JP4549579B2 - 塩素分および鉛分の含有量が高い廃棄物の処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴミ焼却設備や下水汚泥焼却設備などから排出される煤塵、あるいはセメントキルンや産業廃棄物処理施設の高温処理工程から排出される各種の煤塵に含まれる塩素分および鉛分などを効果的に除去する処理方法に関する。本発明の処理方法は、塩素や鉛の含有量が多い塩素バイパスダストの処理方法として特に好適である。
【0002】
【従来技術】
ゴミ焼却設備や下水汚泥焼却設備などから排出される煤塵や溶融スラグ飛灰、あるいはセメントキルンや産業廃棄物処理施設の高温処理工程から排出される各種の煤塵には塩素や銅、鉛、亜鉛等の重金属類が含まれており、これらの廃棄物をそのまま埋立処理すると鉛などの重金属類が溶出して環境汚染を引き起こす問題がある。このためこれらの金属類をできるだけ分離除去することが求められている。
【0003】
また、ゴミ焼却設備や下水汚泥焼却設備などから排出される煤塵などの廃棄物をセメント原料として用いる技術が実用化されているが、廃棄物に含まれている塩素分や重金属(特に鉛)はセメントの品質を確保する上で問題となるので、塩素分や重金属をできる限り低減することが求められる。また、セメント焼成設備において、廃棄物に含まれる塩素分はキルンの高温部で揮発して燃焼ガスと共にサスペンションプレヒータに導かれ、凝縮されて再びキルンに戻る経路を繰り返すので塩素分が次第に濃縮され、比較的温度の低い流路壁面などに付着して閉塞を招くなどの問題があるので、キルンの操業上からもできるだけ除去する必要がある。
【0004】
そこで、セメント焼成工程の燃焼ガスから塩素分を抜き出す塩素バイパス技術が実用化されている。この一例は、キルンから高温ガスの一部を抽気してサイクロンに送り、ここで粗粉ダストをガス分から回収してキルンの燃焼系に戻し、一方、ガス分は冷却して微粉ダストを除去した後に燃焼系に送り、回収した微粉ダストは脱塩処理および脱重金属処理を行い、更にその排水を脱カルシウム処理および塩分回収処理する方法である。この抽気型塩素バイパス技術は、キルン排ガスの僅か約2%程度を抽気するだけで約80%の塩素分を燃焼系から除去することができる処理方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記塩素バイパス技術に適用できる脱塩・脱鉛処理方法を提供するものであって、塩素含有量および鉛含有量が高い廃棄物から更に効率良く、塩素分および鉛分を分離除去する処理方法に関する。なお、本発明の処理方法は上記塩素バイパスで回収したダストに限らず、高塩素・高鉛含有の廃棄物について広く適用することができる。
【0006】
【課題を解決する手段】
本発明によれば、(1)廃棄物を水洗して塩素分および鉛分を溶出させて固液分離する工程(水洗工程)、濾別した固形分にアルカリ溶液を加えて鉛分を溶出させると共にカルシウムを水酸化物に転じて濾別する工程(アルカリ溶出工程)、この濾液を水洗工程で分離した濾液に加え、硫化剤を添加して鉛を沈澱分離する工程(脱鉛工程)、この脱鉛した濾液に炭酸源を加えてカルシウムを沈澱分離する工程(脱カルシウム工程)、さらに、この濾液を加熱し塩化物を析出させて分離回収する工程(塩分回収工程)を有することを特徴とする廃棄物の処理方法が提供される。
【0007】
この処理方法によれば、水洗工程で溶出した鉛分を硫化鉛として沈澱させるので、これを濾別することより、容易に鉛分を分離除去することができる。また、水洗工程で溶出せずに固形分に残る鉛分はアルカリ溶出によって溶出され、この濾液を水洗工程の濾液に加えて脱鉛処理するので、廃棄物に含まれる鉛の大部分を除去することができる。さらに、アルカリ溶出の際に、カルシウムは水酸化物に転じて固形分に残るので鉛と分離することができ、鉛含有量の少ない水酸化カルシウムを回収することができる。
