JP5115983B2 - 超臨界水熱合成法による有機修飾金属硫化物ナノ粒子の合成法 - Google Patents
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Description
こうした問題を解決する技術として、阿尻らは、超臨界水熱合成場が、有機修飾剤と原料水溶液との均一相を形成することに着目し、超臨界水中で反応を行えば、有機修飾を行いつつナノ粒子合成が可能であることを示してきた。本手法によれば、高温安定相も合成でき、また単に有機修飾剤が吸着しているのではなく、高温反応のため化学結合も生じている〔特許第3925932号(特許文献1)及び特許第3925936号(特許文献2)〕。しかし、超臨界合成できるナノ粒子系は、水の酸化力のため、金属酸化物系に限られてきた。
金属硫化物は、金属、金属酸化物と同様にナノ粒子化による特性発現が注目されており、機能性材料への応用が期待されている。しかし、現在提案されている金属硫化物ナノ粒
子の合成法は、少量の粒子合成に対して大量の有機溶媒を用いるものが多く環境負荷が懸念される。そこで、水を溶媒とする環境適合型の合成法の開発が望まれている。
し、さらにその反応場でチオールにより有機表面修飾する手法に成功した。かくして、本発明発明を完成した。例えば、本発明では、低環境負荷媒質である水を利用し、硫黄源と表面修飾剤の存在下で金属硫化物ナノ粒子の合成を実現することに成功している。
〔1〕亜臨界又は超臨界水でのナノ粒子合成法であり、ナノ粒子前駆体からナノ粒子を合成する反応場に、有機修飾剤、及び、硫黄源又は硫化水素源あるいは硫化水素を共存せしめて、ナノ粒子合成反応及びナノ粒子表面修飾反応を行い、生成ナノ粒子の表面に有機基が結合している金属硫化物ナノ粒子を得ることを特徴とする表面修飾金属硫化物ナノ粒子の合成法。
〔2〕硫黄源又は硫化水素源が水溶液状態及び/又はガス状態で反応場に供給されるものであることを特徴とする上記〔1〕に記載の表面修飾金属硫化物ナノ粒子の合成法。
〔3〕硫黄源又は硫化水素源が、チオ尿素、硫黄と水素、硫黄化合物と水素、硫黄とメタン、水硫化アルカリ金属、硫化アルカリ金属、及びそれらの混合物からなる群から選択されたものであることを特徴とする上記〔1〕又は〔2〕に記載の表面修飾金属硫化物ナノ粒子の合成法。
〔4〕ナノ粒子合成反応が、温度及び/又は圧力が二成分系臨界点以上で行われることを特徴とする上記〔1〕〜〔3〕のいずれか一に記載の表面修飾金属硫化物ナノ粒子の合成法。
〔5〕金属硫化物ナノ粒子の合成反応場に有機修飾剤を同時共存させるかあるいは金属硫化物ナノ粒子の合成直後に有機修飾剤を反応場に導入することを特徴とする上記〔1〕〜〔4〕のいずれか一に記載の表面修飾金属硫化物ナノ粒子の合成法。
〔6〕ナノ粒子表面修飾反応を、200℃以上の温度で行うことを特徴とする上記〔1〕〜〔5〕のいずれか一に記載の表面修飾金属硫化物ナノ粒子の合成法。
〔7〕有機修飾剤が、チオール類、チオカルボン酸類、アミン類、亜チオフォスフォン酸及びその誘導体から選択されたものであることを特徴とする上記〔1〕〜〔6〕のいずれか一に記載の表面修飾金属硫化物ナノ粒子の合成法。
〔8〕有機修飾剤が、チオール類から選択されたものであることを特徴とする上記〔1〕〜〔7〕のいずれか一に記載の表面修飾金属硫化物ナノ粒子の合成法。
〔9〕上記〔1〕〜〔8〕のいずれか一記載の合成法で合成された、ナノ粒子の表面に有機基が化学結合している金属硫化物ナノ粒子であって、TEM及び/又はXRDデータに基づいた表面修飾金属硫化物ナノ粒子の平均粒子径が、1〜50nmであることを特徴とする表面修飾金属硫化物ナノ粒子。
〔10〕ナノ粒子の表面と修飾有機基との結合が、有機修飾剤の沸点よりも高い温度で安定で強い結合であることを特徴とする上記〔9〕に記載の表面修飾金属硫化物ナノ粒子。
〔11〕上記〔9〕又は〔10〕に記載の表面修飾金属硫化物ナノ粒子を半導体として含有することを特徴とする半導体材料組成物。
〔12〕上記〔9〕又は〔10〕に記載の表面修飾金属硫化物ナノ粒子を蛍光体として含有することを特徴とする蛍光体材料組成物。
〔13〕上記〔9〕又は〔10〕に記載の表面修飾金属硫化物ナノ粒子を触媒として含有することを特徴とする触媒材料組成物。
本発明のその他の目的、特徴、優秀性及びその有する観点は、以下の記載より当業者にとっては明白であろう。しかしながら、以下の記載及び具体的な実施例等の記載を含めた本件明細書の記載は本発明の好ましい態様を示すものであり、説明のためにのみ示されているものであることを理解されたい。本明細書に開示した本発明の意図及び範囲内で、種々の変化及び/又は改変(あるいは修飾)をなすことは、以下の記載及び本明細書のその他の部分からの知識により、当業者には容易に明らかであろう。本明細書で引用されている全ての特許文献及び参考文献は、説明の目的で引用されているもので、それらは本明細書の一部としてその内容はここに含めて解釈されるべきものである。
のような高い密度と、気体のような高い拡散性を併せ持つ。水の場合、臨界点は374℃・22.1MPaである。この臨界点付近では、図1のBに示すように誘電率が大きく変化する。また、超臨界水は、気体、有機物と均一相を形成することが可能である。このような特性を利用し粒子合成を行う手法に超臨界水熱合成法がある。すなわち、超臨界水中では次のような反応により金属酸化物が生成する。
修飾」が可能となる。これにより生成した粒子を凝集させることなく回収でき、その後の取り扱いも容易になる。また、粒子表面の有機物の種類により有機溶媒に分散する粒子を合成することも可能である。さらに、in-situでの表面修飾であるため、有機物は粒子の
成長にも関与できる。有機物の粒子表面への修飾により、結晶成長を阻害し粒径を制御することが可能である。また、結晶面ごとの修飾のしやすさの違いから形状の制御を行えることもわかっている。
