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JP4691951B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真複写機やプリンタ等の画像形成装置に関し、特に、記録紙を静電吸着して、搬送しながらトナー像を記録紙に転写する転写搬送ベルトを備えた画像形成装置に関する。
電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置では、例えばドラム状に形成された感光体(感光体ドラム)を一様に帯電し、この感光体ドラムを画像情報に基づいて制御された光で露光して感光体ドラム上に静電潜像を形成する。そして、この静電潜像をトナーによって可視像(トナー像)とし、転写装置によってこのトナー像を感光体ドラム上から記録紙に転写した後、定着装置により加熱および加圧することでトナー像を記録紙に定着している。
かかる画像形成装置に用いられる転写装置においては、近年、転写搬送ベルトを感光体ドラムに当接させるように配設し、転写搬送ベルトを移動させながら、この転写搬送ベルトと感光体ドラムとの当接領域(転写ニップ部)に記録紙を挟持させるとともに、転写搬送ベルトに転写バイアスを印加して、感光体ドラム上のトナー像を記録紙上に転写する方式のものが実用化されている。
このような転写搬送ベルトを用いた転写装置では、従来のコロナ帯電方式と比べて、高電圧電源を必要としないことから装置の小型化や製造コストの低減化が可能である。またオゾンの発生が極めて少なく、加えて、紙粉やトナー等の付着による汚れに対しても転写性能が安定している等の利点もある。さらに、転写搬送ベルト周りをユニット化して、感光体ドラムと接離可能に構成したり、画像形成装置の前面側から引き出せるように構成することも可能であることから、記録紙の搬送経路において紙詰まり(ジャム)が生じた場合にジャム処理が容易である。また、画像形成装置の占有面積の縮小化を図ることも可能である。
ところが、転写搬送ベルトを用いた転写装置では、転写搬送ベルトが転写ニップ部において感光体ドラムと当接するように構成されているため、感光体ドラム上におけるイメージ領域とイメージ領域との間のインターイメージ領域が転写ニップ部を通過する際に、転写搬送ベルトと感光体ドラムとが記録紙を介することなく直接当接する。そのため、感光体ドラム上のインターイメージ領域に付着しているトナーが転写搬送ベルト上に転移し、転写搬送ベルト表面がトナーで汚れてしまうこととなる。このような転写搬送ベルト表面に付着したトナーは、新たに搬送されてくる記録紙の裏面を汚し、画像品質を低下させる。さらには、転写搬送ベルトが記録紙を担持する際において、転写搬送ベルト表面に紙粉が付着することもある。そこで、かかる転写装置では、転写搬送ベルト表面からトナーや紙粉等の付着物を除去するベルトクリーニング装置を配設している。
ここで、転写搬送ベルト表面に付着したトナー等をクリーニングするベルトクリーニング装置に関する従来技術として、クリーニングブレードの上流側に、回転可能であって、転写搬送ベルトの表面に摺接させて配置したスポンジロールやブラシロールを備えた構成のクリーニング装置に関する技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。
このようなクリーニングブレードとその上流側に配置したスポンジロール等とによって転写搬送ベルト表面をクリーニングする方式では、まずスポンジロール等が転写搬送ベルト表面と摺擦することでトナーや紙粉等を除去し、そこで除去しきれなかったトナー等をクリーニングブレードで完全に除去するので、転写搬送ベルト表面を効果的にクリーニングすることができる利点を有している。ところが、このような構成では、例えば画像比率の少ない画像を連続的にプリントする場合等においては、転写搬送ベルト表面に付着するトナー等も少なくなるので、スポンジロール等でトナー等が除去された後に、クリーニングブレードにまで達するトナー等は極めて少量となる。その場合には、クリーニングブレードと転写搬送ベルトとの当接部において潤滑剤として作用するトナーの滞留量が少なくなり、クリーニングブレードと転写搬送ベルト表面との間の摩擦力が高まることとなる。その結果、クリーニングブレードの先端部が転写搬送ベルトの移動に引き摺られて湾曲する、所謂「ブレードめくれ」が生じ易くなるという問題がある。
そこで、このような転写搬送ベルトに当接させたクリーニングブレードでのブレードめくれを抑える従来技術として、クリーニングブレードの上流側であって、転写搬送ベルトの外周上に、バイアス電圧を印加可能な現像剤保持部材としての保持ブラシを配設したものが提案されている。この技術では、記録紙が転写搬送ベルト上にない紙間隔や、通紙前、通紙後等に、画像形成手段を動作させて感光体ドラム上に線画像を形成し、この線画像を転写搬送ベルト上の幅方向に転写させる。そして、このようにして転写搬送ベルト上に供給したトナーを、保持ブラシにバイアス電圧を印加することによってある程度の量を保持ブラシに吸着させた後、必要に応じて保持ブラシをフロートに切り替え、トナーを保持ブラシから徐々に転写搬送ベルト上に付着させている。それにより、クリーニングブレードと転写搬送ベルトとの当接部にトナーを供給して、クリーニングブレードと転写搬送ベルト表面との間の摩擦力の上昇を抑え、ブレードめくれの発生を抑制している(例えば、特許文献2参照)。
特開平10−171270号公報(第3−4頁) 特開平10−186881号公報(第6−7頁)
しかしながら、特許文献2に記載された技術のように、転写搬送ベルトとクリーニングブレードとの当接部にトナーを供給するために、クリーニングブレードの上流側に保持ブラシのような現像剤保持部材を配設した場合には、クリーニングブレードの上流側においては、クリーニングブレードによるクリーニングの前段階としてのクリーニングブラシ等を設けることがスペース的にも機能的にも困難となる。そのため、クリーニングブラシ等とクリーニングブレードとの協働による効果的なクリーニングを行なうことができない。したがって、かかる構成では、ブレードめくれを抑制することは可能であったとしても、特に重合トナーのような球形状かつ小粒径のトナーを用いた場合等において、クリーニング不良が生じ易くなるという新たな問題が生じる。
また、転写搬送ベルトに感光体ドラムから積極的にトナーを供給することは、トナーを無駄に消費させるだけでなく、ベルトクリーニング装置における回収トナー量も増加することから、廃トナーを処理するためのメンテナンスの頻度を多くする必要が生じるという不都合もある。
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、転写搬送ベルトに対する安定したクリーニング性能を長期に亘り維持すると同時に、ブレードめくれの発生を抑制することにある。
また、他の目的は、トナーの無駄な消費を抑制するとともに、メンテナンスの頻度を最少限に抑えることにある。
かかる目的のもと、本発明の画像形成装置は、トナー像を担持するトナー像担持体と、転写材を担持しながら移動するとともに、トナー像担持体に担持されたトナー像を転写材に転写する転写搬送ベルトと、転写搬送ベルトに当接して、転写搬送ベルトの表面に付着した付着物を拭き取るクリーニングブラシと、クリーニングブラシの転写搬送ベルトの移動方向下流側にて、転写搬送ベルトにカウンタ当接して、転写搬送ベルトの表面の付着物を掻き取るクリーニングブレードと、クリーニングブレードが転写搬送ベルトに当接する領域に対して、クリーニングブラシに保持されたトナーを供給するトナー供給手段とを備えたことを特徴としている。
ここで、トナー供給手段は、クリーニングブラシに保持されたトナーを機械的に剥離させ、トナーをクリーニングブラシから飛散させることで、クリーニングブレードが転写搬送ベルトに当接する領域に供給することを特徴とすることができる。また、トナー供給手段は、クリーニングブラシに保持されたトナーを静電的に転写搬送ベルトに転移させ、転写搬送ベルトの移動に伴って、クリーニングブレードが転写搬送ベルトに当接する領域にトナーを供給することを特徴とすることもできる。
