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JP4956146B2 - 鍛造性と結晶粒粗大化防止特性に優れた肌焼鋼およびその製造方法並びに浸炭部品 - Google Patents

鍛造性と結晶粒粗大化防止特性に優れた肌焼鋼およびその製造方法並びに浸炭部品 Download PDF

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Description

本発明は、自動車などの輸送機器や、建設機械その他の産業機械などにおいて、浸炭処理して使用される機械部品用の素材となる肌焼鋼およびその製造方法並びに浸炭部品に関するものであり、特に、軸受やCVT用プーリー、シャフト類、歯車、軸付き歯車などの素材として浸炭処理して使用する際に、比較的高い温度で浸炭処理を行なった場合でも結晶粒が粗大化しない様な特性(以下、「結晶粒粗大化防止特性」ということがある)に優れると共に、鍛造時に割れが発生しないような優れた鍛造性を示す肌焼鋼とその製造方法、並びにこうした肌焼鋼を浸炭処理した浸炭部品に関するものである。
自動車、建設機械、その他の各種産業機械用として用いられる機械部品において、特に耐摩耗性、高疲労強度が要求される部品には、従来から浸炭、窒化および浸炭窒化などの表面硬化熱処理(肌焼き処理)が行なわれている。これらの用途には、通常、SCr、SCM、SNCMなどのJIS規格で定められた肌焼鋼を使用し、鍛造・切削などの機械加工により所望の部品形状に成形した後、浸炭、浸炭窒化などの表面硬化熱処理を施し、その後、研磨などの仕上工程を経て製造される。
近年、自動車、建設機械、産業機械等に使用される部品の製造コスト低減が望まれており、鍛造・切削等の機械加工にかかるコストを低減する取り組みが行われている。具体的には、切削加工から鍛造への変更や、鍛造加工であっても熱間鍛造から、寸法精度が高く、鍛造後の切削コストを低減できる温間鍛造や冷間鍛造が適用される傾向がある。
また、浸炭処理工程においては、従来のガス浸炭と併せて真空浸炭が用いられるようになっている。この真空浸炭では、浸炭時間を短縮でき、また浸炭部品の表面に浸炭異常層が発生しにくいという利点があるものの、オーステナイト(γ)結晶粒の粗大化が起こりやすいという問題がある。
こうしたことから、温間鍛造や冷間鍛造に適し、しかも真空浸炭処理にも適用できるような浸炭用鋼(肌焼鋼)が求められているのが実情である。浸炭時における肌焼鋼の結晶粒粗大化を防止するために、これまでにも様々な技術が提案されているが、Al,Nb,Ti等の元素を添加することによって、AlN,Nb(CN),TiC等の析出物を微細に分散させる技術が汎用されている。
こうした技術として例えば特許文献1には、Nb析出物と、NbとAlの複合組成からなる析出物を利用することによって結晶物の粗大化を防止する技術が提案されている。またこの技術では、Tiを同時添加することも示されているが、これは鋼中のNがBと結合してBN化合物を析出し、Bによる焼入れ性向上効果を低下する傾向があるので、NをTiによって捕捉することによってBによる効果を確保するものである。
また特許文献2には、結晶粒粗大化防止のためにNbを積極的に添加すると共に、BN化合物の析出を抑制するために、TiをN量との制約の下で含有させる技術が提案されている。
これらの技術では、結晶粒の粗大化防止のためにTiを積極添加するものではなく、Bによる焼入れ性向上効果を低減させないためにNを捕捉させることが目的とされている。
一方、特許文献3では、Tiを0.1超〜0.2%の範囲で積極的に含有させることによって、Ti炭化物、Ti炭・窒化物を微細に析出させることが提案されている。しかしながら、Tiを積極的に含有させると、加工性(特に鍛造性)が劣化することがあり、この技術ではこうした不都合については認識されておらず、鍛造性と結晶粒粗大化防止の両特性を確保することは困難である。
特許第3480630号公報 特許第3551573号公報 特開平10−81938号公報
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、鍛造や冷間鍛造を行なっても良好な鍛造性を示すと共に、浸炭処理のための加熱による結晶粒の粗大化を効果的に抑制することのできる肌焼鋼、およびこうした鍛造性および結晶粒粗大化防止特性に優れた肌焼鋼を製造するための有用な方法、並びにこの肌焼鋼を用いて浸炭した浸炭部品を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明に係る肌焼鋼は、C:0.05〜0.30%(「質量%」の意味、以下同じ)、Si:2.0%以下(0%を含まない)、Mn:1.0%以下(0%を含まない)、P:0.03%以下(0%を含む)、S:0.03%以下(0%を含む)、Cr:2.0%以下(0%を含まない)、Al:0.1%以下(0%を含まない)、Nb:0.05〜0.30%、Ti:0.05〜0.10%、N:0.0080%以下(0%を含まない)、O:0.0020%以下(0%を含む)を満たし、残部は鉄および不可避不純物からなり、且つ鋼材中のNbおよびTiを含む複合窒化物の最大粒径が20μm以下であると共に、粒径が1μm以上、20μm以下である当該窒化物が1mm2中に平均50個以下存在する点に要旨を有するものである。