)、臨界圧力22.064MPa(218気圧)であるが、臨界温度以下の温度でも圧力が臨界圧力をはるかに越えるような状態が存在する。例えば、オートクレーブ(耐圧容器)に対する充填率が高ければ、臨界温度以下の温度でも圧力は臨界圧力をはるかに越える。ここでいう超臨界状態とはこのような臨界圧力を越えた状態を含んでいてよい。反応混合物は一定容積(容器容積)内に封入されているので、温度上昇は、流体の圧力を増大する。一般に、温度TはT>Tc(Tc:溶媒の臨界温度)および圧力P>Pc(Pc:溶媒の臨界圧力)であれば、超
臨界状態にある。反応混合物はある程度高圧にされた後、一定容積(容器容積)内に封入され、次いで、温度上昇せしめられて、流体の圧力が増大するようにされていてよい。実際に、溶媒中に導入された原料の溶解度は、亜臨界条件と超臨界条件との間で極めて異なるので、超臨界条件では、ナノ粒子の十分な成長速度が得られる。反応時間は、特に、原料ナノ粒子前駆体の反応性、有機修飾剤の反応性および熱力学的パラメーター、即ち、温度および圧力の数値に依存する。
、次に高温にするといったものの、いずれであってもよい。
る場合には約275℃であり、さらに好ましくは約300℃で、より好ましくは約350℃であり
、上限として、通常、約800℃、好ましくは約650℃、さらに好ましくは約550℃、より好
ましくは約500℃、ある場合には約450℃が挙げられ、そして該反応場の温度範囲は上記したような上限と下限の範囲内とすることが望ましい。代表的な場合では、オートクレーブ内の温度範囲は、約200〜475℃で、好適な結果を得ることができるし、別の場合では約250〜450℃で、好適な結果を得ることができ、さらには、約350〜425℃で、好適な結果を得ることができる。上記温度範囲は、目的とするナノ粒子の種類、組成に応じて選択することも可能である。当該オートクレーブ内の温度範囲は、金属硫化物ナノ粒子を得る場合では、例えば、約250〜450℃、好ましくは約250〜425℃、さらに好ましくは約270〜400℃で、半導体ナノ粒子を得る場合では、例えば、約200〜450℃、好ましくは約250〜400℃、さらに好ましくは約275〜375℃で、より好ましくは約300〜375℃で、蛍光体ナノ粒子を得る場合では、例えば、約200〜475℃、好ましくは約225〜450℃、さらに好ましくは約250〜425℃で、より好ましくは約275〜400℃で、さらに、部分的に水熱合成反応も利用してナノ粒子を得る場合では、より高温域とし、例えば、約300〜550℃、好ましくは約325〜525℃、さらに好ましくは約340〜500℃、より好ましくは約350〜475℃とすることができる。
通常500MPa、好ましくは400MPa、特に好ましくは200MPaに保持することができるが、これらに限定されるものではなく、上記密封条件下で所定の温度に昇温することで得られるものであり且つ目的の反応が生起するものであれば特に限定されない。
反応用出発混合物中のナノ粒子前駆体と硫黄源又は硫化水素源あるいは硫化水素との比率は、所望のナノ粒子生成物が得られるよう、適宜、実験を行うなどして決定でき、特には限定されないが、例えば、そのナノ粒子前駆体: 硫黄源又は硫化水素源の比率を、モル比で、約1:1,000〜約1,000:1、好ましくは約1:250〜約250:1、さらに好ましくは約1:100
〜約100:1、ある場合には約1:50〜約50:1であり、さらに好ましくは、約1:25〜約25:1、
より好ましくは約1:15〜約15:1、もっと好ましくは約1:5〜約5:1とすることができる。反応用出発混合物中のナノ粒子前駆体:有機修飾剤との比率は、所望のナノ粒子生成物が得
られるよう、適宜、実験を行うなどして決定でき、特には限定されないが、例えば、そのナノ粒子前駆体: 有機修飾剤の比率を、モル比で、約1:1,000〜約1,000:1としたり、約1:100〜約100:1としたり、約1:50〜約50:1としたり、約1:25〜約25:1としたり、約1:10〜約10:1としたり、約1:5〜約5:1としたり、約1:2〜約2:1としたりしてもよい。
所定の温度に達した後の反応時間については、目的とするナノ粒子の種類、用いる原料、硫黄源(硫化水素源を包含する)、有機修飾剤の種類、製造するナノ粒子の大きさや量によっても異なるが、通常、数分間から数時間とすることができる。反応中、反応温度は一定にしてもよいし、徐々に昇温または降温させることもできる。所望のナノ粒子を生成させるための反応時間を経た後、降温させる。降温方法は特に限定されないが、ヒーターの加熱を停止してそのまま炉内にオートクレーブを設置したまま放冷してもかまわないし、オートクレーブを電気炉から取り外して空冷してもかまわない。必要であれば、冷媒を用いて急冷することもできる。本発明の方法では、反応時間、前駆体: 硫黄源(硫化水素源を包含する)の比率、修飾基に存在する炭素鎖の長さ、反応温度などのパラメーターを変えることで、100nm以下の粒子サイズのナノ粒子を、それぞれ得ることができる。5〜50
nmの幅を有する球状ナノ粒子や、立方状(キューブ状)、直方体状、棒状、あるいは、
ワイアー状ナノ粒子を得ることもでき、さらに、均一な大きさのキューブ状ナノ粒子を取得することもできる。
ナノ粒子前駆体を含有する溶液は、所望のナノ粒子合成を可能とするように、適宜、その液のpHを調整しておくことも可能であるし、ある場合には好ましい。なお、原料に由来するその他の不可避的な不純物元素を含有することは許容される。
ヒ素(As)-第16族のテルル(Te)の線を境界としてその線上にある元素並びにその境界より
