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JP4994899B2 - 油入電気機器の流動帯電診断方法 - Google Patents

油入電気機器の流動帯電診断方法 Download PDF

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Description

本発明は、油入電気機器に使用される絶縁油の流動により発生する流動帯電の診断方法、および流動帯電の抑制方法に関するものである。
変圧器等の油入電気機器に生ずる流動帯電現象は、絶縁および冷却のために使用される電気絶縁油(以下、絶縁油という。)などの絶縁液体が、絶縁紙等の固体絶縁物と接触したときに生ずる静電気現象であり、帯電が進行した場合には内部放電が発生し、電気機器の不具合に繋がる可能性がある。
従来、流動帯電を診断する手法として、非特許文献1に記載されているように、巻線漏れ電流を測定し、変圧器の流動帯電特性を診断する手法、および絶縁油の帯電度または誘電正接等の帯電特性を診断する手法等が用いられてきた。
変圧器の巻線漏れ電流の測定については、非特許文献1の142ページから144ページに記載されている。絶縁油が変圧器内を流動すると、一般に固体絶縁物が負に、絶縁油が正に帯電する。所定台数のポンプで絶縁油を循環させたときに、高圧巻線の中性点に流れ込む電流を測定し、その測定電流の大きさから巻線漏れ電流を測定し、変圧器の健全性を評価する。ただし、この方法は変圧器が運転停止中でないと測定できないという問題点がある。
絶縁油の帯電度を測定する方法についても、非特許文献1の133頁〜142頁に複数の方法が記載されており、その一つとして、ミニ静電テスタを利用する測定方法がある。ミニ静電テスタによる帯電度の測定においては、紙フィルターに一定量の試料油を通過させ、このとき静電気発生部にて発生した電流、またはファラデーケージに流れ込む電流を測定し、その測定電流の大きさから絶縁油の帯電度の大きさを評価している。なお、帯電度の大きさとしては、一般に、電流を単位時間あたりの試料油の流量で除算した電荷量で評価することが多い。
一般には、新油の帯電度は経年油に比べると低い。例えば、非特許文献1の148頁、第7−3−11図には、絶縁油の帯電度の経年的増加傾向が示されている。また、そこでは、変圧器の据付け時における絶縁油の帯電度の管理値が200pC/ml、変圧器稼働中における絶縁油の帯電度が500pC/mlとそれぞれ規定されている。新油の帯電度が低く、年数が経過すると帯電度が増加するのは、絶縁油中の何らかの成分が変質するためと考えられる。
そこで、絶縁油中に含まれる特定成分に着目し、その特定成分の酸化等によって生成される生成物を把握することにより流動帯電を診断する方法として、特許文献1では、硫黄化合物などの油中微量成分に着目した流動帯電診断方法が記載されている。すなわち、特許文献1では、以下のような内容を含む従来技術が開示されている。(1)油入電気機器内の絶縁油中に存在する硫黄化合物、窒素化合物、硫黄化合物の酸化反応生成物、窒素化合物の酸化反応生成物、およびそれらの金属錯体、を指標物質として、採取された絶縁油から検出された指標物質毎の含有量と、予め調査された指標物質毎の含有量に応じた帯電度と、を対比することにより、流動帯電性の現状レベルを診断する。(2)硫黄化合物等を含有する絶縁油に、ベンゾトリアゾール(BTA)およびジターシャリーブチルパラクレゾール(DBPC)を添加することにより、流動帯電の抑制をはかる。(3)硫黄化合物等を含有する絶縁油に、インドール類窒素化合物、カルバゾール類窒素化合物、およびキノリン類窒素化合物のうち少なくとも一つを添加することにより、流動帯電の抑制をはかる。(4)(1)に記載した硫黄化合物等を吸着除去して、流動帯電の抑制をはかる。
特開2005−223104号公報 電気協同研究、第54巻、 第5号(その1)、「油入変圧器の保守管理」電力用変圧器保守管理専門委員会著、社団法人電気共同研究会、平成11年2月25日発行
