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JP2004169636A - ディーゼルパティキュレートフィルタとその製造法 - Google Patents

ディーゼルパティキュレートフィルタとその製造法 Download PDF

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Abstract

【課題】フィルタ内の排ガス出口側隔壁で選択的にディーゼルパティキュレートを捕捉し、しかも耐熱性、耐熱衝撃性に優れるディーゼルパティキュレートフィルタおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】多孔質の隔壁で隔てられた、おおむね平行な複数の貫通孔を有するセラミックスハニカムフィルタであって、排ガス入口側部分の隔壁の平均細孔直径が排ガス出口側部分の隔壁の平均細孔直径の5〜75%であることを特徴とするディーゼルパティキュレートフィルタ。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼルパティキュレートフィルタおよびその製造方法の提供に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼル内燃機関または希薄燃焼ガソリン内燃機関などは、その排気ガス中にパティキュレートマターと呼ばれるススを主成分とする物質(以下、PMという。)を含んでおり、その大気への放出を防ぐ有効な手段としてセラミックスフィルタが用いられる。ディーゼルエンジンからのPMを除去するフィルタを特に、ディーゼルパティキュレートフィルタ(以下、単にDPFと略す。)という。
【0003】
DPFは使用につれてフィルタ内にPMが蓄積されるため定期的に再生することが必要とされている。DPFの再生方法の一つに、燃料にPM燃焼のための触媒を添加し、PMを燃焼させるためエンジン内への燃料噴射する(ポストインジェクション)方法がある。この方法は簡易であるものの、燃料に添加する触媒の搭載や補充が大変であること、前記触媒がPMの燃焼後に灰としてDPF内部に残留し定期的にこの灰の清掃除去が必要である等の問題点もある。
【0004】
このためセラミックスハニカムフィルタからなるDPFの多孔質の隔壁に、直接またはウォッシュコートを介してPM燃焼用触媒を担持したフィルタ(以下、CDPFという。)も提案されている(特許文献1参照。)。CDPFに担持される触媒としては、PM燃焼用のほか、CO、HCの酸化燃焼用、NO処理用等の各種触媒の場合もある。
【0005】
また、DPF内のPMの蓄積の影響を少なくするために、DPF内隔壁のPMの捕集特性を出口側で捕集量が少なくなるように変化させたものが提案されている(特許文献2参照。)。これはフィルタの出口側隔壁に多孔質セラミック層を設けて出口側での堆積量を減らし、出口側側壁の温度の急上昇を防止して溶損や破損の生じにくいセラミックスハニカムフィルタを提供するものである。
【0006】
【特許文献1】
特公平2−55603号公報(第1頁〜第4頁。第2図)
【特許文献2】
特公平5−50323号公報(第1頁〜第5頁。第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、フィルタ内の排ガス出口側隔壁で選択的にディーゼルパティキュレートを捕捉し、しかも耐熱性、耐熱衝撃性に優れるディーゼルパティキュレートフィルタおよびその製造方法の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、多孔質の隔壁で隔てられた、おおむね平行な複数の貫通孔を有するセラミックスハニカムフィルタであって、排ガス入口側部分の隔壁の平均細孔直径が排ガス出口側部分の隔壁の平均細孔直径の5〜75%であることを特徴とするディーゼルパティキュレートフィルタを提供する。