【0008】
また本発明によれば、(2)廃棄物を水洗して塩素分および鉛分を溶出させて固液分離する工程(水洗工程)、この濾液に硫化剤を添加して鉛を沈澱分離する工程(脱鉛工程)を有し、脱鉛工程で分離した濾液の一部を水洗工程に戻して再使用することによって液中の塩素濃度と鉛の溶出率を高める一方、水洗工程に循環しない濾液に炭酸源を加えてカルシウムを沈澱分離する工程(脱カルシウム工程)、さらに、この濾液を加熱し塩化物を析出させて分離回収する工程(塩分回収工程)を有する廃棄物の処理方法であって、
廃棄物の水洗工程の後に、濾別した固形分にアルカリ溶液を加えて鉛分を溶出させると共にカルシウムを水酸化物に転じて濾別するアルカリ溶出工程を有し、水洗工程で分離した濾液とアルカリ溶出工程で分離した濾液を混合し、これに硫化剤を添加して鉛を沈澱分離する脱鉛工程の後に、脱鉛工程で分離した濾液の一部を水洗工程に戻して再使用する廃棄物の処理方法が提供される。
【0009】
この処理方法によれば、脱鉛処理した溶液を水洗工程に戻して再使用するので鉛の溶出率を高めることができる。因みに、洗浄水を脱鉛処理せず循環使用すると、洗浄2〜3回目頃から鉛の溶出率が急激に低下するが、本発明の処理方法によれば鉛の溶出率は実質的に低下せず、高い溶出率を維持することができる。また、上記処理方法によれば、脱鉛処理した溶液の一部を水洗工程に循環して再利用するので、処理系全体の水量を低減することができる。
【0010】
さらに本発明は上記処理方法において、(4)塩分回収工程において、溶液を50℃以上に加熱して析出した塩化ナトリウムを濾別する工程(高温晶析工程)、さらに、この濾液を30℃以下に冷却して析出した塩化カリウムを濾別する工程(低温晶析工程)を有する処理方法、(5)低温晶析工程で分離した濾液を高温晶析工程に戻して晶析を繰り返す一方、晶析工程で生じた蒸発水を水洗工程に導いて水洗に用いる処理方法、(6)アルカリ溶出工程で回収した水酸化カルシウム、脱カルシウム工程で回収した炭酸カルシウムをセメント原料として用いる処理方法、(7)廃棄物が塩素バイパスダストである処理方法を含む。
【0011】
上記処理方法において、低温晶析工程で分離した濾液を高温晶析工程に戻して晶析を繰り返し、さらに晶析工程で生じた蒸発水を水洗工程に導いて水洗に用いることにより、処理系の水を実質的に外部に排水せずに循環して使用することができる。また、晶析工程から回収した塩化ナトリウムや塩化カリウムを製品として再利用することができる。さらに、本発明の上記処理方法は塩素バイパスダストの処理方法として好適である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
本発明の処理方法を図1に示す。図示するように、本発明の処理方法は、廃棄物を水洗して塩素分と鉛分を溶出させて固液分離する工程(水洗工程)、濾別した固形分にアルカリ溶液を加えて鉛分を溶出させると共にカルシウムを水酸化物に転じて濾別する工程(アルカリ溶出工程)、この濾液を水洗工程で分離した濾液に加え、硫化剤を添加して鉛を沈澱させ、濾別する工程(脱鉛工程)、脱鉛した濾液に炭酸源を加えてカルシウムを沈澱分離する工程(脱カルシウム工程)、この濾液を加熱し塩化物を析出させて分離する工程(塩分回収工程)を有する。さらに脱鉛工程で分離した濾液の一部を水洗工程に戻して再使用する循環系を有する。
【0013】
