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JP4973968B2 - カチオン性表面サイズ剤 - Google Patents

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JP4973968B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はカチオン性表面サイズ剤に関し、更に詳細には、重合により生じる粕が少なく、低発泡性であり、他の併用薬品との相溶性が良好である等の優れた性能を有するカチオン性表面サイズ剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のカチオン性表面サイズ剤としては、主にスチレン−ジメチルアミノエチルメタクリレート系共重合体のエピハロヒドリンによる4級化物、スチレン−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド系共重合体のエピハロヒドリンによる4級化物等が知られている。
【0003】
これらのカチオン性表面サイズ剤は、それ自身の発泡が多く、製紙する際の操業性が劣るという欠点がある。又、これらのカチオン性表面サイズ剤の塗工時に、併用する表面紙力剤との相溶性が劣るので、併用する薬品の種類が限定されること、塗工機であるカレンダーロールが錆びやすいため防錆剤が多く必要であること等の欠点があった。
【0004】
その他のカチオン性サイズ剤の先行技術として、既にいくつか報告されている(特開昭54−6902号公報、特開平11−256496号公報、特開平11−279983号公報等参照)。
【0005】
特開昭54−6902号公報では、スチレン−ジメチルアミノアルキル(メタ)アクリレート共重合体のエピハロヒドリン4級化物の存在下で重合性疎水性単量体、好ましくはスチレンと2−エチルヘキシルアクリレートとを乳化重合した製紙用内添サイズ剤が開示されており、乳化重合の際に低分子のアニオン性乳化剤を上記4級化物に併用しても良いとの記載がある。特開平11−256496号公報では、スチレン系化合物と(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートからなる共重合体の4級化物の存在下でスチレン系化合物と炭素数3〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとを乳化重合した製紙用表面サイズ剤が開示されている。特開平11−279983号公報では、スチレン系化合物−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドからなる共重合体の4級化物の存在下で重合性疎水性単量体、好ましくはスチレン系化合物と(メタ)アクリル酸エステルとを乳化重合した製紙用表面サイズ剤が開示されている。
【0006】
これらの先行技術におけるサイズ剤は、いずれもスチレンと3級アミノ基を有するモノマーとの共重合体のエピハロヒドリンによる4級化物からなるカチオン性分散剤の存在下で、重合性疎水性モノマーを乳化重合して得られたカチオン性のサイズ剤である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記カチオン性分散剤を使用した重合を高濃度で行うと、製造時に多くの粕が発生するという欠点があった。さらに得られたサイズ剤を表面サイズ剤として使用した場合に、サイズ性能が劣ること、表面塗工時に塗工液の発泡が多いこと、塗工液における併用薬品に対する安定性が劣ること等の問題があり、また、カレンダーロールで塗工する場合に、特に4級化剤としてエピハロヒドリンのような有機ハロゲン化物を使用した表面サイズ剤では、カレンダーロールが錆びるので防錆剤を多く併用する必要があること等の問題があった。
【0008】
更に最近では、インクジェット専用紙のみならずインクジェット用紙として転用されることの多いPPC用紙にもインクジェット適性が要求されるようになってきている。したがって、インクジェット適性を満たす紙を得ることができるような表面サイズ剤が望まれている。一方、PPC用紙に使用する表面塗工液中にはNaClのような電解質を多量に含むので、表面サイズ剤には塩安定性が要求される。ところが、上記先行技術における表面サイズ剤では塩安定性が劣るので、塗工時の発泡が多く、さらにインクジェット適性が不充分であった。
【0009】