また、別の本発明は、多孔質の隔壁で隔てられた、おおむね平行な複数の貫通孔を有するセラミックスハニカムフィルタの一部分に、セラミックス粒子および/または熱処理後にセラミックス粒子となる金属粒子を含む分散液を付着させた後、800℃以上で熱処理することを特徴とするディーゼルパティキュレートフィルタの製造方法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のディーゼルパティキュレートフィルタ(以下、本フィルタという。)は、排ガス入口側部分の多孔質の隔壁(以下、入口部隔壁という。)が上述のような細孔特性であるため、入口部隔壁と排ガスとは接触するものの実質的にPMを捕集しないか捕集してもその量が少ない。このため、PMの捕集・再生の大部分は排ガス出口側部分の多孔質の隔壁(以下、出口部隔壁という。)で行われる。すなわち、この点で本願発明は特許文献2とは技術思想を異にする。
【0010】
なお、本フィルタの構造の一例を図1に示す。図1は、本フィルタのガス流れ方向の断面図であり、図中、10は本フィルタを、1は入口部隔壁を、2は出口部隔壁を、3は排ガス入口を、4は排ガス出口を、5は封止材を、Lは入口部隔壁の長さを、Lはフィルタの全長を、それぞれ示す。本明細書においてL、Lを考える際には、両端面が封止されている場合には封止部分を除外するものとする(図1参照)。
【0011】
本フィルタは、多孔質の隔壁で隔てられた、おおむね平行な複数の貫通孔を有し、入口部隔壁の平均細孔直径(以下、平均細孔径と略す。)が出口部隔壁の平均細孔径の5〜75%であることを特徴とする。入口部隔壁の平均細孔径が出口部隔壁の平均細孔径の5%未満にするには細孔を小さくする処理を多数回繰り返す必要があるなど生産性の点で問題となるおそれがある。20%以上であれば生産性と効果の両立の点で好ましく、30%以上であればさらに好ましい。一方、入口部隔壁の平均細孔径が出口部隔壁の平均細孔径の75%を超えると、実質的にPMを捕集するようになるおそれがある。65%以下であるとよりPMを捕集しにくくなるため好ましい。なお、本明細書において、入口部隔壁の平均細孔径は封止部分を除いた入口端から0.1Lまでの部位の平均細孔径で、一方、出口部隔壁の平均細孔径とは封止部分を除いた0.9L〜1.0Lまでの部位の平均細孔径で、それぞれ代表させるものとする。
【0012】
本フィルタにおいて、入口部隔壁の平均細孔径は、1〜7μmであると好ましい。入口部隔壁の平均細孔径が7μmを超えると入口部隔壁でのPMのろ過が無視できないレベルとなるおそれがある。さらに好ましくは5μm以下である。一方、入口部隔壁の平均細孔径を1μm未満とするには、後述する平均細孔径を小さくするための操作を何度も繰り返す必要があり生産性の点で問題となるおそれがある。なお、出口部隔壁の平均細孔径は、10〜20μmであるとPMを効率的にろ過・捕集できるため好ましい。なお、本明細書では平均細孔径は水銀ポロシメータで測定した値とする。
【0013】
本フィルタにおいて、フィルタの全長をLとするとき、前記入口部隔壁の長さLは、L=0.1〜0.6Lとするのが好ましい。入口部隔壁の長さLが0.6Lを超えるとフィルタ全体の圧損が高くなり過ぎるおそれがあり好ましくない。Lが0.5L以下であるとさらに好ましい。一方、入口部隔壁の長さLが0.1未満であると所望の効果が得られないおそれがある。Lが0.2L以上であるとさらに好ましい。
【0014】
また、入口部隔壁の長さを各隔壁すべて等しくする必要はなく、中央部にある前記隔壁の長さを長くし、一方、外周辺部の前記隔壁の長さを相対的に短くするなど、各隔壁毎に変化させてもよい。各隔壁毎に長さLが異なる場合は、その平均値が上記範囲に入ることが好ましい。なお、本明細書において入口部隔壁と出口部隔壁の境界の位置は、その場所での平均細孔径が前記出口部隔壁の平均細孔径の75%となる位置をいう。
【0015】
