JP4596441B2 - 混合流体分離装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は混合流体分離装置に係わり、特に各種工場における廃油を含んだ排水、切削油と防錆油の混合油等、比重の異なる流体混合物の分離に適した混合流体分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、機械工場、ガソリンスタンド、金属表面処理工場、食品加工工場等における廃油を含んだ排水、切削油と防錆油の混合油等から、各成分を分離、回収、除去するため、下記のような装置があった。
【0003】
(1) 機械的混合流体分離装置、電気的混合流体分離装置、または溶剤、凝集剤、吸着剤やフィルターを使用した混合流体分離装置。
【0004】
しかしながら、(1)の分離装置は、装置そのものが高価であり運転経費もかかるうえ、目詰り、故障の発生、排水中の油分濃度(以下原水負荷という)の巾が狭い等の難点があった。その解決策として、
(2) 比重の異なる混合流体を分離するため、混合流体の比重差および水位差を利用し、運転経費もかからず、経済的な油水分離方法(特開昭52−111060号公報)および(3)油水比重差分離装置(特開昭53−97670号公報)が提案されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
混合流体の比重差および水位差を利用する(2)の油水分離方法(特開昭52−111060号公報)は、動力を使用せず、油と水の比重差および水位差により、油水分離、油分回収を行い、故障の発生はなく、原水負荷の変動にも対応し、運転経費は安価になったが、油と水の分離を促すための複数枚の斜板(ギャラリー)が原水の流れにそのまま対応しているため、原水の流れはスムーズとなり、結果的には油水分離が不完全で、かつ、装置が大き過ぎるという難点があった。
【0006】
また、(3)の波状に屈曲した分離板を設けた油水比重差分離装置(特開昭53−97670号公報)は、ギャラリー内の構造を複雑にして、装置を小型にすると共に、油水分離を促進させようとしてはいるが、ギャラリー内の屈曲した分離板が複雑、過多のため、ギャラリーは一部分のみ機能するという欠点が生じていた。
【0007】
更に、油回収部についてみると、(2)、(3)ともに、浮上した大きな油滴およびギャラリーで分離された油滴は浮上して油溜室に回収されるが、ギャラリーを通過した水分中の油は未回収のまま排水口から排出されてしまうという難点もあった。
【0008】
本願出願人は、混合流体の比重差および水位差により混合流体を各構成流体に分離させる水槽として、図5、図6に示すように、混合流体の流入口11と、分離された比重の軽い流体を貯留する複数個の貯留部G、H、J、K、284と、分離された比重の重い流体を流入口11との水位差により排出する排出口12とを備え、排出口12に向う混合流体をさえぎり水槽1’内で溢流させる複数個の仕切部2、3、4と、分離された比重の軽い流体を貯留部に導く複数個の分取口5、6、7、8、285と、混合流体から比重の軽い流体を分離浮上させるため排出口側が高く流入口側を低く傾斜させた複数個の傾斜部材90で構成する傾斜流路部9とを設けた混合流体分離装置を提案している(特願平5−157482号)。
【0009】
そして複数個の貯留部の1つGは、傾斜流路部9に対して流入口11側に設け、複数個の貯留部の他の1つHは傾斜流路部9に対して排出口12側にそれぞれ設けたものである。
【0010】
傾斜流路部9に対して流入口11側に設けられた貯留部Gにおいて分離された比重の重い流体を排出口12側に導く誘導管281を設け、この誘導管281によって排出口12側に導びかれた比重の重い流体の動きを制限する流路制限部287、288を備え、排出口12側に導びかれた比重の重い流体中に残存する比重の軽い流体を分離させる残存分離部282を設けたものである。
