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JP6698405B2 - 中綿 - Google Patents

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JP6698405B2
JP6698405B2 JP2016068058A JP2016068058A JP6698405B2 JP 6698405 B2 JP6698405 B2 JP 6698405B2 JP 2016068058 A JP2016068058 A JP 2016068058A JP 2016068058 A JP2016068058 A JP 2016068058A JP 6698405 B2 JP6698405 B2 JP 6698405B2
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Description

本発明は、寝具用や衣服用として好適な中綿に関する。
従来から、ポリエステルやポリプロピレンなどの合成繊維を原料とした綿(合繊綿)が寝具用中綿、衣服用中綿として利用されている。合繊綿を中綿として利用するメリットの一つとして、乾きが早く洗濯が可能である点が挙げられる。例えば、特許文献1には、捲縮性を有する細短繊維、捲縮性を有する多葉細短繊維及び捲縮性を有する中空太短繊維が混合されてなる中綿を利用した詰め綿体が記載されている。また、特許文献2には、一方向に高伸縮性を有する網状構造物とその片面もしくは両面に不織布繊維ウェブが積層された複合弾性シートが記載されている。
特開2013−27470号公報 特開平10−195746号公報
ところで、寝具や衣服に中綿を用いる場合、中綿が寝具や衣服から飛び出したり、中綿が寝具内や衣服内でずれる、いわゆる綿ずれが発生したりしてしまうという問題がある。この点に関し、特許文献1に記載の詰め綿体では、カバーファクターが所定範囲である高密度織物が側地に用いられ、かつ、キルティング加工が施されている。しかし、側地の選択の自由度が制限されてしまうため好ましくない。また、キルティング加工のための設備等が必要になり、寝具全体又は衣服全体としてのコストが高くなってしまう。また、寝具用や衣料用として用いられる中綿は柔かさや嵩高性が要求される。この点に関し、特許文献2に記載の複合弾性シートでは、おむつ、パップ剤用基布、使い捨て下着等洗濯することが想定されていない材料用として、少なくとも一方向における伸縮性が記載されているのみである。
そこで、本発明は、側地の選択の自由度を高めることができ、かつ、嵩高性、保型性や耐洗濯性を向上できる中綿を提供することを目的とする。
本発明の中綿は、縦ウェブの配向軸と横ウェブの配向軸とが互いに交差するように経緯積層された網状不織布からなる支持材と、前記支持材の少なくとも一方の面上に配置された合繊綿を含む層とを含み、前記支持材と前記合繊綿を含む層とが絡合されてなる中綿であって、前記支持材と前記合繊綿を含む層との絡合部が所定のピッチを有したストライプ状に形成され、各絡合部の幅が前記ピッチよりも小さく、前記各絡合部の幅が1〜20mmであり、前記ピッチが3〜100mmである、ことを特徴とする。
上記のような構成によれば、支持材と合繊綿を含む層とが絡合しているため、綿ずれが生じにくく、キルティングが不要になり、側地の選択の自由度を高めることができる。また、支持材である網状不織布には補強効果があり、当該中綿を寝具や衣料に用いると、嵩高性、保型性や耐洗濯性を向上できる。
中綿に用いられる支持材の一例を示す図である。 図1に示した支持材を構成するスプリットウェブを示す図である。 図1に示した支持材を構成するスリットウェブを示す図である。 合繊綿のウェブ層の製造工程を示す工程図である。 水流交絡法により支持材と合繊綿のウェブ層を絡合し、一体化して中綿を製造する方法について説明するための図である。 本発明の実施形態に係る中綿を示しており、図5の水流交絡法における高圧水流絡合工程の一部の斜視図である。 評価に用いたサンプル1〜12の各データを対比して示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態に係る中綿は、網状不織布からなる支持材と、この支持材の少なくとも一方の面上に配置された合繊綿を含む層とを含み、これら支持材と合繊綿を含む層とが、例えば水流交絡法によって絡合されて一体化されたものである。本実施形態に係る中綿は、布団などの寝具及び衣服などに好適に用いられる。
