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JP4553656B2 - 高密度袋織基布の製織方法 - Google Patents

高密度袋織基布の製織方法 Download PDF

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Description

本発明は、高密度袋織基布の製織方法に関するものであり、この高密度袋織基布は、自動車など乗物用の安全装置の一つであるエアバッグに好適に使用することができる。
近年、自動車等の乗物において、乗員の安全性の向上が求められており、エアバッグの装着率が向上している。エアバッグは、乗物が正面衝突や側面衝突時に受ける衝撃をセンサーが感知し、インフレーターからガスを膨張可能な袋部に流入させ、エアバッグを急速に展開・膨張させて、そのクッション性によって乗員を保護するものである。
従来のエアバッグは、運転席や助手席の前面部に装着されることが多く、主に正面衝突時における乗員の顔面および上半身の保護用として多く装着されていたが、最近では側方からの衝突や乗物の側転(以下、ロールオーバーと称する)にも対応できるカーテン状のエアバッグが開発されている。
このカーテン状エアバッグは、車内側壁のルーフレールに沿ってフロントピラー側からリアピラー側までの領域に収納され、衝突時に側面の窓に沿って膨張、展開するように設計され、膨張可能な袋部が複数箇所で形成されるように作られている。これまでは、カーテン状エアバッグは複数枚の布を裁断し、縫製して作製されていたが、収納性に劣ることや縫製に手間が掛かるなどから、最近は、袋部外周を一重織部で閉じた袋状の高密度織物を作製してエアバッグに用いる試みがなされている。
カーテン状エアバッグに使用する高密度袋織基布は、その織密度が非常に高く、織物を製織する際には、経糸に糊剤を付着させ、経糸毛羽を防止しながら製織している。よって、高密度袋織基布を安定して製織するために、経糸に使用する糊剤種の検討などが行なわれている(例えば、特許文献1〜3参照)。
経糸に糊付糸を用いた場合、糊を洗い落とす精練工程が必要であるが、高密度袋織基布の場合、袋部の中まで糸の糊を十分に落とすことは非常に困難である。糊を残せば異臭などの発生原因になる。袋状の高密度基布の糊抜きを完全に実施するには、織物をリラックスさせて揉むことや、精練槽の中にかなり長時間浸漬しておくことなどが考えられる。しかし、高密度基布を揉むとシワが発生し、そこから空気漏れが起こりやすくなることや、コート時にも均一なコート層を形成できなくなる。また、精練槽に浸漬するだけでは、糊を十分に落とすことは出来ず、精練液をゆっくりと流すなどの操作をしても、袋の中まで精練液が染み込んで糊を十分に落とすまでには、かなりの長時間を要し、とうてい工業的に実施できるものではなかった。
そこで、経糸を無糊で製織することが考えられるが、無糊の経糸を用いて高密度基布を製織すると、経糸に毛羽が多発し、良好な製織が出来なかった。特に、ジャガード式開口装置を使って袋状の織物を製織する場合には、経糸密度は非常に大きなものになるため、経糸を無糊で製織するということはこれ迄不可能と考えられており、そのような製織方法に関する文献も知見も無い。
無糊の経糸を用いて製織できれば、その後工程は、無精練あるいは油抜き程度の弱い精練(例えば、織物を緊張させた状態で連続的に精練槽や洗浄槽などをくぐらせる程度の精練工程)で処理できるので、基布にシワが発生することがなく、強度低下も少ない基布を得ることができる。その結果、得られた基布を用いて作製したエアバッグは、良好な機械的特性を保持することができる。また、サイジング工程で使用する糊剤やその作業にかかる製造コストを低減でき、廃糊処理が不要なので、環境にも優れた技術といえる。
従来、単層布(袋状に織らない布)の高密度織物に関しては、経糸に油剤やワックスを付与することや、交絡部を設けることにより、無糊で製織する方法が提案されている(例えば、特許文献4、5参照)が、経糸方向のカバーファクターが1800以上の高密度の袋状織物に関しては、有用な技術知見は見当たらないのが現状である。
以上の通り、高密度の袋織基布を無糊で製織しようとしても、製織性が良好で、かつ高品質の基布特性を満足する製織方法は、これまで全く知られていなかった。
特開平2003−171846号公報 特開平2003−183946号公報 特開平2003−183948号公報 国際公開WO01−009416号パンフレット 特表2003−521589号公報
本発明の課題は、高密度袋織基布の製織において、経糸を無糊で用いても、製織性が良好で、得られる基布にはシワがなく、十分高いレベルの強度特性や内圧保持性を有する高密度袋織基布の製織方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために、経糸に使用する糸の形態、交絡数、交絡強度や油付率、織機上の経糸の交絡状態、密度、あるいは経糸張力について鋭意検討を行った結果、高密度袋織基布を製織する際の糸条件、製織条件を特定範囲に設定することによって上記課題が解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は下記の通りである。
