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JP4674738B2 - 液晶表示素子の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、強誘電性液晶表示素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
クラーク及びラガーウオルにより提案された強誘電性液晶を用いた液晶表示素子(特開昭56-107216号公報)は双安定性を有し、かつ電界の変化に対する応答が高速であることから、大画面で高精細な液晶表示素子としての応用が期待されている。しかしながら、双安定性を有していることから、中間調の表示が困難という問題があった。
【0003】
これを解決する技術として、我々は特開平11-21554号公報に、強誘電性液晶と単官能液晶性(メタ)アクリレートモノマーを含有する液晶組成物を液晶セル中に注入した後、該組成物がキラルスメクチックC相を呈する温度において、該組成物に直流電圧を印加して一方向に配列させ、さらに、その状態で紫外線を照射し、液晶性(メタ)アクリレートモノマーを高分子させることによって得られる高分子安定化強誘電性液晶素子を提案した。この素子においては、強誘電性液晶の双安定性は消失するので、中間調の表示が可能になる。この液晶表示素子に電圧を印加していない時の液晶分子の配向方向は、配向膜の容易軸方向から紫外線照射の際に印加していた直流電圧の極性によって決定する向きに、ある角度(この角度をメモリー角と定義する)だけずれた状態となっている。この素子に紫外線照射の際に印加していた直流電圧と異極性の直流電圧を印加すると、直流電圧の絶対値に比例して配向膜の容易軸に対して、メモリー角とは反対方向に強誘電性液晶の配向方向が傾いていく。また、電圧を印加しなければ、強誘電性液晶は再び、配向膜の容易軸に対してメモリー角度をなすように配列する。一方、紫外線照射の際に印加していた直流電圧と同極性の直流電圧を印加すると、強誘電性液晶は若干ではあるが、配向膜の容易軸方向に対してメモリー角度より大きな角度をなすように配列する。このような紫外線照射の際に印加していた直流電圧と同極性の直流電圧を印加した場合の強誘電性液晶の応答は、メモリー角と透過軸を一致するように偏光フィルムを設定した液晶表示素子の場合、コントラストの高い表示を得るためには障害となるという問題があった。また、このような単官能液晶性(メタ)アクリレートモノマーを用いた素子は、良好な中間調表示が可能であるという特徴を有するものの、単官能液晶性(メタ)アクリレートモノマーの重合により得られた高分子の耐熱性が良好でなく、結果として素子として高温での信頼性が良好でないという問題があった。
【0004】
単官能液晶性(メタ)アクリレートモノマーより耐熱性に優れた高分子を与える多官能液晶性モノマーを用いた高分子安定化強誘電性液晶表示素子は特開平6-194635号公報に開示されている。しかしながら、多官能液晶性モノマーは、液晶性を示す温度が80℃以上と高いものが多く、そのため高分子安定化液晶素子作成の紫外線を照射する前段階において温度を高くする必要性が生じ、その結果、望ましくない熱重合が誘起され、液晶配向の均一性が劣化してしまうという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明における課題は、中間調表示が可能な高分子安定化強誘電性液晶表示素子において、コントラストが高く、高温での信頼性に優れ、かつ液晶配向の均一性に優れた液晶表示素子の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために詳細な検討を行った結果、コントラストを高くするためには、液晶性モノマーとして多官能液晶性モノマーを用いて、液晶性モノマーの重合体に強固な3次元架橋構造を導入し、紫外線照射の際に印加した直流電圧と同極性の直流電圧を印加しても、強誘電性液晶が応答しないようにすることが重要であること、また、液晶表示素子の高温での信頼性を確保するためにも、液晶性モノマーとして多官能液晶性モノマーを用いる必要があること、液晶表示素子の配向の均一性を確保するために、多官能液晶性モノマーはスメクチック−ネマチックの相系列を有し、かつスメクチック相の下限温度が40℃以下であるものを使用し、強誘電性液晶組成物との良好な相溶性を確保する必要があること、さらに紫外線を照射する際の温度を80℃以下に調節することによって、紫外線照射時における望ましくない熱重合の誘起を避けることが重要であることを見出した。