ところで、前記従来の接続構造にあっては、通水管30の端部部分30aに膨出部30bを形成するために、内方から金属製のリング体31を拡径していたが、このリング体31の拡径には、非常に力を要し、この拡径作業は、大変面倒なものであった。また、通水管30の端部部分30aをリング体31により無理に拡径することで、止水部材35が密接する先端部30cが変形してしまい、止水部材35による止水が確実ではなくなる虞があった。
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、通水管を接続具に簡単に接続することができる、通水管の接続端部、通水管接続用の係合体、通水管接続用のコア部材、通水管体、通水管の接続構造、および通水管装置、並びに、前記接続端部に用いられる通水管の保護キャップ、および前記接続端部を形成する通水管の接続端部形成工具を提供することにある。
また、他の目的は、止水部材による止水を確実にすることができる、通水管の接続端部、通水管接続用の係合体、通水管接続用のコア部材、通水管体、通水管の接続構造、および通水管装置、並びに、前記接続端部に用いられる通水管の保護キャップ、および前記接続端部を形成する通水管の接続端部形成工具を提供することにある。
この発明は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る通水管の接続端部は、筒状のインコア部が設けられた接続具に合成樹脂製の通水管を接続するために、前記接続具の受口に挿入される、接続端部であって、前記通水管の端部部分と、前記端部部分に挿入された筒状のコア部材と、前記端部部分が前記受口に対して抜け止めされるよう、その受口に設けられる係止手段と係合可能な、係合体とを備える。ここで、前記コア部材は、前記端部部分における、前記インコア部が挿入されて外周面または内周面に止水部材が密接するための端部部分先端部よりも後方の、端部部分後部に挿入されている。そして、前記係合体は、前記端部部分後部の外周部に、その端部部分後部を前記コア部材とで挟持するように嵌め込まれている。
こうして、係合体は、通水管の端部部分における、インコア部が挿入されて止水部材が密接する端部部分先端部よりも後方の、端部部分後部の外周部に、コア部材とで端部部分後部を挟持するように嵌め込まれることで、この端部部分に固定される。そして、この係合体が固定された端部部分、すなわち接続端部を、接続具の受口に挿入し、その受口に設けられる係止手段と係合体とを係合させることで、通水管を接続具に簡単に接続することができる。しかも、コア部材と係合体とが端部部分後部を挟持することで、係合体が端部部分に固定されるため、端部部分への係合体の固定にあたって、止水部材が密接する端部部分先端部の変形を避けることができる。その上、端部部分先端部に、接続具に設けられたインコア部が挿入されることで、そのインコア部が、端部部分先端部の、潰れによる変形を防ぐ。
また、請求項2に記載の発明に係る通水管の接続端部は、請求項1に記載の接続端部において、前記係合体は、割リングと筒状の本体リングとから構成される。ここで、割リングは、切割部を有して断面C字状に形成されて、前記端部部分後部の外周部に嵌め込まれる。一方、本体リングは、前記割リングの外周部に嵌め込まれて、その割リングが前記端部部分後部を圧接するようにその割リングを縮径させるとともにその縮径状態を維持する。
また、請求項3に記載の発明に係る通水管の接続端部は、請求項2に記載の接続端部において、前記割リングの軸方向の長さは、前記本体リングの軸方向の長さよりも短く形成されている。このように、割リングを本体リングよりも短く形成することにより、その長さの差で、各部品の公差とか、通水管内部の水圧によって割リングが通水管とともに後方に移動する移動量とかを吸収することができる。したがって、割リングが後方の係止手段に当たるのを防いだり、あるいは、その係止手段への当たりを和らげたりでき、このため、割リングの破損を防ぐことができる。
また、請求項4に記載の発明に係る通水管の接続端部は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の接続端部において、前記端部部分先端部は、前記インコア部が挿入されて内周面に止水部材が密接するためのものであって、その端部部分先端部の外周部に、金属製のリング部材が嵌められてなる。これにより、止水部材が密接する端部部分先端部が水圧によって拡径しようとするのを、金属製のリング部材が受け止める。こうして、水圧による端部部分先端部の拡径を、金属製のリング部材で防止することができ、このため、接続具を合成樹脂で作成することが容易となる。
また、請求項5に記載の発明に係る通水管接続用の係合体は、筒状のインコア部が設けられた接続具に合成樹脂製の通水管を接続するために、前記通水管の端部部分と、その端部部分に挿入された筒状のコア部材とを備えて、前記接続具の受口に挿入される、接続端部を構成して、前記端部部分が前記受口に対して抜け止めされるよう、その受口に設けられる係止手段と係合可能な、係合体である。ここにおいて、前記コア部材は、前記端部部分における、前記インコア部が挿入されて外周面または内周面に止水部材が密接するための端部部分先端部よりも後方の、端部部分後部に挿入されている。そこで、前記係合体は、前記端部部分後部の外周部に、その端部部分後部を前記コア部材とで挟持するように嵌め込まれるべく、割リングと筒状の本体リングとから構成される。この割リングは、切割部を有して断面C字状に形成されて、前記端部部分後部の外周部に嵌め込まれる。一方、本体リングは、前記割リングの外周部に嵌め込まれて、その割リングが前記端部部分後部を圧接するようにその割リングを縮径させるとともにその縮径状態を維持する。