1.ジャガード式開口装置を備えた織機を使用して、下記1)〜5)の条件を満足する合成繊維糸条からなる経糸を無糊状態で用い、該経糸の織機上のカバーファクターを1800〜2300とし、製織時の経糸張力を0.18〜0.32cN/dtexの範囲として、二重袋織部と一重織部を有する基布を製織することを特徴とする高密度袋織基布の製織方法。
1)単糸繊度:2.6〜7.0dtex/f
2)撚数:0〜300T/m
3)交絡数:15〜40個/m
4)交絡率:5〜70%
5)油剤付着量:0.4〜3.0wt%
2.織機で織られた生機から抜き出した経糸の交絡強度が2〜40%であることを特徴とする上記1に記載の高密度袋織基布の製織方法。
3.織機がエアジェットルームあるいはレピアルームであることを特徴とする上記1又は2記載の高密度袋織基布の製織方法。
4.織機に用いる筬の空間率が50〜80%であることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の高密度袋織基布の製織方法。
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明の高密度袋織基布に用いられる経糸および緯糸の素材は、特に限定はなく、例えば、ナイロン66、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン612等の単独、またはこれらの共重合、混合により得られるポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフテレート、ポリエチレンナフタレートなどの単独、又はこれらの共重合、混合により得られるポリエステル繊維、パラフェニレンテレフタルアミド、およびこれと芳香族エーテルとの共重合体などに代表されるアラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ビニロン繊維、超高分子量ポリエチレン等のポリオレフィン繊維、塩化ビニル系及び塩化ビニリデン系繊維、ポリテトラフルオロエチレン系を含むフッ素系繊維、ポリサルフォン繊維、ポリフェニレンサルファイド系繊維(PPS)、ポリエーテルケトン系繊維(PEEK)繊維、ポリイミド繊維、ポリエーテルイミド繊維、高強力レーヨンを含むセルロース系繊維、アクリル系繊維、炭素繊維、ガラス繊維、シリコンカーバイト繊維(Sic)繊維、アルミナ繊維などが用いられる。これらのうち、強度や経済的な面から合成繊維が好ましく、特に、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維(ナイロン6、ナイロン66)などが好ましい。
これらの繊維糸条には、原糸製造工程や後加工工程での工程通過性を向上させるために、各種添加剤を含有させてもよい。例えば、耐熱安定剤、耐光安定剤、老化防止剤、酸化防止剤、潤滑剤、平滑剤、顔料、撥水剤、撥油剤、酸化チタンなどの隠蔽剤、光沢付与剤、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、増粘剤などを一種または二種以上併用して使用することができる。また、必要に応じて、加撚、嵩高加工、捲縮加工、捲回加工などの加工を施したものを用いてもよい。
本発明の高密度袋織基布を構成する経糸あるいは緯糸は、各々、総繊度が100〜550dtexであることが好ましく、より好ましくは160〜470dtexである。総繊度がこの範囲であれば、エアバッグの展開膨張時の衝撃に耐え得る十分な機械的強度が得られ、バースト現象が発生し難く、且つ、基布が柔軟になり、収納性が向上し、高速展開が可能となる。
本発明の高密度袋織基布を構成する経糸の単糸繊度は、2.0〜7.0dtexであり、好ましくは、2.6〜3.8dtexである。単糸繊度が2.0dtex未満であると、単糸強力が弱く、無糊での製織では毛羽の発生によって製織性が低下する。また、7.0dtexを越えると、単糸強力は増すが、布帛が硬くなって展開膨張時に乗員への衝撃が大きくなり、収納性にも劣る。
経糸および緯糸の単糸断面の形状は、特に限定されず、丸型や三角等の異型断面等のいずれでもよいが、強度を最大限に発揮させる点からは丸断面とするのが好ましい。
本発明の高密度袋織基布を構成する織機上の経糸のカバーファクターは、1800〜2300であり、好ましくは1900〜2200である。なお、カバーファクターは次式により表される。
経糸のカバーファクター=(2.54cmあたりの経糸本数)×(経糸総繊度)1/2
緯糸のカバーファクター=(2.54cmあたりの緯糸本数)×(緯糸総繊度)1/2
例えば、織機上における経糸の2.54cmあたりの本数が130本であり、経糸の総繊度が235dtexの場合には、経糸のカバーファクターは1993となる。この経糸本数は、織機上の織り縮み後の生機での経糸密度ではなく、筬を通過する時点での経糸密度を言う。
