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JP4676372B2 - 多層光記録媒体、情報記録方法及び情報再生方法 - Google Patents

多層光記録媒体、情報記録方法及び情報再生方法 Download PDF

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Description

本発明は、光を用いて情報の記録再生を行う多層光記録媒体、及びその媒体に情報を記録・再生する方法に関する。
光ディスクは、記録媒体(ディスク)を記録再生装置から外せることと、記録媒体が安価であることが大きな特徴になっている。従って光ディスク装置では、この特徴を失わずに高速・高密度化するのが望ましい。
記録膜に光を照射して情報を記録する原理は種々知られているが、有機材料を記録層とした光ディスクで実用化されているものには、CD−RやDVD-Rがある。これらは、記録光源の波長に吸収を有する色素を含む記録層をレーザ照射で変質させて記録を行う。また、膜材料の相変化(相転移、相変態とも呼ばれる)など、熱による原子配列変化を利用するものは、多数回書換え可能な情報記録媒体に利用されている。相変化光ディスクの基本構成は、基板上に保護層、Ge−Sb−Te系等の記録膜、保護層、反射層を積層した構造である。相変化光ディスクでは記録膜が4層までの多層のものが開発中である。しかし従来の多層記録媒体で、3層以上では各層の透過率と記録感度とがトレードオフの関係にあり、再生信号品質か記録感度か、どちらかが犠牲にならざるを得なかった。また、隣接する層に記録されている情報の悪影響(層間クロストーク)を受けないように層間隔を約20μm以上にする必要があり、層数を多くすると記録媒体作製が困難であった。
特開平2003−346378号公報には、エレクトロクロミック材料を用い、電圧によって層を選択する方式の光ディスクが記載されている。装置としては、記録・再生装置の静止部分から回転するディスクに電圧を供給するために、回転軸又はその近傍に電圧伝達機構を配置する。特開平2003−346378号公報、特開平2004−310912号公報には、層選択方式の光ディスクへの電圧伝達機構について述べられている。
エレクトロクロミックデバイスは、下面透明電極、エレクトロクロミック膜、固体電解質膜、上面透明電極によって形成される。この上下透明電極間に電圧印加することにより、固体電荷質膜内のH+(プロトン)もしくは陽イオンがエレクトロクロミック膜内に入り、エレクトロクロミック材料の化学構造が変わることにより着色する。
特開平2003−346378号公報 特開平2004−310912号公報
電圧による層選択型光ディスクは、記録層の層数を非常に多くすることが可能であるという長所が有る。そこで、従来の電圧伝達機構では、この記録層の層選択のために、記録層の層数と同じだけのピン電極をディスク側、装置側に設け、スイッチングによる層選択を行っている。今後、層数の増加に伴う大量のピン電極の配置が問題となる。これに対しては、以下の2つの対応が考えられる。1つは、電極を微細化して多層化に対応する方法である。この方法では、ディスク・装置両方の微細な電極を一対一対応で固定する正確な位置決め精度、更には微細な電極加工・配線が求められる。そのため、ディスク、装置のコストが高くなる。もう1つは、電極の大きさはそのままで、電極面積を増加させて多層化に対応する方法である。この方法では、電極の微細化は必要ないが、電極数の増加に伴い電極部分の面積が増加する。その結果として、記録面積の低下(容量の低下)に繋がる。これは記録領域のビットあたりの単価が高くなることを意味する。
層選択型光ディスクは、選択されていない記録領域が透明である必要がある。しかし、多層化に伴い、ディスク1枚を構成する層数も増大し、1層あたりのわずかな吸収の影響が大きくなり、信号強度が低下する。
ISOM2005にて層選択方式のエレクトロクロミック材料を用いた光ディスクにおいて、多層化の際必要な各膜の光学特性計算値が述べられている(“Optical Characteristics for Layer-Selection-type Recordable Optical Disk (LS-R)”, A. Hirotsune et al., ISOM/ODS 2005 Tech. Digest (2005) MC7)。このとき、現状のエレクトロクロミック材料を用いた光ディスクを構成する材料の中で最も吸収が多く、将来的に吸収を少なくするのが困難であるのが透明電極の層である。透明電極には、ITOに代表される透明導電膜が主に用いられるが、この透明導電膜の透過率と導電率にはトレードオフの関係がある。その理由を述べる。
古典電子論では、金属における自由キャリア吸収の吸収係数αfは次式で表される(J.I.Ponkove, “Optical Processes in Semiconductors”)。
αf=Nq2λ2/(m*8π2nc3τ) (1)
ここで、Nはキャリア密度、nは屈折率、τは散乱の緩和時間である。
半導体では、τは散乱のメカニズムによって異なる波長依存性を持つため、αfは次式で表される。
αf=Aλ1.5 + Bλ2.5+ Cλ3.5 (2)
ここで、A,B,Cは材料によって決まる定数である。一方、シート抵抗のもとになる直流の導電率σは次式で表わすことができる。
σ=Nqμ (3)
ここで、Nはキャリア密度、μは移動度である。この移動度μは、等方的な散乱の場合に、μ=qτ/m*と表すことができ、導電率σは次式で表わされる。
σ=Nq2τ/m* (4)
ここで、τと自由キャリア吸収のτcが同じであるとすると、自由キャリア吸収と導電率の間には、次式の関係が成立する。
αf=σλ2τc 2/(8π2nc3) (5)
透明電極の抵抗率を下げる為には、吸収率を上げる (透過率を下げる)必要がある。つまり、層選択型光ディスクでは、このトレードオフを解決しながら大容量化するのが好ましい。
本発明の目的は、これらの問題点を解決し、安定な大容量記録・層選択を達成することにある。
本発明による多層光記録媒体は、一対の電極の間に積層して形成された複数のエレクトロクロミック記録層を有する。複数のエレクトロクロミック記録層は、光入射側に近い記録層ほど着色に必要な印加電圧の閾値が単調に増加あるいは減少するように、あるいは、光入射側に近い記録層ほどカットオフ周波数が単調に増加あるいは減少するように配置されている。
直流電圧の電圧値、印加時間、交流電圧の周波数、振幅のいずれか1つの制御あるいはその制御の組み合わせからなる層選択電圧を前記一対の電極に印加することにより複数の記録層のうち所望の一層のみを選択的に着色させることができる。この多層光記録媒体に対して記録・再生動作を行うと、選択され、着色した記録層に対してのみ情報の記録あるいは再生を行うことができる。