【0011】
更に、複数個の仕切部2、3、4により水槽1’の混合流体の面を仕切る各室21、22、23、24、25、26、27および貯留部H、G、J、K、284のうち少なくとも流入口に連結された室21の角面を曲面構造Rとするものである。
【0012】
この装置を設置配管後は動力源、フィルター、吸着剤等一切使用せず、効率良く油分を分離回収できると共に、非常に経済的で、設置スペースも小さく押えられるようになった。
【0013】
しかしながら、分離された比重の軽い流体を貯留部Gに導く分取口5、貯留部Hに導く複数個の分取口6、7や、貯留部Gから貯留部Kへの分取口8、残存分離部282から貯留部284への分取口285の高さを処理流量にあわせてボルト締めするという微調整を行うが、分取口の数が7箇所と多いので調整に手間取るという難点があり、更に、全ての分取口がボルト締めによる固定式のため液量の変動により比重の重い流体が流入してしまうという難点があった。分取口の形状が概略円形のため、粘度の高い流体やゴミ等を回収する位置に高さ調整すると、排出口12に向かうべき流体の捕集量が多くなるという難点もある。
【0014】
また、傾斜流路部9を2個9a、9b必要とし、組立時に部品が多くなると共に時間もかかり、装置の小型化にも限度があった。
【0015】
更に、流入口11側に比重の軽い流体を貯留し回収口K1に接続される貯留部Kが設けられ、排出口12側にも比重の軽い流体を貯留し回収口286に接続される貯留部284が設けられるため、本体の小型化を阻む要因であった。また、これら2つの貯留部K、284から回収された回収流体に比重の重い流体も含まれるので、2箇所からロスが発生し効率が低下するという難点があった。
【0016】
流入口11側の貯留部Gから排出口12に送られる誘導管281中の排水には、分離しきれない比重の軽い流体が約10パーセント含まれ、分離効率を低下させていた。
【0017】
本発明は、上記種々の難点を解決し、効率よく経済的に油水分離等が行なうことができるコンパクトな混合流体分離装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明による混合流体分離装置は、混合流体の比重差および水位差により混合流体を各構成流体に分離させる水槽を使用する混合流体分離装置であって、混合流体の流入口と、分離された比重の重い流体を流入口との水位差により排出する排出口と、分離された比重の軽い流体を貯留するため流入口側に設けられた主貯留部および排出口側に設けられた副貯留部とを備え、流入口から排出口に向かう混合流体をさえぎる複数個の仕切り部と、混合流体から比重の軽い流体を分離浮上させるため排出口側が高く流入口側を低く傾斜させた複数個の傾斜部材で構成する傾斜流路部と、主貯留部および副貯留部に比重の軽い流体を導く複数個の分取口と、主貯留部から比重の軽い流体を回収するための回収口とを設け、傾斜流路部を構成する傾斜部材の下面には、比重の軽い流体の浮上を流入口側から排出口側に誘導する溝と、溝への比重の軽い流体の集合を誘導する複数の帯状板とが設けられ、帯状板は溝に対して切妻屋根型または人字型に鋭角をもって設けられるものである。
【0019】
本発明による混合流体分離装置は、回収口に比重の軽い流体の回収液面高を調整する調整板を取付け、調整板に回収口に相当する調整口を穿設し、調整板にエア駆動式エアシリンダーを連結して主貯留部に比重の軽い流体が溜まったときにエア駆動式エアシリンダーを駆動して調整板を下げ比重の軽い流体を調整口および回収口から回収するものである。
【0020】
本発明による混合流体分離装置は、複数個の分取口および回収口の形状は、水平方向に長軸を有する楕円形で、楕円形の短軸方向のうち底辺部にV字型の切り欠きを設けたものである。
