JP4484330B2 - 異方性光散乱フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示装置(面型表示装置)を均一発光させるのに有用な異方性光散乱フィルム、その製造方法及び前記フィルムを用いた表示装置に関する。より詳細には、透過型又は反射型液晶表示装置やプロジェクションテレビに有用な異方性光散乱フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置などの面型表示装置(照明装置)としては、例えば、液晶表示モジュールの背面に光反射層を形成し、フロント面から入射した光を光反射層で反射する反射型の表示装置が知られている。また、液晶表示モジュールの背面又は側方に蛍光管を配設したバックライト型(透過型)の表示装置が知られている。なお、側方に蛍光管を配設する場合、側方からの蛍光管の光を正面方向に出射するための導光板が、液晶表示モジュールの裏面に配設されている(特開平10−333141号公報)。
【0003】
しかし、このような液晶表示装置では、表示画像の均一性が低い場合がある。例えば、前記特開平10−333141号公報に記載の表示装置を用いると、この公報の図14、図15及び図16から明らかなように、蛍光管の長手方向に対して直交する方向においては、輝度分布が不均一であり、輝度が大きくばらつく。
【0004】
そのため、蛍光管からの光や、光反射層で反射した光を拡散して輝度を均一化するための光散乱フィルム(拡散フィルム)が用いられることが多い。光散乱フィルムとしては、透明で耐熱性の高いポリカーボネートフィルムやポリエステルフィルムをベースとして、これらのフィルムに屈折性微粒子(樹脂ビーズ)や透光性無機微粒子をコーティング又は含有させた光散乱フィルムが使用されている。
【0005】
これら光散乱フィルムは、近年、バックライト型液晶表示装置のバックライト用光散乱フィルムとして需要が高まってきている。バックライト用光散乱フィルムは、通常、バックライト(冷陰極管)と液晶層との間に設けられ、冷陰極管から発射した光を均一化する。しかし、光散乱が大き過ぎると、十分な発光輝度が得られない。そこで、光散乱フィルム(拡散板)と液晶層との間にプリズムレンズなどの光学素子を設けて、拡散光を屈折させ、光を液晶表示面に垂直に入射させることにより、輝度を向上させている。
【0006】
例えば、拡散板を備えた面型表示装置(すなわち、画像表示領域がフラット(平面)な表示装置)(平面型表示装置)として、図4に示されるような装置が知られている。この装置は、面型表示モジュール45(特に透過型液晶表示モジュール)と、このモジュールを背面側から照明するための単数又は複数の蛍光放電管(冷陰極管)41とを有している。前記蛍光放電管41の背面側には背面方向への光を反射するための反射板42が配設され、蛍光放電管41とモジュール45との間には光を拡散してモジュール45を均一に照明するための拡散板43が配設され、前記拡散板43のモジュール側にはプリズムシート44が積層されている。この面型表示モジュール45は、液晶表示モジュールの場合、第1の偏光フィルム46a、第1のガラス基板47a、このガラス基板に形成された第1の電極48a、この電極上に積層された第1の配向膜49a、液晶層50、第2の配向膜49b、第2の電極48b、カラーフィルター51、第2のガラス基板47b、および第2の偏光フィルム46bを順次積層することにより形成されている。このような表示装置では、内蔵された蛍光管(冷陰極管)41により表示モジュールを背面から直接照射できる。しかし、拡散板(光散乱フィルム)を用いても、蛍光管の長手方向の発光分布(輝度分布)は均一であるものの、前記長手方向と直交する方向には発光分布のむらが生じ、縞模様が観測される場合がある。
【0007】
また、導光板を用いる装置は、例えば、図4の面型表示装置において、バックライト部分に、図5に示されるバックライトユニットを用いることにより構成できる。このバックライトユニットは、蛍光管(冷陰極管)51と、この蛍光管に平行する反射基材55とを備えており、蛍光間からの光射出方向には、上部に拡散板53が配設され、下部に反射板52を備えた導光板54が配設されている。なお、前記導光板54の下部は傾斜しており、蛍光間からの光を上部方向に反射可能である。導光板の上部方向から射出した光は、前記拡散板53で拡散された後、この拡散板に積層されている面型表示モジュール(図示せず)に入射する。
【0008】
このようなバックライトユニットを用いると、前記図4のバックライトユニットに比べ、一見したところ均一に面発光可能であるように見えるが、発光分布状態を細部に亘って調べると未だ不均一である。すなわち、図6及び図7に示されるように、蛍光管(冷陰極管)51の長手(軸)方向(x方向)の発光分布(輝度分布)は、図4の装置同様、少ないものの、前記x方向と直交するy方向への蛍光管(冷陰極管)の光は、反射板52により、反射を繰り返しながらxy平面と直交するz方向(液晶表示モジュールが配設されている方向)に向かうため、y方向の発光分布(輝度分布)に、未だむらが生じ(ギザギザ状)、均一性が不十分である。
【0009】
このように、通常のバックライト型表示装置においては、蛍光管の長手方向(X方向)に直交する方向の発光分布(輝度分布)が不均一であり、発光分布に縞状の方向性(線状暗部)が生じる。また、微粒子を含有する光散乱フィルムを用いても、このフィルムは光散乱性が等方性であるため、特定の方向(蛍光管の配設方向、縞方向、X方向)の輝度を必要以上に低下させる。
【0010】
また、特開平11−142843号公報には、導光板の表面に光を散乱するためのドットパターンを、光源に直交して列状に形成することが記載されている。しかし、この装置を用いても、蛍光管の配設方向に線状暗部(縞模様)が観測される。
【0011】
特開平7−261171号公報には、一対のガラス基板と、これらガラス基板の対向面に形成された電極と、これらの電極間に封入された液晶と、前記一対のガラス基板のうち外側表面に積層された偏光フィルムとを備えた反射型液晶表示装置であって、前記偏光フィルム表面に、屈折率の異なる2種以上の樹脂を互いに相分離状態で混合分散させた光散乱層を設けた反射型液晶表示装置が開示されている。この文献には、二種以上の樹脂を溶剤中で混合して偏光フィルムに塗布又は印刷し、光散乱層を形成することが記載されている。
【0012】
さらに、反射型液晶表示装置(又は反射型液晶表示モジュール)として、図8に示す装置(又はモジュール)も知られている。すなわち、この反射型表示モジュールは、一対のガラス基板81a,81bと、このガラス基板の対向面に形成された電極82a,82bと、一対の電極間に介在する液晶87とを備えており、バック側のガラス基板81aに形成された電極82aは、光反射性を有する画素電極を構成し、フロント側のガラス基板81bと電極82bとの間にはカラーフィルタ84が介在している。さらに、フロント側のガラス基板81bのフロント面には、偏光層85を介して位相差層86が積層されている。そして、このような反射型液晶表示モジュールでは、フロント面(位相差相86のフロント面)に拡散板83が積層され、反射型液晶表示装置を構成している。反射型液晶表示装置では、1つの偏光層85が液晶セルのフロント側に位置しているため、ランプ内蔵型の透過型表装置(バックライト型液晶表示装置)と異なり、装置のフロント面から入射する入射光(外光)は、前記拡散板83で拡散されて液晶セル内に入射するとともに、液晶セル内の反射性電極(反射板)82aにより反射され、拡散板83を通じて拡散される。このため、ランプ(ライト)を装備することなく、外光を利用して輝度を低下させることなく、表示モジュールによる表示データをどの角度からも鮮明に視認できる。
【0013】
しかし、反射型液晶表示装置では、拡散板の光拡散能が大き過ぎると、入射光と反射光とが拡散板で大きく乱反射されるため、表示データの鮮明性が低下する場合がある。
【0014】
一方、特開平4−314522号公報には、透明マトリックス中に、異方的形状を有し、かつこの透明マトリックスと異なる屈折率の透明物質が、秩序よく互いに平行移動した位置関係で、均質に分散している異方的光散乱材料が記載されている。この文献には、異方的形状の透明物質の粒子径が、0.5〜70μmを有し、アスペクト比が10以上、好ましくは15〜30である異方的光散乱材料が、プロジェクションテレビのスクリーン用レンチキュラーレンズとして有用であることが開示されている。さらに、透明マトリックス樹脂としての低融点の低密度ポリエチレンと、透明物質としてのポリスチレンやスチレン−アクリロニトリル共重合体とを混練し、生成した樹脂組成物を押出し、押し出されたシート状の溶融樹脂を押出し方向に強く引き取り延伸をかけながら冷却する方法により、アスペクト比約10〜25、短軸径約1〜2μmの光散乱性フィルムを製造している。
