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JP4989904B2 - 1,3−ジオキサン基を有するエステル化合物、該化合物を含む組成物、位相差板、及び表示装置 - Google Patents

1,3−ジオキサン基を有するエステル化合物、該化合物を含む組成物、位相差板、及び表示装置 Download PDF

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JP4989904B2 JP2006046800A JP2006046800A JP4989904B2 JP 4989904 B2 JP4989904 B2 JP 4989904B2 JP 2006046800 A JP2006046800 A JP 2006046800A JP 2006046800 A JP2006046800 A JP 2006046800A JP 4989904 B2 JP4989904 B2 JP 4989904B2
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Description

本発明は、1,3−ジオキサン基を有するエステル化合物、該化合物を含む組成物、位相差板、及び表示装置に関する。
液晶(化合物)は、ディスプレイ等のデバイス、位相差板等の光学要素等の用途で広く用いられているが、その目的に応じた新しい素材の開発が望まれている。現在までに知られてる液晶の種類にはネマチック液晶、コレステリック液晶、スメクチック液晶、ディスコティック液晶があり、それぞれの液晶に特有な電気光学効果を利用して種々の液晶表示素子が実用化されている。これらの液晶のなかでネマチック液晶を用いた液晶表示素子が特に広く用いられており、その表示方式には動的散乱型、複屈折制御型、ゲスト・ホスト型、捩れたネマチック型(TN型)、超捩れネマチック型(STN型)、超捩れ複屈折型などがあり、またその駆動方式にはスタティック駆動方式、時分割駆動方式、アクティブマトリックス駆動方式、二周波駆動方式などがある。
液晶は、良好な化学的安定性及び熱に対する安定性を有し、また電場及び電磁波照射線に対する良好な安定性を有していなければならない。さらにまた、液晶材料は、駆動速度の観点から低粘度を有することが好適であり、またセルにおいて、短いアドレス時間、低いしきい値電圧及び大きいコントラストを呈しなければならない。
しきい値電圧(Vth)は、以下の式にて表されるように誘電率異方性(Δε)の関数である(Mol.Cryst.Liq.Cryst.,12,57(1970))。
Vth=π×[K/(ε0×Δε)]1/2
上式中、Kは弾性定数、ε0は真空の誘電率を表す。
この式からわかるように、しきい値電圧を小さくするためには誘電率異方性を大きくする方法、または弾性定数を小さくする方法の2通りの方法が考えられる。しかし、既存の技術では弾性定数のコントロールは困難であることから、誘電率異方性の大きな材料を使用することにより低しきい値電圧の要求に対処している。そのため誘電率異方性の大きな液晶性化合物の開発が活発に行われており、例えば、誘電率異方性が正の液晶材料として、1,3−ジオキサン誘導体が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
一方で、近年、高品質な液晶ディスプレイを得るために、さまざまな方式の液晶表示素子が開発されている。特にインプレーンスイッチングモード(IPS)や垂直配向モード(VA)方式のものは広視野角の液晶ディスプレイを開発する上で注目されている。これらの液晶表示素子に用いられる液晶組成物は△εが負に大きく、かつ弾性定数が小さいことが求められており、これを満たすための液晶材料の開発が活発になされている。
このような△εが負に大きい液晶材料として、2,3−ジシアノフェニレンが知られている(例えば、特許文献2参照。)。他にも負の誘電率異方性を示す化合物としては2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレンを部分構造に有する化合物が一般的に知られている(例えば、非特許文献1参照。)。誘電率異方性を改良するための化合物として、負の誘電率異方性をさらに大きな数値にさせるため、化合物分子の側方位にトリフルオロメチルを結合させた化合物、ジフルオロメチルを結合させた化合物が報告されている(例えば、特許文献3、非特許文献1、非特許文献2及び特許文献4参照。)。
しかしながら、液晶に化合物に要求される物性としては、誘電率異方性Δεだけではなく、透明度や液晶温度域など様々である。そのため、要求特性を単独で満足できるような液晶化合物は存在せず、多くの液晶化合物から調製される液晶組成物(例えば、特許文献3参照。)が用いられてきたのが現状である。
そのため、液晶組成物の物性をコントロールするために様々な化合物を混合するのが一般的であるが、その結果として誘電率異方性Δεを負に大きくするのが困難になることもある。よって、誘電率異方性Δεが負に大きな化合物の開発が望まれている。
米国特許第4,313,878号明細書 特公昭58−22146号公報 国際公開第2000−03963号パンフレット 特表平10−176167号公報 Angew. Chem. Int. Ed. 2000, 39, 4216−4235 Synlett. 1999, No.4, 389−396
本発明の目的は、弾性定数が小さくかつ誘電率異方性Δεが負に大きい化合物、該化合物を含有する組成物、しきい値電圧(Vth)の小さい位相差板及び表示装置の提供にある。
上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。すなわち、本発明は、
<1> 下記一般式1で表される化合物である。
