JP5009722B2 - 二輪車用空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
これらのスパイラル部材を巻きつけた二輪車用空気入りタイヤにおいては、高速時の操縦安定性能が優れ、トラクション性能が非常に高いことが知られている。
また、スパイラル部材を配置したことによってタイヤの骨格部材が硬くなり、直進時の乗り心地性能が悪化すると指摘されることもしばしばある。
二輪車用空気入りタイヤでは、2輪車が車体を傾けて旋回することから、直進時と旋回時とでは、トレッド部が地面と接する場所が異なる。つまり、直進時にはトレッド部の中央部分を使い、旋回時にはトレッド部の端部を使う特徴がある。そのためにタイヤの形状が乗用車用のタイヤに比べて非常に丸い。この丸いクラウン形状(タイヤのトレッド部分の形状)によって、特に旋回中は次のような独特な特性が見られる。
このような旋回中の余計な変形によって、タイヤショルダー部では偏摩耗を起こしやすい。特にトレッド端から10%未満の領域である領域A(図6参照)では、ブレーキング変形が大きいため、蹴り出し部分でタイヤ周方向に滑りやすく摩耗が起こり易い。
請求項1に記載の発明は、一枚以上のカーカスプライで形成されたカーカス層のクラウン部のタイヤ径方向外側に、ベルト層とトレッド部とを順次備え、前記ベルト層は、単線または並列した複数本のコードを被覆ゴム中に埋設してなる帯状のゴム被覆コード層をタイヤ周方向に対して0〜5度の範囲内のコード角度をなすようにスパイラル状に巻回してなるスパイラルベルト層を少なくとも1枚有する二輪車用空気入りタイヤにおいて、タイヤセンターからトレッド端までのトレッド表面距離をLとした場合に、タイヤセンターからトレッド表面に沿って0.65L〜0.85Lの位置までの範囲内にのみ前記スパイラルベルト層が存在し、前記スパイラルベルト層は、タイヤセンターを跨るセンター側スパイラルベルト部材と、タイヤ幅方向両側のトレッドショルダー側にそれぞれ配置された一対のショルダー側スパイラルベルト部材と、を備え、前記センター側スパイラルベルト部材と前記ショルダー側スパイラルベルト部材との隣り合う端部同士は、トレッド表面に沿って0.1L〜0.42Lの範囲内の間隔で離れており、タイヤセンターから前記センター側スパイラルベルト部材の端部までのトレッド表面に沿った距離が0.08L〜0.25Lの範囲内であり、タイヤセンターから前記ショルダー側スパイラルベルト部材のタイヤセンター側の端部までのトレッド表面に沿った距離が0.25L〜0.5Lの範囲内であることを特徴とする。
請求項1に記載の発明では、スパイラルベルト層を3分割して、タイヤセンター部に1つ、そしてトレッドの両側に一対、の合計3枚を配置することを規定している。センター側スパイラルベルト部材は、タイヤが直進時に高速回転したときのタイヤセンター部の膨張を防止する役目があり、タイヤセンター部が膨張しなければ、トレッドセンター部の接地圧が高速転動で上がらずにトレッドセンター部のゴムが故障することを防止できる。また、高速転動時にタイヤセンター部でタガ効果を発揮するため、高速転動時の操縦安定性能を確保できる。
スパイラルベルト層の幅は、好ましくは、0.7L〜0.8Lの範囲内であり、更に好ましくは0.75L〜0.8Lの範囲内である。
まず、第1実施形態について説明する。図1に示すように、本実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤ10は、左右一対のビード部12と、ビード部12からトロイド状に延びるカーカス層14と、を備えている。
カーカスプライ14Aの端部はビードコア11で係止され、両側からビードワイヤー13が挟みこんでいる。なお、カーカスプライ14Aの端部がビードコア11を折り返すように巻き上げられていても良い。
交錯ベルト層24のタイヤ径方向外側にはトレッド部18が設けられている。