尚、上記インクジェット適性としては、モノクロ又はカラーインクを用いたインクジェット方式で印刷された画質に要求される、印字濃度、フェザリング、裏抜け等の特性を挙げることができる。本発明は、重合時に粕の発生が少なく、発泡し難く、カレンダーロールで塗工したときにカレンダーロールに錆を生じさせにくく、更に他の併用薬品との相溶性も良く、混合しても安定であり、酸性紙から中性紙において、情報用紙、特にPPC用紙に優れたインクジェット適性を付与することができるカチオン性表面サイズ剤を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決することを目的とする本発明の第1の態様は、スチレン類及びアルキル(メタ)アクリレートより成る群から選択される少なくとも一種である疎水性モノマーと3級アミノ基を有するモノマーとからなり、前記疎水性モノマーと前記3級アミノ基を有するモノマーの構成比(前記疎水性モノマー:前記3級アミノ基を有するモノマー)がモル比で70〜90:30〜10である共重合体をオキシド類で4級化して得られるカチオン性共重合物[A]の存在下で、スチレン類及びアルキル(メタ)アクリレートより成る群から選択される少なくとも一種である疎水性モノマー[B]を重合して得られた共重合体を含有し、前記カチオン性共重合物[A]と前記疎水性モノマー[B]との固形分構成比が重量比で(30〜150):(100)であることを特徴とするカチオン性表面サイズ剤である。
【0015】
本発明の第2の態様は、3級アミノ基を有するモノマーがジメチルアミノエチルメタアクリレート及びジメチルアミノプロピルアクリルアミドより成る群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする前記第1の態様のカチオン性表面サイズ剤である。
【0016】
本発明の第の態様は、オキシド類がブチレンオキシド及びスチレンオキシドより成る群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする前記第1又は第2の態様のカチオン性表面サイズ剤である。
【0017】
【発明の実施の形態】
1.カチオン性共重合物[A]の調製
(1)疎水性モノマー
本発明のカチオン性表面サイズ剤を構成するカチオン性共重合物[A]において使用し得る疎水性モノマーとしては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、及びジビニルベンゼン等のスチレン類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、及び2−エチルへキシル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、及びベンジル(メタ)アクリレート等の環状アルキル(メタ)アクリレート、マレイン酸、及びフマル酸のジアルキルジエステル類、酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、N−アルキル(メタ)アクリルアミド類、並びにメチルビニルエーテル等が挙げられ、これらのモノマーの一種を単独で使用することができ、又は二種以上を混合して使用することができる。
【0018】
(2)3級アミノ基を有するモノマー
前記カチオン性共重合物[A]の製造において使用し得る3級アミノ基を有するモノマーとしては、例えばジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、及びジアリルアミン等を挙げることができ、これらの一種又は二種以上を混合して使用できる。
【0019】
(3)4級化剤
4級化剤としては、オキシド類を挙げることができる。このオキシド類として、具体的にはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、及びブチレンオキシド等のアルキレンオキシド、並びにスチレンオキシド等を挙げることができる。また、性能を損ねない範囲で、前記4級化剤と共に、塩化メチル、塩化エチル、塩化ベンジル、エピクロルヒドリン、グリシジルトリメチルアンモニウムクロライド、及び3−クロル−2−ヒドロキシアンモニウムクロライド等の有機ハロゲン化物、ジメチル硫酸、並びにジエチル硫酸等の4級化剤を併用することができる。
【0020】
(4)他の使用可能なモノマー
上記カチオン性共重合物[A]の製造において疎水性モノマーと3級アミノ基を有するモノマーの外に、その他の共重合可能なビニルモノマーを使用しても良い。その他の共重合可能なビニルモノマーは特に限定されないが、疎水性モノマーと3級アミノ基を有するモノマーと共重合可能なモノマーであればよく、例えばアクリルアミド等のノニオン性のモノマー(アクリロニトリルを除く。)が使用できる。また、トリメチルアミノエチルメタクリレート、トリメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリレート及びジメチルアミノプロピルアクリルアミド等のベンジルクロライド4級化物等の4級アンモニウム塩を含むカチオン性モノマーが使用できる。
【0021】
(5)カチオン性共重合物[A]の製造
