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JP5106990B2 - パンツ型使い捨ておむつ、及び使い捨て吸収性物品における伸縮部構造 - Google Patents

パンツ型使い捨ておむつ、及び使い捨て吸収性物品における伸縮部構造 Download PDF

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Description

本発明は、パンツ型使い捨ておむつ、及び使い捨て吸収性物品における伸縮部構造に関するものである。
例えば、パンツ型使い捨ておむつでは、図1及び図2に示すように、フィット機能を付加させるため、伸縮部として腹及び腰回りにシャーリングを形成する場合がある(例えば、特許文献1参照)。このシャーリングは、外装シートを構成する複数枚の通気・撥水性の不織布間に、糸ゴム等の細長状弾性部材を複数本伸張させた状態で挟み、弾性部材と外装シートとをホットメルト等の接着剤で固定することにより形成されるものである。
このようなシャーリング形成方法としては、オンラインで弾性部材若しくは外装シートのどちらか一方、又は弾性部材及び外装シートの両方にホットメルト等の接着剤を塗布し、その後、弾性部材を挟み込んだ状態でニップすることにより固着させるのが一般的である(例えば特許文献2〜4参照)。
また、外装シートと弾性部材とを機械的に挟み潰した状態で固定する技術も提案されている(特許文献5参照)。
特開2002−172132号公報 特開2000−26015号公報 特開2002−273808号公報 特開2004−229857号公報 特開2004−330777号公報
しかしながら、従来のシャーリングでは、弾性部材の全体が外装シートに対して移動しないように固定されていたため、ある程度広範囲の胴回り寸法に対してフィットするとはいえ、装着者の胴回りが太いほど弾性部材による締め付け力が強く作用するという問題点があった。
そこで、本発明の主たる課題は、胴回りの締め付け力を装着者の体型に合わせて調節できる技術を提供することにある。
上記課題を解決した本発明は、次のとおりである。
<請求項1記載の発明>
少なくとも胴回り部を有し、且つ胴回り部に内側層と外側層とを張り合わせた部分を有する外装シートと、
この外装シートの身体側に、幅方向中央に沿って設けられた、対象物を吸収し保持する内装体と、
前記胴回り部における前記内側層と外側層との間に、細長状弾性部材が胴回り方向に沿って伸張した状態で複数本平行に設けられており、
前記内側層と外側層とが、各前記細長状弾性部材の幅方向両側で各前記細長状弾性部材を介さずに接合されて接合部が形成されており、
各前記細長状弾性部材は、その幅方向一方側の接合部と幅方向他方側の接合部との間に挟まれて固定されている、パンツ型使い捨ておむつであって、
各前記細長状弾性部材は、一端部が前記外装シートに対して移動不可能に固定されるとともに、この一端部を除く他端側部分の全体前記外装シートに対して移動可能とされこの他端側部分における前記接合部間に位置する部分が前記接合部間において前記一端部方向に移動可能な状態で挟持固定され、この挟持固定部分を含む前記他端側部分の全体が、前記胴回り部における前記挟持固定部分と対応する伸縮領域の胴回り方向の伸張により、その伸張度合いに応じた距離だけ前記一端部側に引き込まれるとともに、この他端側部分における前記接合部間に位置する部分が前記接合部間に挟持固定されるように構成されており、
装着に際して前記胴回り部を広げたとき、胴回り部における伸縮領域が伸張し、その伸張度合いに応じた距離だけ前記細長状弾性部材の他端側部分の全体が一端部側に引き込まれるとともに、この他端側部分における前記接合部間に位置する部分が前記接合部間に挟持固定されることによって、装着者の体型に合うように、胴回りの自然長が拡大するとともに、装着時の前記細長状弾性部材の伸張量が低減するように構成されている、
ことを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。
(作用効果)
本発明は、細長状弾性部材がその幅方向両側における内側層及び外側層の接合部間に挟まれることにより、外装シートに対して摩擦力により固定される構造を基本とするものである。その上で、本発明では、細長状弾性部材の一端部が外装シートに対して移動不可能に固定されるとともに、この一端部を除く他端側部分のうち接合部間による挟持固定部分が、胴回り部における挟持固定部分と対応する伸縮領域の胴回り方向の伸張により、その伸張度合いに応じた距離だけ一端部側に引き込まれて固定されるようになっていることを特徴とする。このような構造を有するおむつでは、装着に際して手でおむつの胴回りを広げたときや、おむつを胴に通すことによりおむつの胴回りが広がるとき、胴回り部における伸縮領域が伸張し、その伸張度合いに応じた距離だけ細長状弾性部材が一端部側に引き込まれて固定されることを利用して、胴回りの自然長(胴回り方向に伸張も伸縮もしていない非伸縮状態における長さ)を拡大することにより、装着時の細長状弾性部材の伸張量を低減し、細長状弾性部材による締め付け力(引張応力)を装着者の体型に合わせて弱めることができる。しかも、この胴回りの自然長の拡大は個々の細長状弾性部材を有する部位において個別に行うことができるため、胴回りの締め付け力を上下方向の各部位において個別に調節することもできる。
<請求項2記載の発明>
前記伸縮領域を未伸張状態から最大伸張長さまで引き伸ばした後に非伸縮状態まで戻したときの伸張可能率が、前記伸縮領域の未伸張状態における伸張可能率の0.6〜0.95倍となるように構成されている、請求項1記載のパンツ型使い捨ておむつ。
(作用効果)
胴回り部の伸張により細長状弾性部材が引き込まれる程度は適宜定めることができるが、通常の場合、本項記載の程度であるのが好ましい。ここで、伸張可能率とは、伸縮領域の自然長に対する伸縮領域の最大伸張長さの比を意味し、下記式(1)により表されるものである。なお、伸縮領域の自然長とは、伸縮領域が胴回り方向に伸張も伸縮もしていない非伸縮状態における胴回り方向の長さを意味するものであり、伸縮領域の最大伸張長さとは、胴回り方向に最大まで伸張させた状態の長さを意味し、伸縮領域における外装シートの胴回り方向の素材長さに等しいものである。
伸張可能率 = 最大長 / 自然長 × 100 ・・・(1)
<請求項3記載の発明>
前記胴回り部は、幅方向中央部が前記挟持固定部分を有しない非伸縮領域とされるとともに、この非伸縮領域の幅方向両側に位置する両側部が前記伸縮領域とされており、
各伸縮領域の前記細長状弾性部材は、各伸縮領域における幅方向外側の端部から幅方向中央側の端部まで延在されるとともに、各伸縮領域における幅方向外側の端部が前記外装シートに対して移動不可能に固定されている、
請求項1又は2記載のパンツ型使い捨ておむつ。
(作用効果)
パンツ型使い捨ておむつにおいては、胴回り部のうち内装体と重なる部分において細長状弾性部材を切断する等により、幅方向中央部を非伸縮領域とし、その両側を伸縮領域とする形態が一般的となっている。このような形態に対して本発明の細長状弾性部材の引き込み構造を適用する場合、本項記載のような構造を採用するのが好ましい。本項記載のように、各伸縮領域の細長状弾性部材は、各伸縮領域における幅方向外側の端部から幅方向中央側の端部まで延在されるとともに、各伸縮領域における幅方向外側の端部が前記外装シートに対して移動不可能に固定されていると、おむつ装着に際して伸縮領域を伸張したときには、各細長状弾性部材が幅方向中央側から外側の端部に向かって引き込まれる(ずれる)。また、細長状弾性部材の幅方向中央側の端部が伸縮領域内に位置しているため、幅方向中央側に位置する接合部間から順に細長状弾性部材が引き抜かれ、伸縮領域の幅(細長状弾性部材の挟持固定部分の幅)が狭まる。その結果、本項記載の発明では、伸縮領域の伸張可能率のみならず、伸縮領域の胴回り方向の長さが短くなることも加わって、胴回りの自然長が拡大し、装着時の細長状弾性部材による締め付け力を体型に合わせて弱くすることができる。
<請求項4記載の発明>
前記胴回り部は、幅方向中央部が前記挟持固定部分を有しない非伸縮領域とされるとともに、この非伸縮領域の幅方向両側に位置する両側部が前記伸縮領域とされており、
各伸縮領域の前記細長状弾性部材は、各伸縮領域における幅方向外側の端部から幅方向中央側の端部を通り越して前記非伸縮領域内まで延在されるとともに、各伸縮領域における幅方向外側の端部が前記外装シートに対して移動不可能に固定されている、
請求項1又は2記載のパンツ型使い捨ておむつ。
(作用効果)
前項記載の発明のように、細長状弾性部材の幅方向中央側の端部を伸縮領域内に位置させ、伸縮領域の縮小をも利用すると、締め付け力を低下できるものの、細長状弾性部材の引き抜きにより非伸縮領域となった部分は身体表面形状に対するフィット性が低下する。本項記載の発明はこの問題点を解決するものである。本項記載のように、各伸縮領域の細長状弾性部材は、各伸縮領域における幅方向外側の端部から幅方向中央側の端部を通り越して非伸縮領域内まで延在されるとともに、各伸縮領域における幅方向外側の端部が前記外装シートに対して移動不可能に固定されていると、おむつ装着に際して伸縮領域を伸張したときには、各細長状弾性部材が幅方向中央側から外側の端部に向かって引き込まれる(ずれる)。この際、細長状弾性部材の幅方向中央側の端部が非伸縮領域内に突出していると、この突出部分が引き込み代として予め確保されているため、細長状弾性部材のうち伸縮領域内に位置する部分が幅方向中央側から外側の端部に向かって引き込まれたとしても、非伸縮領域に位置する部分が伸縮領域に引き込まれて接合部間に挟まり固定され、伸縮領域の胴回り方向長さが維持されるようになる。その結果、本項記載の発明では、伸縮領域の幅(細長状弾性部材の挟持固定部分の幅)が狭まることなく、伸縮領域の伸張可能率のみによって胴回りの自然長が拡大し、装着時の細長状弾性部材による締め付け力を体型に合わせて弱くすることができる。
