JP5004618B2 - 電解質組成物、触媒層、及び固体高分子型燃料電池 - Google Patents
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Description
従来、固体高分子型燃料電池では、パーフルオロスルホン酸系の電解質膜が使用されてきたが、近年、ガラス転移点が高く、例えば120℃を超える高温での長期運転が可能である、あるいは、メタノールに代表される液体燃料が直接MEAと接触する、直接液体燃料供給型燃料電池において、液体燃料の透過性を抑制し発電効率を向上させることが可能である、等の理由で、炭化水素系の電解質膜も使用されるようになってきた。
特許文献3において、触媒電極を作成する際に、電解質ポリマーを3級アルコール及び誘電率20以下の有機溶媒を主体とする液体媒体に溶解させることにより、該触媒電極のひび割れ等の発生を防ぐ方法が開示されている。
特許文献5において、プロトン伝導性を確保するためのスルホン酸基と、メタノール水溶液耐性付与のための適度に疎水化されたセグメントとを導入した、芳香族炭化水素系の電解質ポリマーが、プロトン伝導性とメタノール水溶液耐性が高いため、直接メタノール型燃料電池の触媒電極に好適に使用できる旨開示されている。
特許文献9において、特定の比誘電率の極性溶媒を触媒電極塗工液の溶剤として使用することにより、電解質ポリマーをコロイド化させずに完全に溶剤中に溶解することができ、結果、電解質ポリマーの分子鎖が強く絡まった機械強度の高い触媒電極が得られる旨記載されている。また、特許文献10において、電解質ポリマーに由来するミセルの平均径が150nm以下で、粒子分布が単一ピークを示す触媒電極塗工液が発電性能向上に効果があると記載されている。
特許文献3は、触媒電極を構成するカーボン担体に対して表面張力の大きい水を排除することや、溶媒と電解質ポリマーの相互作用を下げることが該触媒電極のひび割れ等の発生を防ぐことに有効であることを開示しているに過ぎず、電解質ポリマーの溶媒中における分散状態やその効果を開示するものではない。
特許文献4は、均一で緻密な膜を形成するためのスルホン化ポリマーの均質溶液が開示されているに過ぎない。
特許文献5は、ポリマー構造に由来する特性を開示しているに過ぎず、電解質ポリマーの溶媒中における分散状態やその効果を開示するものではない。
特許文献6は、電解質ポリマーの溶媒中における分散状態やその効果を開示するものではない。
特許文献7は、溶解性パラメータを規定することにより、イオン伝導性芳香族ポリマーの溶解性が低下し、触媒担持カーボンへのポリマー被覆が過剰となる旨記載されているが、溶媒中における、ポリマーの分散形態とその効果について開示するものではない。
特許文献8は、溶媒中における、ポリマーの分散形態とその効果について開示するものではない。
特許文献9,10は、溶媒中におけるポリマーの分散形態とその効果について触れているが、炭化水素系電解質膜との接合性のよい触媒電極が得られることを開示するものではない。
[1]
炭化水素系電解質ポリマーと、粘度が1.5cP以上の溶媒とを含む電解質組成物であ
って、前記炭化水素系電解質ポリマーが、芳香族ビニル化合物ユニットと、水添された共役ジエン化合物ユニットとを有するブロックポリマーであり、且つスルホン化されたブロックポリマーであり、当該電解質組成物中に観察されるミセル粒子の平均径が1nm以上45nm以下であることを特徴とする電解質組成物。
[2]
前記溶媒が、水酸基を含む有機溶媒である上記[1]に記載の電解質組成物。
[3]
前記有機溶媒の誘電率が30以下である上記[2]に記載の電解質組成物。
[4]
前記炭化水素系電解質ポリマーと前記溶媒との配合比が、(炭化水素系電解質ポリマー)/(溶媒)(質量比)として1/99〜30/70である上記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の電解質組成物。
[5]
上記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の電解質組成物と、触媒とを含む触媒層。
[6]
上記[5]に記載の触媒層を備える固体高分子型燃料電池。
[7]
燃料として液体燃料が供給される上記[6]に記載の固体高分子型燃料電池。
