JP4470304B2 - 圧縮データ記録装置、記録方法、圧縮データ記録再生装置、記録再生方法および記録媒体 - Google Patents
圧縮データ記録装置、記録方法、圧縮データ記録再生装置、記録再生方法および記録媒体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4470304B2 JP4470304B2 JP2000280409A JP2000280409A JP4470304B2 JP 4470304 B2 JP4470304 B2 JP 4470304B2 JP 2000280409 A JP2000280409 A JP 2000280409A JP 2000280409 A JP2000280409 A JP 2000280409A JP 4470304 B2 JP4470304 B2 JP 4470304B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- band
- digital signal
- encoding
- error
- recording
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G11—INFORMATION STORAGE
- G11B—INFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
- G11B20/00—Signal processing not specific to the method of recording or reproducing; Circuits therefor
- G11B20/00007—Time or data compression or expansion
-
- G—PHYSICS
- G10—MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
- G10L—SPEECH ANALYSIS TECHNIQUES OR SPEECH SYNTHESIS; SPEECH RECOGNITION; SPEECH OR VOICE PROCESSING TECHNIQUES; SPEECH OR AUDIO CODING OR DECODING
- G10L19/00—Speech or audio signals analysis-synthesis techniques for redundancy reduction, e.g. in vocoders; Coding or decoding of speech or audio signals, using source filter models or psychoacoustic analysis
- G10L19/02—Speech or audio signals analysis-synthesis techniques for redundancy reduction, e.g. in vocoders; Coding or decoding of speech or audio signals, using source filter models or psychoacoustic analysis using spectral analysis, e.g. transform vocoders or subband vocoders
- G10L19/0204—Speech or audio signals analysis-synthesis techniques for redundancy reduction, e.g. in vocoders; Coding or decoding of speech or audio signals, using source filter models or psychoacoustic analysis using spectral analysis, e.g. transform vocoders or subband vocoders using subband decomposition
- G10L19/0208—Subband vocoders
-
- G—PHYSICS
- G11—INFORMATION STORAGE
- G11B—INFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
- G11B20/00—Signal processing not specific to the method of recording or reproducing; Circuits therefor
- G11B20/10—Digital recording or reproducing
- G11B20/10527—Audio or video recording; Data buffering arrangements
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Signal Processing (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Multimedia (AREA)
- Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
- Computational Linguistics (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Audiology, Speech & Language Pathology (AREA)
- Human Computer Interaction (AREA)
- Acoustics & Sound (AREA)
- Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)
- Signal Processing For Digital Recording And Reproducing (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ディジタルオーディオ信号等をビット圧縮した圧縮データの記録再生、その圧縮データが記録される記録媒体、および、圧縮データの伝送系に関し、特に、入力信号の周波数軸上の変化に応じて、情報圧縮の為のフローティングおよび/または圧縮の為のビット配分を行なう時間と周波数によって細分化された小ブロックの周波数的大きさを変化させるような、ディジタル信号を情報圧縮して記録若しくは伝送および/または再生若しくは受信して伸張する圧縮データ記録装置、記録方法、圧縮データ記録再生装置、記録再生方法および記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本件出願人は、先に、入力されたディジタルオーディオ信号をビット圧縮し、所定のデータ量を記録単位としてバースト的に記録するような技術を、例えば特願平2−221364号、特願平2−221365号、特願平2−222821号、特願平2−222823号の各明細書および図面等において提案している。
【0003】
この技術は、記録媒体として光磁気ディスクを用い、いわゆるCD−I(CD−インタラクティブ)やCD−ROM XAのオーディオデータフォーマットに規定されているAD(適応差分)PCMオーディオデータを記録再生するものであり、このADPCMデータの例えば32セクタ分とインターリーブ処理のためのリンキング用の数セクタとを記録単位として、光磁気ディスクにバースト的に記録している。
【0004】
この光磁気ディスクを用いた記録再生装置におけるADPCMオーディオには、いくつかのモードが選択可能になっており、例えば通常のCD(CD:COMPACT DISC)の再生時間に比較して、2倍の圧縮率でサンプリング周波数が37.8kHzのレベルA、4倍の圧縮率でサンプリング周波数が37.8kHzのレベルB、8倍の圧縮率でサンプリング周波数が18.9kHzのレベルCが規定されている。すなわち、例えばレベルBの場合には、ディジタルオーディオデータが略々1/4に圧縮され、このレベルBのモードで記録されたディスクの再生時間(プレイタイム)は、標準的なCDフォーマット(CD−DA(COMPACT DISC DIGITAL AUDIO)フォーマット)の場合の4倍となる。これは、より小型のディスクで標準12cmと同じ程度の記録再生時間が得られることから、装置の小型化が図れることになる。
【0005】
ただし、ディスクの回転速度は標準的なCDと同じであるため、例えばレベルBの場合、所定時間当たりその4倍の再生時間分の圧縮データが得られることになる。このため、例えばセクタやクラスタ等の時間単位で同じ圧縮データを重複して4回読み出すようにし、そのうちの1回分の圧縮データのみをオーディオ再生にまわすようにしている。具体的には、スパイラル状の記録トラックを走査(トラッキング)する際に、1回転毎に元のトラック位置に戻るようなトラックジャンプを行って、同じトラックを4回ずつ繰り返しトラッキングするような形態で再生動作を進めることになる。これは、例えば4回の重複読み取りの内、少なくとも1回だけ正常な圧縮データが得られればよいことになり、外乱等によるエラーに強く、特に携帯用小型機器に適用して好ましいものである。
【0006】
さらに、本件出願人は、効率良く、良好な圧縮を実現するためのビット割当手法を特願平4−36952号の明細書および図面等において提案している。この技術はビットの割当に際し、いわゆる臨界帯域(クリティカルバンド)等の各小ブロック中の代表値によって正規化、いわゆるブロックフローティングを施し、各小ブロック内の信号の大きさに依存したビット割り当てを、小ブロックの対応する帯域に応じて重み付けして行うというものである。この技術によれば各小ブロック内のスペクトルの大きさに極端なばらつきが生じない場合には、良好に圧縮を行うことが出来る。
【0007】
加えて、本件出願人は、特願平05−050545号の明細書および図面等において、ディジタル信号情報圧縮装置の一部に情報伸張装置を有し、再生の為の情報伸張時の誤差が最小となるようにビット割当を行う手法を提案している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の技術を応用してディジタルオーディオデータの圧縮ならびに伸張を行なう場合、その技術は特定のある範囲の圧縮率(ビットレート)ならびに圧縮伸張品質を目的として構築、調整されることが一般的であるため、記録容量(密度)が大きく異なる記録媒体へ記録する場合や伝送容量が異なる伝送線路を使って伝送する場合、その容量に応じた圧縮率や目標品質に基づいて複数の圧縮ビットストリームを生成する必要があった。
【0009】
そのうえ、上述の技術ではその圧縮率が大きく異なる場合においては、効率良く圧縮できなくなる場合が生じるか、あるいは大きく異なる圧縮率に効率良く対応させるために複数の信号圧縮装置あるいは情報圧縮方法を用いる必要があるために装置が複雑になる傾向があった。
【0010】
加えて、信号圧縮装置あるいは情報圧縮方法により圧縮されたビットストリームを伸張する場合、信号伸張装置あるいは情報伸張方法の都合により伸張の為の負荷、例えば、携帯用の伸張装置においては伸張の品質を低下させて伸張の為の負荷を低減させる等の選択が困難な場合があった。
【0011】