前記カチオン性共重合物[A]は、例えば前記疎水性モノマーと3級アミノ基を有するモノマーとの混合物、疎水性モノマーと3級アミノ基を有するモノマーとその他の共重合可能なビニルモノマーとの混合物を、メチルアルコール、エチルアルコール及びイソプロピルアルコール等の低級アルコール系有機溶剤あるいはベンゼン、トルエン及びキシレン等の油性有機溶剤中にて、又はこれらの低級アルコール系有機溶剤と水との混合液中にて、さらには水中において、ラジカル重合触媒を使用して60〜120℃で1〜10時間重合させ、重合終了後に有機溶剤を留去し、公知慣用の方法で3級アミノ基をオキシド類で4級化することによって得られる。
【0022】
ラジカル重合触媒としては、水溶性ラジカル開始剤が使用でき、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、及び過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、過酸化水素等の過酸化物、これらの過硫酸塩及び過酸化物と還元剤との組合せによるレドックス系重合触媒、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロライド等の水溶性アゾ系触媒、並びにターシャリーブチルハイドロパーオキシド等の有機過酸化物を挙げることができる。さらに2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、及びジメチル2,2'−アゾビス−(2−メチルプロピオネート)等の油溶性アゾ系触媒、並びにベンジルパーオキシド等の油溶性有機過酸化物を使用できる。又、必要に応じてアルキルメルカプタン等の公知の連鎖移動剤を適宜に併用しても差し支えない。尚、本発明においては、カチオン性共重合物[A]を合成するに際して仕込んだモノマーは実質的に100%反応してカチオン性共重合物[A]中のモノマーユニットとなっている。
【0023】
前記カチオン性共重合物[A]において、疎水性モノマーと3級アミノ基を有するモノマーとの構成比は、モル比で、疎水性モノマー:3級アミノ基を有するモノマーが70〜90:30〜10であるのが製造時の安定性及びサイズ性能の点で好ましく、さらに75〜88:25〜12であるのがより好ましい。また、疎水性モノマーと3級アミノ基を有するモノマーとの共重合物における3級アミノ基を4級化する場合に、使用する4級化剤の量は特に限定されるものではないが、上記共重合物における3級アミノ基を有するモノマーと4級化剤とのモル比が100:80〜105であることが、得られたカチオン性共重合物の安定性の面で好ましい。
【0024】
このようにして得られたカチオン性共重合物はそのままカチオン性表面サイズ剤として使用することもできる。
【0025】
2.疎水性モノマー[B]
本発明に係る他のカチオン性表面サイズ剤は、前記カチオン性共重合物[A]の存在下で疎水性モノマー[B]を乳化重合することによって得ることができる。疎水性モノマーとしては、前記カチオン性共重合物[A]で使用する疎水性モノマーを使用できる。具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、及びジビニルベンゼンのようなスチレン類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、及び2−エチルへキシル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート類、及びベンジル(メタ)アクリレート等の環状アルキル(メタ)アクリレート、マレイン酸及びフマル酸のジアルキルジエステル類、酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、N−アルキル(メタ)アクリルアミド類、並びにメチルビニルエーテル類が挙げられ、又、これらの一種を単独で使用することができ、又は二種以上を使用することもできる。
【0026】
疎水性モノマー[B]の中では、サイズ性能及び乳化重合時の安定性の点からスチレン類及びアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。その他疎水性モノマー[B]と共重合可能なビニルモノマーは、特に限定されないが疎水性モノマーを除く、疎水性モノマー[B]と共重合可能なモノマーであればよく、例えばアクリルアミド、及びアクリロニトリル等のノニオン性のモノマーが使用できる。
【0027】
3.カチオン性共重合物[A]存在下での疎水性モノマー[B]の重合
本発明のカチオン性表面サイズ剤における、カチオン性共重合物[A]と疎水性モノマー[B]との構成比は、疎水性モノマー[B]成分100重量部に対してカチオン性共重合物[A]成分を30〜150重量部含有することが、得られた共重合体の安定性から好ましい。特に、サイズ性能の面から40〜130重量部含有することが好ましく、また150重量部を超えて使用してもよいが、サイズ性能のさらなる改善はみられない、塗工液での発泡性が多くなりすぎる等の理由で好ましくない。
