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JP4900437B2 - 印刷装置 - Google Patents

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JP4900437B2
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Description

この発明は、印刷装置及びコンピュータシステムに関する。
近年、コンピュータの出力装置として、数色のインクをヘッドから吐出するタイプのカラープリンタが広く普及している。このようなインクジェット型カラープリンタの中には、印刷速度の向上のために、いわゆる「双方向印刷」を行う機能を有するものがある。
また、インクジェット型プリンタは、各画素をオン・オフの2値で再現できるだけであったが、近年では一画素で3以上の多値の再現ができる多値プリンタも提案されている。多値の画素は、例えば、一画素に対して同一色の複数サイズのインク滴を吐出することによって形成することができる。
特開平11−5301号公報
一画素に対して複数のインク滴を吐出する多値プリンタを用いて双方向印刷を行う際に、往路と復路における印刷特性の差異に起因して、画質が劣化する場合がある。例えば、往路と復路とにおいて各サイズのインク滴の主走査方向の着弾位置が異なってしまうと、これによって画像が劣化する。
また、一画素に対して複数色のインク滴を吐出する際に、ある色のインク滴の着弾位置と他の色のインク滴の着弾位置とにズレが生じてしまうと画質が低下する。
この発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、インクの着弾位置のズレに起因する画質の劣化を防止することを目的とする。
主たる本発明は、複数サイズのインク滴を選択的に吐出して被印刷体にドットを形成するための吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドとともに主走査方向へ移動可能な濃度検知部材と、を有し、ドット形成位置のズレを補正するための補正用パターンを被印刷体に印刷する印刷装置において、前記吐出ヘッドからあるサイズのインク滴を吐出して印刷された前記補正用パターン、を構成するドットの副走査方向における間隔が、前記吐出ヘッドから他のサイズのインク滴を吐出して印刷された前記補正用パターン、を構成するドットの副走査方向における間隔と異なり、前記濃度検知部材が、前記主走査方向へ移動しながら、前記補正用パターンの濃度を検知することを特徴とする。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにされる。
本発明によれば、インクの着弾位置のズレに起因する画質の劣化を防止することが可能となる。
インクジェットプリンタ22を備えた印刷システムの概略構成図。 制御回路40を中心としたプリンタ22の構成を示すブロック図。 反射型光学センサ29の一例を説明するための模式図。 吐出ヘッドの内部の概略構成を示す説明図。 ピエゾ素子PEとノズルNzとの構造を詳細に示した説明図。 吐出ヘッド61〜66におけるインクジェットノズルNzの配列を示す説明図。 ヘッド駆動回路52(図2)内に設けられた駆動信号発生部の構成を示すブロック図。 駆動信号発生部の動作を示すタイミングチャート。 補正用パターンに基づいてズレ調整の補正値を決定する方法の概略を説明するための図。 大ドットにより構成される補正パターンを説明するための図。 中ドットにより構成される補正パターンを説明するための図。 小ドットにより構成される補正パターンを説明するための図。 ドット形成位置の補正処理を説明するためのフローチャート。 ユーザが印刷ズレ調整を指示するためのUIウィンドウの一例を示した概略図。 補正用パターンの一例を示した図。
[開示の概要]
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
複数サイズのインク滴を選択的に吐出して被印刷体にドットを形成するための吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドとともに主走査方向へ移動可能な濃度検知部材と、を有し、ドット形成位置のズレを補正するための補正用パターンを被印刷体に印刷する印刷装置において、前記吐出ヘッドからあるサイズのインク滴を吐出して印刷された前記補正用パターン、を構成するドットの副走査方向における間隔が、前記吐出ヘッドから他のサイズのインク滴を吐出して印刷された前記補正用パターン、を構成するドットの副走査方向における間隔と異なり、前記濃度検知部材が、前記主走査方向へ移動しながら、前記補正用パターンの濃度を検知することを特徴とする印刷装置。
吐出ヘッドから吐出されるインク滴のサイズが異なると、それに応じて、被印刷体に形成されるドットのサイズが異なり、補正用パターンの濃さも異なってくる。したがって、あるサイズのインク滴に応じて形成された補正用パターンの濃度が好ましくても、他のサイズのインク滴に応じて形成された補正用パターンの濃度が好ましくない場合が生ずる。
本発明によれば、あるサイズのインク滴を吐出して印刷された前記補正用パターン、を構成するドットの副走査方向における間隔が、他のサイズのインク滴を吐出して印刷された前記補正用パターン、を構成するドットの副走査方向における間隔と異なるから、インク滴のサイズに応じた濃さの補正用パターンを形成することが可能となる。さらに、前記吐出ヘッドとともに主走査方向へ移動可能な濃度検知部材が、前記主走査方向へ移動しながら前記補正用パターンの濃度を検知するから、ドットサイズに応じて適切に形成された補正用パターンの、主走査方向における濃度を、前記濃度検知部材を用いて効率よく検知することが可能となる。
また、かかる印刷装置において、前記補正パターンは、主走査の往路におけるドット形成位置と復路におけるドット形成位置とのズレを補正するための補正用パターンであることとしてもよい。
また、かかる印刷装置において、前記補正用パターンは、複数のサブパターンを有し、各サブパターンは、ドットが主走査方向及び副走査方向に配列されて構成されていることとしてもよい。