【0021】
本発明による混合流体分離装置は、副貯留部に流入した比重の軽い流体を誘導管を介して主貯留部に還流させるものである。
【0022】
また、本発明による混合流体分離装置は、混合流体の比重差および水位差により混合流体を各構成流体に分離させる水槽を使用する混合流体分離装置であって、混合流体の流入口と、分離された比重の重い流体を流入口との水位差により排出する排出口と、分離された比重の軽い流体を貯留するため流入口側に設けられた主貯留部および排出口側に設けられた副貯留部とを備え、流入口から排出口に向かう混合流体をさえぎる複数個の仕切り部と、混合流体から比重の軽い流体を分離浮上させるため排出口側が高く流入口側を低く傾斜させた複数個の傾斜部材で構成する傾斜流路部と、主貯留部および副貯留部に比重の軽い流体を導く複数個の分取口と、主貯留部から比重の軽い流体を回収するための回収口とを設け、主貯留部において分離された比重の重い流体を外設された逆流防止トラップを介して流入口に導くものである。
【0023】
本発明による混合流体分離装置は、水槽の混合流体の面が仕切られた各室、貯留部および副貯留部のうち少なくとも流入口に連結された室の角面を曲面構造とするものである。
【0024】
このように構成された本発明による混合流体分離装置は、装置を設置配管後は動力源、フィルター、吸着剤等一切使用せず、効率良く油分を分離回収できると共に、排水には油分を流出せず、非常に経済的で、設置スペースも最小限に押えられる。
【0025】
【実施例】
以下に本発明による混合流体分離装置について図面を参照して詳述する。
【0026】
図1(a)、(b)に示すように、本発明による混合流体分離装置は、混合流体を通過させ比重差および水位差により各構成流体に分離させる水槽Zを使用する混合流体分離装置で、混合流体の流入口01と、分離された比重の重い流体を流入口01との水位差により排出する排出口02と、分離された比重の軽い流体を貯留するため流入口01側に設けられた主貯留部A1および排出口02側に設けられた副貯留部A2とを備え、流入口01から排出口02に向かう混合流体をさえぎり水槽Z内で溢流または伏流させる複数個の仕切り部B1、B2、B3、B4、B5と、混合流体から比重の軽い流体を分離浮上させるため排出口02側が高く流入口01側を低く傾斜させた複数個の傾斜部材f、f、…で構成する傾斜流路部03と、主貯留部A1に比重の軽い流体を導く分取口a1および副貯留部A2に比重の軽い流体を導く分取口a2、a3と、主貯留部A1から比重の軽い流体を回収するための回収口bとを設けたものである。
【0027】
図1(b)に示すように、仕切り部B1およびB4の底部は、水槽Zの底に連結され、仕切り部B4の上部は水槽Zの上部から乖離され、排出口02に向う流体をさえぎりながら溢流させる高さに設定され、仕切り部B1の上部は流入口01側にある傾斜流路部03の底部に連結されている。仕切り部B2の底部は流入口01側にある傾斜流路部03の上部に連結され、上部は水槽Zの上部から乖離され、排出口02に向う流体をさえぎりながら溢流させる高さに設定されている。仕切り部B3の底部は排出口02側にある傾斜流路部03の上部に連結され、上部は副貯留部A2の底部に連結され、流体が排出口02に向うのをさえぎり、流体を傾斜流路部03へ導いている。仕切り部B5は上部が水槽Zの上部に連結され、下部は水槽Zから乖離している。
【0028】
図2、図4に示すように、本発明による混合流体分離装置は、主貯留部A1と回収部Kの間に設けられた回収口bに比重の軽い流体の回収液面高を調整する調整板Tを取付け、調整板Tに回収口bに相当する調整口Tbを穿設し、調整板Tにエア駆動式エアシリンダーSを連結して主貯留部A1に比重の軽い流体が溜まったときにエア駆動式エアシリンダーSを駆動して調整板Tを下げ、比重の軽い流体を調整口Tbおよび回収口bから回収部Kを介して管K1より外部に回収するものである。
