JP4452338B2 - カイラル化合物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規カイラル化合物、少なくとも1種のこのような新規カイラル化合物を含有する液晶混合物に関する。本発明はまた、少なくとも1種の重合性メソゲン化合物および少なくとも1種のカイラル化合物を含有する重合性液晶混合物に関する。本発明はまた、このような液晶混合物の光学部品および液晶ディスプレイにおける使用に関する。本発明はまた、このような重合性液晶混合物の(共)重合によって得られるカイラル液晶相を備えたポリマー薄膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
カイラル化合物は、例えば液晶ディスプレイで使用することができる液晶混合物の分子のラセン状ねじれを誘発または増大させるドープ剤として使用することができる。大部分の実際の用途に対して充分である第一次近似として分子ラセンのピッチpは、下記方程式(1)に従い液晶ホスト混合物中のカイラルドープ剤の濃度cに反比例する:
【数1】
この比例因子がカイラルドープ剤のラセン状ねじり力(helical twisting power)(HTP)である。
【0003】
かなり多くの用途の場合、ねじれを示す液晶混合物を得ることが望まれる。これらの中には、例えば相−変化型ディスプレイ、ゲスト−ホスト型ディスプレイ、AMD−TNなどのパッシブおよびアクティブマトリックス型TNおよびSTNディスプレイがあり、これらのディスプレイには、例えば単独でまたは別種のドープ剤と組み合わせて、本発明によるコレステリック化合物を適当に選択することによって温度補償特性を備えたディスプレイが包含される。これらの用途の場合、所望のピッチを誘発させるのに必要なドープ剤の量を減少させるために、大きいHTP値を有するカイラルドープ剤を使用できることは有利である。
ある種の用途の場合、強力なラセン状ねじれを示し、これにより短いピッチ長さを有する液晶混合物を得ることが望まれる。
【0004】
例えば、選択的反射性のコレステリック相ディスプレイで使用される液晶混合物では、このコレステリック相のラセンにより反射される最大波長が可視光範囲内にあるように、ピッチを選択しなければならない。もう一つの可能な用途には、コレステリック相幅広偏光板またはカイラル液晶リターゼーション薄膜などの光学素子用のカイラル液晶相を備えたポリマー薄膜がある。
方程式(1)から判るように、大量のドープ剤を用いることによって、または大きいHTP値を有するドープ剤を用いることによって、短いピッチを得ることができる。
しかしながら、従来技術のカイラルドープ剤はしばしば、小さいHTP値を示し、従って大量のドープ剤が必要である。カイラルドープ剤は純粋なエナンチオマーとしてのみ使用することができ、このような純粋なエナンチオマーは高価であって、かつまた合成が困難であることから、これは不利である。
【0005】
さらにまた、かつまたより重要でさえあるかなりの場合、従来技術のカイラルドープ剤を大量で使用すると、これらのカイラルドープ剤はしばしば、液晶ホスト混合物の性質、例えば誘電異方性△ε、粘度、駆動電圧または切換え時間などに悪影響を及ぼす。
従って、合成が容易であり、少量で使用することができ、例えば一定の反射波長を利用する場合のコレステリック相のピッチの改善された温度安定性を示し、かつまた液晶ホスト混合物の性質に有害に作用しないカイラル化合物が格別に求められている。
一方、ヒドロベンゾイン構造単位および直接結合した環を有するメソゲン性モノカルボン酸残基を含むカイラル化合物はDE3534777Aに開示されている。DE3534777A1には、広い一般式で表わされるカイラル化合物が記載されており、かなりの他の可能な基の中にはまた、ヒドロベンゾイン基が包含されているが、DE3534777A1に記載されている化合物以外の特定の化合物にかかわる示唆はなされていない。EP415220B1は、別のものの中で、ヒドロベンゾイン構造単位を有していてもよいカイラル化合物を開示しているが、複数個の環の間に長い架橋基を有するメソゲン基に制限されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記の従来技術のカイラルドープ剤の欠点を有しておらず、かつまた合成が容易であり、少量で使用することができ、例えば一定の反射波長を利用する場合のコレステリック相のピッチの改善された温度安定性を示し、かつまた液晶ホスト混合物の性質に有害に作用しないカイラル化合物を提供することにある。
本発明のもう一つの課題は、少なくとも1種のこのようなカイラル化合物を含有する液晶混合物を提供することにある。
本発明のもう一つの課題は、少なくとも1種のこのようなカイラル化合物および少なくとも1種の重合性メソゲン化合物を含有する重合性液晶混合物を提供することにある。
【0007】
本発明のもう一つの課題は、このような液晶混合物または重合性液晶混合物を、カイラル液晶相を備えたアニソトロピックポリマー薄膜の調製に使用すること、偏光板、補償板またはカラーフィルターなどの能動性および受動性光学素子に使用すること、および液晶ディスプレイ、例えばSTN型、TN型、AMD−TN型、温度補償型、ゲスト−ホスト型または相変化型ディスプレイ、あるいは表面安定化コレステリック相組織(SSCT)ディスプレイまたはポリマー安定化コレステリック相組織(PSCT)ディスプレイに使用することにある。
本発明のもう一つの課題は、このような液晶混合物または重合性液晶混合物を含有するコレステリック液晶ディスプレイを提供することにある。
本発明のさらにもう一つの課題は、このような重合性液晶混合物を(共)重合することによって得られるカイラル液晶相を備えたアニソトロピックポリマー薄膜を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題が、下記式Iで表わされるカイラル化合物を提供することによって達成することができることが見出された。即ち、本発明により、上記の従来技術のカイラルドープ剤の欠点を有さない。
当業者が利用可能なドープ剤としてのカイラル化合物の範囲を拡大できるものである。
