JP4789329B2 - 二層フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液状保存安定性に優れ且つ基材との密着力が低い硬化物を提供する液状硬化性樹脂組成物を用いた二層フィルムに関する。さらに詳しくは、光ファイバテープ芯線用被覆材として好適な液状硬化性樹脂組成物を用いた二層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバの製造においては、ガラスファイバを熱溶融紡糸した直後に、保護補強を目的として樹脂被覆が施される。この樹脂被覆としては、一般的にガラスファイバの表面にまず柔軟な第一次の被覆層を設け、その外側により剛性の高い第二次の被覆層を設ける二層被覆構造が知られている。また、これら樹脂被覆の施された光ファイバを実用に供するため、平面上に数本、例えば4本または8本並べ、結束材料で固めて断面が長方形のテープ状構造にした、いわゆる光ファイバテープ芯線を作ることが知られている。光ファイバテープ芯線においては、それぞれの光ファイバの識別のために光ファイバは着色される。着色は通常紫外線硬化性のインキを用いて行われる。そして、上記第一次の被覆層を形成するための樹脂組成物をソフト材、第二次の被覆層を形成するための樹脂組成物をハード材、着色層を形成するための樹脂組成物をUVインキ、光ファイバ素線を束ねてテープ芯線を作るための結束材料をテープ材と称している。また、テープ芯線をさらに結束させて、多芯テープ化する構造も知られており、このための結束材料をバンドリング材と称している。
【0003】
このような光ファイバ用被覆材料として用いられている硬化性樹脂には、常温で液状であって塗布性に優れた低い粘度を示すこと;液状物は保存安定性が良好で組成分布を生じないこと;硬化が速く生産性が良好であること;充分な強度、柔軟性を有すること;広い範囲の温度変化に伴う物性変化が少ないこと;耐熱性、耐加水分解性に優れていること;経時的物性変化が少なく、長期信頼性に優れていること;酸、アルカリ等の薬品に対する耐性に優れていること;吸湿、吸水性が低いこと;耐光性に優れていること;耐油性に優れていること;光ファイバに悪影響を及ぼす水素ガスの発生量が少ないこと等の特性が要求されている。
光ファイバテープ芯線は、接続のために末端においてはテープ被覆を除去し、光ファイバは一本ずつに分離される。分離時にテープ材は完全に光ファイバの着色層から除去されなければならない。もし、テープ材に着色層が密着していると、分離が困難になったり、ハード材層から着色層が脱落して光ファイバの識別が不能になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
それ故、本発明の目的は、光ファイバテープ芯線の分離時に、テープ材と着色層が完全に分離するような特性を持つテープ材を与えることのできる液状硬化性樹脂組成物の塗布硬化層を持つ二層フィルムを提供することにある。本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろう。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、
第1に、(1)(A)ポリオール化合物、(B)ポリイソシアネート化合物および(C)水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート 30〜80重量%、
(2)下記式(1)
【0006】
【化2】
【0007】
で表される2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、0.01〜10重量%および(3)、成分(1)と共重合可能な重合性単官能ビニルモノマーを含む重合性希釈剤 10〜50重量%[ただし、成分(1)、成分(2)および成分(3)の合計を100重量%とする]、を含有する液状硬化性樹脂組成物を
上記式(1)で表される化合物を含むUV硬化性樹脂の硬化フィルム上に塗布して硬化させて得られる二層フィルムによって達成される。この二層フィルムのT−ピール強度は1.8g/cm以下である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の成分(1)として用いられるウレタン(メタ)アクリレートは、(A)ポリオール化合物、(B)ポリイソシアネート化合物および(C)水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させることにより製造される。
この反応の実施方法としては、例えばポリオール、ポリイソシアネートおよび水酸基含有(メタ)アクリレートを一括に仕込んで反応させる方法;先ずポリオールおよびポリイソシアネートを反応させ、次いで水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法;先ずポリイソシアネートおよび水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いでポリオールを反応させる方法;先ずポリイソシアネートおよび水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いでポリオールを反応させ、最後にまた水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法が挙げられる。
【0009】