本フィルタの材質としては、セラミックスであれば特に制限されないが、耐熱性、耐熱衝撃性などの点から、窒化ケイ素、炭化ケイ素、コーディエライト、β−スポジュメン、アルミナ、ムライト等の単体またはそれらの複合体などを主とするものが挙げられる。
【0016】
本フィルタとしては、隣接する貫通孔の入口部と出口部を交互に実質的に封止することが好ましい。封止の方法や封止材などは特に制限されないが、封止材を本フィルタと同材質にすると高温で使用した場合に熱膨張率の差に起因する問題が発生しにくくなるので好ましい。なお、封止の代表的なパターンとしては市松模様状が挙げられる。
【0017】
本フィルタにおいて、入口部隔壁に担持させる触媒としては、白金のような耐熱性の低い触媒やPMが堆積すると触媒性能が低下するような触媒がある。このような触媒としては、白金、ロジウム、パラジウム、イリジウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、バナジウム、クロム、マンガン、セリウム、ランタンおよびイットリウムからなる群から選ばれる1種以上の単体、合金、酸化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、水酸化物、酢酸塩、リン酸塩、アンモニウム塩、シュウ酸塩、ハロゲン化物またはそれらの錯体が挙げられる。
【0018】
これらの触媒では、通常、雰囲気温度が高くなると触媒粒子同士の固着や粒成長により比表面積が低下し触媒が劣化する。したがって、このような耐熱性の低い触媒を1つのDPF内で使用する場合には、排ガスと接触はするものの実質的に通過しないためPMが実質的に堆積しない隔壁部分と、排ガスが通過してPMが堆積する隔壁部分とに分け、前者を耐熱性の低い触媒担持部分とし、後者をPMの捕集再生部分として機能分離させることが望ましい。よって、本フィルタの入口部隔壁でPMの酸化触媒以外の触媒を使用すると、PMが実質的に堆積しないため、PMの燃焼熱による触媒劣化を抑制できるので好ましい。
【0019】
本発明のディーゼルパティキュレートフィルタの製造方法(以下、本製造法という。)は、多孔質の隔壁で隔てられた、おおむね平行な複数の貫通孔を有するセラミックスハニカムフィルタの一部分に、セラミックス粒子および/または熱処理後にセラミックス粒子となる金属粒子を含む分散液を付着させた後、800℃以上で熱処理することを特徴とする。分散液を付着させる態様としては、分散液中に浸漬する方法や分散液を塗布する方法が挙げられる。前記セラミックスハニカムフィルタを前記分散液に浸漬時の模式図を図2に示す。
【0020】
図中、11は入口部隔壁を、12は出口部隔壁を、14は排ガス出口を、15はマスキング材を、16は分散液を、17は16の分散液を入れる容器を、20はセラミックスハニカムフィルタを、それぞれ示す。図2では封止材を充填後、当該分散液に浸漬することとしているが、封止材の充填を当該分散液に浸漬後としてもよい。なお、入口部隔壁の長さLを隔壁毎に変化させる場合には必要な箇所に当該分散液が入らないようにマスキング材を事前に充填しておく。または、あらかじめ浸漬させたくない部分を有機バインダ水溶液に浸漬、乾燥して細孔を有機バインダで閉塞させてもよい。この場合、細孔内の有機バインダはその後の熱処理の過程で熱分解され飛散する。これらの方法により任意の部分のマスキングができる。
【0021】
本製造法において、多孔質の隔壁で隔てられた、おおむね平行な複数の貫通孔を有するセラミックスハニカムフィルタは、通常、前記セラミックスハニカムフィルタとなる原料と気孔形成剤とを含む坏土をハニカム金型を使用して押出成形し、所望の長さで切断して成形体とし、該成形体を所定の雰囲気下で熱処理することにより得られる。例えば、窒化ケイ素粒子および/または金属ケイ素粒子と、気孔形成材と、所望の成形助剤等と、を含む坏土を押出成形し、得られた成形体を乾燥後、窒素雰囲気下で焼結および/または窒化して窒化ケイ素質フィルタとする。しかし、セラミックスハニカムフィルタとなるのであれば特にこの方法に制限されない。本製造法において、前記セラミックスハニカムフィルタの一部とは、前記セラミックスハニカムフィルタにおいて本発明の入口部隔壁となる部分である。