本発明によるカイラル化合物はヒドロベンゾインを基本とするカイラル構造要素を含有し、このカイラル構造要素は数種の利点を備えている。一例として、ヒドロベンゾイン基は2つのカイラリティ中心を示し、これにより大きいねじり力を有するカイラル化合物が誘導される。また、エナンチオマー的に純粋なヒドロベンゾイン基は、安価で、容易に入手可能な出発物質から容易に製造することができる。この製造方法はまた、大量生産に適している。
【0009】
さらにまた、R,RおよびS,Sエナンチオマーの両方を製造することができる。この方法はまた、右旋回または左旋回のラセンのどちらかを備えたコレステリック相を誘発させることができるカイラル化合物の製造を可能にする。これら両方のラセンを利用できることは、例えば偽造防止フィルム用途で使用するのに格別に有利であることができる。
【0010】
従って、本発明は、下記式Iで表わされるカイラル化合物に関する:
【化4】
【0011】
式中、
Spはそれぞれ独立して、20個までの炭素原子を有するスペーサー基を表わし、
Xはそれぞれ独立して、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−OCH2−、−CH2O−、−SCH2−、−CH2S−または単結合を表わし、
Yはそれぞれ独立して、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH2CH2−、−OCH2−、−CH2O−、−SCH2−、−CH2S−、−CH=CH−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−C≡C−または単結合を表わし、
a、b、cおよびdはそれぞれ独立して、0または1であり、ただしaおよびdの全部が同時に0であることはなく、
【0012】
R1およびR2は相互に独立して、H、CNまたはハロゲンであるか、または25個までの炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状アルキル基であり、この基は未置換であるか、または置換基として1個または2個以上のCNまたはハロゲンを有することができ、さらにまたこの基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−または−C≡C−により置き換えられていてもよく、あるいはR1およびR2はまた、P−(Sp−X)n−(ここで、SpおよびXは上記意味を有し、nは0または1であり、そしてPは重合性基を表わす)を表わすことができ、そして
MG1およびMG2はそれぞれ独立して、下記式IIで表わされるメソゲン基またはメソゲン性支持基である:
−(A1−Z)m−A2− II
【0013】
(式中、
Zは−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH2CH2−、−OCH2−、−CH2O−、−SCH2−、−CH2S−、−CH=CH−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−C≡C−または単結合を表わし、
A1およびA2はそれぞれ独立して、1,4−フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はNにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4−シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はOおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基または1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基であり、これらの基は全部が未置換であるか、または置換基として、1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基を有するか、あるいは炭素原子1〜7個を有し、その分子中の1個または2個以上のH原子がFまたはClにより置換されていてもよいアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基を有し、そして
mは0、1、2または3である)。
【0014】
本明細書全体で使用されているものとして、「メソゲン性支持基」(mesogenity supporting group)の用語は、棒状形態、板状形態または円板状形態の基を表わし、これらの基は必ずしも単独で中間相形成挙動(すなわち、このような基を含有する化合物における中間相挙動を誘発する能力)だけを示す必要はない。これらの基はまた、別の基を有する化合物中に組み合わされることによって、あるいはメソゲン性支持基を含有する化合物が同一または相違する種類のメソゲン基またはメソゲン性支持基を有する別種の化合物と混合または重合されることによって、中間相形成挙動を示すこともできる。
式Iで表わされる化合物は好ましくは、下記式から選択される:
【0015】
【化5】
【0016】
【化6】
【0017】
上記各式中、R1、R2、MG1、MG2、X、YおよびSpは式Iの意味を有する。
これらの化合物の中で、式Ia、式Ib、式Ic、式Ie、式Ifおよび式Igで表わされる化合物、特に式Ia、式Ib、式Ieおよび式Ifで表わされる化合物は特に好ましい。
好適な式Ia〜Idで表わされる化合物は、そのR1がHである化合物である。
式Ia〜Iiにおいて、その基R1および(または)R2の少なくとも1個がP−(Sp−X)n−(式中、P、Sp、Xおよびnは式Iについて示されている意味を有する)を表わす化合物はまた好適である。
式Ie〜Iiで表わされる化合物の中で、そのMG1が1個または2個の6員環を含んでいる化合物は特に好適である。
【0018】
式Ifおよび式Igで表わされる化合物の中で、そのMG2と基:
【化7】
とが同一であるようにMG1およびMG2が選択される化合物は特に好適である。
さらに別の好適化合物は、式Ic、式Id、式Igおよび式Iiにおいて、MG2が、式IIにおいて、mが1である場合には、Zが単結合ではない基あるいはmが2または3である場合には、基Zのうちの少なくとも2個が単結合ではない基から選択される化合物である。
