図1ないし図4は、この発明の範囲外のものであるが、この発明のより良い理解のための第1の参考例となる積層コンデンサ1を示している。ここで、図1は、積層コンデンサ1の外観を示す斜視図であり、図2は、積層コンデンサ1の実装構造を示す断面図である。なお、図2において、積層コンデンサ1は、後述する図3および図4の線II−IIに沿う断面をもって示されている。
積層コンデンサ1は、相対向する2つの主面2および3ならびにこれら主面2および3間を連結する4つの側面4、5、6および7を有する直方体状のコンデンサ本体8を備えている。コンデンサ本体8は、主面2および3の方向に延びる、たとえば誘電体セラミックからなる積層された複数の誘電体層9をもって構成される積層構造を有している。
コンデンサ本体8は、図2に示すように、第1および第2のコンデンサ部11および12を構成している。この実施形態では、第1のコンデンサ部11と第2のコンデンサ部12とは、積層方向に並ぶように配置され、しかも、第2のコンデンサ部12が2つの第1のコンデンサ部11によって積層方向に挟まれるように配置されている。その結果、第1のコンデンサ部11は、コンデンサ本体8における積層方向での両端に位置される。
第1のコンデンサ部11は、静電容量を形成するように所定の誘電体層9を介して互いに対向する少なくとも1対の第1および第2の内部電極13および14を備えている。他方、第2のコンデンサ部12は、静電容量を形成するように所定の誘電体層9を介して互いに対向する少なくとも1対の第3および第4の内部電極15および16を備えている。
この実施形態では、より大きな静電容量を得るため、第1および第2の内部電極13および14の対の数ならびに第3および第4の内部電極15および16の対の数は、複数とされる。
図3は、第1のコンデンサ部11の内部構造を示す平面図であり、(a)は、第1の内部電極13が通る断面を示し、(b)は、第2の内部電極14が通る断面を示している。
図3(a)に示すように、第1の内部電極13には、コンデンサ本体8の外表面、すなわち側面4〜7にまで引き出される複数、たとえば7つの第1の引出し部17が形成されている。また、図3(b)に示すように、第2の内部電極14には、コンデンサ本体8の外表面、すなわち側面4〜7にまで引き出される複数、たとえば7つの第2の引出し部18が形成されている。
コンデンサ本体8の側面4〜7の各々上には、第1の引出し部17に、直接、それぞれ電気的に接続される複数、たとえば7つの第1の外部端子電極19、ならびに第2の引出し部18に、直接、それぞれ電気的に接続される複数、たとえば7つの第2の外部端子電極20が形成されている。第1および第2の外部端子電極19および20は、図1および図2に示されるように、側面4〜7上から主面2および3の各々の一部上にまで延びるように形成されている。
第1の引出し部17がそれぞれ引き出される側面4〜7上での各位置は、第2の引出し部18がそれぞれ引き出される各位置と異なっており、したがって、第1の外部端子電極19が設けられる側面4〜7上での各位置は、第2の外部端子電極20の各位置と異なっている。そして、第1の外部端子電極19と第2の外部端子電極20とは、側面4〜7上において、交互に配置されている。
図4は、第2のコンデンサ部12の内部構造を示す平面図であり、(a)は、第3の内部電極15が通る断面を示し、(b)は、第4の内部電極16が通る断面を示している。
図4(a)に示すように、第3の内部電極15には、コンデンサ本体8の外表面、すなわち側面5および7にまで引き出される少なくとも1つ、たとえば2つの第3の引出し部21が形成されている。また、図4(b)に示すように、第4の内部電極16には、コンデンサ本体8の外表面、すなわち側面5および7にまで引き出される少なくとも1つ、たとえば2つの第4の引出し部22が形成されている。
この参考例では、第3の引出し部21は、前述した第1の外部端子電極19に、直接、電気的に接続され、第4の引出し部22は、前述した第2の外部端子電極20に、直接、電気的に接続されている。
上述のように、第3および第4の引出し部21および22が、それぞれ、第1および第2の引出し部17および18と共通する第1および第2の外部端子電極19および20に電気的に接続されていると、積層コンデンサ1自身において、第1のコンデンサ部11と第2のコンデンサ部12とを並列に接続した状態とすることができる。
以上説明した第1の参考例では、各々1つの第3および第4の内部電極15および16についての第3および第4の引出し部21および22の各々の数は、各々1つの第1および第2の内部電極13および14についての第1および第2の引出し部17および18の各々の数より少ない。すなわち、前者が2つであり、後者が7つである。そのため、内部電極13〜16の材料等の他の条件が同じであれば、第1のコンデンサ部11のESLを、第2のコンデンサ部12のESLよりも低くすることができ、その結果、第1のコンデンサ部11の共振周波数を、第2のコンデンサ部12の共振周波数よりも高くすることができる。