本発明によると、従来の構造に比べ透明電極層の数が減少し、それに伴い電極数も減少する。ディスクを構成する層数の減少によりディスクの透明性が増し、積層できる層数が増加するので、1枚のディスクの容量を増加させることができる。また、電極数が減少するため、装置、媒体ともに電極数増加による装置構成の変更を最小限に抑えることができる。これらの特徴により、安価で高密度記録が可能な装置、媒体を提供することができる。
本発明の情報記録媒体には、電圧選択式の層選択型多層光ディスクを用いる。電圧層選択式多層記録媒体を用いるとき、各記録層の基本状態は透明な状態とする。記録層を挟む電極層間に電圧をかけた層だけが着色する。本明細書では、H+(プロトン)もしくは陽イオンによりエレクトロクロミック材料が着色するときの印加電圧の向きを正と定義する。記録レーザ光照射によって着色機能が失われて記録マークが形成されれば、層全体を透明に戻したとき記録マークが見えず、他の層の記録・再生時に障害とならない。これにより、他の層の干渉が無いので層間隔を狭くでき、従来の複数層ディスクより多層・大容量化可能できる。
本明細書でいうエレクトロクロミック材料層は、電圧印加によって直接着色する材料の層以外に、電圧印加によって発光する領域とその光を受けて着色又は消色する領域を有する層をも指すものとする。このような記録媒体を実現するには、記録層として、有機又は無機のエレクトロクロミック材料層と固体電解質層との積層膜、又はエレクトロルミネッセント材料とフォトクロミック材料との混合材料層あるいは積層膜を用いれば良い。これにより任意の選択された層だけ光吸収し、他の層はほとんど光吸収が無いようにできる。エレクトロクロミック材料としては、例えば酸化タングステン、チオフェン系有機分子の重合体がある。その他のエレクトロクロミック材料としては、産業図書(株)平成3年6月28日初版発行の「エレクトロクロミックディスプレイ」に述べられている各種材料など、既知の多くのエレクトロクロミック材料が使用可能である。
本発明では、従来の1組の透明電極間にエレクトロクロミック記録膜を1層はさんだ構造ではなく、1組の透明電極間に複数のエレクトロクロミック膜を配置した構造を採用する。このとき1組の透明電極には上・下合わせて2本のピン電極しか露出していない状態になるが、このピン電極に特定の電圧を印加することにより、任意の層を着色することができる。
以上の構造により、多層化にとって一番課題になっている透明電極層の数を減らすことが可能である。これは、積層できる層数が増えることを意味し、ディスク容量を大きくすることができる。つまり、多層化可能なディスク構造設計が容易となり、またコストの面でも利点がある。特に透明電極として様々なデバイスで用いられているITOは、インジウムを含む貴重資源であり、その枯渇が問題となっており、材料自体も高価なものであり、その使用量を減らすことができるので、環境、コストの観点からも望ましい。
本発明では、電圧伝達機構に接続した電源には、直流電圧値及び/又は直流・交流の印加方式を変えることができる機構を設けた電源を用いる。この電源には、任意の電圧波形を外部出力できる、現在市販されているパルスジェネレータをそのまま用いても良い。
情報の記録再生は以下のように行う。一対の電極で挟まれた電圧印加によって着色する複数の記録層を有するディスクを回転軸に固定されたディスク載置部に設置し、ディスク載置部に載置されたディスクをディスク押え部により押えて固定する。この押さえ部はディスクと共に回転する。ディスク載置部のディスク接触面に設けた一対の接触電極から複数の記録層のうちの指定した1つの記録層を含む一対の電極に、指定した1つの記録層が着色するように電圧を印加する。印加する電圧については、実施例で詳しく述べる。こうして指定された記録層を着色させ、着色した記録層に対して、光照射によって情報の記録・再生を行う。
エレクトロクロミック膜が着色するためには電解質層からエレクトロクロミック層へイオンもしくは電荷が移動することが必要であり、界面を越えて移動するのに必要なエネルギー(電圧)は閾値を持っている。以下、イオンもしくは電荷を、イオンと記述する。この閾値は、エレクトロクロミック材料の種類、電解質に含まれる着色に寄与するイオンの含有量、同じ材料でもその膜質、界面の状態等によって変化する。また、通常、エレクトロクロミック膜は、電圧印加を止めた時点で、エレクトロクロミック層に移動したイオンが固体電解質層へ戻り消色する。電圧印加を止めるだけでも消色方向に進むが、着色の際に閾値があったように、消色する時間にこの閾値が関係する。閾値が高い状態のエレクトロクロミック膜は、一度着色したものが長い時間消えずに残る。
本発明では、エレクトロクロミック膜の持つ次の3つの特徴を利用する。
(1)エレクトロクロミック膜が電圧により着色するためには閾値を持つ。
(2)エレクトロクロミック膜が消色する時間には前記閾値が関係する。
(3)エレクトロクロミック膜は抵抗・コンゼンサ成分による電気回路とみなすことができる。
これら3つの特徴を踏まえ、エレクトロクロミックデバイスに印加する電圧を制御することにより、従来よりも透明電極層が少ない媒体構造、ピン電極数が少ない装置構成で、任意の記録層を選択することができる。
ここでエレクトロクロミック膜の着色メカニズムの考察のため、図1に示す電気的等価回路モデルを考える。モデル簡略化のために、エレクトロクロミック膜・電解質層を1セットのエレクトロクロミック記録膜とする。ここで、記録膜の垂直・水平方向を考え、等価回路モデルを考えると以下の様になる。
各素子の抵抗Rに添え字を付けて示す。各透明電極(RITO_L・RITO_U)の水平・垂直(//・⊥)の抵抗成分は(RITO_L//・RITO_U//)、(RITO_L⊥・RITO_U⊥)、各透明電極とエレクトロクロミック膜との界面での抵抗成分は(RITO_Li・RITO_Ui)、エレクトロクロミック記録膜の抵抗成分はRECである。また、エレクトロクロミック記録膜の電気容量成分をCECと表す。図1に示すように、エレクトロクロミック記録膜の抵抗成分、電気容量成分が並列接続された素子が記録膜面方向に複数個連続した形になっている。
電圧が流れたパスのみ着目すると、この等価回路モデルは図2の様に簡略化できる。ここで、n番目の電圧が流れたパスのみ着目し、各素子に流れる電流を式(6)、式(7)の様に定義する。
Figure 0004676372
ここで,Inはn番目のエレクトロクロミック回路に流れる電流であり、IRnはn番目のエレクトロクロミック回路の抵抗成分に流れる電流、ICnはn番目のエレクトロクロミック回路のコンデンサ成分に流れる電流である。また、Iは回路全体に流れる電流を示しており、その値は全ての素子に流れる電流の総和になることを式(7)で示しておる。