この発明はこの様な実情に鑑みてなされたものであり、基本的な小規模の信号圧縮装置あるいは情報圧縮方法を階層的に組み合わせることにより、より広範囲な圧縮率ならびに圧縮伸張品質に対応し、容易に記録容量(密度)が大きく異なる記録媒体へ記録する場合や伝送容量が異なる伝送線路を使って伝送する場合に対応でき、かつ、信号圧縮伸張装置あるいは情報圧縮伸張方法の都合により、その圧縮率および圧縮伸張品質が選択可能な圧縮データ記録装置、記録方法、圧縮データ記録再生装置、記録再生方法および記録媒体の提供を目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、入力ディジタル信号を複数の等帯域幅に分割する第1の帯域分割手段と、分割された入力ディジタル信号の標本化周波数を分割数分の1に変換する周波数変換手段と、分割数分の1に変換されたディジタル信号を複数の等帯域幅に再度分割する第2の帯域分割手段と、再度分割されたディジタル信号の帯域毎に応じてビット配分を行い、帯域毎に割り当てられたビット数でディジタル信号を符号化する適応ビット割当符号化手段と、符号化されたディジタル信号を逆符号化する逆符号化手段と、符号化される前のディジタル信号と逆符号化されたディジタル信号との誤差を求める減算手段と、誤差に応じてビット配分を行い、帯域毎に割り当てられたビット数で誤差を符号化する符号化手段とを備え、複数の周波数変換手段、複数の第2の帯域分割手段、複数の適応ビット割当符号化手段、複数の逆符号化手段、複数の減算手段、および複数の符号化手段をそれぞれ帯域毎に設ける圧縮データ記録装置である。
【0013】
請求項3に記載の発明は、入力ディジタル信号を複数の等帯域幅に分割する第1の帯域分割ステップと、分割された入力ディジタル信号の標本化周波数を分割数分の1に変換する周波数変換ステップと、分割数分の1に変換されたディジタル信号を複数の等帯域幅に再度分割する第2の帯域分割ステップと、再度分割されたディジタル信号の帯域毎に応じてビット配分を行い、帯域毎に割り当てられたビット数でディジタル信号を符号化する適応ビット割当符号化ステップと、符号化されたディジタル信号を逆符号化する逆符号化ステップと、符号化される前のディジタル信号と逆符号化されたディジタル信号との誤差を求める減算ステップと、誤差に応じてビット配分を行い、帯域毎に割り当てられたビット数で誤差を符号化する符号化ステップとを備え、複数の周波数変換ステップ、複数の第2の帯域分割ステップ、複数の適応ビット割当符号化ステップ、複数の逆符号化ステップ、複数の減算ステップ、および複数の符号化ステップをそれぞれ帯域毎に処理する圧縮データ記録方法である。
【0014】
請求項5に記載の発明は、入力ディジタル信号を複数の等帯域幅に分割する第1の帯域分割手段と、分割された入力ディジタル信号の標本化周波数を分割数分の1に変換する周波数変換手段と、分割数分の1に変換されたディジタル信号を複数の等帯域幅に再度分割する第2の帯域分割手段と、再度分割されたディジタル信号の帯域毎に応じてビット配分を行い、帯域毎に割り当てられたビット数でディジタル信号を符号化する適応ビット割当符号化手段と、符号化されたディジタル信号を逆符号化する第1の逆符号化手段と、符号化される前のディジタル信号と逆符号化されたディジタル信号との誤差を求める減算手段と、誤差に応じてビット配分を行い、帯域毎に割り当てられたビット数で誤差を符号化する符号化手段とを備え、複数の周波数変換手段、複数の第2の帯域分割手段、複数の適応ビット割当符号化手段、複数の第1の逆符号化手段、複数の減算手段、および複数の符号化手段をそれぞれ帯域毎に設けることにより生成されたディジタル信号および誤差を圧縮データとして記録する記録手段と、圧縮データから帯域毎のディジタル信号および誤差を分離する分離手段と、分離された帯域毎のディジタル信号および誤差を、割り当てられたビット数で復号する復号手段と、復号された帯域毎のディジタル信号および誤差を加算し、帯域毎のディジタル信号を生成する加算手段と、加算された帯域毎のディジタル信号を逆符号化する第2の逆符号化手段と、逆符号化された帯域毎のディジタル信号を合成し、合成されたディジタル信号または「0」を帯域毎に選択して出力する第1の帯域合成手段と、帯域毎に選択され、出力されたディジタル信号および/または「0」を再度合成し、出力ディジタル信号を生成する第2の帯域合成手段とを有する再生手段とからなる圧縮データ記録再生装置である。
【0015】
請求項7に記載の発明は、入力ディジタル信号を複数の等帯域幅に分割する第1の帯域分割ステップと、分割された入力ディジタル信号の標本化周波数を分割数分の1に変換する周波数変換ステップと、分割数分の1に変換されたディジタル信号を複数の等帯域幅に再度分割する第2の帯域分割ステップと、再度分割されたディジタル信号の帯域毎に応じてビット配分を行い、帯域毎に割り当てられたビット数でディジタル信号を符号化する適応ビット割当符号化ステップと、符号化されたディジタル信号を逆符号化する第1の逆符号化ステップと、符号化される前のディジタル信号と逆符号化されたディジタル信号との誤差を求める減算ステップと、誤差に応じてビット配分を行い、帯域毎に割り当てられたビット数で誤差を符号化する符号化ステップとを備え、複数の周波数変換ステップ、複数の第2の帯域分割ステップ、複数の適応ビット割当符号化ステップ、複数の逆符号化ステップ、複数の減算ステップ、および複数の符号化ステップをそれぞれ帯域毎に処理することにより生成されたディジタル信号および誤差を圧縮データとして記録する記録ステップと、圧縮データから帯域毎のディジタル信号および誤差を分離する分離ステップと、分離された帯域毎のディジタル信号および誤差を、割り当てられたビット数で復号する復号ステップと、復号された帯域毎のディジタル信号および誤差を加算し、帯域毎のディジタル信号を生成する加算ステップと、加算された帯域毎のディジタル信号を逆符号化する第2の逆符号化ステップと、逆符号化された帯域毎のディジタル信号を合成し、合成されたディジタル信号または「0」を帯域毎に選択して出力する第1の帯域合成ステップと、帯域毎に選択され、出力されたディジタル信号および/または「0」を再度合成し、出力ディジタル信号を生成する第2の帯域合成ステップとを有する再生ステップとからなる圧縮データ記録再生方法である。
【0016】
請求項9に記載の発明は、入力ディジタル信号を複数の等帯域幅に分割する第1の帯域分割ステップと、分割された入力ディジタル信号の標本化周波数を分割数分の1に変換する周波数変換ステップと、分割数分の1に変換されたディジタル信号を複数の等帯域幅に再度分割する第2の帯域分割ステップと、再度分割されたディジタル信号の帯域毎に応じてビット配分を行い、帯域毎に割り当てられたビット数でディジタル信号を符号化する適応ビット割当符号化ステップと、符号化されたディジタル信号を逆符号化する逆符号化ステップと、符号化される前のディジタル信号と逆符号化されたディジタル信号との誤差を求める減算ステップと、誤差に応じてビット配分を行い、帯域毎に割り当てられたビット数で誤差を符号化する符号化ステップとを備え、複数の周波数変換ステップ、複数の第2の帯域分割ステップ、複数の適応ビット割当符号化ステップ、複数の逆符号化ステップ、複数の減算ステップ、および複数の符号化ステップをそれぞれ帯域毎に処理することにより生成されたディジタル信号および誤差を圧縮データとして記録する記録媒体である。
【0024】
この発明によれば、単一の装置または情報圧縮方法により広範囲な圧縮率に効率良く適応することが出来、より小規模の信号処理回路の複数個の組合せにより、より広帯域かつ高精度な情報の圧縮が可能であり、小規模の信号処理回路の組合せに適応したビットストリームを生成する事により、例えば携帯性を重視した装置では圧縮されたデータの一部を選択的に伸張再生することや固定設置された装置においてはより高品位の信号の圧縮伸張する等の実行が、同一の圧縮ビットストリームで可能となり、伸張再生される品位の選択が従来のものより柔軟により広範囲に圧縮する際ははもちろん、伸張する装置でも容易にできるようになる。
【0025】
加えて、この発明によって、圧縮されたビットストリームは、それ単体で複数のビットレートに対応したものとなるため、さまざまな転送レートを持った伝送経路による情報の伝送、ならびに異なる記録容量(密度)を有する記録媒体への記録が同一の圧縮ビットストリームにより対応が可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
先ず、図1は、この発明のディジタル信号処理装置(圧縮データ記録再生装置)の一実施形態の概略構成を示すブロック回路図である。
【0027】
図1に示す圧縮データ記録再生装置において、先ず記録媒体としては、スピンドルモータ51により回転駆動される光磁気ディスク1が用いられる。光磁気ディスク1に対するデータの記録時には、例えば光学ヘッド53によりレーザ光を照射した状態で記録データに応じた変調磁界を磁気ヘッド54により印加するこによって、いわゆる磁界変調記録を行い、光磁気ディスク1の記録トラックに沿ってデータを記録する。また再生時には、光磁気ディススク1の記録トラックを光学ヘッド53によりレーザ光でトレースして磁気光学的に再生を行う。
【0028】
光学ヘッド53は、例えば、レーザダイオード等のレーザ光源、コリメータレンズ、対物レンズ、偏光ビームスプリッタ、シリンドリカルレンズ等の光学部品および所定パターンの受光部を有するフォトディテクタ等から構成されている。この光学ヘッド53は、光磁気ディスク1を挟んで磁気ヘッド54と対向する位置に設けられている。光磁気ディスク1にデータを記録するときには、後述する記録系の磁気ヘッド駆動回路66により磁気ヘッド54を駆動して記録データに応じた変調磁界を印加すると共に、光学ヘッド53により光磁気ディスク1の目的トラックにレーザ光を照射することによって、磁界変調方式により熱磁気記録を行う。またこの光学ヘッド53は、目的トラックに照射したレーザ光の反射光を検出し、例えばいわゆる非点収差法によりフォーカスエラーを検出し、例えばいわゆるプッシュプル法によりトラッキングエラーを検出する。光磁気ディスク1からデータを再生するとき、光学ヘッド53はフォーカスエラーやトラッキングエラーを検出すると同時に、レーザ光の目的トラックからの反射光の偏光角(カー回転角)の違いを検出して再生信号を生成する。
【0029】
光学ヘッド53の出力は、RF回路55に供給される。このRF回路55は、光学ヘッド53の出力からフォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号を抽出してサーボ制御回路56に供給するとともに、再生信号を2値化して後述する再生系のデコーダ71に供給する。
【0030】
サーボ制御回路56は、例えばフォーカスサーボ制御回路やトラッキングサーボ制御回路、スピンドルモータサーボ制御回路、スレッドサーボ制御回路等から構成される。フォーカスサーボ制御回路は、フォーカスエラー信号がゼロになるように、光学ヘッド53の光学系のフォーカス制御を行う。またトラッキングサーボ制御回路は、トラッキングエラー信号がゼロになるように光学ヘッド53の光学系のトラッキング制御を行う。さらにスピンドルモータサーボ制御回路は、光磁気ディスク1を所定の回転速度(例えば一定線速度)で回転駆動するようにスピンドルモータ51を制御する。また、スレッドサーボ制御回路は、システムコントローラ57により指定される光磁気ディスク1の目的トラック位置に光学ヘッド53および磁気ヘッド54を移動させる。このような各種制御動作を行うサーボ制御回路56は、サーボ制御回路56により制御される各部の動作状態を示す情報をシステムコントローラ57に送る。
【0031】
システムコントローラ57には、キー入力操作部58や表示部59が接続されている。このシステムコントローラ57は、キー入力操作部58による操作入力情報により指定される動作モードで記録系および再生系の制御を行う。またシステムコントローラ57は、光磁気ディスク1の記録トラックからヘッダータイムやサブコードのQデータ等により再生されるセクタ単位のアドレス情報に基づいて、光学ヘッド53および磁気ヘッド54がトレースしている記録トラック上の記録位置や再生位置を管理する。さらにシステムコントローラ57は、データ圧縮率と記録トラック上の再生位置情報とに基づいて表示部59に再生時間を表示させる制御を行う。
【0032】