本発明の肌焼鋼には、必要によって更に、(a)Cu:1.0%以下(0%を含まない)および/またはNi:3.0%以下(0%を含まない)、(b)Mo:1.0%以下(0%を含まない)、(c)B:0.0005〜0.0030%、(d)Ca:0.010%以下(0%を含まない)、(e)Pb:0.1%以下(0%を含まない)および/またはBi:0.1%以下(0%を含まない)、(f)V:0.5%以下(0%を含まない)、Zr:0.5%以下(0%を含まない)およびW:0.5%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種または2種以上の元素、等を含有させることも有効であり、含有させる元素の種類に応じて肌焼鋼の特性が更に改善される。
上記のような肌焼鋼によって、温間鍛造や冷間鍛造を行なっても良好な鍛造性を示すと共に、鍛造後に浸炭処理しても、結晶粒の粗大化防止が図れるものとなるが、こうした処理を施した浸炭部品では、その表面から100μm深さまでの表層に、NbおよびTiを含む複合炭窒化物で大きさが10〜50nmのものが3.0個/μm2以上存在するものとなる。
一方、上記目的を達成し得た本発明の製造方法とは、C:0.05〜0.30%、Si:2.0%以下(0%を含まない)、Mn:1.0%以下(0%を含まない)、P:0.03%以下(0%を含む)、S:0.03%以下(0%を含む)、Cr:2.0%以下(0%を含まない)、Al:0.1%以下(0%を含まない)、Nb:0.05〜0.30%、Ti:0.05〜0.10%、N:0.0080%以下(0%を含まない)、O:0.0020%以下(0%を含む)を満たし、残部は鉄および不可避不純物からなる鋼材を分塊圧延し、引き続き800〜1050℃の温度に再加熱した後、熱加工を行う点に要旨を有するものである。
なお分塊圧延では、下記(1)式および(2)式の関係を満足する加熱温度T1(℃)および加熱時間t(秒)で加熱するか、又は
下記(2)式の関係を満足しかつ1200〜1300℃の範囲から選ばれる加熱温度T1(℃)で10〜60分間加熱する。
4000≦(T1+273)×log10(t)≦6000 …(1)
T1−1030×[Nb]−600×[Ti]+2052×[N]−1150≧0 …(2)
但し、[Nb],[Ti]および[N]は、夫々Nb,TiおよびNの含有量(質量%)を示す。
この製造方法において、対象とする鋼材には、上記したような各種元素を含有することも有用であり、含有させる元素の種類に応じて肌焼鋼の特性が更に改善される。
本発明によれば、鋼の化学成分を特定すると共に、NbおよびTiを含む複合窒化物の形態および個数を特定することによって、熱間鍛造や冷間鍛造を行なっても良好な鍛造性を示すと共に、浸炭処理のための加熱による結晶粒の粗大化を効果的に抑制することのできる肌焼鋼が実現でき、こうした肌焼鋼は各種機械部品用の素材として有用である。
本発明者らは前述した様な従来技術の下で、結晶粒粗大化防止特性と鍛造性を更に改善すべく、それらの性能に影響を及ぼす鋼の成分組成や析出物の存在形態などを主体にして研究を重ねてきた。その結果、鋼の成分組成を特定すると共に、NbおよびTiを含む複合窒化物の形態およびその個数を特定してやれば、安定して優れた結晶粒粗大化防止特性と鍛造性を兼ね備えた肌焼鋼が得られることを見出し、本発明を完成した。
本発明では、特にNbおよびTiの複合添加を行い、NbとTiを含む複合窒化物(以下、単に「析出物」と呼ぶことがある)を多量に分散析出させて結晶粒粗大化抑制効果を高めたものである。本発明者らが検討したところによれば、温間・冷間鍛造品の結晶粒の粗大化を防止するには、従来よりも多量の析出物を生成させること、そのためにはNbとTiの添加量を最適化する必要があることが判明した。また、真空浸炭処理では、表層部において析出物の減少する傾向があり、その部分で結晶粒の粗大化が発生し易いことから、Nbに加えてTiを複合添加することによって、析出物(NbとTiを含む複合窒化物)の安定化を図り、これによって良好な結晶粒粗大化防止効果が得られたのである。
本発明の肌焼鋼においては、その基本成分も適切に調整する必要があるが、まず鋼の化学成分の範囲限定理由は下記の通りである。
[C:0.05〜0.30%]
Cは部品として必要な芯部硬さを確保する上で重要な元素であり、0.05%未満では硬さ不足により部品としての静的強度が不足気味となる。しかしC含有量が多過ぎると、硬が過度に高くなり過ぎて鍛造性や被削性が低下するので、0.30%以下に抑える必要がある。C含有量の好ましい下限は0.15%であり、好ましい上限は0.26%である。
[Si:2.0%以下(0%を含まない)]
Siは、焼戻し処理時の硬さ低下を抑えて浸炭部品の表層硬さを確保するのに有効な元素である。こうした効果はその含有量が増加するにつれて大きくなるが、Si含有量が多過ぎると素材の変形抵抗が増し、鍛造性を劣化させることになる。こうしたことから、Si含有量は2.0%以下とする必要がある。Si含有量の好ましい上限は、0.35%であり、より好ましくは0.15%以下とするのが良い。