さらに、多官能液晶性モノマーとの化学構造として、アルキレンスペーサー部を2つ以上有するもの、特に3つ有するものが好ましいことを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、少なくとも一方が透明性を有する2枚の基板間に、強誘電性液晶組成物及び多官能液晶性モノマーを含有する液晶性混合物を介在させ、介在させた液晶性混合物がキラルスメクチックC相を示す状態で配向させながら、もしくは配向させた後、液晶性混合物に紫外線を照射し、液晶性モノマーを高分子化させる工程を有する液晶表示素子の製造方法において、強誘電性液晶組成物がキラルスメクチックC−スメクチックA−キラルネマチック、もしくはキラルスメクチックC−キラルネマチックの相系列を有するもの、多官能液晶性モノマーがスメクチック−ネマチックの相系列を有し、かつスメクチック相の下限温度が40℃以下であるもの、液晶性混合物がキラルスメクチックC−スメクチックA−キラルネマチック、もしくはキラルスメクチックC−キラルネマチックの相系列を有するものを使用し、かつ紫外線を照射する際の温度を80℃以下に制御することを特徴とする液晶表示素子の製造方法を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態の例を説明する。
【0008】
本発明において使用する強誘電性液晶組成物は、通常この技術分野で強誘電性液晶組成物と認識されるものであれば特に制限なく使用することができるが、キラルスメクチックC−スメクチックA−キラルネマチック、もしくはキラルスメクチックC−キラルネマチックの相系列を有するものが好ましい。キラルスメクチックC相の下限温度は-10℃以下が好ましく、-20℃以下がさらに好ましく、-30℃以下が特に好ましい。キラルスメクチックC相の上限温度は40℃以上が好ましく、50℃以上がさらに好ましく、60℃以上が特に好ましい。
【0009】
本発明において使用する多官能液晶性モノマーは、分子内に重合性官能基を2つ以上有し、スメクチック相−ネマチック相の相系列を有するものであり、かつスメクチック相の下限温度が40℃以下であれば、特に制限なく使用することができるが、スメクチック相の下限温度は35℃以下がさらに好ましく、25℃以下が特に好ましい。このような相系列とスメクチック相の下限温度の条件を満たしていれば、多官能液晶性モノマーは化合物単体でも、もしくは組成物として用いても良い。スメクチック相としては、スメクチックC相もしくはスメクチックA相が好ましい。重合性官能基としては、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、エポキシ基、ビニル基、ビニルオキシ基、エチニル基、メルカプト基、マレイミド基、ClCH=CHCONH-、CH2=CCl-、CHCl=CH-、RCH=CHCOO-(Rは塩素、フッ素、または炭素原子数1〜10の炭化水素基を表す)が挙げられるが、これらの中でもアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、エポキシ基、メルカプト基、ビニルオキシ基が好ましく、メタクリロイルオキシ基、アクリロイルオキシ基が特に好ましく、アクリロイルオキシ基が最も好ましい。多官能液晶性モノマーの分子構造としては、2つ以上の環構造を有することを特徴とする液晶骨格、重合性官能基、さらに液晶骨格と重合性官能基を連結する柔軟性基を少なくとも2つ有するものが好ましく、3つの柔軟性基を有するものがさらに好ましい。柔軟性基としては、-(CH2)n-(nは整数を表す)で表されるようなアルキレンスペーサー基や-(Si(CH2)2-O)n-(nは整数を表す)で表されるようなシロキサンスペーサー基を上げることができ、アルキレンスペーサー基が好ましい。これらの柔軟性基と液晶骨格、もしくは重合性官能基との結合部分には、-O-、-COO-、-CO-のような結合が介在していても良い。