かかる印刷装置によれば、前記補正用パターンが複数のサブパターンを有し、各サブパターンは、ドットが主走査方向及び副走査方向に配列されて構成されているから、視認性又は濃度検知性のよい補正用パターンを形成することが可能となる。
また、かかる印刷装置において、前記サブパターンは、主走査の往路にて所定間隔で形成された往路ドット、及び、主走査の復路にて所定間隔で形成された復路ドット、を有しており、往路ドット形成位置と復路ドット形成位置のズレ量は、サブパターン毎に異なることとしてもよい。
かかる印刷装置によれば、前記サブパターンが、主走査の往路にて所定間隔で形成された往路ドット、及び、主走査の復路にて所定間隔で形成された復路ドット、を有しており、往路ドット形成位置と復路ドット形成位置のズレ量は、サブパターン毎に異なるから、濃淡において視認性又は濃度検知性のよい補正用パターンを形成することが可能となる。
また、かかる印刷装置において、前記補正用パターンを構成するドットの主走査方向における間隔は、前記サイズにかかわらず同じであることとしてもよい。
サイズの小さいインク滴を吐出して形成された補正用パターンの濃度を上げるために前記補正用パターンを構成するドットの主走査方向における間隔を小さくしてしまうと、主走査方向において隣接するドットが相互に結合してにじみ現象が生じてしまう。前記印刷装置によれば、前記補正用パターンを構成するドットの主走査方向における間隔は、前記サイズにかかわらず同じであるから、にじみ現象の発生を抑制することが可能となる。
また、かかる印刷装置において、前記所定間隔は、副走査方向におけるドット間隔の2倍以上であることとしてもよい。
主走査往路及び復路におけるドット間隔を小さくしてしまうと、主走査方向において隣接するドットが相互に結合してにじみ現象が生じてしまう。前記印刷装置によれば、前記所定間隔は、副走査方向におけるドット間隔の2倍以上であるから、にじみ現状の発生を抑制することが可能となる。
また、かかる印刷装置において、前記濃度検知部材による濃度検知結果に基づいて、主走査の往路におけるドット形成位置と復路におけるドット形成位置とのズレを補正することとしてもよい。
かかる印刷装置によれば、ドットサイズに応じて濃度が適正化された補正用パターンに基づいて、正確なドット位置ズレ補正を行うことが可能となる。
また、複数サイズのインク滴を選択的に吐出して被印刷体にドットを形成する吐出ヘッドを有し、主走査の往路と復路におけるドット位置ズレを補正するための補正用パターンを被印刷体に印刷する印刷装置において、あるサイズのインク滴を吐出して印刷された前記補正用パターン、を構成するドットの副走査方向における間隔が、他のサイズのインク滴を吐出して印刷された前記補正用パターン、を構成するドットの副走査方向における間隔と異なり、前記補正用パターンに基づく、ユーザの指示情報を受付け、該指示情報に基づいて、主走査の往路におけるドット形成位置と復路におけるドット形成位置とのズレを補正することを特徴とする印刷装置も実現可能である。
かかる印刷装置によれば、視認性のよい補正用パターンに基づくユーザ指示情報により、正確なドット位置ズレ補正を行うことが可能となる。
また、複数サイズのインク滴を選択的に吐出して被印刷体にドットを形成するための吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドとともに主走査方向へ移動可能な濃度検知部材と、を有し、主走査の往路におけるドット形成位置と復路におけるドット形成位置とのズレを補正するための補正用パターンを被印刷体に印刷する印刷装置において、前記吐出ヘッドからあるサイズのインク滴を吐出して印刷された前記補正用パターン、を構成するドットの副走査方向における間隔が、前記吐出ヘッドから他のサイズのインク滴を吐出して印刷された前記補正用パターン、を構成するドットの副走査方向における間隔と異なり、前記補正用パターンは、複数のサブパターンを有し、各サブパターンは、ドットが主走査方向及び副走査方向に配列されて構成されており、前記サブパターンは、主走査の往路にて所定間隔で形成された往路ドット、及び、主走査の復路にて所定間隔で形成された復路ドット、を有しており、往路ドットと復路ドットのズレ量は、サブパターン毎に異なり、前記補正用パターンを構成するドットの主走査方向における間隔は、前記サイズにかかわらず同じであり、前記所定間隔は、副走査方向におけるドット間隔の2倍以上であり、前記濃度検知部材による濃度検知結果に基づいて、主走査の往路におけるドット形成位置と復路におけるドット形成位置とのズレを補正する、ことを特徴とする印刷装置も実現可能である。
また、複数サイズのインク滴を選択的に吐出して被印刷体にドットを形成するための吐出ヘッドによる主走査の往路におけるドット形成位置と、復路におけるドット形成位置と、のズレを補正するための補正用パターンにおいて、前記吐出ヘッドからあるサイズのインク滴を吐出して印刷された前記補正用パターン、を構成するドットの副走査方向における間隔が、前記吐出ヘッドから他のサイズのインク滴を吐出して印刷された前記補正用パターン、を構成するドットの副走査方向における間隔と異なることを特徴とする補正用パターン、も実現可能である。
また、複数サイズのインク滴を選択的に吐出して被印刷体にドットを形成するための吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドとともに主走査方向へ移動可能な濃度検知部材と、を有し、ドット形成位置のズレを補正するための補正用パターンを被印刷体に印刷する印刷装置において、前記吐出ヘッドからあるサイズのインク滴を吐出して印刷された前記補正用パターン、を構成するドットの重ね打ち回数が、前記吐出ヘッドから他のサイズのインク滴を吐出して印刷された前記補正用パターン、を構成するドットの重ね打ち回数と異なり、前記濃度検知部材が、前記主走査方向へ移動しながら、前記補正用パターンの濃度を検知することを特徴とする印刷装置、も実現可能である。