【0029】
エアシリンダーSは、水槽Zの上部に取付け台S0を設置して取付けられ、エアシリンダーSの駆動軸S2に連結された調整板Tを上下動させる。調整板Tの素材としては、回収口bとの間で液漏れを生じることなく、かつ摩擦抵抗の少ない樹脂(ポリプロピレン、テフロン、デルリン、ポリエチレン)が好適である。
【0030】
エアシリンダーSのソケットS1に公知の電磁弁Vが接続され、電磁弁VにはツインタイマWが接続され、主貯留部A1に比重の軽い流体が溜まった時点でエアシリンダーSを作動させる(図1(b))。
【0031】
複数個の分取口a1、a2、a3および回収口bの形状は、図1(b)に示すように、水平方向に長軸を有する楕円形で、楕円形の短軸方向のうち底辺部にV字型の切り欠き04を設ける。回収口bに当接する調整板Tの調整口Tbにも対応する形体として底辺部にV字04’が採用されている(図4)。
【0032】
図1(b)に示すように、混合流体から比重の軽い流体を分離浮上させる傾斜流路部03は、排出口02側を高く流入口01側を低く傾斜させた平行な複数の傾斜部材f、f、…で構成され、傾斜部材f、f、…の下面fuには、図3に示すように、比重の軽い流体の浮上を流入口01側から排出口02側に誘導する溝05と、溝05への比重の軽い流体の集合を誘導する複数の帯状板06、06、…とが設けられ、帯状板06は溝05に対して切妻屋根型(図3(a))または人字型(図3(b))に鋭角をもって設けられている。
【0033】
最も流入口01側の傾斜部材fの下端部は仕切り部B1により水槽Zの底に連結され、排出口02側に向って上向きに傾斜した最も流入口01側の傾斜部材fの上端部は、排出口02に向う流体をさえぎりながら溢流させる高さに設定された仕切り部B2に連結されている。最も排出口02側の傾斜部材fの上部は仕切り部B3によって副貯留部A2の下部に連結されている。傾斜流路部03は原水中にあり、傾斜流路部03を構成する傾斜部材fの傾斜角度θは、ストークスの原理により最適値が求められている。
油滴の浮上速度Vtは、
【0034】
【数1】
で与えられる。
【0035】
Pw:水の密度
Po:油の密度
Do:油滴の直径
g :重力の加速度
u :水の絶対粘度
ここで、
Vh:水の径方向の流速
とすると、傾斜部材03の傾斜角度θは、
【0036】
【数2】
により求められる。
【0037】
この傾斜角θを満たす傾斜部材fで構成される傾斜流路部03内では原水に含まれる油滴は殆ど分離され、他の油滴と結合しながら浮上し、溝05に対して切妻屋根型または人字型に鋭角をもって設けられた帯状板06によって溝05に誘導されながら上方へ集められて浮上する。
【0038】
図1(a)に示すように、副貯留部A2において貯留された比重の軽い流体を主貯留部A1に還流させる誘導管dが、主貯留部A1に併設された還流貯留室A3の下部と副貯留部A2の下部とを連結するかたちで水槽Zの外側に沿って設けられている。還流貯留室A3の側部は孔yによって主貯留部A1と連通している。
【0039】
図1(a)および図2に示すように、主貯留部A1において分離された比重の重い流体は、トラップ入り口07から外設された逆流防止トラップeを介して流入口01に導かれる。主貯留部A1から逆流防止トラップeに至る間には、流体を伏流させるため下部が主貯留部A1の底から乖離した仕切り部B6、B8、その間に流体を溢流させるため上部が水槽Zの上部から乖離した仕切り部B7が設けられ、逆流防止トラップeのU字管を構成する混合流体分離装置Z側にある入口管e1と出口管e2とには高低差を設け、出口管e2が低く構成されている。
【0040】