、長周期型周期表において左側ないし下側にあるものが挙げられ、例えば、第8, 9, 10族の元素(鉄族元素及び/又は白金族元素)では、Fe, Co, Ni, Ru, Rh, Pd, Os, Ir, Ptなど、第11族の元素(銅族元素)では、Cu, Ag, Auなど、第12族の元素(亜鉛族元素)では、Zn, Cd, Hgなど、第13族の元素(アルミニウム族元素)では、B, Al, Ga, In, Tlなど
、第14族の元素(炭素族元素)では、Si, Ge, Sn, Pbなど、第15族の元素では、As, Sb, Biなど、第16族の元素では、Te, Poなど、そして第1〜7族の元素などが挙げられる。第7
族の元素(マンガン族元素)では、Mn, Tc, Reなど、第6族の元素(クロム族元素)では
、Cr, Mo, Wなど、第5族の元素(土酸金属元素)では、V, Nb, Taなど、第4族の元素(チタン族元素)では、Ti, Zr, Hf など、第3族の元素(希土類元素を含む)では、Sc, Y,
ランタノイド(例えば、La, Ce, Pr, Nd, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Yb, Luなど)、アクチノイド(Ac, Thなど)、ミッシュメタルなど、第2族の元素では、Be, Mg, Ca, Sr,
Ba など、第1族の元素では、Li, Na, K, Rb, Csなどが挙げられる。なお、元素の周期律表は、IUPC (International Union of Pure and Applied Chemistry) 無機化学命名法改
訂版(1989)に基づくものである。当該ナノ粒子は、単独でも、あるいは、複数の元素を含むものであってよい。また、ナノ粒子は、合金の硫化物であってもよく、その場合の合金では、上記の元素から選択されたものを二種以上含有するものが挙げられてよい。
硫化物又は複合金属硫化物が複合しているもの、(d)金属又は合金に金属硫化物又は複合
金属硫化物が分散しているナノ粒子、(e)金属硫化物又は複合金属硫化物に金属又は合金
が分散しているナノ粒子、(f) 金属酸化物ナノ粒子又は複合金属酸化物ナノ粒子に金属硫化物又は複合金属硫化物が複合しているもの、(g)金属酸化物又は複合金属酸化物に金属
硫化物又は複合金属硫化物が分散しているナノ粒子、(h)金属硫化物又は複合金属硫化物
に金属酸化物又は複合金属酸化物が分散しているナノ粒子、(i)金属硫化物又は複合金属
硫化物を含有する半導体化合物であるナノ粒子、(j)金属硫化物又は複合金属硫化物を含
有する蛍光体化合物であるナノ粒子、(k)金属硫化物又は複合金属硫化物を含有する触媒
化合物であるナノ粒子などを包含する。本発明のナノ粒子は、結晶ナノ粒子であるものも包含する。
該硫黄源は、亜臨界水又は超臨界水条件で還元性の硫黄供与体又は硫化水素を形成することのできるもの、及び/又は、亜臨界水又は超臨界水条件で金属硫化物からなるナノ粒子又は複合金属硫化物からなるナノ粒子の形成を可能とするものが挙げられる。硫黄源(硫化水素源)は、好適には、水溶液、及び/又は、ガス状のものを反応場に導入できるが、ガスと液体との混合物も使用可能である。代表的な硫黄源(硫化水素源)としては、HCSSH、CH3CSSH、メチルメルカプタン(MM)、硫化メチル(DMS)、二硫化メチル(DMDS)、チオ尿素、チオエタノール、チオエタノールアミンなどを含むチオール類などの有機硫黄化合物、水素(水素ガス)と液状硫黄を含む硫黄、CS2と水素、硫黄化合物と水素、硫黄とメタン、硫化ナトリウム(Na2S)などの硫化アルカリ金属、水硫化ナトリウム(NaSH)などの水硫化アルカリ金属、チオ硫酸ナトリウムなどの無機硫黄化合物、H2S、それらの混合物などが挙げられる。本発明の一つの好適な態様では、チオ尿素水溶液、CS2と水素とのガス状混合物などを使用できる。硫黄源(硫化水素源)は、予めナノ粒子前駆体含有の水性媒質に添加した後、その得られた混合物を反応場に添加するものであっても、あるいは、反応場に存在するナノ粒子前駆体含有の水性媒質の中に添加するものであってもよい。例えば、硫黄源(硫化水素源)として、(NH 2 )2CSを使用した場合、超臨界水条件でチオ尿素が次のように分解して硫化物粒子の合成が生起すると考えられる。
源との混合を行うことをしてもよく、好ましい場合がある。超臨界点以上で核形成と有機物(有機修飾剤)による修飾がなし得るように制御して(粒子生成を包含する)、粒子の大きさと形状を制御するようにすることは好ましい。
合を含むN原子を介した結合、金属-C-を介した結合、金属-C=を介した結合、金属-(C=S)-を介した結合、P原子を介した結合、-S-P-を介した結合、チオリン酸チオエステル結合、亜チオリン酸結合、チオフォスフォン酸結合、亜チオフォスフォン酸結合、チオフォスフィン酸結合、亜チオフォスフィン酸結合などの化学結合を形成することを許容するものが挙げられる。有機残基(有機分子残基)としては、特には限定されず、当該分野で知られたもの、及び/又は、有機合成の分野で知られたものが挙げられ、例えば、炭化水素基、あるいはそれを含有する基などが挙げられる。
飽和の複素環式基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン、チオカルボキシ基、チオエステル基、チオアシル基、チオアミド基、イミノ基、チオアシルアミノ基、-(C=S)-基、-CHS基、
チオエーテル基、-SH基、アミノ基、スルホニル基、スルフィド基、ジスルフィド基、ア
ジド基などが挙げられる。該置換基としては、-O-、-S-、-N-、-P-などの結合を含有するものを挙げることもできる。
本発明において、ナノ粒子合成の反応場に添加する有機修飾剤としては、生成されるナノ粒子に化学結合し、有機配位子として金属硫化物(複合金属硫化物)ナノ粒子の表面の少なくとも一部を覆うものであれば、特に限定されることはなく、例えば、当該分野で知られたものを使用できる。好適には、該修飾剤は、有機分子であり、形成するナノ粒子を安定化する作用のあるものを好適に使用できるし、高温高圧の水相で有機修飾剤として機能するものを好適に使用できる。