また、コンピュータ本体、及び、このコンピュータ本体と接続されて被印刷体に対して印刷を行う印刷装置であって、複数サイズのインク滴を選択的に吐出して被印刷体にドットを形成するための吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドとともに主走査方向へ移動可能な濃度検知部材と、を有し、ドット形成位置のズレを補正するための補正用パターンを被印刷体に印刷する印刷装置、を有するコンピュータシステムにおいて、前記吐出ヘッドからあるサイズのインク滴を吐出して印刷された前記補正用パターン、を構成するドットの副走査方向における間隔が、前記吐出ヘッドから他のサイズのインク滴を吐出して印刷された前記補正用パターン、を構成するドットの副走査方向における間隔と異なり、前記濃度検知部材が、前記主走査方向へ移動しながら、前記補正用パターンの濃度を検知することを特徴とするコンピュータシステム。
[印刷装置の概要]
まず、印刷装置の概要について、図1及び図2を参照しつつ説明する。図1は、インクジェットプリンタ22を備えた印刷システムの概略構成図である。図2は、制御回路40を中心としたプリンタ22の構成を示すブロック図である。
プリンタ22は、紙送りモータ23によって印刷用紙Pを搬送する副走査送り機構と、キャリッジモータ24によってキャリッジ31をプラテン26の軸方向に往復動させる主走査送り機構とを有している。ここで、副走査送り機構による印刷用紙Pの送り方向を副走査方向といい、主走査送り機構によるキャリッジ31の移動方向を主走査方向という。なお、キャリッジ31には、後述する反射型光学センサ29が設けられている。
また、プリンタ22は、キャリッジ31に搭載された吐出ヘッドユニット60(「吐出ヘッド集合体」とも呼ぶ)を駆動してインクの吐出およびドット形成を制御するヘッド駆動機構と、これらの紙送りモータ23、キャリッジモータ24、吐出ヘッドユニット60および操作パネル32との信号のやり取りを司る制御回路40とを備えている。制御回路40は、コネクタ56を介してコンピュータ90に接続されている。
印刷用紙Pを搬送する副走査送り機構は、紙送りモータ23の回転をプラテン26と用紙搬送ローラ(図示せず)とに伝達するギヤトレインを備える(図示省略)。また、キャリッジ31を往復動させる主走査送り機構は、プラテン26の軸と並行に架設されキャリッジ31を摺動可能に保持する摺動軸34と、キャリッジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を張設するプーリ38と、キャリッジ31の原点位置を検出する位置検出センサ39とを備えている。
図2に示すように、制御回路40は、CPU41と、プログラマブルROM(PROM)43と、RAM44と、文字のドットマトリクスを記憶したキャラクタジェネレータ(CG)45とを備えた算術論理演算回路として構成されている。この制御回路40は、さらに、外部のモータ等とのインタフェースを専用に行なうI/F専用回路50と、このI/F専用回路50に接続され吐出ヘッドユニット60を駆動してインクを吐出させるヘッド駆動回路52と、紙送りモータ23およびキャリッジモータ24を駆動するモータ駆動回路54と、を備えている。I/F専用回路50は、パラレルインタフェース回路を内蔵しており、コネクタ56を介してコンピュータ90から供給される印刷信号PSを受け取ることができる。
[反射型光学センサの構成例]
次に、図3を参照しつつ反射型光学センサの構成例について説明する。図3は、反射型光学センサ29の一例を説明するための模式図である。
反射型光学センサ29はキャリッジ31に取り付けられ、例えば発光ダイオードから構成される発光部29aと例えばフォトトランジスタから構成される受光部29bを有している。発光部29aから発した光、すなわち入射光は印刷用紙Pにより反射され、その反射光は受光部29bで受光され、電気信号に変換される。受光した反射光の強さに応じた受光センサの出力値として、電気信号の大きさが測定される。したがって、反射型光学センサ29は、印刷用紙Pに印刷されたパターンの濃度を検知する濃度検知部材として機能する。
なお、上記においては、図に示されるように、発光部29aと受光部29bは、一体となって反射型光学センサ29という機器を構成することとしたが、発光機器と受光機器のように各々別個の機器を構成してもよい。
また、上記においては、受光した反射光の強さを得るために、反射光を電気信号に変換した後に電気信号の大きさを測定することとしたが、これに限定されるものではなく、受光した反射光の強さに応じた受光センサの出力値を測定することができればよい。
[吐出ヘッドの構成]
次に、吐出ヘッドの構成について、図4、図5、及び図6をも参照しつつ説明する。図4は、吐出ヘッドの内部の概略構成を示す説明図である。図5は、ピエゾ素子PEとノズルNzとの構造を詳細に示した説明図である。図6は、吐出ヘッド61〜66におけるインクジェットノズルNzの配列を示す説明図である。
キャリッジ31(図1)には、黒インク(K)用のカートリッジ71とシアン(C)、ライトシアン(LC)、マゼンタ(M)、ライトマゼンダ(LM)、イエロ(Y)の5色のインクを収納したカラーインク用カートリッジ72が搭載可能である。
キャリッジ31の下部には計6個の吐出ヘッド61ないし66が設けられており、キャリッジ31の底部には、この各色用吐出ヘッドにインクタンクからのインクを導く導入管67(図4参照)が設けられている。キャリッジ31に黒(K)インク用のカートリッジ71およびカラーインク用カートリッジ72を上方から装着すると、各カートリッジに設けられた接続孔に導入管67が挿入され、各インクカートリッジから吐出用ヘッド61ないし66へのインクの供給が可能となる。
インク用カートリッジ71、72がキャリッジ31に装着されると、図4に示すようにインク用カートリッジ内のインクが導入管67を介して吸い出され、キャリッジ31下部に設けられた吐出ヘッド61ないし66に導かれる。
キャリッジ31下部に設けられた各色の吐出ヘッド61ないし66には、ノズル毎に、電歪素子の一つであって応答性に優れたピエゾ素子PEが配置されている。そして、図5上段に図示するように、ピエゾ素子PEは、ノズルNzまでインクを導くインク通路68に接する位置に設置されている。ピエゾ素子PEは、周知のように、電圧の印加により結晶構造が歪み、極めて高速に電気−機械エネルギの変換を行う素子である。本実施例では、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加することにより、図5下段に示すように、ピエゾ素子PEが電圧の印加時間だけ伸張し、インク通路68の一側壁を変形させる。この結果、インク通路68の体積はピエゾ素子PEの伸張に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクが、インク滴Ipとなって、ノズルNzの先端から高速に吐出される。このインク滴Ipがプラテン26に装着された用紙Pに染み込むことにより、ドットが形成されて印刷が行われる。
