JP4494815B2 - 油入電気機器の流動帯電診断方法および流動帯電抑制方法 - Google Patents
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Description
このようなことから油入電気機器においては、流動帯電現象が発生しないように内部を循環する絶縁油の流速を低速に設定して流動帯電現象の発生が抑制された構成となっている。油入電気機器の流動帯電現象に関しては、例えば非特許文献1に詳述されている。
流動帯電現象は、非特許文献1の71頁の第2−1−1図の流動帯電メカニズムの概念図に示されているように、電荷移動、電荷分離、電荷緩和の3つの基本過程から成り立っている。
電荷移動過程においては、絶縁油(液体)と絶縁紙(固体絶縁物)とが接していると絶縁紙に正負イオンの内一方のイオン(負イオン)が選択的に吸着され、他方のイオン(正イオン)がその近傍の絶縁油内に分布して電気二重層を形成する。電荷分布過程においては、電荷移動した状態で、絶縁油が流動すると、絶縁紙近傍の絶縁油中に分布している正イオンは、負イオンから分離されて絶縁油とともに運び去られ、絶縁油中の正負イオンがアンバランス状態になる。電荷緩和過程においては、絶縁紙に吸着されていた負イオンおよび流れ去った正イオンは互いに束縛から開放され、通電路もしくは絶縁油中において緩和し、帯電イオンは次第に電気的に中和し消滅する。
このことは巻線漏れ電流を計測することにより、流動帯電現象による油入電気機器内の放電現象を予知することが可能であることを示すものであるが、油入電気機器の運転状態では微少電流のために計測することができないので機器を停止して計測する必要がある。
また、実変圧器においてもBTAを添加した効果を示した例として、油中のBTAは徐々に絶縁物あるいは金属銅等に吸着され、経時的に減少するが、油の帯電度および誘電正接の増大が小さくなったデータが示されている。
この特許文献2の構成は、特許文献2の図1に示されているように、流動帯電発生部とその下流に設けた静電気検出部から構成される静電気監視装置を静止誘導電器(油入電気機器)のタンクの上部に近接して配置し、静電気監視装置の流動帯電発生部はタンク内に使用されているものと同じ絶縁材料でカバーされ、かつ交流電界が印加された電極間には静止誘導電器のタンク上部から流入する絶縁性液体(絶縁油)を流動させるようにし、さらに絶縁性液体の温度と流速を計測する手段を設け、これらと流動帯電発生部の交流電界の大きさから定まる許容静電気発生量と、静電気監視装置の静電気検出部で測定された静電気発生量を比較し、前者より後者の値が大きいときに警告を発する比較判定部を備え、警告が発生したとき、絶縁性液体の冷却循環回路の途中に高濃度な帯電抑制物質を含有する絶縁性液体を注入する機構を備えているものである。
しかし、実際の油入電気機器では非特許文献1に示されているように、新しく設置された油入電気機器が実使用状態になると、使用経過とともに流動帯電が増加することが示されており、経年的な流動帯電の変化は、定期的な巻線漏れ電流の測定、絶縁油の帯電度の測定、絶縁油の油中水分量、誘電正接の測定等によって把握されているが、絶縁油に含まれる成分の変化や固体絶縁物の変化に対してあまり検討されていない状況である。
このように従来の油入電気機器の経年的な流動帯電の変化に対して生成される物質が把握されないので、流動帯電に対し的確な抑制対策が実施できないという問題点があった。
油入電気機器は、流動帯電現象が生じないように絶縁油の流れを適度な流速に抑える等の設計的配慮と、充填される絶縁油は流動帯電に影響する成分が少なくなるように精製されたものが使用されているので、運転初期段階での流動帯電性が問題にはならないと思われる。しかし、運転状態に入ると充填された絶縁油に含まれた微量の硫黄化合物や窒素化合物が初期段階に含まれる微量の空気成分(酸素や窒素)と反応して硫黄酸化物や窒素酸化物となり、さらに油入電気機器内の導体材料の銅材が銅触媒として働いて反応が進んで高帯電度化物質が生成される。油入電気機器は運転時間の経過とともに流動帯電の増加現象が生じる問題がある。