この再生時間表示は、光磁気ディスク1の記録トラックからいわゆるヘッダータイムやいわゆるサブコードQデータ等により再生されるセクタ単位のアドレス情報(絶対時間情報)に対し、データ圧縮率の逆数(例えば1/8圧縮のときには8)を乗算することにより、実際の時間情報を求め、これを表示部59に表示させるものである。なお、記録時においても、例えば光磁気ディスク等の記録トラックに予め絶対時間情報が記録されている(プリフォーマットされている)場合に、このプリフォーマットされた絶対時間情報を読み取ってデータ圧縮率の逆数を乗算することにより、現在位置を実際の記録時間で表示させることも可能である。
【0033】
次に、このディスク記録再生装置の記録再生機の記録系において、入力端子60からのアナログオーディオ入力信号AINがローパスフィルタ61を介してA/D変換器62に供給され、このA/D変換器62はアナログオーディオ入力信号AINを量子化する。A/D変換器62から得られたディジタルオーディオ信号は、ATC(Adaptive Transform Coding)エンコーダ63に供給される。また、入力端子67からのディジタルオーディオ入力信号DINがディジタル入力インターフェース回路68を介してATCエンコーダ63に供給される。ATCエンコーダ63は、入力信号AINをA/D変換器62により量子化した所定転送速度のディジタルオーディオPCMデータについて、ビット圧縮(データ圧縮)処理を行う。
【0034】
この実施形態においてはディジタルオーディオPCMデータの情報量を標本化周波数176.4kHz、量子化語長24ビットとし、信号処理におけるその圧縮率を1/12倍として説明するが、この実施形態はディジタルオーディオPCMデータの情報量並びに圧縮率には依存しない構成となっており、応用例により任意に選択が可能である。
【0035】
次に、メモリ64は、データの書き込みおよび読み出しがシステムコントローラ57により制御され、ATCエンコーダ63から供給されるATCデータを一時的に記憶しておき、必要に応じてディスク上に記録するためのバッファメモリとして用いられている。すなわち、例えばATCエンコーダ63から供給される圧縮オーディオデータは、そのデータ転送速度が、標準的なCD−DAフォーマットのデータ転送速度(75セクタ/秒)の1/2、すなわち37.5セクタ/秒に低減されており、この圧縮データがメモリ64に連続的に書き込まれる。この圧縮データ(ATCデータ)は、上述したように2セクタにつき1セクタの記録を行えば足りるが、このような2セクタおきの記録は事実上不可能に近いため、後述するようなセクタ連続の記録を行うようにしている。この記録は、休止期間を介して、所定の複数セクタ(例えば32セクタ+数セクタ)から成るクラスタを記録単位として、標準的なCD−DAフォーマットと同じデータ転送速度(75セクタ/秒)でバースト的に行われる。すなわちメモリ64においては、ビット圧縮レートに応じた37.5(=75/2)セクタ/秒の低い転送速度で連続的に書き込まれたATCオーディオデータが、記録データとして75セクタ/秒の転送速度でバースト的に読み出される。この読み出されて記録されるデータについて、記録休止期間を含む全体的なデータ転送速度は、37.5セクタ/秒の低い速度となっているが、バースト的に行われる記録動作の時間内での瞬時的なデータ転送速度は標準的な75セクタ/秒となっている。従って、ディスク回転速度が標準的なCD−DAフォーマットと同じ速度(一定線速度)のとき、CD−DAフォーマットと同じ記録密度、記憶パターンの記録が行われることになる。
【0036】
メモリ64から75セクタ/秒の(瞬時的な)転送速度でバースト的に読み出されたATCオーディオデータすなわち記録データは、エンコーダ65に供給される。ここで、メモリ64からエンコーダ65に供給されるデータ列において、1回の記録で連続記録される単位は、複数セクタ(例えば32セクタ)から成るクラスタおよびそのクラスタの前後位置に配されたクラスタ接続用の数セクタとしている。このクラスタ接続用セクタは、エンコーダ65でのインターリーブ長より長く設定しており、インターリーブされても他のクラスタのデータに影響を与えないようにしている。
【0037】
エンコーダ65は、メモリ64から上述したようにバースト的に供給される記録データについて、エラー訂正のための符号化処理(パリティ付加およびインターリーブ処理)やEFM符号化処理などを施す。このエンコーダ65による符号化処理の施された記録データが磁気ヘッド駆動回路66に供給される。この磁気ヘッド駆動回路66は、磁気ヘッド54が接続されており、記録データに応じた変調磁界を光磁気ディスク1に印加するように磁気ヘッド54を駆動する。
【0038】
また、システムコントローラ57は、メモリ64に対する上述のようにメモリ制御を行うとともに、このメモリ制御によりメモリ64からバースト的に読み出される記録データを光磁気ディスク1の記録トラックに連続的に、あるいは後述のように選択、離散的に記録するように記録位置の制御を行う。この記録位置の制御は、システムコントローラ57によりメモリ64からバースト的に読み出される記録データの記録位置を管理して、光磁気ディスク1の記録トラック上の記録位置を指定する制御信号をサーボ制御回路56に供給することによって行われる。
【0039】
次に、この光磁気ディスク記録再生ユニットの再生系について説明する。この再生系は、上述の記録系により光磁気ディスク1の記録トラック上に連続的に記録された記録データを再生するためのものであり、光学ヘッド53によって光磁気ディスク1の記録トラックをレーザ光でトレースすることにより得られる再生出力がRF回路55により2値化されて供給されるデコーダ71を備えている。この時光磁気ディスクのみではなく、コンパクトディスク(CD)と同じ再生専用光ディスクの読み出しも行なうことができる。
【0040】
デコーダ71は、上述の記録系におけるエンコーダ65に対応するものであって、RF回路55により2値化された再生出力について、エラー訂正のための上述のように復号化処理やEFM復号化処理などの処理を行いオーディオデータを、正規の転送速度よりも早い75セクタ/秒の転送速度で再生する。このデコーダ71により得られる再生データは、メモリ72に供給される。
【0041】
メモリ72は、データの書き込みおよび読み出しがシステムコントローラ57により制御され、デコーダ71から75セクタ/秒の転送速度で供給される再生データがその75セクタ/秒の転送速度でバースト的に書き込まれる。また、このメモリ72は、75セクタ/秒の転送速度でバースト的に書き込まれた再生データが正規の75セクタ/秒の転送速度37.5セクタ/秒で連続的に読み出される。
【0042】
システムコントローラ57は、再生データをメモリ72に75セクタ/秒の転送速度で書き込むとともに、メモリ72から再生データを37.5セクタ/秒の転送速度で連続的に読み出すようなメモリ制御を行う。また、システムコントローラ57は、メモリ72に対する上述のようにメモリ制御を行うとともに、このメモリ制御によりメモリ72からバースト的に書き込まれる再生データを光磁気ディスク1の記録トラックから連続的に再生するように再生位置の制御を行う。この再生位置の制御は、システムコントローラ57によりメモリ72からバースト的に読み出される再生データの再生位置を管理して、光磁気ディスク1もしくは光ディスク1の記録トラック上の再生位置を指定する制御信号をサーボ制御回路56に供給することによって行われる。
【0043】
メモリ72から37.5セクタ/秒の転送速度で連続的に読み出された再生データとして得られるATCオーディオデータは、ATCデコーダ73に供給される。このATCデコーダ73は、ATCデータを12倍にデータ伸張(ビット伸張)することで量子化語長24ビットのディジタルオーディオデータを再生する。このATCデコーダ73からのディジタルオーディオデータは、D/A変換器74に供給される。
【0044】
D/A変換器74は、ATCデコーダ73から供給されるディジタルオーディオデータをアナログ信号に変換して、アナログオーディオ出力信号AOUT を形成する。このD/A変換器74により得られるアナログオーデイオ信号AOUT は、ローパスフィルタ75を介して出力端子76から出力される。
【0045】
次に、高能率圧縮符号化について詳述する。すなわち、オーディオPCM信号等の入力ディジタル信号を、帯域分割符号化(SBC)、適応変換符号化(ATC)、適応ビット割当て等、各技術を用いて高能率符号化する技術について、図2以降を参照しながら説明する。
【0046】
図3に示す具体的な高能率符号化装置では、入力ディジタル信号を等バンド幅の複数の周波数帯域に分割し、各周波数帯域毎に間引き処理を行って、見かけ上の標本化周波数を分割数分の1となるようにした後、入力ディジタル信号の分割数分の1の情報を圧縮する基本エンコーダによって情報を圧縮され、一番低い周波数帯の情報を基本ビットストリームとして、その他の帯域の情報を拡張ビットストリームとして出力している。
【0047】
すなわち、図2において、入力端子200には例えば、量子化語長24ビットかつ、標本化周波数が176.4kHzの時、0〜88.2kHzのオーディオPCM信号が供給されている。この入力信号は、例えばいわゆる等バンド幅帯域分割フィルタであるPQF(Polyphase Quadrature Filter)フィルタ201により0〜22.05kHz帯域、22.05kHz〜44.1kHz帯域、44.1kHz〜66.15kHz帯域、66.15kHz〜88.2kHz帯域とに分割される。PQFフィルタ201により分割された各帯域の信号は、0〜22.05kHz帯域が間引き回路205に、22.05kHz〜44.1kHz帯域が間引き回路204に、44.1kHz〜66.15kHz帯域が間引き回路203に、66.15kHz〜88.2kHz帯域が間引き回路202にそれぞれ入力されている。
【0048】
ここで、上述した入力ディジタル信号を等バンド幅の周波数帯域に分割する手法としては、例えば、PQFフィルタがあり、
ICASSP 83,Boston Polyphase Quadrature Filters-A New Subband Coding Technique Joseph H. Rothweiler
に述べられている。
【0049】
間引き回路202〜205に入力された各帯域の信号は、周波数幅が入力端子200に入力されたオーディオPCM信号の1/4となっていることから、データを1/4に間引いてもその情報が損なわれることは無いため、それぞれのデータが1/4に間引かれて、0〜22.05kHz帯域が基本エンコーダ209に、22.05kHz〜44.1kHz帯域が基本エンコーダ208に、44.1kHz〜66.15kHz帯域が基本エンコーダ207に、66.15kHz〜88.2kHz帯域が基本エンコーダ206にそれぞれ入力されている。
【0050】
ここでデータを間引くことによりいわゆる折り返しが発生し情報を乱す原因となるが、通常、この折り返しの発生量は、帯域分割フィルタの特性に依存しており、この実施形態においては、PQFフィルタを使用して折り返しをキャンセルし、且つPQFフィルタ201の次数を96タップとすることで実用上の折り返しの影響を受けない良好な結果を得ている。
【0051】
図2における基本エンコーダ206〜209は、いわゆるコンパクトディクス(標本化周波数44.1kHz、量子化語長16ビット)の情報量をエンコードする能力を有するエンコーダで、このエンコーダを4つ使うことにより、図2における入力端子200に入力される標本化周波数176.4kHzのオーディオPCM信号をエンコードすることを可能としている。基本エンコーダ206〜209より出力された情報はMPX(マルチプレクサ)回路214に入力され一つのストリームにまとめられた上、拡張ビットストリームとして出力端子215から出力される。
【0052】
また、基本エンコーダの情報圧縮能力を補間し、量子化語長24ビット程度まで拡張するために基本エンコーダ206の出力する圧縮情報の量子化誤差が拡張エンコーダ210に、基本エンコーダ207の出力する圧縮情報の量子化誤差が拡張エンコーダ211に、基本エンコーダ208の出力する圧縮情報の量子化誤差が拡張エンコーダ212に、基本エンコーダ209の出力する圧縮情報の量子化誤差が拡張エンコーダ213にそれぞれ出力され、再圧縮、再量子化を経てMPX回路214に出力され、基本エンコーダ206〜209より出力された情報とまとめられて出力端子215から出力される。