図1は、上述した支持材1の一例を示している。本実施形態において、支持材1は、例えば、水流絡合後の乾燥温度に耐え、バインダー繊維との密着性を向上するために、ポリオレフィン(ポリプロピレン又はポリエチレン)製のメッシュ構造を有する網状不織布を用いる。具体的には、縦ウェブ(スプリットウェブ)2の配向軸2aと横ウェブ(スリットウェブ)3の配向軸3aとが互いに交差するように経緯積層された網状不織布である。この支持材1には、市販されている網状不織布、例えばJX日鉱日石エネルギー株式会社製のワリフ(登録商標)やCLAF(登録商標)を用いることができる。
図2及び図3はそれぞれ、図1に示した支持材1を構成するスプリットウェブ2とスリットウェブ3を示している。図2(a)に示すスプリットウェブ2は、ポリオレフィン製のフィルムを縦方向(スプリットウェブ2の配向軸2aの軸方向)に一軸延伸させて、縦方向に割繊し、かつ拡幅させて形成される。スプリットウェブ2には、ポリオレフィン樹脂、例えば高密度ポリエチレンと第1、第2の低密度ポリエチレンとが用いられる。
詳しくは、多層Tダイ法等の成形法により作製され、高密度ポリチレンの両面に第1、第2の低密度ポリエチレンを積層した多層フィルム(一軸配向体)を、縦方向(長手方向)に少なくとも3倍に延伸させた後、同方向に千鳥掛けにスプリッターを用いて割繊(スプリット処理)して網状のフィルムとし、更に所定幅に拡幅させて形成する。拡幅によって幹繊維4と枝繊維5が形成され、図示するような網状体となる。このスプリットウェブ2は、幅方向全体にわたって縦方向に比較的高い強度を有する。
図2(b)は、図2(a)の一点鎖線で囲んだ領域B1の拡大斜視図であり、スプリットウェブ2は、高密度ポリエチレン層6の両面に、この高密度ポリエチレンより融点が低い低密度ポリエチレン層7−1,7−2が積層された3層構造になっている。低密度ポリエチレン層7−1,7−2は、支持材1の形成時にスリットウェブ3と共に経緯積層される際のウェブ相互の接着層として機能する。
図3(a)に示すスリットウェブ3は、ポリオレフィン製のフィルムに、横方向(スリットウェブ3の配向軸3aの軸方向)に多数のスリットを入れた後に、横方向に一軸延伸させて形成される。詳しくは、スリットウェブ3は、上述の多層フィルムの両耳部を除く部分に、横方向(幅方向)に、例えば熱刃などにより平行に千鳥掛け等の断続したスリットを形成した後、横方向に延伸させて形成される。このスリットウェブ3は、横方向に比較的高い強度を有する。
図3(b)は、図3(a)の一点鎖線で囲んだ領域B2の拡大斜視図であり、スリットウェブ3は、高密度ポリエチレン層6’の両面に、この高密度ポリエチレン層より融点が低い低密度ポリエチレン層7−1’,7−2’が積層された3層構造からなる。これらの低密度ポリエチレン層7−1’,7−2’は、支持材1の形成時にスプリットウェブ2と共に経緯積層される際のウェブ相互の接着層として機能する。
そして、スプリットウェブ2とスリットウェブ3とを各々の配向軸が交差するように積層して熱圧着することによって一体化させる。すなわち、経緯積層されたスプリットウェブ2とスリットウェブ3の接触部位同士(低密度ポリエチレンの層同士)が熱圧着により接合され、これにより、網状不織布からなる支持材1が形成される。この支持材1は、水流絡合する際に原綿が良く絡むように、開口率50%以上であることが好ましい。開口率50%未満では、主体繊維の絡合が不十分になる可能性あり、毛羽立ち易くなる。
ここで、開口率は、50mm幅あたりの繊維本数と繊維幅(mm)の測定から、下式で算出できる。
開口率(%)=(50−MD方向の平均繊維本数×繊維幅)×(50−CD方向の平均繊維本数×繊維幅)/(50×50)×100