式中、R1 及び2 は、各々独立に、水素原子(重水素原子を含む)、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アリール基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基を表し、 1 〜X 12 は、各々独立に、水素原子(重水素原子を含む)、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含み、フッ化アルキル基を含む)、シアノ基を表し、Y1及びY2は、各々独立に、クロロ基、フルオロ基、又はシアノ基を表し、且つY1及びY2の少なくとも一つはシアノ基である。
<2> 前記<1>に記載の化合物を少なくとも1種含有する液晶組成物である。
> 透明支持体の上に少なくとも一層の光学異方性層を有する位相差板であって、
前記光学異方性層が前記<1>に記載の化合物の少なくとも一種含有する位相差板である。
> 一対の電極基板と、該一対の電極基板の間に配置された液晶層とを有し、前記液晶層が前記<1>に記載の化合物を少なくとも一種含有する表示装置である。
本発明によれば、弾性定数が小さくかつ誘電率異方性Δεが負に大きい化合物、及び該化合物を含有する組成物を提供でき、更に、しきい値電圧(Vth)の小さい位相差板及び表示装置を提供することができる。
1.一般式1で表される化合物
まず、一般式1(以下、適宜「本発明の化合物」と称する。)で表される化合物の構造と、誘電率異方性△εの関係について説明する。
誘電率異方性(Δε)は、分子の配向方向に平行な方向での誘電率と、垂直な方向での誘電率との差分を表すものであり、下記式で表される。
誘電率異方性(Δε)=ε‖−ε⊥
上式中、ε‖は、分子の配向方向に平行な方向での誘電率を表し、ε⊥は、垂直な方向での誘電率を表す。つまり、誘電率異方性(Δε)を大きくするには、棒状の液晶化合物の分子内で長軸方向での分極を大きくすることが効果的である。
ここで、本発明の一般式1で表される化合物は、以下の通りである。
一般式1において、R1 及び2 は、各々独立に、水素原子(重水素原子を含む)、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アリール基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基を表し、X 1 〜X 12 は、各々独立に、水素原子(重水素原子を含む)、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含み、フッ化アルキル基を含む)、シアノ基を表し、Y1及びY2は、各々独立に、クロロ基、フルオロ基、又はシアノ基を表し、Y1及びY2の少なくとも一つはシアノ基である。
一般式1で表される化合物は、下記に示すように、エステル基のカルボニル基によって、短軸方向に分極する。
更に、一般式1におけるフェニル基において、Y1とY2とが化合物の長軸を中心としたときに同じ側に配される。このY1及びY2は、クロロ基、フルオロ基、又はシアノ基であるため、電子を吸引性する性質を有する。したがって、Y1及びY2によっても、短軸方向への分極が高められる。
このような短軸方向での分極は、短軸方向の誘電率ε⊥を大きくするので、誘電率異方性△εが負になり、且つその値が大きくなる。
なお、長軸を中心としたときにY1及びY2に対して対称の位置にあるX1及びX2は、Y1及びY2の電子吸引の効果を打ち消さないよう、電子吸引性の強い置換基でないことが好ましい。
以下では、一般式1で表される化合物について、更に詳細に説明する。
一般式1におけるR1、R2、X1〜X12で表される置換基は、以下に置換基群Wから選ばれる置換基である。なお、本発明においては、下記置換基のうち、R 1 及びR 2 は、各々独立に、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アリール基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基を表し、X 1 〜X 12 は、各々独立に、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含み、フッ化アルキル基を含む)、シアノ基を表す。
(置換基群W)
ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、複素環基(ヘテロ環基と言っても良い)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(−B(OH)2)、ホスファト基(−OPO(OH)2)、スルファト基(−OSO3H)、その他の公知の置換基、が例として挙げられる。
更に詳しくは、置換基群Wは、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1から30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2−エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3から30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)はこのような概念のアルキル基を表すが、さらにアルケニル基、アルキニル基も含むこととする。]、アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2から30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)を包含するものである。]、アルキニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基)、