また、緯糸の織機上でのカバーファクターは、1800〜2400であることが好ましく、より好ましくは1900〜2200である。よって、経糸と緯糸のカバーファクターを合わせた値は、3600〜4700の範囲をとる。実際のエアバッグ用袋織基布は、幾つかの処理工程を通るために収縮を起こし、経糸のカバーファクターや緯糸のカバーファクターは大きくなるが、経糸のカバーファクターの増加率の方が大きくなりがちである。
本発明の高密度袋織基布に用いる織物は、流体が導入されて膨張する二重袋織部の上布と下布が平組織で構成されており、該二重袋織部の外周が、並列配置された一重織部で構成された接合帯で形成されている。
本発明の高密度袋織基布に用いる経糸は、実質的に無撚の状態、即ち、撚数が0〜300T/mであることが必要で、この撚数であると、基布の耐エアリーク性が良好である。撚数が300T/mを超えるような場合には、糸自体に丸みが生じ、耐エアリーク性や折り畳み性などの高密度袋織基布の性能を必ずしも十分に満足しなくなることがある。
また、インターレース加工などによって交絡を付与することもできる。交絡数は15〜40個/mであり、好ましくは20〜35個/mの範囲である。交絡数が15個/m未満であると、製織時に経糸に毛羽が発生し、40個/mを越えると、交絡処理の糸製造コストが増大する。
本発明において、交絡率は5〜70%であり、好ましくは15〜40%である。交絡率が5%未満であると、製織時の綜絖や筬による擦れによって経糸が毛羽立ち、製織性が低下する。また、交絡率が70%を越えると、交絡が強すぎるために織物表面に雨降り状の模様が目立ち、糸が丸みを帯びるために基布の耐エアリーク性が低下する。なお、交絡率とは、経糸に使用する原糸を50cm切り取り、その原糸を水を張ったバスの上に置いたときに、交絡している長さを写真撮影などによって読み取り、全体の糸長50cmに対して交絡している長さの割合をパーセント表示したものである。
また、織機で織られた生機から抜き出した経糸の交絡強度は、2〜40%であることが好ましい。
交絡強度が2%未満である場合、交絡斑から、交絡の存在しない所もあるために、製織時に綜絖や筬による擦れによって、経糸が毛羽立つことがある。40%を越える場合は、過度に交絡しているために、織物表面に雨降り状の模様が目立ったり、糸が丸味を帯びるために、内圧保持率が低下する場合がある。
本発明の高密度袋織基布に用いる経糸の油剤付着量は、0.4〜3.0wt%であることが必要である。油剤付着量が0.4wt%未満の場合には、経糸と綜絖や筬とのすべりが悪くなり、経糸毛羽を生じてしまう。また、油剤付着量が3.0wt%を超える場合には、綜絖や筬に油が付着、堆積し、製織した生機に油汚れが生じることや、精練する場合には精練時間を長くする必要が生じ、残液の処理も必要で環境にも好ましくない。更に、油剤付着量が高い場合で精練を行わずにコーティングをする場合には、コート面の接着性が問題になることもある。
この油剤付着量に関しては、原糸製造時の糸をそのまま使う場合には、原糸油剤の付着量が、そのまま経糸の油剤付着量になり、整経時にアフターオイルやアフターワックスを付与する場合には、その付着量と原糸の油剤量とを合計した量が油剤付着量となる。
本発明においては、経糸を無糊で用いる。無糊とは、アクリル系やPVA系などの糊剤を使用しないことを言うものであり、整経時に付与するアフターオイルやアフターワックスなどの範囲内であれば、付与しても差し支えない。
本発明に用いる緯糸については、経糸と同じものを使用しても良く、また、例えば、交絡が経糸よりも少ないものでも構わない。
本発明の高密度袋織基布を製織する際の経糸張力は、0.18〜0.32cN/dtexの範囲であり、0.23〜0.28cN/dtexがより好ましい範囲である。経糸張力が0.18cN/dtex未満の場合には、織前位置の前後動が大きくなり過ぎて、高密度基布に製織することが困難となる。また、経糸張力が0.32cN/dtexを超える場合には、経糸に掛かる張力が高くなり過ぎて、筬や綜絖(ハーネス)との擦れによって経毛羽が生じて製織が困難となることや、精練やコーティングなどの熱処理後の収縮が大きくなり過ぎて管理しづらくなるという欠点がある。
本発明の高密度袋織基布に用いる織物を生産する手段としては、織機はエアジェットルーム、レピアルーム、ウォータージェットルーム、プロジェクタイルルームなどを用いることができ、特に好ましくは、エアジェットルーム及びレピアルームである。ジャガード開口装置を織機上部に備えるために、水を使用しないドライ織機が好ましく、その中でも、高速化が容易なエアジェットルームやレピアルームが好ましい。
なお、高密度袋織基布は経糸密度が高いゆえに、製織時には、織前を安定させることが必要であり、全面テンプルを使用することが好ましく、この全面テンプルの円柱状のロッドには凹凸や溝を付けて、布の動きをより抑えることも織前の安定に効果がある。また、織物の両端には増糸を用いて、布のたるみを補正しても良い。さらに、高密度袋織製織においては、経糸のクロスタイミングを通常よりも早める(300度前後)こと、イージングを積極タイプにすること、あるいは、間丁を短くするなどの方法も有効であり、これらを併用して製織してもよい。