[Mn:1.0%以下(0%を含まない)]
Mnは脱酸剤として作用し、酸化物系介在物量を低減して鋼材の内部品質を高める作用を有すると共に、浸炭焼入れ時の焼入性を著しく高める作用を有している。しかしMnの含有量の増加に伴って縞状の偏析が顕著となり、材質のバラツキが大きくなる結果、冷間加工性に悪影響を与える。こうしたことから、Mn含有量は1.0%以下とする必要がある。尚、Mnの好ましい上限は0.6%であり、より好ましくは0.5%以下とするのが良い。
[P:0.03%以下(0%を含む)]
Pは、鋼材中に不可避的に含まれる元素(不純物)であり、結晶粒界に偏析して部品の衝撃特性を低下させるので、できるだけ低減することが好ましいい。こうした観点から、Pの含有量の上限は0.03%とした。P含有量の好ましい上限は0.02%であり、より好ましくは0.015%以下にするのが良い。
[S:0.03%以下(0%を含む)]
Sは、Mnと反応してMnS介在物を形成し、部品の疲労強度、衝撃強度を低下させるのでなるべく低減することが好ましいが、逆に切削性は向上するためその含有量は上記範囲内で適宜調整する必要がある。通常の機械構造用鋼では、疲労強度および衝撃強度の観点から、S含有量は0.03%以下に抑制することが好ましい。S含有量の好ましい上限は0.02%であり、より好ましくは0.015%以下にするのが良い。
[Cr:2.0%以下(0%を含まない)]
Crは、炭化物に固溶して炭化物の硬さを向上させる効果があるので耐磨耗性向上に有効である。また、Mnと同様に浸炭焼入れ時の焼入れ性を著しく向上させる効果も発揮する。特に、歯車や軸受等の摺動部品には適量含有させることが好ましい。しかし、Cr含有量が過剰になると、鋼材の強度が高くなり過ぎて被削性・鍛造性が劣化するので2.0%以下とすべきである。こうした効果を発揮させるためには、Cr含有量は0.9%以上とすることが好ましい。またCr含有量の好ましい下限は、1.2%である。
[Al:0.1%以下(0%を含まない)]
Alは脱酸剤として有効に作用し、酸化物系介在物量を低減して鋼材の内部品質を高める作用を発揮する適量含有させることが好ましい。しかし、Al含有量が過剰になると、粗大で硬い非金属介在物(Al23)が生成し、疲労特性を低下させるので、0.1%以下に抑えるべきである。Alの好ましい上限は0.07%であり、より好ましくは0.05%以下にするのが良い。
[Nb:0.05〜0.30%]
Nbは鋼中のTiと複合して、(Nb,Ti)C、(Nb,Ti)N若しくは(Nb,Ti)CNを形成し、浸炭時のγ結晶粒の粗大化を抑制する作用を発揮する。Nb含有量が0.05%未満では、十分な数量の析出物が得られず、満足する結晶粒粗大化防止効果が得られない。しかしながら、Nb含有量が0.30%を超えると、鋼の鋳造時に粗大なNb炭・窒化物が生成し、衝撃強度や転動疲労強度を却って劣化させることが懸念される。Nb含有量の好ましい上限は0.20%であり、より好ましくは0.10%以下とするのが良い。
[Ti:0.05〜0.10%]
Tiは、鋼中のNbと複合して、(Nb,Ti)C、(Nb,Ti)N若しくは(Nb,Ti)CNを形成し、浸炭時のγ結晶粒の粗大化を抑制する作用を発揮する。Ti含有量が0.05%未満では、十分な数量の析出物が得られず、満足する結晶粒粗大化防止効果が得られない。しかしながら、Ti含有量が0.10%を超えると、粗大なTiN介在物が生成し、切削性や転動疲労強度を低下させる恐れがある。Ti含有量の好ましい上限は0.09%であり、より好ましくは0.08%以下とするのが良い。
[N:0.0080%以下(0%を含まない)]
Nは、できるだけ低減することが好ましい不純物元素である。N含有量が過剰になると粗大なTiN介在物が生成して切削性や転動疲労強度を低下させると共に、鋼材の硬さ、変形抵抗を増大させて鍛造性を低下させる。こうした観点からN含有量は0.0080%以下に抑制するのが良い。好ましくは0.0060%以下、より好ましくは0.0040%以下にするのが良い。
[O:0.0020%以下(0%を含む)]
Oは鋼材に不可避的に含まれる元素であり、過剰に含まれると、粗大な酸化物系介在物が生成して鋼材の疲労特性を低下させるので、できるだけ少なくすることが好ましい。こうした観点からO含有量は0.0020%以下に抑制するのが良い。好ましくは0.0015%以下、より好ましくは0.0010%以下にするのが良い。
本発明の肌焼鋼における必須構成元素は以上の通りであり、残部は実質的にFeであるが、該鋼材中に上記説明したものの他、原料、資材、製造設備等の状況によって持ち込まれる不可避不純物の混入を許容するものである。
また本発明の肌焼鋼には、上記元素に加えて、必要に応じて、更に(a)Cu:1.0%以下(0%を含まない)および/またはNi:3.0%以下(0%を含まない)、(b)Mo:1.0%以下(0%を含まない)、(c)B:0.0005〜0.0030%、(d)Ca:0.010%以下(0%を含まない)、(e)Pb:0.1%以下(0%を含まない)および/またはBi:0.1%以下(0%を含まない)、(f)V:0.5%以下(0%を含まない)、Zr:0.5%以下(0%を含まない)およびW:0.5%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種または2種以上の元素、等を含有させることも有効であり、含有させる元素の種類に応じて肌焼鋼の特性が更に改善される。これらの成分の範囲限定理由は次の通りである。