ここで(A)成分のポリオールとしては、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリカプロラクトンジオール等のうちのポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキシド1モル付加ジオールおよびポリテトラエチレングリコールから選択される。これらのポリオールは、2種以上を併用することもできる。これらのポリオールにおける構造単位の結合様式は特に限定されず、ランダム結合、ブロック結合、グラフト結合のいずれであってもよい。
【0010】
ポリエーテルジオールとしては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、ポリヘプタメチレングリコール、ポリデカメチレングリコールあるいは2種以上のイオン重合性環状化合物を開環共重合させて得られるポリエーテルジオール等が挙げられる。上記イオン重合性環状化合物としては、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブテン−1−オキシド、イソブテンオキシド、3,3−ビスクロロメチルオキセタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン、テトラオキサン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、エピクロルヒドリン、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルカーボネート、ブタジエンモノオキシド、イソプレンモノオキシド、ビニルオキセタン、ビニルテトラヒドロフラン、ビニルシクロヘキセンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、安息香酸グリシジルエステル等の環状エーテル類が挙げられる。上記2種以上のイオン重合性環状化合物の具体的な組み合わせとしては、例えばテトラヒドロフランとプロピレンオキシド、テトラヒドロフランと2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランとエチレンオキシド、プロピレンオキシドとエチレンオキシド、ブテン−1−オキシドとエチレンオキシドの如き二元共重合体あるいはテトラヒドロフランとブテン−1−オキシドとエチレンオキシド、テトラヒドロフランとブテン−1−オキシドとエチレンオキシドの如き三元共重合体等を挙げることができる。また、上記イオン重合性環状化合物とエチレンイミンなどの環状イミン類、β−プロピオラクトン、グリコール酸ラクチド等の環状ラクトン酸類、あるいはジメチルシクロポリシロキサン類とを開環共重合させたポリエーテルジオールを使用することもできる。これらのイオン重合性環状化合物の開環共重合体はランダムに結合していてもよいし、ブロック状に結合していてもよい。
【0011】
上記ポリエーテルジオールのうち市販品としては、例えばPTMG1000、PTMG2000(以上、三菱化学(株)製)、PPG1000、エクセノール2020、1020(以上、旭オーリン(株)製)、PEG1000、ユニセーフDC1100、DC1800(以上、日本油脂(株)製)、PTG1000、PTG2000、PTG3000、PPTG2000、PPTG1000、PTGL1000、PTGL2000(以上、保土谷化学工業(株)製)、Z−3001−4、Z−3001−5、PBG2000A、PBG2000B(以上、第一工業製薬(株)製)、ACCLAIM2200、3201、4200、6300、8200(以上ライオンデール社製)等が挙げられる。
【0012】
ポリエステルジオールとしては、多価アルコールと多塩基酸とを反応させて得られるポリエステルジオール等が挙げられる。多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等が挙げられる。多塩基酸としては、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマール酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられる。
【0013】
上記ポリエステルジオールのうち市販品としては、例えばクラポールP−2010、P−1010、L−2010、L−1010、A−2010、A−1010、F−2020、F−1010、PMIPA−2000、PKA−A、PNOA−2010、PNOA−1010(以上、(株)クラレ製)等が挙げられる。
また、ポリカーボネートジオールとしては、例えばポリテトラヒドロフランのポリカーボネート、ポリ(ヘキサンジオールカーボネート)、ポリ(ノナンジオールカーボネート)、ポリ(3−メチル−1,5−ペンタメチレンカーボネート)等が挙げられる。
【0014】
上記ポリカーボネートジオールのうち市販品としては、例えばDN−980、DN−981、DN−982、DN−983(以上、日本ポリウレタン(株)製)、PMC−2000、PMC−1000、PNOC−2000、PNOC−1000(以上、(株)クラレ製)、プラクセルCD220、CD210、CD220PL、CD210PL、CD220HL、CD210HL(以上、ダイセル化学工業(株)製)、PC−8000(米国PPG社製)、PC−THF−CD(BASF社製)等が挙げられる。
【0015】
さらにポリカプロラクトンジオールとしては、例えばε−カプロラクトンとジオールとを反応させて得られるポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。上記ジオールとしては、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,2−ポリブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ブタンジオール等が挙げられる。