【0028】
疎水性モノマー[B]成分を乳化重合するにあたっては、従来から公知の乳化重合法を適用でき、例えばカチオン性共重合物[A]の存在下で、ラジカル重合触媒を用いて水中にて疎水性モノマー[B]成分を乳化重合させる手法を採用することができる。尚、疎水性モノマー[B]成分は実質的に全て重合して共重合体となっている。
【0029】
ラジカル重合触媒としては、水溶性ラジカル開始剤が使用でき、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩、過酸化水素等の過酸化物、これらの過硫酸塩及び過酸化物と還元剤との組合せによるレドックス系重合触媒、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロライド等の水溶性アゾ系触媒、並びにターシャリーブチルハイドロパーオキシド等の有機過酸化物を挙げることができる。さらに2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル2,2'−アゾビス−(2−メチルプロピオネート)等の油溶性アゾ系触媒、ベンジルパーオキシド等の油溶性有機過酸化物を先の水溶性ラジカル開始剤に併用して使用できる。又必要に応じてアルキルメルカプタン等の公知の連鎖移動剤を適宜に併用しても差し支えない。
【0030】
又、疎水性モノマー[B]成分を乳化重合する際、本発明に係るカチオン性表面サイズ剤の性能を損なわない範囲であれば、公知の低分子界面活性剤及び高分子分散剤を併用しても構わない。公知の低分子界面活性剤として、非イオン性界面活性剤あるいはラジカル重合可能な非イオン性界面活性剤が好ましい。非イオン性界面活性剤として、例えばポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレングリコールグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミド、及びポリオキシプロピレンポリオキシエチレングリコール等を挙げることができる。
【0031】
さらに、ラジカル重合可能な非イオン性界面活性剤としては、例えば分子中に(メタ)アリル基、1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、イソプロペニル基、ビニル基、及び(メタ)アクリロイル基等の炭素−炭素二重結合を有する官能基を一つ以上有するポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンフェニルエーテル、並びにポリオキシアルキレンモノ又はジスチリルフェニルエーテル等を挙げることができる。
【0032】
高分子乳化剤としては、特に限定されるものではないが、例えばポリビニルアルコール類、変性澱粉類、及びポリアクリルアミド類等が挙げられる。
【0033】
4.サイズ剤の塗工
本発明のカチオン性表面サイズ剤が適用される原紙に使用されるパルプとしては、クラフトパルプ若しくはサルファイトパルプなどの晒若しくは未晒化学パルプ、砕木パルプ、機械パルプ若しくはサーモメカニカルパルプなどの晒若しくは未晒高収率パルプ、又は新聞古紙、雑誌古紙、段ボール古紙若しくは脱墨古紙などの古紙パルプを使用できる。
【0034】
原紙を得るために、填料、染料、酸性抄紙用ロジン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー系及びアルケニルコハク酸無水物系の中性抄紙用サイズ剤、中性抄紙用ロジン系サイズ剤等のサイズ剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、歩留り向上剤、濾水性向上剤、並びに消泡剤などの添加物も、各々紙種に要求される物性を発現するために、必要に応じて使用してもよい。填料としては、クレー、タルク、酸化チタン、並びに重質及び軽質炭酸カルシウム等が挙げられる。これらを単独であるいは併用して用いてもよい。
【0035】
本発明のカチオン性表面サイズ剤を塗工するための塗工機としては、サイズプレス、フィルムプレス、ゲートロールコーター、シムサイザー、ブレードコーター、カレンダー、バーコーター、ナイフコーター、エアーナイフコーター、及びカーテンコーター等を用いることができる。又、スプレー塗工機により原紙表面に塗布することもできる。
【0036】
本発明のカチオン性表面サイズ剤を塗工する際に、酸化澱粉、燐酸エステル化澱粉、自家変性澱粉、カチオン化澱粉、及び両性澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース等のセルロース類、ポリビニルアルコール類、ポリアクリルアミド類、並びにアルギン酸ソーダ等の水溶性高分子よりなる群から選択される少なくとも一種を塗工液に混合して使用することもできる。又、他の表面サイズ剤、防滑剤、防腐剤、防錆剤、消泡剤、粘度調整剤、染料、及び顔料等の添加物を併用しても構わない。