式Iで表わされるカイラル化合物の中で、そのR1およびR2が、F、Cl、シアノ、アルキルまたはアルコキシであり、そしてMG1およびMG2が式IIにおいて、Zが−COO−、−OCO−、−CH2−CH2−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または単結合である基から選択される化合物はまた好適である。
【0019】
式Iで表わされる特に好適な化合物は、そのMG1およびMG2が基本的に、未置換であるか、または置換基として1〜4位置にF、ClまたはCNあるいは炭素原子1〜4個を有するアルキル、アルコキシまたはアルカノイルを有する1,4−フェニレン環および(または)トランス−1,4−シクロヘキシレン環からなる化合物である。これらの好ましい化合物の中で、特に好ましいのはMG1及びMG2が本質的にビフェニル又はシクロヘキシルフェニル基よりなるものである。
式IIで表わされる好適メソゲン基MG1およびMG2の小さい群を下記に挙げる。簡潔にするために、これらの基において、Pheは1,4−フェニレンであり、PheLは少なくとも1個の基Lで置換されており、LがF、ClまたはCNあるいは炭素原子1〜4個を有し、フッ素化されていてもよいアルキル、アルコキシまたはアルカノイルである1,4−フェニレンであり、そしてCycは1,4−シクロヘキシレンである。一群の式IIで表わされる好適メソゲン基MG1およびMG2は式II−1〜II−27およびそれらの鏡像基を包含する:
【0020】
【化8】
【0021】
一環状および二環状メソゲン基MG1および二環状および三環状メソゲン基MG2は好適である。
式Icおよび式Idにおいて、そのMG2が式II−7、式II−8、式II−9または式II−16〜II−27から選択され、そしてLがF、Cl、CH3、OCH3、OCF3またはCNである化合物はまた好適である。
これらの好適群において、Zは上記式Iについて示されている意味を有する。好ましくは、Zは、−COO−、−OCO−、−CH2CH2−、−CH=CH−COO−または単結合である。
Lは好ましくは、F、Cl、CN、NO2、CH3、C2H5、OCH3、OC2H5、COCH3、COC2H5、CF3、OCF3、OCHF2、OC2F5、特にF、Cl、CN、CH3、C2H5、OCH3、COCH3およびOCF3、最も好ましくはF、CH3、OCH3およびCOCH3である。
【0022】
MG1および(または)MG2が下記式およびそれらの鏡像基から選択されるカイラル化合物は特に好適である:
【化9】
【0023】
これらの式において、Lは上記の意味を有し、そしてrは0、1または2である。
これらの好適基中に存在する基:
【化10】
は、非常に好ましくは下記の基を表わし、これらの基において、Lはそれぞれ独立して、上記意味の一つを有する:
【化11】
【0024】
式Idで表わされる化合物の中で、そのMG2が式IIa、式IIb、式IIe、式IIfまたは式IIgに従い選択される化合物は特に好ましい。
式Igで表わされる化合物の中で、そのMG2が式IIb、式IId、式IIe、式IIfまたは式IIgに従い選択される化合物、さらにまたそのMG2が式IIaおよび式IIcから選択され、そしてYが単結合以外である化合物は特に好ましい。
上記好適化合物中に存在するR1およびR2は特に好ましくは、CN、F、ClまたはOCF3であるか、あるいは炭素原子1〜12個を有するアルキルまたはアルコキシ基である。直鎖状アルキルまたはアルコキシ基は特に好適である。
【0025】
R1およびR2がアルキル基またはアルコキシ基、すなわちその末端CH2基が−O−により置き換えられている基である場合、この基は直鎖状または分枝鎖状であることができる。この基は好ましくは、直鎖状であって、2個、3個、4個、5個、6個、7個または8個の炭素原子を有し、従って好ましくは、例えばエチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ、ヘプトキシまたはオクトキシであり、さらにまたメチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、メトキシ、ノノキシ、デコキシ、ウンデコキシ、ドデコキシ、トリデコキシまたはテトラデコキシであることができる。
【0026】
オキサアルキル基、すなわち基中に存在する1個のCH2基が−O−により置き換えられている基は好ましくは、例えば直鎖状の2−オキサプロピル(=メトキシメチル)、2−(=エトキシメチル)または3−オキサブチル(=2−メトキシエチル)、2−、3−または4−オキサペンチル、2−、3−、4−または5−オキサヘキシル、2−、3−、4−、5−または6−オキサヘプチル、2−、3−、4−、5−、6−または7−オキサオクチル、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−オキサノニルあるいは2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−または9−オキサデシルである。
【0027】
式Iで表わされるカイラル化合物において、R1およびR2は非カイラル基またはカイラル基であることができる。カイラル基である場合、これらの基は好ましくは、下記式IIIに従い選択される:
【化12】
【0028】
式中、
X1は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−または単結合であり、
Q1は、炭素原子1〜10個を有するアルキレン基またはアルキレン−オキシ基あるいは単結合であり、
Q2は、炭素原子1〜10個を有するアルキル基またはアルコキシ基であり、この基は未置換であるか、または置換基として、1個または2個以上のハロゲンまたはCNを有していてもよく、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまた、それぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、−C≡C−、−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−または−CO−S−により置き換えられていてもよく、