なお、枝繊維5の影響は、無視している。
また、中綿の柔らかさやしなやかさを損なわないために、網状不織布の目付が20g/m2以下が好ましく、中綿に十分な引張強度と縫製強度を付与するためには5g/m2以上の目付が必要になる。よって、支持材1の目付は、5g/m2〜20g/m2が好ましい。実験によると、羽毛のような柔らかさと必要な強度を両立するために、寝具の中綿に用いる場合には10g/m2〜20g/m2の目付が好ましく、また、衣服の中綿に用いる場合には5g/m2〜15g/m2の目付が好ましい。網状不織布は伸縮性を有しないものであることが、中綿としたときに寸法安定性に優れるため好ましい。
本実施形態において、支持材の少なくとも一方の面上に配置される合繊綿は、中綿の嵩高性を維持して保温性を向上させるために、繊度が1dtex〜20dtexで、合繊綿を含む層は目付が10g/m2〜100g/m2が好ましい。本実施形態において、合繊綿は、支持材の少なくとも一方の面上に配置された第1合繊綿層と、支持材の他方の面上に配置された第2合繊綿層と、を含む構成としても良い。
合繊綿の繊度が1dtex未満では十分な嵩高性が得られず、へたった状態になる。一方、合繊綿の繊度が20dtexを超えると、ごわついて肌触りが悪くなる。好ましくは、繊度が5dtex以上15dtex以下である。また、合繊綿を含む層の目付は15g/m2〜50g/m2であると、羽毛製品に近い肌触りと嵩高になり好ましい。
合繊綿は異なる2種類以上の合成繊維を含んでもよい。合繊綿を含む層は、主体繊維のみから構成してもよいが、主体繊維と繊維同士を接合させるバインダー繊維とを含んでもよい。主体繊維としては、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル繊維又はポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維が挙げられ、これらの中から任意に一あるいは二以上選択して使用することができる。中でも、羽毛代替として安価なポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維が好ましい。バインダー繊維としては、例えば、ポリエチレン(PE)/ポリプロピレン(PP)芯鞘繊維、ポリエチレン(PE)/ポリエチレンテレフタレート(PET)芯鞘繊維又は共重合ポリエチレンテレフタレート(coPET)/ポリエチレンテレフタレート(PET)芯鞘繊維等が挙げられ、安価なポリエチレン(PE)/ポリプロピレン(PP)芯鞘繊維が好ましい。
合繊綿を主体繊維とバインダー繊維を配合して用いる場合、主体繊維とバインダー繊維との配合比(質量比)は、50:50〜95:5の範囲であると、乾燥・熱処理工程において、バインダー繊維が溶融及び/又は軟化してウェブの繊維の接点同士が結合して毛羽立ちにくく、かつ、羽毛に近い柔らかさとなる。好ましくは、主体繊維とバインダー繊維の配合比(質量比)は、70:30〜90:10である。乾燥・熱処理工程の温度と主体繊維とバインダー繊維との配合比は、肌触りと嵩高を両立させるために重要で、温度が高すぎると網状不織布が収縮し、温度が低すぎると接合が不十分で毛羽立ってしまう。
例えば、支持材にポリエチレン製の網状不織布を用い、バインダー繊維にポリエチレン(PE)/ポリプロピレン(PP)芯鞘繊維を用いた場合の好ましい乾燥・熱処理の温度範囲は約135℃であった。バインダー繊維が5%より少ないと、接合が不十分になり、50%より多いと乾燥・熱処理工程でバインダー繊維が溶融及び/又は軟化するため十分な嵩高性が得られない。
