JP4989822B2 - プリプレグの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は繊維強化複合成形物を製造する際に用いられるプリプレグの製造方法に関し、
特に、真空バギング成形に好適に用いられるプリプレグの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
繊維強化複合成形物を製造する際に用いられるプリプレグは、従来からプリプレグの形状を維持する目的で、シリコーンがコートされた離型紙によりその片面が保持されているのが一般的である。また、他面にはプリプレグのタックを保持するため、或いは埃などの異物の付着を防止するために、例えばポリエチレン製フィルムなどの保護フィルムによって覆われている。
【0003】
しかし、これら離型紙や保護フィルムなどのシート状物でプリプレグの片面又は両面を覆うことにより、表面張力などのシート状物との相互作用によりプリプレグに含まれる樹脂がシート状物の側へ偏移し、プリプレグの両表面が樹脂リッチとなる。
【0004】
このように両表面が樹脂リッチとなっているプリプレグは、目的とする複合成形物に加工するために、所望のパターンにカットした後、シート状物を剥がしても、その直後ではプリプレグの表面が樹脂リッチのままである。かかる表面が樹脂リッチのプリプレグを複数枚、単に積層しただけでは2枚のプリプレグの間にエアがトラップされてしまう。このようにプリプレグの間にエアがトラップされた状態でプリプレグを硬化すると、得られた成形物は一体性が損なわれてしまう。或いは、これらトラップされたエアの跡がボイドとなり、そのボイドはある応力下で応力集中部となるため、複合成形物としての強度が低下するなど、機能が損なわれることになる。
【0005】
このような不都合を回避するため、積層されたプリプレグの間にエアがトラップされるのをなくす必要がある。例えばオートレイアップマシンを使用して、プリプレグを積層する際に加圧加熱しながらプリプレグ同士を押し当てて、プリプレグの間の空気を抜きながら積層する方法があるが、このオートレイアップマシンは極めて高価なため得られた複合成形物の価格にも影響を及ぼす。また、このオートレイアップマシンは複雑な形状に積層させる場合での使用には適していないため、その用途が限られてしまう。これらの理由により、現在でもプリプレグの積層作業は作業者により手作業で行われているのが実情である。
【0006】
このため、プリプレグの表面にタルクを付着させ、プリプレグ表面の樹脂同士が直接面状に粘着することを防いで樹脂自体のべたつきを低下させて、エアトラップを防止する方法が提案されている。このタルクを付着させる方法は、プリプレグのタック性を低下させるには効果的であるが、単にタック性を低減させるだけにすぎず、タルクが成形物中に含まれることになるため、大型の成形物を製造する場合に、不用意に重量増をもたらすことになる。また成形物の機械的物性を考慮すると、タルクは均一に付着させることが望ましいが、斑付けを起こしタルクが局在化することもあり、その場合には成形物の機械的物性が低下するおそれもある。
【0007】
或いは、第31回(1986年4月7〜10日開催)及び第32回(1987年4月6〜9日開催)の国際SAMPEシンポジウムで発表された論文(「Production of void free composite parts without debulking 」、「Degree of impregnation of prepregs - Effects on prosity 」)に開示されている層間ボイドを防止する方法では、強化繊維シートの全体に樹脂が含浸されずに、強化繊維シートの片側表面に偏って樹脂が含浸されているプリプレグを採用している。この樹脂が片側表面に偏って含浸されたプリプレグは、複数枚のプリプレグを積層したときの層間にトラップされたエアや揮発物を硬化の際に逃がすための流路が形成されるため、ボイドが生じるのを防止できるとしている。
【0008】
樹脂が強化繊維シートの片側表面に偏って含浸されたこのプリプレグは、強化繊維シートを、予め計量された樹脂を塗工した離型紙と樹脂が塗工されていない離型紙と間に介装し、これを両面から挟着・押圧するという方法により製造される。
【0009】