なお、エレクトロクロミックデバイスの媒体構成によって、図3に示すような等価回路モデルとなることもある。これは、図1に示されたエレクトロクロミック記録膜の抵抗成分、電気容量成分が並列接続された素子に、電気容量成分の前にもうひとつ抵抗成分が付与された形である。
本発明は、エレクトロクロミックデバイスが持つ電気特性に着目したものであり、その等価回路形状を図2の一例に限定するものではない。以下の実施例におけるシミュレーション及び作製した媒体は、図2に示す等価回路モデルのものである。
[実施例1]直流電圧制御による層選択シミュレーション
実施例1では、本発明の直流電圧の印加時間を制御することによる層選択の例として、直流電圧印加時の電気シミュレーションを行った。
直流電圧の過渡現象を利用した印加方法を示す。RC直列回路では、RITO成分、CEC成分での電圧を、VR、VCとすると、回路全体の電圧Viは次式で表わすことができる。
Figure 0004676372
ここで、漸化式を使って、式(8)の微分方程式を解く。
Figure 0004676372
ここで、in-1、in、in+1は,それぞれ時刻n−1、n、n+1の電流を示している。(8-1)式にて積分を総和Σに置き換え、(8-2)式の漸化式に展開した。求めるエレクトロクロミック記録膜のコンデンサ成分での電圧VCは、式(9)で表すことができる。
Figure 0004676372
ここで、様々な抵抗R・電気容量Cを用いたときの、Vcの過渡現象を計算した結果を図4に示す。図4の左端のグラフはR=500Ω、C=1pFの膜に対するもの、中央のグラフはR=500Ω、C=0.1pFの膜に対するもの、右端のグラフはR=500Ω、C=0.005pFの膜に対するものである。透明電極の抵抗成分RITO、エレクトロクロミック記録膜の電気容量成分CECを変えることによって、同ステップ形状の直流電圧印加時のエレクトロクロミック記録膜での電圧VCが変化することが分かる。更に、電圧印加直後に注目すると、図5のようになる。
続いて、エレクトロクロミック膜が閾値を持つことを利用する。エレクトロクロミック膜着色・消色のために必要な電圧の閾値は、エレクトロクロミック材料の種類、電解質に含まれる着色に寄与するイオンの含有量、同じ材料でもその膜質、界面の状態等によって変化するため、装置依存性があり、閾値がどう決まるか制御するのは非常に難しい。
そこで、新たにエレクトロクロミック膜と固体電解質膜の間にイオン通過制御膜として一層SiO2中間層を設け、その膜厚をコントロールしたり、固体電解質層の膜厚・固体電解質層に含まれる着色に寄与する水分量を制御したりすることで上記閾値を変えることができる。
以上の点を整理すると、本発明では、予め透明電極の抵抗成分RITO、エレクトロクロミック記録膜の電気容量成分CECを制御したディスクを準備し、直流電圧の印加時間による着色具合をコントロールすることが可能となる。
ここで、着色に必要な電圧(閾値)を3Vと仮定する。上記3種類のエレクトロクロミック膜を並列接続すると、これらのエレクトロクロミック膜には同じ量の電圧が印加される。各エレクトロクロミック膜に5秒間のみ3Vの直流電圧を印加すると、C=0.005pFの膜のみが着色する。180秒間(3分間)電圧を印加するとC=0.005pFの膜だけでなくC=0.1pFの膜も着色する。300秒間(5分間)電圧を印加したときに3つ全ての膜が着色することになる。つまり、印加電圧量と時間を制御することにより、着色するエレクトロクロミック膜を選択することができる。
本実施例では、3つの記録膜を、記録膜の積層方向に見て、エレクトロクロミック記録膜を着色させるための閾値が単調に増加あるいは減少するように配置する。すなわち、記録再生時に用いるビーム入射側から近い方に、着色に最も長い時間が必要なエレクトロクロミック記録膜(上記例ではC=1pFのもの)を配置し、入射側から遠ざかるに従って順番に着色時間が短いものを配置する。あるいは、ビーム入射側から近い方に、着色に必要な時間が最も短いエレクトロクロミック記録膜を配置し、入射側から遠ざかるに従って順番に着色時間が長いものを配置する。
層選択のためのステップ状直流電圧を図6に示す。ビーム入射側から近い方に、着色に必要な印加電圧の閾値が高いエレクトロクロミック記録膜を配置し、入射側から遠ざかるに従って着色に必要な印加電圧の閾値が低いものを順に配置した場合を例にとって説明すると、ある所望の層nが着色まで必要な時間tnまでは正電圧VCOLを印加し、ビーム入射側から最も遠い層から選択層までの全ての層を着色する。実際には、着色後、記録再生を行うので、tnよりも大きく、次の層が着色するtn+1より短い時間が良い。この時間をtCOLとする。続いて、電圧印加を停止させると、エレクトロクロミック膜は時間tDE-COLnかけて消色する。このとき、消色もビーム入射側から最も遠い層から順番に始まるので、所定の時間待つと所望の層だけが着色した状態になる。
着色に必要な印加電圧の閾値と積層順を逆にした場合には、電圧印加による着色及び電圧印加を停止することによる消色はビーム入射側に一番近い記録膜から順に始まる。しかし、所望の層のみを着色させるための手順は、いずれの場合でも同じである。
図6は1サイクル目は1層目(入射側から見て最も奥側の層)のみ着色、2サイクル目は1層目・2層目を着色、3サイクル目は1〜n層目まで全ての層を着色するときの、印加電圧の時間変化を示している。このケースでは、消色に必要な時間は着色に必要な時間同様、着色層の数を増やすに従って増加する。このように直流電圧の電圧量を制御することにより、着色するエレクトロクロミック膜を選択することができる。また、図6で示したように、直流電圧の印加時間、印加量を共に制御することにより、着色するエレクトロクロミック膜を選択することができる。
消色時には、図7のように逆電圧VDE-COLを印加してもよい。逆電圧を印加することにより、消色を速やかに行うことができる。
着色・消色に用いる電圧値を制御してもよい。例えば図8に示すように、多くの層を選択する時ほど、大きな電圧印加を行うことにより、着色・消色に必要な時間を層数に関わらず一定とすることができる。この電圧印加方法を用いれば、情報読み出し時に離れた層にアクセスする際も、隣接層にアクセスするときと同じ時間にすることができる。
ある層を選択し情報の読み書きを行う際は、図9のように、消色時に比べ、逆電圧印加量VDE-COLもしくは逆電圧印加時間tDE-COLを少なくした状態にて、ステップで電圧印加を行う。つまり、瞬間的に等価回路モデル内のエレクトロクロミック記録膜コンデンサに蓄えた電荷を開放する必要がある。このステップを繰り返し行うことにより、定常的に層を着色した状態で維持できる。このように正負の電圧印加を間歇的に繰り返す方が、定常電圧を長時間印加するのに比べ、膜に蓄えられるエネルギー、言い換えると、膜に蓄積する熱量が少なくなるため、エレクトロクロミック記録膜の高寿命化にも効果がある。
[実施例2]交流電圧制御による層選択
