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JP4623795B2 - 燃料電池スタック - Google Patents

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JP4623795B2
JP4623795B2 JP2000074814A JP2000074814A JP4623795B2 JP 4623795 B2 JP4623795 B2 JP 4623795B2 JP 2000074814 A JP2000074814 A JP 2000074814A JP 2000074814 A JP2000074814 A JP 2000074814A JP 4623795 B2 JP4623795 B2 JP 4623795B2
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    • Y02E60/50Fuel cells

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、固体高分子電解質膜をアノード側電極とカソード側電極とで挟持して構成される単位燃料電池セルをセパレータを介して水平方向に複数個積層した燃料電池スタックに係り、特に、車載用に適した燃料電池スタックに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜(陽イオン交換膜)からなる電解質の両側にそれぞれアノード側電極およびカソード側電極を対設して構成される単位燃料電池セルを、セパレータによって挟持することにより構成されており、通常、この単位燃料電池セルを所定数だけ積層して燃料電池スタックとして使用される。
【0003】
この種の燃料電池スタックにおいて、アノード側電極に供給された燃料ガス、例えば、主に水素を含有するガス(以下、水素含有ガスという)は、触媒電極上で水素がイオン化され、適度に加湿された電解質を介してカソード側電極側へと移動する、その間に生じた電子が外部回路に取り出され、直流の電気エネルギとして利用される。カソード側電極には、酸化剤ガス、例えば、主に酸素を含有するガス(以下、酸素含有ガスという)あるいは空気が供給されているために、このカソード側電極において、水素イオン、電子および酸素が反応して水が生成される。
【0004】
上記の燃料電池スタックでは、積層されている各単位燃料電池セルのアノード側電極およびカソード側電極に、それぞれ燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給するために、内部マニホールドを構成することが行なわれている。この内部マニホールドは、具体的には、積層されている各単位燃料電池セルおよびセパレータに一体的に連通して設けられた複数の連通孔を備えており、供給用の連通孔に反応ガスが供給されると、前記反応ガスが各単位燃料電池セル毎に分散供給される一方、使用済みの反応ガスが排出用の連通孔に一体的に排出されるように構成されている。
【0005】
ところで、特に、酸化剤ガスが流れる連通孔内には、電極発電面で生成された反応生成水が導入され易く、この連通孔内に滞留水が存在する場合が多い。一方、燃料ガスが流される連通孔内には、結露等による滞留水が発生するおそれがある。このため、連通孔が滞留水によって縮小又は閉塞されてしまい、反応ガスの流れが妨げられて発電性能が低下するという不具合が指摘されている。
【0006】
そこで、例えば、特開平8−138692号公報に開示されているように、集電極の積層面に形成された燃料ガス流路および酸化ガス流路に親水性被膜が設けられた燃料電池が知られている。具体的には、図10に示すように、集電極1の両側部に燃料ガスの給排流路2a、2bが貫通形成されるとともに、この集電極1の上下には、酸化ガスの給排流路3a、3bが貫通形成されている。集電極1の発電面側には、上下方向に沿って複数本の酸化ガス流路4が互いに平行でかつ直線上に設けられるとともに、前記酸化ガス流路4に親水性被膜5が形成されている。さらに、酸化ガスの給排流路3bには、多孔質部材6が配置されている。
【0007】