或いは、特開平2−227212号公報に開示されている方法では、周方向に凹凸部を有するローラにより、樹脂が十分に含浸されているプリプレグの表面にプリプレグの成形方向に沿った多数の凹溝を形成している。凹溝の方向を一定にして前記プリプレグを複数枚、積層させて真空バッギング成形により成形する場合には、プリプレグ表面の凹溝が層間にトラップされたエアや揮発物を逃す通路として機能するため、層間ボイドを防止できるとしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、片側表面に樹脂が偏在する上記ダブルフィルム法により製造されたプリプレグでは、使用するにあたり、樹脂が塗工されていない離型紙を剥ぎ取り、プリプレグとそれを担持するための樹脂の塗工された離型紙とからなるプリプレグ材の状態で使用する必要がある。この際、樹脂を塗工していない離型紙は強化繊維と直接触れているため、同離型紙を剥ぎ取る際に単糸が強化繊維シートから抜き取られ、更にはその抜き取られた単糸が次々と他の単糸を絡め取っていき、遂にはその部分に目開きを生ずるといった不都合も生じ、製品として重要な欠陥が生じることがある。
【0011】
また、片側表面には樹脂が存在していないため、かかる表面に樹脂が存在しない面同士を対向させて積層する場合、層間において互いを粘着させて積層することができず、プリプレグの取り扱い性が低下する。
【0012】
一方、特開平2−227212号公報に開示されているプリプレグ表面に凹溝を形成する方法では、上下2層が各凹溝を互いに交差するよう積層された場合には、その凹溝の形態が維持され、同凹溝が空気の流れ道となり、トラップされたエアが流れることができ、ボイドフリーな成形体が得られる。しかしながら、上下2つの層を各凹溝が略平行となるよう積層した場合には、プリプレグ表面の凹溝がその上に積層されたプリプレグの裏側の材料により塞がれ易くなり、逆にエアがトラップされるためボイドが形成され易くなる。
【0013】
本発明はかかる従来の問題点を解決すべくなされたものであり、プリプレグを積層させて成形品を製造する際に、プリプレグの層間にエアがトラップされてボイドを生じることがなく、取り扱い性にも優れ、いかなる複雑な形状の成形品をも製造可能であるプリプレグと同プリプレグの製造方法とを提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の製造方法により製造されるプリプレグは、強化繊維シートにマトリックス樹脂が含浸されてなり、内部に連続する樹脂層が存在し、少なくとも片側表面は、実質的に含浸樹脂が存在する樹脂含浸部分と、実質的に含浸樹脂が存在しない繊維部分とにより構成されている。
なお、前記強化繊維シートとは、炭素繊維やガラス繊維などの強化繊維が一方向に引き揃えられたシートや、強化繊維織編物、又は不織布などをいう。
【0015】
上記プリプレグは、少なくとも片側表面に実質的に含浸樹脂が存在しない繊維部分が形成されている。そのため、複数枚の前記プリプレグを、オートレイアップマシンなどの高価な装置を用いることなく、また、脱バルクなどを行うことなく、手作業により積層させ、例えば真空バッギング成形法などの従来の方法により硬化させたときにも、層間にボイドが発生することなく、所望の機械的強度を備えた成形物を得ることができる。
【0016】
これは、前記プリプレグの片側表面の前記繊維部分が、硬化成形時において、積層時に層間にトラップされたエアや成形時の揮発物などの抜け道となるためである。なお、前記繊維部分は成形時、樹脂が完全に硬化されるまでの間に、周囲の樹脂が前記繊維部分へと流動し、樹脂により満たされる。
【0017】
更には、前記片側表面には樹脂が十分に含浸しており実質的に含浸樹脂が存在する樹脂含浸部分が形成されているため、積層時における上下の層の密着性が適度に得られ、プリプレグの取扱い性も向上する。
【0018】
前記片側表面は前記繊維部分が海部を、前記樹脂含浸部分が島部を構成する海島状となっている。
このように前記繊維部分を海部、前記樹脂含浸部分を島部とすることにより、層間にトラップされたエアや揮発物を効率よく効果的に外部へと逃がすことができる。
【0019】
前記島部の面積が前記片側表面の全面積に対して1〜80%であり、更に前記島部の面積は前記片側表面の全面積に対して2〜50%であることが好ましい。
前記島部の面積が前記片側表面の全面積に対して1%よりも少ない場合には積層時における上下の層の密着性が不足し、プリプレグの取り扱いが困難となるおそれがある。また、前記島部の面積が前記片側表面の全面積に対して80%よりも多い場合には、成形時に周囲の樹脂の流動により繊維部分がすぐに閉塞されてしまい、層間にトラップされたエアや揮発物を完全に外部へと逃がすことができず、残存エアが成形体内部のボイドとなるおそれがある。
【0020】
本件請求項4に係る発明は、隣り合う前記島部の中心間距離が1〜10mmであることを特徴としている。更に前記中心間距離は2〜5mmであることが好ましい。