【0037】
本発明のカチオン性表面サイズ剤を前記原紙に塗工して得ることができるサイジング紙としては、各種の紙及び板紙を挙げることができる。例えば、PPC用紙、インクジェット記録用紙、レーザープリンター用紙、フォーム用紙、熱転写用紙、及び感熱記録用紙等の記録用紙、アート紙、キャストコート紙、及び上質コート紙等のコート紙、クラフト紙、及び純白ロール紙等の包装用紙、ノート用紙、書籍用紙、印刷用紙、及び新聞用紙等の洋紙、マニラボール、白ボール、及びチップボール等の紙器用板紙、並びにライナー等の板紙が挙げられる。
【0038】
本発明のカチオン性表面サイズ剤を塗工する際の塗工液濃度は、通常、0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜1重量%である。0.1重量%未満ではサイズ効果が不十分である場合があり、5重量%を超えて使用してもサイズ効果がさらに向上することはほとんどなく経済的に不利益になることがあるため好ましくない。
【0039】
又、通常、塗工量は、固形分で0.01〜1g/m2、好ましくは0.02〜0.2g/m2である。前記範囲内であると、特に良くサイズ効果が発揮される。
【0040】
【実施例】
以下に合成例、実施例、及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、以下において「部」及び「%」は、特に断りがない限りそれぞれ重量部及び重量%を意味する。
【0041】
1.表面サイズ剤の製造
(1)カチオン性共重合物[A]の製造
参考例1)
攪拌器、温度計、還流冷却管及び窒素導入管を備えた1リットルの四つ口フラスコに、スチレン134部、ジメチルアミノエチルメタクリレート42部、ジメチル−2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(和光純薬製 V601、アゾ系触媒)4部及びイソプロピルアルコール45部を仕込み、80℃で3時間保持し、次いで「V601」を0.5部仕込みさらに同温度で2時間保持した。次いで酢酸18部を加えた後、水359部を加えエマルションを得てから、更に昇温してイソプロピルアルコールの留去を行った。
【0042】
次いで、水107部を加えてブチレンオキシド19部を加え、60℃で4時間反応させ、水133部を加えて固形分25.0%の共重合物[P−1]を得た。得られた共重合物[P−1]は(スチレン:ジメチルアミノエチルメタクリレート):ブチレンオキシド=(83:17):17(モル%)であった。
【0043】
参考例2〜7、比較例1)
使用した疎水性モノマーの種類及び使用量、3級アミノ基を有するモノマーの種類及び使用量、4級化剤の種類及び使用量を表1に示すように変えた他は参考例1と同様にしてカチオン性共重合物[A]P−2〜P−7及び比較例1のP−8を得た。
【0044】
上記カチオン性共重合物P−1〜P−7、P−8に使用した疎水性モノマーの種類及び使用量、3級アミノ基を有するモノマーの種類及び使用量、4級化剤の種類及び使用量、並びに得られたカチオン性共重合物[A]及び比較例用カチオン性共重合物の固形分の濃度を表1に示す。
【0045】
(2)疎水性モノマー[B]の重合
比較例3
参考例1と同様の反応器に、水217部、カチオン性共重合物[A]として参考例1で得られた共重合物P−1の水溶液140部(固形分として35部)、疎水性モノマー[B]としてスチレン70部とノルマルブチルアクリレート70部、及び10%過硫酸アンモニウム水溶液3.0重量部を加え、窒素気流下で混合攪拌しながら80℃に昇温した。
【0046】
80℃で2時間保持して乳化重合反応を完結させ、固形分濃度35.1%のカチオン性表面サイズ剤を得た。
【0047】
使用したカチオン性共重合物[A]の種類及び使用量、疎水性モノマー[B]の種類及び使用量、並びに重合反応時に発生した粕の生成量及び得られたカチオン性表面サイズ剤の固形分の濃度を表2に示す。
【0048】
(実施例9、10、12〜22)
使用したカチオン性共重合物[A]の種類及び使用量、疎水性モノマー[B]の種類及び使用量を表2に示すように変えた他は比較例3と同様にしてカチオン性表面サイズ剤を得た。ただし、比較例4のカチオン性表面サイズ剤の固形分濃度を30%とした。
【0049】
使用したカチオン性共重合物[A]の種類及び使用量、疎水性モノマー[B]の種類及び使用量、並びに重合反応時に発生した粕の生成量及び得られたカチオン性表面サイズ剤の固形分の濃度を表2に示す。
【0050】
(比較例2)
参考例1と同様の反応器に、スチレンとジメチルアミノエチルメタアクリレートとの共重合体をエピクロルヒドリンで4級化した上記共重合物P−8を使用し、表2に示す組成比のモノマーを仕込み、比較例3と同様に反応を行ったが重合反応時に多量の粕が発生した。結果を表2に示す。
【0051】
【表1】
