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JP4511259B2 - 複合不織布およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、薄手ながらも高密度で柔軟性に優れ、風合いがソフトであり、且つ反発性に優れ、また高強度で表面耐性に優れた複合不織布およびその製造方法に関する。
極細繊維を含むシート状構造体と、熱収縮性の紡績糸よりなる織編物とが、前者のシート状構造体が少なくとも片表面に存在するよう積層され、絡合処理により実質的に交絡一体化されてなるシートであって、該一体化された極細繊維は、その単繊維繊度が0.5デニール以下、偏平度が4以上の偏平極細繊維が主体繊維であって、該表面での摩耗試験において繊維脱落量が20mg以下であることを特徴とする立毛繊維シートが、特開2001−96658号公報(特許文献1)に記載されている。
この公報では天然皮革の風合い性能を有する耐磨耗性の良好な人工皮革として使用できる立毛繊維シートを目的としており、織編物の熱収縮により高目付の繊維シートとなる。そのためゴワゴワとした触感となり、例えば芯地やワイパーなどに要求される、薄くて柔軟性に優れ、且つコシ、ハリなどの反発性のある風合いを満たすことができなかった。
また、実質的に繊維径10μm以下の短繊維からなる極細繊維が単繊維状に分散してなるウェブで、少なくとも2層以上の該ウェブ間に基布を挿入した積層体構造であり、該積層体表側のウェブを構成する該極細繊維同士、および該基布を貫通した極細繊維と該積層体裏側のウェブの極細繊維を3次元交絡してなり、層間剥離を生じず、かつ(1)基布が6角チュール目を有するラッセル編基布であること、及び(2)基布と極細繊維の実質的な3次元交絡が存在しないことを満足することを特徴とする耐久性衣料用不織布が特開平8−291454号公報(特許文献2)に記載されている。
しかし、この公報では2層以上のウェブ間に基布が挿入された積層体構造であるので、基布のもつ例えば耐磨耗性や拭き取り性などの表面特性を有効に利用したものとはいえなかった。またウェブ2層以上と基布からなる、3層以上の構造となるため不織布全体の目付が大きくなり、そのためゴワゴワとした触感となり、例えば芯地やワイパーなどに要求される、薄くて柔軟性に優れ、且つコシ、ハリなどの反発性のある風合いを満たすことができなかった。
特開2001−96658号公報 特開平8−291454号公報
本発明は、上記の問題を解決し、芯地やワイパーなどの用途に適した薄手ながらも高密度で柔軟性に優れ、風合いがソフトであり、且つ反発性に優れ、また高強度で表面耐性に優れた複合不織布およびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明の複合不織布にかかる解決手段は、面密度30g/m未満のトリコットの片面に、湿式抄紙法によって形成された繊維径10μm以下の極細繊維を主体とする繊維シートが水流で3次元的に交絡一体化されており、前記極細繊維は複合繊維を水中に分散することにより離解させて得られた断面が偏平形状の繊維であることを特徴とする複合不織布である。
また本発明の複合不織布の製造方法にかかる解決手段は、複合繊維を水中に分散することにより離解させて、断面が偏平形状の繊維である繊維径10μm以下の極細繊維を主体とする原料繊維を水中に分散させたスラリーを形成し、次いで面密度30g/m未満のトリコットを載置した抄紙網の上でスラリーを抄紙して繊維シートを形成し、次いで繊維シートに水流を噴射してトリコットと繊維シートを3次元的に交絡一体化することを特徴とする複合不織布の製造方法である。
本発明によって、芯地やワイパーなどの用途に適した薄手ながらも高密度で柔軟性に優れ、風合いがソフトであり、且つ反発性に優れ、また高強度で表面耐性に優れた複合不織布を提供することが可能となった。
以下、本発明にかかる複合不織布およびその製造方法の好ましい実施の形態について製造方法をもとに詳細に説明する。
本発明の原料繊維として使用する極細繊維は、図1に断面を例示するように2成分以上の樹脂成分が隣り合わせに配列した複合繊維を水中に分散することにより各樹脂成分に離解させて得られる極細繊維がある。