<請求項5記載の発明>
内側層と外側層との間に、細長状弾性部材がその長手方向に沿って伸張した状態で設けられてなる、使い捨て吸収性物品における伸縮部構造において、
前記内側層と外側層とが、前記細長状弾性部材の幅方向両側で前記細長状弾性部材を介さずに接合されて接合部が形成されており、
前記細長状弾性部材は、その幅方向一方側の接合部と幅方向他方側の接合部との間に挟まれて固定されており、
前記細長状弾性部材は、一端部が前記外装シートに対して移動不可能に固定されるとともに、この一端部を除く他端側部分の全体前記外装シートに対して移動可能とされこの他端側部分における前記接合部間に位置する部分が前記接合部間において前記一端部方向に移動可能な状態で挟持固定され、装着に際して、この挟持固定部分を含む前記他端側部分の全体が、前記挟持固定部分と対応する伸縮領域の前記細長状弾性部材の長手方向伸張により、その伸張度合いに応じた距離だけ前記細長状弾性部材の他端側部分の全体が前記一端部側に引き込まれるとともに、この他端側部分における前記接合部間に位置する部分が前記接合部間に挟持固定され、それによって装着者の体型に合うように、前記細長状弾性部材の挟持固定部分における前記細長状弾性部材の長手方向の自然長が拡大するとともに、装着時の前記細長状弾性部材の伸張量が低減するように構成されている、
ことを特徴とする、使い捨て吸収性物品における伸縮部構造。
(作用効果)
本項記載のように、上述した本発明の細長状弾性部材の引き込みによる自然長の調整は、パンツ型使い捨ておむつのシャーリングのみならず、他の使い捨て吸収性物品における伸縮部構造にも適用することができる。例えば、パンツ型の紙おむつにおけるバリヤーカフス、ガスケットカフス等の伸縮部の他、テープ式の紙おむつのウエストギャザーやバリヤーカフス、ガスケットカフス、伸縮テープ等の伸縮部にも適用でき、また、ナプキン等をも含む吸収性物品一般のバリヤーカフス、ガスケットカフスなどの伸縮部にも適用できる。
以上のとおり、本発明によれば、胴回りの締め付け力を装着者の体型に合わせて調節できる等の利点がもたらされる。
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しつつ詳説する。
図1〜図9は、本発明に係るパンツ型の使い捨ておむつを示している。このパンツ型使い捨ておむつは、装着者の胴回りのうち腹側を覆う腹側外装シート12Fと背側を覆う背側外装シート12Bとを有しており、腹側外装シート12Fの幅方向両側縁の接合部12Aと背側外装シート12Bの幅方向両側縁の接合部12Aとが、ヒートシールや超音波溶着等により接合されて筒状の胴回り部100が形成されるように構成されている。図示形態のように、背側外装シート12Bが接合部12Aよりも下側に延出している場合には、この部分までを含む上下方向範囲に一体的にヒートシール等の加工を施し、背側延出部14に延出接合部12Eを設けることができる。本実施形態では、これら接合部12A及び延出接合部12Eにより、後述する各細長状弾性部材15〜19の幅方向外側の端部が外装シート12F,12Bに対して移動不可能に固定される。
また、胴回り部100における腹側外装シート12Fの幅方向中央部内面に内装体200の前端部がホットメルト接着剤等により連結されるとともに、背側外装シート12Bの幅方向中央部内面に内装体200の後端部がホットメルト接着剤等により連結されている。図示例では、腹側外装シート12Fと背側外装シート12Bとが股間側で連続しておらず、離間されているが、離間せずに一体になっていてもよい。離間する場合は、この離間距離Yは150〜250mm程度とすることができる。
図8及び図9からも判るように、胴回り部100の上部開口は、装着者の胴を通すウエスト開口部WOとなり、内装体200の幅方向両側において胴回り部100の下縁および内装体200の側縁によりそれぞれ囲まれる部分が脚を通す脚開口部LOとなる。各接合部12Aを剥がして展開した状態では、図1に示すように砂時計形状をなす。内装体200は、背側から股間部を通り腹側までを覆うように延在するものであり、排泄物を受け止めて液分を吸収し保持する部分であり、胴回り部100は内装体200を装着者に対して支持する部分である。
(外装シート)
腹側外装シート12F及び背側外装シート12Bは、図4及び図5にも示すようにそれぞれ不織布等からなる内シート(内側層)1A及び外シート(外側層)1Bを貼り合せてなり、胴回りに対するフィット性を高めるために、両シート1A,1B間に糸ゴム等の細長状弾性部材15〜19が胴回り方向に沿って伸張した状態で固定されているものである。
内シート1A及び外シート1Bとしては不織布を好適に用いることができる。不織布は、その原料繊維が何であるかは特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。不織布の坪量は10〜30g/m2程度とするのが好ましい。また、シート1A,1Bとしては不織布に限られず、熱溶着や超音波溶着にて固着できるものであれば、ポリエチレン樹脂等からなるフィルムを用いることもでき、不織布とフィルムとを組合せて用いることもできる。
各細長状弾性部材15〜19としては、弾性を備え、かつ取り囲む不織布とともに張力がかかった状態で固定できるものであれば、公知の素材を用いることができる。材質としては、天然ゴム、ポリウレタン、ブロックポリエーテルアミド、ブロックポリエーテルエステル、ポリウレタン尿素、弾性ポリオレフィン、熱可塑性スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン(SEBS)、水素添加スチレン−ブタジエン−ゴムならびにこれらと他のポリマー、例えばポリスチレンまたはポリオレフィンとの混合物を基礎とするエラストマー等を用いることができる。また、セグメント化されたポリエステルもしくはポリエーテルウレタン−尿素からの弾性糸も使用できる。弾性部材2の太さは、任意に設定できる。また、断面形状は円形だけでなく、楕円、矩形、その他の幾何学的形状など、自由に選択できる。
より詳細には、背側外装シート12Bは、接合部12Aと同じ上下方向範囲を占める背側本体部13と、この背側本体部13の下側に延出する背側延出部14とを有している。背側延出部14は、内装体200と重なる幅方向中央部14Mと、その両側に延出した臀部カバー部14Cとを有している。
背側延出部14の形状は適宜定めることができるが、図示例では、背側延出部14の上端部は、背側本体部13と同幅で背側本体部13の下側に延出されており、その下側は股間側に近づくにつれて幅が狭められている。背側本体部13と同幅の部分は省略することもできる。このように構成されていると、臀部カバー部14Cの幅方向外側の縁14eが、股間側に近づくにつれて内装体200側に近づくような直線状または曲線状をなすようになり、臀部を覆い易い形状となる。
背側延出部14の寸法は適宜定めることができるが、図6に示すように、臀部カバー部14Cの幅方向長さ14x(臀部カバー部14Cの幅方向外側の縁14eと内装体200の側縁との幅方向の最大離間距離)が80〜160mmであり、臀部カバー部14Cの上下方向の長さ14y(延出長さ)が30〜80mmであると、より好ましい。また、背側延出部14の幅方向に最も広い部位と上下方向に最も広い部位により定まる四角形の面積をSとすると、背側延出部14の面積はSに対して20〜80%、特に40〜60%程度であると、臀部の外観および装着感に優れるため、好ましい。
背側本体部13は、上下方向において概念的に上端部(ウエスト部)Wと、これよりも下側の下側部分Uとに分けることができ、その範囲は製品のサイズによって異なるが、一般に、上端部Wの上下方向長さは15〜80mm、下側部分Uの上下方向長さは35〜220mmとすることができる。
背側本体部13の上端部(ウエスト部)Wには、幅方向全体にわたり連続するように、複数の背側ウエスト部弾性部材17が上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸張率で幅方向に沿って伸張された状態で固定されている。また、背側本体部13の下側部分Uにおいては、幅方向中央を基準としてその幅方向両側の各部位に、各部位の幅方向全体にわたり連続するように、複数の第1の細長状弾性部材15が上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸張率で幅方向に沿って伸張された状態で固定されている。また、背側延出部14においては、幅方向中央を基準としてその幅方向両側の各部位に、各部位の幅方向全体にわたり連続するように、複数の第2の細長状弾性部材16が上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸張率で幅方向に沿って伸張された状態で固定されている。