この実施の形態1では、油入電気機器の実運転段階において、運転を停止することなく流動帯電性を診断する油入電気機器の流動帯電診断方法を提供するものである。
油入電気機器に充填される絶縁油は、原油の産地によってかなりの差があるが、元素の組成は次の範囲に入っている。
炭素 82〜87% 水素 11〜15%
硫黄 0.1〜5% 窒素 0.1〜5%
酸素 0.1〜2% 金属 0〜0.5%
このように原油の大部分は炭素と水素からなる石油系炭化水素である。鉱油系絶縁油に含まれる炭化水素は、極めて複雑な多くの異性体からなっているため、それぞれの化学構造を知ることは不可能であるが、主成分である炭化水素の化学構造は、鎖状につながった構造のパラフィン系炭化水素、環状につながったナフテン系炭化水素、ベンゼン環を持つ芳香族系炭化水素の3つに分類される。
原油中に含まれる非炭化水素である硫黄化合物、窒素系化合物、酸素系化合物などは、炭化水素に比べて少ないが、絶縁油の品質に大きな影響を及ぼすため精製プロセスで適度に除去されている。
チオフェン類>>スルフィド類>ジスルフィド類>メルカプタン(チオール)類
ベンゾチオフェンおよびジベンゾチオフェンとも多くの場合、鎖状炭化水素であるアルキル基がベンゼン環やチオフェン環の一部に置換している。したがって、絶縁油中に存在するチオフェン類はある程度の分子量分布をもって存在し、その組合わせも無限に近いものがある。
スルフィド化合物は2価の硫黄化合物で結合に関与しない電子(孤立電子対)が存在する。したがって、過酸化物などの活性な化合物と容易に反応し、図1(d)の4価のスルホキシド化合物や、図1(e)の6価のスルホン化合物を形成する。
油入電気機器が運転されると、図2に示すとおり、絶縁油および絶縁油中に含有する物質A(硫黄化合物、窒素化合物等)が機器内部の温度上昇による熱、絶縁油中に残存する酸素、コイル等の導電材料の銅による触媒作用等の影響を受けて物質B(硫黄酸化物、窒素酸化物等)に変化し、物質Bは銅の存在による触媒作用、銅と結合によって分子構造的に安定した金属錯体等になる。このように運転されることによる含有成分の変化によって高帯電度化物質が生成して絶縁油の帯電度が増加するものと想定される。
(1)帯電度増大をもたらす前兆物質(物質A)の明確化
(2)帯電度増大をもたらす増大物質(物質B)の明確化
(3)前兆物質から増大物質への加速要因の明確化(銅触媒、酸素、熱等の条件)
次に流動帯電現象が発生したときの抑制方法を見つけだし、その抑制方法の効果の確認をするために次の課題を解決する必要がある。
(4)前兆物質から増大物質への変化の抑制方法の創出とその効果の確認
(BTA、DBPCの添加等とその効果の確認)
(5)増大物質の除去方法の確立(油入電気機器の油処理)
(6)前兆物質、増大物質の分析方法の確立
(1)試験条件
・試験油:アルキルベンゼン
鉱物油系の絶縁油は多種類の微量成分が含まれているので、絶縁油そのものを用いて微量成分に関する試験を行うのは試験精度が低下するので、鉱物絶縁油と同じような分子量および特性を示す合成油としてアルキルベンゼンとした。(アルキルベンゼンは炭化水素のみで構成されているので、硫黄系、窒素系、酸素系の微量成分の添加精度が高くなる。
・試験容器:内容積450〜500ml(ml=ミリリットル)、ベロー付き。
試験油に帯電度に影響する物質を添加し、内部にガス空間を確保できることと密閉状態での温度変化に耐えることを考慮してベロ−付き構造とした。図3に試験容器の構成を示す。
・試料の構成:酸素の添加のために空間を設ける場合は試験油を450ml、空間を50mlとし、内部には巻線材料を模擬する銅線を直経1mm、長さ9.5mとした。この銅線の表面積は約300cm2であり、絶縁油100mlに対して66cm2である。
空間を設けない場合は試験油を450mlとした。
・加熱条件:加熱温度・・120℃、加熱時間・・最長450Hr
・帯電度測定器:非特許文献1の135頁第7−2−5図のミニ静電テスタを使用した。その構成図を図4に示す。試験方法は1つの試料油につき1枚のフィルタで4回測定し、1回目を除く3回の平均値を帯電度とし、20℃に換算する。