実施例2として、交流電圧の周波数を制御することによる層選択を行う実施例について説明する。交流電圧印加時の電気シミュレーションを行った。前述のRC直列回路に交流の入力電圧を印加するケースを考える。このとき、回路方程式は式(10)となる。
Figure 0004676372
Vは印加する交流電圧の振幅、ωは交流電圧の振動数、tは時間である。 “電流”=“コンデンサに蓄えられる電荷qの時間変化(微分)”なので、式(10)を式(11)に変形する。
Figure 0004676372
上記微分方程式をコンデンサに蓄えられる電荷qについて解くと式(12)の様になる。
Figure 0004676372
Z=√(R+1/(ωC)、また、θ=tan-1(1/ωCR)とすると、コンデンサに蓄えられる電荷qは式(13)で表すことができる。
Figure 0004676372
ここで、様々な抵抗R・電気容量Cを用いたときの、角速度ωと入力交流振幅Vinと出力交流振幅Vcの比Vc/Vin、及び、位相差θを計算した結果を図10に示す。図10の左のグラフはR=500Ω、C=0.1μFの膜に対するもの、中央のグラフはR=500Ω、C=1μFの膜に対するもの、右のグラフはR=500Ω、C=10μFの膜に対するものである。グラフを見ると分かるように、直列RC回路は、ローパスフィルタとして働く。そこで、透明電極の抵抗成分RITO、エレクトロクロミック記録膜の電気容量成分CECを変えることによって、交流電圧印加時のエレクトロクロミック記録膜での電圧VCが変化することが分かる。ここで、出力電圧を決めるパラメータとして、カットオフ周波数に注目する。
本実施例では、3つの記録膜を、記録膜の積層方向に見て、エレクトロクロミック記録膜のカットオフ周波数が単調に増加あるいは減少するように配置する。すなわち、記録再生時に用いるビーム入射側から近い方に、エレクトロクロミック記録膜のカットオフ周波数が一番小さいものを配置し、カットオフ周波数が一番大きなエレクトロクロミック記録膜は、ビーム入射側から一番遠くに配置する。あるいは、ビーム入射側から近い方に、エレクトロクロミック記録膜のカットオフ周波数が一番大きなものを配置し、カットオフ周波数が小さなエレクトロクロミック記録膜ほど、ビーム入射側から一番遠くに配置する。
ここで、着色に必要な電圧(閾値)を3V、印加電圧を10Vと仮定する。ある任意の角速度の交流電圧を印加したときに、出力比0.3(図中では対数軸表示なのでLog(0.3)≒約0.5)を得ることが着色のための条件となる。例えば、上記3種類のエレクトロクロミック膜の場合、各エレクトロクロミック膜に104rd/secの角速度(Log(10000)=4)の交流電圧を印加すると、図10の左に示したC=0.1μFの膜(ビーム入射側から一番遠くに位置する膜)のみが着色する。3×10rd/secの角速度(Log(3000)=3.5)の交流電圧を印加すると、C=0.1μFの膜だけでなく、図10の中央に示したC=1μFの膜も着色する。103Hzのrd/secの角速度(Log(1000)=3)の交流電圧を印加したときには、図10の右に示したC=10μFの膜を含む3つ全ての膜が着色することになる。ここで、角速度ωと周波数fの関係は、ω=2πfで与えられるので、印加する交流電圧の周波数を変化させることにより、着色する記録膜を選択することができる。
層選択のための交流電圧を次のようにする。交流波形1周期分だけ注目すると、考え方はステップ状の直流電圧印加にほぼ等しい。ある所望の層nが着色するのに必要な時間tnまでは正電圧VCOLを印加し、ビーム入射側に一番近い層あるいは一番遠い層から選択層までの全ての層を着色する。続いて、エレクトロクロミック膜は常に同じ量の負電圧VDE-COLが同じ時間印加され消色する。交流の為、印加電圧は時々刻々と変化し、エレクトロクロミック記録膜の着色・消色に寄与する電圧はその一部分である。
図11は、1ブロック目は例えばビーム入射側から一番遠くに位置する1層目のみを着色、2ブロック目は1層目・2層目を着色、3ブロック目は1〜n層目まで全ての層を着色するときの、印加電圧形状を示している。
直流電圧印加時と同様に、着色・消色に用いる電圧値を制御してもよい。例えば図12に示すように、多くの層を選択する時ほど、多くの電圧印加を行うことにより、着色に必要な電圧出力比が変化する為、装置の出力周波数を変化させることができる。この電圧印加方法を用いれば、より狭い周波数レンジの電源を用いて層選択が可能となる。
印加交流電圧にオフセットをかけてもよい。例えば、図13に示すように、印加電圧に正のオフセットを印加することで、エレクトロクロミック記録膜に印加される正電圧と負電圧の時間比・電圧量をコントロールできる。エレクトロクロミック記録膜では、着色に必要な正電圧に比べ、負電圧の方が少なくて済む。この電圧印加方法を用いれば、エレクトロクロミック膜に過電圧が印加されることなく、耐久性向上が期待できる。
[実施例3]複数層連続積層時の任意の1層選択方法
複数層を連続積層したときのエレクトロクロミックデバイスの電気的等価回路は、図14になる。
図14は複数のエレクトロクロミック膜が直列に配置されたものであるが、デバイスの構造としては、これが並列に配置されていても良い。いずれのケースにしても、電気的等価回路が与えられているので、各エレクトロクロミック膜に掛かる電圧値を回路方程式を解くことにより求めることができる。
今までの説明では、あるひとつのエレクトロクロミック膜を選択したときに、例えば一番奥側から選択したエレクトロクロミック膜の間に存在する全てのエレクトロクロミック膜を着色・消色する。そこで、次のステップで電圧印加を行い、任意の1層のみを選択することができる。
(1) ビーム入射側から遠い奥側にいくほど着色しやすい層を配置する(着色・消色に必要な電圧の閾値が高いもの程、手前に配置する)。あるいは、その逆に、ビーム入射側に近いほど着色しやすい層を配置する。
(2) 一番着色しやすい層から選択した層まで全ての層を着色させる。
(3) 選択した層の手前までの層が消色するように、逆向きの電圧を印加する。
この構成では、複数のエレクトロクロミック層を含む記録膜は、(1),(3)の条件を満たす必要があるが、着色しにくい層ほど、一度着色すると消色しにくいと考えることができるので、以下の方法でその条件を満たす記録膜が作製可能である。このような条件をコントロールするためには、閾値の説明でも触れたように、次の(1)〜(3)の方法が挙げられる。
(1)複数の記録膜の製膜条件、あるいは膜厚を変え、閾値・電気的等価回路を制御する方法。
(2) エレクトロクロミック膜とイオンを供給する固体電解質膜の間にイオン通過制御膜を設け、そのイオン通過制御膜の製膜条件、あるいは膜厚を変え、閾値・電気的等価回路を制御する方法。
(3)複数の種類のエレクトロクロミック膜、あるいは固体電解質膜、イオン通過制御膜を用い、閾値・電気的等価回路を制御する方法。
