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JP4985277B2 - セメント製造工程を用いたアスベスト含有物の処理方法およびセメントの製造方法 - Google Patents

セメント製造工程を用いたアスベスト含有物の処理方法およびセメントの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、セメント製造工程を利用して、アスベストを含む廃棄物等を無害化処理するためのアスベスト含有物の処理方法およびこの処理方法を利用したセメントの製造方法に関するものである。
アスベスト(石綿)は、天然に生成された鉱物繊維であり、化学的安定性を有するとともに、耐熱性や強度に優れることから、その特性を利用して、これまで耐火被覆材、断熱材、吸音材等として、建築物の壁、天井、床、空調設備等に広く使用されていた。
ところが、近年このアスベストは、化学的な毒性はないものの、その結晶構造が針状であるために、人が吸い込んだ場合に、肺の組織に刺さって排出されずに蓄積し、長期間の潜伏を経て重大な疾病を招来することが指摘されている。
そこで、現在では、多くの建築物等において、飛散のおそれがある壁や天井等に吹き付けられたアスベストや保温材として使用されていたアスベストを除去または撤去する対策が採られており、この結果多量のアスベストが廃棄物として発生している。
ちなみに、この種の飛散のおそれがあるアスベスト廃棄物については、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」において特別管理産業廃棄物に指定され、その排出から収集・運搬・処分までの処理基準が定められている。
そして、上記収集・運搬に係る処理基準においては、アスベスト等をプラスチック等の容器に収納するとともに、破損などにより飛散させないように慎重に取り扱うことや、運搬車両の荷台に覆いを掛けるなどの飛散防止対策を講じることが義務づけられている。また、上記処分に係る処理基準としては、プラスチック袋や容器等の耐水性の材料で二重に梱包するか、または十分な量のセメント等によって固形化したうえで所定の場所に直接埋め立て処分を行う方法や、溶融設備を用いて十分に溶融処理することにより無害化したうえで、普通の産業廃棄物として処理することが定められている。
このようなアスベストの処分方法のうち、前者の直接埋め立て処分する方法にあっては、大量のセメントが必要になるとともに、今後想定される排出量に対して、早期の埋め立て地の枯渇が懸念されている。また、後者の溶融設備における中間処理による無害化処分の方法にあっては、溶融温度によっては、アスベストを完全に無害化することが難しいという問題点があった。
そこで、下記特許文献1においては、最大粒径が10mm程度に粉砕されてホッパに納められたアスベスト(石綿)廃材を、空気圧を利用したエジェクタによりセメント原料焼成用のロータリーキルンのバーナ近傍に設けた石綿廃材供給管から、当該ロータリーキルン内に供給して無害化処理するセメントの製造方法が提案されている。
特開平9−86982号公報
上記従来技術によるアスベスト廃材の処理方法によれば、ロータリーキルン内の焼成帯において1450℃以上の温度で熱処理しているために、アスベストを完全に無害化することができ、よって埋め立て処理等を行うことなく、無害化処理したアスベストをセメント原料の一部として利用することができるという利点がある。
しかしながら、上記従来技術によるアスベスト廃材の処理方法にあっては、アスベスト廃材を最大粒径10mm程度に粉砕した後に、これを圧縮空気によってロータリーキルン内に供給しているために、上記粉砕工程や圧縮空気による搬送工程においてアスベストが飛散し易いという問題点がある。