液晶骨格は、通常この技術分野で液晶骨格(メソゲン)と認識されるものであれば、特に制限なく使用することができるが、少なくとも2つ以上の環構造を有するものが好ましい。環構造としては使用できる環は、ベンゼン、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、1,2,4-トリアジン、1,3,5-トリアジン、テトラジン、ジヒドロオキサジン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、シクロヘキサノン、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、テトラヒドロチオピラン、ジチアン、オキサチアン、ジオキサボリナン、ナフタレン、ジオキサナフタレン、テトラヒドロナフタレン、キノリン、クマリン、キノキサリン、デカヒドロナフタレン、インダン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、フェナンスレン、ジヒドロフェナンスレン、パーヒドロフェナンスレン、ジオキサパーヒドロフェナンスレン、フルオレン、フルオレノン、シクロヘプタン、シクロヘプタトリエンオン、コレステン、ビシクロ[2.2.2]オクタンやビシクロ[2.2.2]オクテン、1,5-ジオキサスピロ(5.5)ウンデカン、1,5-ジチアスピロ(5.5)ウンデカン、トリフェニレン、トルクセン、ポルフィリン、フタロシアニンを挙げることができ、これらの中でも、ベンゼン、シクロヘキサン、フェナントレン、ナフタレン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレンが好ましい。これらの環は、炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、又はシアノ基、ハロゲン原子で一つ以上置換されていても良い。アルキル基としてはメチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基が望ましく、メチル基とエチル基が特に好ましい。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基が好ましく、アルカノイル基としてはアセチル基、プロピオニル基、ブチロイル基が好ましく、ハロゲン原子としては、フッ素原子、臭素原子、塩素原子が好ましく、フッ素原子と塩素原子が特に好ましい。また、多官能液晶性モノマーに加えて、単官能液晶性モノマーを添加しても良い。単官能液晶性モノマーとしては、この技術分野で単官能液晶性モノマーとして認識されるものであれば良いが、その添加量は、多官能液晶性モノマーと単官能液晶性モノマーの質量比が1:9〜10:0の範囲になるようにするのが好ましい。多官能液晶性モノマーと単官能液晶性モノマーの質量比が1:9より多官能液晶性モノマーの割合が低くなると、得られる液晶表示素子の高温での安定性が良好でなくなる危険がある。
【0010】
強誘電性液晶組成物、多官能液晶性モノマーを含有する液晶性混合物は、キラルスメクチックC−スメクチックA−キラルネマチックもしくはキラルスメクチックC−キラルネマチック相の相系列を有するものが好ましい。キラルスメクチックC相の下限温度は-10℃以下が好ましく、-20℃以下がさらに好ましく、-30℃以下が特に好ましい。キラルスメクチックC相の上限温度は40℃以上が好ましく、50℃以上がさらに好ましく、60℃以上が特に好ましい。液晶性混合物中における多官能液晶性モノマーの濃度は、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜7質量%がさらに好ましく、1〜5質量%が特に好ましい。多官能液晶性モノマーの濃度が0.1質量%より低いと、配向安定化効果が得られにくくなり、コントラストが低下し、10質量%より高いと強誘電性液晶の駆動電圧が増大してしまう。液晶性混合物には、キラルスメクチックC相における紫外線重合を迅速に行う目的で光重合開始剤を添加してもよい。ここで使用することができる光重合開始剤としては、例えば公知のベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンジルケタール類、アシルホスフィン類から選択して使用することができる。