【0053】
次に、基本エンコーダの一具体例の概略構成を表すブロック回路図を図3に示す。図3に示す具体的なエンコーダでは、入力ディジタル信号を等バンド幅の複数の周波数帯域に分割し、各周波数帯域毎に直交変換を行って、得られた周波数軸のスペクトルデータを、低域では、後述する人間の聴覚特性を考慮したいわゆる臨界帯域幅(クリティカルバンド)毎に、中高域ではブロックフローティング効率を考慮して臨界帯域幅を細分化した帯域毎に、適応的にビット割当して符号化している。通常このブロックが量子化雑音発生ブロックとなる。このクリティカルバンドとは、人間の聴覚特性を考慮して分割された周波数帯域であり、ある純音の周波数近傍の同じ強さの狭帯域バンドノイズによって純音がマスクされるときのそのノイズの持つ帯域のことである。このクリティカルバンドは、高域ほど帯域幅が広くなっており、0〜22kHzの全周波数帯域は例えば25のクリティカルバンドに分割されている。
【0054】
すなわち、図3において、入力端子300には例えば標本化周波数が44.1kHzの時、22kHzの周波数幅を持ったオーディオPCM信号が供給されている。この入力信号は、例えばいわゆるQMF(Quadrature Mirror Filter)フィルタ等の帯域分割フィルタ301により0〜11kHz帯域と11kHz〜22kHz帯域とに分割される。さらに0〜11kHz帯域の信号は同じくいわゆるQMFフィルタ等の帯域分割フィルタ303により0〜5.5kHz帯域と5.5kHz〜11kHz帯域とに分割され、11〜22kHz帯域の信号は同じくいわゆるQMFフィルタ等の帯域分割フィルタ302により11〜16.5kHz帯域と16.5kHz〜22kHz帯域とに分割される。帯域分割フィルタ302からの16.5kHz〜22kH帯域の信号はゲインコントロール回路304に送られ、11kHz〜16.5kHz帯域の信号はゲインコントロール回路305に送られ、帯域分割フィルタ303からの5.5kHz〜11kHz帯域の信号はゲインコントロール回路306に送られ、帯域分割フィルタ306からの0〜5.5kHz域の信号はゲインコントロール回路307に送られることにより、それぞれ振幅量の調整が行われる。このゲインコントロールの目的は、微小信号が入力された際に後段での直交変換時に十分な演算精度を得ることと、直交変換ブロック内に量子化誤差が一様に生じる為に微小信号部分でノイズと認識できてしまう現象、いわゆるプリエコーの発生が少なくなる事を目的としている。
【0055】
ここで、上述した入力ディジタル信号を複数の周波数帯域に分割する手法としては、例えば、QMFフィルタがあり、
1976 R.E.Crochiere Digital Coding of Speech In Subbands Bell Syst.Tech. J. Vol.55,No.8 1976
に、述べられている。また、上述の等バンド幅の周波数帯域に分割する手法、例えば、PQFフィルタを用いても良好な結果が得られた。
【0056】
次に、図4および図5を用いてゲインコントロール回路の作用について説明する。図4はゲインコントロール回路を用いないで直交変換を行い、情報圧縮、量子化および逆量子化、逆直交変換を行った場合のモデルを示している。図4Aは入力されるオーディオPCM信号模式的に表したものである。図4Aの様に直交変換ブロック内で各周波数成分の信号に大きな振幅変化が生じた信号を直交変換した場合でも図4Bに示すように、各周波数成分が得られる。この情報を元に情報圧縮、量子化を行い、さらに逆量子化、逆直交変換を行うと図4Cに示すような直交変換ブロック内に一様な量子化ノイズが生じる。この量子化ノイズは図4C中、(b)の部分の様に元の信号の振幅が大きい部分ではマスキング効果により聴感上問題とならないが、図4C(a)の部分の様に元の信号の振幅が小さい部分においては、十分なマスキング効果が得られず、聴感上のノイズと認識される場合が生じる。
【0057】
そこで、図5はこの実施形態におけるゲインコントロール回路の作用を示す図であるが、図5Aに示す入力信号に対し図5A中に示すゲインコントロール特性で入力信号の振幅特性を制御すると図5Bに示すような直交変換ブロック内で変化の少ない振幅特性を持ったオーディオPCM信号となる。このオーディオPCM信号を直交変換したものが図5Cに示す周波数分布である。この情報を元に情報圧縮、量子化を行い、さらに逆量子化、逆直交変換を行うと図4Cで示した量子化ノイズと同様に図5Dに示すような直交変換ブロック内に一様な量子化ノイズが生じる。次に、図5Dに示す振幅に対して図5Aで示したゲインコントロール特性の逆の特性で振幅特性を制御すると図5Eに示すように元の信号で小振幅であった図5E中(a)の部分において振幅が抑制されることとなり、その結果、量子化ノイズのレベルも減少し、より大きなマスキング効果が得られることにより、より良好な聴感特性が得られる。
【0058】
この実施形態においては、入力されたオーディオPCM信号の64サンプル毎に振幅特性を制御し、直交変換ブロック内の振幅特性が一定以下の変動となるように制御し良好な結果を得ている。
【0059】
引続き図3において、ゲインコントロール回路304からの16.5kHz〜22kH帯域の信号は、直交変換の一種であるMDCT回路308に送られ、ゲインコントロール回路305からの11kHz〜16.5kHz帯域の信号はMDCT回路309に送られ、ゲインコントロール回路306からの5. 5kHz〜11kHz帯域の信号はMDCT回路310に送られ、ゲインコントロール回路307からの0〜5.5kHz域の信号はMDCT回路311に送られることにより、それぞれ直交変換される。
【0060】
また、各ゲインコントロール回路304〜307で各周波数帯域毎にコントロールされたゲイン情報がMPX回路317に出力され、他のデータと共に出力端子318より出力される。
【0061】
ここで、上述した直交変換としては、例えば、入力オーディオ信号を所定単位時間(フレーム)でブロック化し、ブロック毎に高速フーリエ変換(FFT)、コサイン変換(DCT)、モディファイドDCT変換(MDCT)等を行うことで時間軸を周波数軸に変換するような直交変換がある。MDCTについては
ICASSP 1987 Subband/Transform Coding Using Filter Bank Designs Based On Time Domain Aliasing Cancellation J.P.Princen A.B.Bradley Univ. of Surrey Royal Melbourne Inst.Of Tech.
に述べられている。
【0062】
図3において、各MDCT回路308〜311にてMDCT処理されて得られた周波数軸上のスペクトルデータ或いはMDCT係数データは、適応ビット割当符号化回路313〜316、拡張エンコーダ319およびビット配分算出回路312に伝送している。図3における拡張エンコーダ319は図2における基本エンコーダ206に対する拡張エンコーダ210に、基本エンコーダ207に対する拡張エンコーダ211に、基本エンコーダ208に対する拡張エンコーダ212に、基本エンコーダ209に対する拡張エンコーダ213にそれぞれ該当するものである。
【0063】
ビット配分算出回路312は、上述のクリティカルバンドを考慮して分割されたスペクトルデータに基づき、いわゆるマスキング効果等を考慮してクリティカルバンドを考慮した各分割帯域毎のマスキング量を求め、このマスキング量とクリティカルバンドを考慮した各分割帯域毎のエネルギーあるいはピーク値等に基づいて、各帯域毎に割当ビット数を求め、適応ビット割当符号化回路313〜316へ伝送している。適応ビット割当符号化回路313〜316では各帯域毎に割り当てられたビット数に応じて各スペクトルデータ(あるいはMDCT係数データ)を量子化している。このようにして符号化されたデータは、MPX回路317および拡張エンコーダ319に送られる。
【0064】
次に、図6はビット配分算出回路312の一具体例の概略構成を示すブロック回路図である。この図6を用いてビット配分算出回路の作用について説明する。この図6において、入力端子601には、図3におけるMDCT回路308〜311からの周波数軸上のスペクトルデータ或いはMDCT係数データが供給されている。この周波数軸上の入力データは、帯域毎のエネルギー算出回路602に送られて、マスキング量とクリティカルバンドおよびブロックフローティングを考慮した各分割帯域のエネルギーが、例えばバンド内での各振幅値の総和を計算すること等により求められる。この各バンド毎のエネルギーの代わりに、振幅値のピーク値、平均値等が用いられることもある。このエネルギー算出回路602からの出力として、例えば各バンドの総和値のスペクトルを図7にSBとして示している。ただし、この図7では、図示を簡略化するため、マスキング量とクリティカルバンドおよびブロックフローティングを考慮した分割帯域数を12バンド(B1 〜B12)で表現している。
【0065】
ここで、スペクトルSBのいわゆるマスキングに於ける影響を考慮するために、スペクトルSBに所定の重み付け関数を掛けて加算するような畳込み(コンボリユーション)処理を施す。このため、帯域毎のエネルギー算出回路602の出力すなわちスペクトルSBの各値は、畳込みフイルタ回路603に送られる。畳込みフイルタ回路603は、例えば、入力データを順次遅延させる複数の遅延素子と、これら遅延素子からの出力にフイルタ係数(重み付け関数)を乗算する複数の乗算器(例えば各バンドに対応する25個の乗算器)と、各乗算器出力の総和をとる総和加算器とから構成されるものである。この畳込み処理により、図7中点線で示す部分の総和がとられる。
【0066】
ここで、畳込みフイルタ回路603の各乗算器の乗算係数(フイルタ係数)の一具体例を示すと、任意のバンドに対応する乗算器Mの係数を1とするとき、乗算器M−1で係数0.15を、乗算器M−2で係数0.0019を、乗算器M−3で係数0.0000086を、乗算器M+1で係数0.4を、乗算器M+2で係数0.06を、乗算器M+3で係数0.007を各遅延素子の出力に乗算することにより、スペクトルSBの畳込み処理が行われる。ただし、Mは1〜25の任意の整数である。
【0067】
次に、畳込みフイルタ回路603の出力は引算器604に送られる。引算器604は、畳込んだ領域での後述する許容可能なノイズレベルに対応するレベルαを求めるものである。なお、許容可能なノイズレベル(許容ノイズレベル)に対応するレベルαは、後述するように、逆コンボリユーション処理を行うことによって、クリテイカルバンドの各バンド毎の許容ノイズレベルとなるようなレベルである。ここで、引算器604には、レベルαを求めるための許容関数(マスキングレベルを表現する関数)が供給される。この許容関数を増減させることでレベルαの制御を行っている。許容関数は、次に説明するような(n−ai)関数発生回路605から供給されているものである。
【0068】
すなわち、許容ノイズレベルに対応するレベルαは、クリテイカルバンドのバンドの低域から順に与えられる番号をiとすると、次の(1)式で求めることができる。
α=S−(n−ai) ・・・(1)
この(1)式において、n,aは定数でa>0、Sは畳込み処理されたバークスペクトルの強度であり、(1)式中(n−ai)が許容関数となる。この実施形態では
n=38,a=1
としており、この時の音質劣化はなく、良好な符号化が行えた。
【0069】
このようにして、レベルαが求められ、このデータは、割算器606に伝送される。割算器606では、畳込みされた領域でのレベルαを逆コンボリユーションするためのものである。したがって、この逆コンボリユーション処理を行うことにより、レベルαからマスキングスペクトルが得られるようになる。すなわち、このマスキングスペクトルが許容ノイズスペクトルとなる。なお、逆コンボリユーション処理は、複雑な演算を必要とするが、この実施形態では簡略化した割算器606を用いて逆コンボリユーションを行っている。