また、本発明の画像形成装置は、トナー像を担持するトナー像担持体と、転写材を担持しながら移動するとともに、トナー像担持体に担持されたトナー像を転写材に転写する転写搬送ベルトと、転写搬送ベルトを張架する複数の張架ロールと、転写搬送ベルトの移動方向と同方向に回転しながら転写搬送ベルトの表面に付着した付着物を拭き取るとともに、転写搬送ベルトの移動方向と逆方向に回転可能なクリーニングブラシと、クリーニングブラシの表面に当接して、クリーニングブラシに保持されたトナーを剥離するトナー剥離部材と、クリーニングブラシの転写搬送ベルトの移動方向下流側にて、転写搬送ベルトにカウンタ当接して、転写搬送ベルトの表面の付着物を掻き取るクリーニングブレードとを備え、クリーニングブラシは、転写搬送ベルトの移動方向と逆方向に回転することで、トナー剥離部材との当接部からクリーニングブレードと転写搬送ベルトとの当接部に向けてトナーを飛散させることを特徴としている。
ここで、クリーニングブレードは、トナー剥離部材がクリーニングブラシと当接する位置でのクリーニングブラシの接線が、転写搬送ベルトと交差する位置またはその近傍領域にて、転写搬送ベルトと当接することを特徴とすることができる。特に、クリーニングブレードは、転写搬送ベルトが張架ロールにラップされる領域にて、転写搬送ベルトと当接する構成とすることができる。さらには、張架ロールは、接地されていることを特徴とすることもできる。
また、温度および湿度を検知する温湿度検知手段をさらに備え、クリーニングブラシは、温湿度検知手段により検知された温度および湿度に基づいて、転写搬送ベルトの移動方向と逆方向に回転するタイミング、頻度、回転時間、および回転量のいずれかまたは複数を可変とすることを特徴とすることができる。さらに、クリーニングブラシは、長手方向の長さがクリーニングブレードの長手方向の長さよりも長いことを特徴とすることもできる。また、クリーニングブラシは、抵抗値が8.0logΩ以下であることを特徴とすることもできる。
また、本発明の画像形成装置は、トナー像を担持するトナー像担持体と、転写材を担持しながら移動するとともに、トナー像担持体に担持されたトナー像を転写材に転写する転写搬送ベルトと、転写搬送ベルトを張架する張架ロールと、転写搬送ベルトに当接して、転写搬送ベルトの表面に付着した付着物を拭き取るクリーニングブラシと、クリーニングブラシの転写搬送ベルトの移動方向下流側にて、転写搬送ベルトにカウンタ当接して、転写搬送ベルトの表面の付着物を掻き取るクリーニングブレードとを備え、転写搬送ベルトは、クリーニングブラシが当接する領域での表面電位が、トナー像を構成するトナーの帯電極性と同極性である第1水準電位と、第1水準電位よりも0V側に設定される第2水準電位とに切り替え可能であることを特徴としている。
ここで、転写搬送ベルトの表面電位は、第1水準電位と第2水準電位との電位差が100V以上に設定されることを特徴とすることができる。また、温度および湿度を検知する温湿度検知手段をさらに備え、転写搬送ベルトの表面電位は、温湿度検知手段により検知された温度および湿度に基づいて、第1水準電位と第2水準電位との電位差が制御されることを特徴とすることもできる。
さらに、クリーニングブラシは、転写搬送ベルトが張架ロールにラップされる領域にて、転写搬送ベルトと当接することを特徴とすることができる。特に、クリーニングブラシおよび張架ロールは、接地されていることを特徴とすることができる。
また、転写搬送ベルトは、表面抵抗値が7.0〜9.0logΩであることを特徴とすることができる。さらには、クリーニングブラシは、抵抗値が8.0logΩ以下であることを特徴とすることができる。
本発明の効果として、クリーニングブレードにめくれの発生を抑えつつ、長期に亘り良好なクリーニング性能を維持できるので、裏面汚れのない高品質な画像を形成することが可能となった。また、トナーの無駄な消費を抑制するとともに、メンテナンスの頻度を最少限に抑えることにより、画像形成装置のランニングコストを低減することが可能となった。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[実施の形態1]
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置を示した概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、矢印A方向に回転するトナー像担持体の一例としての感光体ドラム10の周囲に、感光体ドラム10を帯電する帯電器11、感光体ドラム10上に静電潜像を書込むレーザ露光器12(図中露光ビームを符号Bmで示す)、トナーが収容されて感光体ドラム10上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器13、転写ニップ部15における静電転写に先立ち感光体ドラム10上のトナー像を帯電する転写前帯電器14、感光体ドラム10上に形成されたトナー像を転写ニップ部15において記録紙である記録紙(用紙)Pに転写する転写ユニット20、転写ニップ部15の下流側において感光体ドラム10に近接して配置された画像濃度の調整を行うための画像濃度センサ18、静電転写後の残留トナーの帯電量を低減するクリーニング前帯電器16、感光体ドラム10上の残留トナーが除去されるドラムクリーナ17等の電子写真用デバイスが配設されている。さらには、用紙Pに転写された未定着トナー像を定着する定着器60、各装置(各部)の動作を制御する制御部30を備えている。
転写ユニット20は、駆動ロール22とアイドルロール23とによって張架された転写搬送ベルト21と、転写搬送ベルト21の内側に配設され、転写搬送ベルト21を介して感光体ドラム10に圧接される転写ロール24とを備えている。そして、転写ニップ部15に搬送されてくる用紙Pに感光体ドラム10上のトナー像を転写する機能と、転写ニップ部15においてトナー像が転写された用紙Pを定着器60まで搬送する機能とを有している。
また、本実施の形態の画像形成装置は、用紙搬送系として、用紙Pを収容する用紙トレイ50、この用紙トレイ50に集積された用紙Pを所定のタイミングで取り出して搬送するピックアップロール51、ピックアップロール51により繰り出された用紙Pを搬送する搬送ロール52、搬送された用紙Pを所定のタイミングで転写ニップ部15に送り込むレジストロール54、搬送ロール52により搬送された用紙Pをレジストロール54に導く搬送シュート53、レジストロール54から送り出された用紙Pを転写ニップ部15に導くインレットシュート55、転写ユニット20によりトナー像が転写されて搬送されてくる用紙Pを定着器60へ導く定着入口ガイド56を備えている。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。図1に示すような画像形成装置では、図示しない画像読取装置(IIT)や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置により所定の画像処理が施される。画像処理装置では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、ガンマ補正、枠消し編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、レーザ露光器12に出力される。
レーザ露光器12では、入力された画像データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを感光体ドラム10に照射している。感光体ドラム10では、スコロトロンからなる帯電器11によって表面が所定の帯電電位(例えば、−750V)に帯電された後、このレーザ露光器12によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。
形成された静電潜像は、現像器13によりマイナス帯電されたトナーが反転現像される。すなわち、例えば重合法により作成され、形状係数SF1が100〜140のトナーと、磁性粒子からなるキャリアとが混合した現像剤を担持した現像剤担持体(現像スリーブ)13aに、図示しない電源から直流電圧からなる現像バイアス、または交流電圧に直流電圧が重畳された現像バイアスが印加されて、感光体ドラム10との間に現像電界が形成される。それによって、現像スリーブ13a上のトナーが静電潜像の画像部(露光部)に転移し、静電潜像が可視像化される。