前記極細繊維の材質としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系繊維、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリアクリロニトリルなどのアクリル系繊維、ビニロン繊維および合成パルプなどの合成繊維に限らず、レーヨンなどの半合成繊維、あるいは綿およびパルプ繊維などの天然繊維をあげることができる。本発明では、特にポリアミド系繊維などを含むことにより、風合いがソフトな不織布とすることができるので好ましい。
極細繊維の断面形状は、円形、楕円形、偏平形状に限らず、三角、Y型、T型、U型、星型、ドッグボーン型等いわゆる異型断面形状をとるものであってもよい。本発明では、図1の(a)、(b)、(c)、(d)に断面を例示するように樹脂成分1と樹脂成分2とからなる複合繊維を、水中に分散することにより樹脂成分1と樹脂成分2とに離解して得られる極細繊維も可能である。特に、図1(b)のように、樹脂成分1と樹脂成分2とが層状に積層されており、離解後に繊維断面が偏平形状となるような極細繊維を含むことにより、水流による交絡が高度に生じソフトな風合いと強度に優れた複合不織布とすることができる。この場合、長軸の長さをaとし短軸の長さをbとすると、偏平度a/bの値が4以上であることが好ましい。偏平度a/bの値は例えば走査型電子顕微鏡で確認できる100個以上の繊維断面の映像から平均して求めることができる。
なお、水中に分散することにより離解して得られる極細繊維の場合は、未離解繊維が5%未満であることが好ましく、3%以内であることがより好ましく、1%以内であることが更に好ましい。未離解繊維が5%以上であると抄紙までの工程途中で繊維が絡み付きフロックとなり易く、得られる複合不織布に繊維塊が発生する場合がある。
極細繊維の繊維径は、10μm以下であることが必要であり、10μmを超えると目的とする繊維密度が得られず、柔軟性や、風合いに劣った不織布となり、水流による交絡がし難くなり、その結果複合不織布の強度が低下する。また、繊維径は0.5〜10μmが好ましく、2〜7μmがより好ましい。0.5μm未満では、抄紙時の濾水性が悪く生産速度を速くできず、乾燥時間も長くなるなど生産性が劣る場合がある。
本発明では、極細繊維の繊維径は走査型電子顕微鏡の平面、又は断面の映像で確認できる直径で表すことができる。直径にバラツキがある場合は前記映像のうち例えば任意の100個の数平均値で表すことができる。繊維の断面形状が円形でない場合は、繊維断面と同じ面積を有する円の直径で表すことができる。なお、使用される原料の繊度(デシテックス)が分かっている場合は、次式で得られる繊維径で表すことができる。
D=(4d/π・10・ρ)0.5・10
(ここで、D:繊維径(μm),ρ:繊維を構成する高分子重合体の密度(g/cm),d:繊維の繊度(デシテックス),π:円周率)
極細繊維の繊維長は、1〜10mmであることが好ましく、1mm未満では複合不織布の強度が低下し、10mmを超えると抄紙時の水分散性が低下して、繊維のもつれが発生したり、原料繊維の製造工程時の切断不良などによる繊維塊が発生し易く良品質の製品を得ることができない場合がある。また極細繊維の繊維長は、2〜7mmがより好ましい。
また極細繊維の繊維長(L)と繊維径(D)の比(L/D)は、500〜2000が好ましく、500〜1500がより好ましい。500未満であると複合不織布の強度が低下する場合があり、2000を超えると繊維の分散性が低下する場合がある。
本発明では、原料繊維は前記極細繊維を主体としており、具体的には原料繊維に含まれる極細繊維の割合は50%以上が必要である。また原料繊維に含まれる極細繊維の割合は好ましくは70%以上であり、より好ましくは90%以上である。原料繊維に含まれる極細繊維の割合が50%以上であることによって、高密度で柔軟性に優れ、風合いがソフトであり、且つ高強度な複合不織布とすることができる。なお本発明では、前記極細繊維は前述の特定された範囲である限り、複数の極細繊維を選択することが可能である。