【0070】
次に、マスキングスペクトルは、合成回路607を介して減算器608に伝送される。ここで、減算器608には、帯域毎のエネルギー検出回路602からの出力、すなわち上述したスペクトルSBが、遅延回路609を介して供給されている。したがって、この減算器608でマスキングスペクトルとスペクトルSBとの減算が行われることで、図8示すように、スペクトルSBは、マスキングスペクトルMSのレベルで示すレベル以下がマスキングされることになる。
【0071】
減算器608からの出力は、許容雑音補正回路610を介し、出力端子611を介して取り出され、例えば割当てビット数情報が予め記憶されたROM等(図示せず)に送られる。このROM等は、減算回路608から許容雑音補正回路610を介して得られた出力(各バンドのエネルギーとノイズレベル設定手段の出力との差分のレベル)に応じ、各バンド毎の割当ビット数情報を出力する。この割当ビット数情報が図3における適応ビット割当符号化回路313〜316に送られることで、図3におけるMDCT回路308〜311からの周波数軸上の各スペクトルデータがそれぞれのバンド毎に割り当てられたビット数で量子化されるわけである。
【0072】
要約すれば、図3における適応ビット割当符号化回路313〜316では、マスキング量とクリテイカルバンドおよびブロックフローティングを考慮した各分割帯域のエネルギーとノイズレベル設定手段の出力との差分のレベルに応じて割当てられたビット数で各バンド毎のスペクトルデータを量子化することになる。なお、図6における遅延回路609は、合成回路607以前の各回路での遅延量を考慮してエネルギー検出回路602からのスペクトルSBを遅延させるために設けられている。
【0073】
ところで、上述した合成回路607での合成の際には、最小可聴カーブ発生回路612から供給される図9に示すような人間の聴覚特性であるいわゆる最小可聴カーブRCを示すデータと、マスキングスペクトルMSとを合成することができる。この最小可聴カーブにおいて、雑音絶対レベルがこの最小可聴カーブ以下ならば雑音は聞こえないことになる。この最小可聴カーブは、コーデイングが同じであっても例えば再生時の再生ボリユームの違いで異なるものとなるが、現実的なデジタルシステムでは、例えば16ビットダイナミツクレンジへの音楽のはいり方にはさほど違いがないので、例えば4kHz付近の最も耳に聞こえやすい周波数帯域の量子化雑音が聞こえないとすれば、他の周波数帯域ではこの最小可聴カーブのレベル以下の量子化雑音は聞こえないと考えられる。したがって、このように例えばシステムの持つワードレングスの4kHz付近の雑音が聞こえない使い方をすると仮定し、この最小可聴カーブRCとマスキングスペクトルMSとを共に合成することで許容ノイズレベルを得るようにすると、この場合の許容ノイズレベルは、図9中の斜線で示す部分までとすることができるようになる。なお、この実施形態では、最小可聴カーブの4kHzのレベルを、例えば20ビット相当の最低レベルに合わせている。また、この図9は、信号スペクトルSSも同時に示している。
【0074】
また、許容雑音補正回路610では、補正情報出力回路613から送られてくる例えば等ラウドネスカーブの情報に基づいて、減算器608からの出力における許容雑音レベルを補正し、出力端子611を介して、図3におけるMPX回路317に伝送している。ここで、等ラウドネスカーブとは、人間の聴覚特性に関する特性曲線であり、例えば1kHzの純音と同じ大きさに聞こえる各周波数での音の音圧を求めて曲線で結んだもので、ラウドネスの等感度曲線とも呼ばれる。またこの等ラウドネス曲線は、図8に示した最小可聴カーブRCと略同じ曲線を描くものである。この等ラウドネス曲線においては、例えば4kHz付近では1kHzのところより音圧が8〜10dB下がっても1kHzと同じ大きさに聞こえ、逆に、50Hz付近では1kHzでの音圧よりも約15dB高くないと同じ大きさに聞こえない。このため、最小可聴カーブのレベルを越えた雑音(許容ノイズレベル)は、等ラウドネス曲線に応じたカーブで与えられる周波数特性を持つようにするのが良いことがわかる。このようなことから、等ラウドネス曲線を考慮して許容ノイズレベルを補正することは、人間の聴覚特性に適合していることがわかる。
【0075】
さらに、補正情報出力回路613では、図3における適応ビット割当符号化回路313〜316における量子化の際の出力情報量(データ量)の検出出力と、最終符号化データのビットレート目標値との間の誤差の情報に基づいて、許容ノイズレベルを補正するようにしている。これは、全てのビット割当単位ブロックに対して予め一時的な適応ビット割当を行って得られた総ビット数が、最終的な符号化出力データのビットレートによって定まる一定のビット数(目標値)に対して誤差を持つことがあり、その誤差分を0とするように再度ビット割当をするものである。すなわち、目標値よりも総割当ビット数が少ないときには、差のビット数を各単位ブロックに割り振って付加するようにし、目標値よりも総割当ビット数が多いときには、差のビット数を各単位ブロックに割り振って削るように作用する。
【0076】
以上のような動作を行なうため、総割当ビット数の目標値からの誤差を検出し、この誤差データに応じて補正情報出力回路613が各割当ビット数を補正するための補正データを出力する。ここで、誤差データがビット数不足を示す場合は、単位ブロック当たり多くのビット数が使われることでデータ量が目標値よりも多くなっている場合を考えることができる。また、誤差データが、ビット数余りを示すデータとなる場合は、単位ブロック当たり少ないビット数で済み、データ量が目標値よりも少なくなっている場合を考えることができる。したがって、補正情報出力回路613からは、この誤差データに応じて、減算器608からの出力における許容ノイズレベルを、例えば等ラウドネス曲線の情報データに基づいて補正させるための補正値のデータが出力されるようになる。上述のような補正値が、許容雑音補正回路610に伝送されることで、減算器608からの許容ノイズレベルが補正されるようになる。以上説明したようなシステムでは、メイン情報として直交変換出力スペクトルをサブ情報により処理したデータとサブ情報としてブロックフローティングの状態を示すスケールファクター、語長を示すワードレングスが得られ、エンコーダからデコーダに送られる。
【0077】
上述ではビット配分算出回路に入力される周波数帯域を0〜22kHz、いわゆる可聴周波数帯域として説明を行ったが、各ビット配分算出回路はその周波数帯域毎に最適化を施す事が望ましい。この実施形態においては、22kHz以上の帯域においては、帯域内を等バンド幅の25バンドに分割し、帯域における図6における最小可聴カーブ発生回路612の発生するカーブを周波数に単純反比例するカーブとして信号処理を行っている。なお、装置の簡略化を計るために、0〜22kHz、いわゆる可聴周波数帯域でのビット配分算出回路を他の帯域でも共用しても同様の効果が得られる。
【0078】
再び図3において、拡張エンコーダ319は図2における拡張エンコーダ210〜213に該当し、基本エンコーダ206〜209によって圧縮、量子化されたデータの量子化誤差を再度圧縮、量子化することで本信号処理装置の語長(S/N)の改善を計る回路である。
【0079】
図10は図3における拡張エンコーダ319の一具体例の概略構成を示すブロック回路図である。ここで図10を用いて拡張エンコーダの作用について説明する。図10において入力端子701は図3におけるMDCT回路308の出力と接続されており、同様に入力端子702は図3におけるMDCT回路309の出力と、入力端子703は図3におけるMDCT回路310の出力と、入力端子704は図3におけるMDCT回路311の出力と接続されており、おのおのスペクトルデータ(あるいはMDCT係数データ)が供給されている。また、入力端子705は図3における適応ビット割当符号化回路313の出力と接続されており、同様に入力端子706は図3における適応ビット割当符号化回路314の出力と、入力端子707は図3における適応ビット割当符号化回路315の出力と、入力端子708は図3における適応ビット割当符号化回路316の出力と接続されており、おのおの図3で示す基本エンコーダにおいて圧縮、量子化された信号が入力されている。
【0080】
入力端子705より入力された圧縮、量子化され信号は逆量子化回路709に入力されており、同様に入力端子706より入力された信号は逆符号化回路710に、入力端子707より入力された信号は逆符号化回路711に、入力端子708より入力された信号は逆符号化回路712に入力されている。逆符号化回路709〜712では、量子化、符号化されたデータをスペクトルデータ(あるいはMDCT係数データ)に戻す処理を行い、逆符号化回路709の出力は減算回路713に、逆符号化回路710の出力は減算回路714に、逆符号化回路711の出力は減算回路715に、逆符号化回路712の出力は減算回路716に出力されている。
【0081】
減算回路713〜716では入力端子701〜704より入力された図3におけるMDCT回路308〜311の各帯域のスペクトルデータ(あるいはMDCT係数データ)から逆符号化回路709〜712より出力された各帯域のスペクトルデータ(あるいはMDCT係数データ)を減じている。すなわち、この減算の結果は図3における適応ビット割当符号化回路313〜316によって符号化された信号の誤差(量子化誤差)を求めている。この減算回路713で求められた誤差は符号化回路718へ、減算回路714で求められた誤差は符号化回路719へ、減算回路715で求められた誤差は符号化回路720へ、減算回路716で求められた誤差は符号化回路721へ送られる共に、再量子化、符号化の為にビット配分算出回路717へ送られる。
【0082】
このビット配分算出回路717は先に求めた誤差を再度符号化するためのビットの配分を決定する回路であり、図3におけるビット配分算出回路312と同等のものであり、すなわち、図6において示したものと同等の回路である。この実施形態においては、図10のビット配分算出回路717においては図6における最小可聴カーブ発生回路612の出力するカーブをフラットなカーブとし、各分割帯域毎のエネルギーおよび周波数に依存しない一様な量子化誤差となるようにビットの配分が決定され符号化回路718〜721に送られている。符号化回路718〜721では各帯域毎にビット配分算出回路717で割り当てられたビット数に応じて各誤差(量子化誤差)を再量子化、符号化している。このようにして符号化されたデータはMPX回路722に送られ、各帯域の符号化データが多重化され出力端子723、すなわち、図3における出力端子320より出力されている。
【0083】
図11は図1におけるATCデコーダ73、すなわち、上述のように高能率符号化された信号を再び復号化するための復号回路を示している。各帯域の圧縮、量子化され、多重化された情報は入力端子801に入力される。入力端子801より入力された多重化された信号はDe−MPX(デマルチプレクサ)回路802に入力され、各帯域毎に基本ビットストリーム、拡張ビットストリームおよびゲイン情報に分離されて、基本デコーダ803〜806に入力される。基本デコーダ803〜806では帯域毎に入力された周波数軸上のスペクトルデータ(あるいはMDCT係数データ)を逆量子化、逆直交変換、逆ゲインコントロール等を行い時間軸上の振幅データに変換し、帯域合成フィルタ807へ出力している。帯域合成フィルタ807では基本デコーダ803より出力された66.15kHz〜88.2kHz帯域と基本デコーダ804より出力された44.1kHz〜66.15kHz帯域と基本デコーダ805より出力された22.05kHz〜44.1Hz帯域と基本デコーダ806より出力された0kHz〜22.05kHz帯域とを合成し、0〜88.2kHzのオーディオPCM信号として出力端子808へ出力している。
【0084】