こうして、係合体は、通水管の端部部分における、インコア部が挿入されて止水部材が密接する端部部分先端部よりも後方の、端部部分後部の外周部に、コア部材とで端部部分後部を挟持するように嵌め込まれることで、この端部部分に固定される。そして、この係合体が固定された端部部分、すなわち接続端部を、接続具の受口に挿入し、その受口に設けられる係止手段と係合体とを係合させることで、通水管を接続具に簡単に接続することができる。しかも、コア部材と係合体とが端部部分後部を挟持することで、係合体が端部部分に固定されるため、端部部分への係合体の固定にあたって、止水部材が密接する端部部分先端部の変形を避けることができる。
また、請求項6に記載の発明に係る通水管接続用の係合体は、請求項5に記載の係合体において、前記割リングの軸方向の長さは、前記本体リングの軸方向の長さよりも短く形成されている。このように、割リングを本体リングよりも短く形成することにより、その長さの差で、各部品の公差とか、通水管内部の水圧によって割リングが通水管とともに後方に移動する移動量とかを吸収することができる。したがって、割リングが後方の係止手段に当たるのを防いだり、あるいは、その係止手段への当たりを和らげたりでき、このため、割リングの破損を防ぐことができる。
また、請求項7に記載の発明に係る通水管接続用のコア部材は、筒状のインコア部が設けられた接続具に合成樹脂製の通水管を接続するために、前記通水管の端部部分と、前記接続具の受口に設けられる係止手段と係合可能な係合体とを備えて、前記受口に挿入される、接続端部を構成する、筒状のコア部材である。このコア部材は、前記端部部分における、前記インコア部が挿入されて外周面または内周面に止水部材が密接するための端部部分先端部よりも後方の、端部部分後部に挿入され、前記端部部分後部の外周部に嵌め込まれる係合体とで、前記端部部分後部を挟持する。
こうして、コア部材が、通水管の端部部分における、インコア部が挿入されて止水部材が密接する端部部分先端部よりも後方の、端部部分後部の外周部に嵌め込まれる係合体とで、端部部分後部を挟持することで、係合体は、この端部部分に固定される。そして、この係合体が固定された端部部分、すなわち接続端部を、接続具の受口に挿入し、その受口に設けられる係止手段と係合体とを係合させることで、通水管を接続具に簡単に接続することができる。しかも、コア部材と係合体とが端部部分後部を挟持することで、係合体が端部部分に固定されるため、端部部分への係合体の固定にあたって、止水部材が密接する端部部分先端部の変形を避けることができる。
また、請求項8に記載の発明に係る通水管体は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の接続端部を、通水管の一端または両端に備える。
また、請求項9に記載の発明に係る通水管体は、請求項4に記載の接続端部を、通水管の一端または両端に備える。
また、請求項10に記載の発明に係る通水管の接続構造は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の接続端部が設けられた通水管と接続具との接続構造であって、前記係合体と前記係止手段との係合により、前記通水管が前記接続具に接続され、前記インコア部が挿入される前記端部部分先端部と前記受口とに密接する前記止水部材により、止水されてなる。
また、請求項11に記載の発明に係る通水管の接続構造は、請求項10に記載の接続構造において、前記係止手段は、前記係合体と係合するように前記受口の開口を横断するようにして、前記受口に取着される取着体からなる。
また、請求項12に記載の発明に係る通水管の接続構造は、請求項10または11に記載の接続構造において、前記止水部材は、前記受口に予め設けられている。
また、請求項13に記載の発明に係る通水管の接続構造は、請求項10ないし12のいずれか1項に記載の接続構造において、前記受口には、前記係合体の前端面が当たることで、その係合体が、それ以上前方へ進まないように位置決めする、位置決め面が設けられている。こうして、係合体の前端面が、受口に設けられた位置決め面に当たって、それ以上前方へ進まないように位置決めされることで、通水管の端部部分の、受口への挿入長さが規制される。一方、係合体と係合する係止手段により、端部部分は、受口に対して抜け止めされる。このため、端部部分、ひいてはその端部部分先端部の位置が特定され、その端部部分先端部を止水部材がある位置に正確に配置することができる。
また、請求項14に記載の発明に係る通水管装置は、請求項8に記載の通水管体と、前記接続端部に取り付けられる保護キャップとからなる。ここで、前記保護キャップは、前記端部部分先端部の外周面を覆うようにして保護する周面保護部と、前記接続端部の前面を覆うようにして保護する前面保護部とを有する。この保護キャップを、接続具に接続される前の通水管の接続端部に取り付けておくことで、止水部材が密接する通水管の端部部分先端部と、接続端部の前面とが保護される。そして、通水管を接続具に接続する際には、この保護キャップは、接続端部から取り外される。
また、請求項15に記載の発明に係る通水管装置は、請求項14に記載の通水管装置において、前記周面保護部は、その後端面が前記係合体に当接するように形成されている。これにより、保護キャップが接続端部に取り付けられた通水管を、その保護キャップ側から鞘管に挿入した際、保護キャップが鞘管内を押し進むことで受ける荷重を、係合体が受け持つことになる。したがって、この荷重が保護キャップを介して接続端部の前面に作用することがなく、その前面が保護される。
また、請求項16に記載の発明に係る通水管装置は、請求項14または15に記載の通水管装置において、前記周面保護部は、その外径が前記係合体の外径と略同一または前記係合体の外径よりも大きく形成されている。これにより、保護キャップが接続端部に取り付けられた通水管を、その保護キャップ側から鞘管に挿入した際、係合体の前端面が鞘管の内面に当たることがなく、その係合体を保護することができる。
また、請求項17に記載の発明に係る通水管装置は、請求項14ないし16のいずれか1項に記載の通水管装置において、前記前面保護部は、先細り形に形成されている。これにより、保護キャップが接続端部に取り付けられた通水管を、その保護キャップ側から鞘管に挿入した際、保護キャップが鞘管内を押し進むことで受ける荷重を軽減することができる。