一方、腹側外装シート12Fは背側外装シート12Bの背側本体部13と基本的に同様の腹側本体部(接合部12Aと同じ上下方向範囲を占める部分)のみからなるものであり、胴回り方向に沿って延在する矩形状をなし、背側外装シート12Bのような背側延出部14を有していないものである。すなわち、腹側外装シート(腹側本体部)12Fの上端部(ウエスト部)Wおよび下側部分Uのうち、上端部Wには、幅方向全体にわたり連続するように、複数の腹側ウエスト部弾性部材18が上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸張率で幅方向に沿って伸張された状態で固定されている。また、腹側外装シート12F(腹側本体部)の下側部分Uにおいては、内装体200と重なる幅方向中央部を除いて、その上側および幅方向両側の各部位に、幅方向全体にわたり連続するように、複数の第3の細長状弾性部材19が上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸張率で幅方向に沿って伸張された状態で固定されている。第3の細長状弾性部材19の上下方向配設範囲は、下側部分の一部としても良いが、実質的に全体(全体に伸縮力が作用する範囲)とするのが好ましい。
なお、図示例は、第1〜第3の細長状弾性部材15,16,19を伸張した状態で腹側及び背側外装シート12F,12Bの幅方向全体にわたり取り付け、全体の伸張力を解放して外装シート12F,12Bを弛緩させ、すなわちシートが伸張も収縮もしていない非伸縮状態として、おむつの幅方向中央線CLに沿って弾性部材15,16,19を切断する形態を示している。図では左右両側の弾性部材15,16,19はおむつの幅方向中央側の端部が突き合わさり、間隔が殆ど無いが、弾性部材15,16,19の切断端部は伸張力が開放されて所定の距離だけ移動し、左右両側の弾性部材15,16,19間に適宜の間隔(例えば内装体200と重なる部分の幅程度)を形成することができる。
各細長状弾性部材15〜19の太さは適宜定めることができるが、ウエスト部弾性部材17,18では、155〜1880dtex、特に470〜940dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)とするのが好ましく、第1〜第3の細長状弾性部材15,16,19では、太さ155〜1880dtex、特に470〜940dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)とするのが好ましい。
各細長状弾性部材15〜19の本数及び間隔も適宜定めることができるが、ウエスト部弾性部材17,18は4〜12mmの間隔で3〜22本程度設けるのが好ましく、第1の細長状弾性部材15及び第3の細長状弾性部材19は1〜15mm、特に3〜8mmの間隔で5〜30本程度設けるのが好ましく、第2の細長状弾性部材16は5〜40mm、特に5〜20mmの間隔で2〜10本程度設けるのが好ましい。
特徴的には、内シート1Aと外シート1Bとが、第1〜第3の細長状弾性部材15,16,19の幅方向両側で当該弾性部材を挟まずに接合されて接合部3が形成されており、各弾性部材15,16,19は、その幅方向一方側の接合部3と幅方向他方側の接合部3との間に挟まれて摩擦力のみで固定されている。そのため、第1〜第3の細長状弾性部材15,16,19をその長手方向に伸張させ、直径の減少により両シート1A,1Bに対する摩擦力を低下させていくと、第1〜第3の細長状弾性部材15,16,19の弾性収縮力が摩擦力を超えたときに、第1〜第3の細長状弾性部材15,16,19が内シート1A及び外シート1Bから開放されて収縮移動する(つまり、引き込みが発生する)。よって、装着に際して手でおむつの胴回りを広げたときや、おむつを胴に通すことによりおむつの胴回りが広がるときにこのような引き込みが適切に発生するように予め設計しておくことで、この引き込み現象を利用して、胴回りの自然長(胴回り方向に伸張も伸縮もしていない非伸縮状態における長さ)を拡大することにより、装着時の弾性部材15,16,19の伸張量を低減し、弾性部材による締め付け力(引張応力)を装着者の体型に合わせて弱めることができる。接合部3による固定構造については製造方法の項で詳細に説明する。
特に本実施形態では、腹側外装シート12F及び背側外装シート12Bの各々において、幅方向中央部(内装体200と外装シート12F,12Bとが重なる領域)が、接合部3,3を有しない非伸縮領域X2とされるとともに、この非伸縮領域X2の幅方向両側に位置する両側部が接合部3,3間による弾性部材15,16,19の挟持固定部分と対応する伸縮領域X1とされている。
図12に示す形態では、弾性部材15,16,19は伸縮領域X1と非伸縮領域X2との境界近傍で切断され、各伸縮領域X1の弾性部材15,16,19は、幅方向外側の端部のみが接合部12A及び延出接合部12Eにより移動不可能に固定されているため、各弾性部材15,16,19は幅方向中央側から外側の端部に向かって引き込まれる(ずれる)。よって、各伸縮領域X1の弾性部材15,16,19が、各伸縮領域X1における幅方向外側の端部から幅方向中央側の端部までしか延在していない場合には、引き込みの際、幅方向中央側に位置する接合部3,3間から順に弾性部材15,16,19が引き抜かれ、伸縮領域X1の幅(弾性部材15,16,19の挟持固定部分の幅)が狭まる。その結果、伸縮領域X1の伸張可能率のみならず、伸縮領域X1の胴回り方向の長さが短くなることも加わって、胴回りの自然長が拡大し、装着時の弾性部材15,16,19による締め付け力を体型に合わせて弱くすることができる。
しかしこの場合、弾性部材15,16,19の引き抜きにより非伸縮領域X2となった部分は身体表面形状に対するフィット性が低下するため、図8及び図9に示す形態や、図10に示す形態のように、各伸縮領域X1の弾性部材15,16,19が、非伸縮領域X2の内側で切断され、各伸縮領域X1における幅方向外側の端部から幅方向中央側の端部を通り越して非伸縮領域X2内まで(例えばおむつの幅方向中央部まで)延在しているのが好ましい。この場合、図11に示すように、各弾性部材15,16,19のうち非伸縮領域X2内に突出している部分が引き込み代として予め確保されていることになり、弾性部材15,16,19のうち伸縮領域X1内に位置する部分が幅方向中央側から外側の端部に向かって引き込まれたとしても、非伸縮領域X2に位置する部分が伸縮領域X1に引き込まれて接合部3間に挟まり固定され、伸縮領域X1の胴回り方向長さが維持されるようになる。よって、伸縮領域X1の幅の縮小によるフィット性の低下を防ぎつつ、伸縮領域X1の伸張可能率のみによって胴回りの自然長が拡大し、装着時の弾性部材15,16,19による締め付け力を体型に合わせて弱くすることができる。なお、図11及び図12は、おむつの胴回り部を伸張して弾性部材15〜19を引き込ませた後に、胴回りの伸張を開放して収縮させた状態を示しているものである。
また、第1〜第3の細長状弾性部材15,16,19の幅方向外側の端部が本実施形態では、接合部12A及び延出接合部12Eにより、後述する外装シート12F,12Bに対して移動不可能に固定されるが、別途ホットメルト接着剤等を用いて固定することもできる。この場合、胴回り方向の固定幅をより広くし、引き込みが発生しない部分を伸縮領域X1の一部に形成することができる。例えば、おむつの幅方向中央から左右70mmの範囲内に位置する伸縮領域X1では弾性部材15,16,19の引き込みが発生するように構成し、その左右両側では弾性部材15,16,19をホットメルト接着剤等を用いて固定し、引き込みが発生しないように構成することができる。
一方、ウエスト部弾性部材17,18は所定の伸張率で伸張した状態で内シート1Aと外シート1Bとの間にホットメルト接着剤等の公知の手段により固定されており、第1〜第3の細長状弾性部材15,16,19のような引き込みは発生しない。もちろん、ウエスト部弾性部材17,18についても、その一部又は全部について、第1〜第3の細長状弾性部材15,16,19と同様の固定構造を採用することもできる。このように本発明の引き込みが発生する弾性部材は、複数の弾性部材の一部とすることができる。
各細長状弾性部材15〜19が設けられた部分の伸張可能率は適宜定めることができる。伸張可能率は、弾性部材15〜19をどの程度伸張した状態で内シート1A及び外シート1Bに固定するかによって調節することができるものである。通常の場合、ウエスト部Wの伸張可能率は150〜400%、特に220〜320%程度とするのが好ましい。一方、第1の細長状弾性部材15を有する部分の伸張可能率は未伸張状態(未使用状態)で200〜350%、特に240〜300%程度とするのが好ましく、第2の細長状弾性部材16を有する部分は未伸張状態で150〜300%、特に180〜260%程度とするのが好ましく、第3の細長状弾性部材19を有する部分の伸張可能率は未伸張状態(未使用状態)で150〜350%、特に180〜300%程度とするのが好ましい。