また本発明の主旨に反しない限り、複合不織布の強度などの特性を向上させる目的で、原料繊維は極細繊維以外にも、50質量%以下の割合で他の繊維を含むことが可能である。例えば乾燥などの加熱処理によって他の繊維と接着する接着性繊維を15〜1質量%含むことにより、抄紙後の繊維シートを乾燥させて繊維同士を接着または仮に接着して繊維シートの形態を安定して保持させる効果がある。また繊維同士が接着した繊維シートとトリコットを積層しておいて、この積層シートに水流を噴射して交絡繊維シートとした後、乾燥と同時に繊維同士を再接着させて、すなわち水流の噴射によって繊維の接着部分が剥離した繊維同士を再接着させて、複合不織布の強度を向上させたり表面耐性を向上させる効果がある。接着性繊維の含有量はより好ましくは10〜1質量%であり、さらに好ましくは5〜1質量%であるが、接着性繊維の割合を少なくすることにより風合いを余り損なわずに複合不織布の強度を向上させたり表面耐性を向上させるという効果がある。なお前記接着性繊維としては例えば2成分以上の樹脂成分からなる芯鞘型の複合繊維やサイドバイサイド型複合繊維を用いることができる。
また例えば、繊維径が10μmを超え繊維長が10〜20mmの繊維であって、乾燥などの加熱処理によって他の繊維と接着することのない単一成分からなる繊維を50質量%以下含むことも可能である。このような単一成分としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系繊維、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリアクリロニトリルなどのアクリル系繊維、ビニロン繊維および合成パルプなどの合成繊維に限らず、レーヨンなどの半合成繊維、あるいは綿またはパルプ繊維などの天然繊維をあげることができる。このように比較的繊維長の長い繊維を含むことによって、得られる複合不織布の風合いを柔軟に保ちながら、強度を向上させることも可能である。
本発明に使用するトリコットとしては、その編組織は特に限定されず、例えばシングルトリコット、ハーフトリコット、逆ハーフトリコット、サテントリコット、ダブルトリコット、及びよこ糸挿入トリコットなどがある。またトリコットに使用する糸は特に限定されないが、フィラメント使いである場合は、複合不織布に特にハリ、コシなどの反発性を付与するので好ましい。また、よこ糸挿入トリコットであれば、よこ糸に紡績糸を用いることで、よこ方向の伸びを押えることができるので、芯地用途などでは、よこ方向にハリやコシなどの特性を向上できるので好ましい。また、トリコットに使用する糸の繊度は5〜20デニールが好ましい。繊度が5デニール未満であると複合不織布の強度や表面耐性に劣ることがあり、20デニールを超えると風合いが硬くなり、ソフト性が失われる場合がある。また極細繊維との交絡が不十分となり一体化が困難となる場合がある。
前記トリコットの面密度は30g/m未満であり、好ましくは5〜25g/mであり、より好ましくは10〜20g/mである。30g/m以上であると、複合不織布の風合いが硬くなり、ソフト性が失われる。また面密度が大きいため水流を当てても極細繊維がトリコットの目を貫通し難くなり極細繊維とトリコットの交絡が不十分となり一体化が困難となる。また、5g/m未満であると、複合不織布の強度や表面耐性に劣る場合がある。
また、前記トリコットは熱成形加工や樹脂加工が施されていることも可能である。このような加工によって、トリコットの保形性が改良され、繊維シートとの交絡一体化を容易に行うことができたり、或いは複合不織布の風合いをよりハリやコシのあるものに改良することができる。なお、トリコットに一時的に熱成形加工や樹脂加工を施しておき、その後の水流による交絡時に水流の作用によってこれらの加工効果を崩して元の柔軟な風合いに戻すことも可能である。
本発明では、前記原料繊維を水中に分散させてスラリーを形成する。好ましくは分散剤などを添加した水中で前記原料繊維をパルパーなどによって分散させてスラリーを形成する。次いでスラリーを抄紙して繊維シートを形成する。繊維シートの形成は、従来より公知の湿式抄紙法を適用することができる。
前記湿式抄紙法には、例えば、傾斜式、長網式、丸網式の抄紙機などを用いて、スラリーから繊維シートを漉き上げる方法があり、前記繊維シートの面密度は5〜140g/m2が好ましく、10〜90g/m2がより好ましく、20〜80g/m2がさらに好ましい。5g/m2未満では、繊維シートが薄く又強度も低下するので、抄紙網から繊維シートが剥離し難く破損する場合がある。また、140g/m2を超えると、濾水性が低下して抄紙速度が著しく低下する場合がある。