ここで、本実施の形態の画像形成装置では、所定のサイクル毎にセットアップサイクルが実行される。すなわち、実際の画像形成動作に先立って、所定のパッチ領域が所定の条件で現像される。その際には、後段で説明するように、転写ユニット20の転写搬送ベルト21は感光体ドラム10から離隔した状態に設定される。その状態で、現像されたパッチ領域は転写ニップ部15をそのまま通過し、転写ニップ部15の下流側に配設された画像濃度センサ18によってパッチ領域のトナー像の濃度が計測される。画像濃度センサ18によって計測されたトナー濃度信号は制御部30に送られる。そして、画像濃度センサ18からの信号に基づく制御部30からの指示により、帯電器11による感光体ドラム10の帯電電位および/または現像器13に印加される現像バイアス値が調整され、所定の画像濃度が維持されるように設定されることとなる。
次に、実際の画像形成動作時おいては、感光体ドラム10上に形成されたトナー像が感光体ドラム10と転写ユニット20とが当接する転写ニップ部15に搬送されると、用紙搬送系では、トナー像が転写ニップ部15に搬送されるタイミングに合わせてピックアップロール51が回転し、用紙トレイ50から所定サイズの用紙Pが供給される。ピックアップロール51により供給された用紙Pは、搬送ロール52により搬送され、搬送シュート53を経てレジストロール54に到達する。このレジストロール54においては、用紙Pは一旦停止され、トナー像が担持された感光体ドラム10の移動タイミングに合わせてレジストロール54が回転する。それによって、用紙Pの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされ、用紙Pはインレットシュート55から転写ニップ部15に送り出される。
転写ニップ部15では、タイミングを合わせて搬送された用紙Pが、転写ユニット20の転写搬送ベルト21を介して感光体ドラム10と転写ロール24との間に挟み込まれる。その際に、転写ロール24にはトナーの帯電極性(ここでは、マイナス極性)と反対極性の電圧(転写バイアス)が印加されることで、転写ロール24から転写搬送ベルト21に感光体ドラム10上のトナー帯電極性とは反対極性の電荷が付与される。それにより、感光体ドラム10上に担持された未定着トナー像は、感光体ドラム10と転写ロール24とによって押圧される転写ニップ部15において、用紙P上に静電転写される。
なお、このとき、転写ロール24には最適な転写バイアスが定電流制御方式で印加される。また、その際の転写ロール24から供給される最適な転写電流は、プロセススピード、温度や湿度といった環境条件、用紙Pの種類等によっても異なるが、本実施の形態では50〜150μAの範囲で設定される。
その後、トナー像が静電転写された用紙Pは、転写ユニット20の転写搬送ベルト21に静電吸着された状態で感光体ドラム10から剥離されて搬送され、転写ユニット20の用紙P搬送方向下流側に設けられた定着器60まで送られる。なお、用紙Pが感光体ドラム10から剥離されず、感光体ドラム10に吸着されたままの状態となった場合には、転写ニップ部15の下流側の感光体ドラム10表面近傍に配設された分離爪(不図示)によって、用紙Pは感光体ドラム10から分離され、転写搬送ベルト21に静電吸着されるように構成されている。
転写搬送ベルト21の定着器60側の後端部では、転写搬送ベルト21が駆動ロール22に巻き付く際の曲率、および用紙Pのコシによって、用紙Pは転写搬送ベルト21から剥離される。そして、用紙Pは、定着入口ガイド56に導かれて定着器60に搬送される。
定着器60に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着器60において熱および圧力による定着処理を受けることによって用紙P上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Pは、画像形成装置の排出部に設けられた排紙載置部に搬送され、一連の画像形成動作が完了する。
なお、本実施の形態の画像形成装置では、単色のトナー画像を形成する構成としたが、本発明は、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を重ね合わせてカラートナー画像を形成するカラー画像形成装置に適用することも可能である。
続いて、転写ユニット20について詳細に説明する。
図2は、転写ユニット20の構成を示す断面図である。図2に示すように、転写ユニット20は、用紙Pに感光体ドラム10上のトナー像を転写するとともに、トナー像が転写された用紙Pを搬送する転写搬送部20A、転写搬送部20Aを感光体ドラム10に接離させるリトラクト機構部20B、転写搬送部20Aに付着した紙粉やトナー等の付着物を除去するベルトクリーニング手段の一例としてのクリーニング部20C、搬送されてくる用紙Pを転写ニップ部15に導くインレットシュート部20Dで構成されている。
図3は、転写ユニット20の構成を示す斜視図である。図3に示すように、転写ユニット20の転写搬送部20Aは、感光体ドラム10の軸方向に亘って配設された転写搬送ベルト21、転写搬送ベルト21を張架して矢印B方向へ回動させる駆動ロール22、転写搬送ベルト21を張架して所定のテンションを付与するアイドルロール23、感光体ドラム10との間で転写電界を形成してトナー像を用紙Pに転写する転写ロール24により構成されている。
転写搬送ベルト21は、例えばクロロプレンをベースとするゴム層と、ポリウレタンを主成分とする樹脂にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子を分散させたものをコーティングさせた表面層とからなる2層で構成されたエンドレスベルトである。また、転写搬送ベルト21は、表面粗さRzが2.5μm以下に形成され、表面抵抗は7.0〜9.0logΩ、体積抵抗は6.0〜8.0logΩである。そして、転写搬送ベルト21は、画像形成装置本体側の駆動モータ(不図示)からカップリング25によって駆動が伝達されるように構成された駆動ロール22によって、感光体ドラム10の表面速度と等速に矢印Bの方向に回動する。
転写ロール24は、表面がカーボンを分散したEPDMとNBRのブレンドゴムのチューブ、内部がカーボンを分散したEPDMの発泡ゴムからなるロールで形成され、硬度は例えば20〜50°(アスカーC:4.9N荷重)に設定されている。さらに、抵抗は5.0〜7.0logΩに設定されている。そして、転写ロール24には、転写電源(不図示)からトナー帯電極性(マイナス極性)とは反対極性(プラス極性)の転写バイアスが安定的に印加されるように、例えば定電流制御された85μAの電流が供給される。それにより、転写ロール24から転写搬送ベルト21に対し、感光体ドラム10上のトナー帯電極性とは反対極性の電荷が付与される。なお、転写バイアスは、感光体ドラム10上におけるイメージ領域が転写ニップ部15を通過する際にのみ印加され、イメージ領域とイメージ領域との間のインターイメージ領域が転写ニップ部15を通過する際には印加されないように設定されている。
また、転写搬送部20Aは、駆動ロール22を揺動中心として、リトラクト機構部20Bによりアイドルロール23側が揺動するように構成され、感光体ドラム10と接離可能に構成されている。さらに、アイドルロール23には電源が接続されており(不図示)、環境条件等の都合に応じて、転写ロール24の感光体プレニップ部での微小ギャップ放電現象を抑制するため、転写バイアスとは反対極性の電圧を印加できるように構成している。
次に、リトラクト機構部20Bは、転写搬送部20Aの下部に配置されている。図4は、転写ユニット20から転写搬送部20Aを取り外した状態の構成を表した斜視図である。図4に示すように、リトラクト機構部20Bは、転写搬送部20Aの幅方向両端部に配設され、転写搬送部20Aのアイドルロール23を支持しながら押し上げる接離板31、両端部に接離板31が固設され、接離板31を揺動させるリンクシャフト32、リンクシャフト32の中央部に連結された揺動アーム33、揺動アーム33を揺動駆動する直流ソレノイド34により構成されている。かかるリトラクト機構部20Bでは、直流ソレノイド34に電流が流されると、直流ソレノイド34は揺動アーム33を押し下げる方向に移動させる。それによって、揺動アーム33に連結されたリンクシャフト32は回転し、リンクシャフト32の両端部に固設された接離板31は上方に揺動する。