また、第1〜第3の細長状弾性部材15,16,19において、引き込みの発生に必要な胴回りの伸張量や引き込み量については適宜定めることができるが、伸縮領域X1を未伸張状態から最大伸張長さまで引き伸ばした後に非伸縮状態まで戻したときの伸張可能率が、伸縮領域X1の未伸張状態における伸張可能率の0.6〜0.95倍、好ましくは0.7〜0.9倍となるように構成されているのが好ましい。この伸張可能率の引き伸ばし前後での変化割合は、弾性部材15,16,19の素材や太さ、内シート1A及び外シート1Bの素材や坪量、厚み、接合部3の間隔やパターンを適宜変更することにより調節することができる。より具体的には、内シート1A及び外シート1Bとして先に例示した範囲の不織布を用いる場合において、第1〜第3の細長状弾性部材15,16,19として、先に例示した範囲の太さのものを用い、先に例示した範囲の伸張可能率となるように固定する場合、第1の細長状弾性部材15の両側の接合部3の間隔3dは非伸張状態での弾性部材の幅(糸ゴムの場合は糸径)の0.46〜0.52倍程度とし、第2の細長状弾性部材16の両側の接合部3の間隔3dは非伸張状態での弾性部材の幅(糸ゴムの場合は糸径)の0.50〜0.58倍程度とし、第3の細長状弾性部材19の両側の接合部3の間隔3dは非伸張状態での弾性部材の幅(糸ゴムの場合は糸径)の0.46〜0.58倍程度とすることにより、上記の範囲の、伸張可能率の引き伸ばし前後での変化割合を達成することができる。
他方、これらの弾性部材15,16,19のように、ある程度広範囲にわたり延在させる場合、図8及び図9に示すように、弾性部材15,16,19の長手方向(MD方向)における接合部3の間隔が局所的に拡大する部分を間欠的に設ける(つまり前述の配置・間隔で形成された多数の接合部3からなる基本領域44と、間隔拡大領域45とを、弾性部材15,16,19の長手方向(MD方向)に交互に形成する)と、伸縮性が向上するとともに接合部3の面積が減少するため、より柔らかな風合い及びより高い通気性が得られるようになる。
この間隔拡大領域45を有する形態において、弾性部材15,16,19を多数並設する場合、各弾性部材15,16,19の接合部3による固定部分の長手方向(MD方向)位置が異なると、弾性部材2の収縮により形成される皺が不規則になり、見栄えの悪い凹凸表面が形成されてしまう。よって、図6及び図9に示すように、弾性部材15,16,19の長手方向(MD方向)における接合部3による固定部分の位置を揃えるのが好ましい。具体的には、並設された弾性部材15,16,19を縦断する細長状の基本群領域44と、並設された弾性部材15,16,19を縦断する間隔拡大領域45とを弾性部材15,16,19の長手方向(MD方向)に交互に形成する。これにより、きれいな皺(襞)のシャーリングが形成されるようになる。基本領域44の幅(両端に位置する接合部3の中心間距離)W44は2〜10mm程度であるのが好ましく、3〜5mm程度であるのがより好ましい。隣接する基本領域44の中心間隔DCTは5〜20mm程度であるのが好ましい。さらに、DCT/2≧W44の関係を満たすとより好ましい。
このように構成されていると、風合いと通気性が向上するだけでなく、規則的に形成される皺(襞)を、弾性部材15,16,19の引き込みの程度を知る目印とすることも可能である。特に、図12に示す形態のように、弾性部材15,16,19が、引き伸ばし前の状態において切断端部が伸縮領域X1と非伸縮領域X2との境界近傍に位置するように切断されていると、引き込みの開始位置がわかりやすいため、引き込みの程度を容易にかつ正確に把握することができる。また、図11に示す形態のように、各伸縮領域X1の弾性部材15,16,19が、非伸縮領域X2の内側で切断されている場合でも、引き伸ばし前の状態において、弾性部材15,16,19上の伸縮領域X1と非伸縮領域X2との境界近傍の位置に印が付されていると、引き込みの程度を容易にかつ正確に把握することができる。印を付与する方法としては、例えば弾性部材15,16,19を挟んだ上体の外装シート12F,12Bの外面に印刷を施し、インクが浸透して弾性部材に印が付与される方法を採用できる。この場合の印刷パターンは、伸縮領域X1と非伸縮領域X2との境界線上にあるいは境界線と平行に、線状あるいは点線状の印刷をインク等にて施すのが好ましいが、内シート1A及び/又は外シート1Bと、弾性部材15,16,19の両方に印が付与されるため、図形や絵柄からなる印刷パターンとしても、シートと弾性部材の印刷のずれで引き込みの程度を知ることができる。
また、図10に示すように、間隔拡大領域45を設けずに、基本領域44を弾性部材15,16,19の長手方向(MD方向)全体にわたり連続的に設けることもできる。
(外装シートにおける弾性部材の固定方法)
上述した第1〜第3の細長状弾性部材15,16,19の固定構造は、例えば図13に示す装置により形成することができる。すなわち、図13は伸縮部形成装置の例を示しており、超音波振動源5と、この超音波振動源5に連結され、超音波振動源5からの振動振幅を増大させるホーン6と、このホーン6に対向配置されたアンビルロール7と、を備えている。超音波振動源5は加圧アーム(図示せず)に固定されており、高さ調節が可能となっている。また、アンビルロール7の前後には、連続シート4の弛み等の防止ためのガイドロール8,9が配設されている。連続シート4は、内シート(内側層)1Aと外シート(外側層)1Bとの間に、平行に並べた複数の弾性部材2,2…(前述の第1〜第3の細長状弾性部材15,16,19に相当する)が挟みこまれた状態で、ホーン6とアンビルロール7との間に通される。なお、図では上部に内シート1A、下部に外シート1Bが位置しているが、下部に内シート1A、上部に外シート1Bを位置させてもよい。
アンビルロール7の外周面の一部には、図14に示すように、超音波溶着の溶着面となる複数の突起7A,7A…が形成されており、これらの突起7A,7A…間には所定の深さを有する溝が形成されている。連続シート4がホーン6とアンビルロール7との間に通される際、図14及び図15に示すように、ホーン6とアンビルロール7の突起7Aとにより、弾性部材2の幅方向両端部近傍で内シート1Aと外シート1Bとが挟まれて溶着(この溶着部は本発明の接合部に相当するものであり、以下では接合部3という、また溶着部が形成された領域を接合領域という)されるとともに、突起7Aと突起7Aとの間に形成された溝部分では内シート1Aと外シート1Bが溶着されずに、溝内の両シート間に弾性部材2が固定されずに収まるようになる。弾性部材2は溝に収まっているので、張力のかかった弾性部材2は突起7とホーン6によって挟まれることはない。これにより、この連続シート4上に、伸縮領域X1に対応する接合領域と、非伸縮領域X2に対応する非接合領域が形成される。
続いて、この連続シート4を弛緩させ、弾性部材2の張力を開放させた後、図18に示すように、伸縮領域X1(接合領域)の間に位置する非伸縮領域X2(非接合領域)において弾性部材2を切断する。図15に示すように、連続シート4に弛みが無く弾性部材2に張力がかけられた状態で弾性部材2を切断して張力を開放すると(ノーテンション)、図16に示すように、弾性部材2が収縮により拡径しながら引き込む過程の伸張状態で、内シート1Aと外シート1Bとの接合部3により幅方向両側から挟まれ、それ以上引き込まないように固定されるが、切断に先立って連続シート4を弛緩させ、図16に示すように内シート1A及び外シート1Bと一緒に収縮している状態で弾性部材2を切断すると、切断しても引き込みが起こらない。そして、切断後に適当な程度シートを引き伸ばせば、その伸張度合いに応じた距離だけ弾性部材2が引き込まれて固定されるようになる。これにより、使用時に必要に応じて伸張量を低減し、弾性部材による締め付け力を弱めることができる伸縮シートが得られる。さらに、このように接合部3,3間によって弾性部材2を幅方向に挟んで固定すると、接着剤を使用することなく、内外シート1A,1Bとの摩擦力のみによって弾性部材2が固定されるようになるため、弾性部材2の接着剤による劣化を防止することができる。さらに、弾性部材2が接着されていないことにより、通気性や柔らかさを向上させることができる。さらに、素材自体を溶かして接着するため、ホットメルトの変動費を低減できると共に、ホットメルトに起因するマシントラブルを防止することができる。超音波溶着に代えて、ヒートエンボスによる熱溶着を用いても同様の利点がもたらされる。
図18に示す形態では、非伸縮領域と対応する範囲に対して多数の細かな凸部によりヒートエンボス加工を施して切断する場合を想定しているが、非伸縮領域と対応する範囲に対して多数の細かな切り込みを部分的に入れる方法も採用することができる。このような弾性部材2の切断方法は特許文献3に示されているように公知の方法であるため、詳細な説明は省略する。このような細かな凸部によるヒートエンボス加工により弾性部材2を切断する場合は、シート1Aと1Bとの貼り合わせは、非伸縮部においては弾性部材2を切断するためのヒートエンボスによりなされ、伸縮領域においては弾性部材2を挟持固定するための溶着によりなされるため、伸縮領域にも非伸縮領域にも接着剤を用いる必要が無く、特に好ましい。ただし、切断された弾性部材2の端部の引き込みによる移動距離を考慮して、接合部3の配置範囲と切断部位との間に中間領域を設けると、引き込み代を確保することができるため、前述した図8及び図9に示す形態や、図10及び図11に示す形態を製造することができる。この場合、特許文献2に示されているような、非伸縮部の中央において一本または複数本の凸条によりヒートエンボス加工を施して切断する方法を用いるのが好ましい。