支持材と合繊綿を含む層とを絡合するには、合繊綿の繊維ウェブを構成する。繊維ウェブの製造方法は、特に制限されないが、例えば図4に示すような工程で製造される。ここでは、合繊綿を含む層が主体繊維とバインダー繊維が配合して用いられる場合について説明する。まず、供給工程において、主体繊維とバインダー繊維とからなる塊状の合繊綿(原綿)が供給される(ステップST1)。次いで、開繊・混綿工程において、供給された合繊綿がほぐされると共に、均一に混ぜ合わされる(ステップST2)。続いて、カーディング工程において、均一に混ぜ合わされた合繊綿が複数のロールを通過することでシート状の繊維ウェブが形成される(ステップST3)。繊維ウェブにおける繊維の配列方向は、特に制限されず、形成される繊維ウェブは、パラレルウェブ、クロスウェブ、セミランダムウェブ、ランダムウェブなどのいずれであってもよい。
支持材と合繊綿を含む層とを絡合する方法としては、例えばニードルパンチング法、水流交絡法、エンボス処理法等のいずれにより行われてもよいが、支持材と合繊綿を含む層の構成繊維の損傷を極力避ける点から、水流交絡法により行われることが好ましい。水流交絡法を行う際の水流の圧力は、通常、1〜14MPaが好ましく、2〜10MPaがより好ましい。
以下に、本発明の実施形態において好ましい水流交絡法による絡合について、図5を参照して支持材1に繊維ウェブを水流交絡法により絡合し、支持材1と繊維ウェブとを一体化して中綿を製造する方法について説明する。この中綿の製造方法は、支持材1及び繊維ウェブを供給する供給工程、水の噴射処理を行う高圧水流絡合工程、乾燥・熱処理工程及び巻取工程を含む。
まず、供給工程においては、供給ロール41から支持材1が供給されると共に、供給ロール42a,42bから繊維ウェブ11a,11bが供給される。具体的には、繊維ウェブ11aは、支持材1の一方の面(上面)側に供給され、繊維ウェブ11bは、支持材1の他方の面(下面)側に供給される。そして、供給された支持材1、繊維ウェブ11a及び繊維ウェブ11bは、重ね合わされた状態で、すなわち、積層体43として前記高圧水流絡合工程へと搬送される。なお、ここでは、支持材1の両面(上面及び下面)側に繊維ウェブが供給されているが、支持材1の片面(上面又は下面)側のみに繊維ウェブが供給されてもよい。また、繊維ウェブ11a,11bの厚さが異なっていても構わない。
次に、高圧水流絡合工程では、移送用支持体としてのスクリーン44上で、支持材1、繊維ウェブ11a及び繊維ウェブ11bの積層体43に、高圧水流インジェクタ45から複数の細い高圧水流45aが噴射され、ストライプ状に水流絡合が行われる。この際、図6に示すように積層体43を矢印AA方向に移動させつつ、高圧水流インジェクタ45の各ノズル45−1,45−2,45−3,…から高圧水流45aを噴射する。この際、中綿の保温性向上のための嵩高性を確保するため、各絡合部の幅ΔW1,ΔW2,ΔW3,…が1〜20mm、各絡合部のピッチΔP1,ΔP2,ΔP3,…が3〜100mmとなるように高圧水流45aを調整する。
各絡合部の幅ΔW1,ΔW2,ΔW3,…は、より好ましくは1〜5mm、ピッチΔP1,ΔP2,ΔP3,…は5〜20mmである。各絡合部の幅ΔW1,ΔW2,ΔW3,…に対してピッチΔP1,ΔP2,ΔP3,…を十分に大きくすることで嵩高くなる。更に好ましくは、幅ΔW1,ΔW2,ΔW3,…が2mm〜5mm、ピッチΔP1,ΔP2,ΔP3,…が5mm〜10mmで、羽毛製品に近い中綿の嵩高性と肌触りの良さが得られた。これにより、支持材1に繊維ウェブ11a,11bが絡合されて一体化される。
水流絡合された積層体43は、次いで前記乾燥・熱処理工程へ搬送され、例えば乾燥機48によって乾燥しつつ熱処理される。ここで、前記乾燥・熱処理工程における温度を、上述した温度に調整することにより、繊維ウェブ11a,11bにおける前記バインダー繊維が溶融又は軟化して支持材1と繊維ウェブ11a,11bとの密着性を向上させることが可能である。そして、乾燥された積層体43は、前記製品巻取工程において巻取られて、中綿(製品)49となる。
中綿49は、用途に応じて一枚または複数枚重ねて使用する。そして、例えば寝具用として用いる場合、縫製した側地に中綿を充填する際に、側地の四辺または四隅を固定することで、綿ずれを抑制できる。
本発明者等は、支持材1の目付と開口率、繊維ウェブ11a,11bの主体繊維とバインダー繊維の繊度と配合比(質量比)、合繊綿の上面と下面の目付、各絡合部の幅とピッチなどを様々に変えた試料を作製し、引張強度、絡合状態、嵩高性などを測定し、評価した。図7は、評価に用いたサンプル1〜12の各データを対比して示している。