図6に示すように、吐出ヘッド61〜66におけるインクジェットノズルNzの配置は、ブラック(K)、シアン(C)、ライトシアン(LC)、マゼンタ(M)、ライトマゼンダ(LM)、イエロ(Y)各色ごとにインクを吐出する6組のノズルアレイから成っており、それぞれ48個のノズルNzが一定のノズルピッチkで一列に配列されている。
プリンタ22は、図6に示した通り一定の径からなるノズルNzを備えているが、かかるノズルNzを用いてインク量の異なる複数種類のインク滴を形成することができる。これは、ピエゾ素子PEを駆動する駆動波形を変えることで行うものであるが、具体的には、ピエゾ素子PEの駆動電圧を負にする際の変化率を変えたり、駆動波形のピーク電圧を変えることによって、一のノズルでインク量の異なるインク滴を形成することができる。
以上説明したハードウェア構成を有するプリンタ22は、紙送りモータ23により用紙Pを搬送しつつ、キャリッジ31をキャリッジモータ24により往復動させ、同時に吐出ヘッド61ないし66のピエゾ素子PEを駆動して、各色インクの吐出を行い、ドットを形成して用紙P上に多色の画像を形成する。
なお、ここでは、既に述べた通りピエゾ素子PEを用いてインクを吐出するヘッドを備えたプリンタ22を用いているが、吐出駆動素子としては、ピエゾ素子以外の種々のものを利用することが可能である。例えば、インク通路に配置したヒータに通電し、インク通路内に発生する泡(バブル)によりインクを吐出するタイプの吐出駆動素子を備えたプリンタに適用することも可能である。そして、制御回路40の構成も、各吐出駆動素子に駆動信号を供給し、各ノズルから1以上のインク滴を選択的に吐出させることによって、各画素位置に、大きさの異なる複数種類のドットのうちの一つを選択的に記録するもので、主走査の往路と復路において、複数種類のインク滴の経時的な吐出順序を同一に保つように駆動信号を生成するものであれば、どのようなものでもよい。
[吐出ヘッドの駆動]
次に、吐出ヘッド61〜66の駆動について、図7、図8を参照しつつ説明する。図7は、ヘッド駆動回路52(図2)内に設けられた駆動信号発生部の構成を示すブロック図である。図8は、図7に示す駆動信号発生部の動作を示すタイミングチャートである。
図7において、駆動信号発生部は、複数のマスク回路204と、原駆動信号発生部206と、駆動信号補正部230とを備えている。マスク回路204は、吐出ヘッド61のノズルn1〜n48をそれぞれ駆動するための複数のピエゾ素子に対応して設けられている。なお、図7において、各信号名の最後に付されたかっこ内の数字は、その信号が供給されるノズルの番号を示している。原駆動信号発生部206は、ノズルn1〜n48に共通に用いられる原駆動信号ODRVを生成する。この原駆動信号ODRVは、一画素分の主走査期間内に、第1パルスW1と第2パルスW2の2つのパルスを含む信号である。駆動信号補正部230は、マスク回路204が整形した駆動信号波形のタイミングを復路全体で前後にずらし、補正を行う。この駆動信号波形のタイミングの補正によって、往路と復路におけるインク滴の着弾位置のズレが補正される、すなわち、往路と復路におけるドットの形成位置のズレが補正される。
図7に示すように、入力されたシリアル印刷信号PRT(i)は、原駆動信号発生部206から出力される原駆動信号ODRVとともにマスク回路204に入力される。このシリアル印刷信号PRT(i)は、一画素当たり2ビットのシリアル信号であり、その各ビットは、第1パルスW1と第2パルスW2とにそれぞれ対応している。
そして、マスク回路204は、シリアル印刷信号PRT(i)(i=1〜48)のレベルに応じて原駆動信号ODRVをマスクするためのゲートである。すなわち、マスク回路204は、シリアル印刷信号PRT(i)が1レベルのときには原駆動信号ODRVの対応するパルスをそのまま通過させて駆動信号DRVとしてピエゾ素子に供給し、一方、シリアル印刷信号PRT(i)が0レベルのときには原駆動信号ODRVの対応するパルスを遮断する。
印刷の際には、図8(a−1)に示すように、原駆動信号ODRVのパルスとしては、各画素区間T1、T2、T3において第1パルスW1と第2パルスW2がこの順に発生する。なお、「画素区間」は、一画素分の主走査期間と同じ意味である。前述したように、マスク回路204(図7)は、シリアル印刷信号PRT(i)が1レベルのときには原駆動信号ODRVのパルスをそのまま通過させ、シリアル印刷信号PRT(i)が0レベルのときには原駆動信号ODRVのパルスを遮断する。
従って、図8(a−2)及び図8(a−3)に示すように、各画素区間におけるシリアル印刷信号PRT(i)の2ビットが"1、0"のときには第1パルスW1のみが一画素区間の前半で出力される。これにより、被印刷体には、サイズの小さい小ドットが形成される。また、"0、1"のときには第2パルスW2のみが一画素区間の後半で出力される。これにより、被印刷体には、サイズが中位の中ドットが形成される。また、"1、1"のときには第1パルスW1と第2パルスW2の双方が出力される。これにより、被印刷体には、サイズの大きい大ドットが形成される。
なお、図8(a−3)に示す往路の駆動信号波形を見れば理解できるように、3種類のドットを記録するための3種類の駆動信号DRV(i)は、一画素区間にわたる駆動信号波形が互いに異なるように、すなわち、ノズルから吐出するインク滴の大きさと数の少なくとも一方が異なるように整形されている。すなわち、一画素区間における駆動信号DRV(i)は、印刷信号PRT(i)の3つの異なる値に応じて互いに異なる3種類の波形を有するように整形されている。
これらの各ドットに対応した各駆動信号波形は、主走査の往路であっても復路であっても同じものが用いられる。すなわち、一画素区間内に1ノズルから吐出される小インク滴、中インク滴、大インク滴は、往路と復路で同じ順序及び時間間隔で吐出される。ただし、各駆動信号波形は、主走査の往路と復路で同じものが用いられるが、そのタイミングは、復路全体で駆動信号補正部230(図7)によって前後にずらされ、補正される。このタイミングの補正によって、復路全体でインク滴の着弾位置が意図的にずらされて、往路と復路におけるインク滴の着弾位置のズレが補正される。