また、請求項18に記載の発明に係る通水管の保護キャップは、筒状のインコア部が設けられた接続具に接続される合成樹脂製の通水管の端部部分と、前記端部部分における、前記インコア部が挿入されて外周面または内周面に止水部材が密接するための端部部分先端部よりも後方の、端部部分後部に挿入される、筒状のコア部材と、前記端部部分後部の外周部に、前記コア部材とで前記端部部分後部を挟持するように嵌め込まれて、前記接続具の受口に設けられる係止手段と係合可能な係合体とを備えた、接続端部に取り付けられる。そして、保護キャップは、前記端部部分先端部の外周面を覆うようにして保護する周面保護部と、前記接続端部の前面を覆うようにして保護する前面保護部とを有する。
この保護キャップが取り付けられる接続端部においては、係合体は、通水管の端部部分における、インコア部が挿入されて止水部材が密接する端部部分先端部よりも後方の、端部部分後部の外周部に、コア部材とで端部部分後部を挟持するように嵌め込まれることで、この端部部分に固定される。そして、この係合体が固定された端部部分、すなわち接続端部を、接続具の受口に挿入し、その受口に設けられる係止手段と係合体とを係合させることで、通水管を接続具に簡単に接続することができる。しかも、コア部材と係合体とが端部部分後部を挟持することで、係合体が端部部分に固定されるため、端部部分への係合体の固定にあたって、止水部材が密接する端部部分先端部の変形を避けることができる。そこで、この保護キャップを、接続具に接続される前の通水管の接続端部に取り付けておくことで、止水部材が密接する通水管の端部部分先端部と、接続端部の前面とが保護される。そして、通水管を接続具に接続する際には、この保護キャップは、接続端部から取り外される。
また、請求項19に記載の発明に係る通水管の保護キャップは、請求項18に記載の保護キャップにおいて、前記周面保護部は、その後端面が前記係合体に当接するように形成されている。これにより、保護キャップが接続端部に取り付けられた通水管を、その保護キャップ側から鞘管に挿入した際、保護キャップが鞘管内を押し進むことで受ける荷重を、係合体が受け持つことになる。したがって、この荷重が保護キャップを介して接続端部の前面に作用することがなく、その前面が保護される。
また、請求項20に記載の発明に係る通水管の保護キャップは、請求項18または19に記載の保護キャップにおいて、前記周面保護部は、その外径が前記係合体の外径と略同一または前記係合体の外径よりも大きく形成されている。これにより、保護キャップが接続端部に取り付けられた通水管を、その保護キャップ側から鞘管に挿入した際、係合体の前端面が鞘管の内面に当たることがなく、その係合体を保護することができる。
また、請求項21に記載の発明に係る通水管の保護キャップは、請求項18ないし20のいずれか1項に記載の保護キャップにおいて、前記前面保護部は、先細り形に形成されている。これにより、保護キャップが接続端部に取り付けられた通水管を、その保護キャップ側から鞘管に挿入した際、保護キャップが鞘管内を押し進むことで受ける荷重を軽減することができる。
また、請求項22に記載の発明に係る通水管の接続端部形成工具は、請求項2または3に記載の通水管の接続端部を形成するための接続端部形成工具であって、第1の支持体と、第2の支持体と、移動手段とを備える。ここで、第1の支持体は、前記通水管に前記コア部材が挿入されてなるコア部材付通水管において、前記端部部分後部の外周部に嵌め込まれた前記割リングの一方側の端面に当接するとともに、前記コア部材付通水管を支持する。第2の支持体は、前記割リングの他方側において、前記コア部材付通水管の外周部に嵌め込まれた前記本体リングの、前記割リング側とは反対側の端面に当接するとともに、前記コア部材付通水管を支持する。移動手段は、前記本体リングを前記割リング側に相対的に移動させてその割リングの外周部に嵌め込むべく、前記第1の支持体と前記第2の支持体とを近づけるようそれら第1の支持体と第2の支持体とのいずれか一方または両方を移動させるものである。
また、請求項23に記載の発明に係る通水管の接続端部形成工具は、請求項22に記載の、通水管の接続端部形成工具において、前記コア部材付通水管の先端面に当接して、そのコア部材付通水管を位置決めする、位置決め部を備える。こうして、この接続端部形成工具に備わる位置決め部により、コア部材付通水管が位置決めされる。一方、割リングは、その一方側の端面に当接する第1の支持体によって位置決めされている。したがって、通水管の端部部分において、割リングの前方に位置することとなる、外周面または内周面に止水部材が密接する端部部分先端部の長さを、所定の長さに保つことができる。
この発明によれば、係合体が、通水管の端部部分後部の外周部に、コア部材とで端部部分後部を挟持するように嵌め込まれて固定され、その係合体が固定された端部部分、すなわち接続端部を、接続具の受口に挿入し、係止手段と係合体とを係合させることで、通水管を接続具に簡単に接続することができる。そして、通水管の端部部分への係合体の固定にあたって、止水部材が密接する端部部分先端部の変形を避けることができ、止水部材による止水を確実にすることができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図10は、本発明の一実施の形態を示す。図中符号1は、接続具としてのヘッダーである。10は、配管材としての合成樹脂製の通水管であり、例えば、架橋ポリエチレンとかポリブデン等の材料からなる。11は、前記通水管10の接続端部である。12は、前記接続端部11を、通水管10の一端または両端に備える、通水管体である。