上記ポリカプロラクトンジオールのうち市販品としては、例えばプラクセル240、230、230ST、220、220ST、220NP1、212、210、220N、210N、L230AL、L220AL、L220PL、L220PM、L212AL(以上、ダイセル化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0016】
(A)成分としての上記以外のポリオールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ジシクロペンタジエンのジメチロール化合物、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、β−メチル−δ−バレロラクトンの開環重合物、ヒドロキシ末端ポリブタジエン、ヒドロキシ末端水添ポリブタジエン、ひまし油変性ジオール、水添ひまし油変性ポリオール、ポリジメチルシロキサンの末端ジオール化合物、ポリジメチルシロキサンカルビトール変性ジオール等が挙げられる。
【0017】
また、上記の如きポリオールとともに、ジアミンを併用することも可能である。このようなジアミンとしては、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等のジアミンやヘテロ原子を含むジアミン、ポリエーテルジアミン等が挙げられる。
ポリオールの好ましい分子量は、ポリスチレン換算数平均分子量で好ましくは500〜20,000であり、特に好ましくは650〜15,000である。
【0018】
また、(B)成分のポリイソシアネート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、リジンイソシアネート等のうちのトリレンジイソシアネートである。
【0019】
さらに、(C)成分の水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルフォスフェート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、下記式(2)または(3)
H2C=C(R1)COOCH2CH2(OCOCH2CH2CH2CH2CH2)nOH ・・・ (2)
H2C=C(R1)COOCH2CH(OH)CH2OC6H5・・・ (3)
(式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、nは1〜15の数を示す)
で表される(メタ)アクリレート等のうちのトリシクロデカンジメタノールジアクリレートおよび2−ヒドロキシエチルアクリレートから選択される。また、アルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有化合物と、(メタ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物も同様に使用することができる。これら水酸基含有(メタ)アクリレートは1種または2種以上を併用してもよい。
【0020】
ウレタン(メタ)アクリレート(1)を製造するに際して、ポリオール(A)、ポリイソシアネート化合物(B)および水酸基含有(メタ)アクリレート(C)のそれぞれの使用割合は、ポリオールに含まれる水酸基1当量に対してポリイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基が1.1〜3当量、水酸基含有(メタ)アクリレートの水酸基が0.1〜1.5当量となるようにするのが好ましい。
上記3成分の反応においては、通常、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、ジラウリル酸ジ−n−ブチル錫、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン−2−メチルトリエチレンアミン等のウレタン化触媒が反応試剤の総量に対して0.01〜1重量%の量で用いられる。なお、反応温度は、通常10〜90℃、特に30〜80℃で行うのが好ましい。
【0021】
本発明で用いられるウレタン(メタ)アクリレート(1)の好ましい数平均分子量は100から40,000であり、特に好ましくは500〜30,000である。ウレタン(メタ)アクリレートの数平均分子量が100未満であると、得られる硬化物のヤング率が増加する傾向にあり、逆に数平均分子量が40,000を越えると組成物の粘度が高くなり取り扱いにくくなり易い。
このようにして得られるウレタン(メタ)アクリレートの本発明組成物における配合割合は、成分(1)、(2)および(3)の合計重量を基準にして30〜80重量%である。光ファイバに被覆する際の塗工性、硬化後の被覆材料の柔軟性、長期信頼性をより高い水準に維持するためには40〜70重量%とするのがより好ましい。(1)成分の配合割合が30重量%未満であると、得られる組成物の靱性が減少し、逆に80重量%を超えると組成物の粘度が上昇し、取り扱い性が悪くなる。
【0022】
本発明において成分(2)として用いられる、上記式(1)で表される化合物である2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オンは、市販のイルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)として入手することができる。配合割合は、成分(1)、(2)および(3)の合計重量を基準にして0.01〜10重量%であり、好ましくは0.5〜1重量%であり、より好ましくは0.6〜0.8重量%である。(2)成分の配合割合が0.01重量%未満となると、基材との密着力が高くなる。また、10重量%を越えると組成物の黄色度が大きくなり、得られる光ファイバテープ芯線の外観を悪化させてしまう。