次に、経糸の上げ下げを制御する機械は、ジャガード式開口装置やドビー式開口装置等を用いることができるが、電子ジャガード式開口装置が、生産性やデザイン変更に対する迅速性、デザインの精密性において有利である。ジャガードの口数は、特に制限を受けないが、2000〜14000口といった口数の多い電子ジャガードの方が、複雑な形状のデザイン作成に対応できるので好ましい。
本発明の高密度袋織基布を生産する場合、200cm幅以上の織機で、ハーネスの吊り数を2本〜4本吊りとして、幅方向に2〜4個取りで高密度袋織基布を製織することが効率的である。また、デザイン変更に対応しやすくするためには、6000口以上のジャガードに1本吊りでハーネスを吊り、任意のデザインに対応しても良い。
本発明の高密度袋織基布を生産するための織機に用いる筬は、その空間率が50〜80%であることが好ましく、特にエアジェットルームの場合は50〜65%が好ましく、レピアルームの場合には55〜75%がより好ましい。空間率が上記の範囲であると、筬羽間に占める経糸本数が適度であり、経糸同士の擦れ合いが少なく、筬羽に対する経糸の接触圧も小さいので毛羽立ちが起こりにくく、製織性が良好で、高品質の基布が得られ、また、筬羽の厚みが適度であるため緯糸の打込み力が安定し、特に、エアジェットルームでは緯糸が通る飛走溝内から空気が漏れる割合が小さいので、緯糸を安定して飛走させることができる。
本発明の高密度袋織基布をエアバッグとして製品化する際、空気透過性の低減、目ズレ防止、あるいはバースト防止のために、シリコーン樹脂やポリウレタン樹脂等のコート剤を高密度袋織基布の両面にコーティングすることが好ましい。コート量は薄いほうが収納性や柔軟性には優れるが、耐エアリーク性などの特性を考慮すると、20〜120g/mの範囲が好ましく、さらに好ましくは30〜100g/mである。
本発明の高密度袋織基布は、コーティングの際に二重袋織部と一重織部の間にシワが発生し難いので、耐エアリーク性に優れたエアバッグを得ることができる。
本発明の製織方法によれば、経糸が無糊でも安定して製織でき、得られた基布はシワが発生し難く、強度特性や内圧保持性が十分に高いレベルで保持し得るので、高品質の高密度袋織基布を提供することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明する。
なお、測定方法、評価方法などは下記の通りである。
(1)製織性(停台回数)
織機として、スルザー社製レピアルームG6200(140cm幅)、ジャガードとしてストーブリ社製電子ジャガードCX960(4096口)を用い、ハーネスは1本吊りとして、480rpmの速度で製織を実施した場合と、ドルニエ社製エアジェットルームLWV(240cm幅)、ジャガードとしてストーブリ社製電子ジャガードLX1600(3072口)を用い、ハーネスは3本吊りとして、480rpmの速度で製織を実施した場合の停台回数を調べた。
経糸因による停台数だけをカウントし、経糸因による停台数が2回/100m・台以上の場合を製織性に問題ありとした。
(2)生機の経糸毛羽および加工反のシワ
製織した高密度袋織基布(生機)を検反機にかけ、速度10m/分で巻き取りながら、織物生産に関し5年以上の経験を持った5人の検査員によって、生機の経糸毛羽および加工反のシワ程度を調べた。経糸毛羽については、5人の内3人以上が経糸毛羽と認めたものの数を記し、100mあたり10ヶ以上ある場合を問題ありとした。
また、シワについては、加工反を検反機で10m/分で巻き取りながら前述の5人によって検査を行い、5人の評価を平均し、3級以上を合格とし、加工反の判定は、5級:織物上の一重部と袋部の間にはシワが無く平坦、4級:シワが少し見えるが軽微、3級:シワが見える、2級:シワが見えコートの凹凸も判る、1級:シワがあってコートの凹凸もはっきり判る、の基準で判定した。
なお、加工反とは、生機を常法に従い精練し、コーティング処理を施した織物を言う。
(3)加工反の引張強度
得られた加工反について、経糸方向の引張強度を測定し、加工処理前後での強力保持率を調べた。強力保持率が80%以上ある場合を合格とした。
強力の測定は、JIS−L−1095(1999)に従った。
(4)交絡数
糸の交絡数は、50cm長に切った糸を水を張ったバスに静かにつけ、糸を構成している複数本のフィラメントが広がらずに集束している部分の箇所を読んで、1mあたりに換算した数値を交絡数とした(水浸法)。測定数は30で、その平均値を交絡数とした。なお、バスの水は測定ごとに新しいものに代えて行った。
(5)交絡率
交絡率は、上記(4)に記載の水浸法によって得た糸の状態を、写真撮影などによって写し、交絡している長さの全体の糸長50cmに対する割合を示すものである。測定数は30で、その平均値をとった。なお、バスの水は測定ごとに新しいものに代えて行った。
(6)交絡強度
交絡強度は、製織後の生機から、経糸を、他の経糸や緯糸と擦れて交絡強度が変化しないように、20〜50cmを丁寧に抜き取り、これを上記の水浸法にて、1mあたりの交絡数に換算した値を、製織前の交絡数に対してどの程度残っているかを示したものである。測定数は30で、その平均値を交絡数とした。なお、上記と同様にバスの水は測定ごとに新しいものに代えて行った。
(7)織物密度
織物密度の測定は、JIS−L−1096(1999)に従った。