ヘッダー1は、湯水(湯あるいは水)を分岐するためのものであり、図1に示すように、湯水の供給側に繋がる通水管(図示せず)が接続される受口1aと、台所や浴室等の湯水の消費側に繋がる通水管10が接続される受口1bとが設けられている。詳細には、ヘッダー1は、両端が開口する筒状のヘッダー本体2と、そのヘッダー本体2の一方端(図1において左端)の開口部2aに連結される筒状の継手3と、ヘッダー本体2の他方端(図1において右端)の開口部2bを塞ぐプラグ4とを有している。ここで、ヘッダー本体2は、例えば、金属製である。また、継手3は、例えば、合成樹脂製であって、その一方側が前記開口部2aに挿入され、継手3に備わるフランジ部3a、3aを介して、ヘッダー本体2にビス3b、3bを用いて取り付け固定される。そして、継手3は、その他方側が、前記受口1aとなっており、その受口1aには、オーリング等のパッキンからなる止水部材3cおよび、その止水部材3cを押える押えリング3dが設けられている。同様にして、プラグ4は、そのプラグ4に備わるフランジ部4a、4aを介して、ヘッダー本体2にビス4b、4bを用いて取り付け固定される。
さらに、ヘッダー1は、筒状の補助継手5、5を有している。この補助継手5は、合成樹脂製、例えば、ナイロン製であって、ヘッダー本体2の周壁に設けられた貫通孔2cに連結される。そこで、ヘッダー本体2の貫通孔2cと補助継手5とで、前記受口1bが形成される。ここにおいて、ヘッダー1には、この貫通孔2cに、前記通水管10の後述する端部部分先端部10bに挿入される筒状のインコア部1eが設けられている。このインコア部1eは、ヘッダー1(詳細には、ヘッダー本体2)と一体に形成されており、受口1b内に、その受口1bの奥側から口元側に向かって延設されている。図示実施の形態においては、インコア部1eは、貫通孔2cの奥端において、その貫通孔2cの内側に向かって径小となるように延設された延設部1fの内端から、貫通孔2cの口元側に向かって延設されている。また、貫通孔2cの口元部分は、径大に形成された径大部2dとなっており、その径大部2dには、オーリング等のパッキンからなる止水部材5aが嵌められる。そして、補助継手5は、その補助継手5に設けられたフランジ部5b、5bを介して、ヘッダー本体2にビス5c、5cを用いて取り付け固定される。このとき、補助継手5は、その突出する先端突部5dが、前記径大部2dに挿入されて、止水部材5aを抜け止めするように押える。このようにして、止水部材5aは、ヘッダー1の受口1bに予め設けられることとなる。また、補助継手5の後部側(つまり、受口1bの口元側)は、径大に形成されて、後述する係合体14が挿入される凹部5eとなっている。そして、補助継手5の後端付近(つまり、受口1bの口元付近)には、対向するようにして一対の切欠き5f、5fが、受口1bの開口(詳細には、凹部5e)に連通するように形成されている。なお、受口1bには、後述する係合体14の前端面14bが当たることで、その係合体14が、それ以上前方へ進まないように位置決めする、位置決め面1dが設けられている。そして、この位置決め面1dは、前記凹部5eの前側段部からなる。
また、ヘッダー1の受口1bには、係止手段1cが設けられる。この係止手段1cは、後述する係合体14の後端面(図示実施の形態においては、係合体14における本体リング16の後端面16b)と係合するように、受口1bの開口を横断するようにして、受口1bに取着される取着体6からなる。詳細には、この取着体6は、バネ性を備えた、例えば金属製の線材からなり、略コの字形状に形成されている。より詳細には、取着体6は、略コの字形状の対向する二片の中間部分6a、6aが、通水管10を挟むようにその通水管10の外周面と同様の円弧状に形成され、二片の先端部分6b、6bがテーパー状に広がって形成されている。そして、取着体6は、ヘッダー1の受口1bにおける一対の切欠き5f、5f間の繋ぎ部5gを跨ぐようにしてそれら切欠き5f、5fに挿入されて、受口1bに取着される。
通水管10の接続端部11は、ヘッダー1に通水管10を接続するために、ヘッダー1の受口1bに挿入されるものである。この接続端部11は、通水管10の端部部分10aと、その端部部分10aに挿入された筒状のコア部材13と、端部部分10aが受口1bに対して抜け止めされるよう、その受口1bに設けられる係止手段1c(詳細には、取着体6)と係合可能な、係合体14とを備える。ここで、コア部材13は、端部部分10aにおける、ヘッダー1に設けられたインコア部1eが挿入されて外周面または内周面(図示実施の形態においては、外周面)に止水部材5aが密接するための端部部分先端部10bよりも後方の、端部部分後部10cに挿入される。そして、係合体14は、通水管10の端部部分後部10cの外周部に、その端部部分後部10cをコア部材13とで挟持するように嵌め込まれる。言い換えれば、係合体14は、通水管10の端部部分10aにおける、端部部分先端部10bを残した、後部側の外周部に(つまり、端部部分後部10cの外周部に)、端部部分10a(詳細には、端部部分後部10c)をコア部材13とで挟持するように嵌め込まれる。
具体的には、コア部材13は、例えば合成樹脂製であって、円筒状に形成されている。
係合体14は、割リング15と本体リング16とから構成される。割リング15は、筒の一ヶ所を軸方向に分断するような切割部15aを有して断面C字状に形成されて、通水管10の端部部分後部10cの外周部に嵌め込まれるものである。そして、この割リング15の内周面には、通水管10に食い込むようにして係合する爪15b、15bが設けられている。また、割リング15の外周面は、通水管10の先端方向側(つまり、割リング15の前端面15c側)ほど径大となるように傾斜したテーパ面となっている。
一方、本体リング16は、割リング15の外周部に嵌め込まれて、その割リング15が通水管10の端部部分後部10cを圧接するようにその割リング15を縮径させるとともにその縮径状態を維持するものである。この本体リング16は、筒状であって、その内周面は、割リング15の外周面と同様に、通水管10の先端方向側(つまり、本体リング16の前端面16a側)ほど径大となるように傾斜したテーパ面となっている。ここで、割リング15の軸方向の長さは、本体リング16の軸方向の長さよりも短く形成されている(図2、図4参照)。なお、これら割リング15と本体リング16とは、金属製であるが、合成樹脂製であっても構わない。