このような構成において、燃料電池の運転に伴って発電面側で生成された水が、酸化ガス流路4に導入されると、この生成水は、前記酸化ガス流路4に形成された親水性被膜5を湿潤状態にする。この生成水は、自重により親水性被膜5およびその表面を伝って鉛直下方向に流れ、酸化ガス流路4から排出される。さらに、生成水が酸化ガスの給排流路3bに配置された多孔質部材6により吸収されるため、この生成水を酸化ガス流路4からより確実に排出することができるとしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の従来技術では、酸化ガスの給排流路3bに多孔質部材6が配置されているため、その分酸化ガスの給排流路3bの断面積が小さくなり、排出ガスの圧力損失が大きくなるという問題がある。また、圧力損失を減少させるためには断面積の大きな給排流路3bを設ける必要があり、そのため、装置が大型化するという問題がある。
また、特開平10−284096号公報には、連通孔のガス入口から下方へ延びるガス分岐溝を設けることにより、水滴が発電面に入らないようにした技術が開示されているが、発電面にガス分岐溝を設けると、発電に寄与しないで排出されるガスが増え、反応ガスの利用率が低下しシステム全体の効率低下につながるという問題がある。
【0009】
また、米国特許4968566号公報には燃料電池の下側4隅にそれぞれ水の排出口を設け、傾斜センサの信号によって排出口を切り換える技術が開示されているが、装置構造が複雑化するという問題がある。
そこで、この発明は、簡単な構造でありながら円滑かつ確実に生成水を排出することができる燃料電池スタックを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、固体高分子電解質膜(例えば、実施形態における実施形態における固体高分子電解質膜18)をアノード側電極(例えば、実施形態におけるアノード側電極22)とカソード側電極(例えば、実施形態におけるカソード側電極20)とで挟持して構成される単位燃料電池セル(例えば、実施形態における単位燃料電池セル12)を、セパレータ(例えば、実施形態における第1セパレータ14、第2セパレータ16)を介して水平方向に複数個積層した燃料電池スタックにおいて、前記セパレータの平面内に、燃料ガスと酸化剤ガスを供給するための2つの入口側連通孔(例えば、実施形態における入口側燃焼ガス連通孔36a、入口側酸化剤ガス連通孔38a)と、これら両反応ガスに対応する反応済みガスを排出するための2つの出口側連通孔(例えば、実施形態における出口側燃料ガス連通孔36b、出口側酸化剤ガス連通孔38b)とを貫通して設け、前記入口側連通孔又は前記出口側連通孔の内部には、前記入口側連通孔又は前記出口側連通孔に貯留した水を吸引する開口部(例えば、実施形態における吸引孔92)を有する吸引部材(例えば、実施形態における排水パイプ88)が設けられていることを特徴とする。
このように構成することで、生成水等が、前記入口側連通孔又は前記出口側連通孔の中に溜まっていた場合には、吸引部材の開口部から吸引して外部に排出することが可能となる。
【0011】
請求項2に記載した発明は、前記吸引部材が設けられた入口側連通孔又は出口側連通孔をセパレータの平面内で重力方向の下側に設けたことを特徴とする。
このように構成することで、重力により下側に滞留しやすい生成水等を重力方向の下側に設けられた入口側連通孔又は出口側連通孔から吸引部材により吸引除去することが可能となる。
【0012】
請求項3に記載した発明は、前記吸引部材の出口側流路(例えば、実施形態におけるバイパス管103)は前記出口側連通孔から排出されるガスの流路(例えば、実施形態における外側管体100)に設けられた背圧バルブ(例えば、実施形態における背圧バルブ86)の下流側に接続されていることを特徴とする。
このように構成することで、前記ガスの流路に設けられた背圧バルブの上流側と下流側との間に生ずる差圧を有効利用して吸引力を発生させ、吸引部材の開口部から入口側連通孔又は出口側連通孔に貯留した生成水を吸引除去することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の第1の実施形態に係る燃料電池スタック10の概略縦断面説明図であり、図2は、前記燃料スタック10の要部分解斜視図である。尚、図1は図示都合上、燃料電池スタック10の積層方向の長さを短くして記載している。
【0014】