[Cu:1.0%以下(0%を含まない)および/またはNi:3.0%以下(0%を含まない)]
CuはFeよりも酸化されにくい元素であるので、鋼材の耐食性を向上させる元素として用いられる。従って、耐食性が必要とされる場合には、1.0%以下の範囲で含有させることが好ましい。しかし、Cuの含有量が1.0%を超えると、鋼材の熱間延性が低下して割れ等の問題が起こり易くなる。Cu含有量のより好ましい上限は0.3%であり、更に好ましくは0.1%以下とするのが良い。
NiはCuと同様に鋼材の耐食性を向上させるのに有効な元素である。またNiは、鋼材の耐衝撃性を向上させるのにも有効に作用する。しかし、Niの含有量が過剰になると、コスト上昇を招くのでその上限は3.0%とすることが好ましい。Ni含有量の好ましい下限は0.1%であり、より好ましくは0.3%以上とするのが良い、またNi含有量のより好ましい上限は2.0%であり、更に好ましくは1.5%以下とするのが良い。
[Mo:1.0%以下(0%を含まない)]
Moは浸炭焼入れ時の焼入れ性を著しく向上させる効果を持つことに加え、耐衝撃強度の向上に有効であり、必要によって含有する。しかし、Mo含有量が過剰になると、素材硬さが高くなって被削性が低下するので、その含有量は1.0%以下とするのが好ましい。より好ましくは0.35%以下であるが、更に好ましくはJIS肌焼鋼(SCM 420:Mo含有量0.15〜0.30%)よりも少ない0.15%未満にするのが良い。
[B:0.0005〜0.0030%]
Bは微量で鋼材の焼入性を大幅に高める作用を有しており、しかも結晶粒界を強化して衝撃特性を高める作用も有している。こうした作用は、0.0005%以上添加することで有効に発揮される。しかし、それらの効果は、含有量が0.0030%を超えると飽和する。またB含有量が0.0030%を超えて過剰になると、B窒化物が生成し易くなり、これが生成すると冷間および熱間加工が悪くなる。B含有量のより好ましい下限は0.0008%であり、更に好ましくは0.0010%以上とするのが良い。B含有量のより好ましい上限は0.0025%であり、更に好ましくは0.0020%以下にするのが良い。
[Ca:0.010%以下(0%を含まない)]
Caは、鋼材中の硫化物の展伸を抑制して衝撃特性を向上させると共に、粗大なTi硫化物の生成を抑制して鍛造性を向上させる効果がある。しかしながら、Ca含有量が過剰になって0.010%を超えると、粗大な酸化物が生成し材料強度を却って低下させることになる。Ca含有量の好ましい下限は0.0005%であり、より好ましくは0.0008%以上にするのが良い。またCa含有量のより好ましい上限は0.0030%であり、更に好ましくは0.0020%以下にするのが良い。
[Pb:0.1%以下(0%を含まない)および/またはBi:0.1%以下(0%を含まない)]
PbおよびBiは、いずれも鋼材の被削性を向上させるのに有効な元素であり、必要によって含有される。しかしながら、過剰に含有させると材料強度が低下するので、いずれも0.1%以下とすることが好ましい。好ましい下限はいずれも0.02%であり、より好ましくは0.03%以上にするのが良い。またより好ましい上限は、0.08%であり、更に好ましくは0.06%以下にするのが良い。
[V:0.5%以下(0%を含まない)、Zr:0.5%以下(0%を含まない)およびW:0.5%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種または2種以上]
V、ZrおよびWは、いずれも炭素および窒素と活性な元素であり、微細な析出物を生成することによって、結晶粒粗大化防止特性を向上させることができるので、いずれも0.5%以下の範囲で含有させても良い。これらの元素のより好ましい上限は0.3%であり、更に好ましくは0.1%以下とするのが良い。
ところで、NbおよびTiを含有させると、これらの元素を複合的に含む炭化物、窒化物および炭窒化物等の析出物が生成することになるが、本発明の肌焼鋼では、これら析出物のうち、特にNbとTiを含む複合窒化物に着目し、その形態および個数を規定することが重要である。これらを規定した理由は下記の通りである。
[NbおよびTiを含む複合窒化物の最大粒径が20μm以下である]
NbおよびTiを含む複合窒化物は、鋼の凝固中に溶鋼のNがNb,Tiと結合することにより、不可避的に生成する介在物である。こうした介在物のうち、粗大な介在物(複合窒化物)は鋼材の加工性(変形能力)を低下させるので、できるだけ微細に生成させることが好ましい。こうしたことから、対象とする複合窒化物の最大径を20μm以下とした。尚、析出物の最大径の測定は、光学顕微鏡を用いて、10mm2の視野面積を倍率:100倍で検鏡し、介在物の大きい順に20個抽出し、抽出した20個の平均値で表したものである。