転写ユニット20においては、上述したパッチ領域のトナー像濃度の計測時(セットアップサイクル)や画像形成装置の待機時には、転写搬送部20Aは感光体ドラム10から離隔した状態に設定されている。図5は、転写搬送部20Aが感光体ドラム10から離隔した状態を表した図である。図5に示すように、画像形成装置のセットアップサイクルや待機時においては、リトラクト機構部20Bの直流ソレノイド34に電流が通電されておらず、直流ソレノイド34に接続された揺動アーム33は押し上げられた位置に設定されている。そのため、揺動アーム33に連結されたリンクシャフト32は、リンクシャフト32の両端部に固設された接離板31を下方に位置させる。転写搬送部20Aのアイドルロール23は両端部が接離板31に支持されているので、接離板31により転写搬送部20Aは感光体ドラム10から離隔した状態に設定される。
一方、通常の画像形成動作時においては、転写搬送部20Aは感光体ドラム10に当接した状態に設定される。図6は、転写搬送部20Aが感光体ドラム10に当接した状態を表した図である。画像形成動作時には、レジストロール54まで給紙されて待機していた用紙Pが、レジストロール54により、トナー像が担持された感光体ドラム10の移動タイミングに合わせて送り出される。その際に、インレットシュート55に導かれて用紙Pの先端が感光体ドラム10と転写搬送ベルト21との当接部近傍まで到達したことをセンサ(不図示)によって検知する。そして、このセンサからの信号を制御部30が入力すると、制御部30はリトラクト機構部20Bの直流ソレノイド34をオンし、通電が開始される。それによって、直流ソレノイド34は揺動アーム33を押し下げる方向に移動させる。揺動アーム33が押し下げられると、揺動アーム33に連結されたリンクシャフト32は回転して、リンクシャフト32の両端部に固設された接離板31は上方に揺動する。そして、両端部が接離板31に支持された転写搬送部20Aのアイドルロール23は、感光体ドラム10に当接した状態に設定される。その際に、感光体ドラム10と転写搬送ベルト21との当接部には、転写ニップ部15が形成される。
転写搬送部20Aが感光体ドラム10に当接すると、駆動ロール22の回転駆動により搬送される転写搬送ベルト21上の用紙Pは、感光体ドラム10と転写搬送ベルト21との転写ニップ部15に進入し、転写ロール24に転写電源(不図示)からトナー帯電極性(マイナス極性)とは反対極性(プラス極性)の転写バイアスが印加される。それにより、転写搬送ベルト21には感光体ドラム10上のトナー帯電極性とは反対極性の電荷が付与される。そして、感光体ドラム10上のトナーが用紙Pに転写される。その後、用紙Pは転写搬送ベルト21に静電吸着された状態で搬送され、定着器60に送られる。
また、インレットシュート部20Dは、転写ユニット20において転写搬送部20Aの上流側に配置され、ハウジング70(図2参照)に一体的に接合されている。そして、感光体ドラム10を支持する感光体ドラムユニットに一体的に構成された感光体ドラムインレットシュート55a、およびレジストロール54を支持するレジストロールユニットに一体的に構成されたレジストロールインレットシュート55b(図1参照)からなるアッパーインレットシュートと組み合わされて、インレットシュート55を構成している。この場合には、インレットシュート部20Dはインレットシュート55のロアインレットシュートを構成する。すなわち、インレットシュート55は別体のアッパーインレットシュートとロアインレットシュートとにより構成され、ロアインレットシュートはインレットシュート部20Dとして転写ユニット20に一体的に構成されている。
そして、かかるインレットシュート55は、レジストロール54から搬送されてくる用紙Pの一方の面(下面)をインレットシュート部20Dで支持し、他方の面(上面)を感光体ドラムインレットシュート55aおよびレジストロールインレットシュート55bで規制しながら、転写ニップ部15における感光体ドラム10と転写搬送ベルト21とのニップ部に、傾くことなく正確な姿勢を維持しながら搬入する。
次に、クリーニング部20Cについて説明する。
クリーニング部20Cは、図2に示したように、転写搬送部20Aの転写搬送ベルト21表面上に付着した紙粉やトナー等の付着物を拭き取るクリーニングブラシ41、クリーニングブラシ41に付着した付着物を叩き落すべく、クリーニングブラシ41に食い込むように当接して配置されたトナー剥離手段としてのフリッカーバー42、転写搬送ベルト21の搬送方向におけるクリーニングブラシ41の下流側に配設され、転写搬送ベルト21表面上の付着物を掻き取るクリーニングブレード43、クリーニングブラシ41およびクリーニングブレード43により転写搬送ベルト21表面から除去されたトナーや紙粉等を受けるクリーニングボックス44、クリーニングボックス44内のトナーや紙粉等を回収ボトル(不図示)へ搬送する回収コイル45、クリーニングブレード43を支持する支持部材としてのブレードホルダ46、ブレードホルダ46に保持され、クリーニングブレード43の下流側を遮蔽する遮蔽シール47により構成されている。
クリーニングブラシ41は、ブラシシャフトの周囲にブラシロールが形成された構成を有している。ブラシロールは、例えば繊維の重量が10デニール、繊維の植毛密度が30000本/inchであり、導電性を有するポリエステル繊維からなる。また、ブラシロールの外径はφ15mmで、金属からなるブラシシャフトの外径はφ6mmである。ブラシロールの抵抗は、例えば金属平板に1mm食い込むように固定し、ブラシシャフトを接地、金属平板に電圧100Vを印加し、流れる電流を電流計で計測する方法により測定され、抵抗値はここでは5logΩとなるよう調整されている。クリーニングブラシ41のブラシ繊維は、転写搬送ベルト21の搬送方向に対して順方向に傾けて形成され、転写搬送ベルト21に対して1mm程度食い込むように配置されている。そして、通常のクリーニング動作時には転写搬送ベルト21の搬送方向と順方向に回転する。その際の表面速度は、転写搬送ベルト21の回動速度よりも30%速く設定されている。
フリッカーバー42は、外径φ5mmの金属丸棒からなり、クリーニングブラシ41が転写搬送ベルト21と当接する位置よりも、転写搬送ベルト21の回動方向下流側のサイドであって反時計方向に約90°傾けた位置に、クリーニングブラシ41に1mm食い込むように配置されている。そして、クリーニングブラシ41の回転により表面のブラシ繊維がフリッカーバー42に衝突することで、ブラシ繊維に回収されたトナーや紙粉等が叩き落とされ、クリーニングボックス44に回収される。また、それによりブラシ繊維がリフレッシュされ、クリーニングブラシ41におけるトナーや紙粉等の回収能力が回復される。
一方、クリーニングブレード43は、例えば厚さ2mmのポリウレタンゴムからなる板状部材であり、転写搬送ベルト21に対してカウンタ当接して配置されている。その際の転写搬送ベルト21とのなす角度は27°に設定されている。また、クリーニングブレード43は、短手方向の一方の端部が長手方向に亘ってブレードホルダ46に接着され、転写搬送ベルト21に向けた短手方向の自由長が7mmに設定されている。
そして、クリーニングブラシ41は、画像形成時には転写搬送ベルト21の搬送方向と順方向に回転しながら、転写搬送ベルト21表面上に付着したトナーや紙粉等の付着物を拭き取り、大部分の付着物を転写搬送ベルト21表面上からクリーニングボックス44に回収したり、付着物の転写搬送ベルト21表面への付着力を低減する機能を有する。
さらに、クリーニングブラシ41の下流側に配置されたクリーニングブレード43は、クリーニングブラシ41によって拭き取りきれなかった付着物を掻き取って、クリーニングボックス44に回収する。
このように、本実施の形態のクリーニング部20Cにおいては、クリーニングブラシ41とクリーニングブレード43とを協働させることにより、特に、重合法で生成されたトナーのように、粒径が細かく、形状が球形に近いために、転写搬送ベルト21との付着力が高いトナーに対しても、転写搬送ベルト21表面を効果的にクリーニングすることが可能である。