アリール基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、複素環基(好ましくは5又は6員の置換もしくは無置換の、アリール基もしくは非芳香族の複素環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5もしくは6員の芳香族の複素環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル、なお、1−メチル−2−ピリジニオ、1−メチル−2−キノリニオのようなカチオン性の複素環基でも良い。)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3から20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、
アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ)、アンモニオ基(好ましくはアンモニオ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキル、アリール、ヘテロ環が置換したアンモニオ基、例えば、トリメチルアンモニオ、トリエチルアンモニオ、ジフェニルメチルアンモニオ)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ)、
アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールチオ、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2から30の置換又は無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、
スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、アルキル及びアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4から30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2−ピリジルカルボニル、2−フリルカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、アリール及びヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、
ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、ホスフォ基、シリル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)、ヒドラジノ基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換のヒドラジノ基、例えば、トリメチルヒドラジノ)、ウレイド基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換のウレイド基、例えばN,N−ジメチルウレイド)、を表す。
また、2つのWが互いに結合して環を形成してもよい。このような環としては、例えば、アリール基、又は非芳香族の炭化水素環、又は複素環。これらは、さらに組み合わされて多環縮合環を形成することができる。例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、フェナジン環、が挙げられる
液晶性を示す化合物として用いる場合、一般式1におけるR1,R2として好ましくは、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、エステル基である。ここで、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。
好ましくは、R1は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜15のアルキル基である。)、アルケニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜15のアルケニル基である。)、アルキニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜15のアルキニル基である。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜15のアルコキシ基である。)、アリールオキシ基(好ましくはフェニルオキシ基である。)、シアノ基、アルコキシカルボニル基、エステル基、アリール基である。
より好ましくは、R1は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基である。
また、R2は、分子長軸の誘電率を大きくしない観点から、アルキル基またはアルコキシ基であることが好ましく、より好ましくは炭素数3〜20、更に好ましくは炭素数3〜12のアルキル基、または、より好ましくは炭素数1〜20、更に好ましくは炭素数3〜12のアルコキシ基である。炭素数が3未満のアルキル基またはアルコキシ基の場合には、液晶となりにくく、12を超える炭素数のアルキル基またはアルコキシ基の場合には、融点が高くなりすぎる。
液晶性を示す化合物として用いる場合、一般式1におけるX1〜X12としては、好ましくは、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、アルキル基であり、さらに好ましくは水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、メチル基、トリフルオロメチル基である。
更に、X7としては、水素原子、重水素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基であることが好ましい。より好ましくは水素原子である。X7がフッ素原子又はトリフルオロメチル基の場合には、本発明の化合物において短軸方向への分極が促される。