[粒径が1μm以上、20μm以下である当該窒化物が1mm2中に平均50個以下存在する]
介在物の個数は、鋼材の加工性の観点から少ないほうが好ましく、平均個数で1mm2中に50個以下とした。尚、個数の測定は、視野面積10mm2のサンプルを用い、光学顕微鏡で、倍率100倍でランダムに1mm×1mmの視野を20視野選択して視野ごとの個数を測定し、1視野当りの平均個数を測定したものである。尚、測定対象となる複合窒化物の粒径を1μm以上としたのは、光学顕微鏡で識別できる最小限の大きさを意味する。
本発明の肌焼鋼は、真空浸炭表層部で発生する結晶粒粗大化を防止することを目的として、NbとTiを含む複合窒化物を利用するものであるが、浸炭後の部品ではこうした形態が反映して表層部にNbとTiを含む複合炭窒化物[(Nb,Ti)(C,N)]は大きさが10〜50nmの析出物を3.0個/μm2以上存在するような形態となる。尚、部品の表層部とは表面から100μm深さまでの領域を意味し、上記複合炭窒化物は、透過型電子顕微鏡(TEM)で5万倍程度によって測定できる。
上記の様な特性を備えた肌焼鋼を製造する条件については、前述した化学成分組成を満足する鋼を溶製し、常法に従って鋳造、均熱処理(溶体化処理)、熱間加工(例えば、熱圧延)すれば良いが、特に凝固開始から凝固終了までの冷却速度を2.5℃/分以上に高めれば、冷却時に晶出するTi系析出物が微細化され、粗大析出物の生成が抑制されるため、冷間加工性(特に、冷間鍛造性)を向上させることができる。前記冷却速度は、粗大なTi系介在物を抑制する上で5℃/分以上とすることが好ましく、より好ましくは7.5℃/分以上である。尚、冷却速度を速くする手段については、鋳造速度の向上、水冷の能力向上が挙げられる。連続鋳造にて鋳片を製造する場合においては、例えば鋳造速度を1.05m/分以上とし、鋳型での冷却水量を例えばノズル1本当り0.15ton/時以上とするのが良い。
その他の条件については限定されないが、例えば鋳造後の分塊圧延前の均熱条件(溶体化処理条件)は1200〜1350℃の温度域で5分以上とすることが好ましい。こうした処理を行なうことによって、複合炭窒化物が固溶し、後に微細に析出しやすくなるため結晶粒粗大化防止特性の向上に有用である。尚、あまりに長時間の処理を行なっても効果が飽和するため、生産性の観点から10時間以下が好ましい。
本発明者らは、上記のような肌焼鋼を製造するための有用な方法について検討してきた。その結果、上記のような化学成分組成を有する鋼材を用い、下記(1)式および(2)式の関係を満足する加熱温度T1(℃)および加熱時間t()で加熱した後分塊圧延し、引き続き800〜1050℃の温度に再加熱した後、熱間加工を行うようにすれば、上記のような性状を有する肌焼鋼が得られ、こうした肌焼鋼は鍛造性および結晶粒粗大化防止特性に優れたものであることを見出している。下記(1)式および(2)式の関係を規定した理由について説明する。
4000≦(T1+273)×log10(t)≦6000 …(1)
T1−1030×[Nb]−600×[Ti]+2052×[N]−1150≧0 …(2)
但し、[Nb],[Ti]および[N]は、夫々Nb,TiおよびNの含有量(質量%)を示す。
上記 溶体化処理は、鋳造時(連続鋳造や造塊により製造)に生成した粗大な析出物を一旦固溶させ、後行程で結晶粒粗大化防止に有効な微細析出物を生成させるために必要な条件であるが、加熱温度・加熱時間が不足すると、粗大な析出物が素地に十分に溶け込まずに、結晶粒粗大化防止効果が得られないことになる。また逆に、加熱温度・加熱時間が過剰になると、非常に微細な析出物が多数生成して硬度が上昇し、冷間鍛造性を低下させることになる。こうした観点から、本発明者らは、溶体化処理時の加熱温度T1および加熱時間t(分)が結晶粒の粗大化に与える影響について検討した。
図1は、同じ鋼種を用いて、加熱温度T1を一定とし、加熱時間tを変化させたときの加熱時間tが微細析出物(NbおよびTiを含む複合炭窒化物で大きさが10〜50nmのもの)の個数に与える影響を示したグラフである(後記実施例2の試験No.56〜61)。この結果から明らかなように、微細析出物個数は加熱時間に対数的に増加することが分かる。
図2は、同じ鋼種を用いて、加熱時間tを一定とし、加熱温度T1を変化させたときの加熱温度T1が微細析出物(NbおよびTiを含む複合炭窒化物で大きさが10〜50nmのもの)の個数に与える影響を示したグラフである(後記実施例2の試験No.59,62〜64)。この結果から明らかなように、微細析出物個数は加熱時間に正比例して増加することが分かる。
これらの結果に基づいて、溶体化処理における加熱温度T1および加熱時間tが、微細析出物個数に与える影響について、データ的に整理したところ、上記(1)式の関係を満足するときに、微細析出物が適度に分散された状態となって、鍛造性を良好にできると共に、結晶粒粗大化防止効果が達成されることが判明したのである。