このため、これらの工程においても、別途上記法律において定められている保管時や収集・運搬時における飛散防止対策と同様の対策を講じる必要があり、よって所望の安全性を確保するために、当該アスベスト廃材の処理工程が全体として大掛かりなものになってしまうという問題点がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、アスベスト含有物からアスベストが飛散するおそれがなく、容易かつ確実にセメント製造に用いられるロータリーキルンにおいて無害化処理することができるセメント製造工程を用いたアスベスト含有物の処理方法およびこの処理方法を利用したセメントの製造方法を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、セメント原料を、窯前側に設けられた加熱手段によって内部が高温雰囲気に保持されたロータリーキルンの窯尻側から供給して、上記窯前側に送りつつ焼成するセメント製造工程を用いたアスベスト含有物の処理方法であって、アスベスト含有物とリン酸イオンを含む下水汚泥とを、空気を送り込みながら撹拌して混合し、得られた混合物を2時間以上静置した後に、上記ロータリーキルンの窯尻部分に投入することを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記アスベスト含有物に上記下水汚泥を加えて当該アスベスト含有物を湿式粉砕するとともに両者を混合することを特徴とするものである。
また、請求項に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記アスベスト含有物と上記下水汚泥とを混合する際に、フッ化カルシウムを含むフッ化物汚泥および/または酸化カルシウムを加えることを特徴とするものである。
さらにまた、請求項に記載の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載のセメント製造工程を用いたアスベスト含有物の処理方法を利用したセメントの製造方法であって、上記混合物の上記ロータリーキルンの窯尻部分への投入により、上記セメント原料を上記ロータリーキルン内にて焼成してセメントにするとともに、上記アスベスト含有物を上記ロータリーキルン内にて無害化させて上記セメントの一部とすることを特徴とするものである。
請求項1〜のいずれかに記載の発明においては、アスベスト含有物とリン酸イオンを含む下水汚泥とを混合して、得られた混合物をロータリーキルンの窯尻部分に投入すると、上記混合物は、他のセメント原料とともに当該窯尻側からロータリーキルン内を窯前側へと送られて行く。そして、この過程において、セメント原料の焼成温度である約1450℃以上に加熱されることにより、アスベストが無害化される。
この際に、上記アスベスト含有物に下水汚泥を混合することにより、上記下水汚泥に含まれる上記リン酸イオンによって、アスベストの針状の結晶構造の表面に亀裂を生させて脆性化させておくことができる。このため、ロータリーキルン内の高温雰囲気下におけるアスベストの無害化反応を効果的に促進させることができ、よって確実にアスベストを無害化することができる。
さらに、無害化されたアスベストを含む上記固形分は、ロータリーキルン内において他のセメント原料と共に焼成されることによりセメントの一部として利用することもできる。それ故、請求項に記載の発明のように、効率的にセメントを製造することもできる。
加えて、本発明においては、上記アスベスト含有物に下水汚泥を加えてロータリーキルン内に投入しているために、搬送過程におけるアスベストの飛散を容易に防止することもできる。
この結果、本発明によれば、アスベスト含有物からアスベストが飛散するおそれがなく、しかも上記アスベストを容易かつ確実にロータリーキルン内において無害化処理してセメント原料の一部として利用することができる。
なお、処理すべきアスベスト含有物の量に対して、混合する上記下水汚泥中のリン酸イオン濃度が十分でない場合には、別途リン酸イオンを添加することが好ましい。このようなリン酸イオンとしては、例えば、下水処理設備において、下水汚泥とする際に分離された下水中に含まれるリン酸イオンを濃縮したものを利用することが可能である。
また、アスベストの加熱による分解を促進すべく上記リン酸イオンによってアスベスト表面へ亀裂を形成するためには、予め上記アスベスト含有物を細かく粉砕しておくことが好ましい。このため、上記アスベスト含有物が、アスベスト廃棄物のような塊状である場合には、請求項2に記載の発明のように、上記アスベスト廃棄物等に下水汚泥を加えて湿式ミル等によって湿式粉砕すれば、当該アスベスト廃棄物等の飛散を防止して、その粉砕を行うことができるとともに、同時に両者を混合することもできる。