前記島部の中心間距離が上記範囲となる大きさで前記島部を形成することにより、層間にトラップされたエアや揮発物をより円滑に且つ完全に外部へと逃がすことができる。
【0021】
上述の課題を解決するために、本件請求項1に係る発明であるプリプレグの製造方法は、強化繊維シートに対してマトリックス樹脂を、少なくとも内部に連続する樹脂層を形成するように含浸させること、前記マトリックス樹脂が含浸された前記強化繊維シートの片側表面に、凹凸面をもつ保護フィルムを貼り付け、前記凹凸面の凸部のみを前記マトリックス樹脂が含浸された前記強化繊維シートに接触させること、及び前記マトリックス樹脂が含浸された前記強化繊維シートの他面側表面に、離型紙を貼り付けること、を含んでいることを基本構成としている。
【0022】
本発明で使用可能な強化繊維の材質は特に限定されるものではないが、前記強化繊維として、例えば炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、スチール繊維などを使用することができる。なかでも炭素繊維は、成形後の機械的特性が良好なことから好適に用いられる。この炭素繊維としてはポリアクリロニトリル(PAN)系の炭素繊維及びピッチ系の炭素繊維のいずれも使用可能である。
【0023】
本発明で使用される強化繊維シートも、その強化繊維の形態及びその配列など、特に限定されない。前記強化繊維シートには、長繊維を一方向に引き揃えたシートや、クロス(織物)、トウ、マット、ニット、スリーブの形態のものが挙げられる。
【0024】
また、保護フィルムの材質についても特に限定されるものではなく、マトリックス樹脂との密着性とを考慮して、マトリックス樹脂の種類に応じて適宜、変更が可能である。例えば、保護フィルムとして従来から使用されているポリエチレン製のフィルムを使用することができる。
【0025】
更に、マトリックス樹脂も特に限定されるものではない。本発明で使用される樹脂としては熱硬化性樹脂が好ましく、例えばエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、マレイミド樹脂、ポリイミド樹脂、シアン酸エステルとビスマレイミド樹脂とを組み合わせた三菱ガス化学(株)製BTレジンなどが上げられるが、エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
【0026】
エポキシ樹脂としては、例えば2官能樹脂であるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂や、或いはこれらを組み合わせた樹脂などが好適に用いられる。
【0027】
更には、3官能以上の多官能性エポキシ樹脂を用いることもできる。この多官能性エポキシ樹脂としては、例えばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール型エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、テトラグリシジルアミンのようなグリシジルアミン型エポキシ樹脂、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタンやトリス(グリシジルオキシメタン)のようなグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、或いはこれらの組み合わせが好適に用いられる。
【0028】
本発明のマトリックス樹脂には硬化剤を添加することが好ましい。前記硬化剤としては、ジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンのような芳香族アミン、脂肪族アミン、イミダゾール誘導体、ジシアンジアミド、テトラメチルグアニジン、チオ尿素付加アミン、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物のようなカルボン酸無水物、カルボン酸ヒドラジド、カルボン酸アミド、ポリフェノール化合物、ノボラック樹脂、ポリメルカプタン、三フッ化硼素エチルアミン錯体のようなルイス酸錯体などが挙げられる。
【0029】
また、これらの硬化剤をマイクロカプセル化したものもプリプレグの保存安定性を高めるために好適に用いることができる。
これらの硬化剤には硬化活性を高めるために適当な硬化促進剤を組み合わせることができる。好ましい例としては、ジシアンジアミドに3―(3、4―ジクロロフェニル)―1、1、ジメチル尿素(DCMU)等の尿素誘導体あるいはイミダゾール誘導体を硬化促進剤として組み合わせる例、カルボン酸無水物やノボラック樹脂に第三アミンを硬化促進剤として組み合わせる例などが挙げられる。