Q3は、ハロゲンまたはシアノ基であるか、あるいはQ2とは相違する炭素原子1〜4個を有するアルキル基またはアルコキシ基である。
【0029】
好適カイラル基R1およびR2は、例えば2−ブチル(=1−メチルプロピル)、2−メチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルペンチル、2−オクチル、特に2−メチルブチル、2−メチルブトキシ、2−メチルペントキシ、3−メチルペントキシ、2−エチルヘキソキシ、1−メチルヘキソキシ、2−オクチルオキシ、2−オキサ−3−メチルブチル、3−オキサ−4−メチルペンチル、4−メチルヘキシル、2−ノニル、2−デシル、2−ドデシル、6−メトキシオクトキシ、6−メチルオクトキシ、6−メチルオクタノイルオキシ、5−メチルヘプチルオキシカルボニル、2−メチルブチリルオキシ、3−メチルバレロイルオキシ、4−メチルヘキサノイルオキシ、2−クロロプロピオニルオキシ、2−クロロ−3−メチルブチリルオキシ、2−クロロ−4−メチルバレリルオキシ、2−クロロ−3−メチルバレリルオキシ、2−メチル−3−オキサペンチル、2−メチル−3−オキサヘキシル、1−メトキシプロピル−2−オキシ、1−エトキシプロピル−2−オキシ、1−プロポキシプロピル−2−オキシ、1−ブトキシプロピル−2−オキシ、2−フルオロオクチルオキシ、2−フルオロデシルオキシである。
【0030】
さらにまた、非カイラル分枝鎖状基R1およびR2を含有する式Iで表わされるカイラル化合物は、例えば減少した結晶化傾向を有することから、場合により重要である。この種の分枝鎖状基は一般に、多くて一つの鎖分岐を有する。好適非カイラル分枝鎖状基には、イソプロピル、イソブチル(=メチルプロピル)、イソペンチル(=3−メチルブチル)、イソプロポキシ、2−メチルプロポキシおよび3−メチルブトキシがある。
本発明の特に好適な態様は、式Iおよび式Ia〜Iiにおいて、少なくとも1個の基R1および(または)R2がP−(Sp−X)n−(式中、SpおよびXは式Iの意味を有し、nは0または1であり、そしてPは重合官能性基である)を表わす重合性化合物に関する。
特に好適な化合物は、上記式Ia〜Iiにおいて、基R1の全部または基R2の全部がそれぞれ相互に独立して、P−(Sp−X)n−を表わす化合物であり、さらにまた式Ie〜Iiにおいて、基R1およびR2の全部がそれぞれ相互に独立して、P−(Sp−X)n−を表わす化合物である。
これらの重合性カイラル化合物の中で、下記式で表わされる化合物は特に好ましい:
【0031】
【化13】
【0032】
各式中、R1、R2、MG1、MG2、X、Y、P、Spおよびnは式Iの意味を有する。
これらの好適化合物の中で、式Ia*、式Id*および式Ie*で表わされる化合物は特に好ましい。
さらにまた、R1がHである化合物、nが1である化合物および基R1またはR2の1個または2個がP−(Sp−X)n−を表わす化合物は好適である。
式I中に存在するPは好ましくは下記式から選択される:
【0033】
【化14】
各式中、Wは、H、CH3またはClであり、そしてkは0または1である。
【0034】
Pは好ましくは、ビニル基、アクリレート基、メタアクリレート基、ブロペニルエーテル基またはエポキシ基、特に好ましくは、アクリレート基またはメタアクリレート基である。
上記好適化合物の中で、nが1である化合物は特に好適である。
基R1および(または)R2がP−(Sp−X)n−を表わし、そしてnが0である化合物およびR1および(または)R2がP−(Sp−X)n−を表わし、そしてnが1である化合物はまた好適である。
基R1またはR2の2個または3個以上がP−Sp−X−を表わす場合、スペーサー基Spは同一または相違していてもよい。
式I中に存在するスペーサー基Spとしては、この目的に当業者に知られている全部の基を使用することができる。スペーサー基Spは好ましくは、炭素原子1〜20個、特に炭素原子1〜12個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基は、−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CO−、−O−CO−、−S−CO−、−O−COO−、−CO−S−、−CO−O−、−CH(ハロゲン)−、−CH(CN)−、−CH=CH−または−C≡C−により置き換えられていてもよい。
【0035】
代表的スペーサー基には、例えば−(CH2)o−、−(CH2CH2O)r−CH2CH2−、−CH2CH2−S−CH2CH2−または−CH2CH2−NH−CH2CH2−(これらの基において、oは2〜12の整数であり、そしてrは1〜3の整数である)である。
好適スペーサー基は、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、オクタデシレン、エチレンオキシエチレン、メチレンオキシブチレン、エチレン−チオエチレン、エチレン−N−メチルイミノエチレン、1−メチルアルキレン、エテニレン、プロペニレンおよびブテニレンである。
式Iにおいて、Spが炭素原子2〜6個を有するアルキル基またはアルコキシ基である本発明によるカイラル化合物は特に好適である。直鎖状アルキル基またはアルコキシ基は特に好ましい。
【0036】
本発明のもう一つの好適態様において、式Iで表わされるカイラル化合物は、下記式IVで表わされるカイラル基である少なくとも1個のスペーサー基Spを含有する:
【化15】
式中、
Q1およびQ3は式IIIについて示されている意味を有し、そして
Q4は、Q1と相違し、炭素原子1〜10個を有するアルキレン基またはアルキレン−オキシ基あるいは単結合である。
式If〜Iiで表わされる好適化合物において、ヒドロベンゾイン基の両側に存在するR1およびR2ならびにMG1およびMG2は同一または相違していてもよい。式If〜Iiにおいて、R1およびR2ならびにMG1およびMG2が同一である化合物は特に好適である。
本発明によるカイラル化合物は下記反応経路1に従い、あるいはこの経路1と同様にして合成することができる:
【0037】
反応経路 1
【化16】
の経路2と同様にして、中間化合物(A)を経て製造することができる:
【0038】
反応経路 2
【化17】
【0039】