ここで、大キャンバ時となる旋回時には、トレッド端部付近のトレッド部分が接地部となっている。従って、スパイラルベルト層20が形成されていないトレッド部分では骨格部材をタイヤ周方向に積極的に伸ばすことができる構成となっているとともに、スパイラルベルト層20が形成されているトレッド部分では骨格部材が接地範囲においてタイヤ周方向に伸びることを防止している。
次に、第2実施形態について説明する。図2に示すように、本実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤ30は、第1実施形態に比べ、交錯ベルト層24とスパイラルベルト層20との配置位置を逆にし、更に、交錯ベルト層24とトレッド部18との間にベルト補強層32を設けている。ベルト補強層32は、タイヤ周方向に対するコード角度が85〜90度の範囲内とされた有機繊維コードを含み、トレッド全幅2Lの90%以上の幅でトレッド部18のタイヤ径方向内側に隣接するように配置されている。
また、タイヤ幅方向両側のサイドウォール部34には、厚みが0.3〜3mmの範囲内のサイド補強部材36がそれぞれ配置されている。
次に、第3実施形態について説明する。図3に示すように、本実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤ40は、第2実施形態に比べ、ベルト補強層32のタイヤ径方向内側に緩衝ゴム層42が配置されている。
これにより、トレッドショルダー部TSの摩耗が抑制される。
次に、第3実施形態について説明する。図4に示すように、本実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤ50は、カーカス層14が2枚のカーカスプライ15A、15Bによって構成されている。カーカスプライ15A、15Bは互いに交錯するように配置されている。
また、スパイラルベルト層20のタイヤ径方向外側にはベルト補強層32が配置されている。このベルト補強層32はトレッド部18に隣接している。従って、二輪車用空気入りタイヤ50には交錯ベルト層24(図1参照)は配置されていない簡素な構成である。
本発明の効果を確かめるために、本発明者は、本発明に係る二輪車用空気入りタイヤの18例(以下、実施例1〜18という)、比較のための二輪車用空気入りタイヤの3例(以下、比較例1〜3という)、及び、従来の二輪車用空気入りタイヤの二例(以下、従来例1、2という)について、性能試験を行って性能を評価した。
実施例1〜12は、第1実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤ10の一例であり、図1に示す構造にされた二輪車用空気入りタイヤである。カーカスプライ15A、15Bのコード材質はナイロンである。本実施例では、ナイロン繊維を撚って0.6mmφのコードとし、これを打ち込み間隔65本/50mmで平行に並べ、未加硫ゴムでシート状にしたものをカーカスプライとしている。また、このナイロンコードのコード角度はタイヤ赤道方向に対し90度(ラジアル方向)である。
トレッド全幅2Lは240mmである。本試験例では、W1、W2、W3をパラメータとして変更したものを実施例1〜12として準備した。
従来例1を図8に示す。従来例1では、実施例1に比べ、スパイラルベルト層20(図1参照)に代えて分割されていない1枚のスパイラルベルト層80が配置されている。スパイラルベルト層80の幅は2L(240mm)である。
比較例1では、従来例1と同様に、分割されていないスパイラルベルト層が配置されている。比較例1は、従来例1に比べ、スパイラルベルト層の幅が異なっている。比較例1ではスパイラルベルト層の幅が180mmであり、タイヤセンターからスパイラルベルト層の端部までのトレッド表面に沿った距離は0.75Lである。
実施例13は、実施例1に比べ、スパイラルベルト層20の位置と交錯ベルト層24の位置とを逆転させたものである。
実施例14は、実施例13に比べ、スパイラルベルト層のタイヤ径方向外側にベルト補強層(90度ベルト)32(図2参照)を配置している。ベルト補強層32は、ケブラー製のベルトであり、芳香族ポリアミド(商品名はケブラー)の繊維を撚って直径0.7mmとしたコードを、タイヤ赤道方向に対して90度をなすように、打ち込み間隔50本/50mmで配置している。ベルト補強層32の幅は240mmである。