さらに、上記リン酸イオンによってアスベスト表面へ亀裂を生させて脆性化させるためには、一定の反応時間を確保する必要がある。そこで、上記混合物を、2時間以上静置した後に、上記ロータリーキルン内に投入することが好ましい。
また、例えば特開2005−168632号公報に開示されているように、アスベストに対してフロン無害化処理によって生成されるフッ化カルシウムを融解剤として利用することにより、600℃以下の加熱温度によってもアスベストを分解することができ、低エネルギーでアスベストを無害化処理することができることが知られている。一方、半導体製造工場等において、ウエハのエッチング工程から大量に排出されるフッ化水素酸と硝酸を主体とした混酸の廃水は、炭酸カルシウムや水酸化カルシウム等のカルシウム塩が添加されて、排水処理の対象となる上記フッ素を凝集沈殿させたフッ化物汚泥とされた後に、処理される。そして、このフッ化物汚泥には、上記フッ化カルシウム(CaF2)が多く含まれている。
そこで、請求項に記載の発明のように、上記アスベスト含有物と下水汚泥とを混合する際に、フッ化カルシウムを含むフッ化物汚泥を加えれば、上記アスベストの分解温度を低減化させることができるために、これらの混合物を約900℃の高温雰囲気下にある窯尻部分から、1000℃以上のロータリーキルン内へ送ることにより、一層確実に上記アスベストを無害化させることができる。加えて、上記フッ化物汚泥も、同時に無害化処理することができる。
また、上記アスベスト含有物と下水汚泥とを混合する際に、さらに酸化カルシウム(CaO)を加えれば、当該酸化カルシウムがアスベスト中の二酸化珪素(SiO2)や酸化マグネシウム(MgO)と固相反応して、CaMgSi24(olivine)を生成することにより、上記アスベストの無害化を促進させることができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明に係るセメント製造工程を用いたアスベスト含有物の処理方法の第1の実施形態について説明する。
図1は、上記処理方法に用いられる処理システムを示すもので、先ず上記セメント製造設備について説明すると、図1中符号1がセメント原料を焼成するためのセメントキルンある。
このセメントキルン1は、軸芯回りに回転自在に設けられたロータリーキルンであり、図中左方の窯尻部分2に、セメント原料を予熱するためのプレヒータ3が設けられるとともに、図中右方の窯前4に、内部を加熱するための主バーナ5が設けられている。なお、図中符号6は、焼成後のセメントクリンカを冷却するためのクリンカクーラである。
ここで、プレヒータ3は、上下方向に直列的に配置された複数段のサイクロンによって構成されており、供給管7を介して最上段のサイクロンにセメント原料が供給されるとともに、最下段のサイクロンの底部には、内部のセメント原料をセメントキルン1の窯尻部分2へと送る移送管3aが接続されている。
他方、窯尻部分2には、セメントキルン1から排出された燃焼排ガスを最下段のサイクロンへと供給する排ガス管3bが設けられているおり、最上段のサイクロンの上部から排出された排ガスが、図示されない排気ファンによって排気ライン8を介して排気されて行くようになっている。
そして、上記構成からなるセメント製造設備に、アスベスト含有物の処理設備が併設されている。
図1において、符号10は、プラスチック容器に格納されて上記セメント製造設備に搬入された粉砕前のアスベスト廃棄物が投入されるホッパである。そして、このホッパ10の下部排出口は、開閉手段11を介して湿式ミル12の供給側に接続されている。また、符号13は、下水汚泥の貯留タンクであり、この貯留タンク13の底部排出口には、開閉弁13aおよび移送ポンプ13bが介装された移送管13cの一端部が接続されている。そして、この移送管13cの他端部が、湿式ミル12への供給側に接続されている。
他方、この湿式ミル12の吐出側には、ポンプ14が介装された排出管15が接続されており、この排出管15は、静置タンク16に導入されている。そして、この静置タンク16内の混合物が、供給ポンプ17によって抜き出管18からセメントキルン1の窯尻部分2に供給されるようになっている。
次に、以上の構成からなる処理システムを用いた本発明の第1の実施形態について説明する。