【0015】
しかし、この異方的光散乱材料を前記バックライト型表示装置に適用しても発光分布の均一性が不十分である。また、この異方的光散乱材料の耐熱性も不十分である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、輝度の低下を抑制し、高い精度で均一に面発光可能な異方性光散乱フィルム、その製造方法及び前記フィルムを用いた表示装置(特に、液晶表示装置)を提供することにある。
【0017】
本発明の他の目的は、光源からの発光分布(輝度分布)に異方性があっても、簡便に均一な面発光できる異方性光散乱フィルム、その製造方法及び前記フィルムを用いた表示装置(特に液晶表示装置)を提供することにある。
【0018】
本発明のさらに他の目的は、透明性が高いにも拘わらず、光散乱の異方性にも優れている異方性光散乱フィルム、その製造方法及び前記フィルムを用いた表示装置(特に、透過型液晶表示装置)を提供することにある。
【0019】
本発明の別の目的は、表示データの鮮明性を維持でき、表示指向性の強い反射型液晶表示装置を提供することにある。
【0020】
本発明のさらに別の目的は、光散乱の異方性や耐熱性に優れているレンチキュラーレンズを提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、発光分布の異方性(方向性)がある投光手段と光拡散フィルムとを備えた液晶表示装置において、散乱角θ=4〜30゜において、フィルムの一方の方向の光散乱特性Fx(θ)と、この方向と直交する方向の光散乱特性Fy(θ)との割合が、出射光の輝度分布の均一化に大きな影響を与えること、散乱角θ=4〜30゜においてFy(θ)/Fx(θ)>5であると、表示画像の輝度を低下させることなく、輝度分布を均一化できることを見いだし、本発明を完成した。
【0022】
すなわち、本発明の異方性光散乱フィルムは、入射光を光の進行方向に散乱可能であり、散乱角θと散乱光強度Fとの関係を示す散乱特性F(θ)において、フィルムのX軸方向の散乱特性をFx(θ)、Y軸方向の散乱特性をFy(θ)とするとき、θ=4〜30゜の範囲で下記式を充足している。
【0023】
Fy(θ)/Fx(θ)>5
このフィルムは、互いに屈折率が0.001以上異なる連続相と粒子状分散相とで構成でき、分散相粒子の平均アスペクト比は1より大きく(例えば、5〜500程度)、かつ分散相粒子の長軸方向がフィルムのX軸方向に配向していることが多い。分散相粒子の短軸の平均長さは、0.1〜10μm程度であってもよい。このようなフィルムを用いると、光を高い異方性で拡散できるため、発光分布の異方性(方向性)がある投光手段(管状の投光手段など)を用いても、輝度の低下を生じることなく、発光分布を均一化できる。
【0024】
前記連続相及び分散相を構成する樹脂としては、透明な樹脂が使用でき、例えば、連続相は結晶性オレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂など)で構成してもよく、分散相は非晶性ポリエステル系樹脂で構成してもよい。異方性光散乱フィルムは、さらに相溶化剤(エポキシ化ジエン系ブロック共重合体など)を含有していてもよい。連続相と分散相との割合は、例えば、前者/後者=99/1〜50/50(重量比)程度であり、分散相と相溶化剤との割合は、例えば、前者/後者=99/1〜50/50(重量比)程度である。フィルムの表面には、フィルムのX軸方向に延びる凹凸部を形成してもよい。
【0025】
前記フィルムは、連続相を構成する樹脂と分散相を構成する樹脂とを溶融混練して押出し、分散相を配向させるための配向処理することにより調製できる。配向処理には、例えば、ドローしながら製膜する方法、固化したフィルムを一軸延伸(ロール圧延など)する方法等が含まれる。配向処理(例えば、前記延伸処理)は、分散相を構成する樹脂の融点又はガラス転移温度以上の温度で行ってもよい。
【0026】
本発明には、表示モジュールと、この表示モジュールの背面に配設されかつ前記モジュールに光を照射するための管状の投光手段と、この投光手段よりも前方に配設された前記異方性光散乱フィルムとで構成された表示装置も含まれる。光散乱フィルムは、前記投光手段の長手方向にX軸方向を向けて配設されている。また、本発明は、前記光散乱フィルムが配設された反射型液晶表示表示装置であってもよく、前記光散乱フィルムで構成されたプロジェクションテレビ用レンチキュラーレンズであってもよい。
【0027】
なお、本明細書において、「フィルム」とは厚さの如何を問わず、シートを含む意味に用いる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の異方性光散乱フィルムは、入射光を主として光の進行方向に散乱可能であり、かつ以下に示す散乱光異方性を有している。すなわち、散乱角θと散乱光強度Fとの関係を示す散乱特性F(θ)において、フィルムのX軸方向(フィルムの縦方向又は引き取り方向)の散乱特性をFx(θ)、前記X軸方向と直交するY軸方向の散乱特性をFy(θ)としたとき、下記式(1)、好ましくは下記式(2)を充足している。
【0029】
F1=Fy(θ)/Fx(θ)>5 (但し、θ=4〜30゜) (1)
F2=Fy(θ)/Fx(θ)>10 (但し、θ=2〜30゜) (2)
なお、F1=Fy(θ)/Fx(θ)の値は、通常、10〜500、好ましくは15〜500、さらに好ましくは50〜500(例えば、100〜400)程度であり、このような値は、散乱角θ=4〜30°に限らず散乱角θ=4〜15°における値であってもよい。また、F2=Fy(θ)/Fx(θ)の値は、通常、15〜500、好ましくは20〜500(例えば、20〜400)程度であり、このような値は、散乱角θ=4〜30°に限らず散乱角θ=4〜15°における値であってもよい。
【0030】
なお、特開平4−314522号公報に記載されている光拡散性フィルムにおいて、分散粒子の長軸に垂直な平面における散乱角度θに対する光散乱特性(強度)をFy(θ)とし、分散粒子の長軸に平行な平面における散乱光の散乱角度θに対する光散乱特性(強度)をFx(θ)としたとき、散乱角度θ=4゜において、Fy(θ)とFx(θ)との比(Fy(θ)/Fx(θ))は約2である。
【0031】
Fy(θ)/Fx(θ)で表される異方性に関する係数F1が5以下では、フィルムを、管状の投光手段(発光源)を備えた液晶表示装置に適用したときに、均一な面発光を得ることができない。
【0032】
なお、X軸方向とY軸方向との中間のψ方向の散乱特性をFψ(θ)(但し、ψはX軸方向からの角度を示す。即ち、X軸方向はψ=0°、Y軸方向はψ=90°に対応する)とすると、本発明の異方性光散乱フィルムは、必ずしも、Fψ(θ)(ψ≠90゜)がFx(θ)と同程度となる程の異方性を有している必要はないが、好ましくはFψ(θ)(ψ≠90゜)がFx(θ)と同程度の値を示す。このようなフィルムは、特に高い異方性で光散乱できる。
【0033】
なお、散乱特性F(θ)は、例えば、図1に示すような測定装置を用いて測定できる。この装置は、異方性光散乱フィルム10に対してレーザ光を照射するためのレーザー光照射装置(NIHON KAGAKU ENG NEO-20MS)21と、異方性光散乱フィルム10を透過したレーザ光の強度を測定するための検出器22とを備えている。そして、異方性光散乱フィルム10に対して90°の角度でレーザー光を照射し、フィルムにより拡散された光の強度(拡散強度)Fを拡散角度θに対して測定(プロット)することにより光散乱特性を求めることができる。
【0034】
このような異方性光散乱フィルムを、例えば、図4に示すバックライトユニットの光散乱フィルムとして用いると、蛍光管の長手方向に直交する方向(Y軸方向)での不均一(ギザギザ)の発光分布(輝度分布)を均一化でき、線状暗部の発生を抑制できる。
【0035】
このような高い異方性を有するフィルムは、互いに非相溶又は難相溶の連続相(樹脂連続相など)と粒子状分散相(樹脂分散相、繊維状分散相など)とで構成できる。