また、図中符号17は、通水管10の接続構造である。この接続構造17は、接続端部11が設けられた通水管10とヘッダー1との接続構造であって、図2に示すように、係合体14と係止手段1c(詳細には、取着体6)との係合により、通水管10がヘッダー1に接続され、インコア部1eが挿入される端部部分先端部10bと受口1bとに密接する止水部材5aにより、止水される。
符号18は、接続端部11に取り付けられる、保護キャップである(図5参照)。そして、符号19は、通水管装置であって、通水管体12と、その接続端部11に取り付けられる保護キャップ18とからなる。この保護キャップ18は、例えば合成樹脂製であって、通水管10の端部部分先端部10bの外周面を覆うようにして保護する周面保護部18aと、接続端部11の前面を覆うようにして保護する前面保護部18bとを有する。ここで、周面保護部18aは、筒状に形成されて、その後端面18cが係合体14(詳細には、係合体14の前端面14bとなる、本体リング16の前端面16aとか割リング15の前端面15c)に当接するように形成されている。そして、周面保護部18aは、その外径が、係合体14の外径と略同一(同一を含む)または係合体14の外径よりも大きく形成されている。一方、前面保護部18bは、先細り形、詳細には、凸曲面からなる先細り形に形成されている。
図6〜図10は、通水管10の接続端部11を形成するための接続端部形成工具20を示している。この通水管10の接続端部形成工具20は、第1の支持体21と、第2の支持体22と、移動手段23とを備えている。第1の支持体21は、通水管10(詳細には、端部部分後部10c)にコア部材13が挿入されてなるコア部材付通水管12aにおいて、通水管10の端部部分後部10cの外周部に嵌め込まれた割リング15の一方側の端面(図示実施の形態においては、前端面15c)に当接するとともに、コア部材付通水管12a(詳しくは、端部部分先端部10b)を支持するものである。第2の支持体22は、割リング15の他方側において、コア部材付通水管12aの外周部に嵌め込まれた本体リング16の、割リング15側とは反対側の端面(図示実施の形態においては、後端面16b)に当接するとともに、コア部材付通水管12aを支持するものである。移動手段23は、本体リング16を、割リング15側に相対的に移動させて(図示実施の形態においては、本体リング16を、割リング15側に移動させて)その割リング15の外周部に嵌め込むべく、第1の支持体21と第2の支持体22とを近づけるようそれら第1の支持体21と第2の支持体22とのいずれか一方または両方を移動させる(図示実施の形態においては、第2の支持体22を第1の支持体21側に近づけるよう移動させる)ものである。また、接続端部形成工具20は、コア部材付通水管12aの先端面となる、通水管10における端部部分10aの先端面10dに当接して、そのコア部材付通水管12aを位置決めする、位置決め部20aを備えている。
詳細には、接続端部形成工具20は、フレーム24と、前記第1および第2の支持体21、22と、雄ねじ部材25とから構成されている。フレーム24は、例えば鋼板等の板材からなり、中間の第1板片(前板片)24aと、その第1板片(前板片)24aの各端から直角に折れ曲がって延びて互いに対向する第2板片(側板片)24b、24bとを有している。第1板片(前板片)24aは、前記位置決め部20aとして機能し、その第1板片(前板片)24aに、コア部材付通水管12aの先端面となる、通水管10(詳細には、端部部分10a)の先端面10dが当接することで、端部部分10aを位置決めする。そして、第1板片(前板片)24aには、その上部から第2板片(側板片)24bと同じ側に曲がり、コア部材付通水管12a(詳細には、通水管10の端部部分10a)が浮き上がらないように、コア部材付通水管12a(詳細には、通水管10)の内面を抑える第1抑え片24cが設けられている。また、第1板片(前板片)24aには、雄ねじ部材25の軸部25aが通る孔24dが明けられている。
第1の支持体21は、フレーム24における第2板片(側板片)24b、24b間であって、第1板片(前板片)24a側に配置される。この第1の支持体21は、例えばアルミの押出し加工材を適宜長さに切断したものであり、コア部材付通水管12aを受けるように略U字状に形成された支持体本体21aと、その支持体本体21aの両側から下方に延出される脚部21bとを有している。そして、脚部21bには、上端および下端から側方に若干延びる側片21cが設けられている。この脚部21bは、側片21c、21cがフレーム24の第2板片(側板片)24bを上下で挟むようにしてその第2板片(側板片)24bの内側に配置される。また、第1の支持体21は、支持体本体21aの下方に筒部21dを有しており、その筒部21dの内側は、雄ねじ部材25の軸部25aが通る通孔21eとなっている。そして、第1の支持体21は、その脚部21bがフレーム24の第2板片(側板片)24bにビス21fを用いて固定されることで、フレーム24に取り付けられる。
第2の支持体22は、フレーム24における第2板片(側板片)24b、24b間であって、第1板片(前板片)24aから離れた側に配置される。この第2の支持体22は、第1の支持体21とほぼ同様の構造であって、例えばアルミの押出し加工材を適宜長さに切断したものであり、支持体本体22aと脚部22b、22bと筒部22dとを有している。ここで、略U字形状に形成された支持体本体22aの上部には、第1の支持体21側に向かって延出されて、コア部材付通水管12a(詳細には、通水管10の端部部分10a)が浮き上がらないように、係合体14を抑える第2抑え片22gが設けられている。支持体本体22aの両側から下方に延出される脚部22bは、その側片22c、22cがフレーム24の第2板片(側板片)24bを上下で挟むようにしてその第2板片(側板片)24bの内側に配置されることで、第2板片(側板片)24bの延びる方向にスライド可能となっている。すなわち、第2の支持体22は、被案内部となる脚部22bを介すことで、案内部となる第2板片(側板片)24bの延びる方向にスライド可能となる。また、支持体本体22aの下方に設けられる筒部22dの内側は、前記雄ねじ部材25が螺合するねじ孔22eとなっている。