本発明では、前記繊維シートを一旦乾燥してから、或いは乾燥させずにそのままの状態で、1枚または複数枚を重ねた状態で前記トリコットと積層した後、繊維シート側から水流を噴射して繊維シートに含まれる繊維を相互に3次元的に交絡すると共に、トリコットとも交絡一体化させて交絡シートを形成する。なお、一旦繊維シート側から水流を噴射して交絡シートを形成した後、トリコット側に突出した繊維に対して、トリコット側からも水流を噴射して、繊維を相互に3次元的に交絡すると共にトリコットとも交絡一体化させて交絡シートを形成することが好ましい。
前記水流による交絡は、公知の方法で行うことが可能であり、例えば金属性ネットやプラスチックネットなどの多孔性支持体上に前記トリコットと前記繊維シートを載置して、その上方から繊維シートに向けて、高圧のノズルから水流を噴射する方法を適用することができる。また抄紙網に、予めトリコットを載置しておき、その上に抄紙して繊維シートを形成し、次いで繊維シートに水流を噴射してトリコットと繊維シートを3次元的に交絡一体化することも可能である。このような方法であれば、繊維シートとトリコットを積層する工程を省略することができるので好ましい。
前記水流の発生に用いる好ましいノズルとしては、例えばノズル孔が一列又は複数列に配置されたノズルがあり、ノズル孔の列は生産方向と交差する方向に配置される。ノズル孔の孔径は直径0.05〜0.5mmが好ましく、0.1〜0.3mmがより好ましく、
0.1〜0.18mmがさらに好ましい。また隣り合うノズル孔の間隔は0.2〜4mmが好ましく、0.3〜3mmが好ましく、0.4〜2mmがさらに好ましい。ノズルから噴射される水流の形状は柱状が好ましいが、ノズル孔から離れるほど水流の太さが広がるような円錐形状も可能である。円錐形状である場合は、円錐の垂線と円錐の斜面とがなす角度が10度以内が好ましく、5度以内がさらに好ましい。またノズル内の圧力は好ましくは0.1〜15MPaである。また前記ノズルを複数配置しておくことも可能であるが、エネルギー消費効率から考慮すると全て合わせて10台以内のノズル台数で噴射処理することが好ましい。
本発明では、次いで前記交絡シートを乾燥させる。乾燥方法としては、例えば交絡シートをコンベアーに載置して熱風吹き出し型の乾燥機に入れて乾燥する方法や、エアスルー型の乾燥機、また例えばピンテンター装置を用いて連続的に加熱乾燥する方法が可能である。
また前記交絡シートの乾燥処理において、例えば繊維シートまたは交絡シートに含まれる繊維全てが他の繊維と接着しないような加熱処理温度で行なうことも可能である。、すなわち原料繊維の繊維表面に存在する樹脂成分の融点のうち最も低い融点未満で加熱処理することも可能であり、柔軟性や風合い特性が極めて優れた不織布とすることができる。
そのためには、加熱乾燥工程において160℃未満の熱処理でも溶融することのない160℃以上の融点を有する繊維を使用することが好ましい。例えば極細繊維が融点215℃のナイロン繊維であり、他の繊維が融点260℃のポリエステル/融点165℃のポリプロピレンからなる複合繊維であれば、加熱蒸気を熱源としたドライヤーにより160℃未満で加熱乾燥させて柔軟性や風合い特性に優れた複合不織布を得ることができる。また加熱乾燥工程において180℃未満の熱処理でも溶融することのない180℃以上の融点を有する繊維を使用することがさらに好ましい。例えば極細繊維が融点215℃のナイロン繊維であり、他の繊維が融点260℃のポリエステル/融点215℃のナイロンからなる複合繊維であれば、燃焼ガスを熱源としたピンテンター装置により180℃未満で加熱乾燥させて柔軟性や風合い特性に優れた不織布を得ることができる。
以上のようにして、面密度30g/m未満のトリコットの片面に、湿式抄紙法によって形成された繊維径10μm以下の極細繊維を主体とする繊維シートが水流で3次元的に交絡一体化されていることを特徴とする本発明の複合不織布を得ることができる。