2〜X6としては、水素原子、重水素原子、メチル基が特に好ましい。
本発明の一般式1で表される化合物は、下記一般式2で表される化合物であることが、負に大きなΔεを示す観点から好ましい。なお、一般式2は、前記一般式1におけるX7〜X12がすべて水素原子の場合である。
上記一般式2において、R1、R2、X1〜X6、Y1及びY2は、それぞれ一般式1で説明したR1、R2、X1〜X6、Y1及びY2と同義である。
以下に、本発明における具体的な化合物例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
上記特定の構造を有することで、本発明の化合物は誘電率異方性Δεが負であって、且つその値が大きくなる。負に大きな誘電率異方性Δεは、液晶組成物を用いるデバイスの高速応答に有効であり、様々な液晶表示方式に必要な物性である。また、液晶組成物全体の誘電率異方性△εを調整するために添加するのに有効である。
本発明の一般式1で表される化合物は、4位にジオキサン環を有する安息香酸類とフェノールなどのフェノール類との縮合反応によって合成できる。縮合反応では、下記スキーム1に示すように、ジシクロヘキシルカルボジイミドのような縮合剤を使うことで合成できる。また、下記スキーム2に示すように、カルボン酸を塩化チオニルやオキシ塩化リンなどのクロロ化剤と反応させて酸クロライドを合成してからアルコールとの縮合反応を行うこともできる。
この際、対応する4位にジオキサン環を有する安息香酸類は、下記スキーム3に示すように、対応する1,3−ジオール類と芳香族アルデヒドを、酸触媒の存在下に脱水縮合反応することにより合成することができる。この際、シアノ基、エステル基など、酸や塩基に弱い官能基は合成中に分解がおこるので、これらの置換基を導入する際には、4位にジオキサン環を有する安息香酸類を合成した後に導入することが好ましい。
2つの基が導入された1,3−ジオキサン環は、シス体とトランス体が存在するが、このうち液晶性を示すのは専らトランス体の化合物である。そのため、合成した1,3−ジオキサン化合物はカラムクロマトグラフィーや再結晶によって精製が必要になる。1,3−ジオキサン環に結合する置換基の炭素数が大きくなると、カラムクロマトグラフィーによる精製が困難になるため、このような場合には再結晶によって精製する方法が好ましい。
2.組成物
また、本発明は、一般式1で表される化合物を少なくとも一種含有する組成物を提供する。
かかる組成物は、一般式1で表される化合物を単独又は2種以上含有してよく、適宜、液晶に用いられる公知の化合物を添加して液晶組成物(好ましくはゲストホスト用液晶組成物)として用いてもよい。組成物における本発明の化合物の割合は特に限定されず、所望の物理的特性に応じて、任意の割合で混合できる。本発明の組成物を液晶組成物として用いる場合、混合する液晶を用いて液晶組成物の物理的特性(光学特性等)を適宜調節してもよい。本発明の組成物において、利用可能な液晶化合物は、限定されないが、二周波液晶(ネマチック、スメクチック)が好ましい。
3.表示装置
本発明の化合物及び組成物は、液晶ディスプレイ等などの液晶表示装置に用いることができる。例えば、表示装置は、一対の電極基板と、前記一対の電極基板の間に配置された液晶層とを有し、前記液晶層は本発明の一般式1で表される化合物を少なくとも一種含む。
本発明の表示装置は、誘電率異方性△εの絶対値が大きく且つ負の値を示す一般式1で表される化合物を用いるため、広角視野の液晶ディスプレイ等として好適である。
電極としては、通常ガラスあるいはプラスチックからなる基板上に、電極層を形成したものを用いることができる。プラスチック基板としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、PESあるいはPENなどが挙げられる。
基板については、例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第218〜231頁に記載のものを用いることができる。基板上に形成される電極層は、好ましくは透明電極層である。例えば、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ等から形成することができる。透明電極については、たとえば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第232〜239頁に記載のものを用いることができる。
本発明の表示装置は、例えば、一対の基板をスペーサーなどを介して、1〜50μm間隔で対向させ、基板間に形成された空間に本発明の液晶組成物を配置することにより作製することができる。前記スペーサーについては、例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第257〜262頁に記載のものを用いることができる。本発明の液晶組成物は、基板上に塗布あるいは印刷することにより基板間の空間に配置することができる。
本発明の表示装置は、単純マトリックス駆動方式あるいは薄膜トランジスタ(TFT)などを用いたアクティブマトリックス駆動方式を用いて駆動することができる。駆動方式については、例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第387〜460頁に詳細が記載され、本発明の液晶素子の駆動方法として利用できる。
本発明の表示装置は、本発明の一般式1で表される化合物のほかに、適宜、一般的に表示装置に用いる化合物や部材を適用することができる。
4.光学要素
本発明の化合物及び組成物は、以下に説明する光学要素としても好適に利用できる。