他方、前述したように、第3および第4の引出し部21および22の各々の数が、第1および第2の引出し部17および18の各々の数より少ないため、内部電極13〜16あるいは引出し部17、18、21および22がESRに及ぼす影響が第1のコンデンサ部11と第2のコンデンサ部12とで変わらないとすれば、第2のコンデンサ部12に含まれる1組の第3および第4の内部電極15および16ならびにその間の誘電体層9により与えられる1層あたりのESRを、第1のコンデンサ部11に含まれる1組の第1および第2の内部電極13および14ならびにその間の誘電体層9により与えられる1層あたりのESRより高くすることができる。
以上のようなことから、積層コンデンサ1の特性は、第1のコンデンサ部11による低ESL特性が有効に働くとともに、第1のコンデンサ部11のESR特性と第2のコンデンサ部12のESR特性とが反映された高ESR特性となる。したがって、積層コンデンサ1によれば、低ESL化および高ESR化の双方を実現することができる。
図2には、配線基板24によって与えられた実装面25上に、積層コンデンサ1が実装された構造が示されている。配線基板24の実装面25上には、いくつかの導電ランド26および27が設けられていて、第1および第2の外部端子電極19および20が、それぞれ、導電ランド26および27に半田付け(図示せず。)等によって電気的に接続される。
上述のような実装構造において、第1のコンデンサ部11が実装面25により近い側に位置するようにコンデンサ本体8を向けた状態で、積層コンデンサ1が実装されている。
上述のような積層コンデンサ1の実装状態において、第1の外部端子電極が正極となり、第2の外部端子電極20が負極となる時点において、正極から内部電極13〜16を通って負極へと流れる電流の流れのループを考慮した場合、より高周波になるほど、図2において破線の矢印28で示すように、最下層から2つの内部電極13(a)および14(a)に流れる電流がESL値により大きく影響するようになる。そのため、前述したように、第1のコンデンサ部11を実装面25により近い側に位置させると、積層コンデンサ1の実装状態において、一層の低ESL化を図ることができる。
なお、第1の参考例のように、第2のコンデンサ部12が2つの第1のコンデンサ部11によって積層方向に挟まれるように配置されていると、コンデンサ本体8の上下についての方向性をなくすことができる。したがって、図2に示すように、主面3を実装面25側に向けても、図示しないが、主面2を実装面25側に向けても、上述のような低ESL化を図ることができる。
図5は、上述した積層コンデンサ1が与える等価回路を模式的に示している。図5に示した要素と図1ないし図4に示した各要素との対応関係がわかるように、図5において、図1ないし図4に示した要素に相当する要素には同様に参照符号が付されている。
図5において、第1ないし第4の内部電極13〜16の各々について、1つの内部電極が1本の線で示されている。第1のコンデンサ部11においては、第1および第2の内部電極13および14が2対図示されるとともに、これら2対の第1および第2の内部電極13および14の間に点線を表示することによって、さらに多数の第1および第2の内部電極13および14を備え得ることが示唆されている。同様に、第2のコンデンサ部12においても、第3および第4の内部電極15および16が2対図示されるとともに、これら2対の第3および第4の内部電極15および16の間に点線を表示することによって、さらに多数の第3および第4の内部電極15および16を備え得ることが示唆されている。
なお、図5と前述の図2とを対比したとき、第1のコンデンサ部11における第1および第2の内部電極13および14の数が一致しないが、これは、図2では、第1および第2の内部電極13および14の代表的なもののみが図示されていると理解すればよい。
図5に示すように、引出し部17、18、21および22の各々について、1つの引出し部のそれぞれに関連して、ESR29およびESL30が形成されている。
図6は、この参考例による積層コンデンサ1の好ましい用途を説明するためのもので、積層コンデンサ1をデカップリングコンデンサとして用いているMPUの回路構成を示す図である。
MPUは、MPUチップ101およびメモリ102を備える。電源部103は、MPUチップ101に電源を供給するためのもので、電源部103からMPUチップ101に至る電源回路には、積層コンデンサ1がデカップリングコンデンサとして機能するように接続されている。また、MPUチップ101からメモリ102側には、図示しないが、信号回路が構成されている。
上述したMPUに関連して、デカップリングコンデンサとして用いられる積層コンデンサ1は、ノイズ吸収や電源の変動に対する平滑化のために用いられるばかりでなく、クイックパワーサプライとしての機能も有している。したがって、このようなデカップリングコンデンサとして用いられる積層コンデンサ1にあっては、ESLができるだけ低いことが望ましく、この点において、この実施形態に係る積層コンデンサは、デカップリングコンデンサとして有利に用いることができる。
図7は、第2の参考例としての積層コンデンサ1aを説明するための図4に対応する図である。図7において、図4に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
前述した第1の参考例の場合と比較して、第2の参考例では、第3の内部電極15には、単に1つの第3の引出し部21が形成され、かつ、第4の内部電極16には、単に1つの第4の引出し部22が形成されていることを特徴としている。その他の構成については、第1の参考例の場合と同様である。