本発明の処理方法で処理する廃棄物は塩素バイパスダストやその他の塩素分および鉛分の含有量が高い廃棄物を含む。本発明の処理方法はこれらの処理に適する。塩素バイパスダストの主な成分は、酸化物換算重量%で、カルシウム約23%、カリウム約30%、硫黄約10%であり、含有金属は鉛が約33500mg/kg、塩素が約22%含まれており、金属類では鉛の含有割合が高く、また一般の都市ゴミ焼却灰などよりも塩素含有量が高い。
【0014】
〔水洗工程〕
上記廃棄物(ダスト等)を水洗して塩素および鉛を溶出させる。なお、塩素バイパスダスト等はカルシウムの含有量も多いので、硫酸溶出を行うと多量の石膏を生じ、鉛の溶出が抑制されるので、硫酸溶出よりも水溶出が好ましい。水洗はダスト等の廃棄物を水洗槽に入れ、水中で所定時間攪拌すれば良い。水洗により廃棄物に含まれる塩素分および鉛分の多くが液中に溶出する。カルシウム分は溶出せずに固形分として残る。この水洗懸濁液を濾別して固形分と液分に分離する。なお、ダストの3倍以上の水量で水洗するのが好ましい。洗浄水量がこれより少ないとケーキに付着する水分中の塩素濃度が高くなり、脱塩率が低下する。
【0015】
〔アルカリ溶出工程〕
水洗工程で濾別した固形分に苛性ソーダ等のアルカリ溶液を加えpH12.5以上に調整して、固形分に含まれる鉛を溶出させる。アルカリ溶液の添加量は溶液のpHが上記範囲になる量であれば良い。塩化カルシウムなどの形でダスト中に含まれるカルシウム分はアルカリ溶出によって水酸化カルシウムに転じる。一方、水洗工程で溶出せずに固形分に残留した鉛分はこのアルカリ溶出によって液中に溶出する。この鉛分は液中に溶存するので、濾別して水酸化カルシウムを回収する。この水酸化カルシウムの鉛含有量は極めて少ないので、セメント原料に適する。なお、アルカリ溶出工程において用いる苛性ソーダは液量を抑制するために1mol/l以上の濃度が好ましい。また、苛性ソーダ1リットルに対してダストの量は300g以下が適当である。ダストの量がこれより多いと鉛の溶出量が低下する。
【0016】
〔脱鉛工程〕
水洗工程で濾別した濾液と、アルカリ溶出工程で濾別した濾液とを加え、硫化剤を添加して液中の鉛を硫化鉛に転じて沈澱させる。硫化剤としては水硫化ソーダ(NaSH)などを用いることができる。硫化鉛の沈澱を濾別して回収し、液分を次工程に送る。固液分離する際にシックナーなどを経由し、この上澄液を分離して水洗工程に戻し、再使用することができる。回収した硫化鉛は製錬原料などに利用することができる。なお、硫化剤の添加量は液中の鉛を全て硫化鉛にするのに必要な量よりも若干少ない量が適当である。液中に硫化剤が残ると、硫化鉛を分離した後の濾液を水洗工程に循環したときに、残留した硫化剤によって鉛の溶出が抑制されるので好ましくない。一方、硫化剤が不足して液中に鉛が残留しても、後の脱カルシウム工程やキレート工程で鉛が除去されるので支障はない。
【0017】
本発明の処理方法の好ましい態様の一つとして、脱鉛工程で分離した濾液の一部を水洗工程に戻して再使用することによって液中の塩素濃度と鉛の溶出率を高める。なお、水洗工程(水溶出)において洗浄水を循環して使用することにより、液中の溶出金属濃度を高めることが一般に知られているが、塩素バイパスダストなどの処理において、洗浄水を脱鉛処理せず循環使用すると、洗浄2〜3回目頃から水洗液中の鉛濃度が数100ppm程度で飽和し、鉛の溶出率が急激に低下する。これを脱鉛処理して液中の鉛濃度を低下した濾液を循環使用することによって鉛の溶出率を高く維持することができる。また、脱鉛処理した濾液の一部を水洗工程に循環して再利用することにより、処理系全体の水量を低減することができる。
【0018】
〔脱カルシウム工程〕