しかしながら、上記従来の技術によれば、以下に述べるような問題があった。従来の流動帯電の診断方法では、非特許文献1に記載されているように、実際に運転している油入電気機器から採油し、帯電度を測定する方法が最も多く用いられているが、これは現状の帯電度を評価するものであり、帯電度の将来動向に関しては検討されることはなかった。
また、特許文献1に記載された絶縁油中の微量成分から帯電度を検討する試みにおいても、現状の帯電度を評価するためのものであり、帯電度の将来動向に関しては検討されることはなかった。
また、従来の流動帯電の抑制方法では、流動帯電抑制をはかるための物質を絶縁油に添加した試験に基づいたもので、セルロース製絶縁物の共存下での検討がなされていなかった。セルロース製絶縁物は、例えば油入変圧器における巻線の導体表面を覆う絶縁紙等として使用されている。このようにセルロース製絶縁物が共存するという条件下では、セルロース製絶縁物が存在しない条件下では流動帯電抑制効果が認められた物質でも、条件によっては帯電度が増加する場合もあるという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、油入電気機器内の絶縁油に含まれる微量成分の変化と動向を予測することで、それに伴う帯電特性の将来動向を診断し、また、微量成分の制御によって、帯電度増加の抑制をはかることが可能な油入電気機器の流動帯電診断方法および流動帯電抑制方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる油入電気機器の流動帯電診断方法は、内部に絶縁油が充填された油入電気機器の流動帯電性を診断する方法であって、前記絶縁油に含まれる硫黄化合物の濃度および前記硫黄化合物の酸化物である硫黄酸化物の濃度をそれぞれ測定し、硫黄酸化物濃度と、(硫黄酸化物濃度)/(硫黄化合物濃度+硫黄酸化物濃度)とのある時点における関係に基づいて、前記絶縁油の帯電特性の評価およびその経時変化の将来予測を行うことを特徴とする。
本発明によれば、油入電気機器内の絶縁油に含まれる硫黄化合物の量から、帯電度の将来動向が予測でき、かつ流動帯電の効果的な抑制がはかれる、という効果を奏する。
以下に、本発明にかかる油入電気機器の流動帯電診断方法および流動帯電抑制方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態が適用される絶縁油中に含まれると想定される硫黄化合物とその帯電特性を示す図である。図1では、絶縁油の帯電度増加に最も大きな影響を及ぼすと考えられるスルフィド(R1−S−R2)と、スルフィドを出発物質として生成され、絶縁油中に存在すると考えられる各種の硫黄化合物が示されている。
帯電度増大のキー物質と考えているスルホキシド(R1−SO−R2)は、ある濃度までは時間とともに増加すると想定されるが、さらに時間が経過すると別の物質に変化する可能性がある。
後述するように、現時点でスルホキシドから変化する別の物質と想定されるのは、スルホキシドが陽イオンを分子内に取り込んだスルホニウムイオン(R1−SOH+−R2)もしくは不活性と考えられるスルホン(R1−SO2−R2)、または絶縁油が負帯電性を示すスルホン酸(R1−SO3H)が想定される。また、図1では、スルホキシドからスルホニウムイオンに至る変化を、他とは異なり、点線の矢印で示しているが、これは実際の高帯電化物質としてスルホニウムイオンが想定されるものの、実際に単離して定量分析することが困難であることを表している。また、コイル等の導電材料である銅の存在により、スルフィドまたはスルホニウムイオンが銅と結合し、スルフィドまたはスルホニウムの銅錯体が生成され、これらの銅錯体が絶縁油中に存在し、帯電度に影響を及ぼすと考えられる。
絶縁油中に含まれるスルフィドは、酸化劣化の抑制作用があるとして、ほぼ全銘柄(少なくとも国内で精製される絶縁油の全銘柄)中には含有されている。その量は銘柄によって、異なる。
図2は、初期のスルフィド濃度が高い場合における、硫黄化合物の経時変化と帯電度の関係を示す図である。図3は、初期のスルフィド濃度が低い場合における、硫黄化合物の経時変化と帯電度の関係を示す図である。