【0036】
光散乱フィルムを構成する樹脂には、熱可塑性樹脂(オレフィン系樹脂、ハロゲン含有樹脂、ビニルアルコール系樹脂、ビニルエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース誘導体など)および熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂など)などが挙げられる。好ましい樹脂は熱可塑性樹脂である。
【0037】
オレフィン系樹脂には、例えば、C2-6オレフィンの単独又は共重合体(ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体などのエチレン系樹脂、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体などのポリプロピレン系樹脂、ポリ(メチルペンテン−1)、プロピレン−メチルペンテン共重合体など)、C2-6オレフィンと共重合性単量体との共重合体(エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体など)などが挙げられる。
【0038】
ハロゲン含有樹脂としては、ハロゲン化ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニルフルオライドなどの塩化ビニル又はフッ素含有単量体の単独重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体などの塩化ビニル又はフッ素含有単量体の共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体などの塩化ビニル又はフッ素含有単量体と共重合性単量体との共重合体など)、ハロゲン化ビニリデン系樹脂(ポリ塩化ビニリデン、ポリビニリデンフルオライド、又は塩化ビニル又はフッ素含有ビニリデン単量体と他の単量体との共重合体)などが挙げられる。
【0039】
ビニルアルコール系樹脂の誘導体には、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体などが含まれる。ビニルエステル系樹脂としては、ビニルエステル系単量体の単独又は共重合体(ポリ酢酸ビニルなど)、ビニルエステル系単量体と共重合性単量体との共重合体(酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体など)などが挙げられる。
【0040】
(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体(MS樹脂など)などが挙げられる。好ましい(メタ)アクリル系樹脂には、ポリ(メタ)アクリル酸C1-5アルキル、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル共重合体などが含まれる。
【0041】
スチレン系樹脂には、スチレン系単量体の単独又は共重合体(ポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレン共重合体など)、スチレン系単量体と共重合性単量体との共重合体(スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体など)などが挙げられる。
【0042】
ポリエステル系樹脂には、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールとを用いた芳香族ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリアルキレンナフタレートなどのホモポリエステル、アルキレンアリレート単位を主成分(例えば、50モル%以上、好ましくは75〜100モル%、さらに好ましくは80〜100モル%)として含むコポリエステルなど)、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸を用いた脂肪族ポリエステル、液晶性ポリエステルなどが含まれる。
【0043】
ポリアミド系樹脂としては、ナイロン46、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12などの脂肪族ポリアミド、キシリレンジアミンアジペート(MXD−6)などの芳香族ポリアミドなどが挙げられる。ポリアミド系樹脂は、ホモポリアミドに限らずコポリアミドであってもよい。
【0044】
ポリカーボネート系樹脂には、ビスフェノール類(ビスフェノールAなど)をベースとする芳香族ポリカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートなどの脂肪族ポリカーボネートなどが含まれる。
【0045】
セルロース誘導体としては、セルロースエステル(セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースフタレート)、セルロースカーバメート類(セルロースフェニルカーバメートなど)、セルロースエーテル類(アルキルセルロース、ベンジルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、シアノエチルセルロースなど)が挙げられる。
【0046】
なお、前記樹脂成分は、必要に応じて、変性(例えば、ゴム変性)されていてもよい。
【0047】
また、前記樹脂成分で連続相マトリックスを構成し、このマトリックス樹脂に分散相成分をグラフト又はブロック共重合してもよい。このような重合体としては、例えば、ゴムブロック共重合体(スチレン−ブタジエン共重合体(SB樹脂)など)、ゴムグラフトスチレン系樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)など)などが例示できる。
【0048】
繊維状分散相には、有機繊維、無機繊維などが含まれる。有機繊維は、耐熱性有機繊維、例えば、アラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリイミド繊維などであってもよい。
【0049】
無機繊維としては、例えば、繊維状フィラー(ガラス繊維,シリカ繊維,アルミナ繊維,ジルコニア繊維などの無機繊維)、薄片状フィラー(マイカなど)などが挙げられる。
【0050】
連続相又は分散相を構成する好ましい成分には、オレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂などが含まれる。また、前記連続相及び/又は分散相を構成する樹脂は結晶性又は非晶性であってもよく、連続相及び分散相を非結晶性樹脂で構成してもよい。好ましい態様において、結晶性樹脂と非晶性樹脂とを組み合わせることができる。すなわち、連続相及び分散相のうち一方の相(例えば、連続相)を結晶性樹脂で構成し、他方の相(例えば、分散相)を非結晶性樹脂で構成できる。
【0051】
結晶性樹脂としては、オレフィン系樹脂(ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体などのプロピレン含量が90モル%以上のポリプロピレン系樹脂、ポリ(メチルペンテン−1)など)、ビニリデン系樹脂(塩化ビニリデン系樹脂など)、芳香族ポリエステル系樹脂(ポリアルキレンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレートなどのポリアルキレンアリレートホモポリエステル、アルキレンアリレート単位の含有量が80モル%以上のコポリエステル、液晶性芳香族ポリエステルなど)、ポリアミド系樹脂(ナイロン46,ナイロン6,ナイロン66などの短鎖セグメントを有する脂肪族ポリエステルなど)などが例示できる。これらの結晶性樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0052】
結晶性樹脂(結晶性ポリプロピレン系樹脂など)の結晶化度は、例えば、10〜80%程度、好ましくは20〜70%程度、さらに好ましくは30〜60%程度である。
【0053】
連続相を構成する樹脂としては、通常、透明性の高い樹脂が使用される。特に好ましい連続相を構成する樹脂は、流動性の高い結晶性樹脂である。このような樹脂と分散相を構成する樹脂とを組み合わせると、コンパウンドの均一性(分散相の均一分散性)を高めることができる。
【0054】