このようにクリーニングされた後、回収コイル45が図2中の矢印Cの方向に回転しながらクリーニングボックス44内のトナーや紙粉等を転写ユニット20外部の回収ボトル(不図示)へ搬送する。回収コイル45は、矢印Cの方向、すなわちクリーニングボックス44の底面において回収されたトナーや紙粉等を定着器60側から離れる方向(転写搬送ベルト21の用紙Pを搬送する方向における上流側)に移動させるように回転することで、トナーや紙粉等はクリーニングボックス44内の定着器60側とは反対側の側壁44aに沿って搬送される。そのため、回収されたトナーは定着器60からの熱を受け難く、トナー同士の融着を抑えることができるので、回収されたトナーや紙粉等をスムーズに回収ボトルまで搬送することが可能である。
ここで、クリーニングブレード43の転写搬送ベルト21に対する当接位置について説明する。
図7は、クリーニングブレード43が転写搬送ベルト21に当接する状態を示した断面構成図である。図7に示したように、クリーニングブレード43は、転写搬送ベルト21が駆動ロール22をラッピングしている領域において先端エッジ部が当接するように配置されている。このように、駆動ロール22をラッピングしている領域でクリーニングブレード43が転写搬送ベルト21に当接するように構成することで、背後から駆動ロール22が転写搬送ベルト21を支持することとなり、転写搬送ベルト21に対してクリーニングブレード43を安定してカウンタ当接させることができる。
そして、クリーニングブレード43の先端エッジ部は、フリッカーバー42がクリーニングブラシ41に当接する位置におけるクリーニングブラシ41の接線が転写搬送ベルト21と交差する位置を中心とした近傍領域内において、転写搬送ベルト21表面と当接するように設定されている。
また、クリーニングブラシ41は、通常のクリーニング動作時には転写搬送ベルト21の搬送方向と順方向に回転するが、所定のタイミングで通常の回転方向とは逆の方向に回転することができるように構成されている。
クリーニングブラシ41が通常の回転方向とは逆の方向と順方向に回転する場合には、フリッカーバー42に衝突することで叩き落とされたトナー等は、図8(a)に示したように、主としてクリーニングブラシ41の回転に伴って鉛直方向下方に落とされ、クリーニングボックス44に回収される。その一方で、クリーニングブラシ41を逆方向に回転させると、図8(b)に示したように、主としてクリーニングブラシ41に付着したトナーは、フリッカーバー42がクリーニングブラシ41に当接する位置におけるクリーニングブラシ41の接線方向を中心として鉛直方向上方に撒き上げられることとなる。特に、クリーニングブラシ41のブラシ繊維は、転写搬送ベルト21の搬送方向に対して順方向に傾けて形成されているので、クリーニングブラシ41を転写搬送ベルト21の搬送方向とは逆方向に回転させると、ブラシ繊維はフリッカーバー42と逆目方向(ブラシ繊維を逆立てる方向)で衝突することとなり、比較的多くのトナーを撒き上げることができる。
そして、この撒き上げられたトナーは、フリッカーバー42の鉛直方向上方に位置するクリーニングブレード43の先端エッジ部領域近傍の転写搬送ベルト21表面およびクリーニングブレード43表面に付着する。すなわち、フリッカーバー42がクリーニングブラシ41に当接する位置におけるクリーニングブラシ41の接線方向に、クリーニングブレード43の先端エッジ部が位置しているので、クリーニングブラシ41の逆回転により撒き上げられたトナーは、クリーニングブレード43の先端エッジ部を中心とした周辺領域に付着する。
このようにして、クリーニングブレード43の先端エッジ部に回収トナーを供給することができる。すなわち、クリーニングブラシ41とフリッカーバー42とは、クリーニングブレード43の先端エッジ部に回収トナーを供給するトナー供給手段として機能する。
ここで、クリーニングブレード43の先端エッジ部が設定される位置は、クリーニングブラシ41の逆回転により撒き上げられたトナーが、フリッカーバー42がクリーニングブラシ41に当接する位置におけるクリーニングブラシ41の接線を中心として広がりを持って飛散するので、かかる接線が転写搬送ベルト21と交差する位置を中心とした近傍領域内であれば充分である。例えば、かかる接線を中心として、フリッカーバー42がクリーニングブラシ41に当接する位置から20〜30°の広がり角の領域内が好ましい。ただし、転写搬送ベルト21が駆動ロール22をラッピングしている領域で、クリーニングブレード43の先端エッジ部が転写搬送ベルト21に当接することが必要であることから、クリーニングブレード43の先端エッジ部が設定される位置は、フリッカーバー42の位置から見た接線を中心とした20〜30°の広がりを持った領域内であって、かつ、転写搬送ベルト21が駆動ロール22をラッピングしている領域であることが好ましい。なお、クリーニングブラシ41を、駆動ロール22からギヤを介して駆動させる構成としても良い。この場合、クリーニングブラシ41が逆回転する際、転写搬送ベルト21も共に逆回転することになる。
ところで、クリーニングブレード43の先端エッジ部に回収トナーを供給するのは、以下の理由によるものである。上述したように、本実施の形態の転写ユニット20においては、転写搬送ベルト21はゴム層がベースとして形成され、その外表面にウレタン樹脂を主成分とした表面層が形成されている。さらに、クリーニングブレード43もウレタンゴム等のゴムから形成されている。また、転写搬送ベルト21では、転写搬送ベルト21の表面層がウレタン樹脂等で形成されているため、表面を鏡面のように平滑に仕上げることは困難であり、ある程度の表面粗さが生じている。このような構成から、転写搬送ベルト21とクリーニングブレード43との当接部では、大きな摩擦力が作用している。そのため、転写搬送ベルト21とクリーニングブレード43との当接部では、トナー等の微粒子を介在させることでこれを潤滑剤として使用し、転写搬送ベルト21とクリーニングブレード43との摩擦力の低減を図っている。
しかし、画像比率の低い画像を連続して多数枚プリントを行なう場合や温湿度環境の影響等によって、転写搬送ベルト21に付着するトナーの量が少なくなる場合が生じる。その場合には、転写搬送ベルト21とクリーニングブレード43との当接部に滞留することで潤滑剤として作用するトナーが不足し、摩擦力を充分に低減させることができない状況が発生する。そして、そのような状況では、クリーニングブレード43が転写搬送ベルト21の移動方向に引き摺られて湾曲する所謂ブレードめくれが生じ易くなる。
特に、高温高湿環境下では、転写搬送ベルト21表面に水分が吸着されるので、転写搬送ベルト21とクリーニングブレード43との摩擦係数が高くなることや、クリーニングブレード43のゴムの反発弾性率が増加することから、ブレードめくれの発生が生じ易い。
そこで、本実施の形態のクリーニング部20Cにおいては、フリッカーバー42がクリーニングブラシ41に当接する位置におけるクリーニングブラシ41の接線が転写搬送ベルト21と交差する位置を中心とした近傍領域内において、クリーニングブレード43の先端エッジ部が転写搬送ベルト21表面と当接するように設定している。そして、所定のタイミングで、クリーニングブラシ41を転写搬送ベルト21の搬送方向とは逆方向に回転させている。それにより、クリーニングブレード43の先端エッジ部に、クリーニングブラシ41によって回収されたトナーを供給することで、転写搬送ベルト21とクリーニングブレード43との当接部において、常に潤滑剤となるトナーを適量介在させることができる。そのため、転写搬送ベルト21とクリーニングブレード43との摩擦力の低減を図ることが可能となって、ブレードめくれの発生を抑制することができる。
ここで、クリーニングブラシ41を逆方向に回転させるタイミング(逆回転サイクル)としては、所定のプリント枚数毎(例えば、200枚毎)に行なうように設定することができる。また、温湿度環境に応じて逆回転サイクルを変更するように設定することもできる。すなわち、画像形成装置は温度および湿度を検知する温湿度検知手段としての温湿度センサ(不図示)を備え、例えば、上記したように、高温高湿環境下においてブレードめくれが発生し易いことから、温湿度センサの検出値に基づき、高温高湿環境下での逆回転サイクルを短い周期で行なうように変更可能に設定することも効果的である。さらには、高温高湿環境下においてのみ、クリーニングブラシ41を逆方向に回転させるように設定することもできる。加えて、温湿度センサの検出値に基づき、頻度、回転時間、および回転量を変更するように構成してもよい。