図2では、段階1でのスルフィド濃度が3000ppmとなっている。これは、初期スルフィド濃度が高い場合の例であり、スルホキシドに変換される資源としてのスルフィドが十分に保有した状態にあると考えられる。したがって、高帯電度化するだけの十分なポテンシャルがあると考えられ、スルフィドからスルホキシドが生成され、スルホキシドの濃度が増大するにつれて帯電度も増大する。なお、経時的に増加すると想定される帯電度は矢印付の曲線(この場合、ほぼ直線となっている。)で示されている。また、段階が進むにつれて、生成されたスルホキシドからスルホン酸が生成されている。
一方、図3では、初期スルフィド濃度は500ppmであり、図2の場合に比べて六分の一である。図3に示すように、途中段階まではスルホキシドの濃度が増大しているが、段階の後半(段階4以降)では供給できるスルフィドが少なくなり、スルホキシドからスルホン酸への変換も同時に起こるので、スルホキシド濃度はある段階から減少に転ずると考えられる。したがって、帯電度は大きくは増大せず、一定レベルに到達した後、減少に転ずると推定される。なお、初期には増大し、ある段階で頭打ちとなってその後減少すると想定される帯電度は矢印付の曲線で示されている。
スルホキシドは帯電度と相関があるため、スルホキシドの濃度はその濃度が測定された時点における絶縁油の帯電度の指標を与える。また、スルフィドはスルホキシドを生成する原物質である。そのため、スルホキシドが少なくても、スルフィドが多いと、今後さらに高帯電度化が進む可能性がある。図2および図3において、絶縁油中に一定量の濃度のスルホキシドが生成された場合、図2でのスルホキシド濃度/(スルフィド濃度+スルホキシド濃度)は、図3での(スルホキシド濃度)/(スルフィド濃度+スルホキシド濃度)よりも小さい。例えば、図2の段階2では、スルホキシドの濃度は200ppm程度であり、(スルホキシド濃度)/(スルフィド濃度+スルホキシド濃度)=200/3000=0.067程度であるのに対して、図3の段階4では、スルホキシドの濃度は200ppm程度であり、(スルホキシド濃度)/(スルフィド濃度+スルホキシド濃度)=200/450=0.44程度となっている。上述のように、図2では、段階2以降、帯電度は増大すると予測されるが、図3では、段階4以降、帯電度は減少すると予測される。そこで、(スルホキシド濃度)/(スルフィド濃度+スルホキシド濃度)を調べることによって、今後さらに高帯電度化が進むかどうかの判別が可能となる。
図2および図3に示された傾向に基づいて、スルホキシド濃度と、(スルホキシド濃度)/(スルフィド濃度+スルホキシド濃度)とに基づいて、絶縁油の帯電特性に関する状態を5つの領域に分類したものが図4である。図4では、横軸は油中スルホキシド濃度(ppm)、縦軸は(油中スルホキシド濃度)/(油中スルフィド濃度+油中スルホキシド濃度)である。図4に基づく帯電度の予測は以下のように行われる。
領域I−1は、低帯電度領域である。すなわち、絶縁油中のスルホキシド濃度が低いので、帯電度も低い。
領域II−1は、今後、帯電度の増加が予測される。すなわち、領域II−1では、スルホキシドの濃度も領域I−1よりは高く、すでに帯電度も高い傾向にあるが、(油中スルホキシド濃度)/(油中スルフィド濃度+油中スルホキシド濃度)は、0.4以下と低いため、スルホキシドを生成する油中スルフィドの量が相対的に多く、今後、帯電度が増加すると予測される。
領域III−1は、今後、帯電度の減少が予測される。すなわち、領域III−1では、スルホキシドの濃度も領域I−1よりは高く、すでに帯電度も高い傾向にあるが、(油中スルホキシド濃度)/(油中スルフィド濃度+油中スルホキシド濃度)は、0.4以上と高いため、スルホキシドを生成する油中スルフィドの量が相対的に少なく、今後、スルホキシドがスルホン酸等に変換されて減少すれば、帯電度が減少すると予測される。
領域IV−1は、今後、帯電度の増加が予測される。すなわち、領域IV−1では、スルホキシドの濃度は領域II−1よりさらに高く、帯電度も領域II−1より高い傾向にあるが、(油中スルホキシド濃度)/(油中スルフィド濃度+油中スルホキシド濃度)は、0.4以下と低いため、スルホキシドを生成する油中スルフィドの量が相対的に多く、今後、さらに帯電度が増加すると予測される。