本発明の複合不織布の面密度は15〜150g/m2が好ましく、20〜100g/m2がより好ましく、30〜90g/m2がさらに好ましい。15g/m2未満では、複合繊維シートが薄く又強度も低下するので実用性に劣る場合がある。また、150g/m2を超えると、抄紙時の濾水性が低下して抄紙速度が著しく低下する場合がある。
また本発明の複合不織布の柔軟性の指標となる剛軟度の値は好ましくは50mm以下であり、より好ましくは45mm以下であり、さらに好ましくは40mm以下である。なお剛軟度はJIS L1096に記載される、剛軟性8.19.1A法(45度カンチレバー法)に準じて測定した値を用い、タテ方向とヨコ方向の平均値を用いるものとする。また本発明の複合不織布の引張強度の値は好ましくは40N以上であり、より好ましくは60N以上であり、さらに好ましくは80N以上である。なお引張強度の値はJIS L1096−1999(一般織物試験方法)に記載される、8.12.1A法(ストリップ法)に準じて測定した値を用いるものとする。また試験片の巾は5cm、長さ20cm、つかみ間隔10cm、引張速度20cm/分として、タテ方向とヨコ方向の平均値を用いるものとする。
本発明の複合不織布は、面密度の低いトリコットに極細繊維を主体とする繊維シートが積層され、水流が噴射されるので、トリコットの積層面とは反対面に極細繊維がトリコットから容易に突出し、更にこの突出した繊維が折り返されるようにして、繊維同士交絡すると共に繊維とトリコットとが交絡する。この結果トリコットの片面に繊維シートが3次元的に強固に交絡一体化した構造となっている。また面密度の低いトリコットは形態変化に富むので水流の作用により極細繊維との交絡一体化が容易である。このように、極細繊維を主体とする繊維シートの片面に面密度の低いトリコットが一体化しているので、極細繊維の有する緻密で柔軟な風合いが損なわれることなく、高強度で且つハリやコシなどの反発性にも優れた複合不織布となっている。例えば複合不織布を折り曲げても元に戻り易く皺にならない特性が付与されている。そこで、この特性を生かした衣料用の芯地、使い捨ての薄手合皮用の基布、あるいはワイパーなどの用途に好適である。
また、本発明の複合不織布のトリコット面では、トリコットの組織が表面近くに存在するので、この面での表面耐性が著しく優れている。例えば表面抵抗性が少なくつるつるした感触を有している。そこで、本発明の複合不織布はこの特性を生かした自動車の天井材などの内装材、ブラジャーカップの表面材、カバー材、あるいはワイパーなどの用途に好適である。
なお、本発明の複合不織布に、ドット状の接着樹脂を付着させて、例えば衣料用の芯地とすることも可能である。また、本発明の複合不織布に、ウレタンなどの樹脂を含浸して、例えば使い捨て用の薄手合皮とすることも可能である。また、本発明の複合不織布に、ポイント的に熱接着加工を施して、例えばワイパーとすることも可能である。
以下、本発明の実施例につき説明するが、これは発明の理解を容易とするための好適例に過ぎず、本発明はこれら実施例の内容に限定されるものではない。
(試験方法)
水流交絡時の繊維シートの進行方向をタテ方向として、直交する方向をヨコ方向とすると、実施例および比較例では引張強度、引張伸度、および剛軟度の値は、タテ方向とヨコ方向の平均値を用いている。
引張強度および引張伸度はJIS L1096−1999(一般織物試験方法)に記載される、8.12.1A法(ストリップ法)に準じて測定した。ただし、試験片の巾は5cm、長さ20cm、つかみ間隔10cm、引張速度20cm/分とした。
厚さはJIS L1085−1998(不織布しん地試験方法)に記載される、6.1.2A法に準じて測定した。ただし、荷重は2.0kPaとした。
剛軟度はJIS L1096に記載される、剛軟性8.19.1A法(45度カンチレバー法)に準じて測定した。
(実施例1)
原料繊維として、図1の(b)に示す断面形態を有する3.3デシテックスの複合繊維(繊維径18μm、繊維長5mm、樹脂成分1はポリエチレンテレフタレート樹脂、樹脂成分2は6ナイロン樹脂)を準備した。またトリコットとして、ナイロンフィラメント15デニール、28ゲージのハーフトリコットを準備した。このハーフトリコットは樹脂加工(面密度で1g/m未満)が施されており、面密度15g/mであった。次いで、複合繊維を分散剤を含む水中に分散させてスラリーを形成した。このときこの複合繊維は最大11個の部分に離解し、離解した各繊維(平均繊維径5.5μm)は断面が扁平形状の極細繊維となった。次いで、ハーフトリコットを手漉き装置の抄紙網上に載置した後、前記スラリーを抄紙してハーフトリコットと繊維シートの積層物とした。