・物質添加の条件:絶縁油中に含まれる成分の添加試験に使用した化合物の一覧表を図5に示す。図5は実施の形態2以降の実施の形態での試験に使用した化合物も含めて示している。硫黄化合物については、通常の鉱物絶縁油に含まれる平均的な硫黄化合物濃度の硫黄分換算で86ppmになるようにアルキルベンゼンに溶解させた。
銅化合物については、銅濃度が10ppmになるようにし、酸素化合物、窒素化合物では官能基(炭化水素以外の構成要素)が86ppmになるように添加して溶解させた。
・流動帯電現象に影響を与える酸素および銅触媒の条件:次の条件を設定し条件毎に添加試験を実施した。
条件1:酸素および銅触媒を含まない系
条件2:酸素を含み銅触媒を含まない系
条件3:酸素を含まず銅触媒を含む系
条件4:酸素および銅触媒を含む系
硫黄化合物:スルフィド類、ジスルフィド類、スルホキシド類、スルホン類、チオフェン類、チオール類等。
絶縁油中に含まれるスルフィド類の上記図5に示すスルフィド類について上記試験条件により、加熱試験を実施し加熱後の試験油の帯電度を評価した。
下記の実験データ1は、試験油のアルキルベンゼンにスルフィド類を添加しないブランクテストである。スルフィド類の代表としてヘプチルスルフィドの場合を実験データ2、ドデシルスルフィドの場合を実験データ3に示す。図5に示すスルフィド類のヘプチルスルフィド、ドデシルスルフィド以外についても同様に試験を行っている。その各スルフィド類の加熱試験の加熱100時間後の帯電度と分子量(炭素数)との関係を実験データ4に示す。
試験結果を図6に示す。
試験結果は、酸素および銅触媒の条件に対して、帯電度はほとんど増加していない。
スルフィド類硫黄化合物の加熱試験の代表例としてヘプチルスルフィド620ppmをアルキルベンゼンに添加し、上記試験条件で450時間加熱し、加熱後の帯電度の変化を求めた加熱試験結果を図7に示す。
その結果は次の通りである。
条件1:酸素および銅触媒を含まない系:帯電度の増加が少ない。
条件2:酸素を含み銅触媒を含まない系:帯電度の増加は微量である。
条件3:酸素を含まず銅触媒を含む系:帯電度が急速に増加している。
条件4:酸素および銅触媒を含む系:帯電度が急速に増加している。
この結果から、ヘプチルスルフィドは酸素によってヘプチルスルフィドの酸化生成物が生成され、この酸化生成物が帯電度の増加に影響していることと、銅触媒の関係については単に触媒として作用する場合と、ヘプチルスルフィドの酸化生成物と銅が結合して高帯電度化物質が生成したと推定される。
スルフィド類硫黄化合物の加熱試験の代表例としてドデシルスルフィド1000ppmをアルキルベンゼンに添加し、上記試験条件で450時間加熱し、加熱後の帯電度の変化を求めた加熱試験結果を図8に示す。
その結果は次の通りである。
条件1:酸素および銅触媒を含まない系:帯電度の増加が少ない。
条件2:酸素を含み銅触媒を含まない系:帯電度は漸増する傾向である。
条件3:酸素を含まず銅触媒を含む系:帯電度が増加している。
条件4:酸素および銅触媒を含む系:帯電度が急速に増加している。
この結果から、ドデシルスルフィドは酸素によって酸化生成物のドデシルスルホキシドが生成され、このドデシルスルホキシドが帯電度の増加に影響していることと、銅触媒の関係については触媒としての作用が大きい場合と、ドデシルスルホキシドと銅が結合して高帯電度化物質が生成したと推定される。
図5の試験に使用した化合物一覧表のスルフィド類について、上記と同様に加熱試験を実施し、酸素、銅触媒ありの条件での結果について、横軸に炭素数(分子量)、縦軸に加熱時間100時間後の帯電度として示したものであり、図9のような関係になっている。
その状況はスルフィド化合物の中でも炭素数の少ない(分子量が小さい)メチルスルフィドやエチルスルフィドでは加熱試験での顕著な帯電度の増加はみられない。また、炭素数が14のテトラデシルスルフィドでも顕著な帯電度の増加はみられない。
炭素数と帯電度との関係は、炭素数7〜8のヘプチルスルフィドやオクチルスルフィドを頂点として、炭素数が少ない場合および炭素数が多い場合の両サイドで低くなる結果となっている。