本発明の成分(3)は、成分(1)と共重合可能な成分(1)以外の、分子中に1つの重合性ビニル基を有する重合性単官能ビニルモノマーまたはそれと分子中に複数の重合性ビニル基を有する重合性多官能ビニルモノマーとの組み合わせから選ばれる反応性希釈剤である。
【0023】
本発明の成分(3)の反応性希釈剤のうち、重合性単官能ビニルモノマーとしては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン等のビニルモノマー;イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシブチルビルエーテル、ラウリルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテルおよび下記式(4)〜(6)
CH2=C(R2)-COO(R3O)m-R4・・・ (4)
(式中、R2は水素原子またはメチル基を示し、R3は炭素数2〜6、好ましくは2〜4のアルキレン基を示し、R4は水素原子または炭素数1〜12のアルキル基あるいは芳香環を有する有機基を示し、mは0〜12、好ましくは1〜8の数を示す)
【0024】
【化3】
【0025】
(式中、R2は前記と同じ意味を有し、R5は炭素数2〜8、好ましくは2〜5のアルキレン基を示し、pは1〜8、好ましくは1〜4の数を示す)
【0026】
【化4】
【0027】
(式中、R2、R5およびpは前記と同じ意味を有し、R6は水素原子またはメチル基を示す)
で表されるアクリレートモノマー等のうちのトリシクロデカンジメタノールジアクリレート、イソボルニルアクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド1モル付加ジオールのジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ラウリルアクリレートおよびトリシクロデカンジアクリレートから選択される。
【0028】
重合性単官能ビニルモノマーの市販品としては、例えばアロニックス M−102、M−110、M−111、M−113、M−117(以上、東亜合成(株)製)、LA、IBXA、ビスコート #190、#192、#2000(以上、大阪有機化学工業(株)製)、ライトアクリレート EC−A、PO−A、NP−4EA、NP−8EA、M−600A、HOA−MPL(以上、共栄社化学(株)製)、カヤラッド TC110S、R629、R644(以上、日本化薬(株)製)等が挙げられる。
【0029】
また、重合性多官能ビニルモノマーとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドの付加体であるジオールのジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドの付加体であるジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリレートを付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレン化ビスフェノールAのジアクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル等のアクリレート化合物が挙げられる。
【0030】
重合性多官能ビニルモノマーの市販品としては、例えばユピマーUV SA1002、SA2007(以上、三菱化学(株)製)、ビスコート #195、#230、#215、#260、#335HP、#295、#300、#700(大阪有機化学工業(株)製)、ライトアクリレート 4EG−A、9EG−A、NP−A、DCP−A、BP−4EA、BP−4PA、PE−3A、PE−4A、DPE−6A(以上、共栄社化学(株)製)、カヤラッド R−604、DPCA−20、−30、−60、−120、HX−620、D−310、D−330(以上、日本化薬(株)製)、アロニックス M−208、M−210、M−215、M−220、M−240、M−305、M−309、M−315、M−325(以上、東亜合成(株)製)等が挙げられる。
【0031】
これらの重合性希釈剤は、全樹脂組成物中に10〜50重量%、特に15〜50重量%配合するのが好ましい。50重量%を超えると十分な靱性を硬化物に付与することができない場合があるので好ましくない。重合性希釈剤中の重合性単官能ビニルモノマーと重合性多官能ビニルモノマーとは、60〜100/40〜0の重量比、好ましくは65〜100/35〜0の重量比である。重合性単官能ビニルモノマーの割合が60重量%未満であると、ヤング率が高くなり、本発明の硬化物が必要とする性質が得られないことがある。
【0032】
本発明の液状硬化性樹脂組成物は、熱および/または放射線によって硬化される。ここで放射線とは、赤外線、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等をいう。
本発明の液状硬化性樹脂組成物には、重合開始剤を加えて用いることができる。この重合開始剤としては、熱重合開始剤または光重合開始剤を用いることができる。