類としては、例えば、有機カルボン酸類などが挙げられる。該チオカルボン酸類としては、本発明の目的効果を著しく損なわない限り特に限定されない。該カルボン酸類としては、例えば、脂肪族カルボン酸類、脂環式カルボン酸類、芳香族カルボン酸類などが挙げられ、好適には脂肪族カルボン酸類から選択される。カルボン酸類の炭素数は、本発明の目的効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常5以上、ある場合には8以上、あるいは14以上、別の場合には16以上、また、通常24以下、好ましくは20以下、より好ましくは18以下であってよい。カルボン酸類としては、例えば、ヘキサン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、カプリル酸(オクタン酸)、カプリン酸、ラウリン酸、ベヘン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、リグノセリン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、バクセン酸、エイコセン酸、ステアリドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アラキドン酸、エルカ酸などが挙げられる。したがって、当該チオカルボン酸類としては、上記カルボン酸類の酸素原子を硫黄原子に置き換えたものと理解してよい。
、好ましくはその平均粒子径が 200 nm 以下のサイズのものを指し、また、好ましくは15
0 nm以下のサイズのものが挙げられる。ある場合には、該ナノ粒子は、その平均粒子径が100 nm以下のサイズのもの、また別の場合にはその平均粒子径が50 nm 以下のサイズのものであってよい。また好適な場合には、該ナノ粒子は、その平均粒子径が20 nm 以下のサイズのもの、また別の場合にはその平均粒子径が10 nm 以下のサイズのものあるいは5 nm以下のサイズのものであってよい。該ナノ粒子は、0.1〜50nmの粒子、1〜50nmの粒子、
好ましくは1〜25nmの粒子、さらに好ましくは1〜20nmの粒子、より好ましくは5〜20nmの粒子、さらにより好ましくは5〜10nmの粒子である。
は、2〜2.5 nmの粒子サイズのものであるものが得られる。本発明の手法で得られるナノ
粒子集団としては、1〜5nmの粒子、5〜10nmの粒子、10〜15nmの粒子、15〜20nmの粒子、20〜30nmの粒子、30〜50nmの粒子、1〜3nmの粒子、3〜5nmの粒子、5〜7nmの粒子、7〜10nmの粒子、10〜13nmの粒子、13〜16nmの粒子、16〜20nmの粒子、又は、20〜25nmの粒子であって、且つ、ナノ粒子集団の70%又はそれ以上、80%又はそれ以上、90%又はそれ以上、95%又はそれ以上が当該サイズのものとして含んでいるものが挙げられる。
DLS)で測定したその平均粒子径が9〜50nmのサイズ又はそれ以下のもの、好ましくはその平均粒子径が10〜40nmのサイズ又はそれ以下のもの、あるいは、X線回折(X-Ray Diffraction, XRD)で測定したその平均粒子径が25nmのサイズ又はそれ以下のもの、又は、15nmのサイズ又はそれ以下のものを指しているものでよい。さらに、該ナノ粒子は、XRDデータ
に基づいた有機修飾金属硫化物ナノ粒子の平均粒子径が、約5〜25nmであるもの、好まし
くは約7〜25nmであるもの、さらに好ましくは約8〜25nmであるもの、もっと好ましくは約8〜15nmであるものであってよい。ある場合には、該ナノ粒子は、その平均粒子径が15nm
以下のサイズのもの、また別の場合にはその平均粒子径が10 nm 以下のサイズのものであってよい。
粒子径の測定は当該分野で知られた方法によりそれを行うことができ、例えば、TEM、
吸着法、光散乱法(DLSを含む)、SAXSなどにより測定できる。TEMでは電子顕微鏡で観察するが、粒子径分布が広い場合には、視野内に入った粒子が全粒子を代表しているか否かに注意を払う必要がある。吸着法は、N2吸着などによりBET 表面積を評価するものである。
本発明の合成法では、金属硫化物からなるナノ粒子、2種以上の金属硫化物からなる複合金属硫化物ナノ粒子(例えば、二元系ナノ粒子、三元系ナノ粒子、四元系ナノ粒子、多元系ナノ粒子など)、半導体ナノ粒子、触媒ナノ粒子、蛍光体ナノ粒子、導電体ナノ粒子、顔料ナノ粒子などを、簡単な手法で、有利に、大量に、及び/又は、安価に、そして、均一に分散しているとか、均質なものといった高品質のものを製造できる。したがって、当該ナノ粒子を使用して、高度な性能を有する製品を製造することを可能にする。
合物、例えば、硫化アルミニウム(Al2S3)、硫化ガリウム(Ga2S3)、硫化インジウム(In2S3)など、周期表第12族元素とSとの化合物、例えば、硫化亜鉛(ZnS)、硫化カドミウム(CdS)、硫化水銀(HgS)など、周期表第15族元素とSとの化合物、例えば、硫化アンチモン(III)(Sb2S3)、硫化ビスマス(III)(Bi2S3)など、周期表第11族元素とSとの化合物、例えば、Cu2S、Ag2Sなど、周期表第4族元素、周期表第5族元素、周期表第6族元素、周期表第7族元素
及び周期表第8〜10族元素(鉄族元素及び白金族元素を含む)からなる群から選択されたも
のとSとの化合物、例えば、硫化モリブデン(IV)(MoS2)、硫化コバルト(II)(CoS)、硫化鉄(II)(FeS)、Fe2S、硫化ニッケル(NiS)など、周期表第2族元素とSとの化合物、例えば、硫化マグネシウム(MgS)など、さらには、カルコゲンスピネル類、例えば、CuCr2S4、CuIn2S2などが挙げられる。これらのうち、重要な半導体、蛍光体及び/又は触媒としては、例