[8]
前記液体燃料がメタノールである上記[7]に記載の固体高分子型燃料電池。
本実施の形態の組成物において、炭化水素系電解質ポリマーには、
(i)ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン構造、ベンズイミダゾール構造、をはじめとする芳香環あるいは芳香環間が、アルキレン結合、フルオロアルキレン結合、エーテル結合、スルホン結合、イミド結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、スルフィド結合、カーボネート結合及びケトン結合から選択される少なくとも1種以上の結合基で結合した、重合体骨格の芳香環に直接、または芳香環に結合したアルキル鎖、アルキルエーテル鎖の末端に、あるいは芳香環にケトン、スルホン、フルオロアルキレン、アミド、エステル結合鎖を介して結合した側鎖の芳香環に、スルホン酸基、ホスホン酸基、カルボン酸基をはじめとする陽イオン交換基が結合した、芳香族炭化水素系の重合体、
(ii)ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を主成分とする重合体及び他のビニルモノマーとの共重合体、スルホン化したビニル芳香族化合物の重合体もしくは他のビニルモノマーとの共重合体のスルホン化物等、ビニルモノマー系の重合体、
が好適に使用できる。
中でも、炭化水素系電解質ポリマーが、ビニルモノマー系、芳香族炭化水素系の陽イオン交換基を有するプロトン伝導性ユニット(A)と、陽イオン交換基を有しない2価のビニルモノマー系、芳香族炭化水素系の耐メタノール溶解ユニット(B)からなるブロック重合体であることが、触媒電極の触媒活性が高いことと、メタノール耐性が高いことを両立できるの好ましい。さらに、該(A)が、例えば、スチレン重合体、α−メチルスチレン重合体に代表される、芳香族ビニル化合物ユニットからなり、該(B)が水添ブタジエン、水添イソプレンに代表される、実質的に完全に水添された共役ジエン化合物ユニットからなる、ブロックポリマーの芳香族ビニル化合物ユニットの少なくとも一部をスルホン化したものであることが、溶媒の選択により、溶媒中での分散径を小さくするのが容易なため、より好ましい。
ブロックポリマーは、A−B型、A−B−A型、A−B−A−B型、A−B−A−B−A型、星型等、公知のブロック構造のものいずれをも、少なくとも1種類以上組み合わせて用いることができる。
なお、本実施の形態において「粘度」とは、JIS Z8803に準拠し、20℃で測定した値である。
本実施の形態に用いられる溶媒は、水酸基を含む有機溶媒であることが好ましい。このような有機溶媒としては、例えば、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、iso−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、iso−ペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−へプタノール、2−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、2−ブトキシエタノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。
更に、本実施の形態に用いられる溶媒の誘電率は、好ましくは30以下、より好ましくは25以下であり、好ましくは3以上、より好ましくは5以上である。有機溶媒の粘度が一定範囲であることに加え、水酸基を有すること、及び/または、誘電率が一定範囲であることにより、該炭化水素系電解質ポリマーが該有機溶媒中で小さいミセル構造が形成できるので、より好ましい。
なお、本実施の形態において「誘電率」とは、20℃の溶媒を用いて、10kHzの正弦波により測定した静電容量から求めることが出来る値で、例えば、Scientifica社製誘電率計M−870により測定できる。