[主走査方向のドットの形成位置ズレ補正の概要]
次に、図9を参照しつつ、主走査方向のドットの形成位置ズレ補正の概要について説明する。図9は、補正用パターンに基づいてズレ調整の補正値を決定する方法の概略を説明するための図である。
以下で説明するドットの形成位置ズレの補正の方法は、往路と復路におけるドットの形成位置のズレが目立たなくなるように、復路におけるインク滴の吐出タイミングを復路全体で意図的にずらす、というものである。なお、往路におけるインク滴の吐出タイミングを往路全体で意図的にずらしてもよく、また、往路及び復路におけるインク滴の吐出タイミングを往路及び復路全体でそれぞれ意図的にずらしてもよい。また、往路と復路における主走査方向のドットの形成位置ズレの原因としては、インク滴の吐出速度のばらつきや、主走査方向の駆動機構のバックラッシュ、印刷用紙を下で支えているプラテンの反り等がある。
この補正用パターンは、図9(A)に示すように、11個のサブパターンP1〜P11を有している。各サブパターンP1〜P11は、吐出ヘッド28を主走査方向に往復させて、その間に特定列のノズル(例えば、吐出ヘッド61のノズル)によって印刷用紙P上にドットを形成させて印刷したものである。
往路においては、印刷用紙P上に同一間隔(=1/180 インチ)にて、インク滴を吐出する。一方、復路においては、同様に同一間隔(=1/180 インチ)にて、インク滴を吐出するが、サブパターンP1〜P11毎に、吐出タイミングを副走査方向に、1/1440 インチ分ずつずらしている。
例えば、サブパターンP1とサブパターンP2についてみれば、サブパターンP1における、往路の吐出タイミングと復路の吐出タイミングとのズレをΔP1とし、サブパターンP2における、往路の吐出タイミングと復路の吐出タイミングとのズレをΔP2とした場合、|ΔP1−ΔP2|=1/1440 インチ分、となっている。また、1/180 インチは、8/1440 インチに等しいので、サブパターンP1と8つ隣のサブパターンP9における、往路の吐出タイミングと復路の吐出タイミングとのズレをΔP9とすると、|ΔP1|=|ΔP9|となっている。
このようにして形成されたサブパターンP1〜P11において、往路にて印刷用紙P上に形成されたドットと、復路にて印刷用紙P上に形成されたドットとのの重なりが大きいほど、サブパターンは薄くなり、往路にて印刷用紙P上に形成されたドットと、復路にて印刷用紙P上に形成されたドットとのの重なりが小さいほど、サブパターンは濃くなる。図9(B)は、各サブパターンの濃さを示したものであるが、図9(A)に示した補正用パターンにおいては、サブパターンP6において最も薄く、サブパターンP2及びサブパターンP10において最も濃くなっている。
本実施の形態では、図9(A)に示した各サブパターンのうち、最も濃いサブパターンを二つ選択し、それら二つのサブパターンを印刷した際の復路におけるそれぞれの吐出タイミングの中間値で、復路の実際の印刷を行う。すなわち、それぞれのサブパターンを印刷した際の復路における吐出タイミングの中間値を補正値として記憶し、復路全体におけるインク滴の吐出タイミングを補正値分だけ意図的にずらすことにより、ドットの形成位置を補正する。
なお、最も薄いサブパターンをセンサを用いて又はユーザの視認により選択して、そのサブパターンの形成条件を最適値とする方法もあるが、精度の面では、前述したように、最も濃いサブパターンを二つ選択し、それら二つのサブパターンを印刷した際の復路における吐出タイミングの中間値を最適値とする方が好ましい。その理由は次の通りである。
最も薄いサブパターンをセンサを用いて又はユーザの視認により選択して、そのサブパターンの形成条件を最適値とする方法の場合、間違って隣のサブパターンを選択してしまうと、復路の吐出タイミングが最適値から1/1440 インチ分ずれてしまう。
これに対して、最も濃いサブパターンを二つ選択し、それら二つのサブパターンの中間に位置するサブパターンの形成条件を最適値とする方法の場合も、間違って隣のサブパターンを選択してしまうケースは生じるが、間違ってP2の隣のサブパターンP1とP10の隣のサブパターンP11を選択した場合、又は、間違ってP2の隣のサブパターンP3とP10の隣のサブパターンP9を選択した場合であっても、二つのサブパターンの復路の吐出タイミングの中間値は最適値になる。
また、サブパターンP2を正しく選択したがもう一つのサブパターンは間違ってサブパターンP11を選択した場合、又は、サブパターンP10を正しく選択したがもう一つのサブパターンは間違ってサブパターンP1を選択した場合であっても、二つのサブパターンの復路の吐出タイミングの中間値は、最適値から1/1440 インチの半分のずれるだけである。
なお、この補正方法においては、必ずしもノズル列のすべてのノズルを使って印刷を行う必要はない。すなわち、この補正方法においては、各サブパターンの濃淡がわかればいいので、その条件を満たす限り、ノズル列のうちの一部のノズルでサブパターンの印刷を行うこととしてもよい。たとえば、ノズル列の端部や中央部のノズルのみにインク滴を吐出させて、サブパターンを形成することとしてもよい。そのようにすれば、補正用パターンの印刷に要するインクを節約することができる。
[ドットサイズに応じた補正用パターンの形成方法]
次に、図10、図11、及び図12を参照しつつ、ドットサイズに応じた補正用パターンの形成方法について説明する。図10は、大ドットにより構成される補正パターンを説明するための図である。図11は、中ドットにより構成される補正パターンを説明するための図である。図10は、小ドットにより構成される補正パターンを説明するための図である。
前述したように、補正用パターンに基づいてドットの形成位置のズレを補正する。ここで、補正用パターンを構成するドットの主走査方向及び副走査方向における間隔が同じ場合、大ドットにより構成される補正用パターンは、中ドットにより構成される補正用パターンよりも濃く、中ドットにより構成される補正用パターンは、小ドットにより構成される補正用パターンよりも濃い。