カチオン性共重合物を含有するカチオン性表面サイズ剤(モル%)
Figure 0004973968
【0052】
なお、4級化剤量(モル%)は、3級アミノ基を有するモノマー及び疎水性モノマーの合計100モル%に対する量で表示した。
表中の略号の説明
St :スチレン
MMA :メチルメタアクリレート
BMA :ブチルメタアクリレート
EHA :2−エチルヘキシルアクリレート
DMEM :ジメチルアミノエチルメタアクリレート
DMPA :ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
Bt−O :ブチレンオキシド
St−O :スチレンオキシド
Epi :エピクロルヒドリン
【0053】
【表2】
疎水性モノマー[B]をモノマーユニットとして含むカチオン性表面サイズ剤の組成表
Figure 0004973968
【0054】
表中の略号の説明
P−1〜P−7、P−8:カチオン性共重合物(参考例1〜7)
St :スチレン
BA :ブチルアクリレート
iBMA:イソブチルメタアクリレート
iBA :イソブチルアクリレート
MMA :メチルメタアクリレート
EHA :2−エチルヘキシルアクリレート
【0055】
2.表面サイズ剤の評価試験
(試験例1)重合物の粕量の測定
実施例8〜22、比較例2の乳化重合反応で発生した粕を150メッシュのろ布でろ過し、乾燥した後粕量を測定した。粕量は仕込み固形分に対する百分率で表し、表2に結果を示した。この粕量が1%以下さらに好ましくは0.5%以下であることが製造上好ましい。
【0056】
(試験例2)酸性上質紙でのサイズ性能の評価
(1)酸性上質紙用原紙の製造
380mlカナディアン・スタンダード・フリーネスまで叩解したパルプ(広葉樹対針葉樹のパルプ比が9対1である混合パルプ)を2.5%のスラリーとし、これに対パルプ15%(絶乾重量基準)のタルク(富士タルク工業製:NDタルク)を添加した。次いで、対パルプ2%(絶乾重量基準)の硫酸バンド、対パルプ0.3%(絶乾重量基準)の酸性紙用ロジン系サイズ剤(日本PMC株式会社製;AL120)を順次添加した後、pH4.5の希釈水でこのパルプスラリーを濃度0.25%まで希釈した。その後、対パルプ0.01%(絶乾重量基準)の歩留り向上剤(ハイモ社製;NR12MLS)を添加し、ノーブルアンドウッド抄紙機で、坪量65g/m2となるように抄紙した。尚、この時の抄紙pHは4.5であった。湿紙の乾燥は、ドラムドライヤーを用いて100℃で80秒間の条件で行った。
【0057】
(2)塗工液の調製方法
酸化澱粉(MS3800、日本食品化工株式会社製)を濃度10%に水で希釈し、95℃で糊化を行い、表面サイズ剤の種類を表3、表4に示すように変えたこと以外は同様にして、下記の固形分濃度になるように塗工液を調製した。
【0058】
塗工液の固形分濃度:酸化澱粉…6%、表面サイズ剤…0. 3%
(3)酸性上質紙の製造とサイズ性能の評価
前記(2)で配合した塗工液を、前記(1)で抄造した原紙にサイズプレスを用いて塗工し、酸性上質紙を得た。この塗工紙の表面サイズ剤の固形分塗工量は、0.03g/m2であった。得られた試験紙を恒温恒湿(20℃、65%相対湿度)環境下で24時間調湿し、ステキヒトサイズ度(JIS P8122に準拠)を測定した。
【0059】
カチオン性重合物P−1〜P−7、P−8を含有する表面サイズ剤(参考例1〜7、比較例1)の評価結果を、表3に示す。尚、ステキヒトサイズ度は、値が高いほど良好であることを示す。また、実施例8〜22及び比較例2の表面サイズ剤の評価結果を表4に示した。以下の評価においても同様に表3、表4に記載した。
【0060】
(試験例3)中性上質紙でのサイズ性能の評価
(1)中性上質用原紙の抄造
380mlカナディアン・スタンダード・フリーネスまで叩解したパルプ(広葉樹対針葉樹のパルプ比が9対1である混合パルプ)を2.5%のスラリーとし、これに対パルプ2%(絶乾重量基準)の炭酸カルシウム(奥多摩工業社製;TP121S)を添加した。次いで、対パルプ0.5%(絶乾重量基準)の両性デンプン(ナショナルスターチ社製;Cato3210)及び対パルプ0.08%(絶乾重量基準)のアルキルケテンダイマー系サイズ剤(日本PMC株式会社製;AS263)を順次に添加した後、pH7.5の希釈水でこのパルプスラリーを濃度0.25%まで希釈した。その後、希釈したパルプスラリーに対パルプ8%(絶乾重量基準)の炭酸カルシウム(奥多摩工業社製;TP121S)、対パルプ0.01%(絶乾重量基準)の歩留り向上剤(ハイモ社製;NR12MLS)を添加し、ノーブルアンドウッド抄紙機で、坪量65g/m2となるように抄紙した。尚、この時の抄紙pHは7.5であった。湿紙の乾燥は、ドラムドライヤーを用いて100℃で80秒間の条件で行った。
【0061】
(2)塗工液の調製方法
酸化澱粉(MS3800、日本食品化工株式会社製)を濃度10%に水で希釈し、95℃で糊化を行い、表面サイズ剤の種類を表3、表4に示すように変えたこと以外は同様にして、下記の固形分濃度になるように塗工液を調製した。