領域V−1は、今後、帯電度の減少が予測される。すなわち、領域V−1では、スルホキシドの濃度も領域II−1よりさらに高く、帯電度も領域II−1より高い傾向にあるが、(油中スルホキシド濃度)/(油中スルフィド濃度+油中スルホキシド濃度)は、0.4以下と低いため、スルホキシドを生成する油中スルフィドの量が相対的に少なく、今後、スルホキシドがスルホン酸等に変換されて減少すれば、帯電度が減少すると予測される。
図5は、油中スルホキシド濃度と体積抵抗率との関係を用いた帯電度の診断を行うための図であり、帯電度の将来動向を図4とは別の見方で診断した図である。図5に示すように、油中スルホキシド濃度(ppm)を横軸、体積抵抗率(Ωcm 常温0分)を縦軸とし、帯電度(pC/ml)の範囲に応じて、測定結果がプロットされている。前述のように、スルホキシドはさらに別の物質に変化している可能性があり、実際の高帯電度物質は例えばスルホニウムイオンと考えられるが、実際に単離して定量分析することは難しい。しかしながら、スルホニウムイオンの構成要因として、次の条件が挙げられる。すなわち、陽イオンを取り込むスルホキシドが存在すること、および取り込まれるプロトンなどの陽イオンが油中に存在することである。そこで、絶縁油中のスルホキシド濃度が高く、かつ、陽イオンが多い場合には、高帯電度化しやすいと想定される。絶縁油中のスルホキシドについては、微量成分分析で確認可能である。また、油中の陽イオン(イオン性物質)については、誘電正接または体積抵抗率などの特性から推定することが可能である。したがって、図5において、帯電度の予測は以下のように行われる。
領域I−2は、低帯電度領域である。すなわち、油中スルホキシド濃度が低く、帯電度が低くなっている。体積抵抗率が高いので、油中の陽イオンも少ないと推定される。
領域II−2は、体積抵抗率が低いので、油中の陽イオンも多いと推定される。油中スルホキシドの濃度が多い場合には、今後、帯電度の増加が予測される。
領域III−2は、現に帯電度が高く、場合によっては今後さらに帯電度の増加が予測される。すなわち、油中スルホキシド濃度は高く、また、体積抵抗率は低いため、絶縁油中に存在する陽イオンは多いと推定される。
領域IV−2は、測定点は存在しないが、油中スルホキシド濃度は高く、帯電度は高い領域である。体積抵抗率は高いため、絶縁油中に存在する陽イオンは少ないと推定される。
以上の本実施の形態では、絶縁油中のスルフィド、スルホキシド、スルホンおよびスルホン酸を実際に測定する必要があるが、抽出および分析の例として以下の方法が挙げられる。
1.油中スルフィドの測定
金属塩を担持したシリカゲルなどの吸着剤でスルフィドを抽出する。ガスクロマトグラフまたは液体クロマトグラフにより吸着剤から脱着させたスルフィドを定量する。
2.油中スルホキシドおよび油中スルホンの測定
両者は極性があるので、シリカゲルで抽出する。ガスクロマトグラフまたは液体クロマトグラフにより吸着剤から脱着させたスルホキシドおよびスルホンを定量する。
3.油中スルホン酸の測定
酸性を示すので、アルカリブルー6Bなどの指示薬の色変化で定量する。
本実施の形態によれば、スルホキシド濃度と、(スルホキシド濃度)/(スルホキシド濃度+スルフィド濃度)とに基づいて、絶縁油の帯電度の評価およびその経時変化の将来予測を行うことができる。また、体積抵抗率または誘電正接と、スルホキシドの濃度とにより、高帯電化の原因物質の一つとされるスルホニウムイオンの濃度変化を予測することができるので、絶縁油の帯電度の将来動向を予測することができる。
なお、本実施の形態では、スルフィド、スルホキシド等を例に説明したが、帯電度特性について同様の関係にある他の硫黄化合物、硫黄酸化物、に対しても、本実施の形態にかかる流動帯電診断方法を適用することができる。さらに、帯電度特性について同様の関係にあれば、硫黄化合物、硫黄酸化物に限らず、他の化合物に対しても本実施の形態を適用することができる。
実施の形態2.