第2の参考例によれば、第2のコンデンサ12に含まれる1組の第3および第4の内部電極15および16ならびにその間の誘電体層9により与えられる1層あたりのESRを、より高くすることができる。
図8は、第3の参考例としての積層コンデンサ1bを説明するための図4に対応する図である。図8において、図4に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
第3の参考例では、第3および第4の内部電極15および16のいずれか一方が、図3に示した第1および第2の内部電極13および14のいずれか一方と同じパターンを有していることを特徴としている。より具体的には、図8(b)に示すように、第4の内部電極16が、図3(b)に示した第2の内部電極14と同じパターンを有している。したがって、第4の内部電極16には、7つの第4の引出し部22が形成されている。その他の構成については、第1の参考例の場合と実質的に同様である。
第3の参考例によれば、各々1つの第3および第4の内部電極15および16についての第3および第4の引出し部21および22の少なくとも一方の数が、各々1つの第1および第2の内部電極13および14についての第1および第2の引出し部17および18の各々の数より少ないという条件を満たしている。したがって、第2のコンデンサ部12に含まれる1組の第3および第4の内部電極15および16ならびにその間の誘電体層9により与えられる1層あたりのESRは、第1の参考例の場合よりも低くなるものの、第1のコンデンサ部11に含まれる1組の第1および第2の内部電極13および14ならびにその間の誘電体層9により与えられる1層あたりのESRより高くされることができる。
図9は、第4の参考例としての積層コンデンサ1cを説明するためのものである。ここで、図9(a)および(b)は、それぞれ、図3(a)および(b)に対応し、図9(c)および(d)は、それぞれ、図4(a)および(b)に対応している。図9において、図3および図4に示す要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
第4の参考例では、第3および第4の外部端子電極31および32が別途形成されていることを特徴としている。すなわち、コンデンサ本体8の短辺側の側面5および7上に形成された外部端子電極は、第1および第2の外部端子電極19および20ではなく、第3および第4の外部端子電極31および32である。これら第3および第4の外部端子電極31および32には、図9(c)および(d)に示すように、それぞれ、第3の内部電極15の第3の引出し部21および第4の内部電極16の第4の引出し部22が電気的に接続される。
他方、図9(a)に示すように、第1の内部電極13には、5つの第1の引出し部17しか形成されず、これら第1の引出し部17は、コンデンサ本体8の長辺側の側面4および6にのみ引き出され、第1の外部端子電極19に電気的に接続される。また、図9(b)に示すように、第2の内部電極14には、5つの第2の引出し部18しか形成されず、これら第2の引出し部18は、コンデンサ本体8の長辺側の側面4および6にのみ引き出され、第2の外部端子電極20に電気的に接続される。
その他の構成については、第1の参考例の場合と実質的に同様である。
第4の参考例によれば、第1の参考例の場合と比べて、第1および第2の引出し部17および18の各々の数以外の条件が等しいとすれば、第1のコンデンサ部11の共振周波数がより低くなる。
図10は、第5の参考例としての積層コンデンサ1dを説明するためのものである。ここで、図10(a)および(b)は、それぞれ、図3(a)および(b)に対応し、図10(c)および(d)は、それぞれ、図4(a)および(b)に対応している。図10において、図3および図4に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
第5の参考例では、コンデンサ本体8の短辺側の側面5および7上には、いずれの外部端子電極もが形成されないことを特徴としている。すなわち、コンデンサ本体8の長辺側の側面4および6上にのみ、第1および第2の外部端子電極19および20が形成される。
また、第5の参考例では、図10(c)に示すように、第3の内部電極15には、1つの第3の引出し部21が形成され、第3の引出し部21は、第1の外部端子電極19のいずれかに電気的に接続される。また、図10(d)に示すように、第4の内部電極16には、1つの第4の引出し部22が形成され、第4の引出し部22は、第2の外部端子電極20のいずれかに電気的に接続される。
その他の構成については、第1の参考例の場合と実質的に同様である。
図11は、第6の参考例としての積層コンデンサ1eを説明するための図3に対応する図である。図11において、図3に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
第6の参考例では、図11(a)に示すように、第1の内部電極13が形成された誘電体層9上には、ダミー引出し部38が形成され、他方、図11(b)に示すように第2の内部電極14が形成された誘電体層9上には、ダミー引出し部39が形成される。