雄ねじ部材25は、軸部25aと頭部25bとからなる。そして、この雄ねじ部材25は、その軸部25aが、フレーム24の孔24dと、第1の支持体21の通孔21eを通り、第2の支持体22のねじ孔22eに螺合する。そこで、前記移動手段23は、この雄ねじ部材25とねじ孔22eとからなり、雄ねじ部材25を回動することで、第2の支持体22を第1の支持体21側に近づけるよう移動させることができる。
この接続端部形成工具20を用いた、通水管10の接続端部11の形成方法は、始めに、図6および図7に示すように、通水管10の端部部分10aにおける端部部分後部10cに、コア部材13を挿入してコア部材付通水管12aを形成するとともに、コア部材付通水管12aの外周部に、本体リング16と割リング15とを順に嵌め込み、割リング15を、通水管10の端部部分後部10cに位置させる。このとき、本体リング16の向きを、その本体リング16の内周面が、通水管10の先端方向側ほど径大となる向きとし、同様に、割リング15の向きを、その割リング15の外周面が、通水管10の先端方向側ほど径大となる向きとする。そして、この通水管10を、先端面10dがフレーム24の第1板片(前板片)24a(位置決め部20a)に当接し、本体リング16と割リング15とが、第1の支持体21と第2の支持体22との間に位置するようにして、それら第1および第2の支持体21,22(詳細には、支持体本体21a、22a)の上にセットする。その後、雄ねじ部材25を回動して、第2の支持体22を第1の支持体21側に移動させる。このとき、コア部材付通水管12aは、先端面10dが第1板片(前板片)24a(位置決め部20a)に当接して、その位置が保持され、割リング15は、その一方側の端面となる前端面15cが第1の支持体21に当接して、その位置が保持され、また、本体リング16は、割リング15側とは反対側の端面となる後端面16bが第2の支持体22に押されて、割リング15側に移動する。こうして、本体リング16は、割リング15の外周部に嵌め込まれ、この嵌め込みにより、割リング15は、縮径し、通水管10の端部部分後部10cを圧接するとともに、コア部材13とで端部部分後部10cを挟持する。こうして、割リング15と本体リング16とからなる係合体14が、通水管10の端部部分10aに固定されて、接続端部11が形成される。
次に、以上の構成からなる通水管10の接続構造17、通水管装置19、および接続端部形成工具20の作用効果について説明する。接続構造17においては、通水管10の接続端部11を構成する係合体14は、通水管10の端部部分10aにおける、インコア部1eが挿入されて止水部材5aが密接する端部部分先端部10bよりも後方の、端部部分後部10cの外周部に、コア部材13とで端部部分後部10cを挟持するように嵌め込まれることで、この端部部分10aに固定される。そして、この係合体14が固定された端部部分10a、すなわち接続端部11を、ヘッダー1の受口1bに挿入し、取着体6を受口1bに設けられた切欠き5fに挿入して、取着体6と係合体14とを係合させることで、通水管10をヘッダー1に簡単に接続することができる。特に、前もって工場等で、通水管10の端部部分10aに、コア部材13を挿入するとともに係合体14を固定して、接続端部11を形成しておけば、現場でのヘッダー1への接続作業を手際よく行なうことができる。そして、コア部材13と係合体14とが端部部分後部10cを挟持することで、係合体14が端部部分10aに固定されるため、端部部分10aへの係合体14の固定にあたって、止水部材5aが密接する端部部分先端部10bの変形を避けることができる。その上、接続端部11を、ヘッダー1の受口1bに挿入すると、端部部分先端部10bにヘッダー1のインコア部1eが挿入され、そのインコア部1eが、端部部分先端部10bの、潰れによる変形を防ぐ。このため、ヘッダー1と通水管10との間における、止水部材5aによる止水を確実にすることができる。
また、ヘッダー1の受口1bに、通水管10の端部部分10a(詳細には、接続端部11)を挿入した際、係合体14の前端面14bが、受口1bに設けられた位置決め面1dに当たって、それ以上前方へ進まないように位置決めされることで、端部部分10a(詳細には、接続端部11)の、受口1bへの挿入長さが規制される。一方、係合体14と係合する係止手段1c(詳細には、取着体6)により、端部部分10aは、受口1bに対して抜け止めされる。このため、端部部分10a、ひいてはその端部部分先端部10bの位置が特定され、その端部部分先端部10bを止水部材5aがある位置に正確に配置することができる。
また、受口1bにおいては、止水部材5aは、ヘッダー本体2の径大部2dに嵌められる。ここで、ヘッダー本体2は、金属製であり、また、受口1bの口元側を構成する補助継手5は、ナイロン製である。このように、止水部材5aが、ナイロン製の補助継手5側ではなく、金属製のヘッダー本体2側に配置されることで、ナイロンの膨潤による止水部材5aの締めしろの減少を避けることができる。
また、係合体14において、割リング15の軸方向の長さは、本体リング16の軸方向の長さよりも短く形成されており、その長さの差で、各部品の公差とか、通水管10内部の水圧によって割リング15が通水管10とともに後方に移動する移動量とかを吸収することができる。したがって、割リング15が後方の取着体6に当たるのを防いだり、あるいは、その取着体6への当たりを和らげたりできる。このため、割リング15が取着体6に強く当たって破損するのを防ぐことができる。図示実施の形態においては、割リング15の後端面15dを、本体リング16の後端面16bよりも前方側に位置させることで、割リング15の後方に空間14aが確保される(図2、図4参照)。そして、この空間により、通水管10内部の水圧によって割リング15が通水管10とともに後方に移動する移動量を吸収することができる。なお、割リング15が後方に移動し難くするために、割リング15と本体リング16とが接触するところの、割リング15の外周面または/および本体リング16の内周面にキズを付けるなどしてその外周面とか内周面の面の粗さを大きくしてもよい。