えば、SnS2、SnS、PbS、Al2S3、Ga2S3、In2S3、ZnS、CdS、HgS、Sb2S3、Bi2S3、MgS、MgSe、Ag2S、MoS2、Co9S8、Ni3S2などである。
高い結晶性は、電子回折法、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope: TEM)、電界放射型透過電子顕微鏡(FE-TEM)、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope: SEM)、走査型透過電子顕微鏡(Scanning Transmission Electron Microscope: STEM)などの電子顕微鏡写真の解析、エックス線回折(XRD)、熱重量分析などにより確認できる。例えば、電子回折では、単結晶であれば回折干渉像としてドットが得られ、多結晶ではリング、そしてアモルファスではハローが得られる。電子顕微鏡写真では、単結晶であれば結晶面がしっかり出ており、粒子の上からさらに結晶が現れるような形状であれば、多結晶である。多結晶の一次粒子が小さく多くの粒子が凝集して二次粒子をつくっている場合球状になる。アモルファスであれば必ず球状である。エックス線回折では単結晶であればシャープなピークが得られる。Sherreの式を利用してX 線のピークの1/2 高さの幅から結晶子サイズを評価できる。該評価により得られた結晶子サイズが電子顕微鏡像から評価される粒子径と同一であれば、単結晶と評価される。
ていた水分の蒸発による重量減少が、また、さらに250℃程度までで粒子内からの脱水に
よる重量減少がみられる。有機物質を含む場合には、250〜400℃においてさらに大きな重量減少が観察される。本発明の技術で得られた粒子の場合、400℃まで昇温しても、結晶
内部からの脱水による重量減少は最大10% 以下であり、低温で合成されたナノ粒子の場合と大きく異なる。かくして、本発明にしたがって得られる有機修飾金属微粒子の微粒子の特徴としては、高い結晶性、例えば、X 線回折でシャープなピークを有している、電子線回折でドットあるいはリングが観察される、熱重量分析で結晶水の脱水が乾粒子あたり10% 以下、及び/又は電子顕微鏡写真で一次粒子が結晶面を持っているなどが挙げられる。
本発明のナノ粒子は、結合の強さが、熱重量分析において有機分子の沸点よりも高く、熱分解温度と同程度以上である。
ナノ粒子やナノ粒子を特定の配列で有する薄膜はそれぞれ特有の優れた特性を示すことが認められている。例えば、ナノ粒子を単層配列したものでは、緻密化充填を可能にし、優れた機能を示すことが知られており、電子材料などに使用されて優れた特性を示し有用である。また,分散系パターンに配列されたものでは、例えば、ナノ蛍光体などでは,量子サイズ効果が得られることから、量子効果蛍光体、量子効果発光体、LSI高密度実装基
盤などの製品を提供できる。ナノ粒子を多層同時配列したようなものでは、低光散乱や光触媒効果など優れた機能を示し、湿式光電変換素子、高機能光触媒コーティングなどとなる。粒子分散膜では、補強効果や難燃効果など優れた機能を持つものが提供でき、半導体封止剤などにできる。
本発明で得られるナノ粒子は、ユーザーニーズに適合した粒子として機能する。例えば、半導体パッケージング用高濃度ナノ粒子分散樹脂、インクジェット用ナノ粒子分散インク、電池材料、触媒材料、潤滑剤などとして有用である。
イロン6、ナイロン12などのポリアミド樹脂などが挙げられる。本発明の有機修飾金属硫
化物ナノ粒子は、樹脂、金属、ゴムなどの各種バインダーと混練され、成形されることもできる。成形物は、必要に応じて、硬化せしめられて製品とされてもよい。また、当該有機修飾金属硫化物ナノ粒子をバインダーと混練せしめ塗料化し、これをプラスチック樹脂などからなる基体に塗布し、必要に応じて、硬化せしめて金属含有層を形成し、塗布型半導体、塗布型蛍光体、塗布型触媒などとしてもよい。さらに、当該有機修飾金属硫化物ナノ粒子は、焼結体、セラミックの製造に使用することも可能である。
本発明で得られた有機修飾金属硫化物ナノ粒子は、様々な特有の優れた性状・特性・機能を示す、且つ、ユニークな光学特性、触媒特性などを持つ機能性材料である。該有機修飾金属硫化物ナノ粒子は、導電性、半導体特性、磁性、誘電性、触媒特性などの幅広い範囲で優れた特性を示すので、半導体材料、蛍光体材料として有用で、有機材料との複合化によって、高屈折率材料等の産業・工業材料として有用である。
以下に実施例を掲げ、本発明を具体的に説明するが、この実施例は単に本発明の説明のため、その具体的な態様の参考のために提供されているものである。これらの例示は本発明の特定の具体的な態様を説明するためのものであるが、本願で開示する発明の範囲を限定したり、あるいは制限することを表すものではない。本発明では、本明細書の思想に基づく様々な実施形態が可能であることは理解されるべきである。
全ての実施例は、他に詳細に記載するもの以外は、標準的な技術を用いて実施したもの、又は実施することのできるものであり、これは当業者にとり周知で慣用的なものである。
亜臨界および超臨界水を利用した金属酸化物や金属の合成から得られた知見をもとに、Zn,Cd,Fe,Mn,Niの硫化物の合成を試みた。また、表面修飾の有無の確認を行った。
粒子合成実験は、次のようにして行った。本実験では金属源として金属酢酸塩を用いた。金属塩は、それぞれ
酢酸カドミウム二水和物(Cd(CH3COO)2・2H2O、和光純薬工業株式会社、98.0%)
酢酸亜鉛二水和物(Zn(CH3COO)2・2H2O、和光純薬工業株式会社、99.0%)
酢酸マンガン(II)四水和物(Mn(CH3COO)2・4H2O、和光純薬工業株式会社、99.0%)