実施例15は、実施例14に比べ、ベルト補強層32のタイヤ径方向内側に、ベルト補強層32に接するように、すなわち、スパイラルベルト層20(センター側スパイラルベルト部材20C及びショルダー側スパイラルベルト部材20L、20R)とベルト補強層32との間に、厚さ0.5mmの緩衝ゴム層42(図3参照)を配置している。
実施例16は、実施例14に比べ、図2に示すように、サイドウォール部34に、タイヤ赤道方向と同じ方向に巻いた(すなわちセンター側スパイラルベルト部材20C及びショルダー側スパイラルベルト部材20L、20Rと同じ方向に巻いた)ケブラースパイラルの幅狭部材を、サイド補強部材36として配置している。サイド補強部材36の幅は20mmであり、20本の直径0.7mmのケブラーを撚ったコードが打ち込まれている。サイド補強部材36の配置位置はタイヤ最大幅付近であり、より具体的には、サイドウォール部34の高さ方向の中心位置(高さ方向の中間位置)に配置している。本試験例では左右対称となるようにサイド補強部材36を配置した。
実施例17では、図4に示すように、2枚の互いに交錯したカーカスプライ15A、15Bからなるカーカス層14が設けられており、交錯ベルト層が配置されていない。カーカスプライ15A、15Bの端部はビードコア11で係止され、両側からビードワイヤーが挟み込んでいる。ナイロンのコードを撚って直径0.6mmのコードとし、これを打ち込み間隔65本/50mmで平行に並べ、未加硫ゴムでシート状としたものをカーカスプライとして使用した。この2枚のカーカスプライ15A、15Bは互いに交錯するように配置した。タイヤ赤道方向に対するコード角度はタイヤセンター部で50度である。
従来例2は、実施例17に比べ、スパイラルベルト層20に代えて1枚のスパイラルベルト部材で構成されるスパイラルベルト層が配置され、しかも、ベルト補強層が配置されていない。配置されたスパイラルベルト層の幅は2L(240mm)である。スパイラルベルト層のタイヤ径方向外側には厚さ7mmのトレッド部が形成されている。
実施例18は、実施例17に比べ、緩衝ゴム層42(図3参照)を配置している。実施例17のベルト補強層32のタイヤ径方向内側に厚さ0.7mmのゴム層を配置して緩衝ゴム層42とした。緩衝ゴム層42のゴム材はベルト補強層32のゴム材と同じである。
本試験例では、まず狙いの車体を傾けたときのトラクション性能がどれだけ向上しているかを評価するためにドラムを用いて以下のようにして規定の試験を行った。
試験機としては、直径3mのスチール製のドラムに#40番の目の粗い紙やすりを貼り付け、紙やすりを路面に見立てる。そして、ドラムを100km/hで転動させ、ドラム上側から、タイヤをキャンバ角50度で荷重1500Nで紙やすりに押し付ける。本試験例では、タイヤには回転軸に動力を伝えるチェーンを掛けており、駆動力を掛けることが可能になっている。本試験例ではモーターを用いて駆動力を加えた。
本試験例では、従来例1のFxの最大値を指数100として、他のタイヤの性能(トラクション性能)を相対評価となる指数で評価した。評価結果を表1、表2に併せて示す。
1)直進時での乗り心地性(高速道路の継ぎ目や、荒れた路面の走行によって評価)
2)旋回時のトラクション性能(速度100km/h程度で大きく車体を倒した状態からの加速性能、また速度150km/h以上での高速コーナー旋回時でのトラクション性能を総合的に判断)
3)旋回時のバイクを倒しこむときの連続性(倒しこみ時に異常な挙動をしないことの性能)
(1)ショルダー部のスパイラルベルト幅の効果W3の幅の効果
従来例1、実施例1〜3、比較例2、3を比べることで、スパイラルベルト層の幅の効果(W3による幅の効果)が判る。
W3の幅の効果については、70mmでは、トラクション指数が101と小さく、効果が少ない。これは、大CA時の接地状態(図6参照)において、接地している幅はセンター部から60mmの位置から120mmのトレッド端までであり、70mmの位置は、接地している部位の端に近く、接地部に殆どスパイラルベルトが存在しなくなっているからである。