また、上記有機溶媒は複数種を組み合わせて使用しても良く、ミセルの形成を損なわない範囲で、水をはじめとする非有機溶媒と該有機溶媒とを組み合わせて使用してもよい。この場合、これらの有機溶媒などを組み合わせた混合溶媒の粘度が1.5cP以上あれば良い。このような粘度の混合溶媒とするためには、混合溶媒中に占める粘度1.5cP以上の有機溶媒の割合が、通常、33wt%以上、好ましくは40wt%になるように、粘度1.5cP以上の有機溶媒と、他の有機もしくは非有機溶媒とが混合される。
ミセルの形状は、球状、楕円球状、ひも状、ロッド(円筒)状等、公知の規則性ミセル形状をとることができる。
〔非特許文献2〕Shibayama, M.;Hashimoto, T.; Macromolecules 1986, 19, 740
〔非特許文献3〕Matsuoka, H.; Tanaka, H.; Hashimoto, T.; Ise, N.; Phys. Rev. B 1987, 36, 1754
〔非特許文献4〕Matsuoka, H.; Tanaka, H.; Iizuka, N.; Hashimoto, T.; Ise, N.; Phys. Rev. B 1990, 41, 276
〔非特許文献5〕Hashimoto, T.; Kawamura, T.; Harada, M.; Tanaka, H.; Macromolecules 1994, 27, 3063
得られる触媒電極内で本来のプロトン伝導性を得る目的で、該電解質組成物を使用して触媒電極形成後、塩酸、硝酸、硫酸、過塩素酸に代表される強酸で洗浄し、除去することが、特にカチオン性の添加剤を用いる場合においては、好ましい。尚、添加剤は任意のものを複数組み合わせて用いてもよい。
また、混合分散の容器には、加温することにより溶媒の蒸気圧が高くなり、溶媒が蒸散してしまうのを防止する目的で、マイクロボンベやオートクレーブに代表される、高圧容器を使用することが好ましい。
ここで、炭化水素系の電解質膜として、
(i)ポリマー主鎖に、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン構造、ベンズイミダゾール構造、をはじめとする芳香環あるいは芳香環と、アルキレン結合、フルオロアルキレン結合、エーテル結合、スルホン結合、イミド結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、スルフィド結合、カーボネート結合及びケトン結合から選択される少なくとも1種以上の結合基を有するポリマーの芳香環に、直接、アルキル鎖、アルキルエーテル鎖を介して、スルホン酸基、ホスホン酸基、カルボン酸基をはじめとする陽イオン交換基が結合したポリマーからなる、芳香族炭化水素系重合体の電解質を主成分とする電解質膜、
(ii)ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を主成分とする重合体もしくは共重合体、ビニル芳香族化合物とジビニルベンゼンを主成分とする共重合体のスルホン化物、ビニル芳香族化合物と水添ジエン化合物の任意のブロック構造をとるブロック共重合体のスルホン化物等、ビニルモノマー系重合体の電解質を主成分とするビニルモノマー系電解質膜、あるいは、
(iii)先述の(i)(ii)中に記載の電解質が、例えばポリエチレン、ポリイミド、ポリ4フッ化エチレン、シリカをはじめとする、有機もしくは無機の多孔質材料中に充填された、複合型電解質膜、等が好適に用いられる。
特にメタノールに代表される液体燃料を使用する燃料電池に使用する場合には、MEAにおいて高い出力を得るために、炭化水素系の電解質膜について、メタノール透過性と寸法安定性が要求されるため、(iii)に示す複合型電解質膜がより好適に用いられる。
陰極:H2→2H++2e−
陽極:1/2O2+2H++2e−→H2O
液体燃料を直接供給する固体高分子型燃料電池の例として直接メタノール型燃料電池の例を挙げると、陰極側にはメタノール水溶液が、陽極側には空気が供給され、次の反応により電気エネルギーが生成する。
陰極:CH3OH+H2O→CO2+6H++6e−
陽極:3/2O2+6H++6e−→3H2O
該電解質組成物の溶液に対し、小角X線散乱測定を行い、得られたSAXSプロフィールに対し球状構造を仮定した散乱理論式でフィッティングを行い、平均ミセル径を得た。具体的には、該炭化水素系電解質ポリマー組成物の溶液に対して得られたSAXSプロフィールに対し、空セル散乱等必要な補正を施した後、