図12は図11における基本デコーダ803〜806の具体的回路を示している。入力端子901より基本ビットストリーム、すなわち、図3における適応ビット割当符号化回路313〜316の出力信号と等価のデータが入力され、適応ビット割当復号化回路904に与えられている。入力端子902より拡張ビットストリーム、すなわち、図10における符号化回路718〜721の出力信号と等価のデータが入力され、適応ビット割当復号化回路905に与えられている。さらに、入力端子903よりゲイン情報、すなわち、図3におけるゲインコントロール回路304〜307の出力信号と等価のデータが入力され、逆ゲインコントロール回路914〜917に与えられている。適応ビット割当復号化回路904では適応ビット割当情報を用いてビット割当を解除し、逆量子化を施すことで基本ビットストリームよりスペクトルデータ(あるいはMDCT係数データ)を復元し、各帯域毎の加算回路906〜909に出力している。さらに、適応ビット割当復号化回路905では適応ビット割当情報を用いてビット割当を解除し、逆量子化を施すことで拡張ビットストリームよりスペクトルデータ(あるいはMDCT係数データ)を復元し、各帯域毎の加算回路906〜909に出力している。加算回路906〜909では各帯域毎に、例えば、0kHz〜22.05kHz帯域においては、0kHz〜5.5kHz帯域、5.5kHz〜11kHz帯域、11kHz〜16.5kHz帯域および16.5kHz〜22.05kHz帯域毎に基本ビットストリームより得られたスペクトルデータ(あるいはMDCT係数データ)と拡張ビットストリームより得られたスペクトルデータ(あるいはMDCT係数データ)を加算し、それぞれ、逆直交変換(IMDCT)回路910〜913に出力している。
【0085】
次に逆直交変換回路910〜913では周波数軸上の信号が時間軸上の信号に変換される。これらの部分帯域の時間軸上の信号は逆ゲインコントロール回路914〜917において、入力端子903より入力されたゲイン情報を元に、本来の振幅が再現され、逆ゲインコントロール回路914、915の出力は帯域合成フィルタ(IQMF)回路918に、逆ゲインコントロール回路916、917の出力は帯域合成フィルタ回路919にそれぞれ出力される。帯域合成フィルタ回路918では4分割されている帯域のうち、上位側、例えば、0kHz〜22.05kHz帯域においては、11kHz〜16.5kHz帯域と16.5kHz〜22.05kHz帯域の時間軸上の信号が合成され、帯域合成フィルタ回路920へ出力される。同様に帯域合成フィルタ回路919では4分割されている帯域のうち、下位側、例えば、0kHz〜22.05kHz帯域においては、0kHz〜5.5kHz帯域と5.5kHz〜11kHz帯域の時間軸上の信号が合成され、帯域合成フィルタ回路920へ出力される。帯域合成フィルタ回路920では先に合成された帯域、例えば、0kHz〜22.05kHz帯域においては、0kHz〜11kHz帯域と11kHz〜22.05kHz帯域の時間軸上の信号が合成され全帯域信号に復号化され、出力端子921より出力される。
【0086】
ここで、この発明における作用を図13以降を用いて説明する。図13はこの実施形態による信号圧縮装置あるいは情報圧縮方法により出力される圧縮ビットストリームの概念を示す図である。このビットストリームは各周波数帯域毎に基本帯域、x2帯域、x3帯域とx4帯域に分けられ、さらに入力信号の語長に対応する部分として、例えば、16ビットまでの基本部分と16ビットから24ビットまでの部分の拡張部分とに分けられており、この組合せにより8つの部分から構成されている。
【0087】
この実施形態における信号伸張装置あるいは情報伸張方法によれば、先の8つの部分の内、少なくとも1つの周波数帯域の基本部分があれば、情報の伸張が可能である。すなわち、図11における基本デコーダ803〜805の出力が「0」であり、かつ基本デコーダ806に相当する図13において適応ビット割当復号化回路905の出力が「0」となる状態においても、図14に示すような16ビットの語長に適応した基本帯域の情報の伸張が可能である。同様に図15では24ビットの語長に適応した基本帯域の情報の伸張例を示し、図16では24ビットの語長に適応した基本帯域と16ビットの語長に適応したx2帯域の情報の伸張例を示している。以下、図17〜図20において順次伸張する周波数帯域と語長の拡大をした場合の例を示している。この例からも明らかな様にこの発明によれば、図13に示すように圧縮ビットストリームから、図13と同一の語長、帯域を持つ情報の伸張だけでなく、同一の圧縮ビットストリームから信号伸張装置あるいは信号伸張方法のみの都合により図14〜図20に示すような語長、帯域を持つ情報の伸張が可能となる。
【0088】
加えて、図21〜図23の様に順に語長、伸張帯域を拡張しない場合でも情報伸張が可能であり、図13〜図23に示した例以外の図13における8つの部分の組合せによる語長、伸張周波数帯域の組合せによる情報の伸張が可能な事は言うまでもない。
【0089】
上述のように選択性は信号伸張装置あるいは情報伸張方法においてのみならず、信号圧縮装置あるいは情報伸張方法においても図13〜23に示すように情報の形態を圧縮ビットストリームとしてこの実施形態におけるにおいて出力することも容易であり、この場合には信号圧縮装置あるいは情報伸張方法によって出力された圧縮ビットストリームが伸張可能な情報量の上限となることは言うまでもない。
【0090】
次に、図24以降を用いて、図1における光磁気ディスク1上に記録される圧縮ビットストリームの特徴に付いて説明する。この実施形態における信号圧縮装置あるいは情報伸張方法においては上述の語長、周波数帯域にの組合せによる複数の記録形態を有している。図24は、図13に示す圧縮ビットストリームを同一トラック上に展開記録した様子を示したものである。この様な記録方式を選択した場合、全ての語長、周波数帯域について信号伸張する場合に都合が良く、最小の構成で装置が構築できる一方、基本帯域のみを伸張する様な場合においては、例えば基本帯域を記録してある部分のみを抽出するために図1における光磁気ディスク1の制御、すなわち、図1におけるサーボ制御回路56、システムコントローラ57の動きが繁雑になるか、あるいは図1におけるメモリ72上に記録した後に必要な部分の抽出を行う等、伸張の為の装置が複雑になる傾向があるが、この実施形態のように光磁気ディスクへ記録する場合においては比較的良好な結果を得られた。
【0091】
一方、図25は、各帯域の基本部分、拡張部分毎に別のトラック上に展開記録した様子を示したものである。この様な記録方式を選択した場合、基本周波数帯域についてのみ信号伸張する場合に都合が良く、最小の構成で装置が構築できる一方、全ての語長、周波数帯域を伸張する様な場合においては、例えば0番目のブロックの伸張を行うために、基本帯域(0)、基本帯域拡張部(0)、x2帯域(0)、x2帯域拡張部(0)、x3帯域(0)、x3帯域拡張部(0)、x4帯域(0)、x4帯域拡張部(0)の8トラックよりデータの読み込が必要となり、伸張の為の装置が複雑になる傾向があるが、ICメモリのように半導体による記録等においては、先の複数のトラックよりのデータの読み込みが容易に出来る。
【0092】
さらに図26は、各帯域の基本部分と拡張部分を同一のトラック上に展開記録した様子を示したものである。この様な記録方式を選択した場合、図24ならびに図25で示した場合の中間の特徴を有し、記録媒体が特定できない場合や伝送経路を用いて情報を伝送することができる。
【0093】
なお、この発明は実施形態のみに限定されるものではなく、例えば、上記の記録再生媒体と信号圧縮装置あるいは伸張装置と、さらには、信号圧縮装置と伸張装置とは一体化されている必要はなく、記録媒体を介せずに、その間をデータ転送用回線や光ケーブル、光或いは電波による通信等で結ぶ事も可能である。更に例えば、オーデイオPCM信号のみならず、ディジタル音声(スピーチ)信号やディジタルビデオ信号等の信号処理装置にも適用可能である。
【0094】
また、この発明の記録媒体は、ディジタル信号処理装置により圧縮されたデータを記録することで、記録容量の有効利用が図れる。また、この発明の記録媒体としては、上述した光磁気ディスクのみならず、光ディスク、磁気ディスク、ICメモリおよびそのメモリを内蔵するカードや、磁気テープ等の各種記録媒体とすることもできる。
【0095】
ここで、この発明の各ディジタル信号処理装置および方法は、入力信号を複数の帯域に分割し、間引くことで情報量の低減を図り、分割された帯域毎に対応した比較的小規模の基本エンコーダと拡張エンコーダとを複数、階層的に配置するようにしている。
【0096】
なお、基本エンコーダの入力信号はオーディオ信号であり、高域程、少なくとも大部分の量子化雑音の発生をコントロールするブロックの周波数幅を広くしてゆくようにしている。また、この発明のディジタル信号処理装置および/または方法には、時間軸信号から周波数軸上の複数の帯域への分割に直交変換を用いる直交変換手段および/または周波数軸上の複数帯域から時間軸信号への変換に逆直交変換を用いる逆直交変換手段を有している。このとき、時間軸信号から周波数軸上の複数の帯域への分割の際には、先ず複数の帯域に分割し、分割された帯域毎に複数のサンプルからなるブロックを形成し、各帯域毎に振幅が一様となるようにゲインをコントロールし、各帯域のブロック毎に直交変換を行い係数データを得、および/または、周波数軸上の複数帯域から時間軸信号への変換の際には、周波数軸上の複数帯域から時間軸信号への変換に各帯域のブロック毎に逆直交変換を行い、振幅情報が再現されるようゲインをコントロールし、各逆直交変換出力を合成して時間軸上の合成信号を得る。また、直交変換前の時間軸信号から周波数軸上の複数の帯域への分割における分割周波数幅および/または逆直交変換後の周波数軸上の複数の帯域から時間軸信号への合成における複数の帯域からの合成周波数幅を、略高域程広くする。なお、前記複数の帯域への分割および/または前記複数の帯域からなる時間軸上の信号への変換にクワドラチャ・ミラー・フィルタ(QMFフィルタ)を用いるようにしている。また、直交変換としては、変更離散コサイン変換を用いている。
【0097】
また、この発明の記録媒体は、上述したこの発明のディジタル信号処理装置または情報圧縮方法によって圧縮した圧縮データを記録してなるものである。
【0098】
すなわち、この発明に係るディジタル信号処理装置または情報圧縮方法は、入力信号を複数の帯域に分割し、その分割された帯域を圧縮伸長する為に小規模の圧縮伸長を行う手段を複数段に階層的に配置することでより広範囲な周波数帯域に対応することができる。
【0099】
また、圧縮処理の過程に圧縮結果の誤差を検出し、その誤差を再圧縮し、誤差を再圧縮したデータを付加し、圧縮品質を向上させることができる。
【0100】
さらには、圧縮したデータを分割かつ階層的に記録するようにし、記録時に全体あるいは一部分を選択的に記録することによって、記録する圧縮データの伸長時の品質を選択、制御を実現することができる。
【0101】
加えて、圧縮したデータを分割かつ階層的に記録するようにし、伸長時に全体あるいは一部分を選択的に伸長することによって、伸長する際に伸長する品質を選択を実現することができる。
【0102】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、この発明のディジタル信号処理装置および情報圧縮方法によれば、単一の装置または情報圧縮方法により広範囲な圧縮率に効率良く適応することが可能となる。
【0103】
さらに、この発明のディジタル信号処理装置および情報圧縮方法によれば、より小規模の信号処理回路の複数個の組合せにより、より広帯域かつ高精度な情報の圧縮が可能であり、信号処理装置を実現する上でより単純な構成となるばかりでなく、DSP(Digital Signal Processor)等でソフトウェア的に実現する上で最適な構成となる。
【0104】
さらに、小規模の信号処理回路の組合せに適応したビットストリームを生成する事により、例えば携帯性を重視した装置では圧縮されたデータの一部を選択的に伸張再生することや固定設置された装置においてはより高品位の信号の伸張圧縮する等の実行が、同一の圧縮ビットストリームで可能となり、伸張再生される品位の選択が従来のものより柔軟により広範囲に圧縮する際ははもちろん、伸張する装置でも容易に出来事となる。