燃料電池スタック10は、単位燃料電池セル12と、この単位燃料電池セル12を挟持する第1および第2セパレータ(セパレータ)14、16とを備え、これらが複数組積層されている。単位燃料電池セル12は、固体高分子電解質膜18と、この固体高分子電解質膜18を挟んで配設されるカソード側電極20およびアノード側電極22とを有するとともに、前記カソード側電極20および前記アノード側電極22には、例えば、多孔質層である多孔質カーボンペーパ等からなる第1および第2ガス拡散層24、26が配設されている。
【0015】
単位燃料電池セル12の両側には、第1および第2ガスケット28、30が設けられ、前記第1ガスケット28は、カソード側電極20および第1ガス拡散層24を収納するための大きな開口部32を有する一方、前記第2ガスケット30は、アノード側電極22および第2ガス拡散層26を収納するための大きな開口部34を有している。単位燃料電池セル12と第1および第2ガスケット28、30とが、第1および第2セパレータ14、16によって挟持されるとともに、この第2セパレータ16には第3ガスケット35が配設されている。
【0016】
第1セパレータ14は、その平面内であって外周縁部に位置する横方向両端上部側に、水素含有ガス等の燃料ガス(反応ガス)を通過させるための入口側燃料ガス連通孔(入口側連通孔)36aと、酸素含有ガス又は空気である酸化剤ガス(反応ガス)を通過させるための入口側酸化剤ガス連通孔(入口側連通孔)38aとを備えている。
【0017】
第1セパレータ14の横方向両端中央側には、純水やエチレングリコールやオイル等の冷却媒体を通過させるための入口側冷却媒体連通孔40aと、使用後の前記冷却媒体を通過させるための出口側冷却媒体連通孔40bとが設けられている。第1セパレータ14の平面内であって外周縁部に位置する横方向両端下部側に、燃料ガス(反応済みガス)を通過させるための出口側燃料ガス連通孔(出口側連通孔)36bと、酸化剤ガス(反応済みガス)を通過させるための出口側酸化剤ガス連通孔(出口側連通孔)38bとが、入口側燃料ガス連通孔36aおよび入口側酸化剤ガス連通孔38aと対角位置になるように設けられている。
【0018】
第1セパレータ14のカソード側電極20に対向する面14aには、入口側酸化剤ガス連通孔38aに近接して複数本、例えば、6本のそれぞれ独立した第1酸化剤ガス流路溝42が、水平方向に蛇行しながら重力方向に向かって設けられている。第1酸化剤ガス流路溝42は、3本の第2酸化剤ガス流路溝44に合流し、この第2酸化剤ガス流路溝44が出口側酸化剤ガス連通孔38bに近接して終端している。
【0019】
図2〜図4に示すように、第1セパレータ14には、この第1セパレータ14を貫通するとともに、一端が面14aとは反対側の面14bで入口側酸化剤ガス連通孔38aに連通する一方、他端が前記面14a側で第1酸化剤ガス流路溝42に連通する第1酸化剤ガス連結流路46と、一端が前記面14b側で出口側酸化剤ガス連通孔38bに連通する一方、他端が前記面14a側で第2酸化剤ガス流路溝44に連通する第2酸化剤ガス連結流路48とが、前記第1セパレータ14を貫通して設けられている。
【0020】
図2に示すように、第2セパレータ16の平面内であって外周縁部に位置する横方向両端側には、第1セパレータ14と同様に、入口側燃料ガス連通孔36a、入口側酸化剤ガス連通孔38a、入口側冷却媒体連通孔40a、出口側冷却媒体連通孔40b、出口側燃料ガス連通孔36bおよび出口側酸化剤ガス連通孔38bが形成されている。
【0021】
図5に示すように、第2セパレータ16の面16aには、入口側燃料ガス連通孔36aに近接して複数本、例えば、6本の第1燃料ガス流路溝60が形成される。この第1燃料ガス流路溝60は、水平方向に蛇行しながら重力方向に向かって延在し、3本の第2燃料ガス流路溝62に合流してこの第2燃料ガス流路溝62が出口側燃料ガス連通孔36bの近傍で終端している。
【0022】
第2セパレータ16には、入口側燃料ガス連通孔36aを面16b側から第1燃料ガス流路溝60に連通する第1燃料ガス連結流路64と、出口側燃料ガス連通孔36bを前記面16b側から第2燃料ガス流路溝62に連通する第2燃料ガス連結流路66とが、前記第2セパレータ16を貫通して設けられている。
【0023】