なお、連続相を構成する樹脂は、融点又はガラス転移温度が130〜280℃程度、好ましくは140〜270℃程度、さらに好ましくは150〜260℃程度の樹脂であってもよい。
【0055】
非結晶性樹脂としては、例えば、ビニル系重合体(アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ビニルアルコール系樹脂などのビニル系単量体の単独又は共重合体など)、(メタ)アクリル系樹脂(ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂)など)、スチレン系樹脂(ポリスチレン、AS樹脂など)、ポリカーボネート系重合体、非晶性ポリエステル系樹脂(脂肪族ポリエステル、ジオール成分及び/又は芳香族ジカルボン酸成分の一部が置換されたポリアルキレンアリレートコポリエステル、ポリアリレート樹脂など)、ポリアミド系樹脂(長鎖セグメントを有する脂肪族ポリアミド、非結晶性芳香族ポリアミド)、熱可塑性エラストマー(ポリエステルエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリアミドエラストマー、スチレン系エラストマーなど)などが例示できる。前記非晶性ポリエステル系樹脂において、ポリアルキレンアリレートコポリエステルとしては、ジオール成分(C2-4アルキレングリコール)及び/又は芳香族ジカルボン酸成分(テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸)の一部(例えば、10〜80モル%、好ましくは20〜80モル%、さらに好ましくは30〜75モル%程度)として、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどの(ポリ)オキシアルキレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、フタル酸、イソフタル酸、脂肪族ジカルボン酸(アジピン酸など)から選択された少なくとも一種を用いたコポリエステルなどが含まれる。これらの非結晶性樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0056】
分散相を構成する樹脂としては、通常、透明性の高い樹脂が使用される。
【0057】
なお、分散相を構成する樹脂の融点又はガラス転移温度は、前記連続相を構成する樹脂よりも低い場合が多く、例えば、50〜180℃程度、好ましくは60〜170℃程度、さらに好ましくは70〜150℃程度の樹脂であってもよい。
【0058】
連続相を構成する結晶性樹脂と分散相を構成する非結晶性樹脂との組合せとしては、例えば、結晶性ポリオレフィン系樹脂(結晶性ポリプロピレン樹脂など)と非結晶性ポリエステル(ポリアルキレンテレフタレートコポリエステルなどのポリアルキレンアリレートコポリエステルなど)との組合せなどが例示できる。
【0059】
連続相を構成する樹脂として融点又はガラス転移温度の高い樹脂(特に、融点の高い結晶性樹脂)を用いると、熱安定性及びフィルム加工性に優れており、比較的高温(例えば、130〜150℃程度)での配向処理(又は一軸延伸処理)が容易であり、分散相を容易に配向できる。さらには、表示装置(液晶表示装置など)の部品として使用しても、広い温度範囲(例えば、室温〜80℃程度の範囲)で安定である。また、結晶性樹脂(結晶性ポリプロピレン樹脂など)は、一般に、廉価である。一方、分散相を構成する樹脂として連続相よりも低い融点又はガラス転移温度を有する樹脂(特に、結晶性樹脂よりも融点又はガラス転移温度の低い非結晶性樹脂)を用いると、一軸延伸などの配向処理により分散相粒子のアスペクト比を容易に高めることができる。例えば、分散相を非晶性コポリエステルなどで構成すると、透明性が高いだけでなく、ガラス転移温度を低く(例えば、約80℃程度)できるため、一軸延伸などの配向処理温度で分散相を容易に変形させることができ、成形後も所定の温度範囲(例えば、室温〜約80℃程度)で安定化できる。また、非結晶性コポリエステル(例えば、エチレングリコール/シクロヘキサンジメタノール=10/90〜60/40(モル%)、好ましくは25/75〜50/50(モル%)程度のジオール成分を用いたポリエチレンテレフタレートコポリエステルなど)は、屈折率が高く(例えば、1.57程度)、連続相との屈折率差を大きくできる。
【0060】
本発明では、連続相と分散相とは、互いに屈折率の異なる成分で構成されている。互いに屈折率が異なる成分を用いると、フィルムに光拡散性を付与できる。連続相と分散相との屈折率の差は、例えば、0.001以上(例えば、0.001〜0.3程度)、好ましくは0.01〜0.3程度、さらに好ましくは0.01〜0.1程度である。
【0061】
このような特定の屈折率差を与える樹脂の組合わせとしては、例えば、次のような組合わせが挙げられる。
【0062】
(1)オレフィン系樹脂(特に、プロピレン系樹脂)と、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びポリカーボネート樹脂から選択された少なくとも一種との組合わせ
(2)スチレン系樹脂と、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びポリカーボネート樹脂から選択された少なくとも一種との組合わせ
(3)ポリエステル系樹脂と、ポリアミド系樹脂及びポリカーボネート樹脂から選択された少なくとも一種との組合わせ
光散乱フィルムは、必要に応じて、相溶化剤を含有してもよい。相溶化剤を用いると、連続相と分散相との混和性および親和性を高めることができ、フィルムを配向処理しても欠陥(ボイドなどの欠陥)が生成するのを防止でき、フィルムの透明性の低下を防止できる。さらに、連続相と分散相との接着性を高めることができ、フィルムを一軸延伸しても、延伸装置への分散相の付着を低減できる。
【0063】
相溶化剤としては、連続相および分散相の種類に応じて慣用の相溶化剤から選択でき、例えば、オキサゾリン化合物、変性基(カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、オキサゾリニル基など)で変性された変性樹脂、ジエン又はゴム含有重合体[例えば、ジエン系単量体単独又は共重合性単量体(芳香族ビニル単量体など)との共重合により得られるジエン系共重合体(ランダム共重合体など);アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)などのジエン系グラフト共重合体;スチレン−ブタジエン(SB)ブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエン(SB)ブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、水素化(スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン)ブロック共重合体などのジエン系ブロック共重合体又はそれらの水素添加物など]、前記変性基(エポキシ基など)で変性したジエン又はゴム含有重合体などが例示できる。これらの相溶化剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0064】
相溶化剤としては、通常、ポリマーブレンド系の構成樹脂と同じ又は共通する成分を有する重合体(ランダム、ブロック又はグラフト共重合体)、ポリマーブレンド系の構成樹脂に対して親和性を有する重合体(ランダム、ブロック又はグラフト共重合体)などが使用される。
【0065】
ジエン系単量体としては、共役ジエン、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、ピペリレン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、フェニル−1,3−ブタジエンなどの置換基を有していてもよいC4-20共役ジエンが挙げられる。共役ジエンは、単独で又は二種以上組み合わせて用いてもよい。これらの共役ジエンのうち、ブタジエン、イソプレンが好ましい。
【0066】
芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン(p−メチルスチレンなど)、p−t−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン類、1,1−ジフェニルスチレンなどが挙げられる。これらの芳香族ビニル単量体のうち、スチレンが好ましい。(メタ)アクリル系単量体としては、(メタ)アクリル酸アルキル((メタ)アクリル酸メチルなど)、(メタ)アクリロニトリルなどが含まれる。マレイミド系単量体としては、マレイミド、N−アルキルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどが例示できる。これらの単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0067】
なお、変性は、変性基に対応する単量体(例えば、カルボキシル基変性では(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基含有単量体、酸無水物基変性では無水マレイン酸、エステル基変性では(メタ)アクリル系単量体、マレイミド基変性ではマレイミド系単量体、エポキシ変性では、グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有単量体)を共重合することにより行うことができる。また、エポキシ変性は、不飽和二重結合のエポキシ化により行うことができる。
【0068】
好ましい相溶化剤は、未変性又は変性ジエン系共重合体、特に変性ブロック共重合体である(例えば、エポキシ化ジエン系ブロック共重合体又はエポキシ変性ジエン系ブロック共重合体)。エポキシ化ジエン系ブロック共重合体は、透明性が高いだけでなく、軟化温度も高く、連続相と分散相との多くの組み合わせにおいて樹脂を相溶化させ、分散相を均一に分散できる。
【0069】
前記ブロック共重合体は、例えば、共役ジエンブロック又はその部分水素添加ブロックと、芳香族ビニルブロックとで構成できる。エポキシ化ジエン系ブロック共重合体において、前記共役ジエンブロックの二重結合の一部又は全部がエポキシ化されている。
【0070】
芳香族ビニルブロックと共役ジエンブロック(又はその水素添加ブロック)との割合(重量比)は、例えば、前者/後者=5/95〜80/20程度(例えば、25/75〜80/20程度)、さらに好ましくは10/90〜70/30程度(例えば、30/70〜70/30程度)であり、通常、50/50〜80/20程度である。
【0071】
ブロック共重合体の数平均分子量は、例えば、5,000〜1,000,000程度、好ましくは7,000〜900,000程度、さらに好ましくは10,000〜800,000程度の範囲から選択できる。分子量分布[重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)]は、例えば、10以下(1〜10程度)、好ましくは1〜5程度である。
【0072】
ブロック共重合体の分子構造は、直線状、分岐状、放射状あるいはこれらの組み合わせであってもよい。ブロック共重合体のブロック構造としては、例えば、モノブロック構造、テレブロック構造などのマルチブロック構造、トリチェインラジアルテレブロック構造、テトラチェインラジアルテレブロック構造などが例示できる。このようなブロック構造としては、芳香族ジエンブロックをX、共役ジエンブロックをYとするとき、例えば、X−Y型、X−Y−X型、Y−X−Y型、Y−X−Y−X型、X−Y−X−Y型、X−Y−X−Y−X型、Y−X−Y−X−Y型、(X−Y−)4Si型、(Y−X−)4Si型などが例示できる。
【0073】
エポキシ化ジエン系ブロック共重合体中のエポキシ基の割合は、特に制限されないが、オキシランの酸素濃度として、例えば、0.1〜8重量%、好ましくは0.5〜6重量%、さらに好ましくは1〜5重量%程度である。エポキシ化ブロック共重合体のエポキシ当量(JIS K 7236)は、例えば、300〜1000程度、好ましくは500〜900程度、さらに好ましくは600〜800程度であってもよい。
【0074】
相溶化剤を構成するエポキシ化ブロック共重合体(エポキシ化SBSブロック共重合体など)は、前記のように、透明性が高いだけでなく、軟化温度が比較的高温(約70℃程度)であり、連続相と分散相との多くの組み合わせにおいて有効に相溶化でき、分散相を均一に分散できる。また、芳香族ビニルブロック(スチレンブロックなど)の含有量が60〜80重量%程度のエポキシ化ブロック共重合体は、屈折率が比較的高く(例えば、約1.57)、しかも前記分散相の樹脂(非晶性コポリエステルなど)と近似する屈折率を有しているため、分散相樹脂による光散乱性を維持しながら分散相を均一に分散できる。
【0075】
なお、相溶化剤(エポキシ化ブロック共重合体など)の屈折率は、分散相樹脂と略同程度(例えば、分散相樹脂との屈折率の差が、0〜0.01程度、好ましくは0〜0.005程度)であってもよい。
【0076】
前記エポキシ化ブロック共重合体は、慣用の方法により製造されたジエン系ブロック共重合体(又は部分的に水素添加されたブロック共重合体)をエポキシ化することにより製造できる。ブロツク共重合体は、例えば、リチウム触媒の存在下、不活性溶媒中、芳香族ビニル単量体とジエン系単量体とを重合することにより調製できる(特公昭40−23798号公報、特公昭47−3252号公報、特公昭48−2423号公報、特開昭51−33184号公報、特公昭46−32415号公報、特開昭59−166518号公報、特公昭49−36957号公報、特公昭43−17979号公報、特公昭46−32415号公報、特公昭56−28925号公報など)。水添ブロック共重合体は、不活性溶媒中、水素化触媒を用い、ブロック共重合体を水素添加することにより調製できる(特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特開昭59−133203号公報など)。
【0077】
エポキシ化は、慣用のエポキシ化方法、例えば、不活性溶媒中、エポキシ化剤(過酸類、ハイドロパーオキサイド類など)により前記ブロック共重合体をエポキシ化する方法により得ることができる。過酸類としては、過ギ酸、過酢酸、トリフルオロ過酢酸、過安息香酸などが挙げられる。ハイドロパーオキサイド類としては、無機ハイドロパーオキサイド(過酸化水素など)、有機ハイドロパーオキサイド(t−ブチルハイドロパーオキサイドなど)などが挙げられる。なお、ハイドロパーオキサイド類は、酸や金属触媒と組み合わせて用いる場合が多く、例えば、タングステン酸と苛性ソーダの混合物と過酸化水素との組み合わせ、有機酸と過酸化水素との組み合わせ、モリブデンヘキサカルボニルとt−ブチルハイドロパーオキサイドとの組み合わせなどが例示できる。エポキシ化剤の使用量は特に制限されず、ブロック共重合体の種類、エポキシ化剤の種類、エポキシ化度(エポキシ当量など)などに応じて適当に選択できる。
【0078】
エポキシ化ジエン系ブロック共重合体の単離又は精製は、適当な方法、例えば、貧溶媒を用いて共重合体を沈殿させる方法、撹拌下、熱水に共重合体を添加し溶媒を留去する方法、直接脱溶媒法などにより行うことができる。
【0079】
相溶化剤の使用量は、例えば、樹脂組成物全体の0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%、さらに好ましくは1〜10重量%程度の範囲から選択できる。
【0080】
光散乱フィルムにおいて、連続相と分散相と相溶化剤との好ましい組合せには、透明性及び熱安定性が高い樹脂(結晶性ポリプロピレン系樹脂などの結晶性樹脂など)で構成された連続相と、透明性及び熱変形性が高く、ある程度の熱安定性を有する樹脂(非結晶性コポリエステルなどの非晶性樹脂など)で構成された分散相と、エポキシ化ブロック共重合体で構成された相溶化剤との組合せが含まれる。
【0081】
光拡散フィルムにおいて、連続相と分散相との割合は、樹脂の種類や溶融粘度、光拡散性などに応じて、例えば、前者/後者(重量比)=99/1〜30/70程度、好ましくは99/1〜50/50程度、さらに好ましくは99/1〜75/25程度の範囲から適宜選択できる。
【0082】
好ましい前記光散乱フィルムにおいて、連続相、分散相、及び相溶化剤の割合は、例えば、以下の通りである。
【0083】
(1)連続相/分散相(重量比)=99/1〜50/50程度、好ましくは98/2〜60/40程度、さらに好ましくは90/10〜60/40程度、特に80/20〜60/40程度
(2)分散相/相溶化剤(重量比)=99/1〜50/50程度、好ましくは99/1〜70/30程度、さらに好ましくは98/2〜80/20程度