実施例1、実施例4〜7を比べることで、センター部のスパイラルベルトの幅の効果(W1の幅の効果)がわかる。
実施例4は5mmであるが、トラクション指数が他のタイヤと比べると、やや低い。これはセンター部にスパイラルベルトが無くなったために、ベルトの剛性が低下してタイヤがねじれやすくなり、トラクションが加わったときにタイヤの骨格部材の剛性が不足したためである。また直進時の乗り心地性能は非常に柔らかいのであるが、振動した後の減衰が少し悪化したとの評価であった。また、高速転動時のセンター部のせり出し膨張に対するセンター部のタガの幅が5mm(両側で10mm)では少ないため、超高速転動時を想定した場合は、もう少し広いほうが良いと考える。
従来例1と、実施例8〜12を比べることで、スパイラルベルトの幅の効果(W2の幅の効果)がわかる。
一方、実施例11や12のように、巻き位置が60mmや70mmになると、トラクション指数が低下している。これは、ショルダー部のスパイラルベルトの幅が狭くなりすぎて、ベルトの面内剪断剛性が低下するためである。
実施例1と実施例13の比較から、スパイラルベルトが交錯ベルトよりも半径方向内側に配置されているほうが好ましいことがわかる。スパイラルベルトが交錯ベルトよりも半径方向外側に配置されている実施例13では、倒し込み時にライダーが違和感を感じている。これはスパイラルベルトの巻いてあるところと巻いてないところとの境界を接地形状が移動する際に、段差が感じられるためである。一方、スパイラルベルトを内層として、半径方向外側に交錯ベルトを配置した場合は、スパイラルベルトの段差を幅広の交錯ベルトが包み込み、段差を感じにくくしている。そのため、スパイラルベルトを内層に巻いたほうがライダーの評価が高い。
実施例13と実施例14の比較から、90度ベルトの効果がわかる。実車の倒し込みの連続性が90度ベルトによって改良されている。これは、先の交錯ベルトをスパイラルベルトの半径方向外側に巻いたのと同じで、スパイラルベルトの段差を緩和するからである。
実施例13、実施例14、実施例15の比較から緩衝ゴム層の効果がわかる。
実施例14と実施例15とでは、緩衝ゴム層があるかないかの比較である。緩衝ゴム層がある実施例15は、摩耗量が非常に少ない。これは、先に説明したとおり、緩衝ゴム層が周方向に剪断変形して、トレッドの変形を肩代わりし、トレッドの周方向の余計な剪断変形が少なくなるからである。そのため、トレッドが路面から滑りにくくなり、摩耗量が減る。またトレッドの周方向の余計な変形が少なくなるため、無駄な動きが排除され、トレッドがグリップに寄与できるようになる。即ち、図6において、領域Aはブレーキング、領域Bはニュートラル(変形がない)、領域Cはドライビングと、周方向のトレッドの変形状態を説明した。これにトラクションを加えると、トラクションによって、領域A〜Cもドライビング変形を受ける。このとき、領域Cはもともとドライビング状態であり、さらにトラクション(駆動力)によってドライビング変形が強まり、最も力を出す。一方で、領域Aはブレーキング状態にあるため、トラクションによって、まずニュートラルな状態に戻り、それからドライビング変形にシフトする。そのため、領域Cに比べて領域Aでは駆動力の発生量が少ない。さらにトラクションを加えると、領域Aの駆動力の発生量は増えるが、領域Cは滑ってしまいトラクションの発生量が頭打ちになる。また、滑ると一般的に摩擦係数は低下する(静止摩擦係数よりも動摩擦係数が小さいことは周知)。それゆえ、滑ると駆動力の発生が非効率になる。
実施例14と実施例16の比較から、サイドウォール部に配置したコード角度0〜20度の部材(サイド補強部材)の効果がわかる。
従来例2、実施例17、実施例18は、交錯ベルトを配置せずに、カーカスプライ(ボディプライ)を交錯させることで、トレッド部の骨格部材の剛性を確保したタイヤである。交錯ベルトが配置されているタイヤと同じように、本発明の効果が確認できる。