以下、本発明の内容について具体例を挙げて説明する。なお、得られた中綿の引張強度、絡合状態、柔かさ、嵩高性、及びそれらの総合評価は、以下のとおり測定した。
(引張強度)
JISL1096に準拠して縦方向、横方向の引張強度を測定した。
(絡合状態)
得られた中綿を300mm×300mmにし、両手で揉んだときの毛羽の状態を観察し、絡合状態の評価(官能評価)を以下の基準で行った。
毛羽がほとんど出ない場合:「○」
多少毛羽立つ場合:「△」
毛羽立ちが激しい場合:「×」
(柔らかさ)
得られた中綿を300mm×300mmにし、両手で揉んだときの感触にて柔らかさの評価(官能評価)を以下の基準で行った。
非常に柔らかい場合:「○」
柔らかい場合:「△」
やや硬い場合:「×」
(嵩高性)
一定荷重(20g/cm2)下で厚み(cm)を測定し、目付(g/m2)を用いて次式から算出した。
嵩高性(g/cc)=目付/厚み
(総合評価)
嵩高性の値が0.1〜0.15g/ccの範囲にあり、絡合状態と柔らかさより、「○」、「△」、「×」の3段階で評価した。
[サンプル1]
サンプル1では、支持材1として目付が15g/m2で開口率が60%のJX日鉱日石エネルギー株式会社製のCLAF(登録商標)を用いた。合繊綿の主体繊維として繊度6dtex、繊維長51mmのポリエチレンテレフタレート、バインダー繊維として繊度2dtex、繊維長51mmのポリプロピレン(PP)芯、ポリエチレン(PE)鞘の複合繊維を、それぞれ80質量部、20質量部として混合し、上記方法により目付25g/m2の繊維ウェブを製造した。
そして、上記繊維ウェブを支持材1の上面、下面に積層し、この状態で各絡合部の幅ΔW=2mm、各絡合部のピッチΔP=10mmにて、水圧5MPaの水流交絡処理を行った。そして、135℃にて乾燥・熱処理し、ストライプ状の中綿を作製した。
作製した中綿の縦方向、横方向の引張強度を測定したところ、それぞれ68N/50mm、136N/50mmと十分な強度が得られた。また、絡合状態の評価も毛羽がほとんど出ない良好な絡合であった。
更に、柔らかさの評価(官能評価)を行ったところ、非常に柔らかく羽毛に近い感触であった。
サンプル1の試料は、嵩高さの値が0.126で絡合状態と柔らかさも良好であった。この試料の目付は65g/m2、厚みは0.051cmである。
[サンプル2]
サンプル2は、サンプル1に用いた支持材と合繊綿を用い、支持材1の上面のみに合繊綿を絡合したものである。この合繊綿の目付は50g/m2にしている。他の条件はサンプル1と同様である。このときの縦方向、横方向の引張強度は、それぞれ63N/50mm、125N/50mmと十分な強度が得られた。また、絡合状態の評価も毛羽がほとんど出ない良好な絡合であった。更に、柔らかさの評価も良好であり、非常に柔らかく羽毛に近い感触であった。サンプル2は、嵩高さの値が0.130g/ccで絡合状態と柔らかさも良好であった。この試料の目付は65g/m2、厚みは0.050cmである。従って、支持材1の上面のみに合繊綿を絡合したサンプル2の中綿も、サンプル1と同様な効果が得られる。
[サンプル3]
サンプル3では、支持材1として目付が10g/m2で開口率が70%のJX日鉱日石エネルギー株式会社製のCLAF(登録商標)を用いた。合繊綿の主体繊維として繊度6dtex、繊維長51mmのポリエチレンテレフタレート、及びバインダー繊維として繊度2dtex、繊維長51mmのPP芯、PE鞘の複合繊維を、それぞれ70質量部、30質量部として混合し、サンプル1と同様の方法により目付40g/m2の繊維ウェブを製造した。
そして、上記繊維ウェブを支持材1の両面に積層し、この状態で各絡合部の幅ΔW=2mm、各絡合部のピッチΔP=10mmにて、水圧5MPaの水流絡合処理を行った。そして、135℃にて乾燥・熱処理し、ストライプ状の中綿を作製した。