このような割合で各成分を用いると、予め各成分をコンパウンド化することなく、各成分のペレットを直接的に溶融混練しても、均一に分散相を分散でき、一軸延伸などの配向処理によりボイドが発生するのを防止でき、透過率の高い光散乱フィルムを得ることができる。
【0084】
そして、本発明の光散乱フィルムにおいて、分散相粒子は、長軸の平均長さLと短軸の平均長さWとの比(平均アスペクト比、L/W)が1より大きく、かつ粒子の長軸方向はフィルムのX軸方向に配向している。好ましい平均アスペクト比(L/W)は、例えば、2〜1000程度、好ましくは5〜1000程度、さらに好ましくは5〜500(例えば、20〜500)程度であり、通常、50〜500(特に70〜300)程度である。このような分散相粒子は、フットボール型形状(回転楕円状など)、繊維形状、直方形状などであってもよい。アスペクト比が大きい程、光散乱性について高い異方性を維持できる。
【0085】
なお、分散相の長軸の平均長さLは、例えば、0.1〜200μm程度(例えば、1〜100μm程度)、好ましくは1〜150μm程度(例えば、1〜80μm程度)、特に2〜100μm程度(例えば、2〜50μm程度)であり、通常、10〜100μm(例えば、10〜50μm)程度である。また、分散相の短軸の平均長さWは、例えば、0.1〜10μm程度、好ましくは0.15〜5μm程度、さらに好ましくは0.2〜2μm程度である。
【0086】
分散相粒子の配向係数は、例えば、0.7以上(0.7〜1程度)、好ましくは0.8〜1程度、さらに好ましくは0.9〜1程度であってもよい。分散相粒子の配向係数が高い程、散乱光に高い異方性を付与できる。
【0087】
なお、配向係数は、下記式に基づいて算出できる。
【0088】
配向係数=(3<cos2θ>−1)/2
式中、θは粒子状分散相の長軸とシートのX軸との間の角度を示し(長軸とX軸とが平行の場合、θ=0゜)、<cos2θ>は各分散相粒子について算出したcos2θの平均を示し、下記式で表される。
【0089】
<cos2θ>=∫n(θ)・cos2θ・dθ
(式中、n(θ)は、全分散相粒子中の角度θを有する分散相粒子の割合(重率)を示す)
このような分散相粒子は、フィルムを透過して散乱する散乱光に高い異方性を付与できる。即ち、フィルムの透過光又は反射光を、分散相粒子の長軸方向と直交する方向に強く散乱できる。図2は、このような分散相粒子の配向と散乱光の異方性との関係を説明するための図である。この図では、分散相粒子11の長軸は、光散乱フィルム10中にX軸方向に配向している。そして、粒子状分散相11の長軸方向(X軸方向)では、入射光に対する光散乱性が小さいのに対し、前記長軸方向と直交する方向(Y軸方向)では、光散乱性が大きい。このため、光散乱特性Fx(θ)とFy(θ)とは、Fy(θ)>Fx(θ)の関係を示す。
【0090】
なお、本発明の光散乱フィルムは、必要に応じて、拡散光の指向性を有していてもよい。すなわち、指向性を有するとは、異方的拡散光において散乱の強い方向のうち、散乱強度が極大を示す角度があることを意味する。拡散光が指向性を有している場合、前記図1の測定装置において、拡散光強度Fを拡散角度θに対してプロットしたとき、プロット曲線が、特定の拡散角度θの範囲で極大又はショルダー(特に、極大)を有している。
【0091】
指向性を付与する場合、連続相樹脂と、分散相粒子との屈折率差は、例えば、0.005〜0.2程度、好ましくは0.01〜0.1程度であり、粒子の長軸の平均長さは、例えば、1〜100μm程度、好ましくは5〜50μm程度である。アスペクト比は、例えば、20〜300(例えば、40〜300)程度、好ましくは50〜200程度である。
【0092】
光散乱フィルムは、慣用の添加剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤などの安定化剤、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤、充填剤などを含有していてもよい。
【0093】
光散乱フィルムの厚みは、3〜300μm程度、好ましくは5〜200μm程度、さらに好ましくは5〜100μm程度である。フィルムが厚過ぎると、表示装置と組み合わせたとき、装置の厚みが増大する。また、フィルムが薄すぎると折れやカールを生じ易く、取扱性が低下する。
【0094】
光散乱フィルムの全光線透過率は、例えば、85%以上(85〜100%)、好ましくは90〜100%程度、さらに好ましくは90〜95%程度である。全光線透過率が85%未満の場合、光散乱による輝度低下の影響が大きく、表示画面の明るさが不十分である。
【0095】
なお、フィルム表面には、フィルムのX軸方向に延びる凹凸部を形成してもよい。このような凹凸部を形成すると、フィルムにより高い異方性を付与できる。
【0096】
光散乱フィルムは、連続相を構成する樹脂中に分散相を構成する成分(樹脂成分、繊維状成分など)を分散して配向させることにより得ることができる。例えば、連続相を構成する樹脂と分散相を構成する成分(樹脂成分、繊維状成分など)とを、必要に応じて慣用の方法(例えば、溶融ブレンド法、タンブラー法など)でブレンドし、溶融混合し、Tダイやリングダイなどから押出してフィルム成形することにより分散相を分散できる。また、分散相の配向処理は、例えば、(1)押出成形時にドローしながら製膜する方法、(2)押出成形フィルムを一軸延伸する方法、又は(3)前記(1)と(2)の方法を組み合わせる方法などにより行うことができる。なお、(4)前記(1)の溶融混練成分を溶液ブレンドし、流延法などにより成膜することによっても光散乱フィルムを形成できる。
【0097】
溶融温度は、樹脂成分(連続相樹脂、分散相樹脂)の融点以上の温度、例えば、150〜290℃、好ましくは200〜260℃程度である。
【0098】
ドロー比(ドロー倍率)は、例えば、5〜80倍程度、好ましくは10〜60倍程度、さらに好ましくは20〜40倍程度である。
【0099】
延伸倍率は、例えば、1.1〜50倍程度(例えば、3〜50倍程度)、好ましくは1.5〜30倍程度(例えば、5〜30倍程度)である。
【0100】
なお、ドローと延伸とを組み合わせる場合には、ドロー比は、例えば、2〜10倍程度、好ましくは2〜5倍程度であってもよく、延伸倍率は、例えば、1.1〜20倍程度(例えば、2〜20倍程度)、好ましくは1.5〜10倍程度(例えば、3〜10倍程度)であってもよい。
【0101】
好ましい方法には、フィルム(例えば、製膜し、冷却したフィルム)を一軸延伸する方法が含まれる。この方法により製膜したフィルムを延伸すると、ドローしながら製膜する方法に比べ、分散相のアスペクト比を容易に高めることができる。
【0102】
一軸延伸法は特に限定されず、例えば、固化したフィルムの両端を引っ張る方法(引っ張り延伸)、互いに対向する一対のロール(2本ロール)を複数系列(例えば、2系列)並列し、それぞれの2本ロールにフィルムを挿入すると共に、繰り入れ側の2本ロールと繰出し側の2本ロールとの間にフィルムを張り渡し、繰出し側の2本ロールのフィルムの送り速度を繰り入れ側の2本ロールより速くすることにより延伸する方法(ロール間延伸)、互いに対向する一対のロールの間にフィルムを挿入し、ロール圧でフィルムを圧延する方法(ロール圧延)などが挙げられる。
【0103】
好ましい一軸延伸方法には、ロール間延伸、ロール圧延などが含まれる。これらの方法によれば、フィルムの量産化が容易である。特にロール圧延によれば、非結晶性樹脂のみならず、結晶性樹脂であっても容易に延伸できる。すなわち、通常、樹脂シートを一軸延伸すると、局部的にフィルムの厚みと幅が減少するネックインが発生し易いのに対し、ロール圧延によればネックインを防止でき、フィルムの延伸工程を安定化できる。そして、延伸の前後でフィルム幅の減少が少なく、かつ幅方向の厚みを均一にできるため、フィルムの幅方向において光散乱特性を均一化でき、製品の品質を維持しやすく、フィルムの使用率(歩留まり)も向上できる。さらに、延伸倍率を幅広く設定できる。なお、ロール圧延の場合、延伸の前後でフィルム幅を維持できるため、フィルム厚みの減少率の逆数と延伸倍率とが略等しくなる。
【0104】
ロール圧延の圧力は、例えば、9.8×103〜9.8×106N/m程度、好ましくは9.8×104〜9.8×106N/m程度である。
【0105】