上記製造方法において、アンビルロール7の幅方向(軸方向)の突起7Aと突起7Aとの間隔7cdは、弾性部材2の幅方向両側の接合部3の間隔3dに等しいものであり、図14に示すように、長手方向に張力をかけた伸張状態の弾性部材2の幅(断面外径)2wよりも広くされる。
上述の例では伸縮領域X1に対応する領域のみに突起7Aを設けたが、非伸縮領域X2に対応する領域おいても突起7Aを設けて、内シート1Aと外シート1Bとを溶着固定してもよい。ただし、この場合は、非伸縮領域X2に対応する領域においては、突起7Aと突起7Aとの間隔が、弛緩状態の弾性部材2の幅(断面外形)2wよりも広くなっていないと、非伸縮領域X2でも弾性部材2が固定されてしまうため、望ましくない。
突起7A,7A…間の溝は、弾性部材2が突起によって挟まれないように、弾性部材2を収めるためのものである。したがって、隣接する溝の間隔は連続シート4における隣接する弾性部材2,2…の配置間隔と一致しており、溝幅は伸張状態の弾性部材2の幅よりも広くされている。また、突起7A,7A…間の溝の深さ(突起7A〜7Cの高さ)は、弾性部材2が収まる深さで、かつ連続シート4がたるみ過ぎない程度の深さであればよいが、溝幅と同様の寸法にあることが望ましい。具体的には、溝の深さは伸張状態の弾性部材2の断面外径寸法の0.9〜1.2倍が好ましい。最も好ましいのは1.0〜1.1倍の範囲である。1.0倍より小さいと弾性部材2を保持する力は強くなるが、弾性部材2全体が溶着してしまう恐れがある。また、溝の深さが非伸張時の弾性部材2の断面外径寸法よりも大きくなるのは好ましくない。シート1A,1Bが不織布のようにCD方向(アンビルロールの軸方向)に歪みやすい性質をもつものである場合、溝が深すぎると、シート1A,1Bが挟圧時に伸ばされて歪んでしまい、弾性部材2を挟持する力が十分に得られなくなるおそれがある。
弾性部材2の固定前の伸張率は固定状態の伸張率よりも高ければ良く、接合部3のCD方向間隔や弾性部材2の幅を考慮し、弾性部材2に対してどの程度の摩擦力を発揮させるかによって適宜定めることができるが、通常の場合、固定状態の伸張率の1.1〜1.5倍程度とするのが好ましい。
突起の配置は格子状に限らず、図17に示すように、千鳥状の配列の突起7Cにしてもよい。また、突起7A〜7Cと突起7A〜7Cとの幅方向の間隔(溝幅)7cdが伸張状態の弾性部材2の断面外径に対して上記範囲内にあれば、アンビルロール7の突起7A〜7Cの配列パターンは格子状や千鳥状に限られず、他のパターンでもよい。
個々の突起7A〜7Cの形状は、図示例では円形だが、三角形や四角形等の多角形、楕円や星、ハートといった図柄であってもよい。円形や楕円などの角のない形状を用いれば、柔らかい風合いを得ることができる。
MD方向(アンビルロールの周方向、弾性部材2の長手方向)における突起7A〜7Cの間隔7mdは、弾性部材2に対してどの程度の摩擦力を発揮させるかによって適宜定めることができ、突起7A〜7CがMD方向に条状(線状)に連続したものであってもよい。また、突起7A〜7CのCD方向の間隔7cdは弾性部材2の幅を考慮し、弾性部材2に対してどの程度の摩擦力を発揮させるかによって適宜定めればよい。突起7A〜7Cの大きさは、突起の間隔や形状に応じて適宜定めることができる。
突起7A〜7Cの配列を上記格子配列とすると、弾性部材2の長手方向に同一の部位においてその幅方向両側に突起7A〜7Cが位置するため、高い挟持力が得られる。ただし、弾性部材2が溶着あるいは切断されるおそれも高くなる。これに対して、上記千鳥配列とすると、弾性部材2が溶着あるいは切断されるおそれは低下するが、挟持力も低下する。千鳥配列は、MD方向に所定の周期間隔で並ぶ突起の列がCD方向に所定の間隔を空けて設けられるとともに、各列における突起の配置周期の位相が隣接列に対してずれているものであり、図示例のように隣接する突起列に対して位相を1/2ずらすように配置してもよいが、より格子配列に近い配置とするために、例えば位相を1/4ずらした配置にしてもよい。位相のずれを0〜1/4の間で調整することにより、弾性部材2の挟持力と切断回避とのバランスを取ることができる。
弾性部材2の固定領域における、全面積に対する接合部3の面積率は、柔らかい風合いを得るためには40%以下であるのが好ましく、30%以下であるのが特に好ましく、5%以下であるのが最も好ましい。また、弾性部材2の非固定領域では、シート1A,1Bの貼り合せ強度を維持するため、接合部3の面積の割合は少なくとも2%は必要である。弾性部材2の固定領域においては、弾性部材2の収縮によりシートが撓むため、弾性部材2の非固定領域以上の貼り合せ強度が必要である。従って、弾性部材2の固定領域においては、接合部3の面積の割合は5%以上が好ましく、4%以上がより好ましい。
(内装体)
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3〜図5に示されるように、身体側となる表面シート30と、液不透過性シート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えている。液不透過性シート11の裏面側には、内装体200の裏面全体を覆うように、あるいは腹側外装シート12Fと背側外装シート12Bとの間に露出する部分全体を覆うように、股間部外装シート12Mを固定することもできる。また、表面シート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、表面シート30と吸収要素50との間に、中間シート(セカンドシート)40を設けることができる。さらに、吸収部20の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側に、身体側に起立するバリヤーカフス60,61を設けることができる。なお、図示しないが、内装体200の各構成部材は、ホットメルト接着剤などのベタ、ビードまたはスパイラル塗布などにより、適宜相互に固定することができる。また、内装体200は、メカニカルファスナーや粘着材を用い、外装シート20に対して着脱自在に取り付けることもできる。
なお、内装体200の幅方向両側部、特に内装体200の幅方向両側縁と腹側外装シート12Fの下端縁との交点近傍及び背側外装シート12Bの下端縁との交点近傍では、内装体200の剛性(剛度)が15〜50cN/50mm、特に20〜35cN/50mmであると、後述するようなバリヤーカフス60,61の全体的な起立形状が更に安定するため好ましい。一方、それ以外の部分、例えば幅方向中間部については柔軟性を考慮して、剛性を5〜35cN/50mm、好ましくは10〜25cN/50mmと低くするのが好ましい。なお、剛性を高くする範囲は、幅方向には内装体200の幅方向両側縁から中央側に5〜30mmの範囲、前後方向には内装体200と腹側外装シート12F,背側外装シート12Bの交点から前後方向にそれぞれ50mm以内(吸収体56の括れ部56Nと重複する部分は含まない)とするのが好ましい。
剛性(剛度)は、JIS K 7171(プラスチック‐曲げ剛性の試験方法)に準拠し、次の方法で測定する。測定にはテンシロン試験機(圧子先端部の曲率半径R1=5.0±0.1mm、支持プレート先端部の曲率半径R2=5.0±0.2mm)を用い、内装体200の製品前後方向の曲げ剛性を測定する。試験片は、内装体200から測定に影響する弾性部材を取り除き、これをおむつ長手方向80mm、おむつ幅方向50mmの長方形に切り取ることにより作製する。曲げ剛性値の単位中の50mmは試験片の短辺の長さであり、試験時の圧子でたわませた試験片の幅である。それぞれ断面円弧状の先端部を有し、両先端部の先端(上端)間の間隔を50mmとして、互いに平行に且つ両先端部の高さ位置を揃えて配置された一対の支持プレート上に、上記の試験片を、その長手方向を各プレートに直交する方向に向けて、掛け渡すように載置し、その試験片に僅かに接するように圧子先端部を配置する。ロードセル5kg(レンジ196cN)、速度30mm/minの条件で圧子を降下させ、荷重‐たわみ曲線を得る。得られた曲げ応力の最大値を曲げ剛性値(cN/50mm)とする。なお、測定対象となる部位が上記サンプリング寸法より小さい場合は、小スケールの試験片で測定を行い、寸法比に基づいて比例計算にて換算する。
(表面シート)
表面シート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、表面シート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、表面シート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
バリヤーカフス60,61を設ける場合、表面シート30の両側部は、液不透過性シート11とバリヤーカフス60,61との間を通して、吸収要素50の裏側まで回りこませ、液の浸透を防止するために、液不透過性シート11及びバリヤーカフス60,61に対してホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。これにより、内装体200の両側部の剛性が向上するという効果も得られる。