図6は、油入電気機器の運転年数と、(スルホキシド濃度)/(スルフィド濃度+スルホキシド濃度)に運転年数を乗じた値と、の関係を示す図である。以下では、(スルホキシド濃度)/(スルフィド濃度+スルホキシド濃度)を変換率ともいう。本実施の形態では、スルホキシド濃度と、変換率に運転年数を乗じた値と、に基づいて、帯電特性の現状と将来動向を予測する。
実施の形態1で述べたように、絶縁油中にスルフィドが多いと、スルホキシドは比較的長期間にわたる増加を示すが、少ない場合には、減少に転ずる場合がある。図6に示すように、絶縁油中の初期スルフィド濃度が比較的低い1400ppmの場合には、運転年数が30年を経過した頃から、変換率×運転年数の値は減少に転じている。一方、絶縁油中の初期スルフィド濃度が1400ppmよりも高い他の場合には、データが取得されている運転年数40年まで増加し続けている。また、例えば、変換率×運転年数=2.0に対して、初期スルフィドの濃度が1400ppmから5000ppmに大きくなるにつれて、対応するプロットにおける運転年数も増大している。例えば、初期スルフィドの濃度が1400ppmの場合には、運転年数は10年程度であるのに対して、初期スルフィドの濃度が5000ppmの場合には、運転年数は18年程度である。これは、初期スルフィドの濃度が5000ppmの場合のほうが、初期スルフィドの濃度が1400ppmの場合よりも、変換率が小さく、かつ運転年数が長いことを意味しているが、このように、変換率×運転年数を考察することにより、すでに経過した運転年数の効果を加味することができる。
図7は、図6の関係を考慮し、スルホキシド濃度と、変換率に運転年数を乗じた値との関係を用いて、帯電特性の現状および将来動向を予測する診断図である。横軸は、油中スルホキシド濃度(ppm)、縦軸は、変換率×運転年数であり、油中に銅成分が存在する場合と存在しない場合のそれぞれに対して、帯電度の値に応じて測定結果がプロットされている。診断は以下のように行われる。
領域I−3は低帯電度領域である。すなわち、油中スルホキシド濃度は低い。
領域II−3では、今後、帯電度の増加が予測される。すなわち、油中スルホキシド濃度も領域I−3における値よりも高く、一方、運転年数を考慮した変換率×運転年数の値は低いため、高帯電度化する可能性を備えている。この領域では、油中スルホキシドの濃度がそれほど高くなくても、変換率が低いか、運転年数が短いか、またはその両者が満たされている。
領域III−3では、今後、帯電度の減少が予測される。この領域における油中スルホキシド濃度の範囲は、領域II−3における油中スルホキシド濃度の範囲と同じである。一方、変換率×運転年数は、一定値の油中スルホキシド濃度に対して、より大きい値となっている。この領域では、変換率が高いか、運転年数が長いか、またはその両方が満たされている。
領域IV−3では、今後、帯電度の増加が予測される。すなわち、油中スルホキシド濃度も領域II−3における値よりも大きく、変換率×運転年数の値も小さいため、高帯電度化する可能性を備えている。
領域V−3では、今後、帯電度の減少が予測される。この領域では油中スルホキシド濃度は高いが、変換率×運転年数の値も大きい。
本実施の形態においては、油中スルホキシド濃度と、変換率に運転年数を乗じた値と、に基づいて、絶縁油の帯電度の評価およびその経時変化の将来予測を行うことができる。
実施の形態3.
本実施の形態では、変圧器等で使用される絶縁紙等のセルロース製絶縁物の共存下において、絶縁油中に含まれる硫黄化合物、硫黄化合物の酸化物等の分子構造、反応性、イオンへの解離性等に基づいて、帯電度特性を診断する方法について説明する。本発明の効果を確認するための実験では、セルロース製絶縁物に対しては、負電荷と正電荷の双方が帯電しうることを実験的に確認した。絶縁物が負に帯電する場合には、絶縁油が正に帯電する。一方、絶縁物が正に帯電する場合には、絶縁油が負に帯電する。
絶縁油の負帯電の例としては、オクチルスルホン酸を添加したアルキルベンゼンが挙げられる。また、絶縁油の大きな正帯電の例としては、オクチルスルフィドまたはオクチルスルホキシドを添加し酸素および銅触媒共存下で加熱したアルキルベンゼンが挙げられる。上述の例を一般化すると次のようなメカニズムが想定される。
絶縁油の主成分は炭化水素であり、さらに詳しくは、化学式Cn2n+2で表わされる鎖状炭化水素(パラフィン)、化学式Cn2nで表わされる飽和環状炭化水素(ナフテン)、およびベンゼン環またはナフタレン環を有する芳香族からなる。化学式Cn2n+1をアルキル基と称し、ナフテン環にアルキル基が付加したものをアルキル置換ナフテン、芳香族環にアルキル基が付加したものをアルキル置換芳香族と称している。
絶縁油の主成分の分子量は220〜300程度である。絶縁油の主成分以外の成分に対して、他の極性基が存在する場合でも絶縁油の分子量に相当するアルキル基が共存する場合には、親油性がある。一方、アルキル基が小さい場合には、親油性が小さく、油中で異相として析出するか、容器壁に付着するなどして、油中には均一な状態では、存在しない可能性が高い。