先ず、供給管7からプレヒータ3の1段目のサイクロンに供給されたセメント原料は、順次下方のサイクロンへと落下するにしたがって、下方から上昇するセメントキルン1からの高温の排ガスによって予熱され、最終的に最下段のサイクロンから移送管3aを介してセメントキルン1の窯尻部分2に導入される。この際に、窯尻部分2は、約900℃の温度雰囲気になっている。
そして、この窯尻部分2からセメントキルン1内に送られた上記セメント原料は、セメントキルン1内おいて、窯前4側へと徐々に送られる過程において、主バーナ5からの燃焼排ガスによって約1450℃まで加熱され、焼成されてクリンカとなる。次いで、窯前4に到達したクリンカは、クリンカクーラ6内に落下して図中右方に送られる。この際に、クリンカクーラ6内に供給された空気によって所定温度まで冷却されて最終的に当該クリンカクーラ6から取り出される。
これと併行して、粉砕前のアスベスト廃棄物を、プラスチック容器ごと直接ホッパ10内に投入し、開閉手段11を開くことにより、湿式ミル12内に供給する。さらに、開閉弁13aを開いて貯留タンク13内の下水汚泥を移送ポンプ13bによって移送管13cから湿式ミル12内に供給する。また、要すれば、この湿式ミル12に、内部における粉砕混合や後段の混合物の搬送のための流動剤として、廃液や水等を供給する。
そして、この湿式ミル12において、アスベスト廃棄物をその容器ごと湿式で粉砕するとともに、下水汚泥と混合する。
次いで、この湿式ミル12において得られた混合物を、ポンプ14によって排出管15から静置タンク16に送り、ここで2時間以上静置しておく。すると、一般に上記下水処理場から搬出される下水汚泥(脱水汚泥)には、例えば、汚泥量2m3/dの下水汚泥に、総リン(T−P)1484mg/L、総リン(T−P)量2.2kg/dのリンが含まれている。そして、当該リンの多くはリン酸イオンの形で上記下水汚泥中に存在しているが、特に上記下水汚泥に空気を送り込みながらの撹拌(エアレーション)を行うと、上記リンのほとんどがリン酸イオン(PO4 3-)になる。そして、静置タンク16内において、このリン酸イオンにより、混合物に含まれるアスベストの針状の結晶構造の表面に亀裂が生じて脆性化する。
そこで次に、静置タンク16内の混合物を、供給ポンプ17によって抜き出管18からセメントキルン1内の窯尻部分2に戻す。
これにより、セメントキルン1の窯尻部分は、約900℃の高温雰囲気であるために、先ず上記混合物に含まれる水分は、瞬時に気化して排出される。他方、アスベスト含有物を含む固形分は、セメント原料と混合されつつセメントキルン1内を窯尻部分2側から窯前4側へと送られて行く過程において、セメント原料の焼成温度である約1450℃以上に加熱されることにより、アスベストが無害化される。これにより、セメント原料の焼成によってセメントが製造されるとともに、無害化されたアスベスト含有物は、上記セメントの一部として利用される。
この際に、上記アスベスト廃棄物に下水汚泥を混合することにより、上記下水汚泥に含まれる上記リン酸イオンによって、アスベストの針状の結晶構造の表面に亀裂を生させて脆性化させておくことができるため、セメントキルン1内の高温雰囲気下におけるアスベストの無害化反応を効果的に促進させることができ、よって確実にアスベストを無害化することができる。
この結果、本処理方法によれば、湿式ミル12においてアスベスト廃棄物に下水汚泥を加えて、得られた混合物を排出管15、静置タンク16および抜き出管18を通じてセメントキルン1内に投入しているために、搬送過程におけるアスベストの飛散を容易に防止して、かつ上記アスベスト廃棄物を容易かつ確実にセメントキルン1内で無害化処理してセメント原料の一部として利用することができる。
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態に用いられる処理システムを示すもので、図1に示したものと同一構成部分については、同一符号を付してその説明を簡略化する。
この処理システムにおいては、湿式ミル12に、さらにフッ化物汚泥の供給管20が設けられている。
ここで、上記フッ化物汚泥について詳述すると、当該フッ化物汚泥のうち、処理すべき排水として大量に発生するものは、半導体製造工場等においてウエハのエッチンク工程から排出されるフッ化水素酸と硝酸を主体とした混酸の廃水である。そして、この廃水は、特にフッ素が排水規制の対象となるために、一般に炭酸カルシウムや水酸化カルシウム等のカルシウム塩を添加して、上記フッ素を凝集沈殿する処理方法が採用されている。