図3および図6に示すように、第2セパレータ16の面16bには、第3ガスケット35の開口部68に対応する段差部70が形成され、段差部70内には、入口側冷却媒体連通孔40aおよび出口側冷却媒体連通孔40bに近接して冷却媒体流路を構成する複数本の主流路溝72a、72bが形成されている。主流路溝72a、72b間には、それぞれ複数本に分岐する分岐流路溝74が水平方向に延在して設けられている。
【0024】
第2セパレータ16には、入口側冷却媒体連通孔40aと主流路溝72aとを連通する第1冷却媒体連結流路76と、出口側冷却媒体連通孔40bと主流路溝72bとを連通する第2冷却媒体連結流路78とが、前記第2セパレータ16を貫通して設けられている。
【0025】
図2に示すように、第1、第2および第3ガスケット28、30および35の横方向両端部には、入口側燃料ガス連通孔36a、入口側酸化剤ガス連通孔38a、入口側冷却媒体連通孔40a、出口側冷却媒体連通孔40b、出口側燃料ガス連通孔36bおよび出口側酸化剤ガス連通孔38bが設けられている。
【0026】
図1に示すように、単位燃料電池セル12と第1および第2セパレータ14、16の積層方向両端側には、第1および第2エンドプレート80、82が配置され、タイロッド84を介して前記第1および第2エンドプレート80、82が一体的に締め付け固定されている。
【0027】
ここで、112はターミナルプレート、113はインシュレータプレートを示している。そして、このターミナルプレート112とインシュレータプレート113は第1エンドプレート80側では第2セパレータ16にターミナルプレート112、インシュレータプレート113の順に重合され第1エンドプレート80とともにタイロッド84により締め付け固定されている。また、第2エンドプレート82側では第1セパレータ14にターミナルプレート112、インシュレータプレート113の順に重合され第2エンドプレート82とともにタイロッド84により締め付け固定されている。
【0028】
ここで、上記第1エンドプレート80側のターミナルプレート112、インシュレータプレート113にも、横方向両端部に、入口側燃料ガス連通孔36a、入口側酸化剤ガス連通孔38a、入口側冷却媒体連通孔40a、出口側冷却媒体連通孔40b、出口側燃料ガス連通孔36bおよび出口側酸化剤ガス連通孔38bが設けられている。
そして、第1エンドプレート80には、出口側酸化剤ガス連通孔38bに連通する孔部94が形成されるとともに、前記第1エンドプレート80に継手96を介して前記孔部94に連通するマニホールド管体98が接続されている。
【0029】
マニホールド管体98は、継手96から延出する外側管体(ガスの流路)100を備え、この外側管体100は上方に立ち上がり大気に開放されている。この外側管100の途中には燃料電池スタック10内の圧力を調整する背圧バルブ86が設けられている。そして、前記出口側酸化剤ガス連通孔38b、および、第1エンドプレート80の孔部94内に、排水パイプ(吸引部材)88が周囲に接触しない状態で挿入されている。
【0030】
図7〜図9に示すように、前記排水パイプ88は、出口側酸化剤ガス連通孔38bの内壁に対して絶縁性を確保するために外周部に樹脂コーティングを施され、かつ挿入側の端部には同じく絶縁性を確保するために、樹脂エンドキャップ90が取り付けられ、前記第2エンドプレート82側のターミナルプレート112に形成された嵌合孔112aに挿入した状態で支持されている。
【0031】
また、排水パイプ88の挿入側の端部の下壁、つまり重力方向に向かって下側には出口側酸化剤ガス連通孔38b内で開口する吸入孔(開口部)92が設けられている。一方、排水パイプ88の第1エンドプレート80側の端部外周にはステイプレート102が取り付けられ、このステイプレート102は第1エンドプレート80に対して位置決めされ、前記継手96と共締めされるものである。したがって、ステイプレート102により排水パイプ88を正確に出口側酸化剤ガス連通孔38b内にセットできるメリットがある。尚、この排水パイプ88の第1エンドプレート80側の端部は第1エンドプレート80からやや突出している。
【0032】
そして、このように形成された排水パイプ88に後述するバイパス管(出口側流路)103が接続されている。前記バイパス管103は、図1に示すように、一端が前記排水パイプ88に接続されるとともに、他端が前記背圧バルブ86の下流側に接続されるものである。