本発明における光学要素は、具体的には、円偏光発光フィルム、光学フィルム、位相差板、強誘電性フィルム、反強誘電性フィルム、及び圧電フィルム等の機能性フィルム等、並びに(円)偏光発光素子、(1次のフォトニック結晶効果に基づく)光励起あるいは電界励起によるレーザー発振素子、LCD用バックライト、非線形光学素子、電気光学素子、焦電素子、圧電素子、及び光変調素子等の機能性素子等をいう。
本発明において光学要素は、例えば、一枚の支持体、又は一対の支持体(セルなど)等に、1)本発明の化合物(又は組成物)を塗布した後架橋する方法、又は2)本発明の化合物(又は組成物)をそのまま注入する方法等により製造できる。
これらの光学要素は、誘電率異方性△εの絶対値が大きく且つ負の値を示す一般式1で表される化合物を用いるため、広角視野を広くすることができる。
位相差板の場合には、支持体は透明支持体を用いる。かかる透明支持体としては特に制限は無いが、ガラス、TAC、PET、PEN、COP、PMMA、PS、ポリカーボネートなどを用いることができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
<例示化合物(1)の合成>
(化合物1aの合成)
窒素置換した500mlの三つ口フラスコに、1.0mol/lのリチウムアルミニウムハイドライド(100ml(0.1mol)、アルドリッチ製)を入れ、氷浴で内温5℃以下に調整した。ノルマルブチルマロン酸ジエチル(8.0g(0.037mol))を100mlの脱水THFに溶解させ、滴下ロートで30分かけて滴下した。滴下終了後、湯浴で内温65℃に加熱し、反応溶媒を還流させた。4時間後、薄層クロマトグラフィーによって原料の消失を確認し、反応溶液を30℃以下に降温した。反応溶液に水10mlを入れて未反応のリチウムアルミニウムハイドライドを分解した。pH2以上になるまで1規定塩酸水溶液を加え、反応溶液を50mlの酢酸エチルで3回抽出した。得られた酢酸エチル溶液を飽和食塩水および重曹水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別し、得られた溶液を濃縮することで、粗生成物が5.0g得られた。この組成生物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)により精製することで、化合物1aを4.4g(収率90%)を得た。
(化合物1bの合成)
ディーンスタークトラップを200mlのナスフラスコにテレフタルアルデヒド酸(2.0g(15.1mmol)東京化成製)、化合物1a(2.3g(15.1mmol))、AMBERLIST(100mg、ICN Biomedicals製)、トルエン20mlを入れ、ディーンスターク還流管とジムロートを取り付けた。オイルバスで4時間加熱還流し、反応溶液を水冷した。反応溶液を濾過し、酢酸エチルで容器内の化合物を洗い出した。得られたトルエン−酢酸エチル溶液を濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーにより精製(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)することにより、化合物1bを3.4g(収率86%)得た。
(化合物1cの合成)
1.0リットルのナスフラスコに、2,3−ジシアノヒドロキノン(70g(0.44mol)、アルドリッチ製)、1−ブロモペンタン(70g(0.46mol)東京化成製)水酸化ナトリウム(20g(0.5mol))、及び、400mlの水を入れた。反応容器を120℃のオイルバスで加熱し、反応溶媒を6時間還流させた。反応溶液を30℃まで降温し、固体を濾取することで粗生成物が95.6g得られた。この粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=3/1〜1/1で精製(することにより、化合物1cを82.1g(収率80%)を得た。
(化合物1の合成)
窒素置換した100ml三つ口フラスコに、化合物1b(500mg(1.9mmol))、塩化チオニル(0.44ml(6.0mmol))を入れた。40℃で1時間攪拌した後、塩化チオニルを減圧除去した。これに乾燥酢酸エチル2.5mlを加えた。これを「酸クロライド溶液」とする。
窒素置換した100ml三つ口フラスコに、化合物1c(440mg(1.9mmol))、炭酸カリウム(1.4g(10mmol))、脱水アセトニトリル5mlを加えた。溶液の温度を30℃に保ちながら、酸クロライド溶液を滴下した。そのままの温度で3時間攪拌した。反応溶液に酢酸エチル20ml、水5mlを加え分液ロートで有機層を分けとった。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別し、得られた酢酸エチル溶液を濃縮することにより粗生成物が800mg得られた。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)することにより、化合物1を750mg(収率83%)得た。さらに高純度な化合物1を得るために、メタノール10mlで再結晶することにより、高純度な化合物1を710mg(収率78%)得た。
1H NMR(300MHz、CDCl3):δ0.86−0.96(m,6H),1.11−1.18(m,1H),1.27−1.56(m,8H),1.85−1.92(m,2H),2.11−2.20(m,1H),3.57(t,2H),4.13(dd,2H),4.27(dd,2H),5.48(s,1H),7.23(d,1H),7.64−7.68(m,3H),8.21(d,2H)
誘電率異方性Δεは、メルク社製液晶ZLI−1132を用いた外挿法により算出した。
Δε = −19
上記に示すとおり、負に大きなΔε値を示す化合物が合成できた。
[比較例1]
比較として、下記比較化合物−1、2を用いて、実施例1と同様の方法で誘電率異方性を求めた。
比較化合物−1: Δε = +32
比較化合物−2: Δε = −13
比較化合物との対比により、本発明の化合物は、負の誘電率異方性を示し且つその値が大きいことがわかる。