その添加量は、液晶性混合物中に含有される多官能液晶性モノマーに対して、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がさらに好ましく、10質量%以下が特に好ましい。また、液晶性混合物の保存安定性を向上させる目的で、安定剤を添加してもよい。ここで使用することができる安定剤としては、例えば公知のヒドロキノン、ヒドロキノンモノアルキルエーテル類、第三ブチルカテコール類、ニトロソ化合物類等から選択して使用することができる。またその添加量は、液晶性混合物中に含有される多官能液晶性モノマーに対して1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましく、0.05質量%以下であることが特に好ましい。
【0011】
本発明の液晶表示素子に用いる2枚の基板は、電極層を有し、少なくとも一方は透明性を有する必要がある。透明性を有する基板としては、ガラスやポリカーボネート、ポリエステル等が挙げられる。透明性を有さない基板としては、画素ごとに能動素子が形成されたシリコン基板等が挙げられる。これらの基板上にカラーフィルター層が付与されているものも好適に使用することができる。また、2枚の基板のうち一方の基板には、画素毎にトランジスタ等の能動素子を形成した基板を用いることが好ましい。基板表面には、配向処理を施すことが好ましい。配向処理としては、ポリイミド等の有機薄膜を形成し、さらにラビング処理をする方法や、またポリビニルシンナメート薄膜等の有機薄膜に偏光紫外線を照射する方法を挙げることができる。配向処理によって基板上に規定される、液晶分子長軸が並ぶ方向(容易軸)は、2枚の基板間で、お互いに平行(パラレル)、もしくは反平行(アンチパラレル)になるように設定するのが好ましい。2枚の基板間の距離、つまり液晶層の厚さは、使用する強誘電性液晶材料や多官能液晶性モノマーの屈折率の異方性にも依存するが、1〜10μmであることが好ましく、1.5〜7μmがさらに好ましく、2〜6μmが特に好ましい。液晶層の厚さが1μmより小さいと、十分な大きさの光学的なスイッチングが得られずコントラストが低下してしまう傾向があり、液晶層の厚さが10μmより大きいと内部に均一な配向が得られない可能性がある。
【0012】
2枚の基板間へ、強誘電性液晶組成物と多官能性液晶モノマーを含有する液晶性混合物を介在させるには、この技術分野で使用されている真空注入法を使用するのが好ましい。この際、液晶性混合物が等方性液体相になる温度、もしくはキラルネマチック相になる温度で注入するのが好ましい。注入終了後、液晶性混合物がキラルスメクチックC相になる温度に保ち、配向させる必要があるが、これは5V以上、さらに好ましくは10V以上、特に好ましくは15V以上の直流電圧を印加することにより達成するのが好ましい。良好な配向状態を達成するためには、液晶性混合物を等方性液体相になる温度で2枚の基板間に注入した後に、直流電圧の印加を開始し、キラルネマチック相やスメクチックA相を経由して温度を徐々に下げてキラルスメクチックC相になるまで直流電圧を印加し続けるのが好ましい。配向状態としては、均一性良く液晶分子が一方向(一軸)に、配向しているのが好ましい。この後、多官能性液晶モノマーを紫外線もしくは電子線を用いて重合させる際には、直流電圧印加をしなくても良いし、直流電圧を印加したままでも良い。紫外線もしくは電子線を照射する際の温度は、液晶性混合物がキラルスメクチックC相を呈する温度にする必要があることは当然であるが、そのキラルスメクチックC相が保たれる温度範囲内にあるかぎり、できるだけ低い温度に保つことが好ましい。具体的には80℃以下が好ましく、60℃以下がさらに好ましく、40℃以下がより好ましく、30℃以下が特に好ましく、室温が最も好ましい。紫外線または電子線の照射量は、使用する液晶性混合物及び光重合開始剤の濃度にも依存するが、50から10,000mJ/cm2の範囲が好ましい。紫外線または電子線の照射量が、50mJ/cm2以下であると、液晶性モノマーが十分に硬化せず、製造後の経時変化が大きくなってしまい、10,000mJ/cm2以上であると液晶性混合物が劣化してしまう傾向がある。
【0013】