また、通水管装置19においては、保護キャップ18を、ヘッダー1に接続される前の通水管10の接続端部11に取り付けておくことで、止水部材5aが密接する通水管10の端部部分先端部10bと、接続端部11の前面(すなわち、通水管10の先端面10d)とが保護される。ここで、保護キャップ18における周面保護部18aは、その後端面18cが係合体14に当接するように形成されているため、保護キャップ18が接続端部11に取り付けられた通水管10を、その保護キャップ18側から鞘管に挿入した際、保護キャップ18が鞘管内を押し進むことで受ける荷重を、保護キャップ18の後方に位置する係合体14が受け持つ。したがって、この荷重が保護キャップ18を介して接続端部11の前面に作用することがなく、その前面が保護される。
また、保護キャップ18の周面保護部18aは、その外径が係合体14の外径(つまり、本体リング16の外径)と略同一(同一を含む)または係合体14の外径よりも大きく形成されているため、保護キャップ18が接続端部11に取り付けられた通水管10を、その保護キャップ18側から鞘管に挿入した際、係合体14の前端面14b(つまり、本体リンク16および割リング15の前端面16a、15c)が鞘管の内面に当たることがない。したがって、係合体14を、鞘管の内面への当たりから保護することができる。さらに、保護キャップ18における前面保護部18bは、先細り形に形成されているため、保護キャップ18が接続端部11に取り付けられた通水管10を、その保護キャップ18側から鞘管に挿入した際、保護キャップ18が鞘管内を押し進むことで受ける荷重を軽減することができる。なお、この保護キャップ18は、通水管10をヘッダー1に接続する際には、接続端部11から取り外される。
また、接続端部形成工具20においては、この接続端部形成工具20に備わる位置決め部20aにより、コア部材付通水管12aが位置決めされる。一方、割リング15は、その一方側の端面となる前端面15cに当接する第1の支持体21によって位置決めされている。したがって、通水管10の端部部分10aにおいて、割リング15の前方に位置することとなる、外周面または内周面(図示実施の形態においては、外周面)に止水部材5aが密接する端部部分先端部10bの長さを、所定の長さに保つことができる。そして、雄ねじ部材25を回動することで、本体リング16の後端面16bに当接する第2の支持体22を第1の支持体21に向かって移動させて、本体リング16を割リング15の外周部に嵌め込むことができる。このように、雄ねじ部材25を回動することで、通水管10の接続端部11を簡単に形成することができる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、接続具は、ヘッダー1でなくとも、ヘッダー1以外の継手とか、水栓器具等であってもよい。
また、係合体14は、割リング15と本体リング16とから構成されなくとも、図11〜17に示すように、円筒形状を内径に接するような位置で分断して得られる第1分割体26と第2分割体27とから構成されてもよい。ここで、第1分割体26は、断面C字状に形成されて、その各端には、互いに離れた側に、第1嵌合部26aが設けられている。そして、第1嵌合部26aは、軸方向の途中位置から一方端までが、内側に逃げるように傾斜して形成された傾斜部26bとなっている。第2分割体27は、略三日月型に形成されて、その各端には、向かい合う側に、前記第1嵌合部26aと嵌合する第2嵌合部27aが設けられている。この係合体14を用いて接続端部11を形成するには、コア部材付通水管12aの外周部に、第1分割体26を嵌め込み、その第1分割体26を、通水管10の端部部分先端部10bよりも後方の端部部分後部10cに位置させる。このとき、第1分割体26の向きを、その傾斜部26bが、通水管10の先端方向側とは反対側となる向きにする。そして、第2分割体27を、その第2嵌合部27aを第1分割体26の第1嵌合部26aに嵌合させるように、傾斜部26b側からスライドする。このとき、第1分割体26の傾斜部26bが第2分割体27の第2嵌合部27aに押されて、第1分割体26は、縮径して通水管10の端部部分後部10cを圧接する。こうして、係合体14は、通水管10の端部部分10aに固定されて、接続端部11が形成される。
また、係合体14は、図18および図19に示すように、円筒形状にスリット28aが形成された係合体本体28と、スリット28aを狭めるようにして係合体本体28を縮径させるねじ29とから構成されてもよい。この係合体14を用いて接続端部11を形成するには、コア部材付通水管12aの外周部に、係合体本体28を嵌め込み、その係合体本体28を、通水管10の端部部分先端部10bよりも後方の端部部分後部10cに位置させる。そして、係合体本体28(詳細には、係合体本体28に設けられたねじ孔28b)に、ねじ29をねじ込むことで、係合体本体28は、縮径して通水管10の端部部分後部10cを圧接する。こうして、係合体14は、通水管10の端部部分10aに固定されて、接続端部11が形成される。
また、係止手段1c(取着体6)は、通水管10の接続端部11を受口1bに挿入した後に、受口1bに取着されるものでなくとも、前もって受口1bに取着されるものであってもよい。すなわち、係止手段1c(取着体6)が取着された受口1bに対して、例えば、係合体14の先端で係止手段1c(取着体6)を押し広げるようにして、接続端部11を受口1bに押し入れることが可能であって、その後に、係止手段1c(取着体6)が、弾性により、係合体14に係合する位置に復帰するものであってもよい。さらに、係止手段1cは、受口1bに取着されるものでなくとも、例えば、受口1bから内方側に突出して形成された係止爪等の係止部からなっていてもよい。