経路1および2において、Sp、XおよびR1はそれぞれ相互に独立して、式Iの意味の一つを有し、A1およびZはそれぞれ相互に独立して、式IIについて示されている意味の一つを有し、pは0〜3の整数であり、DCCはジシクロヘキシルカルボジイミドを表わし、DMAPはN,N−ジメチルアミノピリジンであり、そしてDCMはジクロロメタンである。
別の合成方法は例から知ることができる。
カイラルヒドロベンゾイン構造要素は、例えばZ.−M−WangおよびK.B.SharplessによりJ.Org.Chem.59,8302,1994に記載のとおりにして得ることができる。この方法に従い下記のとおりにして、容易に入手することができる出発物質としてトランス−スチルベンから、1R,2R−誘導体および1S,2S−誘導体の両方を合成することができる:
【0040】
【化18】
【0041】
(DHQ[D])2PHAL=ヒドロキニン[ヒドロキニジン]−1,4−フタラジンジル−ジエーテル(この化合物はAldrichから市販されている)。
特に好適な式Iで表わされるカイラル化合物において、そのヒドロベンゾイン基の2個のカイラル炭素原子は1R,2R−または1S,2S−配置を示す。
本発明によるカイラル化合物は、例えばスーパーツィスト液晶ディスプレイまたはアクティブマトリックス液晶ディスプレイなどの液晶マトリックスがねじれ分子構造を示すディスプレイにおいて、あるいは例えば強誘電性ディスプレイまたはコレステリック相ディスプレイ用のカイラルスメクティックまたはカイラルネマティック(コレステリック)混合物などのカイラル液晶相を備えた液晶混合物を含有するディスプレイにおいて、液晶混合物中で使用することができる。
【0042】
従って、本発明の目的はまた、式Iで表わされる少なくとも1種のカイラル化合物を含有する液晶混合物にある。
本発明のもう一つの目的は、式Iで表わされる少なくとも1種のカイラル化合物を含有するコレステリック液晶媒体を含むコレステリック液晶ディスプレイにある。
本発明による式Iで表わされるカイラル化合物は、大きいHTP値を示す。従って、本発明による化合物を使用することによって大きいラセン状ねじれ、すなわち短いコレステリック相のピッチを有する液晶混合物を製造することができ、あるいは別様には、本発明による化合物をドープ剤として小量で使用すると、中程度のラセン状ねじれを有する液晶混合物をそのままで得ることができる。
本発明による化合物の大きいHTP値はまた、これらの化合物をコレステリック相のピッチなどの液晶混合物の性質およびしきい値電圧などのディスプレイの性質の温度補償に、別種の化合物と組合わせて使用に適したものとする。
【0043】
本発明の好適態様において、カイラル化合物はネマティック液晶混合物中でHTPの大きな温度依存性を示す。
本発明による化合物はさらにまた、液晶混合物の物理的性質に対しては非常に小さい程度の影響を及ぼすだけであるという利点を有する。
従って、例えば液晶ディスプレイに使用される正の誘電異方性を有する液晶混合物に式Iで表わされるカイラル化合物を添加した場合、△ε値は僅かに減少するのみであり、かつまた当該液晶混合物の粘度を小さな程度に増加させるのみである。このことは、慣用のドープ剤を含有するディスプレイと比較して、ディスプレイの電圧の低下および切換え時間の改善につながる。
【0044】
本発明の特に好適な態様において、カイラル化合物はネマティック液晶媒体において、HTPの低い温度依存性を示す。
本発明による液晶混合物は式Iで表わされるカイラル化合物を、好ましくは0.001〜15重量%、特に0.01〜8重量%、非常に特に好ましくは0.1〜5重量%の量で含有する。
本発明による液晶混合物は1〜3種の式Iで表わされるカイラル化合物を含有する。
上記温度補償用途の場合、液晶混合物は好ましくは、少なくとも1種の式Iで表わされるカイラル化合物を含むカイラル成分を含有する。
【0045】
本発明の好適態様において、液晶混合物は少なくとも1種が式Iで表わされるカイラル化合物である2〜25種、好ましくは3〜15種の化合物を含有する。他の成分は好ましくは、ネマティックまたはネマティック相形成性物質、例えばアゾキシベンゼン化合物、ベンジリデンアニリン化合物、ビフェニル化合物、ターフェニル化合物、フェニルまたはシクロヘキシルベンゾエート化合物、シクロヘキサンカルボン酸のフェニルまたはシクロヘキシルエステル化合物、シクロヘキシル安息香酸のフェニルまたはシクロヘキシルエステル化合物、シクロヘキシルシクロヘキサンカルボン酸のフェニルまたはシクロヘキシルエステル化合物、安息香酸のシクロヘキシルフェニルエステル化合物、シクロヘキサンカルボン酸のシクロヘキシルフェニルエステル化合物、シクロヘキシルシクロヘキサンカルボン酸のシクロヘキシルフェニルエステル化合物、フェニルシクロヘキサン化合物、シクロヘキシルビフェニル化合物、フェニルシクロヘキシルシクロヘキサン化合物、シクロヘキシルシクロヘキサン化合物、シクロヘキシルシクロヘキセン化合物、シクロヘキシルシクロヘキシルシクロヘキセン化合物、
【0046】
1,4−ビス−シクロヘキシルベンゼン化合物、4,4′−ビス−シクロヘキシルビフェニル化合物、フェニル−またはシクロヘキシル−ピリミジン化合物、フェニル−またはシクロヘキシル−ピリジン化合物、フェニル−またはシクロヘキシル−ピリダジン化合物、フェニル−またはシクロヘキシル−ジオキサン化合物、フェニル−またはシクロヘキシル−1,3−ジチアン化合物、1,2−ジフェニルエタン化合物、1,2−ジシクロヘキシルエタン化合物、1−フェニル−2−シクロヘキシルエタン化合物、1−シクロヘキシル−2−(4−フェニルシクロヘキシル)エタン化合物、1−シクロヘキシル−2−ビフェニル−エタン化合物、1−フェニル−2−シクロヘキシルフェニルエタン化合物、ハロゲン化されていてもよいスチルベン化合物、ベンジルフェニルエーテル化合物、トラン化合物、置換ケイ皮酸化合物およびその他の群のネマティックまたはネマティック相形成性物質からなる公知群からの物質から選択される低分子量液晶化合物である。これらの化合物中に存在する1,4−フェニレン基はまた、1個または2個以上のフッ素によりラテラルに置換されていてもよい。
【0047】
この好適態様の液晶混合物はこの種の非カイラル化合物を基材とするものである。