【0022】
本製造法において、セラミックス粒子および/または熱処理後にセラミックス粒子となる金属粒子を含む分散液を使用する。該セラミックス粒子としては、特に制限されないが、セラミックスハニカムフィルタの熱膨張率に近い熱膨張率を有するものであると好ましい。セラミックス粒子の熱膨張率とセラミックスハニカムフィルタの熱膨張率の差が2×10−6/℃以下であると使用時に発生する熱応力が小さいため好ましい。該熱膨張率の差が1×10−6/℃以下であると好ましく、0.5×10−6/℃以下であるとさらに好ましい。なお、熱処理後のセラミックス粒子となる金属粒子としては、例えば金属ケイ素粒子が挙げられる。
【0023】
前記セラミックス粒子が、前記セラミックスハニカムフィルタと同材質のセラミックス粒子であると熱膨張率が同じであるため熱膨張率の差に起因する熱応力が発生しないか発生しても問題となるレベルではないため特に好ましい。セラミックス粒子や熱処理後に同材質となる粒子の平均粒径としては、特に制限されないが、平均粒径が1μm以下であると入口隔壁部の平均細孔径を制御しやすいので好ましい。
【0024】
例えば、セラミックスハニカムフィルタが窒化ケイ素質ハニカムフィルタであるとき、窒化ケイ素粒子および/または金属ケイ素粒子を含む分散液を付着させて窒素雰囲気中800℃以上で熱処理すると好ましい。この場合、金属ケイ素粒子を窒素雰囲気下で高温で熱処理すると金属ケイ素粒子が窒化して窒化ケイ素粒子となる。窒化ケイ素粒子と金属ケイ素粒子との混合粉末を使用する場合には当該部分の焼成収縮を制御できるので好ましい。この場合、窒化ケイ素粒子と金属ケイ素粒子との混合粉末中、窒化ケイ素粒子を20〜80質量%とすると好ましい。
【0025】
本製造法において、前記分散液の溶媒としては水またはアルコール類などの有機溶媒がある。前記分散液中の固形分濃度としては、分散液中10〜60質量%とするのが好ましい。また、前記分散液には必要に応じてポリビニルアルコール、メチルセルロース等の有機バインダを添加してもよい。なお、有機バインダを添加する場合の添加量は前記分散液の固形分に対して外掛で0.1〜5質量%とすると好ましい。なお、必要に応じて分散剤等を前記分散液に添加してもよい。本製造法において、前記分散液を調製するのに撹拌機のほかに、ボールミルなどの各種ミル、アトライタ、等の分散手段を使用してもよい。なお、前記セラミックスハニカムフィルタを前記分散液に浸漬する際には、超音波振動装置などの分散を促進する機器を使用してもよい。
【0026】
本製造法において、前記分散液を付着させた後、800℃以上で熱処理する。
800℃未満の温度で熱処理しても焼結しないおそれがあるからである。好ましくは、各材質毎に、焼結、窒化、炭化等に最適な温度で熱処理するのが好ましい。熱処理の際の雰囲気も各材質毎に適宜最適な雰囲気となるように選択するのが望ましい。例えば、酸化物に対しては大気中、窒化物に対しては窒素中、炭化物に対してはAr雰囲気、などが挙げられる。
【0027】
例えば、主として窒化ケイ素粒子または金属ケイ素粒子を出発原料として作製した窒化ケイ素質ハニカムフィルタの場合、金属ケイ素粒子および/または窒化ケイ素粒子を主として含むスラリを調製し、該スラリ中に前記窒化ケイ素質ハニカムフィルタを浸漬し、乾燥後、窒素雰囲気中で熱処理する。この場合の熱処理条件としては窒素雰囲気下で処理温度が1300℃を超えると充分に窒化されるが、1500℃以上とするとさらに基材フィルタの機械的強度が充分となるため好ましい。処理温度としては1600〜1700℃とするとさらに好ましい。最高温度での保持時間は、0.5〜3時間保持することが好ましい。また、昇温する際の昇温速度としては、120〜480℃/hが好ましく、さらには、300〜400℃/hとするのが好ましい。