酢酸鉄(II)(Fe(CH3COO)2、和光純薬工業株式会社、93.00%)
酢酸ニッケル(II)四水和物(Ni(CH3COO)2・4H2O、和光純薬工業株式会社、99.9%)
である。
硫黄源としてはチオ尿素((NH 2 )2CS、和光純薬工業株式会社、98.0%)を用い、修飾剤としては1-ドデカンチオール(C12H25SH、和光純薬工業株式会社、98.0%)を用い、溶媒としては精製水(大和薬品株式会社)、メタノール(CH3OH、和光純薬工業株式会社、99.8%)、トルエン(C6H5CH3、和光純薬工業株式会社、99.5%)を用いた。
本実験は回分式反応器を用いて行った。回分式反応器(株式会社AKICO製)の模式図を図2に示す。ボディはハステロイ製、キャップはインコネル製、内容積は5mLである。
ール600μLをAr雰囲気下で反応器に封入した。予め400℃に加熱した振とう式電気炉(株
式会社AKICO製)に反応器を投入し、昇温を開始させた。10min後、冷水に浸すことにより反応を停止した。反応後、水およびメタノールを用いて粒子を反応器から回収し、遠心分離機にかけ沈殿物を得た(10100rpm、20min)。その後、沈殿物にエタノールを加え、遠
心をかける操作(同条件)を2回行うことにより沈殿物に付着した未反応の試薬を取り除
いた。
得られた粒子は、X線回折装置(XRD、理学電機工業株式会社製RINT-2000)により組成と結晶子径を、透過型電子顕微鏡(TEM、JEOL製JEM-1200EXII)により粒子の大きさと形
状を評価した。表面修飾状態はフーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR、日本分光製、FT/IR-680Plus、ATR PRO400-S)と有機相への分散により評価した。
〔XRDによる評価〕
得られた粒子のXRDパターンを図3に示す。CdS, ZnS, MnS, FeS, NiSが生成しているのが確認できた。半値幅からscherrerの式で計算した結晶子径はそれぞれ、80nm, 40nm, 90nm,70nm,90nmであった。ほぼすべての金属を硫化物にすることに成功した。
〔TEMによる評価〕
得られた粒子のTEM像を図4に示す。すべての系で粒子の生成が確認できた。ナノ粒子
であることが確認できた。大きさと形状は不ぞろいで、凝集も見られた。
〔表面修飾状態の評価〕
粒子の表面修飾状態は、FT-IRおよび有機相への分散で評価した。
(FT-IR測定結果)得られた粒子のFT-IRスペクトルを図5に示す。2800〜3000cm-1のC-H
伸縮振動と1460cm-1近傍のC-H変角振動から、すべての系で粒子が修飾されていることが
確認できた。また、CdSの2000cm-1近傍のピークはC=C=N伸縮振動であり、チオ尿素の分解物が付着したものと考えられる。
(有機相への分散)有機相と水相間における粒子の分散性を確認した。水-トルエン中に
本粒子を分散させた様子を図6に示す。上層が有機相(トルエン)で、下層が水相である。粒子が見づらいものについてはレーザーをあてた。図6の写真中、上層が曇っていることや、レーザーの軌跡が確認できることから、CdS, ZnS, FeS, NiSの粒子は有機基で
修飾されており、有機相に分散したことが確認できた。一方、MnS粒子は一部が有機相に
分散したものの、多くは水相に分散した。粒子の大部分が有機相に分散したのは、修飾剤の炭素鎖が粒子の有機溶媒への親和性を向上させたためと考えられる。
以上より、超臨界水中でのZnS, CdS, FeS, MnS, NiSのナノ粒子の合成に成功した。ま
た、修飾の程度はそれぞれ異なるものの、実験を行ったすべての系で表面修飾に成功した。
本実施例では、反応条件を変えることによって修飾状態が変化するかを調べるため、硫化亜鉛について、修飾した粒子、未修飾の粒子、温度条件を変えて修飾した粒子を合成し、評価を行った。実験は次のようにして行った。修飾剤無添加、400℃での粒子合成と修飾剤添加、300℃及び400℃での粒子合成で比較した。
(1)修飾剤無添加、400℃での粒子合成では、金属源として酢酸亜鉛二水和物(Zn(CH3COO)2・2H2O、和光純薬工業株式会社、99.0%)を用い、硫黄源としてチオ尿素((NH 2 )2CS、和光純薬工業株式会社、98.0%)を用いた。
(2)修飾剤添加、300℃及び400℃での粒子合成では、金属源として酢酸亜鉛二水和物(Zn(CH3COO)2・2H2O、和光純薬工業株式会社、99.0%)を用い、硫黄源としてチオ尿素((NH 2 )2CS、和光純薬工業株式会社、98.0%)を用い、修飾剤として1-ドデカンチオール(C12H25SH、和光純薬工業株式会社、98.0%)を用いた。
装置および実験操作は実施例1と同様である。
得られた粒子はFT-IRにより修飾の有無を、有機相への分散実験により有機相への親和性向上の程度を、TEMにより凝集の様子を評価した。
〔FT-IR測定結果〕
FT-IRスペクトルを図7に示す。400℃修飾粒子では、2800〜3000cm-1のC-H伸縮振動と1460cm-1近傍のC-H変角振動が確認できる。300℃修飾粒子では、2800〜3000cm-1のC-H伸縮振動は確認できるが、1460cm-1近傍のC-H変角振動はノイズにまぎれて確認できない。400℃未修飾粒子では、どちらのピークも存在しない。300℃、400℃とも、修飾剤を添加した場合は修飾されていることがわかる。また、ピークの強度から、300℃より400℃のほうがよく修飾されていることが示唆される。
〔有機相への分散〕
次に有機相と水相間における粒子の分散性を確認した。水-トルエン中に合成した粒子を分散させた様子を図8に示す。図中の上層が有機相(トルエン)で、下層が水相である。レーザーをあてて、チンダル現象を見ることで粒子の存在を確認した。