前記バイパス管103の一端側には、図7に示すように雌コネクタ103aが取り付けられ、この雌コネクタ103aに排水パイプ88が嵌合して接続されるようになっている。雌コネクタ103aは前記継手96を貫通した状態で該継手96に挿入固定されている。雌コネクタ103aの内周面には排水パイプ88をシールするシールリングSが設けられている。
【0033】
また、バイパス管103の雌コネクタ103aの取り付け部位の近傍にはシールリングSを外周面に備えたリング部材108が取り付けられ、外側管体100の挿入部の周囲に設けられたリング状のパイプ支持ホルダ109の内周面にシールした状態で挿入されている。このように構成された、マニホールド管体98の継手96がボルトBにより第1エンドプレート80に前記ステイプレート102とともに締め付け固定されている。
【0034】
また、第1エンドプレート80には、出口側燃料ガス連通孔36bに連通する孔部104が形成されている。この孔部104に、上述したマニホールド管体98と同様に構成されるマニホールド管体106が連結されるとともに排水パイプ88が挿入され、該排水パイプ88に連通してバイパス管103が接続されている点等の構成は前記出口側酸化剤ガス連通孔38bと同様であるので同一部分に同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0035】
ここで、図1に鎖線で示すよように、背圧バルブ86の下流側に接続されたバイパス管103の接続部分において、外側管体100の内部に絞り部110を設けることにより、バイパス管103とこの絞り部110とによりエジェクタ部114を形成することもできる。
【0036】
このように構成される第1の実施形態に係る燃料電池スタック10の動作について説明する。
燃料電池スタック10内には、燃料ガス、例えば、炭化水素を改質した水素を含むガスが供給されるとともに、酸化剤ガスとして空気又は酸素含有ガス(以下、単に空気ともいう)が供給され、さらに単位燃料電池セル12の発電面を冷却するために、冷却媒体が供給される。燃料電池スタック10内の入口側燃料ガス連通孔36aに供給された燃料ガスは、図3および図5に示すように、第1燃料ガス連結流路64を介して面16b側から面16a側に移動し、この面16a側に形成されている第1燃料ガス流路溝60に供給される。
【0037】
第1燃料ガス流路溝60に供給された燃料ガスは、第2セパレータ16の面16aに沿って水平方向に蛇行しながら重力方向に移動する。その際、燃料ガス中の水素含有ガスは、第2ガス拡散層26を通って単位燃料電池セル12のアノード側電極22に供給される。そして、未使用の燃料ガスは、第1燃料ガス流路溝60に沿って移動しながらアノード側電極22に供給される一方、未使用の燃料ガスが第2燃料ガス流路溝62を介して第2燃料ガス連結流路66に導入され、面16b側に移動した後に出口側燃料ガス連通孔36bに排出される。
【0038】
また、燃料電池スタック10内の入口側酸化剤ガス連通孔38aに供給された空気は、図3に示すように、第1セパレータ14の入口側酸化剤ガス連通孔38aに連通する第1酸化剤ガス連結流路46を介して第1酸化剤ガス流路溝42に導入される。図2に示すように、第1酸化剤ガス流路溝42に供給された空気は、水平方向に蛇行しながら重力方向に移動する間、この空気中の酸素が第1ガス拡散層24からカソード側電極20に供給される。一方、未使用の空気は、第2酸化剤ガス流路溝44を介して第2酸化剤ガス連結流路48から出口側酸化剤ガス連通孔38bに排出される。これにより、単位燃料電池セル12で発電が行なわれ、例えば、図示しないモータに電力が供給されることになる。
【0039】
さらにまた、燃料電池スタック10内に供給された冷却媒体は、入口側冷却媒体連通孔40aに導入された後、図6に示すように、第2セパレータ16の第1冷却媒体連結流路76を介して面16b側の主流路溝72aに供給される。冷却媒体は、主流路溝72aから分岐する複数本の分岐流路溝74を通って単位燃料電池セル12の発電面を冷却した後、主流路溝72bに合流する。そして、使用後の冷却媒体は、第2冷却媒体連結流路78を通って出口側冷却媒体連通孔40bから排出される。
【0040】