(中間シート)
表面シート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、表面シート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止し、表面シート30上を常に乾燥した状態とすることができる。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、表面シート30と同様の素材や、スパンレース、スパンボンド、SMS、パルプ不織布、パルプとレーヨンとの混合シート、ポイントボンド又はクレープ紙を例示できる。特にエアスルー不織布が嵩高であるため好ましい。エアスルー不織布には芯鞘構造の複合繊維を用いるのが好ましく、この場合芯に用いる樹脂はポリプロピレン(PP)でも良いが剛性の高いポリエステル(PET)が好ましい。目付けは20〜80g/m2が好ましく、25〜60g/m2がより好ましい。不織布の原料繊維の太さは2.2〜10dtexであるのが好ましい。不織布を嵩高にするために、原料繊維の全部又は一部の混合繊維として、芯が中央にない偏芯の繊維や中空の繊維、偏芯且つ中空の繊維を用いるのも好ましい。
図示の形態の中間シート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、吸収体56の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。中間シート40が幅方向側部から吸収体56の裏面側まで回り込み、ホットメルト接着剤等により接着固定されていると、内装体200の両側部の剛性が向上する。中間シート40の代表的な素材は液の透過性に優れる不織布である。
(液不透過性シート)
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に不透液性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とで液不透過性シートが構成される。)などを例示することができる。もちろん、このほかにも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この不透液性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。さらに、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、防水フィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
液不透過性シート11は、防漏性を高めるために、吸収要素50の両側を回りこませて吸収要素50の表面シート30側面の両側部まで延在させるのが好ましい。これにより、内装体200の両側部の剛性が向上するという効果も得られる。この延在部の幅は、左右それぞれ5〜20mm程度が適当である。
また、液不透過性シート11の内面または外面には、印刷や着色によるデザインを施しても良い。さらに液不透過性シート11の外側に、股間部外装シート12Mとは別部材の、印刷または着色を施したデザインシートを貼り付けても良い。また、液不透過性シート11の内側に、液分の吸収により色が変化する排泄インジケータ80を設けることができる。
(バリヤーカフス)
バリヤーカフス60,61は、内装体200の両側部に沿って前後方向全体にわたり延在する帯状部材であり、表面シート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を遮断し、横漏れを防止するために設けられているものである。
本実施の形態では、図3及び図4にも示すように、内装体200の左右各側において二重にバリヤーカフス60,61が設けられている。おむつを展開した状態では、図示のように、内側バリヤーカフス61は内装体200の側部から幅方向中央側に斜めに起立するものであり、外側バリヤーカフス60は、内側バリヤーカフス61の幅方向外側において内装体200の側部から起立するように設けられ、付け根側の部分は幅方向中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端側の部分は幅方向外側に向かって斜めに起立するものである。
より詳細には、内側バリヤーカフス61は、内装体200の前後方向長さに等しい長さを有する帯状のバリヤーシート62を幅方向に折り返して二つに折り重ねるとともに、折り返し部分及びその近傍のシート間に、細長状弾性部材63を長手方向に沿って伸張状態で、幅方向に間隔をあけて複数本固定してなるものである。細長状弾性部材63は、バリヤーシート62に対し、前後端部では固定されておらず、中間部においてバリヤーカフスが前後に伸縮するように固定されている。バリヤーシート62としてはスパンボンド不織布(SS、SSS等)やSMS不織布(SMS、SSMMS等)、メルトブロー不織布等の柔軟で均一性・隠蔽性に優れた不織布に、必要に応じてシリコンなどにより撥水処理を施したものを好適に用いることができ、繊維目付けは10〜30g/m2程度とするのが好ましい。細長状弾性部材63としては糸ゴム等を用いることができる。スパンデックス糸ゴムを用いる場合は、太さは420〜1120dtexが好ましく、620〜940dtexがより好ましい。固定時の伸長率は、150〜350%が好ましく、200〜300%がより好ましい。また、図示しないが、二つに折り重ねたバリヤーシートの間に防水フィルムを介在させることもできる。
細長状弾性部材63は、内側バリヤーカフス61の先端部に1〜2本配置するのが好ましく、先端部と基端部との間の中間部にも1〜2本配置すると更に好ましい。中間部に細長状弾性部材63があると、これを支点として中間部から先端部に亘る範囲で肌に対して面で当たりやすくなる。中間部の細長状弾性部材63の配置位置は内側バリヤーカフス61の高さ(突出部の幅方向長さ)の30〜70%範囲が好ましい。乳幼児用紙おむつでは、内側バリヤーカフス61の高さは15〜35mm程度が好ましいため、細長状弾性部材63の配置範囲は先端から基端側に5〜25mmの位置が好ましく、12〜18mmの位置がより好ましい。内側バリヤーカフス61の先端部及び/または中間部にそれぞれ細長状弾性部材63を平行に設ける場合は、その配置間隔61dは2〜10mmが好ましく、2〜6mmがより好ましい。
そして、内側バリヤーカフス61のうち幅方向において折り返し部分と反対側の端部は内装体200の側縁部の裏面に固定された取付部分(内側取付部分)65とされ、この取付部分65以外の部分は取付部分65から突出する突出部分66(折り返し部分側の部分であり、内側突出部分に相当する)とされ、この突出部分66のうち前後方向両端部が表面シート30表面にホットメルト接着剤やヒートシールによる前後固定部67により固定され、前後方向中間部が非固定の自由部分(内側自由部分)とされ、この自由部分に前後方向に沿う細長状弾性部材63が伸張状態で固定されている。
外側バリヤーカフス60も、内側バリヤーカフス61と基本的に同様の構造を有するものであるが、その取付部分(外側取付部分)68が、内装体200の裏面側における内側バリヤーカフス61の取付部分65よりも幅方向中央側において内側バリヤーカフス61の外面に固定される点、突出部分(外側突出部分)69のうち前後方向両端部が、取付部分68から内装体200の側部を通り内側バリヤーカフス61における内側突出部分66の前後方向両端部の表面まで延在し且つ内側突出部分66の前後方向両端部の表面に固定された付け根側部分と、この付け根側部分の先端から幅方向外側に折り返され且つ付け根側部分に固定された先端側部分とからなる点、細長状弾性部材63の配置及び本数等で異なるものである。
ただし、内側バリヤーカフス61についても、内側突出部分の先端部は幅方向外側に折り返される構造、具体的には内側バリヤーカフス61の高さ(突出部の幅方向長さ)の1/2以下、好ましくは1/3以下であれば、外側バリヤーカフス61と同様に先端側部分が幅方向外側に折り返され且つ付け根部側部分に固定される構造を採っても良い。
外側バリヤーカフス60の自由部分(外側自由部分)に設けられる細長状弾性部材63の本数は2〜6本が好ましく、3〜5本がより好ましい。配置間隔60dは3〜10mmが適当である。このように構成すると、細長状弾性部材63を配置した範囲で肌に対して面で当たりやすくなる。先端側だけでなく付け根側にも細長状弾性部材63を配置しても良い。外側バリヤーカフス60に配置する細長状弾性部材63の太さや伸長率は、内側バリヤーカフス61に準ずるが、太さは内側バリヤーカフス61のものと同じ、またはより太く、伸長率は内側バリヤーカフス61のものと同じ、またはより低いほうが好ましい。
また、突出部分66,69の前後固定部67の前後方向長さは、内側バリヤーカフス61の方が外側バリヤーカフス60と同じかまたは短く形成するのが好ましく、バリヤーカフス60,61における細長状弾性部材63の前後方向固定長さは、内側バリヤーカフス61の方が外側バリヤーカフス60と同じかまたは長く形成するのが好ましい。取付部分65と突出部分66との境界は、外側バリヤーカフス60と内側バリヤーカフス61とで同じ位置であっても良いが、外側バリヤーカフス60の境界が内側バリヤーカフス61の境界よりも幅方向中央側に離間しているのが好ましく、その離間距離は10mm以内が好ましい。