[実施例4]直流電圧制御による層選択
図15に示したように、直径12cm、厚さ0.6mmで表面にトラックピッチが0.74μmで深さ60nm、溝幅0.35μmのイングルーブ記録用のトラッキング用の溝を有し、アドレス情報を上記溝のウォブルとして有するポリカーボネート基板1上に、Ag94Pd4Cu2半透明反射層2、ITO透明電極3を形成し、記録膜として、還元型のエレクトロクロミック材料層4、イオン通過制御層5、固体電解質層6、もう一度イオン通過制御層5、酸化型のエレクトロクロミック層7を用い、この積層を2回繰返し積層して記録層が3層含まれる多層記録媒体を作製し、ITO透明電極8で挟みこんだ。最後に紫外線硬化樹脂層を塗布によって形成した。
エレクトロクロミック材料層では、着色材料として酸化タングステンWO3及び酸化イリジウムIrOx(xは1未満の正の数)の層を用いた。この上にイオン通過制御層を介して固体電解質材料を積層する。エレクトロクロミック材料層はスパッタによって形成した。エレクトロクロミック材料層は、上下の電極間に電圧をかけることによって着色する。各層はスパッタ又は塗布によって形成されており、光は上方から入射させる。レーザの波長は660nmとし、トラックピッチは0.74μmとした。
各記録層は固体電解質層の上にもう1層加えた3層構成を用いた。3層構成の場合、例えば酸化着色型第1着色層であるIrOx又はNiOx(xは1未満の正の数)の層,固体電解質層であるTa25の層,還元着色型第2着色層であるWO3の層の3層とする。この構成では、酸化型・還元型両方のエレクトロクロミック膜で固体電解質膜を挟むことにより、固体電解質中に着色に寄与するイオンを効率的に用い、着色時に必要な電圧が低減できる。
層構成は、アクリル系紫外線硬化樹脂にLiトリフレート(正式名Liトリフロロメタンスルフォネート,固体電解質層に五酸化タンタルTa25である。エレクトロクロミック材料層は3層より成り、例えば酸化着色型第1着色層であるIrOx又はNiOx(xは1未満の正の数)の層100nm,固体電解質層であるTa25の層300nm,還元着色型第2着色層であるWO3又はMoOxの層150nmの3層である。エレクトロクロミック材料層は、2層構造でも良い。2層の場合、例えば固体電解質層として五酸化タンタルTa25を300nm、WO3より成る着色材料層150nmの2層となる。
ここで挙げた複数の種類のエレクトロクロミック材料をそれぞれの記録層で用いても良い。材料毎にエレクトロクロミック現象を発現するために必要なエネルギー、すなわち本発明での閾値が異なるので、エレクトロクロミック材料の種類、厚み、密度を変えることによる層選択が可能である。
無機材料層を用いる場合のメリットは、透明電極ITOと光学的性質(屈折率)が近く、スパッタリングによる高精度な膜厚コントロールが可能なため、再現性良く高透明性、及び設計した電気特性を持つ多層情報記録媒体が作製可能となることである。また多層情報記録媒体を構成する層が全てスパッタリングによる製膜可能なため、既存の光ディスク製造ラインを用いて作製することができる。
エレクトロクロミック材料層に用いる材料としては、ポリチオフェン系有機高分子、チオフェン系有機物のオリゴマーやポリマーなどの有機材料も使用可能である。導電性有機材料は、塗布によって形成可能であり、着色効率が優れる特徴がある。チオフェンの重合体は真空蒸着又は電解重合によって形成する。電解重合では、モノマーとしてはチオフェン誘導体であるポリ(3−メチルチオフェン)を用い、支持電解質としてLiBF4、溶媒としてベンゾニトリルを用いる。
有機材料層を用いる場合のメリットは、導電性が有り、導電率は温度上昇とともに高くなり、また、光導電性も持たせることができるのでフォトキャリアーを電界によって加速し、温度上昇により記録感度を高めることができること、WO3のように着色消色に膜中への水分(プロトン)の出入りを必要としないことである。着色はLiなどのイオンが分子近傍に移動することにより、分子中に電子が与えられて光で励起状態にできるようになることによって起こる。導電率が無機の固体電解質に比べ大きい為、有機と無機の固体電解質を使って、着色に必要な電圧の閾値を制御することも可能である。
各記録層の着色の為に必要な電圧の閾値、電気特性値の制御は、イオン通過制御層5であるSiO2の膜厚を変えることによって行った。基板側に近い層より、SiO2の膜厚を0nm(なし)、3nm、10nmと厚くした。着色に必要な電圧の閾値、電気特性値は、予めそれぞれのSiO2のイオン通過制御層を持つ単層の試料を作製し、その試料の測定結果より求めた。閾値は、徐々に直流電圧の大きさを大きくしていきながら試料が着色することにより透過率変化が確認できたときの電圧値を測定し、電気特性値は、インピーダンス測定により等価回路を算出することにより求めた。
SiO2の膜厚を0nm、3nm、10nmと厚くすると、単層の試料では、着色に必要な閾値は、0.1V,0.3V,0.9Vと大きくなっていき、抵抗及びコンデンサ成分の値も(0.5kΩ,15μF)、(4.0kΩ,20μF)、(8.0kΩ,40μF)と大きくなっていった。この特性値は、前記複数の記録層のなかの任意の1つの層を選択するために必要な媒体の条件を満たしている。
記録又は再生を行いたい記録層に対応する電圧を透明電極に印加すると、その層だけが着色し、レーザ光を吸収、反射するようになるので、波長660nmのレーザ光を照射すると着色した層のみ選択的に情報の記録や読出しができる。このとき、他の記録層は無色であり、何も変化しないことになる。
さらにこの上に図16に示すように、直径120mm、厚さ0.6mmのポリカーボネート基板9を貼り付けた。光はこの張り合せ基板側から入射させた。なお、光入射側から最も遠い透明電極の代わりにW−Tiなどの金属電極を用いてもよい。反射層兼電極と上記透明電極10には、それぞれの外周部に引き出し電極11を設け、記録再生装置のディスク回転軸上のそれぞれ別の電極に接続するため、ディスク中心穴付近の複数の電極12に接続されている。ディスクは図の状態から上下を反転させて回転軸に取り付ける。回転軸のディスク受け部分にはディスクの電極に対応する位置に上下方向に少しバネ性がある複数の電極13があり、ディスクの各電極に接触する。
上記記録媒体に対して、情報の記録再生を行った。図17用いて、情報記録再生の動作を説明する。まず、記録再生を行う際のモーター制御方法として、記録再生を行うゾーン毎にディスクの回転数を変化させるZCAV(Zoned Constant Linear Ve1ocity)方式を採用したものについて述べる。