これらの液晶混合物の成分として使用することができる最も重要な化合物は、下記で表わすことができる特徴を有する:
R′−L′−G′−E−R″
上記式において、L′およびEは、同一または相違していてもよく、それぞれ相互に独立して、−Phe−、−Cyc−、−Phe−Phe−、−Phe−Cyc−、−Cyc−Cyc−、−Pyr−、−Dio−、−B−Phe−および−B−Cyc−から形成される群からの二価の基およびそれらの鏡像基であり、これらの基において、Pheは未置換またはフッ素置換されている1,4- フェニレンであり、Cycはトランス−1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−シクロヘキセニレンであり、Pyrはピリミジン−2,5−ジイルまたはピリジン−2,5−ジイルであり、Dioは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであり、そしてBは2−(トランス−1,4−シクロヘキシル)エチル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイルまたは1,3−ジオキサン- 2,5- ジイルである。
【0048】
これらの化合物中に存在するG′は、下記の二価基から選択される:
−CH=CH−、−N(O)N−、−CH=CY−、−CH=N(O)−、−C≡C−、−CH2−CH2−、−CO−O−、−CH2−O−、−CO−S−、−CH2−S−、−CH=N−、−COO−Phe−COO−または単結合であり、そしてYはハロゲン、好ましくは塩素、あるいは−CNである。
R′およびR″はそれぞれ相互に独立して、炭素原子1〜18個、好ましくは炭素原子3〜12個を有するアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルカノイルオキシ、アルコキシカルボニルまたはアルコキシカルボニルオキシであり、あるいは別様には、R′およびR″の一方は、F、CF3、OCF3、Cl、NCSまたはCNである。
【0049】
これらの化合物の大部分において、R′およびR″はそれぞれ相互に独立して、相違する鎖長を有するアルキル、アルケニルまたはアルコキシであり、ネマティック媒体中での炭素原子の合計は一般に、2〜9個、好ましくは2〜7個である。
これらの化合物またはその混合物の多くは市販されている。これらの化合物は全部が公知であるかまたは刊行物(例えばHouben- WeylによるMethoden der Organischen Chemie[有機化学の方法],Georg- Thieme出版社、Stuttgartなどの標準的学術書)に記載されているようなそれ自体公知の方法により、正確には当該反応に適する公知の反応条件下に製造することができる。ここで、それ自体は公知であるが、本明細書には記載されていない変法を使用することもできる。
【0050】
本発明による化合物はアニソトロピックポリマーゲル用に、およびまた例えば相変化型ディスプレイあるいは表面安定化コレステリック相組織(surface stabilized cholesteric texture)ディスプレイ(SSCT)またはポリマー安定化コレステリック相組織(polymer stabilized cholesteric texture)ディスプレイ(PSCT)などのコレステリック相ディスプレイ用の重合性または非重合性コレステリック液晶混合物または低分子量液晶混合物用に特に有用である。
本発明によるカイラル化合物のもう一つの利点は、これらの化合物を含有するコレステリック液晶混合物または材料が反射波長の小さい温度依存性dλ/dT(T=温度、λ=最大反射波長)を示すことにある。
コレステリック相ディスプレイは、例えばWO92/19695、WO93/23496、US5,453,863またはUS5,493,430に記載されており、これらの刊行物の全記載を引用してここに組み入れる。
【0051】
さらにまた、これらの化合物を含有するアニソトロピックポリマーゲルおよびディスプレイは、例えばDE19504224およびGB2279659に記載されている。
本発明による化合物を含有するPSCTディスプレイは、例えばメルク社(Merck KGaA、Darmstadt、ドイツ国)により販売されているR811またはCB15などの慣用のドープ剤を含有するディスプレイと比較して、短縮された応答時間、低下された電圧および改善されたコントラストを有することが見出された。一例として、慣用のドープ剤の代わりに本発明によるカイラル化合物を使用したPSCTディスプレイは、50%までの切換え時間の短縮を示した。
本発明による化合物を用いて製造されたコレステリック相薄膜は予想外のことに、改善された明かるさを示し、これにより着色プレーナ組織と黒色裏板を用いて黒色にされるほとんどクリアーなフォーカルコニック組織状態との間の良好なコントラストが導き出す。
【0052】
本発明によるカイラル化合物およびこれらの化合物を含有する重合性液晶混合物はまた、コレステリック相またはカイラルスメクティック相ポリマー薄膜などのカイラル液晶相を備えたアニソトロピックポリマー薄膜の製造に特に有用である。このようなポリマー薄膜は好ましくは、均一配向を有するカイラル液晶相を有する。
幅広周波帯偏光板として使用される配向したコレステリック相ポリマー薄膜の例はEP0606940に見出すことができ、他方液晶ジアクリレート化合物から形成され、低分子量カイラルドープ剤を含有する交差結合したコレステリック相ポリマー薄膜は、I.HeynderickxおよびD.J.BroerによりMol.Cryst.Liq.Cryst.203,113〜126(1991)に記載されている。EP0562681A1には、カイラル低分子量化合物を含有し、圧電性効果を示すスメクティック相構造を有するポリマーネットワークが記載されている。
【0053】
本発明によるカイラル化合物を用いて製造されたコレステリック相ポリマー薄膜は、例えば上記R811またはCB15などの従来のドープ剤を含有する薄膜に比較して、さらに明るいことが見出された。
アニソトロピックポリマーゲルまたは配向したポリマー薄膜を製造する場合、液晶混合物は、式Iで表わされるカイラル化合物に加えて、少なくとも1種の重合性化合物、好ましくは重合性メソゲン化合物を含有していなければならない。