400℃で修飾した粒子は有機相でチンダル現象が確認でき、400℃未修飾の粒子は水相でチンダル現象を確認した。このことから400℃で修飾した粒子は表面が疎水性を示し、有機相へ分散したと考えられる。また、300℃で修飾した粒子は一部有機相に分散したが、多くは水相に分散した。この結果はFT-IRスペクトルからも確認したように、
400℃未修飾粒子<300℃修飾粒子<400℃修飾粒子
の順でよく修飾されていると考えることができる。
それぞれの条件で合成したときの粒子のTEM像を図9に示す。300℃修飾粒子、400℃未修飾粒子はすべての粒子が凝集しているが、400℃修飾粒子は一部粒子間に数nmの隙間が確認できる。これは粒子表面に修飾した有機物が存在し、それにより粒子同士が接触しないためと考えられる。これらの結果も、これまでの結果と同様に400℃修飾粒子が良好に修飾されていることを示している。300℃修飾した粒子は、400℃で合成したものより大きかった。原因としては、粒子の成長速度の違いやチオ尿素の分解速度の違い、溶媒の水の誘電率の違いなどが考えられる。また、400℃の修飾粒子と未修飾粒子を比べてみると、修飾による粒子の大きさ、形状の変化は見られなかった。
以上より、400℃の修飾粒子、未修飾粒子の比較から、本実験条件で修飾剤は、凝集抑制と有機相への親和性向上に効果を示したが、粒子の大きさと形状の制御には効果を示していないと考えられる。修飾が粒子成長段階に影響していないことから、修飾は粒子合成後に起こっていると考えられる。また、300℃より400℃のほうがより修飾されやすいことがわかった。これは、400℃では均一相を形成するため、300℃で気体、有機物(有機化合物、修飾剤)、水が3相となる場合よりも粒子と有機物が接触する頻度が多くなるためと考えられる。
本実施例では、硫化物粒子の生成機構検討のため、反応経過で生成する粒子の組成変化を調べた。また、本反応場で酸化物から硫化物が生成する可能性を考慮し、酸化物を原料として硫化物の合成を行った。反応経過を調べるための粒子合成と、酸化物を原料とした硫化物の合成とを行った。実験は次のようにして行った。
反応経過を調べるための粒子合成では、金属源として酢酸亜鉛二水和物(Zn(CH3COO)2・2H2O、和光純薬工業株式会社、99.0%)を用い、硫黄源としてチオ尿素((NH 2 )2CS、和光純薬工業株式会社、98.0%)を、修飾剤として1-ドデカンチオール(C12H25SH、和光純薬工業株式会社、98.0%)を用いた。
酸化物を原料とした硫化物の合成では、金属源として酸化亜鉛(ZnO、高純度化学研究所、99.999%)を用い、硫黄源としてチオ尿素((NH 2 )2CS、和光純薬工業株式会社、98.0%)を用いた。
装置は実施例1と同様である。反応経過を調べるための粒子合成については、反応時間を1min,2min,3min,5minとし、その他の操作は実施例1と同様に行った。得られた粒子はXRDにより組成を、TEMにより粒子の大きさと形状を、FT-IRにより修飾の程度を評価した。
酸化物を原料とした硫化物の合成については、酸化亜鉛粉末0.0203gとチオ尿素水溶液2.5mLを空気中で反応器に封入した。酸化亜鉛粉末の亜鉛量は実施例1での実験と同量になるようにした。反応時間を3min,10minとし、その他の操作は実施例1と同様に行った。
得られた粒子はXRDにより組成を調べた。
〔各反応時間による生成物の変化〕
(XRDによる評価)
生成物のXRDパターンを図10に示す。10 minの結果は実施例1で合成した粒子のもの
である。どの反応時間でも酸化物はほとんど生成していない。反応時間1 minでも粒子は
得られており、ZnSのアモルファスである。このアモルファスは、反応時間が経過するご
とにZnSの結晶へと変化している。ピークの位置から格子定数を算出すると、反応時間10 minの生成物の格子定数が5.4Åであり、文献値のZnSの値と一致した。ピークの形が左右
非対称であることから、5 minではまだ結晶化の途中である。また、主な生成物は閃亜鉛
鉱型のZnSであるが、27°付近のピークはウルツ鉱型のZnSのピークである。
(TEMによる評価)
TEM像を図11に示す。1 minでは形状のはっきりした粒子は見つからなかった。2 min
では10〜30nmの粒子が生成している。3 minでは、10nm〜凝集体と見られる100nmの粒子が確認できた。5 minでは、20nm〜凝集体と見られる500nmの粒子が確認できた。10 minでは、30nm〜凝集体と見られる500nmの粒子が確認できた。どの反応時間でも粒子の大きさに
バラつきが見られるが、時間が経過するごとに粒子が大きくなっている様子が確認できる。
生成物のFT-IRスペクトルを図12に示す。2800〜3000cm-1のC-H伸縮振動と1460cm-1近傍のC-H変角振動から修飾剤の存在を確認すると、1min,10minの粒子では、はっきりと修飾剤の存在を確認できる。2min,3min,5minの粒子では2800〜300Ocm-1のピークは確認できるが、1460cm-1近傍のピークはノイズにまぎれており、修飾剤の存在量は少ない。なお、1minの2000〜2150cm-1のピークはチオ尿素およびチオ尿素と平衡にあるチオシアン酸アンモニウムに由来する。
XRDの結果から、1minでは生成物はアモルファスであり、チオ尿素が取り込まれていることからも、反応中または回収中に修飾剤が取り込まれたと推測できる。2〜5minについては、ZnSの結晶が生成してアモルファスが減るために修飾剤の存在量が減っている。この時点では修飾はまだ行われていない。その後、5〜10minの間に修飾が行われ、10minのようなC-H由来のピークがあらわれる。
(酸化物を原料とした硫化物合成の結果)