延伸倍率は、幅広い範囲から選択でき、例えば、延伸倍率1.1倍〜10倍程度、好ましくは延伸倍率1.3〜5倍程度、さらに好ましくは延伸倍率1.5〜3倍程度であってもよい。ロール圧延は、例えば、厚み減少率0.9〜0.1程度、好ましくは0.77〜0.2程度、さらに好ましくは0.67〜0.33程度で行うことができる。
【0106】
延伸温度は、延伸成形が可能な限り特には限定されないが、分散相樹脂の融点又はガラス転移温度以上であってもよい。また、連続相を構成する樹脂として、分散相樹脂よりもガラス転移温度又は融点が高い樹脂(例えば、5〜200℃程度、好ましくは5〜100℃程度高い樹脂)を用い、分散相樹脂を融解又は軟化しながら一軸延伸すると、連続相樹脂に比べて分散相樹脂が非常に変形し易いため、分散相粒子のアスペクト比を大きくでき、光散乱の異方性が特に大きいフィルムが得られる。好ましい延伸温度は、例えば、110〜200℃程度、好ましくは130〜180℃程度である。また、ロール圧延の温度は、連続相樹脂が結晶性樹脂の場合、樹脂の融点以下であって融点近傍の温度であってもよく、連続相樹脂が非晶性樹脂の場合、ガラス転移温度以下であってガラス転移温度近傍の温度であってもよい。
【0107】
本発明の光散乱フィルムは、表示装置(透過型液晶表示装置など)に利用できる。この表示装置は、例えば、表示モジュール(透過型液晶表示モジュールなど)と、このモジュールの背面側に位置する管状の投光手段(蛍光管などのバックライトなど)とで構成され、本発明の光散乱フィルムが前記投光手段の前方に配設されている。この場合、光散乱フィルムは、表示モジュールのフロント側に配設してもよく、表示モジュールと投光手段との間に配設してもよい。例えば、本発明の光散乱フィルムを、前記図4や図5の拡散板として用いてもよい。
【0108】
そして、前記表示装置において、本発明の光散乱フィルムは、投光手段(光源)の長手方向(X軸方向)にフィルムのX軸方向が配向するように配設されている。また、フィルムのY軸方向は、投光手段の長手方向に直交するY軸方向に向けられている。一方、投光手段からの光はX軸方向には均一な発光分布を有しているが、Y軸方向には発光分布が不均一である。そして、このような投光手段に光散乱フィルムを配設すると、フィルムはX軸方向に光散乱性が小さく、Y軸方向に光散乱性が高いため、均一なX軸方向の光を殆ど散乱することなく、不均一なY軸方向の光のみを高度に散乱して均一化できる。このため、輝度の低下を抑制しながら、発光分布を均一化でき、画像表示面の縞模様(線状暗部)の発生を抑制できる。
【0109】
なお、光散乱フィルムを配設する場合、投光手段(光源)の長手方向(X軸方向))に対して、フィルムのX軸方向を完全に一致させる必要はなく、発光分布を均一化できる限り、ずれていてもよい。投光手段の長手方向とフィルムのX軸方向との角度は、例えば、0〜20゜程度、通常、0〜10゜程度である。
【0110】
また、本発明の光散乱フィルムは、他の表示装置、例えば、反射型液晶表示装置やプロジェクションテレビなどに利用することもできる。反射型液晶表示装置に適用する場合、光散乱フィルムは、液晶を封入した液晶セルに対する光路(入射路、反射路など)を横断可能に配設できる。例えば、前記図8の反射型液晶表示装置において、拡散板83に本発明の光散乱フィルムを配設してもよい。反射型液晶表示装置に光散乱フィルムを適用すると、フィルムのY軸方向の光拡散性が大きく、X軸方向の光拡散性が小さいため、X軸方向とY軸方向とで視野角が異なる特殊な反射型液晶表示装置を形成できる。また、光散乱フィルムが指向性を有している場合、鮮明性が高く、表示指向性の高い表示装置を得ることができる。
【0111】
光散乱フィルムをプロジェクションテレビに利用する場合、光散乱フィルムをプロジェクションテレビのスクリーンを構成するレンチキュラーレンズとして使用できる。本発明の光散乱フィルムを用いると、透明性と拡散光異方性が高いため、テレビの輝度を高くできる。また、光散乱フィルムの連続相樹脂に高融点樹脂を用いると、レンチキュラーレンズに高い耐熱性を付与できる。
【0112】
【発明の効果】
本発明の光散乱フィルムは、分散相粒子が特定の形状及び配向性を有しているため、光を高い異方性で拡散できる。特に、特定の光散乱特性を有しているため、発光分布の異方性(方向性)がある投光手段(管状の投光手段など)を用いても、輝度の低下を生じることなく、発光分布を高い精度で均一化できる。また、フィルムに高い透明性を付与できる。このため、この光散乱フィルムは表示装置、例えば、発光分布の異方性がある投光手段(バックライトなど)を有する透過型液晶表示装置に有利に利用できる。また、反射型液晶表示装置に適用した場合、表示データの鮮明性を維持でき、高い表示指向性を付与できる。さらには、光散乱異方性や耐熱性に優れたレンチキュラーレンズとして使用できる。
【0113】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0114】
なお、実施例及び比較例で得られたフィルムは、下記の方法に従って評価した。
【0115】
[異方性]
図1の測定装置を用いて、実施例及び比較例で得られたフィルムの一方の面にレーザー光を照射し、透過光のうち、拡散角θに対する散乱光強度Fを測定した。なお、フィルムの延伸方向(粒子状分散相の長軸方向)をX軸方向、この方向と直交する方向をY軸方向とした。
【0116】
[均一性]
図4の透過型液晶表示装置において、拡散板43に実施例及び比較例で得られたフィルムを用い、発光面の均一性を下記の基準に従って評価した。前記フィルムは、X軸方向(分散相粒子の長軸方向)が蛍光管の長手方向に平行するように配設した。なお、いずれのフィルムを用いても、フィルムのX軸方向(分散相の長軸方向)が蛍光管の軸方向と直交するように配設した場合には、均一な画像表示を得ることができなかった。
【0117】
◎ 発光面の均一性が非常に高い
○ 発光面の均一性が高い
× 縞模様が観測された
[指向性]
図8の反射型液晶表示装置の拡散板83に、実施例及び比較例で得られたフィルムを用いた。下記基準に従って、反射光の指向性を目視で評価した。
【0118】
◎ 指向性が非常に高い
○ 指向性が高い
× 指向性がない
[耐熱性]
プロジェクションテレビの光源を用い、実施例及び比較例で得られたフィルムに光照射した。光照射後のフィルムを目視で観察し、下記基準に従って評価した。
【0119】
◎ フィルムが変形しない
○ フィルムが変形するものの、光散乱の均一性が維持される
× フィルムが変形し、光散乱が不均一になる
実施例1
連続相樹脂として結晶性PP(ポリプロピレン、グランドポリマー(株)製 F133,屈折率1.503)95重量部と、分散相樹脂としてGPPS(汎用ポリスチレン系樹脂、ダイセル化学工業(株)製 GPPS#30、屈折率1.589)5重量部を用いた。なお、両樹脂の屈折率差は0.086である。
【0120】
前記連続相樹脂と分散相樹脂とを、70℃で約4時間乾燥し、バンバリーミキサーで混練した。混練物を押出機で約240℃で溶融し、Tダイからドロー比約3倍で、表面温度25℃の冷却ドラムに対して押出成形した(溶融製膜)。得られたフィルムの厚みは0.3mmであった。走査型電子顕微鏡(SEM)によりフィルムを観察したところ、分散相は、平均粒径約2μmであった。
【0121】
このフィルムをロール間延伸(150℃、延伸倍率5倍)により1軸延伸することにより、厚み0.07mmのフィルムを得た。SEMによりフィルムを観察したところ、分散相は、長軸の平均長さ約30μm、短軸の平均長さ約0.25μmの細長いフットボール型形状を有していた。
【0122】
比較例1
連続相樹脂として低密度PE(ポリエチレン系樹脂、宇部興産(株)製 LDPEG109、屈折率1.51)95重量部と、分散相樹脂としてGPPS(汎用ポリスチレン系樹脂、ダイセル化学工業(株)製 GPPS#30、屈折率1.589)5重量部を用いた。なお、両樹脂の屈折率差は0.079である。
【0123】
実施例1と同様にして溶融製膜することにより、厚み0.3mmのフィルムを得た。SEMによりフィルムを観察したところ、分散相は、平均粒径約2μmであった。
【0124】
このフィルムをロール間延伸(100℃、延伸倍率4倍)で1軸延伸することにより、厚み0.08mmのフィルムを得た。SEMによりフィルムを観察したところ、分散相は球状であった。
【0125】
実施例2