従って、本発明のもう一つの目的は、少なくとも1種の式Iで表わされるカイラル化合物および少なくとも1種の重合性メソゲン化合物を含有する重合性液晶混合物にある。
この重合性メソゲン化合物は好ましくは、下記式Vから選択される:
P−(Sp−X)n−(A1−Z)m−A2−R5 V
【0054】
式中、
P、Sp、Xおよびnは式Iの意味を有し、
A1、Zおよびmは式IIの意味を有し、
A2はA1の意味の一つを有し、そして
R5は式IにかかわるR1の意味を有する。
式Vに従う重合性メソゲン化合物は、例えばWO93/22397;EP0,261,712;DE195,04,224;DE4,408,171またはDE4,405,316に記載されている。しかしながら、これらの刊行物中に記載されている化合物は単に例として挙げられており、本発明の範囲を制限するものではない。
さらにまた、重合性メソゲン化合物の代表例を下記化合物一覧表に示す。しかしながら、これらは例示の目的で挙げられているのみであり、本発明を説明しようとするものであって、本発明を制限しようとするものではない:
【0055】
【化19】
【0056】
【化20】
【0057】
これらの化合物において、xおよびyはそれぞれ独立して、1〜12であり、Fは1,4−フェニレン基または1,4−シクロヘキシレン基であり、R0はハロゲン、シアノまたは炭素原子1〜12個を有し、ハロゲン化されていてもよいアルキル基またはアルコキシ基であり、そしてL1およびL2はそれぞれ独立して、H、F、ClまたはCNであるか、あるいは炭素原子1〜7個を有し、ハロゲン化されていてもよいアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基である。
式Vで表わされる重合性メソゲン化合物は、それ自体公知であって、上記刊行物および例えばHouben- WeylによるMethoden der Organischen Chemie,Thieme出版社、Stuttgartなどの有機化学の標準的学術書に記載されている方法により製造することができる。
【0058】
式Vで表わされる重合性メソゲン化合物は、一官能性または二官能性であることができる、すなわちこれらの化合物は1個または2個の重合官能性基を担持することができる。
本発明の好適態様において、重合性液晶混合物は、少なくとも1種の本発明によるカイラル化合物、式Vで表わされる少なくとも1種の一官能性重合性化合物および式Vで表わされる少なくとも1種の二官能性重合性化合物を含有する。
もう一つの好適態様において、重合性液晶混合物は、少なくとも1種の本発明によるカイラル化合物および少なくとも2種の式Vで表わされる一官能性化合物を含有する。
重合性液晶混合物は、式Vで表わされる重合性メソゲン化合物の代わりに、あるいはこのようなメソゲン化合物に加えて、1種または2種以上の式Iで表わされる重合性化合物を含有することもできる。
【0059】
従って、本発明のもう一つの目的は、少なくとも1種の重合性官能基を含有する少なくとも1種の式Iで表わされるカイラル化合物を含む重合性液晶混合物にある。
この好適態様において、重合性液晶混合物は1個の重合性官能基を有する少なくとも1種の式Iで表わされるカイラル化合物を含有する。
もう一つの好適態様において、重合性液晶混合物は2個の重合性官能基を有する少なくとも1種の式Iで表わされるカイラル化合物を含有する。
本発明のもう一つの目的は、少なくとも1種の式Iで表わされるカイラル化合物および好ましくは式Vから選択される少なくとも1種の重合性メソゲン化合物および(または)少なくとも1種の式Iで表わされる重合性カイラル化合物を含有する液晶混合物を(共)重合させることによって得られる配向したカイラル液晶相を有するアニソトロピックポリマー薄膜にある。
【0060】
均一な配向を有するカイラル液晶相を備えたアニソトロピックポリマー膜を製造するためには、本発明による液晶混合物を、例えば基体上に塗布し、配向させ、次いでこれらを熱または活性照射線にさらすことによってその場で重合させる。配向および硬化は、液晶混合物の液晶相で行うと好ましい。
活性照射の用語は、UV光線、IR光線または可視部光線などの光の照射、X−線またはガンマ線の照射あるいは高エネルギー粒子、例えばイオンまたは電子の照射を意味する。活性照射線の供給源としては、例えば単一のUV灯または一組のUV灯を使用することができる。活性照射線のもう一つの供給源は、例えばUVレーザー、IRレーザーまたは可視部レーザーなどのレーザーである。
一例として、UV光により重合させる場合、UV照射下に分解してフリーラディカルまたはイオンを発生する光開始剤を使用して、重合反応を開始させることができる。
【0061】
例えばビニルおよびエポキシド反応性基を有する反応性メソゲンを硬化させる場合、フリーラディカルの代わりにカチオンにより光硬化させるカチオン系光開始剤を使用することもできる。
ラディカル重合用光開始剤としては、市販されているイルガキュア(Irgacure)651、イルガキュア184、ダロキュア(Darocure)1173またはダロキュア4205(これらは全部がCiba Geigy AGから入手することができる)を使用することができ、他方カチオン光重合の場合、市販のUVI6974(Union Carbide)を使用することができる。
式Iで表わされる重合性カイラル化合物および(または)式Vで表わされる重合性メソゲン化合物を含有する重合性液晶混合物は好ましくは、光開始剤、特に好ましくはUV−光開始剤を0.01〜10重量%、特に0.05〜8重量%、非常に好ましくは0.1〜5重量%の量でさらに含有する。
【0062】
本発明の好適態様において、重合性メソゲン物質の重合は、不活性気体雰囲気下に、好ましくは窒素雰囲気下で行う。
基質としては、例えばガラスまたは石英ならびにプラスティック薄膜またはシートを使用することができる。重合前、重合中、および(または)重合後に、この塗布混合物の上部表面上に第二の基体を配置することもできる。この基質は重合後に取除くことができ、あるいは取除かなくてもよい。活性照射線により硬化させる場合であって、2枚の基体を使用する場合、少なくとも1枚の基体は重合に使用される活性照射線に対して透過性でなければならない。