また、炭素数8付近が頂点となる理由としては、メチルやエチルの場合は絶縁油と親和性のあるアルキル基が小さいので、絶縁油の相溶性に難がある点が原因と推定される。一方、炭素数が増えるとアルキル基の立体障害によって硫黄原子の酸化などの反応が阻害されるためと推定される。(表現上は直線的な構造としているが、実際は炭素間は109°の角度をもって結合しているので、分子は折れ曲っており、その折れ曲りによってアルキル基が硫黄原子の周辺を覆うようになる。)つまり、絶縁油との相溶性と立体障害による反応性の阻害の両面から、炭素数8が頂点となると推定される。
図9のスルフィド類の分子量と炭素数の関係に、ジスルフィド類の分子量または炭素数と帯電度の関係を加えた状態を図11に示す。◆はスルフィド類で、□はジスルフィド類である。ジスルフィド類はスルフィド類と同様2価の硫黄化合物であるが、化合物内への酸素の取込みが少ないために高帯電度物質にならないものと推定される。
スルフィド類は絶縁油に対する酸化防止作用があり、過酸化物中の酸素を分子内に取り込んで酸化劣化の伝播を阻害する働きがあるが、ジスルフィド類は過酸化物やラジカルなどによって分解するといわれており、両者の違いは次のような式で表される、ジスルフィド類が分解して生成したチオイルラジカルが硫化腐食に関与すると推定される。
RSR’ + R”OOH → RSOR”+ R”OH
RSSR’+ R”OOH → RSSR’+ R”O・ + ・OH
→ RS・ + R’S・ + R”OOH
(R、R’、R”はアルキル基、・はラジカル)
また、硫黄の結合からみてもS−S結合は2.04ÅとC−S結合の1.78Åよりも長いので切れやすいと推定される。
スルホキシドは次のような式で表されるスルフィドの酸化生成物であり、スルフィドが直接酸素と反応するというよりも過酸化物の酸素と反応してスルホキシドになると考えられる。スルフィドは2価の硫黄化合物であり、スルホキシドは4価の硫黄化合物である。
R2S + R’OOH → R2S = O + R’OH
スルフィド スルホキシド
R2S = O + R’OOH → R2SO2 + R’OH
スルホキシド スルホン
図12はスルホキシド類のブチルスルホキシドの加熱試験の結果である。試験条件は実験データ2と同じ条件である。
結果は酸素と銅触媒の双方が存在しない場合には帯電度の増加は少ないが、銅触媒が共存する系では帯電度の増加がみられる。この結果からブチルスルホキシドは銅触媒により高帯電度化物質への変化が大きくなると推定される。
図13は常温でブチルスルホキシドを添加したアルキルベンゼンの帯電度の添加濃度依存性を示すものである。スルホキシド類そのものが高帯電度化物質である場合、常温でスルホキシド類を添加しただけでアルキルベンゼンの帯電度は増加するはずであるが、添加濃度依存性はみられるものの、900ppmまで添加しても140pC/ml程度と、スルフィド類の加熱試験でみられたような1000pC/mlを超すようなレベルとはなっていなので、高帯電度化物質はスルホキシドそのものではないと推定できる。
ブチル系のスルフィド類、スルホキシド類、スルホン類の比較実験を上記した試験条件の加熱試験結果の帯電度の増加が顕著な酸素と銅触媒の両者の共存系で比較表示した経時変化を図14に示す。
加熱75時間後の帯電度、100時間後の帯電度は、ブチルスルフィド、ブチルスルホキシドともに増加しているが、ブチルスルホキシドの方がブチルスルフィドよりも高い傾向がみられ、ブチルスルホンは帯電度が増加していない。このことは前述のようにスルホキシド自身は高帯電度化物質ではないが、酸素や銅触媒の共存下では、スルフィド化合物よりも高帯電度化物質になりやすいと推定される。
実験データ6に示す加熱試験時の酸素の有無によるブチルスルフィド、ブチルスルホキシド、ブチルスルホンそれぞれについて添加した場合の加熱100時間後の銅溶解量を図15に示す。ブチルスルホキシドが酸素ありで溶解量が大きく、酸素なしで酸素ありの1/2前後である。ブチルスルフィドは酸素の有無に関係なくブチルスルオキシドの酸素なしと同程度である。
スルホン類は次のような式で表されるスルホキシド類の酸化生成物である。スルホキシド類にしてもスルホン類にしても元の化合物はスルフィド類である。スルホキシド類が生成する場合と同様にスルホキシド類が直接酸素と反応してスルホン類になるというよりも過酸化物の酸素と反応してスルホキシド類がスルホン類になると考えられる。スルフィド類は2価、スルホキシド類は4価であるが、スルホン類は6価の硫黄化合物である。スルホン類の場合、硫黄原子が6価であるので、更なる負荷反応を行うことはできない。