図1(a)、(b)に示すように、水槽Zの流体面側には、流入口01と主貯留部A1の間の室D1、還流貯留室A3と副貯留部A2の間の室D2、副貯留部A2と流体を溢流させるため上部が水槽Zの上部から乖離した仕切り部B4間の室D3と、仕切り部B4と流体を伏流させるため下部が水槽Zの底から乖離した仕切り部B5間の室D4、仕切り部B5と排出口02間の室D5が形成される。これら各室D1、D2、D3、D4、D5、主貯留部A1および副貯留部A2のうち少なくとも流入口01に連結された室D1の角面を曲面構造Rとする。
【0041】
次に、本発明による混合流体分離装置の動作を説明する。
【0042】
本発明による混合流体分離装置では、水槽Zの流体表面は多数の室に仕切られ、かつ水槽Zの上部から乖離した仕切り部B2、B4、下部が水槽Zの底から乖離した仕切り部B3、B5により、水槽Z内を流入口01から排出口02に向う間に、流体は水槽Z内を多数回上下流動させられて油水分離が促進される。
【0043】
水槽Z及び逆流防止トラップe内を精水で満たした後、水と油の混合した原水が流入口01から供給される。原水内の比較的大きな油滴は、室D1で分離しつつ分取口a1から主貯留部A1に流入する。分取口a1が水平方向に長軸を有する楕円形で、楕円形の短軸方向のうち底辺部にV字型の切り欠き04を有する形状なので、切り欠き04部分における表面張力で、粘度の高い流体、ゴミ等の回収効率が高まり、排出口02に向かうべき流体の流入はわずかに押さえられる。
【0044】
比較的小さな油滴を含む水は、主貯留部A1の下を伏流して還流貯留室A3の下に入り、仕切り部B1に遮られて仕切り部B2の上部を溢流し、傾斜流路部03の上部より複数ある傾斜部材fの間を流下する。このとき、傾斜部材fの傾斜角θがストークスの原理によって設定されているので、残る比較的小さな油滴も徐々に傾斜流路部03内で、水から分離され浮上する。
【0045】
図3(b)に示すように、傾斜流路部03の下面fuに設けられた溝05と、溝05に対して切妻屋根型または人字型に鋭角をもって設けられた帯状板06によって、傾斜部材fのどの位置からも浮上する比重の軽い流体は溝05に集合して効率的に分離が促進され、他の油滴と結合し大きな油滴となって分取口a2から副貯留部A2に流入する。傾斜流路部03は、排出口02側を高く流入口01側を低く傾斜させた平行な18枚の2cm間隔の傾斜部材fで構成されているので、原水は、流入口01から排出口02へ向うのとは実質的に逆の流れとなり、装置内において油水分離のために好適な時間がかけられている。
【0046】
傾斜流路部03を流下した水は副貯留部A2の下を伏流し仕切り部B3に遮られて仕切り部B4を上昇し、室D4に流入する。このとき残りの油滴は分取口a3から副貯留部A2に流入する。油滴がほとんど分離回収された残りの水は仕切り部B5を伏流して室D5に入り上昇して排出口02から排出される。
【0047】
室D2、D3において分離浮上し分取口a2、a3から副貯留部A2に入った油滴は、水槽Zに沿って外設された誘導管dを介して還流貯留室A3に送られる。還流貯留室A3に入った油滴は孔yを通り主貯留部A1に流入する。
【0048】
主貯留部A1に比重の軽い流体が溜まったら、エアシリンダーSを駆動して調整板Tを下げ、調整口Tbを回収口bにあわせて油を回収部Kに流入させ、管K1より外部に回収する。主貯留部A1に比重の軽い流体が溜まるまでは調整板Tによって回収口bは封じられている。
【0049】
エアシリンダーSのソケットS1には、公知の電磁弁Vが接続され、電磁弁VにはツインタイマWが接続されているので、主貯留部A1に油が溜まる時間をあらかじめセットし、主貯留部A1に油が溜まった時にのみエアシリンダーSを作動させ、溜まった油を回収する。
【0050】