従来例2に比べて、実施例17は、乗り心地性能が改善され、トラクション指数も高い。また摩耗も抑制されていることがわかる。さらに、実施例18は緩衝ゴム層を配置したタイヤであるが、実施例15と同じように、トラクション指数が向上して、旋回時のトラクショングリップが向上するだけではなく、耐摩耗性能が向上している。
14 カーカス層
14A カーカスプライ
14C クラウン部
15A、B カーカスプライ
18 トレッド部
20 スパイラルベルト層(ベルト層、スパイラルベルト層)
20C センター側スパイラルベルト部材
20L、R ショルダー側スパイラルベルト部材
20CE 端部
20E 端部
20LI、RI 端部
21 ゴム被覆コード層
24 交錯ベルト層
25A、B 交錯ベルト部材
20E 幅方向端部
CL タイヤセンター
D 間隔
TS トレッドショルダー部
T トレッド端
W1 距離
W2 距離
W3 距離
30 二輪車用空気入りタイヤ
32 ベルト補強層
34 サイドウォール部
36 サイド補強部材
40 二輪車用空気入りタイヤ
42 緩衝ゴム層
50 二輪車用空気入りタイヤ
80 スパイラルベルト層
Claims (6)
- 一枚以上のカーカスプライで形成されたカーカス層のクラウン部のタイヤ径方向外側に、ベルト層とトレッド部とを順次備え、
前記ベルト層は、単線または並列した複数本のコードを被覆ゴム中に埋設してなる帯状のゴム被覆コード層をタイヤ周方向に対して0〜5度の範囲内のコード角度をなすようにスパイラル状に巻回してなるスパイラルベルト層を少なくとも1枚有する二輪車用空気入りタイヤにおいて、
タイヤセンターからトレッド端までのトレッド表面距離をLとした場合に、タイヤセンターからトレッド表面に沿って0.65L〜0.85Lの位置までの範囲内にのみ前記スパイラルベルト層が存在し、
前記スパイラルベルト層は、タイヤセンターを跨るセンター側スパイラルベルト部材と、タイヤ幅方向両側のトレッドショルダー側にそれぞれ配置された一対のショルダー側スパイラルベルト部材と、を備え、
前記センター側スパイラルベルト部材と前記ショルダー側スパイラルベルト部材との隣り合う端部同士は、トレッド表面に沿って0.1L〜0.42Lの範囲内の間隔で離れており、
タイヤセンターから前記センター側スパイラルベルト部材の端部までのトレッド表面に沿った距離が0.08L〜0.25Lの範囲内であり、
タイヤセンターから前記ショルダー側スパイラルベルト部材のタイヤセンター側の端部までのトレッド表面に沿った距離が0.25L〜0.5Lの範囲内であることを特徴とする二輪車用空気入りタイヤ。 - 前記スパイラルベル卜層の他に、少なくとも2枚の互いに交錯する有機繊維から成る交錯ベルト部材で構成される交錯ベルト層が配置され、
前記交錯ベルト部材のタイヤ周方向に対するコード角度が30〜80度の範囲内とされていることを特徴とする請求項1に記載の二輪車用空気入りタイヤ。 - 前記スパイラルベルト層を構成するベルト部材が、全て前記交錯ベルト層よりもタイヤ半径方向内側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の二輪車用空気入りタイヤ。
- タイヤ周方向に対するコード角度が85〜90度の範囲内とされた有機繊維コードを含むベルト補強層を、トレッド全幅2Lの90%以上の幅で前記スパイラルベルト層と前記トレッド部との間に配置したことを特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項に記載の二輪車用空気入りタイヤ。
- 前記ベルト補強層のタイヤ径方向内側に、厚みが0.3〜3mmの範囲内の緩衝ゴム層を配置したことを特徴とする請求項4に記載の二輪車用空気入りタイヤ。
- サイドウォール部に、タイヤ周方向に対する角度が0〜20度の範囲内の有機繊維コードまたはスチールコードが配列されたサイド補強部材を、サイドウォール高さの20%以上100%以下の範囲で配置したことを特徴とする請求項1〜5のうち何れか1項に記載の二輪車用空気入りタイヤ。
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