R2S + R’OOH → R2S = O + R’OH
スルフィド類 スルホキシド類
R2S = O + R’OOH → R2SO2 + R’OH
スルホキシド類 スルホン類
絶縁油中に含有する硫黄化合物の主成分はチオフェン類であり、そのチオフェン類のベンゾチオフェンを添加した加熱試験の結果を図17に示す。試験条件は実験データ2と同一である。加熱時間450時間では帯電度が100〜200pC/mlに収斂し増加傾向はみられない。また、銅触媒の影響を受け難い物質と考えられる。
チオール類は絶縁油中の硫黄化合物の中では比較的少量の部類に属する。化学式は図1(g)に示すとおりであり、破線で囲んだ部分はスルフィド化合物と類似している。硫黄原子の一方は水素原子と結合しているが、スルフィド化合物に似たような特性を示す可能性がある。図18はチオール類のオクタンチオール390ppmを添加した加熱試験の酸素、銅触媒ありの試験結果である。
結果は、加熱時間100時間で帯電度は2000pC/mlと初期値から2桁上昇している。
図19はチオール類の炭素数(または分子量)と帯電度の関係を示す図である。データ数が少ないが、スルフィド類と同様に、炭素数8のオクタンチオールが頂点となるような傾向を示している。スルフィド類のブチルスルフィドでは帯電度の増加がみられるのにチオール類のブタンチオール(炭素数4)は加熱時間100時間で帯電度は負極性を示している。アルキル基の長いtドデカンチオール(炭素数12)は加熱時間が経過しても帯電度の増加がない結果となっている。オクタンチオール(炭素数8)の帯電度が大きくなるのは、スルフィド類と類似している。スルフィド類(R−S−R’)とチオール類(R−S−H)は類似しており、R’の部分がHに置き変わっているものがチオール類であり、帯電度の増大に関与することと類似している。
絶縁油中には硫黄化合物よりも少量ではあるが、窒素化合物が含まれている。鎖状炭化水素と結合した窒素化合物は少ないとされ、インドール類、イミダゾール類、ピリジン類、キノリン類、カルバゾール類などの芳香族環を有する化合物に大別される。
<実験データ13>
図20はインドール類のインド−ル718ppmを絶縁油中に添加した加熱試験の結果を示す。試験条件は実験データ2と同一である。
試験結果は、高帯電度化を示さず。逆に100時間加熱すると負極性を示し、硫黄化合物のスルフィド類とは様相が異なっている。
<実験データ14>
絶縁油の新油中に存在する酸素化合物は極めてわずかであるが絶縁油が酸化劣化すると、アルコール、アルデヒド、ケトンや有機酸といった酸素化合物が生成する可能性がある。種々の酸素化合物について添加試験を行ったが、帯電度の増加につながる化合物はみられなかった。詳細データは省略する。
以上の通り、絶縁油中に存在する可能性のある含有物質について、酸素の有無、銅触媒の有無を組合せた各条件で加熱試験を実施した結果、油入電気機器内部の酸素、銅触媒のある条件での加熱試験では、スルフィド類、とその酸化生成物のスルホキシド類およびチオール類の加熱試験において帯電度が大きくなっているデータが得られている。それ以外の物質についての帯電度レベルは低い結果である。
このような結果から、油入電気機器の通常絶縁油中に含まれる硫黄成分量を基準とし、絶縁油中に存在する可能性のある物質を指標物質とし、予め指標物質について絶縁油の帯電度に関与する状態を物質毎に調査してこれを基準とし、油入電気機器から充填された絶縁油を抽出し、抽出した絶縁油中に含有する物質を分析し、流動帯電現象に関与する物質の存在の有無と、存在した場合の上記基準値のレベルとを対比することで油入電気機器を停止することなく流動帯電化現象の診断が可能となる。
実施の形態1では、油入電気機器に充填される絶縁油中に含まれる物質の酸素、銅触媒による高帯電度化の様相について示したが、高帯電度化に関与する物質が検出された場合や、高帯電度化が進行していることが判明した場合には、高帯電度化を抑制することが必要となる。この実施の形態2は、高帯電度化の抑制方法を示すものである。