前述の例に挙げたように、オクチルスルホン酸を添加した場合には、絶縁油が負に、セルロース製絶縁物が正に帯電する。オクチルスルホン酸は分子量194で、C816SO3Hという構造を有する。このオクチルスルホン酸は、イオン式量193のC816SO3 -とイオン式量1のH+とに解離する。C816SO3 -は、親油性を示すアルキル基が大きいので(この場合、C816)、油中で安定に存在する。一方、H+は親油性を示すアルキル基が存在しないので、油中では安定には存在しない。
一方、セルロース製絶縁物は、分子内に極性を有する水酸基を多く含んでおり、無極性の絶縁油とは、分子構造の様相が異なる。また、分子構造が平面ではないので、立体障害等の影響を受けるため、分子量の大きい物質は吸着しにくいと考えられる。
前述のオクチルスルホン酸の場合、解離したH+は極性面およびイオン式量の双方から
セルロースに帯電しやすいと考えられる。そのため、負電荷は油中に残りやすく、正電荷がセルロース製絶縁物に吸着しやすいので、絶縁油は、比較的大きな負帯電状態となる。
また、前述の例に挙げたように、オクチルスルフィドを添加し酸素および銅触媒共存下で加熱した場合には、絶縁油は正に、絶縁紙は負に帯電する。オクチルスルフィドは、化学式がC816SC816であり、2価の硫黄化合物の両端にアルキル基が配置された構造を有する。この2価の硫黄化合物は容易に酸素を取り込む能力を備えている。そのため、オクチルスルフィドは酸化されると、4価の硫黄化合物であるスルホキシドになる。
実験結果によると、オクチルスルホキシド自体の帯電度は、ベース油のアルキルベンゼンよりも少し高い程度であり、顕著な高帯電度を示すとはいえないレベルである。しかしながら、銅触媒共存下などで加熱すると、加熱前と比較して、1〜2桁程度の高帯電度化がみられた。これには、次のようなメカニズムが想定される。
一般的にスルホキシド類には、H+等を分子内に取り込んでイオン化する作用があり、H+等を取り込んだものをスルホニウムイオンと称している。なお、H+のみならず、R+(Rはアルキル基)等を取り込んだものも同様にスルホニウムイオンと呼ばれている。スルホニウムイオンは、オクチルの場合、比較的長いアルキル基を有しているので、大きな親油性を示す。また、スルホニウムイオンは正の電荷を有しているので、オクチルスルホン酸の場合とは逆に、絶縁油が正に帯電する。なお、この場合の負電荷としては水分子が解離した水酸イオンなどが想定される。
塩酸または水をオクチルスルホキシドが共存するアルキルベンゼンに添加すると、比較的大きな帯電度となっていることから、オクチルスルホキシドが塩酸または水から解離したH+を取り込んでオクチルスルホニウムを形成して、高帯電度化していることを実験的に確認した。
以上説明した、オクチルスルホン酸と、オクチルスルフィドおよびオクチルスルホキシドの例を併せて検討すると次のように一般化できる。
絶縁油中に含まれる主成分以外の成分において、正電荷のイオンと、負電荷のイオンとに着目する。そして、正電荷のイオンが備える親油基の分子量の大きさと、負電荷のイオンが備える親油基の分子量の大きさとを比較し、(正電荷のイオンが備える親油基の分子量の大きさ)>(負電荷のイオンが備える親油基の分子量の大きさ)の場合、絶縁油が正に帯電する。一方、(負電荷のイオンが備える親油基の分子量の大きさ)>(正電荷のイオンが備える親油基の分子量の大きさ)の場合、絶縁油が負に帯電する。なお、解離したH+のように、もともと親油基を備えない場合には分子量の大きさを0として比較する。(正電荷のイオンが備える親油基の分子量の大きさ)/(負電荷のイオンが備える親油基の分子量の大きさ)>>1の場合は大きな正帯電性を示し、(正電荷のイオンが備える親油基の分子量の大きさ)/(負電荷のイオンが備える親油基の分子量の大きさ)≒1の場合はほとんど帯電しない。
また、(負電荷のイオンが備える親油基の分子量の大きさ)/(正電荷のイオンが備える親油基の分子量の大きさ)>>1の場合は大きな負帯電性を示し、(正電荷のイオンが備える親油基の分子量の大きさ)/(負電荷のイオンが備える親油基の分子量の大きさ)>1の場合は負帯電性を示し、(正電荷のイオンが備える親油基の分子量の大きさ)/(負電荷のイオンが備える親油基の分子量の大きさ)≒1の場合はほとんど帯電しない。上述のように、親油基は、例えばアルキル基である。
対象とする油中成分としては、油中で正電荷を有するものとして、例えば、上述のスルホニウムおよびスルホニウムの生成母体であるスルホキシド、また、窒素化合物であるピリジニウムなどの正電荷を有するイオンおよびそれらの生成母体である塩基性窒素化合物が挙げられる。一方、油中で負電荷を有するものとして、例えば、スルホン酸、有機酸、非塩基性窒素化合物等が挙げられる。
本実施の形態によれば、絶縁油中の主成分以外の成分である、硫黄化合物およびその酸化物、ならびに、窒素化合物およびその酸化物等に対して、酸性/塩基性、イオンへの解離性、反応性等に基づき、さらに、正電荷のイオンおよび負電荷のイオンがそれぞれ備える親油基の分子量の大きさを比較することにより、絶縁油の帯電特性を診断することができる。
実施の形態4.