ダミー引出し部38および39は、誘電体層9の周縁部に位置される。ダミー引出し部38は、複数の第1の引出し部17の各間に位置し、かつ第2の外部端子電極20に電気的に接続される。他方、ダミー引出し部39は、複数の第2の引出し部18の各間に位置し、かつ第1の外部電子電極19に電気的に接続される。
上述のように、ダミー引出し部38および39が形成されることによって、内部電極13および14の厚みに起因してコンデンサ本体8に生じ得る段差を抑制することができるとともに、外部端子電極19および20の、コンデンサ本体8に対する接合強度を高めることができる。
図12は、第7の参考例としての積層コンデンサ1fを説明するための図4に対応する図である。図12において、図4に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
第7の参考例では、図12(a)に示すように、第3の内部電極15が形成された誘電体層9上には、ダミー引出し部40が形成され、他方、図12(b)に示すように、第4の内部電極16が形成された誘電体層9上には、ダミー引出し部41が形成される。
ダミー引出し部40および41は、誘電体層9の短辺に沿って位置される。ダミー引出し部40は、コンデンサ本体8の短辺側の側面5および7上に形成された第2の外部端子電極20に電気的に接続される。他方、ダミー引出し部41は、コンデンサ本体8の短辺側の側面5および7上に形成された第1の外部端子電極19に電気的に接続される。
上述したダミー引出し部40および41は、前述の図11に示したダミー引出し部38および39と実質的に同様の作用効果を奏するものである。
なお、図12に示した第7の参考例の変形例として、ダミー引出し部を、誘電体層9の長辺に沿ってさらに位置させることも可能である。この場合においても、各ダミー引出し部は、コンデンサ本体8の長辺側の側面4および6上に形成された第1および第2の外部端子電極19および20にそれぞれ電気的に接続される。
図13は、第8の参考例としての積層コンデンサ1gを説明するための図である。図13には、図3または図4に示した要素と共通する要素が多く図示されているので、図13において、図3または図4に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図13には、コンデンサ本体8に備える誘電体層9のうち、内部電極が形成されないものが図示されている。このような内部電極が形成されない誘電体層9は、コンデンサ本体8の積層方向における端部に位置されたり、第1のコンデンサ部11と第2のコンデンサ部12との境界部分に位置されたりする。
第8の参考例では、図13に示すように、内部電極が形成されない誘電体層9の周縁部に沿って、複数のダミー引出し部42が形成される。ダミー引出し部42は、外部端子電極19または20に電気的に接続される。また、ダミー引出し部42の寸法は、前述したダミー引出し部38〜41の各寸法と実質的に同等とされ、好ましくは、内部電極13〜16の各主要部と重なり合わないようにされる。
このようなダミー引出し部42の作用効果についても、前述したダミー引出し部38〜41の場合と実質的に同様である。
以上のダミー引出し部に関連する第6ないし第8の参考例は、各々単独で実施されてもよいが、好ましくは、2つ以上の参考例が組み合わされて実施され、最も好ましくは、3つの参考例が組み合わされて実施される。
図14は、第9の参考例としての積層コンデンサ1hを説明するための図3に対応する図である。図14において、図3に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図14(a)および図14(b)には、それぞれ、図3(a)および図3(b)に示した第1および第2の内部電極13および14が示されている。他方、図14(c)には、ダミー内部電極45が示されている。ダミー内部電極45は、この参考例では、図14(b)に示した第2の内部電極14と同じパターンを有している。すなわち、ダミー内部電極45には、コンデンサ本体8の側面4〜7にまで引き出される引出し部46が形成され、引出し部46は、第2の外部端子電極20に電気的に接続される。
前述したように、第1のコンデンサ部11(図2参照)を構成するため、図14(a)に示した第1の内部電極13と図14(b)に示した第2の内部電極とが互いに対向するように積層されるが、この参考例では、上述の積層構造における、積層方向での端部および/または途中において、第2の内部電極14と隣り合うように、少なくとも1つのダミー内部電極45が積層される。
上述のように、ダミー内部電極45を積層構造に含ませることによって、静電容量は増加しないが、第2の外部端子電極20の、コンデンサ本体8に対する接合強度を高めることができる。したがって、この参考例は、大きな静電容量を必要としないが、誘電体層9の積層数を確保しながら、外部端子電極20の接合強度を確保したい場合において、有利に適用される。
第9の参考例の変形例として、第1の内部電極13と同じパターンを有するダミー内部電極が形成されてもよい。
図15は、第10の参考例としての積層コンデンサ1iを説明するための図4に対応する図である。図15において、図4に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図15(a)および図15(b)には、それぞれ、図4(a)および図4(b)に示した第3および第4の内部電極15および16が示されている。図15(c)には、ダミー内部電極49が示されている。ダミー内部電極49は、この参考例では、図15(b)に示した第4の内部電極16と同じパターンを有している。すなわち、ダミー内部電極49には、コンデンサ本体8の短辺側の側面5および7にまで引き出される引出し部50が形成され、引出し部50は、第2の外部端子電極20に電気的に接続される。