ところで、上記のように燃料電池スタック10が運転されている際、特にカソード側電極20側で比較的多くの水が生成されており、この水が第1および第2酸化剤ガス流路溝42、44を介して出口側酸化剤ガス連通孔38bに導出される。とりわけ、この実施形態では前記入口側燃料ガス連通孔36a、前記出口側燃料ガス連通孔36b、前記入口側酸化剤ガス連通孔38aおよび前記出口側酸化剤ガス連通孔38bが、第1セパレータ14、第2セパレータ16の外周部側、つまり燃料電池スタック10の外周側に設けられているため、外気温の影響を受けやすく、生成水が結露しやすいのである。
【0041】
このように、出口側酸化剤ガス連通孔38bに生成水等が導出されると、この生成水は結露して出口側酸化剤ガス連通孔38bに滞留する場合がある。ところで、燃料電池スタック10を運転している際には背圧バルブ86により系内の圧力を一定に調製している。したがって、背圧バルブ86の上流側と下流側には差圧が生じている。この差圧によりバイパス管103の背圧バルブ86側と第1エンドプレート80側に圧力差が生じ、その結果、出口側酸化剤ガス連通孔38b内の生成水は排水パイプ88の吸入孔92から吸引され、バイパス管103を経てマニホールド管体98から反応済みガスとともに系外に排出される。
同様にして、出口側燃料ガス連通孔36b内に貯留した燃料ガスの加湿成分が凝結した生成水等も排水パイプ88の吸入孔92から吸引され、バイパス管103を経てマニホールド管体106から反応済みガスとともに系外に排出される。
【0042】
したがって、生成水等が前記出口側酸化剤ガス連通孔38bおよび出口側燃料ガス連通孔36bの中に溜まった場合には、この生成水を排水パイプ88の吸入孔92から吸引して外部に排出することが可能となるため、前記出口側酸化剤ガス連通孔38bおよび出口側燃料ガス連通孔36bに滞留した生成水等の排水性を向上させ、発電面内への水滴の逆流による発電性能の低下を防止できる。つまり、多孔質体に比較して速やかに排水でき、かつ、重力によらず差圧による吸引排水であるので迅速かつ確実に排水を行なうことができる。
その結果、第1エンドプレート80側とは反対側に位置する前記出口側酸化剤ガス連通孔38b、および前記出口側燃料ガス連通孔36bの奥側に水が滞留した場合であっても、確実に排出することができるため、燃料電池スタック10が傾斜した状態で使用される車両用として用いる場合に好適である。
【0043】
また、重力により下側に滞留しやすい生成水を重力方向の下側に設けられた出口側酸化剤ガス連通孔38b、出口側燃料ガス連通孔36bから排水パイプ88により吸引除去することが可能となるため、発電面への逆流が生じやすく多くの生成水等が貯留している重力方向の下側から効率よく排水できる。このとき、重力方向下側に形成された吸入孔92により出口側酸化剤ガス連通孔38b、出口側燃料ガス連通孔36bから確実に水を排水できる。
【0044】
そして、前記出口側酸化剤ガス連通孔38b、および出口側燃料ガス連通孔36bに設けられた背圧バルブ86を有効利用して、排水パイプ88の吸引孔92から前記出口側酸化剤ガス連通孔38b、および出口側燃料ガス連通孔36bに滞留した生成水を吸引除去することが可能となるため、余分なポンプ等が不要となり、構造の簡素化を図ることができる。尚、前述したようにエジェクタ部114を設けた場合には、エジェクタ作用により排水パイプ88による水の引き込み力が増加するため、より一層効果的に排水を行なうことができる。
また、上記燃料電池スタック10はエンドプレートの片側のみに配管を取り付けるようにしているため、配管スペースを小さくできるとともに集合配管を使用することができ、配管構造がシンプルになるという効果がある。
【0045】
尚、この発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、前記入口側燃料ガス連通孔36a、入口側酸化剤ガス連通孔38aにも前述した排水パイプ88を設けることもできる。この場合には前記入口側燃料ガス連通孔36a、入口側酸化剤ガス連通孔38aから発電面内への水滴の侵入を防止できる。
また、上記実施形態では出口側酸化剤ガス連通孔38bと出口側燃料ガス連通孔36bとに排水パイプ88を設ける場合について説明したが、例えば、生成水が多く貯留される出口側酸化剤ガス連通孔38b側にのみ設けるようにしてもよい。そして、排水パイプ88に形成される吸入孔92の位置は第2エンドプレート82側の端部に限られず、第1エンドプレート80側の端部にも設けてもよい。この場合には、燃料電池スタック10が第1エンドプレート80、あるいは、第2エンドプレート82のいずれの側に傾斜しても、いずれかの吸入孔92から確実に排水を行なうことができる。勿論、前記排水パイプ88の挿入部の全域に渡って複数の吸入孔を設けるようにしてもよい。