[実施例2]
本発明の化合物1をΔεが負の市販の液晶MLC−6608(Merck社製)に10質量%混合し、垂直配向セル(EHC社製)に注入し、しきい値電圧を測定した。また、比較として、前記比較化合物−2を同様に評価したところ、本発明の化合物を含む液晶組成物に対し、しきい値電圧が1.2倍高く、また、応答時間も1.4倍かかった。このことから、本発明の化合物は、比較化合物に対し、弾性定数が小さいことがわかる。
[実施例3]
(化合物4の合成)
以下のスキームにしたがって、化合物(4)を合成した。
(化合物4aの合成)
ナトリウムエトキシドの20%エタノール溶液(36g)に、マロン酸ジエチル(和光純薬製)(17g)を加え、続いて、ドデシルブロミド(和光純薬製)(26.4g)を加え、加熱還流下、3時間攪拌した。反応液を1N塩酸水で中和し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧にて濃縮した。濃縮残さをシリカゲルカラムクロマト精製することにより化合物4a(23g)を得た。
(化合物4bの合成)
窒素置換した500mlの三つ口フラスコに、1.0mol/lのリチウムアルミニウムハイドライド(100ml(0.1mol)、アルドリッチ製)を入れ、氷浴で内温5℃以下に調整した。化合物4a(19g)を20mlの脱水THFに溶解させ、滴下ロートで30分かけて滴下した。滴下終了後、湯浴で内温65℃に加熱し、反応溶媒を還流させた。4時間後、薄層クロマトグラフィーによって原料の消失を確認し、反応溶液を30℃以下に降温した。反応溶液に水10mlを入れて未反応のリチウムアルミニウムハイドライドを分解した。pH2以上になるまで1規定塩酸水溶液を加え、反応溶液を50mlの酢酸エチルで3回抽出した。得られた酢酸エチル溶液を飽和食塩水および重曹水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別し、得られた溶液を濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマト精製(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)することで、化合物4bを12gを得た。
(化合物4cの合成)
ディーンスタークトラップを200mlのナスフラスコにテレフタルアルデヒド酸(2.0g、東京化成製)、化合物4b(3.7g)、AMBERLIST(100mg、ICN Biomedicals製)、トルエン20mlを入れ、ディーンスターク還流管とジムロートを取り付け、オイルバスで4時間加熱還流した。反応溶液を水冷し、濾過した。得られたトルエン−酢酸エチル溶液を減圧にて濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)することにより、化合物4cを5.1g得た。
(化合物4dの合成)
化合物4c(2g)に、塩化チオニル(0.43ml)を加え、40℃で1時間攪拌した後、塩化チオニルを減圧除去した。これに乾燥酢酸エチル2.5mlを加えた。これを「酸クロライド溶液」とする。
2,3−ジシアノヒドロキノン(0.85g、アルドリッチ製)、炭酸カリウム(1.4g)、脱水アセトニトリル5mlを加えた。溶液の温度を30℃に保ちながら、酸クロライド溶液を滴下した。そのままの温度で3時間攪拌した。反応溶液に酢酸エチル20ml、水5mlを加え分液ロートで有機層を分けとった。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧にて濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製することにより、化合物4dを1.6g得た。
(化合物4の合成)
化合物4d(1.6g)とトリフェニルホスフィン(和光純薬製)(1.2g)および2−ヘキセニルアルコール(0.31g)のTHF溶液(20ml)に、氷冷下、アゾジカルボン酸エステルの40%トルエン溶液(東京化成製)(0.84ml)を滴下し、8時間攪拌した。反応液を水/酢酸エチルに注加し、有機層を1N塩酸水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧にて濃縮した。濃縮残さをシリカゲルカラムクロマト精製することにより液晶化合物(4)(1.4g)を得た(化合物の同定は元素分析、NMRおよびMASSスペクトルにより行った)。外観は白色固体。
実施例1と同様に、誘電率異方性を測定したところ、負に大きい値を示した。

Claims (4)

  1. 下記一般式1で表される化合物。

    〔式中、R1 及び2 は、各々独立に、水素原子(重水素原子を含む)、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アリール基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基を表し、 1 〜X 12 は、各々独立に、水素原子(重水素原子を含む)、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含み、フッ化アルキル基を含む)、シアノ基を表し、Y1及びY2は、各々独立に、クロロ基、フルオロ基、又はシアノ基を表し、且つY1及びY2の少なくとも一つはシアノ基である。〕
  2. 請求項1に記載の化合物を少なくとも1種含有する液晶組成物。
  3. 透明支持体の上に少なくとも一層の光学異方性層を有する位相差板であって、
    前記光学異方性層が請求項1に記載の化合物の少なくとも一種含有する位相差板。
  4. 一対の電極基板と、該一対の電極基板の間に配置された液晶層とを有し、前記液晶層が請求項1に記載の化合物を少なくとも一種含有する表示装置。
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