前述したように、第2のコンデンサ部12(図2参照)を構成するため、図15(a)に示した第3の内部電極15と図15(b)に示した第4の内部電極16とが互いに対向するように積層されるとき、この積層構造における、積層方向での端部および/または途中において、第4の内部電極16と隣り合うように、少なくとも1つのダミー内部電極49が積層される。上述したダミー内部電極49の作用効果は、図14(c)に示したダミー内部電極45と実質的に同様である。
第10の参考例の変形例として、第3の内部電極15と同じパターンを有するダミー内部電極が形成されてもよい。
図16は、第11の参考例としての積層コンデンサ1jを説明するための図3に対応する図である。図16において、図3に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図16(a)および図16(b)には、それぞれ、図3(a)および図3(b)に示した第1および第2の内部電極13および14が示されている。他方、図16(c)には、ダミー内部電極53が示されている。ダミー内部電極53は、この参考例では、図4(b)に示した第4の内部電極と同じパターンを有している。すなわち、ダミー内部電極53には、コンデンサ本体8の短辺側の側面5および7にまで引き出される引出し部54が形成され、引出し部54は、第2の外部端子電極20に電気的に接続される。
前述したように、第1のコンデンサ部11(図2参照)を構成するため、図16(a)に示した第1の内部電極13と図16(b)に示した第2の内部電極14とが互いに対向するように積層されるとき、この積層構造における、積層方向での端部および/または途中において、第2の内部電極14と隣り合うように、少なくとも1つのダミー内部電極53が積層される。
上述のダミー内部電極53の作用効果は、図14および図15にそれぞれ示したダミー内部電極45および49の場合と実質的に同様である。
第11の参考例の変形例として、図4(a)に示した第3の内部電極15と同じパターンを有するダミー内部電極が形成されてもよい。
図17は、第12の参考例としての積層コンデンサ1kを説明するための図4に対応する図である。図17において、図4に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図17(a)および図17(b)には、それぞれ、図4(a)および図4(b)に示した第3および第4の内部電極15および16が示されている。他方、図17(c)には、ダミー内部電極57が示されている。ダミー内部電極57は、図3(b)に示した第2の内部電極14と同じパターンを有している。すなわち、ダミー内部電極57には、コンデンサ本体8の側面4〜7にまで引き出される引出し部58が形成され、引出し部58は、第2の外部端子電極20に電気的に接続される。
前述したように、第2のコンデンサ部12(図2参照)を構成するため、図17(a)に示した第3の内部電極15と図17(b)に示した第4の内部電極16とが互いに対向するように積層されるとき、この積層構造における、積層方向での端部および/または途中において、第4の内部電極16と隣り合うように、少なくとも1つのダミー内部電極57が積層される。
上述のダミー内部電極57の作用効果は、図14ないし図16にそれぞれ示したダミー内部電極45、49および53の場合と実質的に同様である。
第12の参考例の変形例として、図3(a)に示した第1の内部電極13と同じパターンを有するダミー内部電極が形成されてもよい。
なお、上述の第9ないし第12の参考例は、これらを適宜組み合わせて実施することができる。より具体的には、第9および第11の参考例は、第1のコンデンサ部11に関するものであり、第10および第12の参考例は、第2のコンデンサ部12に関するものであるので、第9および第11の参考例の各々は、第10および第12の参考例の各々と任意に組み合わせて実施することができる。
図18ないし図21は、この発明の第1の実施形態による積層コンデンサ61を示している。
ここで、図18は、積層コンデンサ61の外観を示す斜視図であり、図19は、積層コンデンサ61における第1および第2のコンデンサ部62および63の配置状態を図解的に示す側面図である。図18および図19には、実装面64が図示されている。積層コンデンサ61は、実装状態において、実装面64と平行な方向に積層方向を有していることを特徴としている。
積層コンデンサ61は、相対向する2つの主面65および66ならびにこれら主面65および66間を連結する4つの側面67、68、69および70を有する直方体状のコンデンサ本体71を備えている。コンデンサ本体71は、主面65および66の方向に延びる、たとえば誘電体セラミックからなる積層された複数の誘電体層72(図20および図21参照)をもって構成される積層構造を有している。上記側面67および69は、それぞれ、コンデンサ本体71の上面および下面を与えるものであり、よって、以下の説明において、「側面67」を「上面67」と呼ぶこともあり、「側面69」を「下面69」と呼ぶこともある。