外側バリヤーカフス60及び内側バリヤーカフス61の取付部分68,65における突出部分66,69側の縁部には、ホットメルト接着剤やヒートシールによる線状の付け根固定部を形成するのが好ましい。また、他の固定部はホットメルト接着剤等を用いて適宜のパターンで固定することができる。この線状の付け根固定部は、内装体200の表面側の側部近傍(具体的には側縁から幅方向に0〜5mm、好ましくは0〜3mmの位置)または裏面側に位置するのが好ましい。この場合、バリヤーカフスを表面側に折り返して固定しているのは実質的に前後方向両端部のみとなるため、前後固定部67による幅方向中央側への規制が十分に作用しない股間部においては、外側バリヤーカフス60及び内側バリヤーカフス61いずれもが幅方向外側に向かって起立し、内側バリヤーカフス61の形成するポケットが広くなる。表面側で側縁から幅方向に5mmを越えて線状の付け根固定部が位置すると、股間部においてもバリヤーカフスが幅方向中央側に向かって起立し、内側バリヤーカフス61の形成するポケットが狭くなるため、好ましくない。裏面側に位置する場合は、内装体200の側縁から0〜20mmの位置が適当だが、20mmを越えて位置してもよい。
外側及び内側バリヤーカフス60,61の取付部分68,65の固定対象は、内装体200における表面シート30、液不透過性シート11、吸収要素50等適宜の部材とすることができ、またいずれか一方のバリヤーカフスを介して他方のバリヤーカフスを内装体200に対して固定することもできる。
かくして構成された外側及び内側バリヤーカフス60,61では、細長状弾性部材63の収縮力が前後方向両端部を近づけるように作用するが、突出部分66,69のうち前後方向両端部が起立しないように固定されるのに対して、それらの間は非固定の自由部分とされているため、自由部分のみが図3に示すように身体側に当接するように起立する。特に、取付部分68,65が内装体200の裏面側に位置していると、股間部及びその近傍において外側及び内側バリヤーカフス60,61が幅方向外側に開くように起立するため、外側及び内側バリヤーカフス60,61が脚周りに面で当接するようになり、フィット性が向上するようになる。一方、股間部の前後両側(腹部及び背部)においては、前後固定部67により外側及び内側バリヤーカフス60,61が幅方向外側へ開かないように規制されるため、内側バリヤーカフス61は高く起立し、外側バリヤーカフス60の下半分も同様に起立するため、腹部及び背部における内装体200両脇からのもれが確実に防止できる。また、内側バリヤーカフス61の突出部分66における前後固定部67は折り返さずに、外側バリヤーカフス60の突出部部分68における前後固定部67は外向きに折り返されているため、外側及び内側バリヤーカフス60,61における内側及び外側自由部分間の離間状態が維持され、外側及び内側バリヤーカフス60,61が広い間隔で確実に起立し、それぞれが脚周りにフィットするようになるため、漏れ防止性に優れたものとなる。
バリヤーカフス60,61の寸法は適宜定めることができるが、乳幼児用紙おむつの場合は、例えば図10に示すように、内側バリヤーカフス61の起立高さ(展開状態における突出部分66の幅方向長さ)W5は10〜50mm、特に15〜35mmであるのが好ましく、外側バリヤーカフス60の起立高さ(展開状態における突出部分69の幅方向長さ)W6は15〜60mm、特に20〜40mmであるのが好ましい。また、内側バリヤーカフス61をトップシート30表面に倒した状態における先端間の離間距離W4は60〜170mm、特に70〜120mmであるのが好ましい。また、外側バリヤーカフス60をトップシート30表面と平行になるように、平坦に折り畳んだ状態において最も内側に位置する折り目間の離間距離W3は60〜190mm、特に70〜140mmであるのが好ましい。
なお、図示形態と異なり、外側及び内側バリヤーカフス60,61のいずれか一方のみを設けることもできる。
(吸収要素)
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の少なくとも裏面及び側面を包む包被シート58とを有する。包被シート58は省略することもできる。
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56は長方形形状でも良いが、図1及び図6に示すように、前端部56F、後端部56B及びこれらの間に位置し、前端部56F及び後端部56Bと比べて幅が狭い括れ部56Nとを有する砂時計形状を成していると、吸収体56自体とバリヤーカフス60,61の、脚回りへのフィット性が向上するため好ましい。具体的な寸法としては、吸収体前端部56Fの前後方向長さをL1とし、吸収体56と腹側外装シート12Fとの重なり部分における前後方向長さをL2とし、吸収体後端部56Bの前後方向長さをL3とし、吸収体56と背側外装シート12Bとの重なり部分における前後方向長さをL4とし、括れ部56Nの最小幅をW1とし、吸収体前端部56Fの幅及び吸収体後端部56Bの幅をW2としたとき、下記の式(1)〜(4)を満足するように構成されていると、好ましい。
70mm ≦ W1 < W2 ≦ 190mm …(1)
0.5 ≦ W1/W2 ≦ 0.85 …(2)
0mm ≦ L1−L2 ≦ 70mm …(3)
0mm ≦ L3−L4 ≦ 50mm …(4)
W1及びW2が狭過ぎると、バリヤーカフス60,61の起立が不安定になり、また吸収量が不十分となり、広過ぎるとフィット性の低下により装着感が悪化する。
また、上記数値範囲にあると、股間部においてはバリヤーカフス60,61の取付部分65近傍に吸収体56が存在しないため、バリヤーカフス60,61の動きの自由度が増し、バリヤーカフス60,61が幅方向外側に開き易く、肌に対して面で当たりやすくなり、脚の動きに対するフィット面の追従性も向上する。前後両側においては内装体200側部の吸収体56が十分な範囲に存在するため、これを基点(支点)としてバリヤーカフス60,61の起立が安定する。前後両側から股間部に至る部分は、バリヤーカフス60,61が内装体200の幅方向両側縁を基準として幅方向内側に起立した姿勢から幅方向外側に開いていく変位部であり、このバリヤーカフス60,61の姿勢変化が内装体200側部まで存在する吸収体56により支えられ、バリヤーカフス60,61の全体的な起立形状が安定する。上記数値範囲を外れ、括れ部が大きくなりすぎると、股間部においてはバリヤーカフス60,61の自由度が高くなりすぎ、かえって脚周りに隙間ができ易くなるおそれがあり、また股間部の前後両側においても基点(支点)が無いためにバリヤーカフス60,61の起立が不安定になるおそれがある。逆に括れ部が小さくなりすぎると、バリヤーカフス60,61の自由度が低下するので好ましくない。
さらに、括れ部56N全体の前後方向長さL7は好ましくは80mm以上、特に好ましくは120〜260mmとされる。括れ部56Nの前後方向長さL7が短過ぎるとバリヤーカフス60,61の自由度が低下するとともに、吸収体56の脚周りに対するフィット性が低下して脚の動きを妨げるようになり、長すぎるとバリヤーカフス60,61の起立が安定しなくなる。
(高吸収性ポリマー粒子)
高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマーとしては、抗菌物質と一体化したものを用いることができる。特に、ゼオライト中のイオン交換可能なイオンの一部または全部を銀イオンで置換してなるゼオライト粒子(以下、これを抗菌消臭性ゼオライトという)を高吸収性ポリマー中に含有させるか、あるいは抗菌消臭性ゼオライト粒子を高吸収性ポリマー粒子の表面に静電気により付着させてなる、抗菌消臭性高吸収性ポリマー粒子が好適である。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が40秒を超えると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
また、高吸収性ポリマー粒子としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体56とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和する。
必要であれば、高吸収性ポリマー粒子は、吸収体56の平面方向で散布密度あるいは散布量を調整できる。たとえば、液の排泄部位を他の部位より散布量を多くすることができる。男女差を考慮する場合、男用は前側の散布密度(量)を高め、女用は中央部の散布密度(量)を高めることができる。また、吸収体56の平面方向において局所的(例えばスポット状)にポリマーが存在しない部分を設けることもできる。
(包被シート)
包被シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMMS(スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド)不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