一般に、絶縁油中に存在するスルフィド化合物およびスルホキシド化合物は、異なる分子構造を備えた多くの化合物の集合体である。そのため、例えばガスクロマトグラフを利用して、絶縁油を成分分析し、例えばスルフィド化合物およびスルホキシド化合物を含むプロファイルを取得することにより、以下の推定ができる。
炭素数が一定のスルフィドが酸化してスルホキシドが生成した場合、スルホキシドの分子量はもとのスルフィドに対して16だけ増加する。一方、さらに酸化が進んで、スルホンが生成する場合、スルホキシドの分子量はもとのスルフィドに対して32だけ増加する。したがって、スルフィドとスルホキシドの分子量分布を調べた際に、16だけの相違であれば、スルホキシドの生成が予測され、32の増加であれば、スルホンまで進んでいる可能性がある。
なお、図8は、ガスクロマトグラフを利用し分析を行ったスルフィドとスルホキシドのプロファイルの一例を示す図である。横軸はガスクロマトグラフの保持時間であり、分子量に換算して表されている。縦軸はその保持時間に存在するスルフィドまたはスルホキシドの存在する割合(頻度)である。
このように、絶縁油に含まれる成分の分子量分布を測定し、分子量分布から特定される硫黄化合物およびその酸化物である硫黄酸化物のそれぞれの分子量の差に基づいて、絶縁油の帯電特性の評価を行うことができる。例えばスルフィドからスルホキシドおよびスルホンへの移行は、運転年数などの条件によって異なるために、分子量の差分のほかにそれらの存在量の比率等も考慮すると、絶縁油の帯電特性を精度よく評価することができる。
実施の形態5.
流動帯電の抑制には、従来、ベンゾトリアゾール(BTA)などの絶縁油への添加、または白土などの吸着剤を用いた処理が検討されてきた。
しかしながら、BTAの添加、または白土を用いた処理には以下に示すような問題がある。BTAは、絶縁紙の表面に吸着して、絶縁表面への負電荷の電荷移動を抑制する効果があると考えられている。流動帯電のメカニズムについては、実施の形態3で説明したように考えられるので、BTAの添加は、解離したH+を取り込んだ絶縁油が負帯電化されるような作用によって、帯電度を低下させる場合があるが、H+が消耗した場合に、効果がなくなると想定される。白土を用いた場合、極性物質の除去によって、体積抵抗率が上昇し、電荷緩和が起こりにくくなり、帯電した電荷の蓄積による帯電特性の悪化が懸念される。
本実施の形態では、種々のタイプのイオン交換樹脂またはイオン交換膜の選択によって、高帯電度に影響を及ぼすイオンのみを除去して、高帯電化の抑制をはかる。また、ある特定のイオンを絶縁油に添加して、帯電特性のバランスを保つことによって、高帯電化の抑制をはかることができる。
実施の形態6.