そして、本発明の液状硬化性樹脂組成物を熱硬化させる場合には、通常、過酸化物、アゾ化合物等の熱重合開始剤が用いられる。具体的には、例えばベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルーオキシベンゾエート、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
【0033】
また、本発明の液状硬化性樹脂組成物を放射線によって硬化させる場合には、光重合開始剤を用い、必要に応じて、さらに光増感剤を添加する。ここで、光重合開始剤としては、例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、べンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシド等が挙げられる。
【0034】
光重合開始剤の市販品としては、例えばイルガキュア184、369、651、500、1700、1750、1850、819、907、CG24−61、ダロキュア1116、1173(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、ルシリンTPO、LR8728(BASF社製)、ユベクリルP36(UCB社製)等が挙げられる。
また、光増感剤としては、例えばトリエチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、エタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等が挙げられ、市販品としては、例えばユベクリルP102、103、104、105(以上、UCB社製)等が挙げられる。
【0035】
本発明の液状硬化性樹脂組成物を熱および放射線を併用して硬化させる場合には、前記熱重合開始剤と光重合開始剤を併用することもできる。重合開始剤は、全組成中に成分(1)、(2)および(3)の合計100重量部を基準にして0.1〜10重量部、特に0.5〜7重量部配合するのが好ましい。
本発明の液状硬化性樹脂組成物には、前記成分以外に、必要に応じて本発明の液状硬化性樹脂組成物の特性を損なわない範囲で硬化性の他のオリゴマーまたはポリマーを配合することができる。
前述の硬化性の他のオリゴマーまたはポリマーとしては、例えばポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリアミド(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシロキサンポリマー、グリシジルメタアクリレートとそのほかの重合性モノマーとの共重合体と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる反応性ポリマー等が挙げられる。
また、本発明の液状硬化性樹脂組成物には、光ファイバーの伝送損失の原因となる水素ガスの発生を抑えるためにアミンを併用することが可能である。このようなアミンとしては、例えばジアリルアミン、ジイソプロピルアミン、ジエチルアミン、ジエチルヘキシルアミン等が挙げられる。
【0036】
また、上記成分以外に各種添加剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シランカップリング剤、塗面改良剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、着色剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、溶媒、フィラー、老化防止剤、濡れ性改良剤等を必要に応じて配合することができる。ここで、酸化防止剤としては、例えばイルガノックス1010、1035、1076、1222、1520(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、アンチゲンP、3C、FR、GA−80(住友化学工業(株)製)等が挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えばチヌビン P、234、320、326、327、328、329、213(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、シーソルブ102、103、110、501、202、712、704(以上、シプロ化成(株)製)等が挙げられる。光安定剤としては、例えばチヌビン292、144、622LD(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、サノールLS770(三共(株)製)、スミソーブ TM−061(住友化学工業(株)製)等が挙げられる。シランカップリング剤としては、例えばγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、市販品として、SH6062、6030(以上、東レ・ダウ コーニング・シリコーン(株)製)、KBE903、603、403(以上、信越化学工業(株)製)等が挙げられる。塗面改良剤としては、例えばジメチルシロキサンポリエーテル等のシリコーン添加剤が挙げられ、市販品としてはDC−57、DC−190(以上、ダウコーニング製)、SH一28PA、SH−29PA、SH−30PA、SH−190(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、KF351、KF352、KF353、KF354(以上、信越化学工業(株)製)、L−700、L−7002、L−7500、FK−024−90(以上、日本ユニカー(株)製)等が挙げられる。