次いで、ハーフトリコットと繊維シートの積層物を、ハーフトリコットを下にして80メッシュの金網の上に載置した。次いで、孔径が0.13mm、孔間隔が0.6mmで直線状にノズル孔が配列されたノズルを用いて、繊維シートの上方から繊維シートに向けて、ノズル内圧力3MPa及び10MPaにて柱状水流を噴射した。その結果、繊維シートとハーフトリコットとが一体化した。次いで、一体化した繊維シートを反転してトリコット面にも同様にして、ノズル内圧力5MPaにて第3回目の柱状水流を噴射してトリコットと繊維シートが交絡一体化した交絡シートを形成した。次いで、この交絡シートをピンテンターにタテ方向とヨコ方向にゆるみを持たせて保持し、150℃のドライヤーで乾燥させて、トリコットの片面に繊維シートが水流で3次元的に交絡一体化された複合不織布を得た。
この複合不織布の面密度は、81g/mであり、厚さは0.60mm、剛軟度は35mm、引張強度は130N/5cm、引張伸度は89%であった。
(比較例1)
実施例1でハーフトリコットを用いなかったこと、および繊維シートの上方から繊維シートに向けて、ノズル内圧力2MPa及び3MPaにて柱状水流を噴射したこと以外は実施例1と同様にして、繊維シートが水流で3次元的に交絡した不織布を得た。この不織布の面密度は、67g/mであり、厚さは0.41mm、剛軟度は34mm、引張強度は47N/5cm、引張伸度は70%であった。なお、第1回目と第2回目の圧力が実施例1と異なる理由は、実施例1と同じ圧力にすると繊維シートが乱れ品質に劣る不織布となってしまうためである。
実施例1をトリコットを用いない比較例1と対比すると、実施例1の複合不織布は剛軟度の値が低く、すなわち柔軟であり、比較例1の不織布の剛軟度の値と同等であるにもかかわらず、引張強度は比較例1の不織布よりも極めて高い値となっている。
(a)は本発明で用いる極細繊維の断面の例、(b)は本発明で用いる極細繊維の断面の別の例、(c)は本発明で用いる極細繊維の断面の別の例、(d)は本発明で用いる極細繊維の断面の別の例を示す図である。
符号の説明
1.樹脂成分
2.他の樹脂成分

Claims (6)

  1. 面密度30g/m未満のトリコットの片面に、湿式抄紙法によって形成された繊維径10μm以下の極細繊維を主体とする繊維シートが水流で3次元的に交絡一体化されており、前記極細繊維は複合繊維を水中に分散することにより離解させて得られた断面が偏平形状の繊維であることを特徴とする複合不織布。
  2. 前記トリコットが5〜20デニールのフィラメントから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の複合不織布。
  3. 前記トリコットが樹脂加工されていることを特徴とする請求項1または2に記載の複合不織布。
  4. 前記繊維シートに含まれる極細繊維の断面が偏平形状であり、長軸の長さをaとし短軸の長さをbとすると、a/bの値が4以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の複合不織布。
  5. JIS L1096に記載される45度カンチレバー法による剛軟度が、タテ方向とヨコ方向の平均値で50mm以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の複合不織布。
  6. 複合繊維を水中に分散することにより離解させて、断面が偏平形状の繊維である繊維径10μm以下の極細繊維を主体とする原料繊維を水中に分散させたスラリーを形成し、次いで面密度30g/m未満のトリコットを載置した抄紙網の上でスラリーを抄紙して繊維シートを形成し、次いで繊維シートに水流を噴射してトリコットと繊維シートを3次元的に交絡一体化することを特徴とする複合不織布の製造方法。
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