(8)糸の撚数
糸の撚数の測定は、JIS−L−1095(1999)に従った。なお、経糸には、撚糸しなくとも、解舒撚り等によって1〜10T/m程度の撚数が入る場合があるが、特に撚糸しない場合は、解舒撚りを無視して撚数はゼロとした。
(9)バッグ内圧保持率
コーティング処理を施した袋織エアバッグを、内圧70kPaにて、容量300リットルのタンク先端に金属製のチューブを介してつなげ、該タンク先端付近に取り付けたバルブを電磁弁を用いて瞬時に開き、その後、袋織エアバッグ側のチューブに取り付けてある圧力センサーにて袋織エアバッグの内圧を調べた。8秒後の内圧保持率が初期の50%以上ある場合を合格とした。測定数は10とし、内圧保持率の値が50%未満のものが1点でもあれば、問題ありとした。
[実施例1]
総繊度235dtex、単糸繊度3.3dtex、無撚(撚数0)、交絡数32個/m、交絡強度27%、油剤付着量1.0wt%のナイロン66繊維を経糸と緯糸に用い、織機上の経糸密度を126.6本/2.54cm(織機上の経糸のカバーファクターは1941)、織機上の緯糸密度を136本/2.54cm、筬の空間率58.5%、製織時の経糸張力を0.25cN/dtexとして、上記のレピアルームと電子ジャガードを用いて生機を作製した。続いて、この生機を用いて精練−セット工程を経て、更に、シリコーン樹脂を片面につき80g/mの量をコンマコーターで塗布し、両面を塗布して仕上げ、経糸密度が142本/2.54cm、緯糸密度が142本/2.54cmの高密度袋織基布の加工反を得た。
得られた織物の特性は表1、3に示す通りであって、織機の停台が無く製織性が良好で、生機は経糸毛羽が無く、加工反はシワが無かった。また、生機から抜き出した経糸の交絡強度は20%であり、経糸の強度保持率は95%と良好な物性を示し、バッグ内圧保持率も大変良好な結果であった。このように、得られた高密度袋織基布は良好な性能を示すことがわかった。
[実施例2]
織機上の経糸密度を120.0本/2.54cm(織機上の経糸のカバーファクターは1840)とした以外は、実施例1と同様にして、経糸密度が136本/2.54cm、緯糸密度が144本/2.54cmの加工反を得た。
得られた織物の特性は表1、3に示す通りであって、織機の停台が無く製織性が良好で、生機は経糸毛羽が僅かにあった程度であり、加工反はシワが無かった。また、生機から抜き出した経糸の交絡強度は21%であり、経糸の強度保持率は96%と良好な物性を示し、バッグ内圧保持率も良好な結果であった。このように、得られた高密度袋織基布は良好な性能を示すことがわかった。
[実施例3]
織機上の経糸密度を147.4本/2.54cm(織機上の経糸のカバーファクターは2260)とした以外は、実施例1と同様にして、経糸密度が160本/2.54cm、緯糸密度が141本/2.54cmの加工反を得た。
得られた織物の特性は表1、3に示す通りであって、織機の停台が極めて少なく製織性が良好で、生機は経糸毛羽が僅かにあった程度であり、加工反はシワがあるが許容できる範囲であった。また、生機から抜き出した経糸の交絡強度は17%であり、経糸の強度保持率は92%と良好な物性を示し、バッグ内圧保持率は大変良好な結果であった。このように、得られた高密度袋織基布は良好な性能を示すことがわかった。
[比較例1]
織機上の経糸密度を112.2本/2.54cm(織機上の経糸のカバーファクターは1720)とした以外は、実施例1と同様にして、経糸密度が127本/2.54cm、緯糸密度が144本/2.54cmの加工反を得た。
得られた織物の特性は表1、3に示す通りであって、経糸因による織機の停台が多く、生機も経糸毛羽が多かったが、加工反はシワが無く良好であった。また、生機から抜き出した経糸の交絡強度は22%であり、経糸の強度保持率は96%と良好な物性を示していたが、バッグ内圧保持率は平均で50%を下回っており、不良な結果となった。このように、製織において問題があり、得られた高密度袋織基布はエアバッグ用としては不適切であることがわかった。
[比較例2]
織機上の経糸密度を154.6本/2.54cm(織機上の経糸方向のカバーファクターは2370)とした以外は、実施例1と同様にして実施したが、経糸毛羽が多発し、製織がかなり困難であった。
結果は表1、3に示す通りであって、経糸因による織機の停台が非常に多く、生機も経糸毛羽が大変多く、加工反はシワが多く不良であった。また、生機から抜き出した経糸の交絡強度は6%であり、経糸の強度保持率は91%の物性を示し、バッグ内圧保持率はやや低い値もあるが合格範囲内の結果となっていた。このように、製織において問題があり、得られた高密度袋織基布はエアバッグ用としては不適切であることがわかった。
[実施例4]
製織時の経糸張力を0.32cN/dtexとした以外は、実施例1と同様にして、経糸密度が144本/2.54cm、緯糸密度が144本/2.54cmの加工反を得た。
得られた織物の特性は表1、3に示す通りであって、織機の停台が僅かで製織性が良好で、生機は経糸毛羽が少なく、加工反はシワが軽微であった。また、生機から抜き出した経糸の交絡強度は14%であり、経糸の強度保持率は92%と良好な物性を示し、バッグ内圧保持率も大変良好な結果となっていた。このように、得られた高密度袋織基布は良好な性能を示すことがわかった。