上記(1)式の関係は、微細析出物の数量が加熱温度T1に線形的に、加熱時間に対数的に増加することから求められたものであるが、(T1+273)×log10(t)の値(以下、「A値」と呼ぶ)が6000を超えると、微細析出物の個数が多くなって、鋼材の硬さが大きくなって鍛造性が劣化する。また上記A値が、4000未満になると、微細析出物による結晶粒粗大化防止効果が達成されなくなる。尚、上記加熱温度T1および加熱時間の現実的な範囲は、上記したように加熱温度T1:1200〜1350℃、加熱時間:5分〜10時間程度が適切な範囲であるが、上記(1)式は、これらの加熱温度、加熱時間の範囲内で選択されることになる。
上記(1)式の関係は、粗大な析出物を一旦固溶させるために必要な加熱温度T1と加熱時間tについて規定したものである。しかしながら、Ti,NbおよびNの含有量によっては、高温で析出物が安定となり、上記(1)式の関係を満足した条件で熱処理(溶体化処理)を行っても、析出物が固溶しない場合がある。こうしたことから、Ti,NbおよびNを比較的多く含有させた鋼材では、これらの含有量に応じて加熱温度T1を上昇させる必要がある。また、TiとNの親和力が強いので、N含有量が多い場合には、TiNの生成が優先的に進行し、TiとNbを含む複合窒化物を形成するTi量が減少して、複合窒化物の安定性が低下することになる。これらの現象を考慮して、適正な加熱温度T1を設定する必要がある。本発明者らは、こうした着想に基づいて、実験によって確認したところ、上記(2)式の関係を満足するように、Ti、NbおよびNの含有量に応じて加熱温度T1を設定すれば良いことが判明した。
上記(2)式は、微細析出物の高温安定性に及ぼす各元素(Nb,Ti,N)の影響を考慮して設定されたものであり、重回帰分析に基づいて求められたものである。(T1−1030×[Nb]−600×[Ti]+2052×[N]−1105)の値(以下、「B値」と呼ぶ)が0未満となると、加熱温度T1が適切な温度範囲となって、鋳造時に析出した粗大析出物が固溶してその後の工程で微細析出物が形成されることになる。例えば、加熱温度T1および加熱時間tが同一であっても、鋼材の成分に応じて、微細析出物の個数が変化(B値が大きくなると析出物個数が多くなる)ことになる(後記試験No.63,66,68,70)。
上記(1)式および(2)式の関係を満足するようにして加熱した後、分塊圧延を施し、引き続き棒鋼や線材に成形するための熱間加工(例えば熱間圧延)を行う必要がある。この熱間加工を行うに当たっては、850〜1050℃の温度に再加熱する必要がある。この工程(再加熱工程)は、上記熱処理によって固溶状態としたNbやTiを熱間加工時に粗大析出させないためのものである。
この再加熱温度は、微細析出物を粗大化させない、即ち結晶粒粗大化防止特性を低下させないという観点からできるだけ低温である方が好ましいのであるが、850℃未満となるとフェライト+オーステナイトの2相域となって熱間加工後の組織が混粒となって、結晶粒粗大化防止化防止特性が低下する。
一方、再加熱温度が1050℃を超えると、固溶状態にあるNbやTiが粗大に且つまばらに析出し、結晶粒粗大化防止効果が達成されにくくなる。この再加熱温度の好ましい下限は900℃程度であり、好ましい上限は1025℃程度である。
以下、実施例を挙げて本発明の構成および作用効果をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に含まれる。
[実施例1]
表1,2に示す化学組成の鋼材を溶製炉で溶製し、鋳造時の冷却速度を変えて鋳造し、引き続き1200℃に加熱し、径:50mmの棒鋼に熱間鍛造し、1280℃にて60分間の溶体化処理を行なった。鋳造時の冷却速度は、異なるサイズの鋳型を用いることで変化させた。その後、実機圧延を模擬して900℃で焼きならし処理を行なった後、球状化処理を施し、鍛造材の断面のD/4(Dは棒鋼の直径を示す)位置からφ8mm×12mmの円柱状の試験片を作成した。
上記円柱状の試験片を用い、プレスで圧縮試験を行ない、変低抵抗および割れ限界を測定することによって冷間鍛造性を評価した。このとき、変形抵抗は70%の圧縮加工を加えた際の荷重から求めた。また、割れ限界は、50%の圧縮加工を加えた後、段階的に2.5%ずつの圧縮を加え、割れが発生するまでの加工率を求めた。尚、いずれの試験も端面拘束で行い、変形抵抗測定については3回(n=3)、割れ限界については8回(n=8)行い、その平均値を求めた。
結晶粒粗大化試験については、上記円柱状試験片を加工率70%で圧縮加工した後、真空浸炭炉で900℃または1000℃にて浸炭処理[均熱時間:70分、浸炭/拡散時間:80分、浸炭ガス:アセチレン(C22)]を行なった後、熱処理を想定して880℃で40分加熱してから60℃まで油冷した後、オーステナイト結晶粒度をJIS G 0551に定めるオーステナイト結晶粒度試験方法に準じて測定し、結晶粒度番号で5番以下の粗大粒の面積率によって評価した[5%を超えるもの:不良(×)、5%以下のもの:良好(○)]。
また上記焼きならし処理を行なった鋼材ついて、図3に示す浸炭衝撃試験片を作製した。この試験片について、真空浸炭炉で1000℃にて浸炭処理(均熱時間:70分、浸炭/拡散時間:80分)を行なった後、880℃で40分加熱してから60℃まで油冷した後、170℃×2時間の焼き戻し処理を行ない、JIS Z 2242で規定されるシャルピー衝撃試験を行ない、その際に測定される吸収エネルギーを測定することによって浸炭後衝撃強度を評価した。これらの試験結果を、鋳造時の冷却速度、前記方法によって測定される窒化物(1〜20μmのもの)のサイズ(最大粒径)・個数、炭窒化物(10〜50nmのもの)の個数等と共に、一括して下記表3、4に示す。