本発明の製造方法で得られる液晶表示素子において、液晶表示素子のコントラストを高める観点から、2枚の偏光フィルムを貼合する工程を設けることは好ましい。2枚の偏光フィルムのうち、一方の偏光フィルムの透過軸は、得られた液晶表示素子に電圧を印加していない時の液晶分子の配向方向と一致させ、もう一方の偏光フィルムの透過軸は、液晶分子の配向方向と一致させるか、直交させるかに設定するのが好ましい。このような構成とすることで高温での信頼性が高く、コントラストが50以上、さらに好ましくは100以上、特に好ましくはコントラストが200以上の液晶表示素子を製造することができる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示し、本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0015】
(実施例1)
ITO透明電極層付きのガラス基板に、ポリイミド膜「RN-1199」(日産化学製)を約0.03μmの厚さで形成した後、ラビング処理を施してポリイミド配向膜付きガラス基板を得た。このようにして得た2枚のポリイミド配向膜付きガラス基板を、配向膜が形成された面が内側になるようにして2μmの間隔をもって対向させて液晶セルを作成した。この時、液晶セルの2枚の基板のラビング方向はアンチパラレル配向になるように設定した。次に、4つのベンゼン環を有し、重合性官能基として2つのアクリロイルオキシ基を有し、かつ柔軟性基としてアルキレンスペーサー部を3つ有し、スメクチックA相−ネマチック相を相系列として有し、かつ36℃でスメクチックA相を呈する液晶性ジアクリレートモノマー「UCL-010」(大日本インキ化学工業製)を1質量部、強誘電性液晶組成物「R2301」(クラリアント社製、キラルスメクチックC−キラルネマチック相転移温度66℃、キラルネマチック−等方性液体相転移温度87〜90℃。本強誘電液晶組成物は、スメクチックA相を持たない。)99質量部及び光重合開始剤「イルガキュアー651」(チバスペシャリティケミカルズ製)0.01質量部からなる液晶性混合物(A)を調製した。この液晶性混合物(A)を100℃に保ちながら等方性液体相のまま注入し、5Vの直流電圧を印加したまま、温度を25℃にまで下げることにより、液晶性混合物がキラルスメクチックC相を呈する状態にした。次に、直流電圧の印加を止め、25℃で中心波長365nmで強度2mW/cm2(セル透過後の値)の紫外線を60秒間照射して液晶性ジアクリレートモノマー「UCL-010」を光硬化させた。液晶セルを観察したところ、均一な配向状態が得られているのが確認できた。この液晶セルの一方の表面に、透過軸を得られた液晶セルに電圧を印加していないときの液晶分子の配向方向と一致させ、もう一方の表面には、透過軸を、液晶分子の配向方向と直交させるように貼合して液晶表示素子を作製した。第一図に、このようにして製造した液晶表示素子の電気光学特性を示した。これからわかるように、紫外線を照射する前に印加した電圧と同極性の直流電圧を印加した時には、光透過率は極めて小さく、また、紫外線を照射する前に印加した電圧と異なる極性の直流電圧の場合は、電圧を少しずつ上げていくに従い、光透過率はなめらかに上昇した。このことから、得られた液晶表示素子は良好な中間調表示が可能であることが確かめられた。また得られた液晶表示素子は、表示のコントラストが高く、1ヶ月以上特性が安定していた。また、等方性液体相まで加熱して、室温まで戻した液晶表示素子は、加熱する前と同様に、液晶は均一に配向しており、高温における信頼性も問題なかった。また、電圧無印加状態から電圧印加状態、電圧印加状態から電圧無印加状態への応答速度は、1ms以下であり、非常に高速なスイッチングが可能であることが確かめられた。
【0016】
(実施例2)
実施例1で作製したものと同じ液晶セルを用意した。次に、液晶性ジアクリレートモノマー「UCL-010」(大日本インキ化学工業製)を1質量部、強誘電性液晶組成物「CS1014」(チッソ社製、キラルスメクチックC−スメクチックA相転移温度55℃、スメクチックA−キラルネマチック相転移温度69℃、キラルネマチック−等方性液体相転移温度81℃)99質量部及び光重合開始剤「イルガキュアー651」(チバスペシャリティケミカルズ製)0.01質量部からなる液晶性混合物(B)を調製した。この液晶性混合物(B)を90℃に保ちながら等方性液体相のまま注入した後、室温(25℃)まで冷却することにより液晶性混合物(B)がキラルスメクチックC相を呈する状態にした。