また、クリーニングブラシ41を逆方向に回転させる際の回転量としては、少なくともフリッカーバー42との当接位置が転写搬送ベルト21と当接する位置まで移動する円弧以上に回転させることが好ましい。これは、フリッカーバー42には回収トナーが堆積しているので、この堆積した回収トナーを有効に利用するためである。すなわち、クリーニングブラシ41によりフリッカーバー42に堆積した回収トナーを拭き取り、これをクリーニングブレード43の先端エッジ部方向に適量を飛翔させるとともに、クリーニングブラシ41に担持しながら転写搬送ベルト21に直接的に塗布して供給することができるからである。ただし、逆回転量は多くなり過ぎないように所定の回転量(例えば、2〜3回転)以下に設定される。これは、適量を超えてクリーニングブレード43の先端エッジ部に過剰のトナーが供給されると、クリーニング不良の原因となるからである。
さらに、クリーニングブラシ41の抵抗は、クリーニングブラシ41からクリーニングブレード43の先端エッジ部に充分な量の回収トナーを供給する観点からは、8.0logΩ以下に設定するのが好ましい。これは、クリーニングブラシ41の抵抗が8.0logΩよりも大きいと、クリーニングブラシ41自体が摩擦帯電して、転写搬送ベルト21表面に付着したトナーを回収するに際して静電気力の作用からの妨げとなるからである。その場合には、クリーニングブラシ41に保持される回収トナー量が充分得られず、クリーニングブラシ41を逆方向に回転させたとしても、クリーニングブレード43の先端エッジ部に適量の回収トナーを供給することが困難となる。
また、クリーニングブラシ41の繊維密度は15000本/inch以上が好ましい。繊維密度が15000本/inch以上に高いほど、転写搬送ベルト21表面に付着したトナーを回収する能力が高くなり、クリーニングブラシ41に充分なトナー量を回収して、クリーニングブラシ41を逆方向に回転させる際に、クリーニングブレード43の先端エッジ部に適量の回収トナーを供給することが可能となるからである。
さらには、その際に、クリーニングブレード43の先端エッジ部が当接する領域において、背後から転写搬送ベルト21を支持する駆動ロール22は、接地されていることが好ましい。駆動ロール22を接地することにより、クリーニングブラシ41の逆回転により供給されるトナーが、背後が駆動ロール22によって支持された転写搬送ベルト21の領域に静電的に付着し易くなり、効率的にクリーニングブレード43の先端エッジ部にトナーを供給できるからである。
加えて、クリーニングブレード43のブレードめくれは、長手方向の両端部領域において生じ易い。そのため、長手方向の両端部領域にも適量のトナーを供給できるように、クリーニングブラシ41およびフリッカーバー42の長手方向の長さは、クリーニングブレード43の長さよりも長く形成し、両端部領域を含めたクリーニングブレード43の全域に隈なくトナーを供給できるように構成することが好ましい。
ここで、高温高湿環境(28℃/85%RH(Relative Humidity))の下で、画像密度1%の低密度画像を連続的にプリントする通紙試験を行なった。この通紙試験では、(1)クリーニングブラシ41を設けずクリーニングブレード43のみを配置した構成、(2)クリーニングブレード43の上流側にクリーニングブラシ41を設けるが上記した逆回転動作を行なわない場合、(3)クリーニングブラシ41を設けて、上記した逆回転動作を行なうが、フリッカーバー42の配置位置をクリーニングブラシ41の鉛直方向最下点に配置した構成、(4)クリーニングブラシ41を設けて、上記した逆回転動作を行ない、フリッカーバー42の配置位置も転写搬送ベルト21の回動方向下流側のサイドであって反時計方向に約90°傾けた位置に配置した構成(本実施の形態の構成)の4通りで行なった。その結果を示したものが図9である。
図9に示したように、(1)の構成では、用紙Pの通紙1000枚でブレードめくれが発生した。これは、本通紙試験の条件が、高温高湿環境(28℃/85%RH)の下での画像密度1%という低密度画像の連続プリントであるため、転写搬送ベルト21表面に水分が吸着されることで転写搬送ベルト21とクリーニングブレード43との摩擦係数が高くなることや、クリーニングブレード43のゴム弾性が低下することに加えて、転写搬送ベルト21とクリーニングブレード43との当接部に滞留する潤滑剤としてのトナーが不足する。そのために、用紙Pの通紙1000枚という早い段階でブレードめくれが発生したものと推測できる。
(2)の場合では、用紙Pの通紙1200枚でブレードめくれが発生した。この場合も、(1)の場合における状況と略同様ではあるが、クリーニングブラシ41が転写搬送ベルト21表面をクリーニングすることでブラシ繊維にトナーが付着し、クリーニングブラシ41の回転によって、付着したトナーが極く若干量ではあるが飛散し、その一部がクリーニングブレード43の先端エッジ部に付着することから、用紙Pの通紙1200枚という(1)の構成よりもブレードめくれの発生が少し遅れて生じたものと考えられる。
また、(3)の場合では、用紙Pの通紙1500枚でブレードめくれが発生した。この場合は、上記した逆回転動作を行なってはいるが、フリッカーバー42の配置位置がクリーニングブラシ41の鉛直方向最下点に配置されているため、クリーニングブラシ41の逆回転動作によって飛散するトナーの方向がクリーニングブレード43の先端エッジ部に向かわないため、充分なトナー量をクリーニングブレード43の先端エッジ部に供給することができない。そのため、用紙Pの通紙1500枚という早期にブレードめくれが発生したものと推測できる。
これに対し、(4)の本実施の形態の構成では、転写搬送ベルト21表面をクリーニングすることでクリーニングブラシ41のブラシ繊維に回収したトナーによって、適量かつ充分なトナー量をクリーニングブレード43の先端エッジ部に供給することができるので、本通紙試験のような過酷な条件であっても、用紙Pの通紙10000枚の時点でもブレードめくれの発生を抑制することが可能となる。
以上説明したように、本実施の形態の画像形成装置では、転写ユニット20のクリーニング部20Cにおいて、クリーニングブレード43と、クリーニングブレード43の上流側にクリーニングブラシ41とを配置した構成とするのに加えて、クリーニングブレード43は、フリッカーバー42がクリーニングブラシ41に当接する位置におけるクリーニングブラシ41の接線が転写搬送ベルト21と交差する位置を中心とした近傍領域内において、クリーニングブレード43の先端エッジ部が転写搬送ベルト21表面と当接するように設定している。そして、所定のタイミングで、クリーニングブラシ41を転写搬送ベルト21の搬送方向とは逆方向に回転させている。このような構成によって、クリーニングブレード43の先端エッジ部に対し、クリーニングブラシ41によって回収されたトナーを供給することが可能となるので、転写搬送ベルト21とクリーニングブレード43との当接部において、常に潤滑剤となるトナーを適量だけ介在させることができる。そのため、クリーニングブラシ41とクリーニングブレード43とを協働させることにより、重合法で生成されたトナーのような粒径が細かく、転写搬送ベルト21との付着力が高いトナーに対しても、転写搬送ベルト21表面を効果的にクリーニングすることが可能であると同時に、転写搬送ベルト21とクリーニングブレード43との摩擦力の低減を図ることが可能となって、ブレードめくれの発生を抑制することができる。
特に、本実施の形態の画像形成装置では、クリーニングブレード43の先端エッジ部にトナーを供給するに際して、クリーニングブラシ41に回収されたトナーを利用するため、トナーの無駄な消費を抑制するとともに、回収ボトルへの回収トナー量が増加することもないので、メンテナンスの頻度を最少限に抑えることも可能となる。
[実施の形態2]