サンプル1及び2と比較して支持材1の目付が小さく、かつ、開口率も大きいことから、縦方向、横方向の引張強度がそれぞれ53N/50mm、87N/50mmと多少低下するものの、絡合状態、柔らかさともに良好であり、嵩高性も0.129g/ccと十分であった。この試料の目付は90g/m2、厚みは0.070cmである。
上述したサンプル1〜3に対し、支持材1の目付、各絡合部のピッチΔP、各絡合部の幅ΔW、主体繊維とバインダー繊維との配合比、主体繊維の繊度、及び綿材の上面と下面の目付とその比などを様々に変化させた試料(サンプル4〜12)を作製し、引張強度、絡合状態、柔らかさ及び嵩高性などを調べて総合的な評価を行った。
[サンプル4]
サンプル4は、支持材1の目付を22g/m2にしたもので、他の条件はサンプル1と同様である。この条件では、支持材1の目付が大きいため、縦方向、横方向の引張強度がそれぞれ89N/50mm、196N/50mmと高くなり、絡合状態も良好であった。しかし、柔らかさが低下してやや硬くなってしまい、嵩高性は0.129g/ccと十分であったが、総合評価は低くなった。この試料の目付は72g/m2、厚みは0.056cmである。
[サンプル5]
サンプル5は、絡合部のピッチΔPを150mmにしたもので、他の条件はサンプル1と同様である。この条件では、絡合部のピッチΔPが大きいため、縦方向、横方向の引張強度がそれぞれ40N/50mm、110N/50mmと低下し、絡合状態も良くなかった。柔らかさは十分であるが、嵩高性が0.081g/ccとなってしまい、総合評価は低くなった。この試料の目付は65g/m2、厚みは0.080cmである。
[サンプル6]
サンプル6は、絡合部の幅ΔWを30mmにしたもので、他の条件はサンプル1と同様である。この条件では、絡合部の幅ΔWが大きいため、縦方向、横方向の引張強度がそれぞれ75N/50mm、150N/50mmと高く、絡合状態も良好であった。しかし、柔らかさ低下し、嵩高性が0.144g/ccとなってしまい、総合評価は低くなった。この試料の目付は65g/m2、厚みは0.045cmである。
[サンプル7]
サンプル7は、バインダー繊維を用いない、すなわち主体繊維を100%にしたもので、他の条件はサンプル1と同様である。この条件では、縦方向、横方向の引張強度がそれぞれ45N/50mm、125N/50mmと十分であった。そして、絡合状態が悪いが柔らかさは十分良好であった。嵩高性は0.105g/ccで良好であるが、絡合状態が足りないため総合評価は低くなった。この試料の目付は65g/m2、厚みは0.062cmである。
[サンプル8]
サンプル8は、サンプル7とは逆にバインダー繊維を60%に増加、すなわち主体繊維とバインダー繊維との配合比を40:60にしたもので、他の条件はサンプル1と同様である。この条件では、縦方向、横方向の引張強度がそれぞれ75N/50mm、143N/50mmと十分高く、絡合状態も良好であったが、柔らかさが足りなかった。嵩高性も0.135g/ccで要求される値を大きく超えており、総合評価は低くなった。この試料の目付は65g/m2、厚みは0.048cmである。
[サンプル9]
サンプル9は、合繊綿の原料として繊度が30dtexのポリエステルを用いたもので、他の条件はサンプル1と同様である。この条件では、縦方向、横方向の引張強度がそれぞれ83N/50mm、143N/50mmと十分高かった。絡合状態、柔らかさともに多少不十分な点はあるが、中綿としては問題ないレベルだった。嵩高性は0.100g/ccで要求される範囲内であるものの、総合評価は低くなった。この試料の目付は65g/m2、厚みは0.065cmである。
[サンプル10]
サンプル10は、綿材の上面の目付と下面の目付をそれぞれ15g/m2にしたもので、他の条件はサンプル1と同様である。このように綿材の上面の目付と下面の目付を小さくしても支持材1で補強されているため、縦方向、横方向の引張強度はそれぞれ55N/50mm、118N/50mmと十分であり絡合状態も良好であった。しかし、柔らかさが低下して嵩高性も0.113g/ccとなり、総合評価は低くなった。この試料の目付は45g/m2、厚みは0.040cmである。
[サンプル11]