それぞれのデータは8ビットを1単位として、8−16変調器177に伝送される。情報記録媒体171上に情報を記録する際には、情報8ビットを16ビットに変換する変調方式、いわゆる8−16変調方式を用い記録を行った。この変調方式では媒体上に、8ビットの情報に対応させた3T〜14Tのマーク長の情報の記録を行っている。図中の8−16変調器177はこの変調を行っている。なお、ここでTとは情報記録時のクロックの周期を表している。ディスクは光スポットとの相対速度が15m/sの線速度となるよう回転させた。
8−16変調器177により変換された3T〜14Tのデジタル信号は記録波形発生回路175に転送され、マルチパルス記録波形が生成される。記録波形発生回路175内において、3T〜14Tの信号を時系列的に交互に「0」と「1」に対応させるようにしている。また、上記記録波形発生回路175内は、マーク部を形成するための一連の高パワーパルス列を形成する際に、マーク部の前後のスペース部の長さに応じてマルチパルス波形の先頭パルス幅と最後尾のパルス幅を変化させる方式(適応型記録波形制御)に対応したマルチパルス波形テーブルを有しており、これによりマーク間に発生するマーク間熱干渉の影響を極力排除できるマルチパルス記録波形を発生している。
記録波形発生回路175により生成された記録波形は、レーザ駆動回路176に転送され、レーザ駆動回路176はこの記録波形をもとに、光ヘッド173内の半導体レーザを発光させる。光ヘッド173には、情報記録用のレーザビームとして光波長660nmの半導体レーザが使用されている。また、このレーザ光をNA0.65の対物レンズにより光ディスク171の記録層上に絞り込み、レーザビームを照射することにより情報の記録を行った。
上記のような記録原理であるから、同一、又は別々の記録トラックに、単一の光ヘッドから又は複数の光ヘッドから複数の光スポットを形成し、同時に記録することも容易に行える複数の光スポットを用いることにより、高速化が実現可能である。
今回、層選択ができるかどうか確認するために、大きさの異なる記録膜を積層し、単独で記録膜が存在する領域を作り、各記録層の着色・消色を目視にて確認した。
記録膜が1対の透明電極に2V、1分間の直流電圧印加では、いずれの記録層も着色しなかった。3Vの直流電圧を印加すると、基板1に一番近いイオン通過制御層SiO2なしの1層目の記録膜のみが1分後着色したのを確認でき、この状態で10分電圧印加すると、少しずつ中央に配置したイオン通過制御層SiO2膜厚3nmの2層目の記録膜が着色し始めた。しかし、この状態で1時間電圧印加しても、光入射側に一番近いイオン通過制御層SiO2膜厚10nmの3層目の記録膜の着色は確認できなかった。
7Vの直流電圧を印加すると、基板1に一番近いイオン通過制御層SiO2なしの1層目の記録膜のみが2秒後に着色が目視にて確認でき、この状態で1分電圧印加すると少しずつ中央に配置したイオン通過制御層SiO2膜厚3nmの2層目の記録膜が着色し、この状態で10分間電圧印加すると一番手前側のイオン通過制御層SiO2膜厚10nmの3層目の記録膜も着色した。
続いて、逆電圧による消色を検討した。7Vの直流電圧印加10分後、全ての記録膜が着色した状態で、−1Vの逆電圧を1分間印加すると、一番奥側の1層目の記録膜のみが消色した。もう一度、7Vの直流電圧を印加して全ての記録膜が着色した状態に戻し、−2Vの逆電圧を2分間印加すると、奥側の1層目及び中央の2層目の記録層が消色し、一番手前側の3層目の記録層のみが若干薄くなったものの着色していた。
3V、10分間の電圧を印加すると、一番奥の1層目の記録膜と中央の2層目の記録膜が着色しており、−1Vの逆電圧を1分間印加すると、一番奥の1層目の記録膜のみが消色し、中央の2層目の記録膜の着色は若干薄くなったものの着色したままになっていた。
以上の結果を整理すると、以下のようになる。
(1)基板側の第1層のみを選択する方法:3Vの直流電圧を1分印加する。
(2)中央の第2層のみを選択する方法: 3Vの直流電圧を10分印加し、−1Vの逆電圧を1分間印加する。
(3)手前側の第3層のみを選択する方法:7Vの直流電圧を10分印加し、−2Vの逆電圧を2分間印加する。
この結果は、異なる着色に必要な印加電圧の閾値を持つ複数層の記録膜を持つ媒体に、直流電圧の印加電圧量・印加時間を制御することにより、所望の層選択ができたことを示している。
なお、今回は、単層膜にて閾値・電気的等価回路を求めたため、実際の積層サンプル内での各記録膜の正確な閾値・電気的等価回路が求められたわけではない。そこで、層選択条件は、実際に電圧印加し、着色状態を調べることで求めた。
[実施例5]交流電圧制御による層選択
印加電圧を直流電圧ではなく、交流電圧にして層選択を行った例について説明する。
媒体は、実施例4の3層構成を用いず、エレクトロクロミック膜は単層を用いた。その場合、着色に必要な電圧値、着色効率の観点から、還元型であるWO3の層を用いると良い。着色に必要な電圧値は3層構造に比べ高くなるが、媒体構造が簡素になり、電気特性が求めやすくなる利点がある。
図18に示したように、直径12cm、厚さ0.6mmで表面にトラックピッチが0.74μmで深さ60nm、溝幅0.35μmのイングルーブ記録用のトラッキング溝を有し、アドレス情報を上記溝のウォブルとして有するポリカーボネート基板1上に、Ag94Pd4Cu2半透明反射層2、ITO透明電極3を形成し、記録膜として、還元型のエレクトロクロミック材料層4、イオン通過制御層5、固体電解質層6、もう一度イオン通過制御層5を形成し、この積層を2回繰返し、記録層が3層含まれる多層記録媒体を作製し、ITO透明電極8で挟みこんだ。最後に紫外線硬化樹脂層を塗布によって形成した。
エレクトロクロミック材料層では着色材料として酸化タングステンWO3の層を用いた。この上にイオン通過制御層を介して固体電解質材料を積層する。エレクトロクロミック材料層は、上下の電極間に電圧をかけることによって着色する。各層はスパッタ又は塗布によって形成されており、光は上方から入射させる。レーザの波長は660nmとし、トラックピッチは0.74μmとした。層構成は、アクリル系紫外線硬化樹脂にLiトリフレート(正式名Liトリフロロメタンスルフォネート)を用い、固体電解質層に五酸化タンタルTa25を用いた。エレクトロクロミック材料層は2層より成り、固体電解質層として五酸化タンタルTa25を300nm、WO3より成る着色材料層150nmの2層である。
各記録層の着色の為に必要な電圧の閾値、電気特性値の制御は、イオン通過制御層5であるSiO2の膜厚を変えることによって行った。基板側に近い層より、SiO2の膜厚を10nm、3nm、0nm(なし)とした。
振幅5V、周波数102Hzの交流電圧を印加すると、レーザ入射側から見て一番手前側のイオン通過制御層SiO2なしの記録膜のみが1分後に着色を確認できた。しかし、この状態で1時間電圧を印加しても、レーザ入射側から見て2番目の第2層、及び一番奥に位置する1層目の記録膜の着色は確認できなかった。