【0062】
塗工液の固形分濃度:酸化澱粉…6%、表面サイズ剤…0. 3%
(3)中性上質紙の製造とサイズ性能の評価
前記(2)で配合した塗工液を、前記(1)で抄造した原紙にサイズプレスを用い塗工し、中性上質紙を得た。この塗工紙の表面サイズ剤の固形分塗工量は、0.05g/m2であった。
【0063】
得られた試験紙を恒温恒湿(20℃、65%相対湿度)環境下で24時間調湿し、試験例2と同様にして、ステキヒトサイズ度の測定を行った。結果を表3、表4に示す。
【0064】
(試験例4)PPC用紙でのインクジェット適性の評価
(1)記録紙用中性原紙の抄造
380mlカナディアン・スタンダード・フリーネスまで叩解したパルプ(広葉樹対針葉樹のパルプ比が9対1である混合パルプ)を2.5%のスラリーとし、これに対パルプ1%(絶乾重量基準)の炭酸カルシウム(奥多摩工業社製;TP121S)と5%(絶乾重量基準)のタルク(富士タルク工業製:NDタルク)とを添加した。
【0065】
次いで、対パルプ1.0%(絶乾重量基準)の硫酸バンド、対パルプ0. 5%(絶乾重量基準)の両性デンプン(ナショナルスターチ社製;Cato3210)及び対パルプ0. 3%(絶乾重量基準)の中性紙用ロジンサイズ剤(日本PMC株式会社製;CC167)を順次に添加した後、pH7.5の希釈水でこのパルプスラリーを濃度0.25%まで希釈した。その後、希釈したパルプスラリーに対パルプ4%(絶乾重量基準)の炭酸カルシウム(奥多摩工業社製;TP121S)、対パルプ0.01%(絶乾重量基準)の歩留り向上剤(ハイモ社製;NR12MLS)を添加し、ノーブルアンドウッド抄紙機で、坪量65g/m2となるように抄紙した。尚、この時の抄紙pHは7.5であった。湿紙の乾燥は、ドラムドライヤーを用いて100℃で80秒間の条件で行った。
【0066】
(2)塗工液の調製方法
酸化澱粉(MS3800、日本食品化工株式会社製)を水で濃度10%に希釈し、95℃で糊化を行い、表面サイズ剤の種類を表3、表4に示すように変えたこと以外は同様にして、下記の固形分濃度になるように塗工液を調製した。
【0067】
塗工液の固形分濃度:酸化澱粉…5%、表面サイズ剤…0.25%、食塩…0.25%
(3)記録紙の製造
前記(2)で配合した塗工液を、前記(1)で抄造した記録用原紙にサイズプレスを用いて塗工し、記録紙を得た。
【0068】
この記録紙に前記塗工液を塗工する際の固形分塗工量は0.05g/m2であった。
【0069】
得られた記録紙を恒温恒湿(20℃、65%相対湿度)環境下で24時間調湿した。
【0070】
(4)記録紙の評価
前記(3)で得られた記録紙について、以下のインクジェット適性試験を行った。
・インクジェット適性試験方法
インクジェット適性の評価は、上記記録紙をカレンダー処理した後、恒温恒湿(20℃、65%相対湿度)環境下で24時間調湿を行った後、キャノン株式会社製バブルジェットプリンタであるBJ−220JCIIを用いて以下の方法にて行った。結果を表3、表4に示す。
【0071】
(a)印字濃度試験
試験紙にベタ印刷をし、ベタ部分の印字濃度をマクベスインク濃度計で測定した。数値が高い程印字濃度が高いことを示す。
【0072】
(b)フェザリング試験
記録紙に直交する線幅一定の直線及び文字を印字し、目視にて直線及び文字の外縁のにじみを5段階で評価した。フェザリングの全くないものを5とし、インクが滲んでしまって文字の判別がつかないものを1とした。通常の使用に耐えうる印字品質は4以上である。
【0073】
(c)裏抜け試験
記録紙にベタ印刷をし、ベタ印字部分裏側のインクのにじみ程度を、目視にて5段階で評価した。裏にインクが滲んでいないものを5とし、ベタ部分が完全に裏抜けしたものを1とした。通常の使用に耐えうる印字品質は、4以上である。
【0074】
(試験例5)中性ライナーでのサイズ性能の評価
(1)塗工液の調製方法
表面サイズ剤の固形分濃度が0.5%となるように水で希釈し、塗工液を調製した。
【0075】
(2)中性ライナーの製造とサイズ性能の評価
前記(1)で配合した塗工液を、未塗工の中性Kライナー(坪量280g/m2、Cobb60は70g/m2)にサイズプレスを用いて塗工し、中性ライナーを得た。この塗工紙の表面サイズ剤の固形分塗工量は、0.05g/m2であった。得られた試験紙を恒温恒湿(20℃、65%相対湿度)環境下で24時間調湿し、コブサイズ度(60秒)(JISP8140に準拠)を測定した。評価結果を、表3、表4に示す。
【0076】
(試験例6)発泡性試験
(1)試験用塗工液の調製
酸化澱粉(MS3800、日本食品化工株式会社製)を濃度10%に水で希釈し、95℃で糊化を行い、表面サイズ剤の種類を表3、表4に示すように変えたこと以外は同様にして、下記の固形分濃度になるように試験用塗工液を調製した。
【0077】