Figure 0004956146
Figure 0004956146
Figure 0004956146
Figure 0004956146
これらの結果から、次のように考察できる(以下、「No.」は、試験No.を示す)。まず、No.1,5〜36のものは(No.1と5は同じもの)、本発明で規定する要件の全て満たす実施例であり、耐結晶粒粗大化特性と冷間鍛造性のいずれも良好であることが分かる。
これらに対しNo.2〜4,37〜53,55のものでは、本発明で規定するいずれかの要件を欠くものであり、いずれかの特性が劣化しており、発明の目的が達成できていない。
[実施例2]
表5に示す化学組成の鋼材(鋼種A〜G)を真空誘導熔解炉により150kgの鋳片を作製し、実機での分塊圧を想定した条件で溶体化処理および熱間加工を行って155mm×155mm×約500mmのビレット形状とした。このときの溶体化処理条件は下記表6に示す通りである。このときの条件は、加熱温度を1200〜1300℃、加熱時間を5〜300分の範囲で変化させた。尚、試験No.56〜61のものは、表5の鋼種Aを用いて、溶体化処理時の加熱時間tを変化させた例である(前記図2)。
引き続き、ビレット形状の試作材をダミー材と溶接して155mm×155mm×約10mのビレットとし、所定の加熱温度に保持した後、圧延ラインにおいてφ46mmの棒鋼に圧延した。このときの加熱温度は下記表6に示した通りである。尚、試験No.59,62〜64は、鋼種Aを用いて溶体化処理時の加熱温度T1を変化させたものである(前記図1参照)。
その後、圧延した棒鋼を約300mmの長さに切断した後、熱処理炉にて球状化焼鈍を行った。このときの焼鈍条件は、760℃に5時間保持した後、その温度から平均冷却速度を10℃/時として680℃まで冷却し(8時間)、その後炉冷した。球状化焼鈍後の硬さを、φ46mmの棒鋼のD/4(Dは棒鋼の直径を示す)位置で、ビッカース硬度計を用いて荷重10kgf(98N)にて3点測定し、その平均値として求めた。
次に、球状化焼鈍後の棒鋼のD/4(Dは棒鋼の直径を示す)の位置から、φ15mm×22.5mmの円柱状の試験片(冷間鍛造用試験片)を作製した。上記円柱状の試験片を用い、プレスで圧縮試験を行ない、変低抵抗を測定することによって冷間鍛造性を評価した。このとき、鋼材の冷間抵抗値を加工率10〜70%に亘って測定した。また変形抵抗は20%の圧縮加工を加えた際の荷重から求めた。他の条件は、上記実施例1と同様である。
結晶粒粗大化試験については、上記円柱状試験片を加工率70%で圧縮加工した後、真空浸炭炉で900〜1050℃にて浸炭処理[均熱時間:70分、浸炭時間:38分、拡散時間:42分、浸炭ガス:アセチレン(C22)]を行なった後、熱処理を想定して880℃で40分加熱してから60℃まで油冷したものについて、結晶粒観察を行って、結晶粒粗大化状況を判定した。このときの浸炭処理温度は、900℃から1050℃の温度範囲を25℃刻みとした。また、結晶粒粗大化試験は、試験片の断面を観察し、オーステナイト結晶粒度をJIS G 0551に定めるオーステナイト結晶粒度試験方法に準じて測定し、結晶粒度番号で5番以下の粗大粒が認められた温度(粗大化温度)によって評価した(この温度が1000℃以上で粗大化防止特性が良好)。
これらの試験結果を、溶体化処理条件(加熱温度T1、加熱時間t)、(1)式および(2)式の値、前記方法によって測定される窒化物(1〜20μmのもの)のサイズ(最大粒径)・個数、複合炭窒化物(大きさが10〜50nmのもの)の個数等と共に、一括して下記表7に示す。
Figure 0004956146
Figure 0004956146
Figure 0004956146
これらの結果から、次のように考察できる。まず、試験No.57〜59,63〜65,67〜69,75のものは、本発明で規定する要件の全て満たす実施例であり、耐結晶粒粗大化特性と冷間鍛造性のいずれも良好であることが分かる。
これらに対しNo.56,60〜62,66,70〜74,76〜79のものでは、本発明で規定するいずれかの要件を欠くものであり、いずれかの特性が劣化しており、発明の目的が達成できていない。
加熱時間tが微細析出物の個数に与える影響を示したグラフである。 加熱温度T1が微細析出物の個数に与える影響を示したグラフである。 実験で採用した衝撃試験評価用の試験片を示す図である。

Claims (16)

  1. C:0.05〜0.30%(「質量%」の意味、以下同じ)、Si:0.21%以下(0%を含まない)、Mn:1.0%以下(0%を含まない)、P:0.03%以下(0%を含む)、S:0.03%以下(0%を含む)、Cr:2.0%以下(0%を含まない)、Al:0.1%以下(0%を含まない)、Nb:0.05〜0.30%、Ti:0.05〜0.10%、N:0.0080%以下(0%を含まない)、O:0.0020%以下(0%を含む)を満たし、残部は鉄および不可避不純物からなり、且つ鋼材中のNbおよびTiを含む複合窒化物の最大粒径が20μm以下であると共に、粒径が1μm以上、20μm以下である当該窒化物が1mm2中に平均50個以下存在するものであることを特徴とする鍛造性と結晶粒粗大化防止特性に優れた肌焼鋼。