[実施例5]
製織時の経糸張力を0.18cN/dtexとした以外は、実施例1と同様にして、経糸密度が141本/2.54cm、緯糸密度が141本/2.54cmの加工反を得た。
得られた織物の特性は表1、3に示す通りであって、織機の停台が僅かで製織性が良好で、生機は経糸毛羽が無く、加工反はシワが軽微であった。また、生機から抜き出した経糸の交絡強度は23%であり、経糸の強度保持率は94%と良好な物性を示し、バッグ内圧保持率も大変良好な結果となっていた。このように、得られた高密度袋織基布は良好な性能を示すことがわかった。
[比較例3]
製織時の経糸張力を0.36cN/dtexとした以外は、実施例1と同様にして、経糸密度が147本/2.54cm、緯糸密度が146本/2.54cmの加工反を得た。
得られた織物の特性は表1、3に示す通りであって、経糸因停台がやや多く製織性が不良であり、生機も経糸毛羽が多かった。加工反はシワが軽微であり、また、生機から抜き出した経糸の交絡強度は10%であり、経糸の強度保持率は90%と良好な物性を示し、バッグ内圧保持率も良好な結果となっていた。このように、得られた高密度袋織基布は毛羽が多く問題であり、製織性も不良であった。
[比較例4]
製織時の経糸張力を0.13cN/dtexとした以外は、実施例1と同様にして、経糸密度が140本/2.54cm、緯糸密度が140本/2.54cmの加工反を得た。
得られた織物の特性は表1、3に示す通りであって、経糸緩みによる経糸因停台が多く製織性が不良であった。生機は経糸毛羽が少しあったが、加工反はシワが軽微であった。また、生機から抜き出した経糸の交絡強度は21%であり、経糸の強度保持率は93%と良好な物性を示し、バッグ内圧保持率も良好な結果となっていた。このように、高密度袋織基布としての製織性が不良であった。
[実施例6]
経糸および緯糸の単糸繊度を2.7dtex/fとした以外は、実施例1と同様にして、経糸密度が141本/2.54cm、緯糸密度が140本/2.54cmの加工反を得た。
得られた織物の特性は表1、3に示す通りであって、織機の停台が無く製織性が良好で、生機は経糸毛羽がごく僅かで、加工反はシワが無かった。また、生機から抜き出した経糸の交絡強度は24%であり、経糸の強度保持率は94%と良好な物性を示し、バッグ内圧保持率も大変良好な結果となっていた。このように、得られた高密度袋織基布は良好な性能を示すことがわかった。
[実施例7]
経糸および緯糸の単糸繊度を6.5dtex/fとした以外は、実施例1と同様にして、経糸密度が144本/2.54cm、緯糸密度が143本/2.54cmの加工反を得た。
得られた織物の特性は表1、3に示す通りであって、織機の停台が無く製織性が良好で、生機は経糸毛羽も無く、加工反はシワが軽微であった。また、生機から抜き出した経糸の交絡強度は6%であり、経糸の強度保持率は95%と良好な物性を示し、バッグ内圧保持率も良好な結果となっていた。このように、得られた高密度袋織基布は良好な性能を示すことがわかった。
[比較例5]
経糸および緯糸の単糸繊度を1.1dtex/fとした以外は、実施例1と同様にして、経糸密度が140本/2.54cm、緯糸密度が139本/2.54cmの加工反を得た。
得られた織物の特性は表1、3に示す通りであって、経糸因停台がやや多く製織性が不良であり、生機も経糸毛羽が多かった。加工反はシワが軽微であり、また、生機から抜き出した経糸の交絡強度は18%であり、経糸の強度保持率は88%と良好な物性を示し、バッグ内圧保持率も良好な結果となっていた。このように、製織において問題があり、得られた高密度袋織基布は毛羽が多く、エアバッグ用としては不適切であることがわかった。
[比較例6]
経糸および緯糸の単糸繊度を7.8dtex/fとした以外は、実施例1と同様にして、経糸密度が144本/2.54cm、緯糸密度が144本/2.54cmの加工反を得た。
得られた織物の特性は表1、3に示す通りであって、製織性は良好であり、生機は経糸毛羽が無く、加工反はシワが軽微であった。また、生機から抜き出した経糸の交絡強度は2%であり、経糸の強度保持率は94%と良好な物性を示していたが、バッグ内圧保持率は平均では50%を上回っているものの、最小値は50%を下回っており不良な結果であった。このように、得られた高密度袋織基布はエアバッグ用としては不適切であることがわかった。
[実施例8]
経糸の交絡数を17個/mとした以外は、実施例1と同様にして、経糸密度が142本/2.54cm、緯糸密度が143本/2.54cmの加工反を得た。
得られた織物の特性は表2、4に示す通りであって、織機の停台は少なく製織性が良好で、生機は経糸毛羽も許容範囲内であった。加工反はシワが無く、また、生機から抜き出した経糸の交絡強度は5%であり、経糸の強度保持率は92%と良好な物性を示し、バッグ内圧保持率も良好な結果となっていた。このように、得られた高密度袋織基布は良好な性能を示すことがわかった。
[実施例9]
経糸の交絡数を38個/mとした以外は、実施例1と同様にして、経糸密度が141本/2.54cm、緯糸密度が142本/2.54cmの加工反を得た。