したがって、ある間隔をもって形成された小ドットにより構成される補正用パターンにおいて、各サブパターンの濃淡の差が適切であったとしても、同じ間隔をもって形成された大ドットにより構成される補正用パターンにおいて、各サブパターンの濃淡の差が不適切になってしまう、すなわち、どの各サブパターンも極めて濃いために、各サブパターンの濃淡の差が小さくなってしまう。
そこで、本実施の形態においては、ドットサイズによって、補正用パターンを構成するドットの副走査方向における間隔を異なるものとしている。より詳しくは、補正用パターンを構成するドットの副走査方向における間隔が、小ドット、中ドット、大ドットの順に大きくなっている。
図10(A)、図11(A)、図12(A)に示されている、各サブパターンP1〜P11は、往路及び復路ともにそれぞれ同様の吐出タイミングにて印刷されている。すなわち、各サブパターンPi(i=1〜11)を印刷した際の、往路の吐出タイミングと復路の吐出タイミングとのズレをΔPiとすると、ΔPiは、図10(A)、図11(A)、図12(A)において同じである。また、図10(B)、図11(B)、図12(B)は、サブパターン毎の濃さを示したものであり、縦軸横軸とも、図10(B)、図11(B)、図12(B)において同じスケールである。図10(B)、図11(B)、図12(B)を比較すると明らかなように、大ドットにより構成されたサブパターンは、中ドットにより構成されたサブパターンよりも、全体的に濃く、中ドットにより構成されたサブパターンは、小ドットにより構成されたサブパターンよりも全体的に濃い。
図10(B)において、丸印でプロットされたものは、主走査方向に180dpiの解像度かつ副走査方向に1440dpiの解像度、すなわち、主走査方向のドット間隔が(1/180)インチかつ副走査方向のドット間隔が(1/1440)インチ、として、各サブパターンを構成した場合の、各サブパターンの濃さを示したものである。
また、四角印でプロットされたものは、主走査方向に180dpiの解像度かつ副走査方向に720dpiの解像度、すなわち、主走査方向のドット間隔が(1/180)インチかつ副走査方向のドット間隔が(1/720)インチ、として、各サブパターンを構成した場合の、各サブパターンの濃さを示したものである。
また、菱形印でプロットされたものは、主走査方向に180dpiの解像度かつ副走査方向に360dpiの解像度、すなわち、主走査方向のドット間隔が(1/180)インチかつ副走査方向のドット間隔が(1/360)インチ、として、各サブパターンを構成した場合の、各サブパターンの濃さを示したものである。なお、丸印、四角印、菱形印と、主走査方向及び副走査方向のドット間隔との関係は、図11(B)及び図12(B)においても同様である。
図10に示すように、大ドットから構成される各サブパターンP1〜P11では、副走査方向の解像度を1440dpiとしてしまうと、どのサブパターンも濃くなり、各サブパターンの濃淡差が小さくなってしまう。これに対して、副走査方向の解像度を720dpi、360dpiと下げていくにつれ、各サブパターンの濃淡差が大きくなる。したがって、大ドットによって補正用パターンを構成する際には、主走査方向に180dpiの解像度かつ副走査方向に360dpiの解像度とする。
図11に示すように、中ドットから構成される各サブパターンP1〜P11では、副走査方向の解像度を720dpiとすると、各サブパターンの濃淡差が最も大きくなる。したがって、中ドットによって補正用パターンを構成する際には、主走査方向に180dpiの解像度かつ副走査方向に720dpiの解像度とする。
図12に示すように、小ドットから構成される各サブパターンP1〜P11では、副走査方向の解像度を360dpiとしてしまうと、どのサブパターンも薄くなり、各サブパターンの濃淡差が小さくなってしまう。これに対して、副走査方向の解像度を720dpi、1440dpiと上げていくにつれ、各サブパターンの濃淡差が大きくなる。したがって、小ドットによって補正用パターンを構成する際には、主走査方向に180dpiの解像度かつ副走査方向に1440dpiの解像度とする。
なお、補正用パターンを構成するドットの主走査方向における間隔は、ドットサイズによらず一定(例えば、180dpi)である。主走査方向のドット間隔を小さくすると、補正用パターンは濃くなる。しかし、補正用パターンの濃度を上げるために該補正用パターンを構成するドットの主走査方向における間隔を小さくしてしまうと、主走査方向において隣接するドットが相互に結合してにじみ現象が生じてしまう。かかる観点から、本実施の形態においては、補正用パターンを構成するドットの主走査方向における間隔をドットサイズにかかわらず同じとすることにより、にじみ現象の発生を抑制している。
また、にじみ現象の発生抑制の観点からは、ドットサイズにかかかわらず、主走査方向におけるドット間隔は、副走査方向におけるドット間隔の2倍以上であることが好ましい。
[ドット形成位置の補正処理]
次に、図13、図14、及び図15を参照しつつ、ドット形成位置の補正処理について説明する。図13は、ドット形成位置の補正処理を説明するためのフローチャートである。図14は、ユーザが印刷ズレ調整を指示するためのUIウィンドウの一例を示した概略図である。図15は、補正用パターンの一例を示した図である。
先ず、最初に、ユーザが双方向印刷における画質劣化を察知した時等に、主走査方向の往路及び復路におけるドット形成位置のズレを調整するための印刷ズレ調整を行う旨の指示を図14に示すようなUIウィンドウから行う(ステップS2)。かかる調整を指示する画面はプリンタのプロパティのユーティリティ等に存在し、ユーザは印刷ズレ調整に相当するボタン(図の左上に示される正方形のボタン)をマウスでクリックする等して、印刷ズレ調整を開始させる。
ユーザによる印刷ズレ調整の指示は、プリンタ22へコマンドとして送信される。プリンタ22は、受信したコマンドに基づいて、モータ駆動回路54により紙送りモータ23を駆動させる等して、印刷用紙Pの給紙を行う(ステップS4)。
続いて、プリンタ22は、ヘッド駆動回路52、モータ駆動回路54により、キャリッジモータ24、紙送りモータ23を駆動させる等して、補正用パターンの印刷を行う。当該補正用パターンの一例を示した図15を用いて説明する。