従来、ベンゾトリアゾール(BTA)などの絶縁油への添加によって、帯電度の抑制がはかられてきた。そして、絶縁油とBTAのみの状態では、長期間にわたる流動帯電抑制の効果が期待できる。しかしながら、セルロース系絶縁材料の例えばプレスボードが共存するような系においては、図9に示すように、ある時期から帯電度が急増するという実験結果が得られた。そのため、BTAの効果の持続性に問題があることがわかった。図9は、銅触媒、酸素共存の条件下で加熱した場合において、オクチルスルホキシドが添加されたアルキルベンゼンの帯電度の経時変化を示した図であり、BTAの添加量と、プレスボード(PB)の有無により、複数の曲線が描かれている。横軸は加熱時間(hr)を、縦軸は帯電度(pC/ml)を表す。
そこで、スルフィドおよびスルホキシドを含有した絶縁油に、フェノール系の物質を添加したところ、プレスボードが共存する系における帯電度は、BTAを添加した場合のような大きな帯電度の増加を示さないことが実験的に確認された。特に、フェノール化合物の分子量が、絶縁油の主成分の分子量と同程度である場合に、高帯電度化の抑制により効果がある。本実施の形態は、プレスボード共存下で、スルフィドおよびスルホキシド等の硫黄化合物および硫黄化合物の酸化物を含む絶縁油に、その分子量が絶縁油の主成分の分子量相当であるフェノール化合物を添加することにより、絶縁油の帯電度を抑制する。
絶縁油の主成分の分子量に相当する分子量を有するフェノール化合物の作用としては、スルフィドの酸化によるスルホキシドへの移行を阻害していること、さらには、分子量がBTAよりも大きいので、負電荷としての帯電が起こりにくいこと、が考えられる。
なお、実施の形態1〜6で説明した流動帯電の診断方法および抑制方法を利用した装置を構成することで、診断および抑制を自動化することができる。
以上のように、本発明にかかる油入電気機器の流動帯電診断方法および流動帯電抑制方法は、変圧器等に使用される絶縁油の帯電特性の評価およびその将来動向の予測、ならびに、流動帯電の効果的な抑制に有用である。
実施の形態1が適用される絶縁油中に含まれると想定される硫黄化合物とその帯電特性を示す図である。 初期のスルフィド濃度が高い場合における、硫黄化合物の経時変化と帯電度の関係を示す図である。 初期のスルフィド濃度が高い場合における、硫黄化合物の経時変化と帯電度の関係を示す図である。 実施の形態1において、スルホキシド濃度と、(スルホキシド濃度)/(スルホキシド濃度+スルフィド濃度)とにより、絶縁油の帯電特性に関する状態を5つの領域に分類した図である。 油中スルホキシド濃度と体積抵抗率との関係を用いた帯電度の診断を行うための図である。 油入電気機器の運転年数と、(スルホキシド濃度)/(スルフィド濃度+スルホキシド濃度)に運転年数を乗じた値と、の関係を示す図である。 実施の形態2において、スルホキシド濃度と、変換率に運転年数を乗じた値との関係を用いて、帯電特性の現状および将来動向を予測する診断図である。 ガスクロマトグラフを利用し分析を行ったスルフィドとスルホキシドのプロファイルの一例を示す図である。 プレスボード(PB)の有無およびBTAの添加量に応じて、オクチルスルホキシドが添加されたアルキルベンゼンの帯電度の経時変化を示した図である。

Claims (5)

  1. 内部に絶縁油が充填された油入電気機器の流動帯電性を診断する方法であって、
    前記絶縁油に含まれる硫黄化合物の濃度および前記硫黄化合物の酸化物である硫黄酸化物の濃度をそれぞれ測定し、硫黄酸化物濃度と、(硫黄酸化物濃度)/(硫黄化合物濃度+硫黄酸化物濃度)とのある時点における関係に基づいて、前記絶縁油の帯電特性の評価およびその経時変化の将来予測を行うことを特徴とする油入電気機器の流動帯電診断方法。
  2. 内部に絶縁油が充填された油入電気機器の流動帯電性を診断する方法であって、
    前記絶縁油に含まれる硫黄化合物の濃度および前記硫黄化合物の酸化物である硫黄酸化物の濃度をそれぞれ測定し、硫黄酸化物濃度と、(硫黄酸化物濃度)/(硫黄化合物濃度+硫黄酸化物濃度)×(前記油入電気機器の運転年数)とのある時点における関係に基づいて、前記絶縁油の帯電特性の評価およびその経時変化の将来予測を行うことを特徴とする油入電気機器の流動帯電診断方法。
  3. 前記硫黄化合物はスルフィドであり、前記硫黄酸化物はスルホキシドであることを特徴とする請求項1または2に記載の油入電気機器の流動帯電診断方法。
  4. 内部に絶縁油が充填された油入電気機器の流動帯電性を診断する方法であって、
    前記絶縁油に含まれる硫黄酸化物の濃度および前記絶縁油の体積抵抗率または誘電正接を測定し、硫黄酸化物濃度と、体積抵抗率または誘電正接とのある時点における関係に基づいて、前記絶縁油の帯電特性の評価およびその経時変化の将来予測を行うことを特徴とする油入電気機器の流動帯電診断方法。
  5. 前記硫黄酸化物はスルホキシドであることを特徴とする請求項4に記載の油入電気機器の流動帯電診断方法。
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