試験用塗工液の固形分濃度:酸化澱粉…5%、表面サイズ剤…0.25%、食塩…0.25%。
【0078】
(2)試験用塗工液の発泡性評価
前記(1)で配合した試験用塗工液600gを内径7cm長さ50cmのフォームセルに入れ、試験用塗工液温度60℃、循環ポンプ流量9リットル/分、及び循環時間3分の条件で循環し、泡の高さ(mm)を測定した。結果を表3、表4に示す。
【0079】
尚、表3、表4において、泡の高さが低い方が、発泡性が良好である(発泡量が少ない)ことを示す。
【0080】
(試験例7)錆性試験
(1)試験用塗工液の調製
表面サイズ剤の固形分濃度を1.0%となるように水で希釈した。
【0081】
(2)試験用塗工液の錆性評価
前記(1)で配合した試験用塗工液30gに幅2cm、長さ5cmの鉄片を入れ、45℃で1日恒温保持した後、目視にて鉄片の錆び程度を5段階で評価した。錆が全くないものを5とし、錆が発生し錆片が試験用塗工液中に浮いているものを1とした。結果を表3、表4に示す。
尚、表3、表4において、数字が大きい方が、錆性が良好である(錆が少ない)ことを示す。
【0082】
【表3】
カチオン性表面サイズ剤の評価
Figure 0004973968
【0083】
【表1】
疎水性モノマー[B]をモノマーユニットとして含むカチオン性表面サイズ剤の評価
Figure 0004973968
【0084】
酸性上質紙及び中性上質紙並びに中性ライナーでのサイズ性能の評価結果から、表3の参考例1〜7のカチオン性表面サイズ剤を用いて製造した紙はステキヒトサイズ度及びコブサイズ度が比較例1のカチオン性共重合物を含有するカチオン性表面サイズ剤を用いて製造した紙に比べ良好であることがわかった。
【0085】
また、表4の比較例3、実施例9、10、12〜22の疎水性モノマー[B]をモノマーユニットとして含むカチオン性表面サイズ剤を用いて製造した紙はステキヒトサイズ度及びコブサイズ度が比較例2のカチオン性表面サイズ剤を用いて製造した紙に比べ良好であることがわかった。
【0086】
表3のPPC用紙でのインクジェット適性の評価から参考例1〜7のカチオン性表面サイズ剤を用いて製造した紙は印字濃度、フェザリングの評価で比較例1のカチオン性表面サイズ剤を用いて製造した紙に比べ良好であることがわかった。
【0087】
また、表4のPPC用紙でのインクジェット適性の評価から実施例8〜22の疎水性モノマー[B]をモノマーユニットとして含むカチオン性表面サイズ剤を用いて製造した紙は印字濃度、フェザリング、裏抜け評価で比較例2のカチオン性表面サイズ剤を用いて製造した紙に比べ良好であることがわかった。
【0088】
表3に示された発泡性試験、錆性試験の結果から参考例のカチオン性表面サイズ剤が比較例1のカチオン性表面サイズ剤に比べ発泡量が大幅に少ないこと、錆びが少ないことがわかった。
【0089】
また、表4においても同様に実施例の疎水性モノマー[B]をモノマーユニットとして含むカチオン性表面サイズ剤は比較例2のカチオン性表面サイズ剤に比べ、錆びが少ないことがわかった。
【0090】
【発明の効果】
本発明のカチオン性表面サイズ剤は乳化重合時の安定性が良好で製造が容易である。本発明のカチオン性表面サイズ剤を使用することにより、酸性紙及び中性紙のサイズ性能の向上、情報用紙、特にPPC用紙あるいはインクジェット用紙のインクジェット適性の向上、カチオン性表面サイズ剤を含有する塗工液が発泡しにくい、カレンダーロールが錆びにくい等の効果がバランスよく優れる。

Claims (3)

  1. スチレン類及びアルキル(メタ)アクリレートより成る群から選択される少なくとも一種である疎水性モノマーと3級アミノ基を有するモノマーとからなり、前記疎水性モノマーと前記3級アミノ基を有するモノマーの構成比(前記疎水性モノマー:前記3級アミノ基を有するモノマー)がモル比で70〜90:30〜10である共重合体をオキシド類で4級化して得られるカチオン性共重合物[A]の存在下で、スチレン類及びアルキル(メタ)アクリレートより成る群から選択される少なくとも一種である疎水性モノマー[B]を重合して得られた共重合体を含有し、前記カチオン性共重合物[A]と前記疎水性モノマー[B]との固形分構成比が重量比で(30〜150):(100)であることを特徴とするカチオン性表面サイズ剤。
  2. 前記3級アミノ基を有するモノマーがジメチルアミノエチルメタアクリレート及びジメチルアミノプロピルアクリルアミドより成る群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載のカチオン性表面サイズ剤。
  3. 前記オキシド類がブチレンオキシド及びスチレンオキシドより成る群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカチオン性表面サイズ剤。
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