連続相樹脂として結晶性PP(ポリプロピレン、グランドポリマー(株)製 F133、屈折率1.503)95重量部、分散相樹脂として非晶性コポリエステルPET−G(ポリエステル系樹脂、EASTMAN CHEMICAL(株)製 Eastar PETG 6763、屈折率1.567)4.6重量部、相容化剤としてエポキシ化ジエン系ブロック共重合体樹脂(ダイセル化学工業(株)製 エポフレンドAT202;スチレン/ブタジエン=70/30(重量比) エポキシ当量750、屈折率約1.57)0.4重量部を用いた。なお、連続相樹脂と分散相樹脂との屈折率差は0.064である。
【0126】
実施例1と同様にして溶融製膜することにより、厚み0.3mmのフィルムを得た。SEMによりフィルムを観察したところ、分散相は、平均粒径約2μmであった。また、相容化剤が分散相のまわりに付着していた。
【0127】
実施例1と同様にしてロール延伸することにより、厚み0.07mmのフィルムを得た。SEMによりフィルムを観察したところ、分散相は、長軸の平均長さ約40μm、短軸の平均長さ約0.2μmの繊維状形状を有していた。
【0128】
実施例3
連続相樹脂として非晶性コポリエステルPET−G(ポリエステル系樹脂、EASTMAN CHEMICAL(株)製 Eastar PETG 6763、屈折率1.567)63重量部、分散相樹脂としてGPPS(汎用ポリスチレン系樹脂、ダイセル化学工業(株)製 GPPS#30、屈折率1.589)30重量部、相容化剤としてエポキシ化ジエン系ブロック共重合体樹脂(ダイセル化学工業(株)製 エポフレンドAT202;スチレン/ブタジエン=70/30(重量比) エポキシ当量750、屈折率約1.57)7重量部を用いた。なお、連続相樹脂と分散相樹脂との屈折率差は0.022である。
【0129】
ドロー比を約30倍とする以外は、実施例1と同様にして溶融製膜することにより、厚み0.01mmのフィルムを得た。SEMによりフィルムを観察したところ、分散相は、長軸の平均長さ約20μm、短軸の平均長さ約0.2μmの細長いフットボール型形状であり、ドロー方向に並んで分散していた。また、相容化剤が分散相のまわりに付着していた。
【0130】
実施例4
連続相樹脂として結晶性PP(ポリプロピレン、グランドポリマー(株)製 F109BA、屈折率1.503)60重量部、分散相樹脂として非晶性コポリエステルPET−G(ポリエステル系樹脂、EASTMAN CHEMICAL(株)製 Easter PETG GN071、屈折率1.567)36重量部、相溶化剤としてエポキシ化ジエン系ブロック共重合体樹脂(ダイセル化学工業(株)製 エポフレンドAT202;スチレン/ブタジエン=70/30(重量比) エポキシ当量750、屈折率約1.57)4重量部を用いた。なお、連続相樹脂と分散相樹脂との屈折率差は0.064である。
【0131】
連続相樹脂、分散相樹脂、及び相溶化剤を、70℃で約4時間乾燥し、バンバリーミキサーで混練した。混練物を押出機(単層用押出機)で約240℃で溶融し、Tダイからドロー比約3倍で、表面温度25℃の冷却ドラムに対して押し出した。得られたフィルムの厚みは約0.2mm(200μm)であった。SEMによりフィルムを観察したところ、分散相は、実施例1の分散相と略同様の形状を有していた。
【0132】
このフィルムをロール圧延により一軸延伸し、厚み100μmのフィルムを得た。ロール圧延は、温度130℃、延伸倍率(圧延比率)約2倍、厚み減少率(圧延前のフィルム厚み/圧延後のフィルム厚み)=約0.5、幅の減少率(100−(圧延前のフィルム幅/圧延後のフィルム幅)×100)=約3%で行った。SEMによりフィルムを観察したところ、分散相は、長軸の平均長さ約30μm、短軸の平均長さ約1.5μmの非常に細長い繊維状の形状を有していた。
【0133】
実施例及び比較例で得られたフィルムの異方性、均一性、指向性及び耐熱性について評価した。結果を表1に示す。また、実施例1のフィルムの異方性を図3に示す。
【0134】
【表1】
【0135】
表1及び図3から明らかなように、比較例に比べ、実施例のフィルムは、高い異方性を有している。また、均一性、指向性及び耐熱性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は散乱光強度の測定方法を説明するための概略断面図である。
【図2】図2は本発明のフィルムの散乱光異方性を説明するための概念図である。
【図3】図3は実施例1のフィルムの散乱光強度の測定結果を示すグラフである。
【図4】図4は透過型液晶表示装置の概略断面図である。
【図5】図5は透過型液晶表示装置に用いるバックライト部の概略断面図である。
【図6】図6は投光手段の概略斜視図である。
【図7】図7は図2のバックライト部の発光分布を説明するための概略断面図である。
【図8】図8は反射型液晶表示装置の概略断面図である。
【符号の説明】
10、43、53、83…光散乱フィルム
11…分散相粒子
Claims (17)
- 入射光を光の進行方向に散乱可能な光散乱フィルムであって、
互いに屈折率が0.001以上異なる連続相と粒子状分散相とで構成されており、
分散相粒子の平均アスペクト比が5〜500であり、
分散相粒子の短軸の平均長さが0.1〜10μmであり、
前記連続相が融点又はガラス転移温度が130〜280℃である結晶性ポリプロピレン系樹脂で構成され、
前記分散相がアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びポリカーボネート系樹脂からなる群から選択された少なくとも一種で構成され、かつ
散乱角θと散乱光強度Fとの関係を示す散乱特性F(θ)において、フィルムのX軸方向の散乱特性をFx(θ)、Y軸方向の散乱特性をFy(θ)としたとき、θ=2〜30゜の範囲で、Fy(θ)/Fx(θ)が15〜500である異方性光散乱フィルム。 - 分散相粒子の長軸方向がフィルムのX軸方向に配向している請求項1記載の異方性光散乱フィルム。
- 分散相が非晶性ポリエステル系樹脂で構成されている請求項1記載の異方性光散乱フイルム。
- さらに相溶化剤を含有する請求項1記載の異方性光散乱フィルム。
- 相溶化剤がエポキシ化ジエン系ブロック共重合体である請求項4記載の異方性光散乱フィルム。
- 相溶化剤が、共役ジエンブロック又はその部分水素添加ブロックと、芳香族ビニルブロックとで構成されたブロック共重合体であって、前記共役ジエンブロックの二重結合の一部又は全部がエポキシ化されている請求項4記載の異方性光散乱フィルム。
- 連続相と分散相との割合が、連続相/分散相=99/1〜50/50(重量比)である請求項1記載の異方性光散乱フィルム。
- 連続相を構成する結晶性ポリプロピレン系樹脂と、分散相を構成する非晶性コポリエステル系樹脂と、相溶化剤を構成するエポキシ化ジエン系ブロック共重合体とを含み、連続相と分散相との割合が、前者/後者=99/1〜50/50(重量比)であり、分散相と相溶化剤との割合が、前者/後者=99/1〜50/50(重量比)である請求項5記載の異方性光散乱フィルム。
- フィルム表面に、フィルムのX軸方向に延びる凹凸部が形成されている請求項1記載の異方性光散乱フィルム。
- 連続相を構成する樹脂と分散相を構成する樹脂とを溶融混練して押出し、ドローしながら製膜する請求項1記載の異方性光散乱フィルムの製造方法。
- 連続相を構成する樹脂と分散相を構成する樹脂とを溶融混練して押出し、固化したフィルムを1軸延伸する請求項1記載の異方性光散乱フィルムの製造方法。
- ロール圧延によりフィルムを一軸延伸する請求項11記載の異方性光散乱フィルムの製造方法。
- 分散相樹脂の融点又はガラス転移温度以上の温度で延伸する請求項11記載の製造方法。
- 表示モジュールと、この表示モジュールの背面に配設されかつ前記モジュールに光を照射するための管状の投光手段と、この投光手段よりも前方に配設された請求項1に記載の異方性光散乱フィルムとで構成された表示装置であって、前記投光手段の長手方向にX軸方向を向けて異方性光散乱フィルムが配設されている表示装置。
- 表示モジュールが透過型液晶表示モジュールである請求項14記載の表示装置。
- 反射型液晶表示モジュールの光路に請求項1記載の異方性光散乱フィルムが配設されている反射型液晶表示装置。
- 請求項1記載の異方性光散乱フィルムで構成されているプロジェクションテレビ用レンチキュラーレンズ。
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