【0105】
加えて、この発明のディジタル信号処理装置および情報圧縮方法による圧縮されたビットストリームは、それ単体で複数のビットレートに対応したものとなるため、さまざまな転送レートを持った伝送経路による情報の伝送、ならびに異なる記録容量(密度)を有する記録媒体への記録が同一の圧縮ビットストリームにより対応が可能となり、伝送経路あるいは記録媒体に合わせて複数の圧縮率の圧縮ビットストリームを持つ必要が無くなるため、システムの規格が容易に構築でき装置の規模も縮小することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明ディジタル信号処理装置の一実施形態としての圧縮データの記録再生装置(ディスク記録再生装置)の構成例を示すブロック回路図である。
【図2】この実施形態のビットレート圧縮符号化に使用可能な高能率圧縮符号化エンコーダの一具体例を示すブロック回路図である。
【図3】この実施形態のビットレート圧縮符号化に使用可能な基本エンコーダの一具体例を示すブロック回路図である。
【図4】この実施形態においてゲインコントロールを実施しない場合の伸張結果を示す図である。
【図5】この実施形態においてゲインコントロールを実施した場合の伸張結果、効果を示す図である。
【図6】ビット配分演算機能を実現する畳込み演算を利用したビット配分算出回路の例を示すブロック回路図である。
【図7】各臨界帯域およびブロックフローティングを考慮して分割された帯域のスペクトルを示す図である。
【図8】マスキングスペクトルを示す図である。
【図9】最小可聴カーブ、マスキングスペクトルを合成した図である。
【図10】この実施形態のビットレート圧縮符号化に使用可能な拡張エンコーダの一具体例を示すブロック回路図である。
【図11】この実施形態のビットレート圧縮符号化に使用可能な高能率圧縮符号化デコーダの一具体例を示すブロック回路図である。
【図12】この実施形態のビットレート圧縮符号化に使用可能な基本デコーダの一具体例を示すブロック回路図である。
【図13】この実施形態の圧縮ビットストリームの一具体例を示す図である。
【図14】この実施形態において基本帯域のみ伸張した場合の概念を示す図である。
【図15】この実施形態において基本帯域および基本帯域拡張部を伸張した場合の概念を示す図である。
【図16】この実施形態において基本帯域および基本帯域拡張部、x2帯域を伸張した場合の概念を示す図である。
【図17】この実施形態において基本帯域および基本帯域拡張部、x2帯域およびx2帯域拡張部を伸張した場合の概念を示す図である。
【図18】この実施形態において基本帯域および基本帯域拡張部、x2帯域およびx2帯域拡張部、x3帯域を伸張した場合の概念を示す図である。
【図19】この実施形態において基本帯域および基本帯域拡張部、x2帯域およびx2帯域拡張部、x3帯域およびx3帯域拡張部を伸張した場合の概念を示す図である。
【図20】この実施形態において基本帯域および基本帯域拡張部、x2帯域およびx2帯域拡張部、x3帯域およびx3帯域拡張部、x4帯域を伸張した場合の概念を示す図である。
【図21】この実施形態において基本帯域および基本帯域拡張部、x2帯域、x3帯域、x4帯域を伸張した場合の概念を示す図である。
【図22】この実施形態において基本帯域および基本帯域拡張部、x2帯域およびx2帯域拡張部、x3帯域、x4帯域を伸張した場合の概念を示す図である。
【図23】この実施形態において基本帯域および基本帯域拡張部、x2帯域、x3帯域を伸張した場合の概念を示す図である。
【図24】この実施形態において記録媒体上に全ての語長、周波数帯域のストリームを同一トラックに記録した場合の概念を示す図である。
【図25】この実施形態において記録媒体上に全ての語長、周波数帯域毎にストリームを別のラックに記録した場合の概念を示す図である。
【図26】この実施形態において記録媒体上に全ての周波数帯域毎にストリームを別のラックに記録した場合の概念を示す図である。
【符号の説明】
1・・・光磁気ディスク、53・・・光学ヘッド、54・・・磁気ヘッド、56・・・サーボ制御回路、57・・・システムコントローラ、61、75・・・LPF、62・・・A/D変換器、63・・・ATCエンコーダ、64、72・・・メモリ、65・・・エンコーダ、66・・・磁気ヘッド駆動回路、71・・・デコーダ、73・・・ATCデコーダ、74・・・D/A変換器
Claims (10)
- 入力ディジタル信号を複数の等帯域幅に分割する第1の帯域分割手段と、
分割された上記入力ディジタル信号の標本化周波数を分割数分の1に変換する周波数変換手段と、
上記分割数分の1に変換されたディジタル信号を複数の等帯域幅に再度分割する第2の帯域分割手段と、
再度分割された上記ディジタル信号の帯域毎に応じてビット配分を行い、帯域毎に割り当てられたビット数で上記ディジタル信号を符号化する適応ビット割当符号化手段と、
上記符号化されたディジタル信号を逆符号化する逆符号化手段と、
上記符号化される前のディジタル信号と上記逆符号化されたディジタル信号との誤差を求める減算手段と、
上記誤差に応じてビット配分を行い、帯域毎に割り当てられたビット数で上記誤差を符号化する符号化手段とを備え、
複数の上記周波数変換手段、複数の上記第2の帯域分割手段、複数の上記適応ビット割当符号化手段、複数の上記逆符号化手段、複数の上記減算手段、および複数の上記符号化手段をそれぞれ帯域毎に設ける圧縮データ記録装置。 - 再度分割された上記帯域毎のディジタル信号の振幅量を調整するゲインコントロール手段を有する請求項1記載の圧縮データ記録装置。
- 入力ディジタル信号を複数の等帯域幅に分割する第1の帯域分割ステップと、
分割された上記入力ディジタル信号の標本化周波数を分割数分の1に変換する周波数変換ステップと、
上記分割数分の1に変換されたディジタル信号を複数の等帯域幅に再度分割する第2の帯域分割ステップと、
再度分割された上記ディジタル信号の帯域毎に応じてビット配分を行い、帯域毎に割り当てられたビット数で上記ディジタル信号を符号化する適応ビット割当符号化ステップと、
上記符号化されたディジタル信号を逆符号化する逆符号化ステップと、
上記符号化される前のディジタル信号と上記逆符号化されたディジタル信号との誤差を求める減算ステップと、
上記誤差に応じてビット配分を行い、帯域毎に割り当てられたビット数で上記誤差を符号化する符号化ステップとを備え、
複数の上記周波数変換ステップ、複数の上記第2の帯域分割ステップ、複数の上記適応ビット割当符号化ステップ、複数の上記逆符号化ステップ、複数の上記減算ステップ、および複数の上記符号化ステップをそれぞれ帯域毎に処理する圧縮データ記録方法。 - 再度分割された上記帯域毎のディジタル信号の振幅量を調整する請求項3記載の圧縮データ記録方法。
- 入力ディジタル信号を複数の等帯域幅に分割する第1の帯域分割手段と、
分割された上記入力ディジタル信号の標本化周波数を分割数分の1に変換する周波数変換手段と、
上記分割数分の1に変換されたディジタル信号を複数の等帯域幅に再度分割する第2の帯域分割手段と、
再度分割された上記ディジタル信号の帯域毎に応じてビット配分を行い、帯域毎に割り当てられたビット数で上記ディジタル信号を符号化する適応ビット割当符号化手段と、
上記符号化されたディジタル信号を逆符号化する第1の逆符号化手段と、
上記符号化される前のディジタル信号と上記逆符号化されたディジタル信号との誤差を求める減算手段と、
上記誤差に応じてビット配分を行い、帯域毎に割り当てられたビット数で上記誤差を符号化する符号化手段とを備え、
複数の上記周波数変換手段、複数の上記第2の帯域分割手段、複数の上記適応ビット割当符号化手段、複数の上記第1の逆符号化手段、複数の上記減算手段、および複数の上記符号化手段をそれぞれ帯域毎に設けることにより生成された上記ディジタル信号および上記誤差を圧縮データとして記録する記録手段と、
上記圧縮データから帯域毎のディジタル信号および誤差を分離する分離手段と、
分離された上記帯域毎のディジタル信号および誤差を、割り当てられたビット数で復号する復号手段と、
復号された上記帯域毎のディジタル信号および誤差を加算し、帯域毎のディジタル信号を生成する加算手段と、
加算された上記帯域毎のディジタル信号を逆符号化する第2の逆符号化手段と、
逆符号化された上記帯域毎のディジタル信号を合成し、合成された上記ディジタル信号または「0」を帯域毎に選択して出力する第1の帯域合成手段と、
帯域毎に選択され、出力された上記ディジタル信号および/または「0」を再度合成し、出力ディジタル信号を生成する第2の帯域合成手段とを有する再生手段とからなる圧縮データ記録再生装置。 - 再度分割された上記帯域毎のディジタル信号の振幅量を調整するゲインコントロール手段と、
逆符号化された上記帯域毎のディジタル信号の振幅量を、調整前の上記振幅量に戻す逆ゲインコントロール手段とを有する請求項5記載の圧縮データ記録再生装置。 - 入力ディジタル信号を複数の等帯域幅に分割する第1の帯域分割ステップと、
分割された上記入力ディジタル信号の標本化周波数を分割数分の1に変換する周波数変換ステップと、
上記分割数分の1に変換されたディジタル信号を複数の等帯域幅に再度分割する第2の帯域分割ステップと、
再度分割された上記ディジタル信号の帯域毎に応じてビット配分を行い、帯域毎に割り当てられたビット数で上記ディジタル信号を符号化する適応ビット割当符号化ステップと、
上記符号化されたディジタル信号を逆符号化する第1の逆符号化ステップと、
上記符号化される前のディジタル信号と上記逆符号化されたディジタル信号との誤差を求める減算ステップと、
上記誤差に応じてビット配分を行い、帯域毎に割り当てられたビット数で上記誤差を符号化する符号化ステップとを備え、
複数の上記周波数変換ステップ、複数の上記第2の帯域分割ステップ、複数の上記適応ビット割当符号化ステップ、複数の上記逆符号化ステップ、複数の上記減算ステップ、および複数の上記符号化ステップをそれぞれ帯域毎に処理することにより生成された上記ディジタル信号および上記誤差を圧縮データとして記録する記録ステップと、
上記圧縮データから帯域毎のディジタル信号および誤差を分離する分離ステップと、
分離された上記帯域毎のディジタル信号および誤差を、割り当てられたビット数で復号する復号ステップと、
復号された上記帯域毎のディジタル信号および誤差を加算し、帯域毎のディジタル信号を生成する加算ステップと、
加算された上記帯域毎のディジタル信号を逆符号化する第2の逆符号化ステップと、
逆符号化された帯域毎のディジタル信号を合成し、合成された上記ディジタル信号または「0」を帯域毎に選択して出力する第1の帯域合成ステップと、
帯域毎に選択され、出力された上記ディジタル信号および/または「0」を再度合成し、出力ディジタル信号を生成する第2の帯域合成ステップとを有する再生ステップとからなる圧縮データ記録再生方法。 - 再度分割された上記帯域毎のディジタル信号の振幅量を調整し、
逆符号化された上記帯域毎のディジタル信号の振幅量を、調整前の上記振幅量に戻す請求項7記載の圧縮データ記録再生方法。 - 入力ディジタル信号を複数の等帯域幅に分割する第1の帯域分割ステップと、
分割された上記入力ディジタル信号の標本化周波数を分割数分の1に変換する周波数変換ステップと、
上記分割数分の1に変換されたディジタル信号を複数の等帯域幅に再度分割する第2の帯域分割ステップと、
再度分割された上記ディジタル信号の帯域毎に応じてビット配分を行い、帯域毎に割り当てられたビット数で上記ディジタル信号を符号化する適応ビット割当符号化ステップと、
上記符号化されたディジタル信号を逆符号化する逆符号化ステップと、
上記符号化される前のディジタル信号と上記逆符号化されたディジタル信号との誤差を求める減算ステップと、
上記誤差に応じてビット配分を行い、帯域毎に割り当てられたビット数で上記誤差を符号化する符号化ステップとを備え、