水洗工程に循環しない濾液に炭酸源を加えて液中のカルシウムを沈澱させて分離する。炭酸源としては炭酸ナトリウムなどの炭酸塩、あるいはキルン排ガスなどの炭酸ガスを含むガスなどを用いることができる。廃棄物に含まれるカルシウムの大部分は、アルカリ溶出工程において水酸化カルシウムとして回収されるが、液中に残留するものは炭酸イオンと反応して炭酸カルシウムの沈澱を生じるので、これを濾別して分離回収する。この炭酸カルシウムはセメント原料に利用することができる。なお、炭酸塩は過剰に添加しても支障ないが、キルン排ガスなどを吹き込む場合には、溶液のpHが7以下に低下しないように制御する。溶液が酸性になると炭酸カルシウムおよび炭酸鉛が再溶解するので、これらを液中から除去するためには好ましくない。なお、脱カルシウム処理の後に溶液をキレート槽に導き、液中に残留する鉛をキレートに吸着させて除去する工程を経ても良い。
【0019】
〔塩分回収工程〕
脱カルシウム工程で濾別した濾液を加熱し塩化物を析出させて分離回収する。この塩分回収工程を二段階に行うことにより、塩化ナトリウムと塩化カリウムを分離して回収することができる。すなわち、溶液を50℃以上に加熱して塩化ナトリウムを析出させ、これを濾別して回収する(高温晶析工程)。さらに、この濾液を30℃以下に冷却して塩化カリウムを析出させ、これを濾別して回収する(低温晶析工程)。また、この低温晶析工程で分離した濾液を高温晶析工程に戻して晶析を繰り返す一方、高温晶析工程で生じた蒸発水を水洗工程に導いて水洗に用いることにより、系外に放出する排水量を大幅に低減することができ、好ましくは処理系の水を実質的に外部に排水せずに循環して使用することができる。晶析工程から回収した塩化ナトリウムはソーダ原料となり、塩化カリウムは肥料などに利用することができる。
【0020】
【実施例】
〔実施例1〕
塩素バイパスダスト(CaO:23%、SO3:10%、Na2O:2.0%、K2O:25%、Cl:20%、Pb:3.3%)1kgに、液温30℃の水4kgを加え、0.5時間攪拌して洗浄した後に、この懸濁液を固液分離し、固形分を回収した。この固形分0.6kg(乾燥重量)に苛性ソーダ(2mol/l濃度)6リットルを加えてpH13.5に調整し、沈澱を生成させた後に固液分離し、水酸化カルシウム0.3kg(乾燥重量)を回収した。さらに、この濾液と水洗工程で濾別した濾液とを混合し、この溶液9リットルに水硫化ソーダ6gを加えて沈澱を生成させた後に固液分離し、硫化鉛26gを回収した。
次に、この濾液(pH12)の一部を水洗工程に戻して洗浄水として使用する一方、残余の濾液2リットルに炭酸ナトリウム55gを添加して沈澱を生成させ、固液分離して炭酸カルシウム50gを回収した。さらに、この濾液を真空下で70℃に加熱して液分を蒸発させ、析出した塩化ナトリウム4gを回収した。さらにこの濾液を25℃に冷却して析出した塩化カリウム65gを回収した。また、塩化ナトリウムの蒸発析出で発生した蒸気は凝縮して最初の水洗工程に戻し、繰り返し使用した。
【0021】
〔実施例2〕
塩素バイパスダスト(CaO:23%、SO3:10%、Na2O:2.0%、K2O:25%、Cl:20%、Pb:3.3%)1kgに、硫化鉛を濾別した濾液(Ca:2%、Cl:6%)5リットルを添加し、0.5時間攪拌して洗浄した後、この懸濁液を固液分離して固形分を回収した。この固形分0.4kg(乾燥重量)に苛性ソーダ(2mol/l濃度)1.5リットルを加えてpH13.5に調整し、沈澱を生成させた後に固液分離し、水酸化カルシウム0.3kg(乾燥重量)を回収した。さらに、この濾液と水洗工程で濾別した濾液とを混合し、この溶液9リットルに水硫化ソーダ6gを加えて沈澱を生成させた後に固液分離し、硫化鉛26gを回収した。
次に、この濾液(pH12)の一部を水洗工程に戻して洗浄水として使用する一方、残余の濾液2リットルに炭酸ナトリウム170gを添加して沈澱を生成させ、固液分離して炭酸カルシウム155gを回収した。さらに、この濾液を真空下で60℃に加熱して液分を蒸発させ、析出した塩化ナトリウム6gを回収した。さらにこの濾液を25℃に冷却して析出した塩化カリウム75gを回収した。また、塩化ナトリウムの蒸発析出で発生した蒸気は凝縮して最初の水洗工程に戻し、繰り返し使用した。
【0022】
【発明の効果】
本発明の処理方法によれば、水洗工程およびアルカリ溶出によって廃棄物に含まれる鉛分を溶出させるので、大部分の鉛が溶出し、これを硫化鉛として沈澱させるので、容易に鉛分の殆どを分離除去することができ、また、鉛含有量の少ない水酸化カルシウムを回収することができる。また、脱鉛処理した溶液を水洗工程に戻して再使用することによって鉛の溶出率を高めることができる。さらに、低温晶析工程で分離した濾液を高温晶析工程に戻して晶析を繰り返し、晶析工程で生じた蒸発水を水洗工程に導いて水洗に用いることにより、処理系の水を実質的に外部に排水せずに循環して使用することができる。また、晶析工程から回収した塩化ナトリウムや塩化カリウムを製品として再利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の処理方法を示すフロー図
Claims (6)
- 廃棄物を水洗して塩素分および鉛分を溶出させて固液分離する工程(水洗工程)、濾別した固形分にアルカリ溶液を加えて鉛分を溶出させると共にカルシウムを水酸化物に転じて濾別する工程(アルカリ溶出工程)、この濾液を水洗工程で分離した濾液に加え、硫化剤を添加して鉛を沈澱分離する工程(脱鉛工程)、この脱鉛した濾液に炭酸源を加えてカルシウムを沈澱分離する工程(脱カルシウム工程)、さらに、この濾液を加熱し塩化物を析出させて分離回収する工程(塩分回収工程)を有することを特徴とする廃棄物の処理方法。
- 廃棄物を水洗して塩素分および鉛分を溶出させて固液分離する工程(水洗工程)、この濾液に硫化剤を添加して鉛を沈澱分離する工程(脱鉛工程)を有し、脱鉛工程で分離した濾液の一部を水洗工程に戻して再使用することによって液中の塩素濃度と鉛の溶出率を高める一方、水洗工程に循環しない濾液に炭酸源を加えてカルシウムを沈澱分離する工程(脱カルシウム工程)、さらに、この濾液を加熱し塩化物を析出させて分離回収する工程(塩分回収工程)を有する廃棄物の処理方法であって、
廃棄物の水洗工程の後に、濾別した固形分にアルカリ溶液を加えて鉛分を溶出させると共にカルシウムを水酸化物に転じて濾別するアルカリ溶出工程を有し、水洗工程で分離した濾液とアルカリ溶出工程で分離した濾液を混合し、これに硫化剤を添加して鉛を沈澱分離する脱鉛工程の後に、脱鉛工程で分離した濾液の一部を水洗工程に戻して再使用する廃棄物の処理方法。 - 請求項1または請求項2における塩分回収工程において、溶液を50℃以上に加熱して析出した塩化ナトリウムを濾別する工程(高温晶析工程)、さらにこの濾液を30℃以下に冷却して析出した塩化カリウムを濾別する工程(低温晶析工程)を有する廃棄物の処理方法。
- 請求項3における低温晶析工程で分離した濾液を高温晶析工程に戻して晶析を繰り返す一方、晶析工程で生じた蒸発水を水洗工程に導いて水洗に用いる廃棄物の処理方法。
- アルカリ溶出工程で回収した水酸化カルシウム、脱カルシウム工程で回収した炭酸カルシウムをセメント原料として用いる請求項1〜4の何れかに記載する廃棄物の処理方法。
- 廃棄物が塩素バイパスダストである請求項1〜5の何れかに記載する廃棄物の処理方法。
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