これに対して式1をフィッティングさせることにより平均ミセル径2r0、粒径の分布関数P(r)を得た。数式1中でCは定数、BGは熱散漫散乱を含むミセル以外に由来する散乱、qは数式2で表される散乱ベクトルの絶対値、Φは数式3で表される半径rの球からの散乱の形状因子を表している。
スチレン55質量部、4−ビニルピリジン45質量部、ジビニルベンゼン15質量部と5質量部の重合開始剤t−ブチルパーオキシエチルネキサノエートよりなる単量体組成物を調製し、これにポリエチレン製多孔質フィルム(重量平均分子量25万、膜厚25μm、平均孔径0.03μm、空隙率37%)を大気圧下で5分間浸漬した。次いで、この多孔質フィルムを単量体組成物中から取り出し、厚さ100μmのポリエステルフィルムを剥離剤として多孔質フィルムの両側を被覆した後、0.3MPaの窒素加圧下、80℃で5時間加熱重合した。得られた膜状物を98%濃硫酸と純度90%以上のクロロスルホン酸の1:1の混合物中に40℃で60分間浸漬してスルホン化し、陽イオン交換膜を得た。
続いて、得られた陽イオン交換膜を室温で24時間乾燥した後、ポリ−4−ビニルピリジン(重量平均分子量16万)の0.2質量%メタノール溶液に室温で15分間浸漬し、次いで、25℃、大気圧下で16時間、さらに40℃の減圧下で5時間乾燥した。その後、隔膜をメタノールに室温で30分間浸漬して洗浄し、さらに、メタノールを変えて同様の浸漬洗浄を2回行った後、室温で5時間乾燥して、中間層付与陽イオン交換膜を得た。
さらに、中間層付与陽イオン交換樹脂膜上に、スチレンと実質的に完全に水添されたブタジエンからなるブロックコポリマーのスルホン化物(陽イオン交換容量1.5mmol/g−乾燥樹脂、重量平均分子量2万)の2質量%1−プロパノール溶液を、乾燥後の厚さが2μmになるようにスクリーン印刷によりコートした。次いで25℃の大気圧下で2時間乾燥して、陽イオン交換樹脂膜の両面に接着層を有する燃料電池用隔膜を得た。
当該電解質膜を使用し、アノードに実施例1、比較例1〜2で作成した電極を、カソードに米国E−TEK社製触媒電極(カーボンクロス上に、白金担持カーボン(白金担持率60wt%)が3mg/cm2塗工されたもの)がパーフルオロスルホン酸系電解質とともに塗工されたものを使用し、120℃×2MPa×5分で熱圧着し、膜−電極複合体(MEA)を作成した。尚電極面積は25cm2とした。これを図1に示す燃料電池セルに組み込み、アノード側に3mol/Lメタノール水溶液を0.5cc/min.、カソード側に70℃加湿空気を2L/min.供給し、燃料電池セル温度70℃、両面に200kPaの背圧をかけ、米国スクリブナー社製、燃料電池用電子負荷装置890CLにて、セル電圧が0.2V、0.25V、0.3V、0.35Vになるように電流負荷をかけて、出力を測定し、MEA毎に最大の出力を最大出力とした。
作製直後の燃料電池用隔膜−触媒電極接合体を用い、JISK−5400のXカットテープ法に準拠し、テープ剥離試験を行った。テープ剥離後、燃料電池用隔膜上に残った電極層の状態を目視で10点法により評価し、作製直後の接合性とした。
また、後述の直接メタノール型での燃料電池出力電圧試験後、メタノール水溶液、空気ス供給条件、温度を保持したまま、セル電圧が0.3Vになるように電流負荷をかけて、100時間保持した。その後セルから燃料電池用隔膜−触媒電極接合体を取り出し、作製直後と同様にしてテープ剥離試験を行い、その接合性を評価した。
作製直後の接合性が10点であり、かつ出力評価後の接合性が6点以上であるものを○、そうでないものを×と評価した。
[耐メタノール性]
乾燥させた電解質組成物のメタノールへの飽和溶解度(20℃)を測定し、飽和溶解度が0.05%以下のものを○、飽和溶解度が0.05%を超えるものを×とした。
スチレンと実質的に完全に水添ブタジエンからなるブロックコポリマー(スチレン含有量30質量%、ポリスチレン換算分子量5万(GPC法による))を1質量%の濃度でクロロホルムに溶解し、5〜10℃に冷却した。得られた溶液を激しく撹拌しながら、樹脂の含有するスチレンユニットと等モルのクロロスルホン酸を、クロロホルム溶液(クロロスルホン酸10体積%)にしてゆっくり滴下し、60分間反応させた。その後、反応溶液をイオン交換水中へ投入して2時間攪拌し、残存クロロスルホン酸の分解と生成物の加水分解反応を完結させた。次いで、クロロホルムを減圧留去して沈殿した生成物を濾別し、これをイオン交換水で洗浄後、30℃で20時間乾燥させることにより炭化水素系電解質ポリマーを得た。得られた炭化水素系電解質ポリマーの陽イオン交換容量は1.5mmol/g−乾燥樹脂であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は約2万(GPC法による)であった。