【0028】
【実施例】
以下に本発明を実施例に基づいて説明する。
【0029】
[サンプル調製]
直径144mmの円形断面を有する長さ152mm、貫通孔密度31セル/cm、貫通孔間の多孔質隔壁の壁厚は300μmの一体型の金属シリコン製ハニカムフィルタを成形した。これを窒素中で金属ケイ素を窒化して、窒化ケイ素質ハニカムフィルタとする。この両端面を窒化ケイ素で市松模様状に封止してフィルタ基材とする。
【0030】
このフィルタ基材の排ガス入口側を平均粒径1μm以下の金属シリコンと平均粒径1μm以下の窒化ケイ素粉末との混合粉末(内訳は表1参照)を分散したスラリにLが60mmになるように浸漬させる。スラリは、容器にイオン交換水、ポリカルボン酸系の分散剤、有機バインダとしてポリビニルアルコールを添加した。添加量は、混合粉末の質量に対して、分散剤が1%、有機バインダが2%である。これにスターラで撹拌しながら混合粉末を少量ずつ投入して調製した。スターラで撹拌後、投入型の超音波発信振動子によりさらに混合、分散した。また、スラリに前記フィルタ基材を浸漬する時間は2分間一定とし、浸漬する際には超音波を2分間かける。フィルタ基材を複数回浸漬する場合には、1回毎にスラリから取り出して熱風で乾燥させ、所定回数繰り返す。
【0031】
所定回数の浸漬後、基材フィルタを100℃で一昼夜乾燥させる。乾燥させた基材フィルタを窒素雰囲気下で昇温速度300℃/h一定で昇温し、1600℃で2時間保持して窒化、焼成し、評価用フィルタとする。例1〜例10が実施例であり、例11は基材フィルタそのままである。なお、例1では焼成後に貫通孔内部にウイスカが多く観察される。例10では貫通孔の開口部が一部閉塞されている。
【0032】
[評価方法]
評価用フィルタを400m/hの流量で圧損を測定する。圧損測定後、そのままPM付着試験を行う。ボッシュナンバで1程度のPMが発生する条件でエンジンを運転し、排気ガスをDPFにて集塵する。運転時間は約1.5時間で、およそ7gのPM(単位ハニカム容積あたりでは2.5g/L)が集塵される。集塵後、各評価用フィルタを切断し、入口部隔壁のPMの厚さを測定する。次に、各評価用フィルタを大気中で700℃に保持してPMを燃やした後、入口部隔壁の細孔特性を水銀ポロシメータで測定する。結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
Figure 2004169636
【0034】
なお、例11は入口部隔壁と出口部隔壁で平均細孔径に違いがないので、PM量はほぼ貫通孔内で均一に近い。例11以外では入口部の細孔径を小さくしてPMの捕集性を低下させてあるので入口部隔壁のPM量が少ない。逆に、出口部隔壁でPMが選択的に捕集されることから、貫通孔の出口端がほぼ閉塞している。
【0035】
また、PMを燃焼させた際に入口部隔壁と出口部隔壁との最高温度を比較するため、例3において入口部と出口部にそれぞれ熱電対を挿入し、排気ガスを通気後、ポストインジェクションによりPMを燃焼させて温度変化を調査する。その結果、出口部隔壁での最高温度が800℃に達したのに対し、入口部隔壁では650℃とかなり最高温度が抑制されていることがわかる。
【0036】
【発明の効果】
本フィルタは、入口部隔壁の平均細孔径が出口部隔壁のそれの5〜75%であるため、PMは排ガス入口側には実質的に堆積しないか堆積しても少量である。
したがって、入口部隔壁に白金のような耐熱性の低い触媒やPMが堆積すると触媒性能が低下するような触媒、例えばガスの無害化触媒、を担持することにより、DPF内でガスを無害化する場所とPMを捕集・再生する場所を分けることができ、触媒性能が長期間維持され、触媒寿命が長くなり、CDPFとして好適である。
【0037】