まず、吐出ヘッド61から大サイズのインク滴を吐出して大ドットにより構成された補正用パターン、すなわち、サブパターンP1〜P11を印刷する(ステップS6)。この際のドット解像度は、主走査方向に180dpiの解像度かつ副走査方向に360dpiの解像度、すなわち、主走査方向のドット間隔が(1/180)インチであり、副走査方向のドット間隔が(1/360)インチである。前述したように、大ドットにより補正用パターンを構成する際には、かかる解像度にて印刷すると、各サブパターンP1〜P11の濃淡が最も顕著となる。
次に、各々のサブパターンP1〜P11に反射型光学センサ29の発光部29aから光を照射し、反射された反射光を受光部29bにて受光し、受光した反射光の強さに応じた受光部29bの出力値に基づいて各サブパターンP1〜P11の濃さを検知する(ステップS8)。
次に、サブパターンP1〜P11において、濃さのピーク値を有するサブパターンが二つあるか否かを判断する(ステップS10)。
サブパターンP1〜P11において、濃さのピーク値を有するサブパターンが二つある場合には、それら二つのサブパターンを印刷した際の復路におけるそれぞれの吐出タイミングの中間値を大ドット用補正値として記憶する(ステップS12)。
サブパターンP1〜P11において、濃さのピーク値を有するサブパターンが二つない場合には、濃さのピーク値を有するサブパターンが二つ存在するように、復路におけるインク吐出タイミングを全体的に適宜ずらす(ステップS14)。
続いて、吐出ヘッド61から中サイズのインク滴を吐出して中ドットにより構成された補正用パターン、すなわち、サブパターンP1〜P11を印刷する(ステップS16)。この際のドット解像度は、主走査方向に180dpiの解像度かつ副走査方向に720dpiの解像度、すなわち、主走査方向のドット間隔が(1/180)インチであり、副走査方向のドット間隔が(1/720)インチである。前述したように、中ドットにより補正用パターンを構成する際には、かかる解像度にて印刷すると、各サブパターンP1〜P11の濃淡が最も顕著となる。
次に、かかるサブパターンP1〜P11を用いて、大ドットの場合と同様にして、中ドット用補正値を記憶する(ステップS18)。
さらに、吐出ヘッド61から小サイズのインク滴を吐出して小ドットにより構成された補正用パターン、すなわち、サブパターンP1〜P11を印刷する(ステップS20)。この際のドット解像度は、主走査方向に180dpiの解像度かつ副走査方向に1440dpiの解像度、すなわち、主走査方向のドット間隔が(1/180)インチであり、副走査方向のドット間隔が(1/1440)インチである。前述したように、小ドットにより補正用パターンを構成する際には、かかる解像度にて印刷すると、各サブパターンP1〜P11の濃淡が最も顕著となる。
次に、かかるサブパターンP1〜P11を用いて、大ドットの場合と同様にして、小ドット用補正値を記憶する(ステップS22)。
最後に、プリンタ22は、モータ駆動回路54により紙送りモータ23を駆動させる等して、印刷用紙Pの排紙を行う(ステップS24)。
なお、上述した補正処理においては、ステップS8において、各々のサブパターンP1〜P11に反射型光学センサ29の発光部29aから光を照射し、反射された反射光を受光部29bにて受光し、受光した反射光の強さに応じた受光部29bの出力値に基づいて各サブパターンP1〜P11の濃さを検知することとしたが、各々のサブパターンの濃さをユーザが視認して検知することとしてもよい。この場合、ユーザが、サブパターンP1〜P11を視認して、濃さのピーク値を有するサブパターンを二つ選択する。プリンタ22は、ユーザが選択したサブパターンを特定する情報を、指示情報として受け付け、該指示情報に基づいて、二つのサブパターンを印刷した際の復路におけるそれぞれの吐出タイミングの中間値を補正値として記憶すればよい。
[その他]
以上、一実施形態に基づき本発明に係る印刷装置等を説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
被印刷体として印刷用紙を例にとって説明したが、被印刷体として、フィルム、布、金属薄板等を用いてもよい。
また、コンピュータ本体と、このコンピュータ本体に接続される前述の実施形態に係るプリンタと、必要に応じて備えられるマウスやキーボード等の入力装置、CRT等の表示装置、フレキシブルディスクドライブ装置、及び、CD−ROMドライブ装置を有するコンピュータシステムも実現可能であり、このようにして実現されたコンピュータシステムは、システム全体として従来システムよりも優れたシステムとなる。
前述の実施形態に係るプリンタに、コンピュータ本体、表示装置、入力装置、フレキシブルディスクドライブ装置、及び、CD−ROMドライブ装置がそれぞれ有する機能又は機構の一部を持たせてもよい。例えば、プリンタが、画像処理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部を備える構成としてもよい。
上記実施の形態では、カラーインクジェットプリンタについて説明したが、本発明は、モノクロインクジェットプリンタにも適用可能であり、また、インクジェット方式以外のプリンタにも適用可能である。本発明は、一般に、被印刷体に印刷を行う印刷装置に適用可能であり、例えばファクシミリ装置やコピー機にも適用することが可能である。ただし、印刷ヘッドからインクを吐出して印刷を行ういわゆるインクジェット方式の印刷装置においては、特に印刷結果の高画質化が要求されるから、上記手段によるメリットがより大きくなる。
また、上記においては、ユーザの要求に基づいて、印刷ズレ調整を行うこととしたが、ユーザの指示無しに自動的に行うようにしてもよい。また、印刷装置がユーザの手に渡る前、例えば出荷時等に上記調整検査を行うこととしてもよい。
各色のノズル全部について、ドットサイズ毎に一つの補正値に従って補正することとしてもよいし、独立にインク滴吐出タイミングの補正ができるノズル群毎に、独立にドットサイズ毎の補正値を設定してもよい。また、同一のインクを吐出するノズル列のグループ毎に補正値を独立に設定するようにしてもよい。例えば、特定のインクを吐出するノズル列が2組設けられている場合には、その2組のノズルに対しては同一の補正値を適用するようにしてもよい。