油入電気機器の高帯電度化を抑制するためにBTA(ベンゾトリアゾール)が充填されているが、これは絶縁紙に吸着して、絶縁紙表面への負電荷の電荷移動を抑制する効果があることと、銅の表面を不活性にする働きがあることで充填されているものである。
BTAが硫黄化合物であるスルフィド類の高帯電度化に対してどの程度の抑制効果があるかについて加熱試験を実施した。図21はスルフィド類のドデシルスルフィド1000ppmとBTAを30mg/1を添加した場合の加熱試験の結果である。試験条件は実験データ2と同一である。
この結果は、酸素、銅触媒の有無に関係なく帯電度は低くなっている。
BTAが硫黄化合物であるスルフィド類の高帯電度化に対してどの程度の抑制効果があるかについて加熱試験を実施した。図22はスルフィド類のヘプチルスルフィド620ppmとBTAを30mg/1を添加した場合の加熱試験の結果である。試験条件は実験データ2と同一である。
この結果は、酸素、銅触媒の有無に関係なく帯電度は低くなっている。
DBPCが硫黄化合物であるスルフィド類の高帯電度化に対してどの程度の抑制効果があるかについて加熱試験を実施した。図23はスルフィド類のヘプチルスルフィド620ppmとDBPCを3000mg/lを添加した場合の加熱試験の結果である。試験条件は実験データ2と同一である。
この結果は、酸素、銅触媒の有無に関係なく帯電度の増加傾向はみられない。これはDBPCがスルフィドの酸化反応を抑制しているものと推定される。
BTAまたはDBPCを硫黄酸化物のスルホキシド類のブチルスルホキシドに添加した場合に高帯電度化に対してどの程度の抑制効果があるかについて加熱試験を実施した。図24はスルホキシド類のブチルスルホキシド450ppmとBTAを30mg/lまたはDBPCを3000mg/lを添加した場合の加熱試験の結果である。試験条件は実験データ2と同一である。
この結果は、BTA、DBPCの添加がない場合は、帯電度の顕著な増加がみられたのに対して、BTAを添加した場合には帯電度の増加がなく、DBPCの添加では帯電度がBTAまたはDBPCの添加がない場合と同レベルまでの帯電度の増加がみられた。
この実験データでは、BTAがスルホキシドの帯電度の増加抑制に効果的であるが、DBPCはスルフィドがスルホキシドに変化する反応が抑制されるが高帯電度の抑制効果はみられない。
インドール類窒素化合物の加熱試験は実施の形態1の実験データ13に示しているが、これは高帯電度化を示さず、逆に100時間加熱すると負極性を示し、硫黄化合物のように高帯電度化する物質でないことを示したが、同じ窒素化合物のイミダゾール類、キノリン類、カルバゾール類などについても加熱試験を行った。
<実験データ19>ベンゾイミダゾールの加熱試験
図25はイミダゾール類のベンゾイミダゾール362ppmを絶縁油中に添加した加熱試験の結果を示す。試験条件は実験データ2と同一である。
試験結果は、加熱時間の経過とともに負極性に帯電する結果となっている。
<実験データ20>8ヒドロキシキノリンの加熱試験
図26は8ヒドロキシキノリン891ppmを絶縁油中に添加した加熱試験の結果を示す。試験条件は実験データ2と同一である。
試験結果は、加熱初期は正極性を示しているが、加熱時間が経過すると負極性に転じている。
窒素化合物の添加により流動帯電性を検討する場合、帯電度が0pC/ml近辺であることが好ましく、負極性が大きくならないように添加量を厳密にすることが重要である。
実施の形態1では、流動帯電現象の原因となる物質の性状を説明して流動帯電の診断方法を示し、実施の形態2では、油入電気機器に充填された絶縁油が高帯電度化により帯電度が高くなったときの抑制方法について示したが、この実施の形態3では、絶縁油中の帯電度を大きくする物質の除去方法について示す。
絶縁油の流動帯電現象は、硫黄化合物のスルフィド類やその酸化物である硫黄酸化物のスルホキシド類の高帯電度化物質が関与している。この高帯電度化物質を除去することができれば、油入電気機器の流動帯電を抑制することができる。
<実験データ19>絶縁油中の高帯電度化物質の除去処理実験