また、従来のCDPFでポストインジェクションを採用するシステムの場合には、DOC(Diesel oxidation catalyst)と呼ばれる通常運転時には排気ガス中のCOやHCを酸化させて無害化し、一方、ポストインジェクション時には未燃燃料分を酸化燃焼させてガス温度を上昇させる触媒をCDPFの前段に別途配置することが必要とされている。さらに、この場合にはDPFが複数になることからキャンニングが複雑になり、しかも占有空間もDPF複数分となり限られた車載空間の有効利用、設計の大きな障害となる。
【0038】
これに対して、本フィルタを採用すると、1つのDPF内にDOC触媒を取り込めるので本フィルタに流入する排ガスは入口側部分の隔壁に担持されたDOC触媒を通過した際に加熱され、その熱により出口側部分の隔壁でのPMの酸化燃焼が効率的になるほか、キャンニングも容易になり、さらに占有空間をコンパクトにできるため、設計の自由度がひろがり、性能向上、デザイン自由度の向上などの利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本フィルタのガス流れ方向の断面図。
【図2】本製造法において、セラミックスハニカムフィルタの一部をセラミックス粒子および/または熱処理後にセラミックス粒子となる金属粒子を含む分散液に浸漬した時の模式図。
【符号の説明】
1:入口部隔壁。
2:出口部隔壁。
3:排ガス入口。
4:排ガス出口。
5:封止材。
10:本フィルタ。
11:入口部隔壁。
12:出口部隔壁。
14:排ガス出口。
15:マスキング材。
16:分散液。
17:16を入れる容器。
20:本フィルタ。

Claims (9)

  1. 多孔質の隔壁で隔てられた、おおむね平行な複数の貫通孔を有するセラミックスハニカムフィルタであって、排ガス入口側部分の隔壁の平均細孔直径が排ガス出口側部分の隔壁の平均細孔直径の5〜75%であることを特徴とするディーゼルパティキュレートフィルタ。
  2. 前記排ガス入口側部分の隔壁の長さLは、フィルタの長さをLとするとき、L=0.1〜0.6Lである請求項1記載のディーゼルパティキュレートフィルタ。
  3. 前記排ガス入口側部分の隔壁の平均細孔直径が1〜7μmである請求項1または2記載のディーゼルパティキュレートフィルタ。
  4. 前記排ガス入口側部分の隔壁に触媒粒子を担持した請求項1、2または3記載のディーゼルパティキュレートフィルタ。
  5. 前記触媒が、白金、ロジウム、パラジウム、イリジウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、バナジウム、クロム、マンガン、セリウム、ランタンおよびイットリウムからなる群から選ばれる1種以上の単体、合金、酸化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、水酸化物、酢酸塩、リン酸塩、アンモニウム塩、シュウ酸塩、ハロゲン化物またはそれらの錯体である請求項4記載のディーゼルパティキュレートフィルタ。
  6. 多孔質の隔壁で隔てられた、おおむね平行な複数の貫通孔を有するセラミックスハニカムフィルタの一部分に、セラミックス粒子および/または熱処理後にセラミックス粒子となる金属粒子を含む分散液を付着させた後、800℃以上で熱処理することを特徴とするディーゼルパティキュレートフィルタの製造方法。
  7. 前記セラミックス粒子がセラミックスハニカムフィルタと同材質である請求項6記載のディーゼルパティキュレートフィルタの製造方法。
  8. 前記セラミックスハニカムフィルタが窒化ケイ素質ハニカムフィルタであり、前記分散液が窒化ケイ素粒子および/または金属ケイ素粒子を含む分散液である請求項6または7記載のディーゼルパティキュレートフィルタの製造方法。
  9. 前記熱処理が窒素雰囲気下で1200〜1800℃で保持する処理である請求項8記載のディーゼルパティキュレートフィルタの製造方法。
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