時間)乾燥し、更に500℃で5時間焼成を行い、本例のPM酸化触媒である複合酸化物触媒を得た。
なお、本例の複合酸化物の酸素欠陥量は0.100(Ce0.800.10Mn0.05Fe0.051.90)であると推測された。
(実施例2)
Ce/Y/Mn/Fe=75/10/10/5(モル比)としたこと以外は、実施例1と同様にして、本例のPM酸化触媒である複合酸化物触媒を得た。なお、本例の複合酸化物の酸素欠陥量は0.125(Ce0.750.10Mn0.10Fe0.051.875)であると推測された。
(実施例3)
Ce/Y/Mn/Fe=75/10/5/10(モル比)としたこと以外は、実施例1と同様にして、本例のPM酸化触媒である複合酸化物触媒を得た。なお、本例の複合酸化物の酸素欠陥量は0.125(Ce0.750.10Mn0.05Fe0.101.875)であると推測された。
(実施例4)
Ce/Y/Mn/Fe=60/10/15/15(モル比)としたこと以外は、実施例1と同様にして、本例のPM酸化触媒である複合酸化物触媒を得た。なお、本例の複合酸化物の酸素欠陥量は0.200(Ce0.600.10Mn0.15Fe0.151.80)であると推測された。
(実施例5)
Ce/Y/Mn/Fe=50/10/20/20(モル比)としたこと以外は、実施例1と同様にして、本例のPM酸化触媒である複合酸化物触媒を得た。なお、本例の複合酸化物の酸素欠陥量は0.250(Ce0.500.10Mn0.20Fe0.201.750)であると推測された。
(実施例6)
Ce/Y/Mn/Fe=75/15/5/5(モル比)としたこと以外は、実施例1と同様にして、本例のPM酸化触媒である複合酸化物触媒を得た。なお、本例の複合酸化物の酸素欠陥量は0.125(Ce0.750.15Mn0.05Fe0.051.875)であると推測された。
(実施例7)
Ce/Y/Mn/Fe=70/15/10/5(モル比)としたこと以外は、実施例1と同様にして、本例のPM酸化触媒である複合酸化物触媒を得た。なお、本例の複合酸化物の酸素欠陥量は0.150(Ce0.700.15Mn0.10Fe0.051.850)であると推測された。
(実施例8)
Ce/Y/Mn/Fe=70/15/5/10(モル比)としたこと以外は、実施例1と同様にして、本例のPM酸化触媒である複合酸化物触媒を得た。なお、本例の複合酸化物の酸素欠陥量は0.150(Ce0.700.15Mn0.05Fe0.101.850)であると推測された。
(実施例9)
Ce/Y/Mn/Fe=55/15/15/15(モル比)としたこと以外は、実施例1と同様にして、本例のPM酸化触媒である複合酸化物触媒を得た。なお、本例の複合酸化物の酸素欠陥量は0.225(Ce0.550.15Mn0.15Fe0.151.775)であると推測された。
(比較例1)
硝酸セリウムのみ(Ce=100(モル比))を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、酸化物を得た。
(比較例2)
水酸化ナトリウム水溶液の代わりにアンモニア水溶液を用いたこと以外は、比較例1と同様にして、酸化物を得た。
〈性能評価〉
(1)実施例2のPM酸化触媒である複合酸化物触媒を次に示す装置及び条件で、X線回折分析に供し、固溶の有無及び結晶構造を確認した。
装置名:マックサイエンス社製 X線回折装置(MXP18VAHF)
電圧・電流:40kv・300mA
X線波長:CuKα
X線回折分析で得られた結果を図3に示す。図3のX線チャートに示すように、実施例2のPM酸化触媒である複合酸化物触媒では、回折ピークがCeOのピーク位置から高角度側にシフトしていた。この結果から、実施例2のPM酸化触媒である複合酸化物触媒は、蛍石型構造を有しつつ、Ceサイトの一部が、Y、Mn及びFeと置き換えられて、固溶体を形成していることが確認できた。
(2)PM酸化性能
実施例1〜9及び比較例1〜2と、自動車エンジンから採取したすす(PM)を乳鉢で混合し、試料とした。各試料につき、5vol%のOガスとHeガス(バランス量)の混合ガス流を導入しながら触媒床の温度を変化させ、質量分析計を用いて、一酸化炭素(CO)及び二酸化炭素(CO)が発生した温度を測定し、この測定値をPM酸化開始温度とした。結果を表1に示す。
Figure 0005190797
表1に示す結果から、実施例1〜9のPM酸化触媒であるCe−Y−Mn−Fe複合酸化物触媒は、比較例1〜2の複合酸化物と比較して、PM酸化温度が低下していることが確認できた。特に、実施例7〜9のMn+Fe/Ce+Yのモル比が15/85〜30/70のPM酸化触媒である複合酸化物触媒は、PM酸化温度が300℃以下に低下していることが確認できた。
(a)及び(b)はCeOの蛍石型構造を模式的に示す説明図である。 (a)は蛍石型構造(CeO)、(b)はパイロクロア型構造(Ce0.50.51.75)、(c)はC型希土類型構造(YO1.5=Y)を模式的に示す説明図である。 (a)は実施例2のPM酸化触媒である複合酸化物触媒のX線回折分析の結果を示すグラフであり、(b)は(a)の部分拡大図である。

Claims (6)

  1. セリウムとイットリウムとマンガンと鉄と酸素とを含有し、イットリウム、マンガン及び鉄がセリウムの一部と置換した蛍石型構造を有するPM酸化触媒であることを特徴とする複合酸化物触媒。
  2. Ce/Y+Mn+Feのモル比が99/1〜50/50であることを特徴とする請求項1に記載の複合酸化物触媒。
  3. Mn+Fe/Ce+Yのモル比が1/99〜49/51であることを特徴とする請求項1又は2に記載の複合酸化物触媒。
  4. Mn+Fe/Ce+Yのモル比が15/85〜30/70であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の複合酸化物触媒。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の複合酸化物触媒を担体に担持させたことを特徴とするディーゼルパティキュレートフィルタ。
  6. 請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の複合酸化物触媒を製造するに当たり、
    セリウム、イットリウム、マンガン及び鉄を含むPM酸化触媒前駆体である複合酸化物前駆体を、アルカリ金属イオンを溶解した溶液に曝し、
    次いで、乾燥及び焼成することにより、上記セリウムとイットリウムとマンガンと鉄とを含有し、イットリウム、マンガン及び鉄がセリウムの一部と置換した蛍石型構造を有する複合酸化物を形成することを特徴とする複合酸化物触媒の製造方法。
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