振幅5V、周波数105Hzの交流電圧を印加すると、レーザ入射側から見て一番手前側のイオン通過制御層SiO2なしの3層目の記録膜、及びレーザ入射側から見て2番目の2層目に配置したイオン通過制御層SiO2膜厚3nmの記録膜の着色を1分後に確認できた。しかし、この状態で1時間電圧を印加しても、レーザ入射側から見て一番奥に位置する1層目の記録膜の着色は確認できなかった。
振幅5V、周波数107Hzの交流電圧を印加すると、全ての記録膜の着色を1分後に確認できた。これらの記録膜は、ほぼ同時に着色していた。
続いて、逆電圧による消色には、直流電圧で検討した条件を用いた。全ての記録膜が着色した状態で、−3Vの逆電圧を2分間印加すると、レーザ入射側から見て一番手前側の3層目の記録層、レーザ入射側から見て2番目の2層目の記録層が消色し、レーザ入射側から見て一番奥に位置する1層目の記録層のみが若干薄くなったものも着色していた。レーザ入射側から見て一番手前側の3層目の記録層、レーザ入射側から見て2番目の2層目の記録層が着色している状態で、−2Vの逆電圧を1分間印加すると、レーザ入射側から見て一番手前側の3層目の記録層のみが消色し、レーザ入射側から見て2番目の2層目の記録層の着色は若干薄くなっていたものの着色状態を維持していた。
以上の結果を整理すると、以下のようになる。
(1) レーザ入射側から見て一番手前側の記録膜のみを選択する方法:振幅5V、周波数102Hzの交流電圧を1分間印加する。
(2) レーザ入射側から見て2番目の記録層のみを選択する方法: 振幅5V、周波数105Hzの交流電圧を1分間印加し、−2Vの逆電圧を1分間印加する。
(3) レーザ入射側から見て一番奥に位置する3番目の記録層のみを選択する方法:振幅5V、周波数107Hzの交流電圧を1分間印加し、−3Vの逆電圧を2分間印加する。
なお、イオン通過制御層5であるSiO2の膜厚を、基板側に近い層より、0nm(なし)、3nm、10nmとした図19の媒体の場合には、1層目の記録層と2層目の記録層の層選択方法が、上記と逆になる。すなわち、
(1) レーザ入射側から見て一番手前側の記録膜のみを選択する方法:振幅5V、周波数107Hzの交流電圧を1分間印加し、−3Vの逆電圧を2分間印加する。
(2) レーザ入射側から見て2番目の記録層のみを選択する方法: 振幅5V、周波数105Hzの交流電圧を1分間印加し、−2Vの逆電圧を1分間印加する。
(3) レーザ入射側から見て一番奥に位置する3番目の記録層のみを選択する方法:振幅5V、周波数102Hzの交流電圧を1分間印加する。
層選択に交流電圧を用いる一番のメリットは、直流電圧のときと異なり、大きく電圧値(振幅)、印加時間を変化させる必要がないことである。これは電気的等価回路で触れたように、記録膜はコンデンサ成分を持つために、周波数を変えることによって実効的なインピーダンス値が変化し、エレクトロクロミック膜に印加される電圧値を制御できるためである。この交流電圧にオフセットを加えても良い。オフセットを加えることで、単位時間に印加される電圧量が増え、着色・消色に必要な時間を短縮することが可能になる。
この結果は、着色に必要な印加電圧の閾値が異なる複数層の記録膜を持つ媒体に、交流電圧の印加周波数、直流電圧の振幅を制御することにより、所望の層選択ができたことを示している。
[実施施6]直流電圧の向きのみによる層選択
印加する直流電圧の向き(正負)のみを制御して層選択した例について説明する。本実施例に記載されていないエレクトロクロミック記録膜の構造などは実施例4と同様である。
層選択型光ディスクにおいて、各記録膜の閾値、電気的等価回路の条件を満たしながら連続積層を行っていくと、層数が多くなるに従ってレーザ入射側から見て奥側に配置される記録層の膜厚や、着色に必要な印加電圧条件が非常に厳しくなってくる。
そこで、電圧の向きに注目して、印加電圧量の大きさ、時間を大きく変えずに、電圧の向きのみで層選択を行う膜構成を考えた。図20に、本実施例の層選択型光ディスクにおける層構成を示す。図15と同じく、直径12cm、厚さ0.6mmで表面にトラックピッチが0.74μmで深さ60nm、溝幅0.35μmのイングルーブ記録用のトラッキング溝を有し、アドレス情報を上記溝のウォブルとして有するポリカーボネート基板1上に、Ag94Pd4Cu2半透明反射層2、ITO透明電極3を形成し、記録膜として、還元型のエレクトロクロミック材料層4、固体電解質層6、酸化型のエレクトロクロミック層7を用いた。続いて、今までの積層を順番を逆にし、もう1回繰返し積層し、記録層が2層含まれる多層記録媒体を作製した。イオン通過制御層5は、必ずしも必要ではないが、1層目と2層目の境界として導入した。最後に、この多層記録層をITO透明電極8で挟みこんだ。
膜を構成するひとつひとつの層は、図15のときと変化がない。しかし、積層順序が異なっており、印加電圧の向きを変えることにより、図20中の片方の記録膜のみを着色させることができる。また、この構成の場合、もう片方の膜を着色させようとすると、残りの記録膜は消色するような逆電圧が印加されるため、層選択の高速化が可能である。
層構成は、アクリル系紫外線硬化樹脂にLiトリフレート(正式名Liトリフロロメタンスルフォネート)を用い、固体電解質層に五酸化タンタルTa25を用いた。エレクトロクロミック材料層は3層又は2層より成り、3層の場合、例えば酸化着色型第1着色層であるIrOx又はNiOx(xは1未満の正の数)の層100nm,固体電解質層であるTa25の層300nm、還元着色型第2着色層であるWO3の層150nmとした。
なお、記録膜は3層構造でなく、還元型エレクトロクロミック材料のWO3と固体電解質Ta25の2層構造で構成しても良い。その場合、Ta25の両側をWO3で挟み込むだけの非常にシンプルな構造とすることができる。2層の場合、例えば固体電解質層として五酸化タンタルTa25を300nm、WO3より成る着色材料層150nmの2層である。この場合でも、直流電圧印加の向きを変えるだけで、片方の記録膜を着色、選択することができた。
本実施例の電圧の向きを制御することによる層選択は、1対の透明電極間に2層しか記録膜が含まれていないが、この場合でも、多数層の記録膜を用いた情報記録媒体の透明電極数を半減させることができる。また、この電圧の向きを制御することによる層選択と、閾値・電気的等価回路を制御することによる層選択は併用可能である。