コンデンサ本体71は、図19に示すように、第1および第2のコンデンサ部62および63を構成している。第1のコンデンサ部62と第2のコンデンサ部63とは、実装面64に平行な、すなわち上面67および下面69と平行な積層方向に並ぶように配置され、しかも、第2のコンデンサ部63が2つの第1のコンデンサ部62によって挟まれるように配置されている。その結果、第1のコンデンサ部62は、コンデンサ本体71における積層方向での両端に位置される。
図20は、第1のコンデンサ部62の内部構造を示す誘電体層72の平面図であり、(a)は、第1の内部電極73が通る断面を示し、(b)は、第2の内部電極74が通る断面を示している。他方、図21は、第2のコンデンサ部63の内部構造を示す誘電体層72の平面図であり、(a)は、第3の内部電極75が通る断面を示し、(b)は、第4の内部電極76が通る断面を示している。
第1のコンデンサ部62においては、図20に示す、少なくとも1対の第1および第2の内部電極73および74が、静電容量を形成するように所定の誘電体層72を介して互いに対向している。他方、第2のコンデンサ部63においては、図21に示す、少なくとも1対の第3および第4の内部電極75および76が、静電容量を形成するように所定の誘電体層72を介して互いに対向している。
図20(a)に示すように、第1の内部電極73には、コンデンサ本体71の相対向する2つの側面67および69、すなわち上面67および下面69にまでそれぞれ引き出される各2つの第1の引出し部77が形成されている。また、図20(b)に示すように、第2の内部電極74には、コンデンサ本体71の相対向する側面67および69、すなわち上面67および下面69にまでそれぞれ引き出される各2つの第2の引出し部78が形成されている。
コンデンサ本体71の側面67および69の各々上には、第1の引出し部77にそれぞれ電気的に接続される各2つの第1の外部端子電極79、ならびに第2の引出し部78にそれぞれ電気的に接続される各2つの第2の外部端子電極80が形成されている。第1および第2の外部端子電極79および80は、図18にその一部が示されているように、上面67および下面69の各々上から主面65および66の各々の一部上にまで延びるように形成されている。また、第1の外部端子電極79と第2の外部端子電極80とは、上面67および下面69の各々上において、交互に配置されている。
図21(a)に示すように、第3の内部電極75には、コンデンサ本体71の相対向する側面(上面)67および側面(下面)69にまでそれぞれ引き出される各1つの第3の引出し部81が形成されている。また、図21(b)に示すように、第4の内部電極76には、コンデンサ本体71の相対向する側面(上面)67および側面(下面)69にまでそれぞれ引き出される各1つの第4の引出し部82が形成されている。
この実施形態では、第3の引出し部81は、前述した第1の外部端子電極79に電気的に接続され、第4の引出し部82は、前述した第2の外部端子電極80に電気的に接続されている。
この第1の実施形態においても、各々1つの第3および第4の内部電極75および76についての第3および第4の引出し部81および82の各々の数は、各々1つの第1および第2の内部電極73および74についての第1および第2の引出し部77および78の各々の数より少ない。そのため、内部電極73〜76の材料等の他の条件が同じであれば、第1のコンデンサ部62のESLを、第2のコンデンサ部63のESLよりも低くすることができ、その結果、第1のコンデンサ部62の共振周波数を、第2のコンデンサ部63の共振周波数よりも高くすることができる。
他方、前述したように、第3および第4の引出し部81および82の各々の数が、第1および第2の引出し部77および78の各々の数より少ないため、内部電極73から76あるいは引出し部77、78、81および82がESRに及ぼす影響が第1のコンデンサ部62と第2のコンデンサ部63とで変わらないとすれば、第2のコンデンサ部63に含まれる1組の第3および第4の内部電極75および76ならびにその間の誘電体層72により与えられる1層あたりのESRを、第1のコンデンサ部62に含まれる1組の第1および第2の内部電極73および74ならびにその間の誘電体層72により与えられる1層あたりのESRより高くすることができる。
このようなことから、積層コンデンサ61の特性は、第1の参考例としての積層コンデンサ1の場合と同様、第1のコンデンサ部62による低ESL特性と第2のコンデンサ部63による高ESR特性とを複合した特性となる。したがって、積層コンデンサ61によっても、低ESL化および高ESR化の双方を実現することができる。
図22および図23は、それぞれ、この発明の第2および第3の実施形態による積層コンデンサ61aおよび61bを説明するための図19に対応する図である。図22および図23において、図19に示す要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
前述した第1の実施形態による積層コンデンサ61の場合には、実装面64と直交する方向に誘電体層72ならびに内部電極73〜76が延びるようにされているので、第1の参考例としての積層コンデンサ1の場合のように、実装面64と内部電極との距離が及ぼすESLへの影響を考慮する必要がない。したがって、第1および第2のコンデンサ部62および63の配置に関して、図19に示すような配置状態の他、図22および図23にそれぞれ示すような配置状態をも問題なく採用することができる。