主貯留部A1には比重の軽い流体と共に比重の重い流体も少しずつ溜まる。溜まった比重の重い流体は、図2に示すように、仕切り部B6、B7、B8によって伏流、溢流、伏流と動きを妨げられながら水槽上部から逆流防止トラップeの入口管e1に送られ、出口管e2からは、直接あるいは消泡器等(図示せず)を介して流入口01に導かれ、わずかに油分を含む流体はエンドレスに処理される。この逆流防止トラップeを接続することによって、主貯留部A1の液体をエンドレス処理して流入口01に導くにあたり、混合流体分離装置にエアー式ダイヤフラムポンプを接続したとき、液体が混合流体分離装置に逆流するのを防止し、分離しきれない混合流体を脈動なく送り出すことができる。
【0051】
本発明による混合流体分離装置は、混合流体の比重差および水位差により前記混合流体を各構成流体に分離させるため、流入口01は排出口02より高く、仕切り部B4はその間の高さであり、また、逆流防止トラップeの入口管e1に向かうトラップ入り口07は流入口01より低く、構成されている。
【0052】
本発明による混合流体分離装置では、水槽Zの混合流体の面が仕切られた各室、貯留部および副貯留部のうち少なくとも流入口に連結された室D1の角面を曲面構造Rとするので、流入口01から流入した混合流体の比重の軽い流体は、室D1の4隅に付着することなく、混合流体として室D2にスムーズに流動する。
【0053】
本発明による混合流体分離装置で、一日5回、強制的に1回10秒間、主貯留部A1から油を回収したところ、500cc中油以外の液体(水)は10ccしか含まれず、非常に効率よく混合流体を分離回収できることが確認された。
【0054】
上記説明では、混合流体の構成流体を、水と油としたが、これに限定されず、切削油と防錆油の混合油等他の比重の異なる混合流体にも好適である。
【0055】
【発明の効果】
以上の実施例からも明らかなように、本発明による混合流体分離装置は、回収口に比重の軽い流体の回収液面高を調整する調整板を取付け、調整板に回収口に相当する調整口を穿設し、調整板にエア駆動式エアシリンダーを連結して主貯留部に比重の軽い流体が溜まったときにエア駆動式エアシリンダーを駆動して調整板を下げ比重の軽い流体を調整口および回収口から回収し、傾斜流路部を構成する傾斜部材の下面には、比重の軽い流体の浮上を流入口側から排出口側に誘導する溝と、溝への比重の軽い流体の集合を誘導する複数の帯状板とが設けられ、帯状板は溝に対して切妻屋根型または人字型に鋭角をもって設け、副貯留部に流入した比重の軽い流体を誘導管を介して主貯留部に還流させ、主貯留部において分離された比重の重い流体を外設された逆流防止トラップを介して流入口に導き、流入口に連結された室の角面を曲面構造とするもので、装置を設置配管後は動力源、フィルター、吸着剤等一切使用せず、効率良く油分を分離できると共に、排水には油分を流出せず、非常に経済的で、設置スペースも最小限に押えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による混合流体分離装置を説明する図で、(a)は上面からみた図、(b)はそのP−P断面図である。
【図2】 図1(a)のQ−Q断面図である。
【図3】 本発明による混合流体分離装置の傾斜流路部を説明する図で、(a)は斜視図、(b)は作用説明図である。
【図4】 エア駆動式エアシリンダーと調整板の説明図である。
【図5】 従来の混合流体分離装置を説明する図で、(a)は上面からみた図、(b)はそのT−T断面図である。
【図6】 (a)は図10(a)の部分上面図、(b)は図10(a)のS−S断面図である。
【符号の説明】
Z…水槽
01…流入口
02…排出口
03…傾斜流路部
04…V字型の切り欠き
05…溝
06…帯状板
a1、a2、a3…分取口
b…回収口
d…誘導管
e…逆流防止トラップ
f…傾斜部材
fu…傾斜部材の下面
A1…主貯留部
A2…副貯留部
B1、B2、B3、B4、B5…仕切り部
D1、D2、D3、D4、D5…室
R…曲面構造
S…エア駆動式エアシリンダー
T…調整板