得られた織物の特性は表2、4に示す通りであって、織機停台が無く製織性が良好で、生機は経糸毛羽も無く、加工反もシワが無かった。また、生機から抜き出した経糸の交絡強度は38%であり、経糸の強度保持率は88%と良好な物性を示し、バッグ内圧保持率も良好な結果となっていた。このように、得られた高密度袋織基布は良好な性能を示すことがわかった。
[比較例7]
経糸の交絡数を10個/mとした以外は、実施例1と同様にして、経糸密度が142本/2.54cm、緯糸密度が143本/2.54cmの加工反を得た。
得られた織物の特性は表2、4に示す通りであって、経糸因と緯糸因の織機の停台が多く製織性が不良で、生機は経糸毛羽が多かった。加工反はシワが無く、また、生機から抜き出した経糸の交絡強度は0%であり、経糸の強度保持率は90%と良好な物性を示し、バッグ内圧保持率も大変良好な結果となっていた。このように、高密度袋織基布としての製織性は、不良であることがわかった。
[比較例8]
経糸の交絡数を44個/mとした以外は、実施例1と同様にして、経糸密度が141本/2.54cm、緯糸密度が141本/2.54cmの加工反を得た。
得られた織物の特性は表2、4に示す通りであって、織機の停台が僅かで製織性が良好であったが、生機は経糸毛羽が多かった。加工反はシワが無く、また、生機から抜き出した経糸の交絡強度は2%であり、経糸の強度保持率は83%と良好な物性を示し、バッグ内圧保持率も良好な結果となっていた。このように、高密度袋織基布としては、製織性が不良であることがわかった。
[実施例10]
経糸の油剤付着量を0.4wt%とした以外は、実施例1と同様にして、経糸密度が142本/2.54cm、緯糸密度が143本/2.54cmの加工反を得た。
得られた織物の特性は表2、4に示す通りであって、織機の停台が僅かで製織性が良好で、生機は経糸毛羽が少なく、加工反はシワが無かった。また、生機から抜き出した経糸の交絡強度は16%であり、経糸の強度保持率は91%と良好な物性を示し、バッグ内圧保持率も良好な結果となっていた。このように、得られた高密度袋織基布は良好な性能を示すことがわかった。
[実施例11]
経糸の油剤付着量を2.8wt%とした以外は、実施例1と同様にして、経糸密度が144本/2.54cm、緯糸密度が144本/2.54cmの加工反を得た。
得られた織物の特性は表2、4に示す通りであって、織機の停台が僅かで製織性が良好で、生機は経糸毛羽が無く、加工反はシワが無かった。また、生機から抜き出した経糸の交絡強度は19%であり、経糸の強度保持率は94%と良好な物性を示し、バッグ内圧保持率は合格範囲内の結果になっていた。このように、得られた高密度袋織基布は良好な性能を示すことがわかった。
[比較例9]
経糸の油剤付着量を0.2wt%とした以外は、実施例1と同様にして、経糸密度が142本/2.54cm、緯糸密度が142本/2.54cmの加工反を得た。
得られた織物の特性は表2、4に示す通りであって、織機の停台が多く製織性が不良で、生機は経糸毛羽が多かった。加工反はシワが無く、また、生機から抜き出した経糸の交絡強度は7%であり、経糸の強度保持率は90%と良好な物性を示し、バッグ内圧保持率も大変良好な結果となっていた。このように、高密度袋織基布としては、製織性が不良であることがわかった。
[比較例10]
経糸の油剤付着量を3.9wt%とした以外は、実施例1と同様にして、経糸密度が144本/2.54cm、緯糸密度が144本/2.54cmの加工反を得た。
得られた織物の特性は表2、4に示す通りであって、織機の停台が少なく製織性が良好で、生機は経糸毛羽が無く、加工反はシワが無かった。また、生機から抜き出した経糸の交絡強度は22%であり、経糸の強度保持率は95%と良好な物性を示していたが、バッグ内圧保持率は不良な結果となっていた。このように、得られた高密度袋織基布はエアバッグ用としては不適切であることがわかった。
[実施例12]
筬の空間率を52%とした以外は、実施例1と同様にして、経糸密度が143本/2.54cm、緯糸密度が143本/2.54cmの加工反を得た。
得られた織物の特性は表2、4に示す通りであって、織機の停台が僅かで製織性が良好で、生機は経糸毛羽が少なく、加工反はシワが無かった。また、生機から抜き出した経糸の交絡強度は16%あり、経糸の強度保持率は94%と良好な物性を示し、バッグ内圧保持率も良好な結果となっていた。このように、得られた高密度袋織基布は良好であることがわかった。
[実施例13]
筬の空間率を75%とした以外は、実施例1と同様にして、経糸密度が144本/2.54cm、緯糸密度が143本/2.54cmの加工反を得た。
得られた織物の特性は表2、4に示す通りであって、織機の停台が少なく製織性が良好で、生機は経糸毛羽が少なく、加工反はシワが無かった。また、生機から抜き出した経糸の交絡強度は16%であり、経糸の強度保持率は96%と良好な物性を示し、バッグ内圧保持率も良好な結果となっていた。このように、得られた高密度袋織基布は良好であることがわかった。
[比較例11]
筬の空間率を43%とした以外は、実施例1と同様にして、経糸密度が143本/2.54cm、緯糸密度が143本/2.54cmの加工反を得た。