【0037】
本発明の液状硬化性樹脂組成物の粘度は、好ましくは200〜20,000mPa・s/25℃、特に好ましくは2,000〜15,000mPa・s/25℃である。
本発明の液状硬化性樹脂組成物を放射線あるいは熱で硬化して得られた硬化物の23℃におけるヤング率は40〜150kg/mm2の範囲内にあるのが好ましく、50〜120kg/mm2の範囲内にあるのがさらに好ましい。
また、上記式(1)の化合物を含むUV硬化性樹脂の硬化フィルム上に本発明の組成物を塗布して硬化させて得られる二層フィルムをT−ピール試験で引き剥がす時の応力は1.8g/cm以下であり、好ましくは1.5g/cm以下、特に好ましくは1.3g/cm以下である。これらの値は実施例中に記載のT−ピール強度の測定法による。
【0038】
【実施例】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0039】
実施例1および比較例1
(1)樹脂組成物1および1aの合成
撹拌機を備えた反応容器にトリレンジイソシアネート14.5重量%、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(三菱化学(株)製 SA1002)11.3重量%、ジラウリル酸ジ−n−ブチル錫0.04重量%、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.02重量%を仕込み、5〜10℃に冷却した。撹拌しながら温度が10℃以下に保たれるように2−ヒドロキシエチルアクリレート12.7重量%を滴下した。滴下終了後、30℃で1時間反応させた。次に、ビスフェノールAのエチレンオキシド1モル付加ジオール(日本油脂(株)製、DA400)7.0重量%と数平均分子量2,000のポリテトラメチレングリコール22.5重量%を加え、50〜70℃で2時間反応を続け、残留イソシアネートが0.1重量%以下になった時を反応終了とした。
【0040】
さらに70℃で撹拌しながら、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(三菱化学(株)製 SA1002)4.9重量%、N−ビニルピロリドン(ISPジャパン社製)8.9重量%、イソボルニルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製、IBOA)7.7重量%、ビスフェノールAのエチレンオキシド1モル付加ジオールのジアクリレート(大阪有機化学工業(株)製、ビスコート700)7.0重量%、イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)2.9重量%、イルガノックス1035(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)2.9重量%を添加して均一溶液になるまで撹拌を継続した。得られた樹脂組成物を1とする。この樹脂組成物に対して0.5重量%のイルガキュア907をさらに添加して、50℃で均一溶液になるまで撹拌して樹脂組成物1aを得た。
【0041】
(2)樹脂組成物2および2a、2bの合成
撹拌機を備えた反応容器にトリレンジイソシアネート18.4重量%、イソボルニルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製 IBOA)10.9重量%、ジラウリル酸ジ−n−ブチル錫0.05重量%、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.02重量%を仕込み、5〜10℃に冷却した。撹拌しながら温度が10℃以下に保たれるように2−ヒドロキシエチルアクリレート17.4重量%を滴下した。滴下終了後、30℃で1時間反応させた。次に数平均分子量1,000のポリテトラメチレングリコール30.6重量%を加え、50〜70℃で2時間反応を続け、残留イソシアネートが0.1重量%以下になった時を反応終了とした。
【0042】
さらに70℃で撹拌しながら、N−ビニルピロリドン(ISPジャパン社製)4.8重量%、トリメチロールプロパントリアクリレート(大阪有機化学工業(株)製、ビスコート295)14.5重量%、イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)2.9重量%、イルガノックス1035(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)2.9重量%を添加して均一溶液になるまで撹拌を継続した。得られた樹脂組成物を2とする。この樹脂組成物に対して0.5重量%のイルガキュア907をさらに添加して、50℃で均一溶液になるまで撹拌して樹脂組成物2aを得た。また、樹脂組成物2に対して1.0重量%のイルガキュア907を添加して樹脂組成物2bを得た。
【0043】
(3)試験例
上記例で示した液状硬化性樹脂組成物を以下のような方法で硬化させ、試験片を作製し、下記の如く評価を行った。この結果を表2に示した。
1.ヤング率の測定
250ミクロン厚用のアプリケーターバーを用いてガラス板上に液状硬化性樹脂組成物を塗布した。これを空気下で1J/cm2のエネルギーの紫外線を照射した。この硬化物を室温23℃、相対湿度50%雰囲気下で12時間以上状態調節した後、試験片を作製した。JIS K7113に準拠し、23℃におけるヤング率を測定した。ただし、引張り速度は1mm/minであり、2.5%歪みでの引張り応力よりヤング率を算出した。
2.UV硬化性樹脂フィルムとの密着力(T−ピール強度)の測定