複数の上記周波数変換ステップ、複数の上記第2の帯域分割ステップ、複数の上記適応ビット割当符号化ステップ、複数の上記逆符号化ステップ、複数の上記減算ステップ、および複数の上記符号化ステップをそれぞれ帯域毎に処理することにより生成された上記ディジタル信号および上記誤差を圧縮データとして記録する記録媒体。 - 再度分割された上記帯域毎のディジタル信号の振幅量を調整する請求項9記載の記録媒体。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000280409A JP4470304B2 (ja) | 2000-09-14 | 2000-09-14 | 圧縮データ記録装置、記録方法、圧縮データ記録再生装置、記録再生方法および記録媒体 |
US09/951,452 US20020038216A1 (en) | 2000-09-14 | 2001-09-14 | Compression data recording apparatus, recording method, compression data recording and reproducing apparatus, recording and reproducing method, and recording medium |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000280409A JP4470304B2 (ja) | 2000-09-14 | 2000-09-14 | 圧縮データ記録装置、記録方法、圧縮データ記録再生装置、記録再生方法および記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002094385A JP2002094385A (ja) | 2002-03-29 |
JP4470304B2 true JP4470304B2 (ja) | 2010-06-02 |
Family
ID=18765253
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000280409A Expired - Fee Related JP4470304B2 (ja) | 2000-09-14 | 2000-09-14 | 圧縮データ記録装置、記録方法、圧縮データ記録再生装置、記録再生方法および記録媒体 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20020038216A1 (ja) |
JP (1) | JP4470304B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1701340B1 (en) | 2001-11-14 | 2012-08-29 | Panasonic Corporation | Decoding device, method and program |
JP4404180B2 (ja) * | 2002-04-25 | 2010-01-27 | ソニー株式会社 | データ配信システム、データ処理装置及びデータ処理方法、並びにコンピュータ・プログラム |
KR100634506B1 (ko) * | 2004-06-25 | 2006-10-16 | 삼성전자주식회사 | 저비트율 부호화/복호화 방법 및 장치 |
US8392198B1 (en) * | 2007-04-03 | 2013-03-05 | Arizona Board Of Regents For And On Behalf Of Arizona State University | Split-band speech compression based on loudness estimation |
JP5245853B2 (ja) * | 2009-01-19 | 2013-07-24 | セイコーエプソン株式会社 | 画像形成装置 |
US20130298170A1 (en) * | 2009-06-12 | 2013-11-07 | Cygnus Broadband, Inc. | Video streaming quality of experience recovery using a video quality metric |
US9538220B2 (en) | 2009-06-12 | 2017-01-03 | Wi-Lan Labs, Inc. | Video streaming quality of experience degradation control using a video quality metric |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4669097A (en) * | 1985-10-21 | 1987-05-26 | The Foxboro Company | Data compression for display and storage |
US5408580A (en) * | 1992-09-21 | 1995-04-18 | Aware, Inc. | Audio compression system employing multi-rate signal analysis |
JP3185415B2 (ja) * | 1992-11-26 | 2001-07-09 | ソニー株式会社 | 圧縮データ再生記録装置及び方法 |
JP3186315B2 (ja) * | 1993-02-27 | 2001-07-11 | ソニー株式会社 | 信号圧縮装置、信号伸張装置、信号送信装置、信号受信装置及び信号送受信装置 |
JP3371590B2 (ja) * | 1994-12-28 | 2003-01-27 | ソニー株式会社 | 高能率符号化方法及び高能率復号化方法 |
US5841979A (en) * | 1995-05-25 | 1998-11-24 | Information Highway Media Corp. | Enhanced delivery of audio data |
EP0880235A1 (en) * | 1996-02-08 | 1998-11-25 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Wide band audio signal encoder, wide band audio signal decoder, wide band audio signal encoder/decoder and wide band audio signal recording medium |
KR100261253B1 (ko) * | 1997-04-02 | 2000-07-01 | 윤종용 | 비트율 조절이 가능한 오디오 부호화/복호화 방법및 장치 |
JP4218191B2 (ja) * | 1999-08-23 | 2009-02-04 | ソニー株式会社 | 再生装置および再生方法 |
-
2000
- 2000-09-14 JP JP2000280409A patent/JP4470304B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2001
- 2001-09-14 US US09/951,452 patent/US20020038216A1/en not_active Abandoned
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20020038216A1 (en) | 2002-03-28 |
JP2002094385A (ja) | 2002-03-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3123286B2 (ja) | ディジタル信号処理装置又は方法、及び記録媒体 | |
KR100276788B1 (ko) | 디지탈 신호 처리 장치와 방법 및 기록 매체 | |
JP3123290B2 (ja) | 圧縮データ記録装置及び方法、圧縮データ再生方法、記録媒体 | |
JP3173218B2 (ja) | 圧縮データ記録方法及び装置、圧縮データ再生方法、並びに記録媒体 | |
KR100268623B1 (ko) | 압축 데이타 기록 재생 장치 및 신호 처리 방법 | |
JP3186307B2 (ja) | 圧縮データ記録装置及び方法 | |
JP3531177B2 (ja) | 圧縮データ記録装置及び方法、圧縮データ再生方法 | |
KR100341374B1 (ko) | 디지탈신호처리방법,디지털신호처리장치및기록매체 | |
JP3175446B2 (ja) | 情報圧縮方法及び装置、圧縮情報伸張方法及び装置、圧縮情報記録/伝送装置、圧縮情報再生装置、圧縮情報受信装置、並びに記録媒体 | |
JP4470304B2 (ja) | 圧縮データ記録装置、記録方法、圧縮データ記録再生装置、記録再生方法および記録媒体 | |
JP3531178B2 (ja) | ディジタル信号処理装置及び方法 | |
JP3186489B2 (ja) | ディジタル信号処理方法及び装置 | |
JP3175456B2 (ja) | ディジタル信号処理装置 | |
JP3304717B2 (ja) | ディジタル信号圧縮方法及び装置 | |
JP3334374B2 (ja) | ディジタル信号圧縮方法及び装置 | |
JP3477735B2 (ja) | 圧縮データ変換装置及び方法 | |
JP3334375B2 (ja) | ディジタル信号圧縮方法及び装置 | |
JP3552239B2 (ja) | 圧縮データ記録装置及び方法、並びに圧縮データ再生方法 | |
JP3134368B2 (ja) | 圧縮データ記録再生装置 | |
JP3084815B2 (ja) | データ記録方法及び装置 | |
JP4123632B2 (ja) | 情報符号化方法及び装置、並びにプログラム供給媒体 | |
JPH0590973A (ja) | 信号処理方法及び圧縮データ記録再生装置 | |
JPH07231259A (ja) | ディジタル信号処理方法及び装置、並びに記録媒体 | |
JPH0541024A (ja) | 圧縮データ記録再生装置 | |
JP2000036754A (ja) | 符号変換制御方法及び装置、並びにプログラム供給媒体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070213 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090619 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090623 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090817 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20091222 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100122 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100209 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100222 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312 Year of fee payment: 3 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 4470304 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140312 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |