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JP4518535B2 - ダイシング用粘着シート用粘着剤、ダイシング用粘着シート、半導体素子の製造方法、半導体素子 - Google Patents

ダイシング用粘着シート用粘着剤、ダイシング用粘着シート、半導体素子の製造方法、半導体素子 Download PDF

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JP4518535B2 JP2003189564A JP2003189564A JP4518535B2 JP 4518535 B2 JP4518535 B2 JP 4518535B2 JP 2003189564 A JP2003189564 A JP 2003189564A JP 2003189564 A JP2003189564 A JP 2003189564A JP 4518535 B2 JP4518535 B2 JP 4518535B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイシング用粘着シート用粘着剤および該粘着剤により形成された粘着剤層が設けられているダイシング用粘着シートに関する。ダイシング用粘着シートは、半導体ウエハを素子小片(半導体素子)に切断・分割し、該素子小片をピックアップ方式で自動回収する工程においてウエハの裏面に貼付する固定支持用粘着シートとして有用である。また、本発明は該ダイシング用粘着シートを用いた半導体素子の製造方法、及び該製造方法によって得られる半導体素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりシリコン、ガリウム、砒素などを材料とする半導体ウエハは、大径の状態で製造された後、素子小片に切断分離(ダイシング)され、その後の工程に移される。その際、半導体ウエハはダイシング用粘着シートに貼付され保持された状態でダイシング工程、洗浄工程、エキスパンド工程、ピックアップ工程、マウント工程の各工程が施される。前記ピックアップ工程においては、ダイシング用粘着シートをある程度張った状態にし、ピックアップする半導体素子下部のダイシング用粘着シートを点状または線状で持ち上げ、該半導体素子とダイシング用粘着シートの剥離を助長した状態で、上部から真空吸着によりピックアップして半導体素子を得る方式が主流となっている。前記ダイシング用粘着シートとしては、プラスチックフィルムからなる基材上にアクリル系粘着剤等により粘着剤層が形成されたものが一般的である。そして、ダイシング工程での半導体ウエハの保持およびピックアップ工程での剥離性の両立のため放射線硬化型粘着剤が用いられている。
【0003】
また、ピックアップ工程での剥離性向上のため、粘着剤に界面活性剤を添加することが多い。しかしながら、界面活性剤は転写有機物汚染(糊残り)の原因となり、かかる転写有機物は、樹脂封止工程(パッケージング工程)でのパッケージクラックという問題を引き起こす。
【0004】
前記転写有機物汚染の発生を抑制するために、ベースポリマーの重量平均分子量および分散度(重量平均分子量/数平均分子量)をコントロールする技術が提案されている(特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−371262号公報
【発明が解決しようとする課題】
一方、近年ICカードなどの普及に伴って、半導体素子の薄型化が進んでおり、従来のダイシング用粘着シートを用いた場合には、ピックアップする際に半導体素子が変形(しなり)したり、ダイシング用粘着シートと半導体素子の剥離角度が低下してピックアップが困難になるという問題を有していた。
【0006】
本発明は、転写汚染物の発生が少なく、半導体素子を変形させることなく容易にピックアップすることができるダイシング用粘着シート用粘着剤、及び当該粘着剤により形成された粘着剤層が設けられているダイシング用粘着シートを提供することを目的とする。また、本発明は当該ダイシング用粘着シートを用いる半導体素子の製造方法、当該製造方法で製造された半導体素子を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下に示すダイシング用粘着シート用粘着剤およびダイシング用粘着シートにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、ベースポリマー、炭素−炭素二重結合を一分子中に5個以上含む放射線硬化型化合物、及び炭素−炭素二重結合を一分子中に1〜4個含む分子量100〜1000の低分子量成分を含有するダイシング用粘着シート用粘着剤、に関する。
【0009】
薄型半導体素子のピックアップ工程における変形(しなり)の原因としては、以下のようなことが考えられる。すなわち、薄型半導体素子をピックアップする際には図2に示すように、ダイシング用粘着シート1を突き上げピン4で持ち上げ剥離を助長するが、半導体ウエハ2が薄く剛性が低く、粘着シートの粘着力が強いために粘着シートの移動方向に薄型半導体素子が引張られ、図中に示すように変形すると考えられる。また、ダイシング用粘着シートと半導体素子の剥離角度が従来の剛性のある厚い半導体素子に比べて低くなり、このことにより粘着力が高くなり、ピックアップの障害になると推察される。
【0010】
本発明の粘着剤は、前記低分子量成分を用いることにより半導体ウエハとの過度な密着を防ぐことができる。また、前記放射線硬化型化合物と潤滑剤として作用する前記低分子量成分に特定の割合で二重結合を付与し、放射線照射することによりこれらを結合させ、硬化収縮させることにより、粘着剤全体で硬化収縮を発生させることができる。それにより粘着力が十分に低下し、半導体素子を変形させることなく良好なピックアップが可能になる。また、転写汚染の原因となる低分子量成分を他の化合物と結合させることにより転写汚染の防止を可能にする。
【0011】
前記放射線硬化型化合物は、炭素−炭素二重結合を一分子中に8個以上含むことが好ましい。一分子中の炭素−炭素二重結合の数が5個未満の場合には、放射線照射による硬化収縮が十分に起こらないため粘着力を十分に低下させることができない。
【0012】
前記低分子量成分は、炭素−炭素二重結合を一分子中に1又は2個含むことが好ましい。炭素−炭素二重結合を含まない場合には、粘着剤の硬化収縮が十分に起こらないため粘着力を十分に低下させることができず、また転写有機物汚染(糊残り)の原因となる。
【0013】
前記ダイシング用粘着シート用粘着剤において、ベースポリマーが、分子内の全側鎖数の1%以上の各側鎖に炭素−炭素二重結合を1個以上有する二重結合導入型(メタ)アクリル系ポリマーであることが好ましい。ベースポリマーを二重結合導入型(メタ)アクリル系ポリマーとすることにより、ダイシング工程時には十分な粘着性を有し、ピックアップ工程前の放射線照射により前記放射線硬化型化合物や低分子量成分と結合させ、硬化収縮させることにより、粘着剤全体での硬化収縮を促進させることができる。それにより粘着力をさらに低下させることができ、ピックアップ工程を良好に行うことができる。前記二重結合導入型アクリルポリマーは、分子内の全側鎖数の5%以上の各側鎖に炭素−炭素二重結合を有することが好ましい。
【0014】
また、前記ダイシング用粘着シート用粘着剤は、ベースポリマー100重量部に対して低分子量成分を0.1〜50重量部含有することが好ましく、さらに好ましくは5〜20重量部である。0.1重量部未満の場合には潤滑剤としての効果を得ることができず、50重量部を超える場合には粘着剤中で分離し、表面に析出する傾向にある。
【0015】
また、前記低分子量成分が、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート又はポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートであることが好ましい。
【0016】
本発明のダイシング用粘着シートは、基材フィルム上に、前記粘着剤により形成された粘着剤層が設けられているものである。前記粘着剤層の厚さは1〜50μmであることが好ましく、さらに好ましくは3〜20μmである。粘着剤層の厚さが1μm未満の場合にはダイシング時に半導体素子を保持するための十分な粘着力が得られず、50μmを超える場合にはダイシング時に半導体ウエハの振動幅が大きくなり、半導体素子の欠け(チッピング)が発生しやすくなる傾向にある。
【0017】
前記ダイシング用粘着シートは、その粘着剤層をシリコンミラーウエハに貼り付け、放射線の照射により粘着剤層を硬化させた後に、23℃、剥離角度15°、及び剥離速度2.5mm/secの条件で剥離した時の粘着力が2.3N/25mmテープ幅以下であることが好ましく、さらに好ましくは2.0N/25mmテープ幅以下である。本発明のダイシング用粘着シートの粘着剤層は、放射線を照射して硬化させた後の粘着力が十分低いため、半導体素子が薄型で変形しやすく、ピックアップ時の剥離角度が小さくても、良好にピックアップを行うことができる。粘着力が2.3N/25mmテープ幅を超える場合には、ピックアップ時にピックアップ不良を生じやすくなる傾向にある。なお、23℃における粘着力を測定するのは、通常ピックアップは室温(23℃)にて行われるからである。また、シリコンミラーウエハを用いるのは、表面状態(粗さ)が安定しており、ダイシング、ピックアップの対象物と同質の材料であるからである。
【0018】
また、前記ダイシング用粘着シートは、下記式にて表わされる表面有機汚染増加量ΔCが5%以内であることが好ましい。
【0019】
表面有機汚染増加量ΔC(%)=(シリコンウエハから粘着剤層を剥離した後のシリコンウエハ表面の炭素元素比率C1)−(粘着剤層を貼り付ける前のシリコンウエハ表面の炭素元素比率C2)
表面有機汚染増加量ΔCが5%を超える場合には、転写有機物汚染(糊残り)が多くなり、パッケージクラックが発生しやすくなる傾向にある。
【0020】
本発明は、前記ダイシング用粘着シートの粘着剤層の表面に半導体ウエハを貼り付けて半導体ウエハを切断するダイシング工程、ダイシング用粘着シートに放射線を照射して粘着剤層を硬化させる硬化工程、及び半導体素子を粘着剤層から剥離するピックアップ工程を含む半導体素子の製造方法、に関する。
【0021】
本発明の半導体素子の製造方法によると、半導体ウエハの厚さが100μm未満であっても変形することなく容易にピックアップすることができる。
【0022】
また本発明は、前記製造方法によって得られる半導体素子、に関する。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明のダイシング用粘着シート用粘着剤は、ベースポリマー、炭素−炭素二重結合を一分子中に5個以上含む放射線硬化型化合物、及び炭素−炭素二重結合を一分子中に1〜4個含む分子量100〜1000の低分子量成分を含有する。
【0024】
主成分であるベースポリマーとしては、一般的な感圧性粘着剤、たとえば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、及びポリビニルエーテル系粘着剤等に用いられているものを使用できる。なかでも、半導体ウエハへの粘着性、低汚染性、及び分子設計の容易さなどの点から、アクリル系粘着剤のベースポリマーである(メタ)アクリル系ポリマーが好ましく、特に分子内の全側鎖数の1%以上の各側鎖に炭素−炭素二重結合を1個以上有する二重結合導入型(メタ)アクリル系ポリマーが好ましい。なお、(メタ)アクリル系ポリマーとはアクリル系ポリマーおよび/またはメタクリル系ポリマーをいい、本発明の(メタ)とは全て同様の意味である。
【0025】
前記二重結合導入型(メタ)アクリル系ポリマーは、例えば、官能基aを側鎖に有するポリマー(A)と、当該官能基aと反応性を有する官能基bおよび炭素−炭素二重結合を有する化合物(B)を反応させることにより得ることができる。ポリマー(A)の官能基aと化合物(B)の官能基bは、化合物(B)の炭素−炭素二重結合を維持したまま反応(縮合、付加反応等)できるものが好ましい。
【0026】
官能基a及び官能基bとしては、例えば、カルボキシル基、酸無水物基、ヒドロキシル基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基、アジリジン基などがあげられ、これらの中から互いに反応可能な組み合わせを適宜選択して使用できる。例えば、官能基aと官能基bの組み合わせには、カルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とアジリジン基、ヒドロキシル基とイソシアネート基、カルボキシル基とヒドロキシル基などが含まれる。これらの組み合わせにおいて、左右の何れが官能基a(又は官能基b)であってもよい。官能基aと官能基bの組み合わせの中でも、特に反応追跡の容易さの点から、ヒドロキシル基とイソシアネート基の組み合わせが好適に用いられる。
【0027】
官能基aを側鎖に有するポリマー(A)は、たとえば、粘着性を発現可能なものであれば特に制限されないが、半導体ウエハへの低汚染性、分子設計の容易さから(メタ)アクリル系ポリマーが好ましい。
【0028】
前記(メタ)アクリル系ポリマーは、例えば、メチル基、エチル基、プルピル基、イソプルピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル基、へキシル基、ヘプチル基、シクロヘキシル基、2 −エチルヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ラウリル基、トリデシル基、テトラデシル基、ステアリル基、オクタデシル基、ドデシル基等の炭素数1〜30、特に炭素数4〜18の直鎖または分岐のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの1種または2種以上を主成分とし、これに官能基aを有するモノマーを共重合することにより得られる。特に、引き剥がし粘着力の点から、ホモポリマーでのガラス転移温度(以下、Tgという)が−60℃以上となるモノマーを主成分として用いることが好ましい。
【0029】
官能基aを有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物基含有モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチルアクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ビニルアルコール、アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテルなどのヒドロキシル基含有モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有モノマー等があげられる。これら官能基aを有するモノマーは、1種又は2種以上使用できる。
【0030】
二重結合導入型(メタ)アクリル系ポリマーの分子内の全側鎖数の1%以上の各側鎖に炭素−炭素二重結合を導入するために、これら官能基aを有するモノマーの使用量は、全モノマー成分に対して1モル%以上が好ましい。
【0031】
前記(メタ)アクリル系ポリマーには、凝集力、耐熱性などの改質を目的として、必要に応じ、前記モノマーに加えてコモノマー成分を用いることができる。コモノマー成分としては、例えば、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどのリン酸基含有モノマー;アクリロニトリルなどのシアノ基含有モノマー;(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有モノマー;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基含有モノマー;N−(メタ)アクリロイルモルホリン;酢酸ビニルなどのビニルエステル類;スチレンなどの芳香族ビニル化合物;ビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル類などが挙げられる。これらのモノマー成分は1種又は2種以上使用できる。酢酸ビニルなどのビニルエステル類をコモノマー成分としてた場合には、モノマーを重合後、ケン化して、ポリマー側鎖にヒドロキシル基を導入することもできる。
【0032】
さらに、前記(メタ)アクリル系ポリマーは、架橋処理を目的に多官能性モノマーなども、必要に応じて共重合用モノマー成分として含むことができる。このような多官能性モノマーとして、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどがあげられる。これらの多官能性モノマーも1種又は2種以上用いることができる。多官能性モノマーの使用量は、粘着特性等の点から、全モノマー成分の50重量%以下が好ましい。
【0033】
前記官能基aを側鎖に有するアクリル系ポリマー(A)の調製は、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合等の何れの重合方法によっても行うことができる。
【0034】
前記ポリマー(A)の官能基aと反応性を有する官能基bおよび炭素−炭素二重結合を有する化合物(B)は、官能基aに反応する官能基bを有するものを適宜に選択して用いる。たとえば、官能基aがヒドロキシル基の場合には、化合物(B)としてメタクリロイルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等の分子内に(メタ)アクロイル基を有するイソシアネート化合物;m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等の分子内にビニル基含有芳香環を有するイソシアネート化合物などがあげられる。また官能基aがカルボキシル基の場合には、化合物(B)として(メタ)アクリル酸グリシジルなどの炭素−炭素二重結合を有するエポキシ化合物があげられる。
【0035】
なお、化合物(B)の有する炭素−炭素二重結合の個数は1個であることが望ましい。化合物(B)は炭素−炭素二重結合を2個以上有することも可能であるが、その場合放射線硬化反応により過度の三次元網状構造が形成され、硬化後ポリマー分子が剛直となり、収縮力が大きくなりすぎる傾向があり好ましくない。
【0036】
二重結合導入型(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は、好ましくは50万以上、さらに好ましくは80〜150万である。二重結合導入型(メタ)アクリル系ポリマーの低分子量体を低減させる方法は特に制限されないが、たとえば、得られたポリマーを再沈殿法等により精製し低分子量体を除去する方法等があげられる。これらの方法は、化合物(B)と反応させる前のポリマー(A)について行うこともできる。また金属の酸化・還元反応を利用したリビングラジカル重合、サマリウム錯体を開始剤とする配位重合等の開始、成長反応を制御しながら重合反応が進行するリビング重合法等により調製したポリマー(A)を用いることにより低分子量体を低減させることができる。
【0037】
炭素−炭素二重結合を一分子中に5個以上含む放射線硬化型化合物としては、例えば、トリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート、2−プロペニル−3−ブテニルイソシアヌレート、トリス(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)イソシアヌレートなどのイソシアヌレート化合物とトルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの多官能イソシアネートとの反応物が挙げられる。これら放射線硬化型化合物は1種又は2種以上使用できる。
【0038】
前記放射線硬化型化合物の分子量(重量平均分子量)は特に制限されないが、1000〜10000であることが好ましく、さらに好ましくは2000〜5000である。
【0039】
前記放射線硬化型化合物の配合量は特に制限されないが、放射線照射後の引き剥がし粘着力を低下させることを考慮すると、前記ベースポリマー100重量部に対して50〜300重量部、特に100〜200重量部配合することが好ましい。
【0040】
炭素−炭素二重結合を一分子中に1〜4個含む分子量100〜1000の低分子量成分としては、例えば、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールPO変性(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロ−ルトリシクロデカンジ(メタ)アクリレートなどが挙ザられる。これら低分子量成分は、1種類でも2種以上を混合したものでもよい。また、配合量は特に制限されるものではないが、粘着剤の凝集力、相溶性を考慮すると、ベースポリマー100重量部に対して、0.1〜50重量部、特に5〜20重量部配合することが好ましい。
【0041】
ダイシング用粘着シート用粘着剤は、例えば、X線、紫外線、電子線等の放射線により粘着剤層を硬化させることができるが、粘着剤層を紫外線等により硬化させる場合には光重合開始剤を含有させる。
【0042】
光重合開始剤としては、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α´−ジメチルアセトフェノン、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのα−ケトール系化合物;メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)−フェニル]−2−モルホリノプロパン−1などのアセトフェノン系化合物;ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アニソインメチルエーテルなどのベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタールなどのケタール系化合物;2−ナフタレンスルホニルクロリドなどの芳香族スルホニルクロリド系化合物;1−フェノン−1,1―プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムなどの光活性オキシム系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物;チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジクロロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソンなどのチオキサンソン系化合物;カンファーキノン;ハロゲン化ケトン;アシルホスフィノキシド;アシルホスフォナートなどがあげられる。
【0043】
光重合開始剤の配合量は特に制限されないが、ベースポリマー100重量部に対して、反応性を考慮すると0.1重量部以上、さらには0.5重量部以上とするのが好ましい。また、多くなると粘着剤の保存性が低下する傾向があるため、10重量部以下、さらには5重量部以下とするのが好ましい。
【0044】
本発明のダイシング用粘着シート用粘着剤には、ベースポリマーに加えて外部架橋剤を適宜に採用することもできる。外部架橋方法の具体的手段としては、ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、メラミン系架橋剤などのいわゆる架橋剤を添加し反応させる方法があげられる。外部架橋剤を使用する場合、その使用量は、架橋すべきベースポリマーとのバランスにより、特には、引き剥がし粘着力が下がり過ぎないように、上記ベースポリマー100重量部に対して、0.01〜5重量部程度配合するのが好ましい。
【0045】
また、ダイシング用粘着シート用粘着剤には、必要に応じて従来公知の各種の粘着付与剤、老化防止剤、充填剤、着色剤等の添加剤を加えることができる。
【0046】
以下、本発明のダイシング用粘着シートを図1を参照しつつ詳細に説明する。図1に示すように、本発明のダイシング用粘着シートは、基材フィルム11上に、粘着剤層12が設けられている。また、必要に応じて、粘着剤層12上にはセパレータ13を有する。図1では、基材フィルム11の片面に粘着剤層12を有するが、これらは基材フィルム11の両面に形成することもできる。ダイシング用粘着シートは基盤やウエハ等の被切断体の平面形状に対応した形状や連続シートなどの適宜な形態とすることができ、またシートを巻いてテープ状とすることもできる。ダイシング用途では、あらかじめ必要な形状に切断加工されたものが好適に用いられる。
【0047】
基材フィルム11の材料は、特に制限されるものではないが、所定以上の放射線を少なくとも一部透過するものを用いるのが好ましい。例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ランダム共重合ポリプロピレン、ブロック共重合ポリプロピレン、ホモポリプロレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル(ランダム、交互)共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、セルロース系樹脂及びこれらの架橋体などのポリマーがあげられる。なお、基材フィルムを構成する前記材料は必要に応じて官能基、機能性モノマー、改質性モノマーをグラフトしてもよい。
【0048】
基材フィルム11の厚みは、適用用途での操作性や作業性を損なわない範囲で適宜選択できるが、10〜300μm程度が好ましく、さらに好ましくは30〜200μm程度である。
【0049】
基材フィルム11は、従来より公知の製膜方法により製膜できる。例えば、湿式キャスティング法、インフレーション押出し法、Tダイ押出し法などが利用できる。基材フィルム11は、無延伸で用いてもよく、必要に応じて一軸または二軸の延伸処理を施したものを用いてもよい。基材フィルム11は、単層フィルム又は多層フィルムでもよく、前記樹脂をドライブレンドしたブレンドフィルムであってもよい。多層フィルムは、共押出し法、ドライラミネート法等の公知のフィルム積層法により製造できる。また、基材フィルム11の表面には、必要に応じてクロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等の化学的または物理的処理、下塗剤(例えば、後述する粘着物質)によるコーティング処理が施されていてもよい。
【0050】
粘着剤層12の厚さは適宜選定してよいが、一般には1〜300μm程度、好ましくは1〜200μm、さらに好ましくは1〜50μmである。
【0051】
粘着剤層の粘着力についても使用目的等に応じて適宜に決定してよいが、一般には半導体ウエハに対する密着維持性の点より、放射線照射前の粘着力(23℃、180゜ピール値、剥離速度300mm/min)が1N/25mmテープ幅以上が好ましい。
【0052】
本発明のダイシング用粘着シートの作製は、たとえば、基材フィルム11に、粘着剤を塗布して粘着剤層12を形成する方法により行なうことができる。また、別途、粘着剤層12をセパレータ13に形成した後、これを基材フィルム11に貼り合せる方法等を採用することができる。なお、粘着剤層12は1層であってもよく、2層以上積層されていてもよい。
【0053】
ダイシング用粘着シートの粘着剤層12には、保管時や流通時における汚染防止等の点から半導体ウエハに接着するまでの間、前記セパレータ13により被覆保護することが好ましい。セパレータ13の構成材料としては、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルム等があげられる。セパレータ13の表面には剥離性を高めるため、必要に応じてシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理等の離型処理が施されていても良い。また、紫外線等によって反応しないように紫外線防止処理が施されていてもよい。セパレータ13の厚みは、通常10〜200μm、好ましくは25〜100μm程度である。
【0054】
本発明のダイシング用粘着シートは、半導体ウエハに貼り付けられた後に、常法に従ってダイシングされる。貼り付け温度は特に制限されないが20〜80℃であることが好ましい。該粘着シートの貼り合せには、圧着ロールなどの押圧手段により、押圧しながら貼り付けることができる。また、加圧可能な容器(例えばオートクレーブなど)中で、容器内を加圧するによりウエハに貼り付けることもできる。この際、押圧手段により押圧しながら貼り付けてもよい。また、真空チャンバー内で、上記と同様に貼り付けることもできる。
【0055】
ダイシング工程は、ブレードを高速回転させ、半導体ウエハを所定のサイズに切断する。ダイシングは、前記粘着シートまで切込みを行なうフルカットと呼ばれる切断方式等を採用できる。ダイシング後、放射線照射等の適宜の操作を加えて粘着剤層を硬化させ、粘着力を十分低下させた後に切断体である半導体素子をピックアップする。このように、ダイシング工程後の放射線の照射により、粘着剤層の粘着性が硬化により低下して剥離を容易化させることができる。放射線照射の手段は特に限定されないが、例えば、紫外線照射等により行なわれる。
【0056】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0057】
実施例1
(基材フィルム)
基材フィルムとして、厚さ70μmの直鎖状低密度ポリエチレンを使用した。このフィルムの片面にはコロナ処理を施した。
【0058】
(ベースポリマーの調製)
アクリル酸メチル(ホモポリマ−でのTg:8℃)45重量部、アクリル酸エチル(ホモポリマ−でのTg:−24℃)40重量部、及びアクリル酸2−ヒドロキシルエチル(ホモポリマ−でのTg:55℃)15重量部を、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部の存在下、酢酸エチル中で共重合させて得られた重量平均分子量80万のアクリル系ポリマーを含有する溶液に、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート10重量部を添加して付加反応させ、前記アクリル系ポリマー分子内に炭素−炭素二重結合を導入した二重結合導入型アクリル系ポリマー(炭素−炭素二重結合を有する側鎖数は、全側鎖数の8%である)を得た。
【0059】
(放射線硬化型化合物の調製)
ペンタエリスリトールトリアクリレートとジイソシアネートを反応させて放射線硬化型化合物(25℃での粘度10Pa・s)を得た。
【0060】
(ダイシング用粘着シート用粘着剤の調整)
前記二重結合導入型アクリル系ポリマー100重量部、前記放射線硬化型化合物130重量部、低分子量成分としてテトラエチレングリコールジアクリレート(分子量247)5重量部、光重合開始剤(イルガキュア651、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)3重量部、及びポリイソシアネート化合物(コロネートL、日本ポリウレタン製)2重量部を混合してダイシング用粘着シート用粘着剤を調製した。
【0061】
(ダイシング用粘着シートの作製)
調製したダイシング用粘着シート用粘着剤を基材フィルムのコロナ処理面に塗布し、80℃で10分間加熱架橋して、厚さ5μmの粘着剤層を形成した。そして、該粘着剤層上にセパレータを貼り合せてダイシング用粘着シートを作製した。
【0062】
実施例2
(基材フィルム)
実施例1と同様のものを用いた。
【0063】
(ベースポリマーの調製)
アクリル酸メチル(ホモポリマ−でのTg:8℃)50重量部、アクリル酸2−エチルヘキシル(ホモボリマ−でのTg:−50℃)30重量部、及びアクリル酸2−ヒドロキシルエチル(ホモポリマ−でのTg:55 ℃)20重量部を、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部の存在下、酢酸エチル中で共重合させて得られた重量平均分子量100万のアクリル系ポリマーを含有する溶液に、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート10重量部を添加して付加反応させ、前記アクリル系ポリマー分子内に炭素−炭素二重結合を導入した二重結合導入型アクリル系ポリマー(炭素−炭素二重結合を有する側鎖数は、全側鎖数の9%である)を得た。
【0064】
(放射線硬化型化合物の調製)
実施例1と同様の方法で放射線硬化型化合物を調製した。
【0065】
(ダイシング用粘着シート用粘着剤の調整)
前記二重結合導入型アクリル系ポリマー100重量部、前記放射線硬化型化合物130重量部、低分子量成分としてトリプロピレングリコ−ルジアクリレート(分子量300)8重量部、光重合開始剤(イルガキュア651、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)3重量部、及びポリイソシアネート化合物(コロネートL、日本ポリウレタン製)2重量部を混合してダイシング用粘着シート用粘着剤を調製した。
【0066】
(ダイシング用粘着シートの作製)
前記ダイシング用粘着シート用粘着剤を用いた以外は実施例1と同様の方法でダイシング用粘着シートを作製した。
【0067】
比較例1
低分子量成分としてテトラエチレングリコールジアクリレートを添加しなかった以外は実施例1と同様の方法でダイシング用粘着シート用粘着剤を調製し、ダイシング用粘着シートを作製した。
【0068】
比較例2
低分子量成分としてトリプロピレングリコ−ルジアクリレートを添加しなかった以外は実施例2と同様の方法でダイシング用粘着シート用粘着剤を調製し、ダイシング用粘着シートを作製した。
【0069】
(重量平均分子量の測定)
重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ)にて測定し、標準ポリスチレンにより換算した。
GPC装置:TOSOH製、HLC−8120GPC
カラム:7.8mmI.D.×300mm
流量:0.5ml/min
濃度:1.0g/l
注入量:100μl
カラム温度:40℃
溶離液:THF
(粘着力の測定)
実施例及び比較例で得られたダイシング用粘着シートを25mm幅で短冊状に切断し、23℃(室温)で4インチシリコンミラーウエハ(信越半導体株式会社製、CZN<100>2.5−3.5)に貼り付けた。室温雰囲気下で30分静置した後、粘着シート裏面から紫外線を照射(500mJ/cm2 )し、23℃の恒温室で剥離角度15°、剥離速度2.5mm/secで引き剥がし、そのときの粘着力を測定した。
【0070】
(ピックアップ評価)
実施例及び比較例で得られたダイシング用粘着シートに裏面を研削された厚さ100μmの4インチシリコンウエハ(信越半導体株式会社製、CZN<100>2.5−3.5)を23℃でマウントし、以下の条件でダイシングした。ダイシング後、粘着シート裏面から紫外線を照射(500mJ/cm2 )し、次いで任意の半導体素子50個を以下の条件でピックアップ(剥離)し、次の基準で評価した。
良好:全半導体素子のピックアップが可能な場合
不良:ピックアップできない半導体素子が存在する場合
<ダイシング条件>
ダイサ−:DISCO社製、DFD−651
ブレード:D−SCO社製、27HECC
ブレード回転数:40000rpm
ダイシング速度:120mm/sec
ダイシング深さ:25μm
カットモード:ダウンカット
ダイシングサイズ:5. 0×5.0mm
<ピックアップ条件>
ダイボンダ−:NEC Machinery CPS−100
ピン数:4本
ピンの間隔:3.5×3.5mm
ピン先端曲率:0.250mm
ピン突き上げ量:0.50mm
吸着保持時間:0.2秒
エキスパンド量:3mm
(表面有機汚染増加量ΔCの測定)
実施例及び比較例で得られたダイシング用粘着シートを鏡面処理した4インチシリコンウエハ(商品名:CZN<100>2.5−3.5(4インチ)、信越半導体株式会社)に貼り付け23℃(室温)にて1時間放置後、前記の粘着力測定試験に準じて粘着剤層を剥離し、ESCA(Quantum2000、アルバック・ファイ社製)にてシリコンウエハ表面の炭素元素比率C1(%)測定した。また、同様に粘着剤層を貼り付ける前のシリコンウエハ表面の炭素元素比率C2(%)を測定した。表面有機汚染増加量△Cは、以下の計算式で算出する。
【0071】
表面有機汚染増加量ΔC(%)=(シリコンウエハから粘着剤層を剥離した後のシリコンウエハ表面の炭素元素比率C1)−(粘着剤層を貼り付ける前のシリコンウエハ表面の炭素元素比率C2)
算出した表面有機汚染増加量△Cから、汚染の有無を以下の基準で評価した。
なし:△Cが5%以下の場合
あり:△Cが5%より大きい場合
【表1】
Figure 0004518535
表1から、実施例のダイシング用粘着シートはピックアップ性が良好で、且つシリコンウエハ表面の転写汚染も少ないことが認められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ダイシング用粘着シートの断面図である。
【図2】 薄型半導体ウエハのピックアップメカニズムを示す図である。
【符号の説明】
1:ダイシング用粘着シート
2:半導体ウエハ
3:吸着コレット
4:突き上げピン
11:基材フィルム
12:粘着剤層
13:セパレーター

Claims (9)

  1. ベースポリマーとして(メタ)アクリル系ポリマー100重量部、炭素−炭素二重結合を一分子中に5個以上含む放射線硬化型化合物50〜300重量部、及び低分子量成分として分子量160〜1000のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート又はポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート0.1〜50重量部を含有するダイシング用粘着シート用粘着剤。
  2. (メタ)アクリル系ポリマーが、分子内の全側鎖数の1%以上の各側鎖に炭素−炭素二重結合を1個以上有する二重結合導入型(メタ)アクリル系ポリマーである請求項1記載のダイシング用粘着シート用粘着剤。
  3. 基材フィルム上に、請求項1又は2記載の粘着剤により形成された粘着剤層が設けられているダイシング用粘着シート。
  4. 粘着剤層の厚さが1〜50μmである請求項記載のダイシング用粘着シート。
  5. 粘着剤層をシリコンミラーウエハに貼り付け、放射線の照射により粘着剤層を硬化させた後に、23℃、剥離角度15°、及び剥離速度2.5mm/secの条件で剥離した時の粘着力が2.3N/25mmテープ幅以下である請求項又は記載のダイシング用粘着シート。
  6. 下記式にて表わされる表面有機汚染増加量ΔCが5%以内である請求項のいずれかに記載のダイシング用粘着シート。
    表面有機汚染増加量ΔC(%)=(シリコンウエハから粘着剤層を剥離した後のシリコンウエハ表面の炭素元素比率C1)−(粘着剤層を貼り付ける前のシリコンウエハ表面の炭素元素比率C2)
  7. 請求項のいずれかに記載のダイシング用粘着シートの粘着剤層の表面に半導体ウエハを貼り付けて半導体ウエハを切断するダイシング工程、ダイシング用粘着シートに放射線を照射して粘着剤層を硬化させる硬化工程、及び半導体素子を粘着剤層から剥離するピックアップ工程を含む半導体素子の製造方法。
  8. 半導体ウエハの厚さが100μm未満である請求項記載の半導体素子の製造方法。
  9. 請求項又は記載の製造方法によって得られる半導体素子。
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