Tb…調整口
Claims (6)
- 混合流体の比重差および水位差により前記混合流体を各構成流体に分離させる水槽(Z)を使用する混合流体分離装置であって、
前記混合流体の流入口(01)と、前記分離された比重の重い流体を前記流入口との水位差により排出する排出口(02)と、前記分離された比重の軽い流体を貯留するため前記流入口側に設けられた主貯留部(A1)および前記排出口側に設けられた副貯留部(A2)とを備え、
前記流入口から前記排出口に向かう前記混合流体をさえぎる複数個の仕切り部(B1、B2、B3、B4、B5)と、前記混合流体から前記比重の軽い流体を分離浮上させるため前記排出口側が高く前記流入口側を低く傾斜させた複数個の傾斜部材(f、f、…)で構成する傾斜流路部(03)と、前記主貯留部および前記副貯留部に比重の軽い流体を導く複数個の分取口(a1、a2、a3)と、前記主貯留部から前記比重の軽い流体を回収するための回収口(b)とを設け、
前記傾斜流路部を構成する前記傾斜部材の下面(fu)には、前記比重の軽い流体の浮上を前記流入口側から前記排出口側に誘導する溝(05)と、前記溝への前記比重の軽い流体の集合を誘導する複数の帯状板(06、06、…)とが設けられ、前記帯状板は前記溝に対して切妻屋根型または人字型に鋭角をもって設けられることを特徴とする混合流体分離装置。 - 前記回収口に前記比重の軽い流体の回収液面高を調整する調整板(T)を取付け、前記調整板に前記回収口に相当する調整口(Tb)を穿設し、前記調整板にエア駆動式エアシリンダー(S)を連結して前記主貯留部に前記比重の軽い流体が溜まったときに前記エア駆動式エアシリンダーを駆動して前記調整板を下げ比重の軽い流体を前記調整口および前記回収口から回収することを特徴とする請求項1記載の混合流体分離装置。
- 複数個の前記分取口および前記回収口の形状は、水平方向に長軸を有する楕円形で、前記楕円形の短軸方向のうち底辺部にV字型の切り欠き(04)を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の混合流体分離装置。
- 前記副貯留部に流入した比重の軽い流体を誘導管(d)を介して前記主貯留部に還流させることを特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項記載の混合流体分離装置。
- 混合流体の比重差および水位差により前記混合流体を各構成流体に分離させる水槽(Z)を使用する混合流体分離装置であって、
前記混合流体の流入口(01)と、前記分離された比重の重い流体を前記流入口との水位差により排出する排出口(02)と、前記分離された比重の軽い流体を貯留するため前記流入口側に設けられた主貯留部(A1)および前記排出口側に設けられた副貯留部(A2)とを備え、
前記流入口から前記排出口に向かう前記混合流体をさえぎる複数個の仕切り部(B1、B2、B3、B4、B5)と、前記混合流体から前記比重の軽い流体を分離浮上させるため前記排出口側が高く前記流入口側を低く傾斜させた複数個の傾斜部材(f、f、…)で構成する傾斜流路部(03)と、前記主貯留部および前記副貯留部に比重の軽い流体を導く複数個の分取口(a1、a2、a3)と、前記主貯留部から前記比重の軽い流体を回収するための回収口(b)とを設け、
前記主貯留部において分離された比重の重い流体を外設された逆流防止トラップ(e)を介して前記流入口に導くことを特徴とする混合流体分離装置。 - 前記水槽の前記混合流体の面が仕切られた各室(D1、D2、D3、D4、D5)、前記貯留部および前記副貯留部のうち少なくとも前記流入口に連結された室の角面を曲面構造(R)とすることを特徴とする請求項1〜5のうち何れか1項記載の混合流体分離装置。
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