ガラス板上に下記表1に示す組成のUV硬化性樹脂をバーコーターで約50μmの厚さに塗布し、0.20J/cm2のエネルギーの紫外線を窒素下で照射した。さらに、硬化したUV硬化性樹脂の上に本発明の樹脂組成物をアプリケーターバーを用いて50μm厚に塗布し、0.20J/cm2または0.40J/cm2のエネルギーの紫外線を空気下で照射した。二層に硬化したフィルムは、2cm幅に切り出して、本発明の樹脂組成物から得られたフィルムとUV硬化性樹脂の密着力を180°ピール法(引っ張り速度100mm/min)で測定した。
【0044】
【表1】
【0045】
結果を表2に示す。なお、参考に0.40J/cm2のエネルギーの紫外線を空気中で照射した時のT−ピール強度も表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】
実施例2および比較例2
(1)樹脂の合成
UA−1の合成:
撹拌機を備えた反応容器にトリレンジイソソアネート35.5重量部、ジラウリル酸ジ−n−ブチル錫0.04重量部および2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.02重量部仕込み、5〜10℃に冷却した。撹拌しながら温度が30℃以下に保たれるように2−ヒドロキシエチルアクリレート23.7重量%を滴下した。滴下終了後、30℃で1時間反応させた。次にビスフェノールAのエチレンオキシド付加ジオール(分子量400)40.8重量部を加え、50〜70℃で2時間反応を続け、残留イソシアネートが0.1重量部以下になった時点を反応終了とした。
【0048】
UA−2の合成:
撹拌機を備えた反応容器にトリレンジイソソアネート13.5重量部、ジラウリル酸ジ−n−ブチル錫0.04重量部および2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.02重量部仕込み、5〜10℃に冷却した。撹拌しながら温度が30℃以下に保たれるように2−ヒドロキシエチルアクリレート9.0重量部を滴下した。滴下終了後、30℃で1時間反応させた。次にポリテトラエチレングリコール(分子量2000)77.5重量部を加え、50〜70℃で2時間反応を続け、残留イソシアネートが0.1重量部以下になった時点を反応終了とした。
【0049】
UA−3の合成:
撹拌機を備えた反応容器にトリレンジイソソアネート42.9重量部、ジラウリル酸ジ−n−ブチル錫0.04重量部および2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.02重量部仕込み、5〜10℃に冷却した。撹拌しながら温度が30℃以下に保たれるように2−ヒドロキシエチルアクリレート57.1重量部を滴下した。滴下終了後、30〜70℃で反応を続け、残留イソシアネートが0.1重量部以下になった時点を反応終了とした。
【0050】
(2)樹脂組成物の製造
下記表3中の各成分を攪拌機を備えた反応容器に仕込み、温度50〜70℃に制御しながら3時間攪拌して、目的とする液状硬化性樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、表3に従い、樹脂組成物3aおよび樹脂組成物3とする。
樹脂組成物3aおよび樹脂組成物3について、実施例1と同様にして、ヤング率およびT−ピール強度を測定した。結果を表3に示した。
【0051】
【表3】
【0052】
表3中、樹脂組成物に関する右2列の数字は、樹脂組成物の成分量(重量%)を表している。
【0053】
【発明の効果】
本発明の二層フィルムは、基材となるUVインキの着色層に対する密着力が低く、光ファイバテープ芯線のテープ材に好適な特性を示す。
Claims (4)
- (1)(A)ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキシド1モル付加ジオールおよびポリテトラエチレングリコールから選択されるポリオール化合物、(B)トリレンジイソシアネートであるポリイソシアネート化合物および(C)トリシクロデカンジメタノールジアクリレートおよび2−ヒドロキシエチルアクリレートから選択される水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート30〜80重量%、
(2)下記式(1)
(3)トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、イソボルニルアクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド1モル付加ジオールのジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ラウリルアクリレートおよびトリシクロデカンジアクリレートから選択される、成分(1)と共重合可能な重合性単官能ビニルモノマーを含む重合性希釈剤10〜50重量%[ただし、成分(1)、成分(2)および成分(3)の合計を100重量%とする]、
を含有する液状硬化性樹脂組成物を
上記式(1)で表される化合物を含むUV硬化性樹脂の硬化フィルム上に塗布して硬化させて得られることを特徴とする、二層フィルム。 - 上記液状硬化性樹脂組成物が上記式(1)で表される化合物を0.5〜1重量%で含有する、請求項1に記載の二層フィルム。
- 請求項1または2に記載の二層フィルムからなる、光ファイバテープ芯線用被覆。
- 請求項3に記載の光ファイバテープ芯線用被覆を有する光ファイバテープ芯線。
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