次に、25℃において、5Vの直流電圧を印加しながら、中心波長365nmで強度2mW/cm2(セル透過後の値)の紫外線を60秒間照射して液晶性ジアクリレートモノマー「UCL-010」を光硬化させた。直流電圧の印加を止めてから、液晶セルを観察したところ、均一な配向状態が得られているのが確認できた。この液晶セルの一方の表面に、透過軸を得られた液晶セルに電圧を印加していないときの液晶分子の配向方向と一致させ、もう一方の表面には、透過軸を、液晶分子の配向方向と直交させるように貼合して液晶表示素子を作製した。このようにして得られた液晶表示素子は、実施例1において得られた液晶表示素子と同様に良好な中間調表示が可能であった。また得られた液晶表示素子は、表示のコントラストが高く、1ヶ月以上特性が安定していた。また、等方性液体相まで加熱して、室温まで戻した液晶表示素子は、加熱する前と同様に、液晶は均一に配向しており、高温における信頼性も問題なかった。また、電圧無印加状態から電圧印加状態、電圧印加状態から電圧無印加状態への応答速度は、1ms以下であり、非常に高速なスイッチングが可能であることが確かめられた。
【0017】
(比較例1)
液晶性ジアクリレートモノマー「UCL-010」に代えて、2つのベンゼン環を液晶骨格として有し、重合性官能基として1つのアクリロイルオキシ基を有し、かつ35℃でスメクチック相を呈する液晶性モノアクリレートモノマー(C)を使用した以外は、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。得られた液晶表示素子は、均一な液晶配向状態が得られており、中間調表示が可能であったものの、紫外線照射の際に印加していた直流電圧と同極性の直流電圧を印加すると、光漏れが生じ、結果として高いコントラストが得られなかった。
【0018】
【発明の効果】
本発明の液晶表示素子の製造方法を用いると、50以上の高いコントラストを有し、かつ中間調表示が可能な高分子安定化強誘電性液晶表示素子を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1において本発明の製造方法により製造された液晶表示素子の電気光学特性(横軸:印加電圧、縦軸:光透過量(任意単位))を示した図である。

Claims (5)

  1. 少なくとも一方が透明性を有する2枚の基板間に、強誘電性液晶組成物及び多官能液晶性モノマーを含有する液晶性混合物を介在させ、介在させた液晶性混合物がキラルスメクチックC相を示す状態で配向させながら、もしくは配向させた後、液晶性混合物に紫外線を照射し、液晶性モノマーを高分子化させる工程を有する液晶表示素子の製造方法において、強誘電性液晶組成物がキラルスメクチックC−スメクチックA−キラルネマチック、もしくはキラルスメクチックC−キラルネマチックの相系列を有するもの、多官能液晶性モノマーがスメクチック−ネマチックの相系列を有し、かつスメクチック相の下限温度が40℃以下であるもの、液晶性混合物がキラルスメクチックC−スメクチックA−キラルネマチック、もしくはキラルスメクチックC−キラルネマチックの相系列を有するものを使用し、かつ紫外線を照射する際の温度を80℃以下に制御することを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  2. 多官能液晶性モノマーが、2つ以上の環構造を有することを特徴とする液晶骨格、アルキレンスペーサー部、2つ以上の重合性官能基を有してなり、かつアルキレンスペーサー部を少なくとも2つ有することを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子の製造方法。
  3. アルキレンスペーサー部を3つ有することを特徴とする請求項2記載の液晶表示素子の製造方法。
  4. 重合性官能基が(メタ)アクリロイルオキシ基であることを特徴とする請求項2または3記載の液晶表示素子の製造方法。
  5. 液晶性混合物がキラルスメクチックC相を示す状態で一方向に配向させる手段が、5V以上の直流電圧の印加であることを特徴とする請求項1から4記載のいずれかに記載の液晶表示素子の製造方法。
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