上記実施の形態では、復路の吐出タイミングを調整することによって位置ズレを補正していたが、往路の吐出タイミングを調整することによって位置ズレを補正するようにしてもよい。また、往路と復路の吐出タイミングの両方を調整することによって位置ズレを補正するようにしてもよい。すなわち、往路と復路の吐出タイミングの少なくとも一方を調整することによって位置ズレを補正するようにすればよい。
上記の実施の形態では、双方向印刷を行う際のドット形成位置のズレの補正に関して説明したが、本発明は、単方向印刷を行う際の、ある色のドット形成位置と他の色のドット形成位置のズレの補正(いわゆる「UNI―D補正」)についても適用可能である。この場合には、第1色のインクのドット形成位置と第2色のインクのドット形成位置とのズレを補正するための補正用パターンを被印刷体に印刷する際に、第1色インクを吐出する吐出ヘッド及び第2色インクを吐出する吐出ヘッドからあるサイズのインク滴を吐出して印刷された前記補正用パターンを構成するドットの副走査方向における間隔が、これらの吐出ヘッドから他のサイズのインク滴を吐出して印刷された前記補正用パターンを構成するドットの副走査方向における間隔と異なることとすればよい。
また、前述した実施の形態においては、前記吐出ヘッドからあるサイズのインク滴を吐出して印刷された前記補正用パターン、を構成するドットの副走査方向における間隔が、前記吐出ヘッドから他のサイズのインク滴を吐出して印刷された前記補正用パターン、を構成するドットの副走査方向における間隔と異なることとしたが、前記吐出ヘッドからあるサイズのインク滴を吐出して印刷された前記補正用パターン、を構成するドットの重ね打ち回数が、前記吐出ヘッドから他のサイズのインク滴を吐出して印刷された前記補正用パターン、を構成するドットの重ね打ち回数と異なることとしてもよい。
ドットの副走査方向の間隔をドットサイズに応じて適宜設定することにより、パターンの濃淡の差を適切なものとすることができるが、ドットの重ね打ち回数をドットサイズに応じて適宜設定することによっても、パターンの濃淡の差を適切なものとすることが可能となる。例えば、小ドットは、媒体上の同じ位置に対して、2つ又は3つ重ねて形成し、大ドットは、媒体上の同じ位置に対して、1つのみ形成すること等により、小ドット大ドット共に適切な濃淡のパターンを作成できる。
上記実施の形態において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
22 カラープリンタ、23 紙送りモータ、24 キャリッジモータ、26 プラテン、29 反射型光学センサ、29a 発光部、29b 受光部、31 キャリッジ、32 操作パネル、34 摺動軸、36 駆動ベルト、38 プーリ、39 位置検出センサ、40 制御回路、41 CPU、43 PROM、44 RAM、45 キャラクタジェネレータ(CG)、50 I/F専用回路、52 ヘッド駆動回路、54 モータ駆動回路、56 コネクタ、60 吐出ヘッドユニット、61〜66 吐出ヘッド、67 導入管、68 インク通路、71,72 インク用カートリッジ、90 コンピュータ、204 マスク回路、206 原駆動信号発生部、230 駆動信号補正部。

Claims (5)

  1. 複数サイズのインク滴を選択的に吐出して被印刷体にドットを形成するための吐出ヘッドと、
    前記吐出ヘッドとともに主走査方向へ移動可能な濃度検知部材と、
    前記被印刷体を前記主走査方向に交差する副走査方向に搬送する副走査送り機構と、
    を有し、
    前記主走査方向のドット形成位置のズレを補正するための補正用パターンを被印刷体に印刷する印刷装置において、
    前記濃度検知部材は、前記補正用パターンの濃度を検知した結果に基づいて、前記ドット形成位置のズレを補正し、
    前記補正用パターンは、第1のサイズのドットから構成される第1の補正用パターンと、第2のサイズのドットから構成される第2の補正用パターンとを含み、
    前記第1のサイズは、前記第2のサイズよりも小さく、
    前記第1の補正用パターンを構成する前記第1のサイズのドットの重ね打ち回数は、前記第2の補正用パターンを構成する前記第2のサイズのドットの重ね打ち回数よりも多い、印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置において、
    前記補正用パターンは、複数のサブパターンを有し、
    各サブパターンは、ドットが前記主走査方向及び副走査方向に配列されて構成されてい
    ることを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項2に記載の印刷装置において、
    前記サブパターンは、主走査の往路にて所定間隔で形成された往路ドット、及び、主走査の復路にて所定間隔で形成された復路ドット、を有しており、
    往路ドット形成位置と復路ドット形成位置のズレ量は、前記各サブパターンによって異なることを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項3に記載の印刷装置において、
    ユーザが選択した2つのサブパターンを特定する情報を受け付けた場合に、当該2つの各サブパターンが有する復路ドットを形成した吐出タイミングの中間値を、前記ドット形成位置のズレを補正するための補正値とすることを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記第1の補正用パターンの前記副走査方向のドット間隔は、前記第2の補正用パターンの前記副走査方向のドット間隔よりも小さく、
    前記第1の補正用パターンの前記主走査方向のドット間隔は、前記第2の補正用パターンの前記主走査方向のドット間隔と同じであり、
    前記第1の補正用パターンの前記主走査方向のドット間隔は、前記第1の補正用パターンの前記副走査方向のドット間隔の2倍以上であり、
    前記第2の補正用パターンの前記主走査方向のドット間隔は、前記第2の補正用パターンの前記副走査方向のドット間隔の2倍以上であることを特徴とする印刷装置。
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