実施の形態1では、クリーニングブレード43とクリーニングブラシ41とを配置した構成であって、クリーニングブレード43の先端エッジ部を、フリッカーバー42の当接位置におけるクリーニングブラシ41での接線が転写搬送ベルト21と交差する位置を中心とした近傍領域内に配置するとともに、所定のタイミングで、クリーニングブラシ41を転写搬送ベルト21の搬送方向とは逆方向に回転させる構成について説明した。本実施の形態では、クリーニングブラシ41に回収されたトナーを静電的に転写搬送ベルト21に付着させて、クリーニングブレード43の先端エッジ部にトナーを供給する構成について説明する。なお、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
本実施の形態の転写ユニット20でも、実施の形態1と同様に、クリーニング部20Cは、クリーニングブレード43と、クリーニングブレード43の上流側にクリーニングブラシ41とが配置されている。そして、クリーニングブラシ41は接地されている。また、転写搬送ベルト21を張架するとともに、クリーニングブレード43やクリーニングブラシ41に対向する領域に配置された駆動ロール22も同様に接地されている。さらに、本実施の形態では、転写搬送ベルト21の表面電位は、クリーニング領域において、トナーの帯電極性と同極性である第1水準電位と第2水準電位(|第2水準電位|<|第1水準電位|)とに切り替えることが可能に構成されている。
ここで、転写搬送ベルト21のクリーニング領域における表面電位について述べる。
まず、転写ニップ部15においては、感光体ドラム10上におけるイメージ領域が転写ニップ部15を通過する際には、転写搬送ベルト21に用紙Pが担持されるとともに、転写ロール24から転写搬送ベルト21に対して転写バイアスが印加され(転写バイアスON)、感光体ドラム10上のトナー帯電極性(マイナス)とは反対極性のプラス電荷が転写搬送ベルト21に付与される。したがって、用紙Pの背面がトナー帯電極性とは反対極性のプラス電位となるので、感光体ドラム10上のトナーは用紙Pに転写されることとなる。そのとき、用紙Pにおいては、表面が感光体ドラム10と同極のマイナス電荷により帯電される現象が生じる。これは、転写ニップ部15において用紙Pが感光体ドラム10の表面と接触する際に、用紙Pの背面の転写搬送ベルト21のプラス電位に引かれて、用紙Pの表面に感光体ドラム10の表面の電荷が転移するからであると推測される。
このようにプラスに帯電した用紙Pは転写搬送ベルト21に静電吸着した状態で搬送され、定着器60まで送られる。そして、用紙Pが転写搬送ベルト21から剥離される際に、用紙Pの表面に担持されていたマイナス電荷は、剥離放電により転写搬送ベルト21に転移する。そのため、用紙Pが転写搬送ベルト21から剥離される領域の下流側に位置するクリーニング領域においては、転写搬送ベルト21の表面はマイナスに帯電した状態となり、所定のマイナス電位が形成される。ここでは、その電位を第1水準電位と呼ぶ。
一方、転写ニップ部15において、感光体ドラム10上におけるイメージ領域とイメージ領域との間のインターイメージ領域が通過する際には、転写搬送ベルト21には用紙Pが担持されておらず、転写ロール24から転写搬送ベルト21に対する転写バイアスは切断される(転写バイアスOFF)。すると、感光体ドラム10のインターイメージ領域と接触する転写搬送ベルト21の領域では、転写バイアスが印加されておらず、さらに感光体ドラム10の表面の電荷も転移しないので、クリーニング領域においては、接地された駆動ロール22により、転写搬送ベルト21の表面電位は0Vに近いマイナス電位となる。ここでは、その電位を第2水準電位と呼ぶ。
図10は、第1水準電位と第2水準電位とを説明する図である。図10に示したように、画像形成装置の画像形成サイクルにおいては、上記したように、転写ロール24の転写バイアスをON/OFFすることによって、転写搬送ベルト21におけるクリーニング領域の表面電位は、転写バイアスをONにした際の第1水準電位と、転写バイアスをOFFにした際の第2水準電位とに切り替えられることとなる。
また、実験により、クリーニングブラシ41の抵抗を8.0logΩ以下に形成することにより、接地されたクリーニングブラシ41の電位は第1水準電位と第2水準電位との間に設定されることが判明している。なお、ブラシ抵抗の測定法は実施の形態1に記載したものと同様である。これは、クリーニングブラシ41の抵抗を8.0logΩ以下とするとともに、クリーニングブラシ41を接地することにより、転写搬送ベルト21との摩擦帯電が抑えられることによるものであると推測される。
図10に示したような電位の関係が生じることによって、転写バイアスをONにした領域、すなわち転写搬送ベルト21上に用紙Pが担持され、感光体ドラム10上のトナー像が転写される領域(転写バイアスON領域)では、転写搬送ベルト21の表面電位はクリーニングブラシ41の電位よりもマイナス側に高くなる。そのため、この転写バイアスON領域では、マイナスに帯電したトナーは転写搬送ベルト21の表面からクリーニングブラシ41に転移する。それにより、転写搬送ベルト21のクリーニング効果を高めることができる。
一方、転写バイアスをOFFにした領域、すなわち転写搬送ベルト21上に用紙Pが担持されず、感光体ドラム10上のインターイメージ領域と接触する領域(転写バイアスON領域)では、クリーニングブラシ41の電位は転写搬送ベルト21の表面電位よりもマイナス側に高くなる。そのため、この転写バイアスOFF領域では、マイナスに帯電したトナーはクリーニングブラシ41から転写搬送ベルト21の表面に転移する。そして、転写搬送ベルト21の表面に転移したトナーは、転写搬送ベルト21の回動に伴って、クリーニングブラシ41の下流側のクリーニングブレード43の先端エッジ部に供給されることとなる。
このように、転写搬送ベルト21におけるクリーニング領域の表面電位を、トナーの帯電極性と同極性(マイナス)である第1水準電位と第2水準電位(|第2水準電位|<|第1水準電位|)とに切り替えるとともに、クリーニングブラシ41の電位を第1水準電位と第2水準電位との間に設定することによって、所定のサイクルで、クリーニングブラシ41に回収されたトナーをクリーニングブレード43の先端エッジ部に供給することが可能となる。それによって、転写搬送ベルト21とクリーニングブレード43との当接部において、常に潤滑剤となるトナーを適量介在させることができる。そのため、転写搬送ベルト21とクリーニングブレード43との摩擦力の低減を図ることが可能となって、ブレードめくれの発生を抑制することが可能となる。
この場合、転写搬送ベルト21とクリーニングブラシ41とは、クリーニングブレード43の先端エッジ部に回収トナーを供給するトナー供給手段として機能する。
ところで、クリーニングブラシ41から転写搬送ベルト21表面にトナーを充分に転移させるには、クリーニングブラシ41と転写搬送ベルト21表面との間の電位差を一定の値以上に設定することが好ましい。その適切な電位差を検証するため、表面抵抗値の異なる転写搬送ベルト21を用いて、高温高湿環境(28℃/85%RH(Relative Humidity))の下で、画像密度1%の低密度画像を連続的にプリントする通紙試験を行なった。具体的に、転写搬送ベルト21の表面抵抗値としては、6.0、7.0、8.0、9.0、10.0logΩのものを用いた。その結果を示したものが図11である。なお、ここでのベルト表面抵抗値は、以下の方法で測定した。すなわち、ADVANTEST R8340A/HR(ハイレスタ)プローブにて500V印加し、印加10秒後での測定値をもってベルト表面抵抗値とした。また、転写搬送ベルト21を介したプローブの対向面はアクリル板(絶縁性)を使用した。
図11に示したように、転写搬送ベルト21の表面抵抗値に依存して第1水準電位と第2水準電位とがそれぞれ変化し、両者ともに抵抗値が高いほど電位の減衰が少なく、大きな電位を示す。そして、第1水準電位と第2水準電位との電位差(△V)は、転写搬送ベルト21の表面抵抗値が7.0〜9.0logΩのときに最大の100Vとなることが判明した。その際には、通紙試験で10000枚の通紙においてもクリーニングブレード43にはブレードめくれが発生しないことが実証された。