得られた織物の特性は表2、4に示す通りであって、経糸因と緯糸因のいずれの織機停台も多く製織性が不良で、生機は経糸毛羽が多かった。加工反はシワが無く、また、生機から抜き出した経糸の交絡強度は3%であり、経糸の強度保持率は91%と良好な物性を示し、バッグ内圧保持率も良好な結果となっていた。このように、高密度袋織基布としては、製織性が不良であることがわかった。
[比較例12]
筬の空間率を82%とした以外は、実施例1と同様にして、経糸密度が144本/2.54cm、緯糸密度が143本/2.54cmの加工反を得た。
得られた織物の特性は表2、4に示す通りであって、緯糸因の織機停台が多く製織性が不良であった。生機は経糸毛羽が少なく、加工反はシワがほとんど無かった。また、生機から抜き出した経糸の交絡強度は15%であり、経糸の強度保持率は96%と良好な物性を示し、バッグ内圧保持率も良好な結果となっていた。このように、高密度袋織基布としては、製織性が不良であることがわかった。
[比較例13]
経糸の撚数を350T/mとした以外は、実施例1と同様にして、経糸密度が144本/2.54cm、緯糸密度が144本/2.54cmの加工反を得た。なお、緯糸は実施例1と同じく無撚糸を用いた。
得られた織物の特性は表2、4に示す通りであって、織機の停台が少なく製織性が良好で、生機は経糸毛羽が少なく、加工反はシワが軽微であった。また、経糸の強度保持率は85%であったが、バッグ内圧保持率は低く、問題のあるレベルであった。このように、得られた高密度袋織基布は不良であることがわかった。
[比較例14]
経糸に糊付けした糸を用い、精練工程で十分な糊抜きを実施した以外は、実施例1と同様にして、経糸密度が144本/2.54cm、緯糸密度が143本/2.54cmの加工反を得た。
得られた織物の特性は表2、4に示す通りであって、織機の停台が無く製織性が良好で、生機は経糸毛羽が無く、加工反はシワが軽微であった。また、生機から抜き出した経糸の交絡強度は20%であり、経糸の強度保持率は69%と低く、バッグ内圧保持率は50%を下回る値であった。このように、得られた高密度袋織基布は不良であることがわかった。
[実施例14]
総繊度470dtex、単糸繊度3.3dtex、無撚、交絡数24個/m、交絡率20%、油剤付着量1.0wt%のナイロン66繊維を経糸と緯糸に用い、織機上の経糸密度を102.8本/2.54cm(織機上の経糸のカバーファクターは2229)、織機上の緯糸密度を92本/2.54cm、筬の空間率66.3%、製織時の経糸張力を0.26cN/dtexとして、実施例1に用いたレピアルームと電子ジャガードを用いて生機を作製した。
続いて、この生機を用いて、精練−セット工程を経て、更に、シリコーン樹脂を片面につき90g/mの量をコンマコーターで塗布し、両面を塗布して仕上げ、経糸密度が114本/2.54cm、緯糸密度が98本/2.54cmの高密度袋織基布の加工反を得た。
得られた織物の特性は表2、4に示す通りであって、織機の停台が無く製織性が良好で、生機は経糸毛羽が少なく、加工反はシワが無かった。また、生機から抜き出した経糸の交絡強度は10%であり、経糸の強度保持率は92%と良好な物性を示した。このように、製織性が良好で、高品質の高密度袋織基布が得られることがわかった。
Figure 0004553656
Figure 0004553656
Figure 0004553656
Figure 0004553656
本発明により、経糸を無糊で用いても製織性が良好であり、シワのない高品質の織物で、十分高いレベルの強度特性や内圧保持性を有する高密度袋織基布が得られる。この高密度袋織基布は、特に、乗物の側面衝突時に乗員を側面から保護するための複雑な形状を有するカーテン状エアバッグ用袋織基布として好適である。

Claims (4)

  1. ジャガード式開口装置を備えた200cm幅以上の織機を使用して、下記1)〜5)の条件を満足する総繊度が100〜550dtexの合成繊維糸条からなる経糸を無糊状態で用い、該経糸の織機上のカバーファクターを1800〜2300とし、製織時の経糸張力を0.18〜0.32cN/dtexの範囲として、二重袋織部と一重織部を有する基布を製織することを特徴とするエアバッグ用高密度袋織基布の製織方法。
    1)単糸繊度:2.6〜7.0dtex/f
    2)撚数:0〜300T/m
    3)交絡数:15〜40個/m
    4)交絡率:5〜70%
    5)油剤付着量:0.4〜3.0wt%
  2. 織機で織られた生機から抜き出した経糸の交絡強度が2〜40%であることを特徴とする請求項1に記載の高密度袋織基布の製織方法。
  3. 織機がエアジェットルームあるいはレピアルームであることを特徴とする請求項1又は2記載の高密度袋織基布の製織方法。
  4. 織機に用いる筬の空間率が50〜80%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高密度袋織基布の製織方法。
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