サンプル11は、綿材の上面の目付を150g/m2にしたもので、下面には綿材を設けていない。他の条件はサンプル1と同様である。このように綿材を支持材1の上面のみに設けても、上面に十分な量の綿材を設けたことで、縦方向、横方向の引張強度はそれぞれ124N/50mm、203N/50mmと最も高くなったが、柔らかさは良好であるものの綿材の量が多すぎて絡合状態が悪くなった。嵩高性は0.157g/ccで要求される範囲を超えており、総合評価は低くなった。この試料の目付は165g/m2、厚みは0.105cmである。
[サンプル12]
サンプル12は、サンプル7において絡合部のピッチΔPを設けず、積層体に対して全面に水流交絡したものである。中間層である支持材が網状不織布であるため、水流が網状不織布に反射されて不織布としての地合が良くなかった。
なお、上述したサンプル4〜11は、絡合状態、柔らかさ及び嵩高性等の一つ、あるいは複数の評価が低いが、好ましい条件で作製したサンプル1〜3と対比した場合であって、適用する製品や要求される特性、コスト等に応じて採用することも可能である。
上述したように、網状不織布とその少なくとも一方の面上に合成綿を絡合によって一体化したので、芯材である支持材1と合繊綿(繊維ウェブ11a,11b)とが絡合していることで綿ずれが生じ難くキルティングが不要になる。これによって、側地の選択の自由度を高めることができる。また、支持材である網状不織布には補強効果があるため、当該中綿を寝具や衣料に用いると、嵩高性、保型性や耐洗濯性を向上できる。
以上実施形態を用いて本発明の説明を行ったが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
1…支持材
2…スプリットウェブ
2a…配向軸
3…スリットウェブ
3a…配向軸
4…幹繊維
5…枝繊維
6,6’…高密度ポリエチレン層
7−1,7−2,7−1’,7−2’…低密度ポリエチレン層
11a,11b…繊維ウェブ
41,42a,42b…供給ロール
43…積層体
44…スクリーン
45…高圧水流インジェクタ
45−1,45−2,45−3…ノズル
45a…高圧水流
48…乾燥機
49…中綿(製品)
ΔW(ΔW1,ΔW2,ΔW3)…絡合部の幅
ΔP(ΔP1,ΔP2,ΔP3)…絡合部のピッチ


Claims (8)

  1. 縦ウェブの配向軸と横ウェブの配向軸とが互いに交差するように経緯積層された網状不織布からなる支持材と、前記支持材の少なくとも一方の面上に配置された合繊綿を含む層とを含み、前記支持材と前記合繊綿を含む層とが絡合されてなる中綿であって、
    前記支持材と前記合繊綿を含む層との絡合部が所定のピッチを有したストライプ状に形成され、各絡合部の幅が前記ピッチよりも小さく、前記各絡合部の幅が1〜20mmであり、前記ピッチが3〜100mmである、中綿。
  2. 前記網状不織布は、ポリオレフィン製のフィルムを割繊・延伸し、配向軸が互いに交差するように経緯積層した不織布である、請求項1に記載の中綿。
  3. 前記合繊綿を含む層は、前記支持材の一方の面上に配置された第1合繊綿層と、前記支持材の他方の面上に配置された第2合繊綿層と、を含む、請求項1又は2に記載の中綿。
  4. 前記支持材の目付けが5〜20g/mであり、前記支持材の開口率が50%以上である、請求項1〜のいずれか一つに記載の中綿。
  5. 前記合繊綿は、その構成繊維の繊度が1〜20dtexであり、前記支持材の少なくとも一方の面上に配置された合繊綿を含む層の目付けが10〜100g/mである、請求項1〜のいずれか一つに記載の中綿。
  6. 前記合繊綿は、異なる2種類以上の合成繊維を含む、請求項1〜のいずれか一つに記載の中綿。
  7. 前記合繊綿は、主体繊維としてのポリエステル繊維又はポリオレフィン繊維と、繊維同士を接合させるバインダー繊維と、を含む、請求項1〜のいずれか一つに記載の中綿。
  8. 前記主体繊維と前記バインダー繊維との配合比(質量比)が50:50〜95:5である、請求項に記載の中綿。
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