XRDの結果を図13に示す。反応時間3 minで硫化物の生成が始まっている。10 minで酸化物のほとんどが硫化された。酢酸塩を原料とした硫化亜鉛ナノ粒子の合成の場合、超臨界水熱法で生成する酸化物はナノ粒子であること、酸化物を経ずに硫化される亜鉛があることから、10 minですべての粒子を硫化できると考えられる。
酸化物と硫化物の平衡定数に関しては、以下のような平衡を仮定して、400℃での平衡
定数を算出した。
〔H2S〕=1.0×10-4mol/L
したがって、わずかでもH2Sが過剰に存在する場合、硫化物のほうが安定となる。これ
は、今回の実験結果と一致する。10 minでほとんどの酸化亜鉛が硫化されていることから、本反応場ではこのように酸化物を速やかに硫化することが可能であり、十分なH2S供給
により硫化物のみを得ることが可能であることが示唆される。
とチオ尿素(0.2〜0.4 M)を溶解させた水溶液およびドデカンチオールを回分式反応器に封入した。チオ尿素は高温(200℃以上)で分解してH2Sを発生する。試薬の封入はArガスで置換したグローブボックス内で行った。続いて、反応器を振とう式電気炉に入れ、400℃で10分間反応を行い、水冷して反応を停止した。水、メタノールで粒子を回収し、遠心分離
した。その後、メタノールで粒子を洗浄し、未反応の試薬や分解物を除いた。生成物はX
線回折, FT-IR, TEMで評価した。いずれの場合も金属硫化物が安定に生成した。また、粒子径はいずれも数10 nmであった。Feについて、チオ尿素0.2 M添加した場合はFeSのみが
生成し、チオ尿素0.4 M添加した場合はFeS, FeS2が生成した。供給するH2S量により組成
を変化させることが可能であるとわかった。チオールの効果については、チオールを用いない場合は粒子が水相に分散したのに対し、チオールを用いた場合は粒子が有機溶媒中に安定に分散した。これはチオールがこれらの硫化物と結合し、粒子の有機溶媒との親和性を向上させたためと考えている。このことはナノ粒子の回収に関しても、有機溶媒による抽出が可能であり、大量合成プロセスにおける分離についても有利であることを示唆している。
以上より、超臨界水熱法を用いてCdS, ZnS, MnS, FeS, NiSなどのナノ粒子の合成およ
びin-situでの表面修飾に成功した。また、修飾による有機相への親和性向上も確認した
。
本発明は、前述の説明及び実施例に特に記載した以外も、実行できることは明らかである。上述の教示に鑑みて、本発明の多くの改変及び変形が可能であり、従ってそれらも本件添付の請求の範囲の範囲内のものである。
Claims (13)
- 亜臨界又は超臨界水でのナノ粒子合成法であり、ナノ粒子前駆体からナノ粒子を合成する反応場に、
有機修飾剤、及び、硫黄源又は硫化水素源あるいは硫化水素
を共存せしめて、ナノ粒子合成反応及びナノ粒子表面修飾反応を行い、生成ナノ粒子の表面に有機基が結合している金属硫化物ナノ粒子を得ることを特徴とする表面修飾金属硫化物ナノ粒子の合成法。 - 硫黄源又は硫化水素源が水溶液状態及び/又はガス状態で反応場に供給されるものであることを特徴とする請求項1に記載の表面修飾金属硫化物ナノ粒子の合成法。
- 硫黄源又は硫化水素源が、チオ尿素、硫黄と水素、硫黄化合物と水素、硫黄とメタン、水硫化アルカリ金属、硫化アルカリ金属、及びそれらの混合物からなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面修飾金属硫化物ナノ粒子の合成法。
- ナノ粒子合成反応が、温度及び/又は圧力が二成分系臨界点以上で行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一に記載の表面修飾金属硫化物ナノ粒子の合成法。
- 金属硫化物ナノ粒子の合成反応場に有機修飾剤を同時共存させるかあるいは金属硫化物ナノ粒子の合成直後に有機修飾剤を反応場に導入することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一に記載の表面修飾金属硫化物ナノ粒子の合成法。
- ナノ粒子表面修飾反応を、200℃以上の温度で行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一に記載の表面修飾金属硫化物ナノ粒子の合成法。
- 有機修飾剤が、チオール類、チオカルボン酸類、アミン類、亜チオフォスフォン酸及びその誘導体から選択されたものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一に記載の表面修飾金属硫化物ナノ粒子の合成法。
- 有機修飾剤が、チオール類から選択されたものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一に記載の表面修飾金属硫化物ナノ粒子の合成法。
- 請求項1〜8のいずれか一記載の合成法で合成された、ナノ粒子の表面に有機基が化学結合している金属硫化物ナノ粒子であって、TEM及び/又はXRDデータに基づいた表面修飾金属硫化物ナノ粒子の平均粒子径が、1〜50nmであることを特徴とする表面修飾金属硫化物ナノ粒子。
- ナノ粒子の表面と修飾有機基との結合が、有機修飾剤の沸点よりも高い温度で安定で強い結合であることを特徴とする請求項9に記載の表面修飾金属硫化物ナノ粒子。
- 請求項9又は10に記載の表面修飾金属硫化物ナノ粒子を半導体として含有することを特徴とする半導体材料組成物。
- 請求項9又は10に記載の表面修飾金属硫化物ナノ粒子を蛍光体として含有することを特徴とする蛍光体材料組成物。
- 請求項9又は10に記載の表面修飾金属硫化物ナノ粒子を触媒として含有することを特徴とする触媒材料組成物。
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