参考例1の炭化水素系電解質ポリマー5gを、加圧可能な密閉容器中(容積300ml)に入れ、ここに1−プロパノール(粘度2.3cP 誘電率22)95gを加え、次いで攪拌しながら室温から140℃に昇温した後140℃で3時間保持した。その後、室温まで冷却して密閉容器から電解質組成物(P1)を取り出した。P1を目視観察したところ、不溶成分は認められず透明な均質液となっていた。該(P1)と米国E−TEK社製、白金ルテニウム合金担持カーボン(白金ルテニウム合金担持率80wt%)を、該(P1)中の炭化水素系電解質ポリマーと白金ルテニウム合金が1:2の重量比になるように、エスエムテー社製、超音波ホモジナイザーUH−50を用いて混合し、該(P1)と該白金ルテニウム合金担持カーボンのペースト状混合物(以下、触媒電極塗工液(I1)とする)を作成した。該触媒電極塗工液(I1)を、0.2mm厚の金枠を使用して米国E−TEK社製、カーボンクロスLT1200−W上に、白金ルテニウム合金量が3mg/cm2になるように塗工し、アノード触媒電極(AE1)を作成した。得られた(P1)のミセル構造、平均ミセル径、(AE1)のMEAとした場合の最大出力、接合性、アノード触媒電極に使用した炭化水素系電解質ポリマーの耐メタノール性の結果を表1に示す。
参考例1の炭化水素系電解質ポリマーを、20℃のテトラヒドロフラン(粘度0.55cP 誘電率7.8)に攪拌しながら溶解させ、炭化水素電解質ポリマー5重量部とテトラヒドロフラン95重量部からなる電解質組成物(P2)を得た。該(P2)を使用して、実施例1と同様に、アノード触媒電極(AE2)を作成した。得られた(P2)、(AE2)のミセル構造、平均ミセル径、(AE2)のMEAとした場合の最大出力、接合性、アノード触媒電極に使用した炭化水素系電解質ポリマーの耐メタノール性の結果を表1に示す。
[比較例2]
炭化水素系電解質ポリマー組成物のかわりに、陽イオン交換容量が0.9mmol/gのパーフルオロスルホン酸系電解質ポリマーを使用した、白金ルテニウム合金量が5mg/cm2のE−TEK社製、アノード触媒電極(AE3)を入手した。(AE3)のMEAとした場合の最大出力、接合性、アノード触媒電極に使用されているフッ素系電解質ポリマーの耐メタノール性の結果をを表1に示す。
2 電解質膜
3 導電性プレート
11 膜−電極複合体(MEA。触媒電極1と、触媒電極1に接する電解質膜2とを含む複合体を指す。)
Claims (8)
- 炭化水素系電解質ポリマーと、粘度が1.5cP以上の溶媒とを含む電解質組成物であって、前記炭化水素系電解質ポリマーが、芳香族ビニル化合物ユニットと、水添された共役ジエン化合物ユニットとを有するブロックポリマーであり、且つスルホン化されたブロックポリマーであり、当該電解質組成物中に観察されるミセル粒子の平均径が1nm以上45nm以下であることを特徴とする電解質組成物。
- 前記溶媒が、水酸基を含む有機溶媒である請求項1に記載の電解質組成物。
- 前記有機溶媒の誘電率が30以下である請求項2に記載の電解質組成物。
- 前記炭化水素系電解質ポリマーと前記溶媒との配合比が、(炭化水素系電解質ポリマー)/(溶媒)(質量比)として1/99〜30/70である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解質組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解質組成物と、触媒とを含む触媒層。
- 請求項5に記載の触媒層を備える固体高分子型燃料電池。
- 燃料として液体燃料が供給される請求項6に記載の固体高分子型燃料電池。
- 前記液体燃料がメタノールである請求項7に記載の固体高分子型燃料電池。
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