【0030】
またこれらエポキシ樹脂と硬化剤、あるいはそれらの一部を予備反応させたものをマトリックス樹脂の組成物中に配合することもできる。この方法は粘度調節や保存安定性向上に有効である場合がある。
【0031】
更に、上述したマトリックス樹脂の構成要素に加えて、樹脂粘度の制御やプリプレグ取扱い性の制御を目的として熱可塑性樹脂を配合してもよい。その場合、エポキシ樹脂との相溶性や、複合材料としたときの物性へ悪影響を及ぼさないことなどを考慮して樹脂を選択する。好ましい例としては、ポリビニルフォルマール、ポリビニルブチラール、ポリエチレンオキサイド、ポリメチルメタアクリレート、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリインミド等がある。また、これらの樹脂を2種類以上混合しても構わない。
【0032】
また、添加剤として、ゴム粒子、可溶性のゴム、コアシェル構造のゴムなどを含有させることができる。これらは少なくとも母体樹脂に一部溶解しているか、或いは溶解せずに粒子状で存在するが、本発明では品質の良好なプリプレグを得るため、粒子状で存在する場合には、実質的に粒子径が約50μm以上のものは含まれないよう、予め粒子を粉砕しておくか溶解させておくことが好ましい。
【0033】
本発明の製造方法にあっては、先ず、従来の方法により強化繊維シートに対してマトリックス樹脂を含浸させる。例えば、離型紙の表面にマトリックス樹脂を均一に塗布し、その樹脂表面に強化繊維シートを貼り付けて樹脂を含浸させる。この方法により製造されたプリプレグは、マトリックス樹脂が強化繊維シートの片側、即ち離型紙側の表面に偏った状態で含浸されている。
【0034】
或いは、表面にマトリックス樹脂を均一に塗布した離型紙により強化繊維シートの両側から挟み、強化繊維シートに樹脂を含浸させることもできる。この方法により得られたプリプレグは樹脂がプリプレグ全体に均一に含浸されている。これら従来の方法により強化繊維シートに樹脂を含浸させると、少なくとも内部に連続する樹脂層が形成されている。
【0035】
次に、これらプリプレグの少なくとも片側表面に、凹凸面を有する保護フィルムの前記凹凸面を貼り付ける。例えば片面にのみ離型紙が貼着されている場合には、繊維リッチとなっている他面側には保護フィルムを貼り付けることが好ましい。また、両面に離型紙が貼着されている場合には少なくとも片側の離型紙を剥離し、その面に上記保護フィルムを貼り付ける。
【0036】
前記保護フィルムは凸部が樹脂の含浸されている前記強化繊維シートに密着し、凹部は前記シートから離れた状態にある。このとき、保護フィルムの凸部が密着している部分では、強化繊維シートに含浸している樹脂が表面張力により保護フィルムの側に引き付けられ、その部分が樹脂リッチとなり、実質的に含浸樹脂が存在する樹脂含浸部分が形成される。一方、保護フィルムの凹部に対応する部位は、樹脂が含浸された強化繊維シートとは離れているため前記表面張力が作用せず、前記凸部の側へ、或いはプリプレグの内部へと樹脂が移動するため、凹部に対応する部位では実質的に含浸樹脂が存在しない繊維部分となる。
【0037】
かかるプリプレグの製造方法では、プリプレグを保管、運搬する際に通常その表面に貼り付けられている保護フィルムを、上述したような凹凸面をもつフィルムに変更するだけで、上述したような表面が樹脂含浸部分と繊維部分とから構成される成形時にボイドが生じることのない優れたプリプレグを容易に製造することができ、格別に大掛かりな装置も不要であるため、その製造コストに影響を及ぼすこともない。
【0038】
保護フィルムの凹凸面との接触と樹脂の表面張力とを利用した本発明の製造方法にあっては、プリプレグ表面への樹脂含浸部分と繊維部分とからなる海島構造の発現は、樹脂の粘度に依存する経時的現象である。
【0039】
更に本発明は、前記基本構成に加えて、前記強化繊維シートに前記保護フィルムを貼り付けた状態で、30〜150℃の温度で、且つ4時間以上、含浸樹脂の粘度を10000Poise 以下に保持すること、を含んでいること特徴としている。
【0040】
このように含浸樹脂を所定の粘度以下にして、或いは所定の温度下で、4時間以上おくことにより、樹脂が十分量、前記凸部の接触している表面へと移動して、樹脂含浸部分と繊維部分とが明確に形成される。
【0041】
一般に保持する温度を高くすることによって樹脂の粘度は低くなる。この樹脂粘度は前記マトリックス樹脂によって異なるが、一般に保持する温度は30℃以上とすることが好ましい。また、温度が高すぎる場合には樹脂の硬化反応が進み樹脂が移動するのに十分な時間が確保されない場合や、プリプレグを後に室温で保管する場合にプリプレグのタック性が損なわれる場合もあるので、保持温度は150℃以下とすることが好ましい。
【0042】
本件請求項2に係る発明によれば、前記保護フィルムの前記凹凸面は、多数の凸部が互いに独立して形成されていることが好ましい。
かかる凹凸面をもつ保護フィルムを使用することにより、樹脂含浸部分が島部、繊維部分が海部を構成する表面をもつプリプレグを製造することができる。
【0043】
更に本件請求項3に係る発明では、前記保護フィルムの前記凹凸面は、多数の凸部がフィルム面に均一に分散して配されていることを特徴としている。
このように凸部が均一に分散していることにより、得られるプリプレグの表面は、繊維部分に対して樹脂含浸部分が均一に存在している。かかるプリプレグから成形された成形品は、樹脂密度や繊維密度が均一なものになる。なお、前記凸部は上述した理由から均一に分散していることが望ましいが、もちろん、前記凸部が不均一に分散していてもよい。
【0044】
本件請求項4に係る発明は、隣り合う前記凸部の中心間距離が1〜10mmであることを特徴としている。更に前記中心間距離は2〜5mmであることが好ましい。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
図1は本発明の好適な実施形態によるプリプレグの平面図、図2は図1のI−I線に沿った矢視断面図である。
【0046】
前記プリプレグ1は、強化繊維シート2と、同シート2に含浸されたマトリックス樹脂3とから構成されている。前記強化繊維シートとしては、例えば炭素繊維やガラス繊維などの強化繊維が一方向に引き揃えられたシートや、強化繊維の織編物、不織布などを使用することができる。
【0047】
前記プリプレグ1は樹脂3が裏面側に偏って含浸されており、内部には連続する樹脂層3aが存在している。更に、表面は、強化繊維シートに樹脂が十分に含浸され、実質的に含浸樹脂が存在する樹脂含浸部分3bと、実質的に樹脂が存在せず、前記強化繊維が露出している繊維部分2aとにより構成されている。
【0048】
前記繊維部分2aは海部を、前記樹脂含浸部分3bは島部を構成する海島状であり、前記樹脂含浸部分3bが独立して存在している。本実施例では、樹脂含浸部分3bの表面形状が菱形をなしており、等間隔で規則的に矢来状に配列されている。この隣り合う前記樹脂含浸部分3bの中心間距離は1〜10mmであることが好ましい。更に、前記島部である樹脂含浸部分3bの面積は、全表面積に対して1〜80%であることが好ましい。なお、この樹脂含浸部分3bの形状及びその配列は、樹脂の流動性やタック性に応じて適宜、設計を変更することが可能である。
【0049】
かかる構成を備えたプリプレグを製造するには、まず、強化繊維シートの片面に対してマトリックス樹脂を、少なくとも内部に連続する樹脂層を形成するように含浸させる。例えば、離型紙の表面に所定量のマトリックス樹脂を塗工し、その表面に強化繊維シートを供給した後、押圧ロールを通過させるなどの手段により強化繊維シートに樹脂を含浸させて、片面側に樹脂が偏って含浸されたプリプレグを得ることができる。或いは、所定量のマトリックス樹脂を塗工した離型紙により強化繊維シートの表裏を挟持した後、押圧ロールを通過させるなどの手段により強化繊維シートの全体に樹脂が含浸したプリプレグを得ることができる。
【0050】
このように少なくとも内部に連続する樹脂層をもつプリプレグの少なくとも片側表面、例えば片面側に樹脂が偏って含浸されたプリプレグの場合には、その樹脂が偏って含浸している側とは反対の他面側に、凹凸面をもつ保護フィルムの前記凹凸面を前記強化繊維シートに向けて貼り付ける。このとき、前記保護フィルムの凹凸面は、その凸部のみが強化繊維シートに密着している。
【0051】
樹脂が含浸された前記強化繊維シートに前記保護フィルムを貼り付けた状態で、樹脂の粘度を1000Poise 以下として4時間以上、或いは、30〜60℃の温度下で4時間以上、保持することにより、前記強化繊維シートは前記保護フィルムの凸部が密着している部位においてその表面張力により、内部の樹脂が表面側へと移動する。その結果、図1に示すように、強化繊維シート1の表面は前記凸部が密着している部位では、樹脂が十分に含浸され実質的に含浸樹脂が存在している樹脂含浸部分3bとなり、保護フィルムが密着していない保護フィルムの凹部に対応する部位では樹脂が実質的に存在しない繊維部分2aとなる。
【0052】
このような表面張力による樹脂の移動は、全体に樹脂が含浸されており、表面全体に樹脂が実質的に存在している強化繊維シートであっても見られる。全体的に樹脂が存在している表面に凹凸面をもつ保護フィルムを貼着した場合に、同強化繊維シートは前記保護フィルムの凸部が密着している部分へその周囲の樹脂が移動し、凸部が密着している部分は、樹脂が十分に含浸され実質的に含浸樹脂が存在する樹脂含浸部分となり、その周囲は実質的に樹脂が存在しない繊維部分となる。
【0053】
前記保護フィルムとしては、従来から保護フィルムとして使用されているポリエチレン製のフィルムを使用することが好ましいが、マトリックス樹脂との密着性とを考慮して、マトリックス樹脂の種類に応じて適宜、変更が可能である。
【0054】
前記保護フィルムは少なくともその片面が凹凸面となっており、特に海部である凹部に凸部が島状に、各凸部同士が独立して存在していることが好ましい。更には、前記凸部が均一に且つ規則的に配列されていることが好ましい。
【0055】
また、前記保護フィルムの全面積に対する凸部の面積は1〜80%であり、同凸部の面積は4〜50%であることが好ましい。また、隣り合う各凸部の中心間距離が1〜10mmであり、更には前記距離は2〜5mmであることが好ましい。
【0056】
以下、本発明の具体的な実施例及び比較例について説明する。
なお、以下の実施例では凹凸面をもつ保護フィルムとして、表面に凹凸面が形成されているポリエチレン製のエンボスフィルムを使用している。エンボスフィルムの凹凸パターンは、対角線の長さが4mm×2mmの菱形の凸部が、間隔が0.5mmで矢来状に配置されている。
【0057】
(実施例1)
表1に示した組成Aでエポキシ樹脂組成物を調整した。この樹脂を樹脂目付が108g/m2 となるように離型紙上に均一に塗布して樹脂フィルムを準備した。また、強化繊維シートは、三菱レイヨン(株)製の炭素繊維、TR30S(引張弾性率:235GPa)を一方向に引き揃えたシート状物である。前記樹脂フィルムと強化繊維シートにより、炭素繊維目付(以下、「FAW」とする。)が200g/m2 、樹脂含有率(以下、「RC」とする。)が35%の一方向プリプレグを作成した。
【0058】
そのプリプレグの表面側に上記エンボスフィルムの凹凸面をプリプレグ側に向けて貼り付け、80℃雰囲気中で4時間保持した。
得られたプリプレグは表面のエンボスフィルムの凹部に相当する部位では、樹脂がプリプレグの内部へと浸透しており、プリプレグ表面には実質的に樹脂が存在しない繊維部分となっていた。また、エンボスフィルムの凸部に相当する部位では、樹脂が十分に含浸され樹脂リッチの、実質的に含浸樹脂が存在する樹脂含浸部分となっていた。かかるプリプレグは十分に積層作業が行えるタック性が確保されていることが確認された。
【0059】
上記プリプレグを用い繊維の配列方向が〔−45°/90°/+45°/0°/0°/+45°/90°/−45°〕の方向で8枚積層して得られるプリプレグスタック4の両面に、図3に示すように、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体からなる離型性フィルム5を配して積層する。この積層体を離型剤を塗布した5mmのアルミニウム薄板からなるベースプレート6に載置する。更に、前記積層体の上面にガラス繊維織物からなるサーフェスブリーザー7及びナイロンからなるバギングフィルム8を順次積層してバギングしたのち、図4に示す条件で硬化させた。
【0060】
ここで、プリプレグスタック4の両面に配された離型性フィルム4の周縁は、その一部を除いて高粘度の樹脂でシールされる。このシールされない開口部分には、エアーの排出を促進させるためガラス繊維からなる組紐9が配されると共に、その内側にはガラスヤーン10が配され、予めフィルム4内のエアーを抜いておく。次いで、上記ベースプレート6とバギングフィルム8との全周縁を残してシール剤11をもってシールする。
【0061】
得られた平板状の複合材料の断面を研磨し倍率50倍の光学顕微鏡にて観察したところ、プリプレグの層間に複合材料の強度に影響を及ぼすボイドは観察されなかった。
【0062】
(実施例2)
エポキシ樹脂組成物を表1に示した組成Bに変更した以外は、全て実施例1と同様にして、FAWが200g/m2 、RCが35%の一方向プリプレグを作成した。そのプリプレグの表面側に上記エンボスフィルムの凹凸面をプリプレグ側に向けて貼り付け、50℃雰囲気中で12時間保持した。
得られたプリプレグは実施例1と同様な形態を示し、良好なタックを有していた。
【0063】
次に、得られたプリプレグを実施例1と同様に8枚積層し、図3に示すようにバギングして、図5に示す条件で硬化させた。
得られた平板状の複合材料の断面を研磨し、倍率50倍の光学顕微鏡にて観察したところ、プリプレグの層間に複合材料の強度に影響を及ぼすボイドは観察されなかった。
【0064】
(実施例3)
エポキシ樹脂組成物を表1に示した組成Cに変更した以外は全て実施例1と同様にして、FAWが200g/m2 、RCが35%の一方向プリプレグを作成した。そのプリプレグの表面側に上記エンボスフィルムの凹凸面をプリプレグ側に向けて貼り付け、130℃雰囲気中で10時間保持した。
得られたプリプレグは実施例1と同様な形態を示し、良好なタックを有していた。
【0065】
次いで、得られたプリプレグを実施例1と同様に8枚積層し、図3に示すようにバギングして、図6に示す条件で硬化させた。
得られた平板状の複合材料の断面を研磨し倍率50倍の光学顕微鏡にて観察したところ、プリプレグの層間に複合材料の強度に影響を及ぼすボイドは観察されなかった。
【0066】
(実施例4)
表1に示した組成Aのエポキシ樹脂組成物を調製し、樹脂目付が54g/m2 となるように離型紙上に均一に塗布して樹脂フィルムを作製した。三菱レイヨン(株)製の炭素繊維、TR30S(引張弾性率:235GPa)をシート状に引き揃えた強化繊維シートの表裏両側から、前記樹脂フィルムにより挟み込み、加熱して、FAWが200g/m2 でRCが35%の一方向プリプレグを作成した。
【0067】
そのプリプレグの表面側にエンボスフィルムの凹凸面をプリプレグ側に向けて貼り付け、80℃雰囲気中で4時間保持した。
得られたプリプレグは実施例1と同様な形態を示し、良好なタックを有していた。
【0068】
その後、上記プリプレグを用い繊維の配列方向が〔−45°/90°/+45°/0°/0°/+45°/90°/−45°〕の方向で8枚積層し、図3に示すようにバギングして、図4に示す条件で硬化させた。
得られた平板状の複合材料の断面を研磨し倍率50倍の光学顕微鏡にて観察したところ、プリプレグの層間に複合材料の強度に影響を及ぼすボイドは観察されなかった。
【0069】
(実施例5)
表1に示した組成Aのエポキシ樹脂組成物を離型紙上に均一に塗布し、樹脂目付が133g/m2 の樹脂フィルムを作成した。その樹脂フィルムと三菱レイヨン製炭素繊維クロス、TR3110を用い、実質的に表面側に樹脂が存在しておらず、裏面側に樹脂が偏った状態に含浸し、FAWが200g/m2 でRCが40%のクロスプリプレグを得た。
【0070】
そのプリプレグ表面にエンボスフィルムを貼り付け、80℃で5時間保持した。その後、エンボスフィルムを剥ぐと、プリプレグ表面のエンボスフィルムの凹部に相当する部位では、樹脂がプリプレグの内部へと浸透しており、プリプレグ表面には実質的に樹脂が存在しない繊維部分が形成されていた。また、エンボスフィルムの凸部に相当する部位では、樹脂が十分含浸され樹脂リッチの、実質的に含浸樹脂が存在する樹脂含浸部分が形成されており、十分に積層作業することができるタックの保持が確認された。
【0071】
このプリプレグを8ply積層し、図3に示すようにバギングして、図4に示す条件で硬化した後、この複合材料の断面を観察したところ、層間にボイドは観察されなかった。
【0072】
(比較例1)
表1に示した組成Aのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂目付が54g/m2 となるように離型紙上に均一に塗布し、樹脂フィルムを作成した。この樹脂フィルムを、一方向にシート状に引き揃えられた三菱レイヨン(株)製の炭素繊維TR30Sの表裏両側から挟み込み、表裏両側から加熱して樹脂を含浸させた。その後、上側の離型紙を剥ぎ取ることによりFAWが200g/m2 でRCが35%の一方向プリプレグを得た。
【0073】
そのプリプレグの離型紙が付着していない側に、表面が平滑なポリエチレン製フィルムを貼り付け、80℃で5時間保持した。
得られたプリプレグは樹脂が炭素繊維トウの内部まで均一に含浸しており、プリプレグ表面にも樹脂が均一に存在していた。タックは強くべとついていた。
【0074】
上記プリプレグを用い実施例1と同様に、表面が平滑なポリエチレン製フィルムを剥がし、直ちに前記プリプレグを繊維の配列方向が〔−45°/90°/+45°/0°/0°/+45°/90°/−45°〕の方向で8枚積層し、図3に示すようにバギングして、図4に示す条件で硬化させた。
得られた平板状の複合材料の断面を研磨し倍率50倍の光学顕微鏡にて観察したところ、層間に非常に多くのボイドが確認された。
【0075】
(比較例2)