  2. 更に、Cu:1.0%以下(0%を含まない)および/またはNi:3.0%以下(0%を含まない)を含むものである請求項1に記載の肌焼鋼。
  3. 更に、Mo:0.15%未満(0%を含まない)を含むものである請求項1または2に記載の肌焼鋼。
  4. 更に、B:0.0005〜0.0030%を含むものである請求項1〜3のいずれかに記載の肌焼鋼。
  5. 更に、Ca:0.010%以下(0%を含まない)を含むものである請求項1〜4のいずれかに記載の肌焼鋼。
  6. 更に、Pb:0.1%以下(0%を含まない)および/またはBi:0.1%以下(0%を含まない)を含むものである請求項1〜5のいずれかに記載の肌焼鋼。
  7. 更に、V:0.5%以下(0%を含まない)、Zr:0.5%以下(0%を含まない)およびW:0.5%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種または2種以上の元素を含むものである請求項1〜6のいずれかに記載の肌焼鋼。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の肌焼鋼を用いて浸炭したものであり、浸炭後の部品の表面から100μm深さまでの表層に、NbおよびTiを含む複合炭窒化物で大きさが10〜50nmのものが3.0個/μm2以上存在するものであることを特徴とする浸炭部品。
  9. C:0.05〜0.30%、Si:2.0%以下(0%を含まない)、Mn:1.0%以下(0%を含まない)、P:0.03%以下(0%を含む)、S:0.03%以下(0%を含む)、Cr:2.0%以下(0%を含まない)、Al:0.1%以下(0%を含まない)、Nb:0.05〜0.30%、Ti:0.05〜0.10%、N:0.0080%以下(0%を含まない)、O:0.0020%以下(0%を含む)を満たし、残部は鉄および不可避不純物からなる鋼材を、下記(1)式および(2)式の関係を満足する加熱温度T1(℃)および加熱時間t(秒)で加熱した後分塊圧延し、引き続き850〜1050℃の温度に再加熱した後、熱間加工を行うことを特徴とする鍛造性と結晶粒粗大化防止特性に優れた肌焼鋼の製造方法。
    4000≦(T1+273)×log10(t)≦6000 …(1)
    T1−1030×[Nb]−600×[Ti]+2052×[N]−1105≧0 …(2)
    但し、[Nb],[Ti]および[N]は、夫々Nb,TiおよびNの含有量(質量%)を示す。
  10. C:0.05〜0.30%、Si:2.0%以下(0%を含まない)、Mn:1.0%以下(0%を含まない)、P:0.03%以下(0%を含む)、S:0.03%以下(0%を含む)、Cr:2.0%以下(0%を含まない)、Al:0.1%以下(0%を含まない)、Nb:0.05〜0.30%、Ti:0.05〜0.10%、N:0.0080%以下(0%を含まない)、O:0.0020%以下(0%を含む)を満たし、残部は鉄および不可避不純物からなる鋼材を、下記(2)式の関係を満足しかつ1200〜1300℃の範囲から選ばれる加熱温度T1(℃)で10〜60分間加熱した後分塊圧延し、引き続き850〜1050℃の温度に再加熱した後、熱間加工を行うことを特徴とする鍛造性と結晶粒粗大化防止特性に優れた肌焼鋼の製造方法。
    T1−1030×[Nb]−600×[Ti]+2052×[N]−1105≧0 …(2)
    但し、[Nb],[Ti]および[N]は、夫々Nb,TiおよびNの含有量(質量%)を示す。
  11. 前記鋼材は、更に、Cu:1.0%以下(0%を含まない)および/またはNi:3.0%以下(0%を含まない)を含むものである請求項9または10に記載の肌焼鋼の製造方法。
  12. 前記鋼材は、更に、Mo:1.0%以下(0%を含まない)を含むものである請求項9〜11のいずれかに記載の肌焼鋼の製造方法。
  13. 前記鋼材は、更に、B:0.0005〜0.0030%を含むものである請求項9〜12のいずれかに記載の肌焼鋼の製造方法。
  14. 前記鋼材は、更に、Ca:0.010%以下(0%を含まない)を含むものである請求項9〜13のいずれかに記載の肌焼鋼の製造方法。
  15. 前記鋼材は、更にPb:0.1%以下(0%を含まない)および/またはBi:0.1%以下(0%を含まない)を含むものである請求項9〜14のいずれかに記載の肌焼鋼の製造方法。
  16. 更に、V:0.5%以下(0%を含まない)、Zr:0.5%以下(0%を含まない)
    およびW:0.5%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種または2種以上の元素を含むものである請求項9〜15のいずれかに記載の肌焼鋼の製造方法。
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