この包被シート58は、図3及び図4に示すように、吸収体56全体を包む形態のほか、その層の裏面及び側面のみを包被するものでもよい。また図示しないが、吸収体56の上面及び側面のみをクレープ紙や不織布で覆い、下面をポリエチレンなどの液不透過性シートで覆う形態、吸収体56の上面をクレープ紙や不織布で覆い、側面及び下面をポリエチレンなどの液不透過性シートで覆う形態などでもよい(これらの各素材が包被シートの構成要素となる)。必要ならば、吸収体56を、上下2層のシートで挟む形態や下面のみに配置する形態でもよいが、高吸収性ポリマー粒子の移動を防止でき難いので望ましい形態ではない。
(股間部外装シート)
内装体200の裏面側には、製品外面に露出する股間部外装シート12Mが設けられている。この股間部外装シート12Mの素材としては、腹側外装シート12F及び背側外装シート12Bと同様のものを用いることができるが、より高強度の素材や消臭剤を含有するもの等、腹側外装シート12F及び背側外装シート12Bとは異なる素材を用いることもできる。具体的には、PP、PP/PE、PP/PET等の繊維からなる、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、ポイントボンド不織布、エアスルー不織布、エアーポイント不織布、スパンレース不織布、SMS不織布等の各種不織布、あるいはこれに消臭剤等を添加したもの等を用いることができる。
股間部外装シート12Mには座位時に高い体圧がかかる。よって、摩擦堅牢度の高い(毛羽立たない)特性を有する素材が好ましい。
股間部外装シート12Mは、印刷や着色を行い、デザイン要素を備えたシートとしてもよい。前述のデザインシートと併用する場合は、それぞれのデザインが重ならないように配置することが好ましい。
股間部外装シート12Mとして伸縮不織布を用い、内装体200の長手方向に伸長して貼り付けると、股間部のフィット性が向上するため好ましい。
股間部外装シート12Mが幅方向側部から身体側面まで回り込み、バリヤーシート62の外面にホットメルト接着剤等により接着固定されていると、内装体200の両側部の剛性が向上する。このような形態においては、股間部外装シート12Mに剛度(コシ度)の高いシートを用いることが好ましい。具体的には、クラーク法(JISL1096 C法)によって測定される剛軟度の、シートのMD方向とCD方向との和が100mm以上、好ましくは150mm以上のシートを用いるとよい。
図示例では、腹側及び背側外装シート12F,12Bと内装体200とが重なる部分において、股間部外装シート12Mは内装体200と腹側及び背側外装シート12F,12Bとの間に挟まれているが、腹側及び背側外装シート12F,12Bの外側に貼り付けることも可能である。股間部外装シート12Mは、ホットメルト接着剤等により内装体200の裏面、並びに腹側及び背側外装シート12F,12Bの内面若しくは外面に貼り付けられる。
パンツ型使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 パンツ型使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図1のIII−III断面図である。 図1のIV−IV断面図である。 図1のV−V断面図である。 パンツ型使い捨ておむつの要部のみを寸法とともに示す、おむつを展開した状態における平面図である。 パンツ型使い捨ておむつの要部のみを寸法とともに示す、断面図である。 製品状態の正面図である。 製品状態の背面図である。 他のパンツ型使い捨ておむつの製品状態の正面図である。 他のパンツ型使い捨ておむつの製品状態の正面図である。 他のパンツ型使い捨ておむつの製品状態の正面図である。 伸縮部形成装置を説明するための概要図である。 ホーンとアンビルロールに連続シートが挟まれた状態を示す、第1の実施形態の幅方向断面図及びその横断面図である。 弾性部材に引張力をかけた状態の連続シートの第1の実施形態の幅方向断面図及びその横断面図である。 弾性部材に引張力をかけない状態の連続シートの第1の実施形態の幅方向断面図及びその横断面図である。 ホーンとアンビルロールに連続シートが挟まれた状態を示す、第2の実施形態の幅方向断面図及びその横断図である。 弾性部材の切断工程を示す斜視図である。
1…シート、2…弾性部材、3…接合部、4…連続シート、5…超音波振動源、6…ホーン、7…アンビルロール、7A,7C突起。

Claims (5)

  1. 少なくとも胴回り部を有し、且つ胴回り部に内側層と外側層とを張り合わせた部分を有する外装シートと、
    この外装シートの身体側に、幅方向中央に沿って設けられた、対象物を吸収し保持する内装体と、
    前記胴回り部における前記内側層と外側層との間に、細長状弾性部材が胴回り方向に沿って伸張した状態で複数本平行に設けられており、
    前記内側層と外側層とが、各前記細長状弾性部材の幅方向両側で各前記細長状弾性部材を介さずに接合されて接合部が形成されており、
    各前記細長状弾性部材は、その幅方向一方側の接合部と幅方向他方側の接合部との間に挟まれて固定されている、パンツ型使い捨ておむつであって、
    各前記細長状弾性部材は、一端部が前記外装シートに対して移動不可能に固定されるとともに、この一端部を除く他端側部分の全体前記外装シートに対して移動可能とされこの他端側部分における前記接合部間に位置する部分が前記接合部間において前記一端部方向に移動可能な状態で挟持固定され、この挟持固定部分を含む前記他端側部分の全体が、前記胴回り部における前記挟持固定部分と対応する伸縮領域の胴回り方向の伸張により、その伸張度合いに応じた距離だけ前記一端部側に引き込まれるとともに、この他端側部分における前記接合部間に位置する部分が前記接合部間に挟持固定されるように構成されており、
    装着に際して前記胴回り部を広げたとき、胴回り部における伸縮領域が伸張し、その伸張度合いに応じた距離だけ前記細長状弾性部材の他端側部分の全体が一端部側に引き込まれるとともに、この他端側部分における前記接合部間に位置する部分が前記接合部間に挟持固定されることによって、装着者の体型に合うように、胴回りの自然長が拡大するとともに、装着時の前記細長状弾性部材の伸張量が低減するように構成されている、
    ことを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。
  2. 前記伸縮領域を未伸張状態から最大伸張長さまで引き伸ばした後に非伸縮状態まで戻したときの伸張可能率が、前記伸縮領域の未伸張状態における伸張可能率の0.6〜0.95倍となるように構成されている、請求項1記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  3. 前記胴回り部は、幅方向中央部が前記挟持固定部分を有しない非伸縮領域とされるとともに、この非伸縮領域の幅方向両側に位置する両側部が前記伸縮領域とされており、
    各伸縮領域の前記細長状弾性部材は、各伸縮領域における幅方向外側の端部から幅方向中央側の端部まで延在されるとともに、各伸縮領域における幅方向外側の端部が前記外装シートに対して移動不可能に固定されている、
    請求項1又は2記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  4. 前記胴回り部は、幅方向中央部が前記挟持固定部分を有しない非伸縮領域とされるとともに、この非伸縮領域の幅方向両側に位置する両側部が前記伸縮領域とされており、
    各伸縮領域の前記細長状弾性部材は、各伸縮領域における幅方向外側の端部から幅方向中央側の端部を通り越して前記非伸縮領域内まで延在されるとともに、各伸縮領域における幅方向外側の端部が前記外装シートに対して移動不可能に固定されている、
    請求項1又は2記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  5. 内側層と外側層との間に、細長状弾性部材がその長手方向に沿って伸張した状態で設けられてなる、使い捨て吸収性物品における伸縮部構造において、
    前記内側層と外側層とが、前記細長状弾性部材の幅方向両側で前記細長状弾性部材を介さずに接合されて接合部が形成されており、
    前記細長状弾性部材は、その幅方向一方側の接合部と幅方向他方側の接合部との間に挟まれて固定されており、
    前記細長状弾性部材は、一端部が前記外装シートに対して移動不可能に固定されるとともに、この一端部を除く他端側部分の全体前記外装シートに対して移動可能とされこの他端側部分における前記接合部間に位置する部分が前記接合部間において前記一端部方向に移動可能な状態で挟持固定され、装着に際して、この挟持固定部分を含む前記他端側部分の全体が、前記挟持固定部分と対応する伸縮領域の前記細長状弾性部材の長手方向伸張により、その伸張度合いに応じた距離だけ前記細長状弾性部材の他端側部分の全体が前記一端部側に引き込まれるとともに、この他端側部分における前記接合部間に位置する部分が前記接合部間に挟持固定され、それによって装着者の体型に合うように、前記細長状弾性部材の挟持固定部分における前記細長状弾性部材の長手方向の自然長が拡大するとともに、装着時の前記細長状弾性部材の伸張量が低減するように構成されている、
    ことを特徴とする、使い捨て吸収性物品における伸縮部構造。
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