表1に示した組成Bのエポキシ樹脂組成物を用いた以外は比較例1と同様にして、FAWが200g/m2 でRCが35%の一方向プリプレグを得た。そのプリプレグの離型紙が付着していない側に、表面が平滑なポリエチレン製フィルムを貼り付け、50℃雰囲気とした中に12時間保持した。
得られたプリプレグは樹脂が炭素繊維トウ内部まで均一に含浸しており、プリプレグ表面にも樹脂が均一に存在していた。タックは強くべとついていた。
【0076】
このプリプレグを比較例1と同様に、表面が平滑なポリエチレン製フィルムを剥がし、直ちに前記プリプレグを繊維の配列方向が〔−45°/90°/+45°/0°/0°/+45°/90°/−45°〕の方向で8枚積層し、図3に示すようにバギングして、図5に示す条件で硬化させた。
得られた平板状の複合材料の断面を研磨し倍率50倍の光学顕微鏡にて観察したところ、層間に非常に多くのボイドが確認された。
【0077】
(比較例3)
表1に示した組成Cのエポキシ樹脂組成物を使用した以外は比較例1と全く同様にプリプレグを作成した。そのプリプレグの離型紙が付着していない側に表面が平滑なポリエチレン製フィルムを貼り付け、130℃に10時間保持した。
得られたプリプレグは樹脂が炭素繊維トウ内部まで均一に含浸しており、プリプレグ表面にも樹脂が均一に存在していた。タックは強くべとついていた。
【0078】
その後、比較例1と同様に表面が平滑なポリエチレン製フィルムを剥がし、直ちに前記プリプレグを繊維の配列方向が〔−45°/90°/+45°/0°/0°/+45°/90°/−45°〕の方向で8枚積層し、図3に示すようにバギングして、図6に示す条件で硬化させた。
得られた平板状の複合材料の断面を研磨し倍率50倍の光学顕微鏡にて観察したところ、層間に非常に多くのボイドが確認された。
【0079】
(比較例4)
表1に示した組成Aのエポキシ樹脂組成物を離型紙上に均一に塗布し、樹脂目付133g/m2 の樹脂フィルムを作成した。その樹脂フィルムと三菱レイヨン(株)製の炭素繊維クロス、TR3110を用い、樹脂が炭素繊維クロス全体に充分行きわたった状態に含浸したクロスプリプレグを作成した。
【0080】
そのプリプレグ表面に平滑で凹凸のないポリエチレン製フィルムを貼り付け、80℃で5時間保持した。
これにより得られたクロスプリプレグはフィルムを剥ぐと、プリプレグの表面は全体が樹脂で覆われてた。タックは強くベトついていた。
【0081】
このプリプレグを用い、実施例4と同様に8ply積層し、図3に示すようにバギングして、図4に示す条件で硬化した後、断面を観察したところ、層間に多量のボイドが観察された。
【0082】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施形態によるプリプレグの平面図である。
【図2】図1のI−I線に沿った矢視断面図である。
【図3】バギング方法を示す説明図である。
【図4】硬化条件を示すグラフである。
【図5】硬化条件を示すグラフである。
【図6】硬化条件を示すグラフである。
【符号の説明】
1 プリプレグ
2 強化繊維シート
2a 繊維部分
3 マトリックス樹脂
3a 樹脂層
3b 樹脂含浸部分
4 プリプレグスタック
5 離型フィルム
6 ベースプレート
7 サーフェスブリーザー
8 バギングフィルム
9 エッジブリーザー
10 ガラスヤーン
11 シール剤
Claims (4)
- 強化繊維シートに対してマトリックス樹脂を、少なくとも内部に連続する樹脂層を形成するように含浸させること、
前記マトリックス樹脂が含浸された前記強化繊維シートの片側表面に、凹凸面をもつ保護フィルムを貼り付け、前記凹凸面の凸部のみを前記マトリックス樹脂が含浸された前記強化繊維シートに接触させること、
前記マトリックス樹脂が含浸された前記強化繊維シートの他面側表面に、離型紙を貼り付けること、及び
前記強化繊維シートに前記保護フィルムを貼り付けた状態で、30〜150℃の温度で、且つ4時間以上、含浸樹脂の粘度を10000Poise 以下に保持すること、を含んでなることを特徴とするプリプレグの製造方法。 - 前記保護フィルムの前記凹凸面は、多数の凸部が互いに独立して形成されてなることを特徴とする請求項1記載のプリプレグの製造方法。
- 前記保護フィルムの前記凹凸面は、多数の凸部がフィルム面に均一に分散して配されてなることを特徴とする請求項2記載のプリプレグの製造方法。
- 隣り合う前記凸部の中心間距離が1〜10mmであることを特徴とする請求項2又は3記載のプリプレグの製造方法。
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