そして、入口側燃料ガス連通孔36a、入口側酸化剤ガス連通孔38a、出口側燃料ガス連通孔36b、出口側酸化剤ガス連通孔38bは、第1,第2セパレータ14,16の平面内に形成されていれば、形成部位は外周縁部に限定されない。
【0046】
【発明の効果】
請求項1に記載した発明によれば、生成水等が、前記入口側連通孔又は前記出口側連通孔の中に溜まった場合には、この生成水を吸引部材の開口部から吸引して外部に排出することが可能となるため、前記入口側連通孔又は前記出口側連通孔に滞留した生成水等の排水性を向上させ、前記入口側連通孔においては発電面内への水滴の侵入を防止でき、前記出口側連通孔においては発電面内への水滴の逆流を防止でき、発電性能の低下を防止できる効果がある。
【0047】
請求項2に記載した発明によれば、重力により下側に滞留しやすい生成水を重力方向の下側に設けられた入口側連通孔又は出口側連通孔から吸引部材により吸引除去することが可能となるため、大量に貯留しやすい場所から水滴を効率よく排出できるという効果がある。
【0048】
請求項3に記載した発明によれば、前記ガスの流路に設けられた背圧バルブの上流側と下流側との間に生じる差圧を有効利用して吸引力を発生させ、吸引部材の開口部から前記入口側連通孔又は前記出口側連通孔に貯留した生成水を吸引除去することが可能となるため、余分なポンプ等が不要となり、構造の簡素化を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1の実施形態に係る燃料電池スタックの概略縦断面説明図である。
【図2】 図1に示す燃料電池スタックの要部分解斜視図である。
【図3】 図1に示す燃料電池スタックの概略断面説明図である。
【図4】 図1に示す燃料電池スタックを構成する第1セパレータの正面説明図である。
【図5】 図1に示す燃料電池スタックを構成する第2セパレータの一方の面の正面説明図である。
【図6】 前記第2セパレータの他方の面の正面説明図である。
【図7】 マニホールド管体と排水パイプとの取り付け状態を示す断面説明図である。
【図8】 排水パイプの挿入状況を示す断面説明図である。
【図9】 図8の排水パイプの正面図である。
【図10】 従来技術の斜視図である。
【符号の説明】
10 燃料電池スタック
12 単位燃料電池セル
14 第1セパレータ(セパレータ)
16 第2セパレータ(セパレータ)
18 固体高分子電解質膜
20 カソード側電極
22 アノード側電極
36a 入口側燃料ガス連通孔(入口側連通孔)
36b 出口側燃料ガス連通孔(出口側連通孔)
38a 入口側酸化剤ガス連通孔(入口側連通孔)
38b 出口側酸化剤ガス連通孔(出口側連通孔)
86 背圧バルブ
88 排水パイプ(吸引部材)
92 吸入孔(開口部)
100 外側管体(ガスの流路)
103 バイパス管(出口側流路)

Claims (3)

  1. 固体高分子電解質膜をアノード側電極とカソード側電極とで挟持して構成される単位燃料電池セルを、セパレータを介して水平方向に複数個積層した燃料電池スタックにおいて、前記セパレータの平面内に、燃料ガスと酸化剤ガスを供給するための2つの入口側連通孔と、これら両反応ガスに対応する反応済みガスを排出するための2つの出口側連通孔とを貫通して設け、前記入口側連通孔又は前記出口側連通孔の内部には、前記入口側連通孔又は前記出口側連通孔に貯留した水を吸引する開口部を有する吸引部材が設けられていることを特徴とする燃料電池スタック。
  2. 前記吸引部材が設けられた入口側連通孔又は出口側連通孔をセパレータの平面内で重力方向の下側に設けたことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池スタック。
  3. 前記吸引部材の出口側流路は前記出口側連通孔から排出されるガスの流路に設けられた背圧バルブの下流側に接続されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料電池スタック。
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