上記の3種類の吸着剤を100℃で24時間加熱乾燥し、乾燥した吸着剤を45g秤量し、300mlの絶縁油中に入れて遮光状態で1時間攪拌してろ過し、その後真空脱気し、非特許文献1に示されたミニ静電テスタで帯電度を測定した。
絶縁油はアルキルベンゼンを用い、高帯電度化物質のスルホキシド類のドデシルスルホキシドを1037ppm添加し、100時間加熱試料、250時間加熱試料、450時間加熱試料を準備し、それぞれの加熱試料は2タンクとし、個別に帯電度を測定した後、2タンクを混合して吸着剤で高帯電度化物質の除去処理を行った。
参考のためにドデシルベンゼン1037ppm添加のアルキルベンゼンに酸素の有無、銅触媒の有無を組み合わせ条件で行った加熱試験のデータを図27に示す。各吸着剤の種類毎の処理前後の帯電度の比較データを図28に示す。また、帯電度および油中溶解の銅量の測定結果を図29に示す。図30は図29のデータを図示したものである。図31は各吸着剤の処理前の帯電度と、加熱時間100時間、250時間、450時間後における各吸着剤の処理後の帯電度の変化を示すグラフである。
活性白土、活性炭および分析試験用シリカゲルの順でいずれの吸着剤でも高帯電度化物質の除去効果がみられた。
効果の程度は活性白土で処理したものは初期の絶縁油の帯電度よりも低い値を示し、活性炭で処理したものは初期の絶縁油の帯電度とほぼ同等の値を示し、シリカゲルの場合、初期の帯電度よりも1桁程度高い値を示している。
油入電気機器の流動帯電は、油入電気機器内のプレスボードや絶縁紙の固体絶縁物と絶縁油との間で生じる。内部導体の表面を覆う絶縁紙やコイルと鉄心またはタンクとの間には位置されるプレスボードの絶縁物は、いずれもセルロースを主成分とする材料であり、経年変化によって劣化が進行し、表面の酸化や内部に存在する物質の吸着による経年変化によって高帯電度化が進行する。固体絶縁物の絶縁紙、プレスボードの経年変化要因としては、セルロースの酸化と油中成分の絶縁物表面への吸着が考えられる。
セルロースが酸化する場合一部の水酸基がアルデヒド基を経てカルボキシル基に変化する。水酸基は酸素原子と水素原子から成り立っていて、酸素が負に、水素が正に分極し、分極の程度は〔水酸基<アルデヒド基<カルボキシル基〕の順になっている。分極の大きなものほど負電荷を取り込む力が強くなるので帯電しやすくなる。
絶縁紙やプレスボードが酸化して生成されるアルデヒド基やカルボキシル基は絶縁油中にも溶解していくので、絶縁油中のアルデヒド基濃度、カルボキシル基濃度を検出し、これを指標値として、限界値を設定しておくことで、油入電気機器の固体絶縁部分の流動帯電の診断を行うことができる。
図33は絶縁油の帯電度を調べる静電ミニテスタの静電気発生部に使用している濾紙にそれぞれ帯電度特性が異なる絶縁油を含浸した後の帯電特性である。横軸は含浸油の帯電度で、縦軸は次式で表せる絶縁物の帯電率の増減率である。
絶縁物帯電度増減率=(A−B)/B
A:絶縁油が含浸した濾紙を静電気発生部としたときの帯電度
B:新品濾紙を静電気発生部としたときの帯電度
この方法では、予め油入電気機器内部の状況と、含浸油の関係を等価性がある状態にデータを整理しておくことにより、油入電気機器の流動帯電診断を行うことができる。
図34は油入電気機器から採取した絶縁油中の溶存窒素ガス濃度とスルホキシド/スルフィドの関係を示す。このデータでは窒素ガス濃度が高いとスルホキシド/スルフィドが大きくなる傾向である。
Claims (1)
- 油入電気機器に充填された絶縁油中に存在する硫黄化合物、硫黄化合物の酸化により生成された硫黄酸化物、窒素化合物、窒素化合物の酸化により生成された窒素酸化物が絶縁油中に存在する金属との錯体反応で生成した硫黄酸化物もしくは硫黄酸化物の金属錯体、窒素化合物もしくは窒素酸化物の金属錯体、および絶縁物中に存在するアルデヒド基濃度、カルボキシル基濃度を検出し、上記アルデヒド基濃度とカルボキシル基濃度とを流動帯電性の指標とし、上記油入電気機器およびその内部の固体絶縁物の流動帯電性を診断することを特徴とする油入電気機器の流動帯電診断方法。
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