以上、この発明を図示した実施形態に関連して説明したが、この発明の範囲内において、その他種々の変形例が可能である。
たとえば、内部電極に形成される引出し部の位置や数あるいは外部端子電極の位置や数については、さらに種々に変更することができる。
また、コンデンサ本体における第1および第2のコンデンサ部の配置については、後述する実験例からもわかるように、図示した実施形態での配置以外のものも可能である。
また、たとえば第1の参考例では、第1および第2の内部電極13および14が第1のコンデンサ部11を構成するためだけに設けられ、かつ第3および第4の内部電極15および16が第2のコンデンサ部12を構成するためだけに設けられたが、第1のコンデンサ部と第2のコンデンサ部との境界部に位置する内部電極が、第1および第2のコンデンサ部の双方のための内部電極として、すなわち、第1または第2の内部電極と第3または第4の内部電極とを兼ねる内部電極として設けられてもよい。
また、たとえば第1の参考例において、第1のコンデンサ部11の共振周波数を第2のコンデンサ部12の共振周波数より高くするため、第1および第2の引出し部17および18の数(あるいは対の数)を第3および第4の引出し部21および22の数(あるいは対の数)より多くしたが、このような方法に代えて、あるいはこのような方法に加えて、内部電極13〜16の材料、パターンおよび/または積層数の変更による方法を採用してもよい。
また、たとえば第1の参考例では、第2のコンデンサ部12における1層あたりのESRを第1のコンデンサ部11における1層あたりのESRより高くするため、第3および第4の引出し部21および22の数を第1および第2の引出し部17および18の数より少なくしたが、このような方法に代えて、あるいはこのような方法に加えて、第3および/または第4の内部電極15および/または16の材料を比抵抗のより高いものにしたり、第3および/または第4の内部電極15および/または16の厚みをより薄くしたり、第3および/または第4の引出し部21および/または22の幅または厚みを小さくしたりする方法を採用してもよい。
次に、この発明による効果を確認するために実施した実験例について説明する。
この実験例では、周知のように、複数のセラミックグリーンシートを用意し、特定のセラミックグリーンシート上に、引出し部を有する内部電極を導電性ペーストの印刷によって形成し、内部電極が形成されたセラミックグリーンシートを含む複数のセラミックグリーンシートを積層し、得られた積層体を焼成してコンデンサ本体を得、このコンデンサ本体の外表面上に外部端子電極を導電性ペーストの焼付けによって形成するという各工程を経て、表1に示した各試料に係る積層コンデンサを作製した。
各試料に係る積層コンデンサについて、コンデンサ本体の寸法は2.0mm×1.25mm×0.5mmとし、内部電極の総積層数を64とし、静電容量を0.68μFとし、図1等に示した実施形態の場合と同様、外部端子電極の数を14とした。また、内部電極の厚みを1μmとし、引出し部の厚みを1μmとし、引出し部の幅を100μmとした。
表1において、「積層配置状態」の欄に示されたA〜Eは、図24の(A)〜(E)にそれぞれ対応している。図24には、第1および第2のコンデンサ部についての積層方向での配置状態が示されている。なお、図24において、参照符号「35」を付した部分は、いずれの内部電極も形成されない外層部を示している。また、図24において、図示された積層構造物の各下面が実装面側に向いている。この点で、この実験例で採用した配置状態は、前述の参考例において採用されたものである。
表1の「第1のコンデンサ部」および「第2のコンデンサ部」の各欄には、「内部電極パターン」、「積層数」、「共振周波数」および「1層あたりESR」が示されている。
ここで、コンデンサのESRは、電極1層あたりの抵抗をR、積層数をNとしたとき、以下の式で表すことができる。
コンデンサのESR=R(4N−2)/N2
本件では、第1のコンデンサ部全体のESRをコンデンサのESRとして逆算して、電極1層あたりの抵抗Rを算出し、このRの値を上記数式に代入し、かつN=2(コンデンサ1層は内部電極2枚が対向して形成される。)を上記数式に代入することにより、「1層あたりESR」を算出している。
それぞれの「内部電極パターン」の欄には、各試料において採用された内部電極パターンを図示する図面の番号が引用されている。なお、試料9の「第2のコンデンサ部」における「内部電極パターン」の欄に引用された「図25」については、添付の図25に示すような内部電極パターンを採用したものである。
図25には、第3の引出し部21を有する第3の内部電極15と第4の引出し部22を有する第4の内部電極16とが図示されるとともに、第3および第4の引出し部21および22にそれぞれ電気的に接続される第3および第4の外部端子電極31および32が図示されている。図25において、(1)〜(14)は、積層順序を示している。