また、ヘッダー1の受口1bには、係止手段1c(取着体6)が挿入される、一対の切欠き5f、5fが形成されているが、この切欠き5f、5fに替えて、図20に示すように、受口1bの開口(詳細には、凹部5e)に連通するように一対の挿入孔5h、5hが形成されてもよい。このとき、受口1bには、一対の挿入孔5h、5h間の繋ぎ部5g、5gの他に、一対の挿入孔5h、5hの外側に他の繋ぎ部5i、5iが設けられることとなる。そして、前記繋ぎ部5gには、例えば凹状の被係合部5j、5jが形成される。ここで、対する係止手段1c(取着体6)は、略コの字形状に形成され、その略コの字の対向する二片6c、6cは、前記挿入孔5h、5hに挿入されるよう、ほぼ真直ぐ延びている。また、前記二片6c、6cの基端部分には、前記被係合部5jに係合する、例えば凸状の係合部6dが形成されている。この構造によると、受口1bには、繋ぎ部5g、5gと、他の繋ぎ部5i、5iとが設けられることとなり、受口1bの強度が増加する。したがって、通水管10内の水圧によって作用する、接続端部11の抜け方向の力に、容易に耐え得る。また、係止手段1c(取着体6)における二片6c、6cは、挿入孔5h、5hに挿入されるため、外側に広がることはなく、接続端部11が受口1bの所定の位置まで挿入されずに係合体14が挿入孔5h、5hにかかった状態では、二片6c、6cを挿入孔5h、5hに挿入することができない。したがって、二片6c、6cを挿入孔5h、5hに挿入して、係止手段1c(取着体6)を受口1bに取着することで、接続端部11が受口1bに所定長さ挿入されていることが保証される。
また、接続端部形成工具20において、移動手段23は、雄ねじ部材25を用いたものでなくとも、例えば、カムとかリンク等の機構を用いたものであってもよい。
また、湯水の供給側となる、受口1aへの通水管の接続については、説明を省略したが、この受口1aへの通水管の接続についても、受口1bへの通水管10の接続と同様の接続構造を採ることができる。
また、係止手段1c(取着体6)と係合体14とが係合するにあたって、係止手段1c(取着体6)と係合体14とが直接係合する(すなわち、介在物を介すことなく係合する)場合の他に、スペーサー等の介在物を介して係合しても構わない。
図21および図22は、接続具としての継手41が、継手本体42と、ケース43と、断熱部材44とから構成される場合を示すが、接続端部11、止水部材5aおよび係止手段1c(取着体6)については、図1〜図5に示す実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。継手本体42は、断熱部材44によって覆われた状態で、ケース43に収容される。もっとも、この断熱部材44はなくともよい。そして、継手本体42にはフランジが42a、42a設けられており、継手本体42は、このフランジ42aを介すことで、ケース43に、ビス等の固着具45によって固定される。また、継手本体42は、直角に曲がったエルボー形状をしている。そして、継手本体42の一方の端部42bと、ケース43に突出して形成された筒部43aとで、受口41aを構成している。そこで、止水部材5aは、継手本体42の端部42bに収容され、接続端部11における係合体14は、ケース43の筒部43aに収容される。そして、係止手段1c(取着体6)は、筒部43aに形成された切欠き43bに挿入される。また、この実施の形態においては、継手本体42の端部42bにおける端面と、ケース43の筒部43a側との間には、隙間Sができている。なお、符号41bは、継手41(詳細には、継手本体42)と一体に形成されて、通水管10の端部部分先端部10bに挿入される筒状のインコア部である。また、図示を省略するが、継手本体42の他方の端部42cには、例えば、水栓が接続される。
また、止水部材5aは、通水管10の端部部分先端部10bの外周面に密接するが、図23に示すように、端部部分先端部10bの内周面に密接するようにしてもよい。ここにおいて、受口1bに設けられたインコア部1eには、外周にリング状の溝1gが形成されている。そして、前記止水部材5aは、この溝1gに嵌められている。同様に、図21に示す例においても、図示を省略するが、インコア部41bの外周にリング状の溝を形成し、その溝に止水部材5aを嵌めることで、止水部材5aを通水管10の端部部分先端部10bの内周面に密接するようにしても構わない。
また、上述のように、止水部材5aが、通水管10の端部部分先端部10bの内周面に密接する場合には、図24および図25に示すように、継手51の受口51aに設けられたインコア部51bが挿入される端部部分先端部10bの外周部に、金属製のリング部材52が嵌められてもよい。これにより、止水部材5aが密接する端部部分先端部10bが水圧によって拡径しようとするのを、金属製のリング部材52が受け止める。こうして、水圧による端部部分先端部10bの拡径を、金属製のリング部材52で防止することができ、このため、接続具としての継手51を合成樹脂で作成することが容易となる。ところで、この実施の形態においては、係止手段1cとなる取着体6は、図20に示す実施の形態と同様に、受口51aに設けられた挿入孔51c、51cに挿入されるが、他の実施の形態のように、切欠きに挿入されてもよい。また、この実施の形態においては、係合体14は、受口51aの奥面51dに当たる前記リング部材52を介すことで、それ以上前方へ進まないように位置決めされるが、他の実施の形態と同様に、受口51aの中間位置に位置決め面を設け、その位置決め面に、係合体14の前端面14bが当たることで、係合体14がそれ以上前方へ進まないように位置決めされても構わない。また、通水管装置においては、リング部材52を取り付けた状態の接続端部11に、保護キャップを取り付けるようにしてもよいが、他に、リング部材52を外した状態の接続端部11に、保護キャップを取り付けるようにしても構わない。