これに対し、転写搬送ベルト21の表面抵抗値が6.0logΩや10.0logΩのときには、第1水準電位と第2水準電位との電位差がそれぞれ30V、70Vとなり、その際には、ともに用紙Pの通紙10000枚を経過する以前にブレードめくれが発生した。これは、転写搬送ベルト21の表面抵抗が7.0logΩ未満では転写搬送ベルト21がほとんど帯電しないためであり、一方、転写搬送ベルト21の表面抵抗が9.0logΩを超えると、今度は転写搬送ベルト21が除電できなくなるために第1水準電位と第2水準電位との電位差が得られなくなってしまうことによるものと推測される。このように、第1水準電位と第2水準電位との電位差が100Vよりも小さい場合には、クリーニングブラシ41から転写搬送ベルト21表面にトナーを転移させるには不充分であり、クリーニングブレード43にブレードめくれが発生する結果となることが判明した。したがって、第1水準電位と第2水準電位との電位差は、100V以上に設定することが好ましく、そのためには、転写搬送ベルト21の表面抵抗値を7.0〜9.0logΩに形成することが好適である。
なお、温湿度環境により、第1水準電位と第2水準電位とが変動する場合もあるため、第1水準電位と第2水準電位との電位差を100V以上に維持するため、画像形成装置に設けた温湿度センサの検出値に基づき、温湿度環境に対応させて、転写ロール24からの転写電流値を変化させるように構成することも効果的である。また、転写バイアスのON/OFF時間をコントールすることにより、さらにアイドルロール23に印加する逆バイアスの大きさ/時間をコントロールすることにより、上記した電位差の値をある程度調整することが可能であり、これと温湿度センサとの組合せでブレードエッジへのトナー供給量を環境条件により制御することも可能である。
このように、本実施の形態の画像形成装置では、転写搬送ベルト21の表面電位を、クリーニング領域において、トナーの帯電極性と同極性である第1水準電位と第2水準電位とに切り替えることができるように構成している。このように構成することで、実施の形態1と同様に、所定のサイクルで、クリーニングブラシ41に回収されたトナーをクリーニングブレード43の先端エッジ部に供給することが可能となる。それによって、転写搬送ベルト21とクリーニングブレード43との当接部において、常に潤滑剤となるトナーを適量介在させることができる。そのため、転写搬送ベルト21とクリーニングブレード43との摩擦力の低減を図ることが可能となって、ブレードめくれの発生を抑制することが可能となる。
その場合に、第1水準電位と第2水準電位との電位差は100V以上に設定することが好ましく、そのためには、転写搬送ベルト21の抵抗値を7.0〜9.0logΩに形成することが好適である。また、クリーニングブラシ41の抵抗は8.0logΩ以下に形成するのが好ましい。
また、本実施の形態の画像形成装置においても、クリーニングブレード43の先端エッジ部にトナーを供給するに際して、クリーニングブラシ41に回収されたトナーを利用するため、トナーの無駄な消費を抑制するとともに、回収ボトルへの回収トナー量が増加することもないので、メンテナンスの頻度を最少限に抑えることも可能となる。
なお、本実施の形態の構成は、実施の形態1の構成と組み合わせることで、さらにブレードめくれを抑制する効果を高めることができる。
本発明の活用例として、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ、さらにはこれらの複合機等への適用がある。
本発明の画像形成装置の概略構成図である。 転写ユニットの構成を示す断面図である。 転写ユニットの構成を示す斜視図である。 転写搬送部を取り外した状態の転写ユニットの構成を表した斜視図である。 転写搬送部が感光体ドラムから離隔した状態を表した図である。 転写搬送部が感光体ドラムに当接した状態を表した図である。 クリーニングブレードが転写搬送ベルトに当接する状態を示した断面構成図である。 フリッカーバーによってクリーニングブラシから撒き上げられるトナーの飛散方向を説明する図である。 通紙試験を行なった際のブレードめくれの発生の有無を評価した結果を示した図である。 第1水準電位と第2水準電位とを説明する図である。 表面抵抗値の異なる転写搬送ベルトを用いた場合の第1水準電位と第2水準電位との電位差と、通紙試験を行なった際のブレードめくれの発生の有無を評価した結果を示した図である。
符号の説明
10…感光体ドラム、11…帯電器、12…レーザ露光器、13…現像器、15…転写ニップ部、17…ドラムクリーナ、20…転写ユニット、20A…転写搬送部、20B…リトラクト機構部、20C…クリーニング部、20D…インレットシュート部、21…転写搬送ベルト、22…駆動ロール、23…アイドルロール、30…制御部、31…接離板、32…リンクシャフト、33…揺動アーム、34…直流ソレノイド、41…クリーニングブラシ、42…フリッカーバー、43…クリーニングブレード、44…クリーニングボックス、45…回収コイル、46…ブレードホルダ、47…遮蔽シール、54…レジストロール、55…インレットシュート、60…定着器

Claims (7)

  1. トナー像を担持するトナー像担持体と、
    転写材を担持しながら移動するとともに、前記トナー像担持体に担持されたトナー像を当該転写材に転写する転写搬送ベルトと、
    前記転写搬送ベルトを張架する張架ロールと、
    前記転写搬送ベルトの移動方向と同方向および逆方向の何れの方向にも回転可能に構成され、当該転写搬送ベルトの表面に付着したトナーを拭き取るクリーニングブラシと、
    前記クリーニングブラシの表面に当接して、当該クリーニングブラシに保持されたトナーを剥離するトナー剥離部材と、
    前記クリーニングブラシの前記転写搬送ベルトの移動方向下流側にて、前記転写搬送ベルトにカウンタ当接して、当該転写搬送ベルトの表面の前記トナーを掻き取るクリーニングブレードとを備え、
    前記クリーニングブラシは、画像形成時にて前記転写搬送ベルトの移動方向と同方向に回転することにより当該転写搬送ベルトの表面に付着したトナーを拭き取るとともに画像を形成していない所定の間隔にて当該転写搬送ベルトの移動方向と逆方向に回転することにより、前記トナー剥離部材との当接部から前記クリーニングブレードと当該転写搬送ベルトとの当接部に向けてトナーを飛散させ、潤滑剤となる当該トナーを当該当接部に供給することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記クリーニングブレードは、前記トナー剥離部材が前記クリーニングブラシと当接する位置での当該クリーニングブラシの接線が、前記転写搬送ベルトと交差する位置またはその近傍領域にて、当該転写搬送ベルトと当接することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記クリーニングブレードは、前記転写搬送ベルトが前記張架ロールにラップされる領域にて、当該転写搬送ベルトと当接することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. 前記張架ロールは、接地されていることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
  5. 温度および湿度を検知する温湿度検知手段をさらに備え、
    前記クリーニングブラシは、前記温湿度検知手段により検知された温度および湿度に基づいて、前記転写搬送ベルトの移動方向と逆方向に回転する前記間隔、頻度、回転時間、および回転量のいずれかまたは複数を可変とすることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  6. 前記クリーニングブラシは、長手方向の長さが前記クリーニングブレードの長手方向の長さよりも長いことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  7. 前記クリーニングブラシは、抵抗値が8.0logΩ以下であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
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