再び表1を参照して、「積層数」は、「第1のコンデンサ部」にあっては、第1および第2の内部電極の合計積層数を示し、「第2のコンデンサ部」にあっては、第3および第4の内部電極の合計積層数を示している。また、「第1のコンデンサ部」の「積層数」の欄における「上」および「下」の表示は、図24(b)における「第1のコンデンサ部(上)」および「第1のコンデンサ部(下)」にそれぞれ対応している。
また、「第1の引出し部数」、「第2の引出し部数」、「第3の引出し部数」および「第4の引出し部数」は、それぞれ、各々1つの対応の内部電極についての引出し部の数を示している。
表1に示すような設計とされた試料1〜9の各々について求められた「ESL値」および「ESR値」が、表2に示されている。
表1および表2において、試料番号に*を付したものは、この発明の範囲外であって、前述した参考例にも該当しない比較例である。
比較例としての試料1では、表1に示すように、高ESR化に寄与する第2のコンデンサ部を備えないため、表2に示すように、低ESL化を図ることができるものの、高ESR化を図ることができない。
もう1つの比較例としての試料9では、表1に示すように、低ESL化に寄与する第1のコンデンサ部を備えないため、表2に示すように、高ESR化を図ることができるものの、低ESL化を図ることができない。
これらに対して、前述した参考例に該当する試料2〜8では、表1に示すように、第1および第2のコンデンサ部の双方を備えているので、表2に示すように、低ESL化および高ESR化の双方が図られている。
また、試料2〜7については、ESL値は試料1とほぼ同程度の値が得られている。これは、高周波域においては、実装面側に電界が集中し、図2に示す破線の矢印28のようなループでの特性が最も影響されるようになり、引出し部数の多い第1のコンデンサ部が実装面側に積層配置されている試料2〜7では、第1のコンデンサ部の低いESLの値が支配的になった結果である。
これに対して、実装面側に第2のコンデンサ部が配置された試料8においては、試料2〜7と比較すると、ESL値が高くなっている。なお、試料8の構成でも、試料9と比較した場合、第1のコンデンサ部が存在する分、ESL値を低くすることができている。
また、同じ積層配置状態で第1のコンデンサ部の積層数を変化させた試料2〜5では、ESL値はほぼ同程度であることから、ESL値に対する、第1のコンデンサ部の積層数による影響は少ないことがわかる。
一方、ESR値については、積層コンデンサ全体の全体積層数に対する第2のコンデンサ部の積層数が増加するほど、ESR値は高くなっている。また、第2のコンデンサ部の積層数が同じ試料5、試料7および試料8を比較すると、第3および第4の引出し部数が2である試料5に対して、第3および第4の引出し部数が1である試料7および試料8の方が、ESR値は高くなっている。また、試料7および試料8では、試料9よりもESR値が高くなっている。これは、第1のコンデンサ部のESR値と第2のコンデンサ部のESR値とがともに試料9のESR値よりも高くなった結果、第1のコンデンサ部と第2のコンデンサ部とでは共振周波数が異なることによって、積層コンデンサのESR値としても、試料9のESR値よりも高くなるためである。
試料7および8間で比較すると、ほぼ同じ程度のESR値であり、積層配置状態が異なっても、第2のコンデンサ部の積層数が同じであれば、ESR値はほとんど変化しない傾向にあることがわかる。
また、試料2〜8間で比較すると、第1および第2のコンデンサ部において、積層数が多くなるほど、共振周波数が低下する傾向にある。また、試料5、試料7および試料8の第1のコンデンサ部の共振周波数から明らかなように、積層配置状態が異なっても、積層枚数が同じであれば、共振周波数はほとんど変わらない。
さらに、試料2〜7では、第1のコンデンサ部の共振周波数は、第2のコンデンサ部の共振周波数よりも高くなるように設定されている。たとえば、試料2においては、第1のコンデンサ部については総積層数が40で共振周波数が38MHzであり、第2のコンデンサ部については積層数が24で共振周波数が26MHzとなっている。第2のコンデンサ部の方が、積層数が少ないにもかかわらず、第1のコンデンサ部よりも共振周波数が低くなっているのは、引出し部数が異なるためである。この試料2において、さらに第1のコンデンサ部の積層数を増やして第2のコンデンサ部の積層数を減らした場合、両者の共振周波数差は小さくなり、さらには同じ共振周波数となる。このとき、第1のコンデンサ部と第2のコンデンサ部の共振周波数が重なった場合、両者のESRは並列と見なせるため、ESRが低下することになる。したがって、所望の高さのESRを得ることができない。
このようなことから、第1のコンデンサ部の共振周波数は、第2のコンデンサ部の共振周波数より高く設定する必要がある。
図26には、表1および表2に示した試料5と比較例としての試料1および9の各々についての周波数−インピーダンス特性が示されている。
図26を参照して、試料1では、表2に示すように、ESL値の低下に伴って、ESR値も低下しているため、インピーダンス特性が急峻になっている。
他方、試料9では、表2に示すように、ESR値を高くすることができるものの、それに伴って、ESL値が高くなるため、高周波側のインピーダンス特性が劣化している。
これらに対して、試料5によれば、表2に示すように、低ESL化および高ESR化を図ることができ、高周波側に至るまで優れたインピーダンス特性を得ることができる。