本発明のエレクトロクロミックデバイスの電気的等価回路モデル図。 本発明のエレクトロクロミックデバイスに流れる電気的パスに注目したときの電気的等価回路モデル図。 エレクトロクロミックデバイスに流れる電気的パスに注目したときの電気的等価回路モデルの他の例を示す図。 異なる電気特性を持つエレクトロクロミック膜の直流電圧の時間応答性をシミュレーションした図。 異なる電気特性を持つエレクトロクロミック膜の直流電圧印加直後の時間応答性をシミュレーションした図。 直流電圧印加時間を変えて行う層選択の説明図。 消色時に逆向きの直流電圧印加を行う層選択の説明図。 直流電圧の印加電圧を変えて行う層選択の説明図。 間歇的に直流電圧印加を行う方法の説明図。 異なる電気特性を持つエレクトロクロミック膜の交流電圧の振幅比及び位相差の角速度依存性シミュレーション結果を示す図。 交流電圧印加の周波数を変えて行う層選択の説明図。 振幅を変えた交流電圧を用いる層選択の説明図。 オフセットを持つ交流電圧を用いる層選択の説明図。 複数層のエレクトロクロミック記録膜を連続積層したときの電気的等価回路モデル図。 本発明の一実施例の情報記録媒体の構造を示す図。 情報記録媒体をセットするディスクホルダー部分の電極を示す図。 本発明の一実施例の信号入出力を示すブロック図。 本発明の一実施例の情報記録媒体の構造を示す図。 本発明の一実施例の情報記録媒体の構造を示す図。 本発明の一実施例の情報記録媒体の構造を示す図。
符号の説明
1: 基板
2: 透明反射膜
3: 透明電極
4: 還元型エレクトロクロミック層
5: イオン通過制御層
6: 固体電解質層
7: 酸化型エレクトロクロミック層
8: 透明電極
9: 基板
10:透明電極
11:引き出し電極
12:電極(ディスク側)
13:電極(ディスク受け:装置側)
171:情報記録媒体(光ディスク)
172:モーター
173:光ヘッド
174:プリアンプ回路
175:記録波形発生回路
176:レーザ駆動回路
177:8−16変調器
178:L/Gサーボ回路
179:8−16復調器

Claims (10)

  1. 一対の電極と、
    前記一対の電極の間に積層して形成された複数のエレクトロクロミック記録層とを有し、
    前記複数のエレクトロクロミック層は、着色に必要な印加電圧の閾値及び消色に必要な印加電圧の閾値が、光入射面側に近い側から遠い側に向かって単調に増加あるいは単調に減少するように積層されていることを特徴とする多層光記録媒体。
  2. 一対の電極と、
    前記一対の電極の間に積層して形成された複数のエレクトロクロミック記録層とを有し、
    前記複数のエレクトロクロミック記録層は、光入射側に近い側から遠い側に向かって前記エレクトロクロミック記録層が着色・消色する印加電圧の周波数が単調に増加あるいは単調に減少するように積層されていることを特徴とする多層光記録媒体。
  3. 請求項1又は2記載の多層光記録媒体において、前記エレクトロクロミック記録層は、酸化着色型エレクトロクロミック材料層と、固体電解質層と、還元着色型エレクトロクロミック材料層とを積層した構造を有することを特徴とする多層光記録媒体。
  4. 請求項1又は2記載の多層光記録媒体において、前記エレクトロクロミック記録層は、酸化着色型又は還元型エレクトロクロミック材料層と、固体電解質層とを積層した構造を有することを特徴とする多層光記録媒体。
  5. 請求項1又は2記載の多層光記録媒体において、前記エレクトロクロミック記録層は、第1層として酸化着色型又は還元型エレクトロクロミック材料層、第2層として固体電解質層、第3層として第1層と同様の着色機構を持つ酸化着色型又は還元型エレクトロクロミック材料層の3層を積層した構造を有することを特徴とする多層光記録媒体。
  6. 請求項1又は2記載の多層光記録媒体において、前記一対の電極と前記複数のエレクトロクロミック記録層の組を複数組備えることを特徴とする多層光記録媒体。
  7. 一対の電極の間に複数のエレクトロクロミック記録層を、光入射側に近い側から遠い側に向かって着色に必要な印加電圧の閾値及び消色に必要な印加電圧の閾値が単調に増加あるいは単調に減少するように積層した多層光記録媒体を用い、
    前記複数のエレクトロクロミック記録層のうち選択した1つの記録層が着色するように前記一対の電極に電圧値あるいは印加時間が制御された直流電圧からなる層選択電圧を印加し、
    前記複数のエレクトロクロミック記録層のうち一番着色しやすい層から選択した層まで全ての層を着色した後、前記一番着色しやすい層から前記選択した層の手前までの層を消色することで前記選択した層のみを着色し、
    前記多層光記録媒体に光照射して前記選択された記録層に情報を記録することを特徴とする情報記録方法。
  8. 一対の電極の間に複数のエレクトロクロミック記録層を、光入射側に近い側から遠い側に向かって前記エレクトロクロミック記録層が着色・消色する印加電圧の周波数が単調に増加あるいは単調に減少するように積層した多層光記録媒体を用い、
    前記複数のエレクトロクロミック記録層のうち選択した1つの記録層が着色するように前記一対の電極に周波数又は振幅値が制御された交流電圧、あるいはオフセットを載せた振幅値が制御された交流電圧からなる層選択電圧を印加し、
    前記複数のエレクトロクロミック記録層のうち一番着色しやすい層から選択した層まで全ての層を着色した後、前記一番着色しやすい層から前記選択した層の手前までの層を消色することで前記選択した層のみを着色し、
    前記多層光記録媒体に光照射して前記選択された記録層に情報を記録することを特徴とする情報記録方法。
  9. 一対の電極の間に複数のエレクトロクロミック記録層を、光入射側に近い側から遠い側に向かって着色に必要な印加電圧の閾値及び消色に必要な印加電圧の閾値が単調に増加あるいは単調に減少するように積層した多層光記録媒体を用い、
    前記複数のエレクトロクロミック記録層のうち選択した1つの記録層が着色するように前記一対の電極に電圧値あるいは印加時間が制御された直流電圧からなる層選択電圧を印加し、
    前記複数のエレクトロクロミック記録層のうち一番着色しやすい層から選択した層まで全ての層を着色した後、前記一番着色しやすい層から前記選択した層の手前までの層を消色することで前記選択した層のみを着色し、
    前記多層光記録媒体に光照射して前記選択された記録層から情報を再生することを特徴とする情報再生方法。
  10. 一対の電極の間に複数のエレクトロクロミック記録層を、光入射側に近い側から遠い側に向かって前記エレクトロクロミック記録層が着色・消色する印加電圧の周波数が単調に増加あるいは単調に減少するように積層した多層光記録媒体を用い、
    前記複数のエレクトロクロミック記録層のうち選択した1つの記録層が着色するように前記一対の電極に周波数又は振幅値が制御された交流電圧、あるいはオフセットを載せた振幅値が制御された交流電圧からなる層選択電圧を印加し、
    前記複数のエレクトロクロミック記録層のうち一番着色しやすい層から選択した層まで全ての層を着色した後、前記一番着色しやすい層から前記選択した層の手前までの層を消色することで前記選択した層のみを着色し、
    前記多層光記録媒体に光照射して前記選択された記録層から情報を再生することを特徴とする情報再生方法。
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