すなわち、上記廃水中のフッ素は、フッ化水素酸(HF)、フッ化アンモニウム(NH4F)、フッ化ナトリウム(NaF)、珪フッ化水素酸(H2SiF6)等の化合物となっており、これに上記カルシウム塩として、例えば水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を添加することにより、溶解度の低いフッ化カルシウムCaF2を生成させるものである。
そして、本実施形態においては、上記フッ化カルシウムCaF2を含むスラリー状のフッ化物汚泥を、供給管20を通じてそのまま湿式ミル12内に導入するようになっている。
以上の構成からなる処理システムを用いた第2の実施形態においては、湿式ミル12内において、アスベスト廃棄物を粉砕するとともに、これらアスベスト廃棄物、下水汚泥およびフッ化物汚泥を混合し、ポンプ14によって排出管15から静置タンク16に送って2時間以上静置する。
すると、フッ化物汚泥に含まれるフッ化カルシウム(CaF2)によって、アスベストの分解に要する加熱温度が600℃程度まで低下する。
また、上記フッ化物汚泥には、一般的にリン酸イオンが含まれているために、下水汚泥に含まれるリン酸イオンとともに、アスベストの針状の結晶構造の表面に亀裂を生じさせて脆性化させる効果が促進される。
そして次に、第1の実施形態と同様に、静置タンク16内の混合物を、供給ポンプ17によって抜き出管18からセメントキルン1内の窯尻部分2に戻す。
したがって、上記第2の実施形態に示す処理方法においても、上述した第1の実施形態と同様に作用効果を得ることができることに加えて、さらにアスベスト廃棄物および下水汚泥の混合物に、フッ化物汚泥を加えて混合しているために、当該フッ化物汚泥に含まれるフッ化カルシウム(CaF2)によって、アスベストの分解に要する加熱温度を600℃程度まで低下させることができ、よって一層確実に上記アスベストをセメントキルン1内において無害化することができる。
本発明の第1の実施形態に用いられる処理システムを示す概略構成図である。 本発明の第2の実施形態に用いられる処理システムを示す概略構成図である。
符号の説明
1 セメントキルン(ロータリーキルン)
2 窯尻部分
4 窯前
10 アスベスト廃棄物等の投入用ホッパ
12 湿式ミル
13 下水汚泥の貯留タンク
16 静置タンク加熱装置(加熱手段)
18 抜き出管
20 フッ化物汚泥の供給管

Claims (4)

  1. セメント原料を、窯前側に設けられた加熱手段によって内部が高温雰囲気に保持されたロータリーキルンの窯尻側から供給して、上記窯前側に送りつつ焼成するセメント製造工程を用いたアスベスト含有物の処理方法であって、
    アスベスト含有物とリン酸イオンを含む下水汚泥とを、空気を送り込みながら撹拌して混合し、得られた混合物を2時間以上静置した後に、上記ロータリーキルンの窯尻部分に投入することを特徴とするセメント製造工程を用いたアスベスト含有物の処理方法。
  2. 上記アスベスト含有物に上記下水汚泥を加えて当該アスベスト含有物を湿式粉砕するとともに両者を混合することを特徴とする請求項1に記載のセメント製造工程を用いたアスベスト含有物の処理方法。
  3. 上記アスベスト含有物と上記下水汚泥とを混合する際に、フッ化カルシウムを含むフッ化物汚泥および/または酸化カルシウムを加えることを特徴とする請求項1または2に記載のセメント製造工程を用いたアスベスト含有物の処理方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のセメント製造工程を用いたアスベスト含有物の処理方法を利用したセメントの製造方法であって、上記混合物の上記ロータリーキルンの窯尻部分への投入により、上記セメント原料を上記ロータリーキルン内にて焼成してセメントにするとともに、上記アスベスト含有物を上記ロータリーキルン内にて無害化させて上記セメントの一部とすることを特徴とするセメントの製造方法
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