アイソトロピックまたは複屈折性基質を使用することができる。重合後に重合した薄膜から基体を取除かない場合、アイソトロピック基体を使用すると好ましい。
【0063】
好ましくは、少なくとも1枚の基体は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカーボネート(PC)またはトリアセチルセルロース(TAC)などの薄膜、特に好ましくはPET薄膜またはTAC薄膜などのプラスティック基体である。複屈折性基体の場合、例えば単軸方向に引張されたプラスティック薄膜を使用することができる。一例として、PET薄膜はICI社(ICI Corp.)からメリネックス(Melinex)の登録商品名で市販されている。
本発明の好適態様において、式Iで表わされるカイラル化合物を含有する重合性液晶混合物である本発明による混合物を、基体上あるいは基体間に、薄い層として塗布し、次いで好ましくはそのカイラル中間相、例えばコレステリック相またはカイラルスメクティック相で配向させ、プレーナ配向、すなわち分子ラセン軸が当該層に対して逆方向に伸びているような配向を生じさせる。
【0064】
プレーナ配向は、例えば混合物をドクターブレードなどにより剪断をかけることによって得ることができる。少なくとも1枚の基体の上部表面上に配向層、例えばラビングしたポリイミド層またはスパッタリングしたSiOx層を適用することもできる。
もう一つの好適態様において、第二の基体は塗布材料の上部表面上に配置することもできる。この場合、2枚の基体を一緒に配置することによって生じる剪断力は良好な配向を得るのに充分である。
塗布混合物に対して電場または磁場を適用することもできる。
かなりの場合、重合性混合物の配向を助けるばかりでなく、また重合を阻害することがある酸素を排除するために、第二の基体を適用すると有利である。別法として、硬化は不活性気体雰囲気下に行うことができる。しかしながら、空気中での硬化もまた、適当な光開始剤および強力な灯光力を用いて可能である。カチオン光開始剤を用いる場合、大部分の場合に酸素の排除は不必要であるが、水分は排除しなければならない。
【0065】
重合性メソゲン化合物のその場での重合にかかわる詳細な説明は、D.J.Broer等によるMakromolekulare Chemie,190,2255(1989)に見出すことができる。
本発明による重合性液晶混合物は式Iで表わされる非重合性カイラル化合物を、好ましくは0.001〜15重量%、特に0.01〜8重量%、非常に特に好ましくは0.1〜5重量%の量で含有する。
重合性液晶混合物は、1〜3種の式Iで表わされるカイラル化合物を含有すると好ましい。
式Iで表わされる重合性カイラル化合物が本発明による重合性液晶混合物中に存在する場合、これらの化合物はまた、式Iで表わされる非重合性カイラル化合物について上記した量よりも多い量で本発明による重合性液晶混合物に使用することができる。
【0066】
本発明の好適態様において、重合性液晶混合物は少なくとも1個の重合官能性基を有する式Iで表わされる重合性カイラル化合物を、1〜80重量%、好ましくは2〜60重量%、特に5〜40重量%の量で含有する。
1個の重合官能性基を有する式Iで表わされる重合性カイラル化合物(=一官能性化合物)を含有する重合性液晶混合物の中で、式Iで表わされる重合性カイラル一官能性化合物を1〜60重量%、特に2〜45重量%、非常に好ましくは3〜35重量%の量で含有する混合物は特に好ましい。
2個の重合性官能基を有する式Iで表わされる重合性カイラル化合物(=二官能性化合物)を含有する重合性液晶混合物の中で、式Iで表わされる重合性カイラル二官能性化合物を1〜50重量%、特に2〜35重量%、非常に好ましくは3〜25重量%の量で含有する混合物は特に好ましい。
【0067】
本発明による重合性液晶混合物は、1種または2種以上のその他の適当な成分、例えば触媒、増感剤、安定剤、共反応性モノマーまたは界面活性化合物などをさらに含有することができる。
本発明の好適態様において、本発明による重合性液晶混合物は、例えば組成物の保存中における望ましくない自発的重合を阻止するために使用される安定剤を含有する。安定剤としては、原則的に、この目的に当業者に知られている全部の化合物を使用することができる。これらの化合物としては広く種々の化合物が市販されている。安定剤の代表的例には、4−エトキシフェノールまたはブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)がある。
ポリマーの交差結合性を増大させるために、多官能重合性メソゲン化合物の代わりに、またはこのような化合物に加えて、2個または3個以上の重合官能性基を有する非メソゲン化合物を20%までの量で添加することもできる。
【0068】
二官能性非メソゲンモノマーの代表的例には、炭素原子数1〜20個のアルキル基を有するアルキルジアクリレート化合物またはアルキルジメタアクリレート化合物がある。2個よりも多くの重合性基を含有する非メソゲンモノマーの代表的例には、トリメチルプロパントリメタアクリレートまたはペンタエリスリトールテトラアクリレートがある。
1個のみの重合官能性基を有する化合物を含有する本発明による組成物の重合は、線状ポリマーを導き、他方1個よりも多くの重合官能性基を有する化合物が存在する場合、交差結合したポリマーが得られる。
アニソトロピックポリマーゲルを製造する場合、液晶混合物は上記したとおりにその場で重合させることができるが、この場合には、当該重合性混合物の配向は不必要である。
【0069】
本発明による式Iで表わされるカイラル化合物はまた、サーモクロミック液晶混合物の製造に使用することもできる。このような混合物は、例えば光の特定の周波帯の選択的反射を示すラセン状ねじれ構造を有するカイラルスメクティック相またはカイラルネマティック(コレステリック)相などのカイラル液晶相またはカイラル中間相を示すことを特徴とし、この場合に、この分子ラセンのピッチおよびこれによる反射波長は温度に依存する。
コレステリック相を有しサーモクロミック挙動を示す本発明による液晶混合物は特に好ましい。これらの好適組成物の中で、コレステリック相およびスメクティック相を有する組成物、最も好ましくはコレステリック相の温度範囲以下の温度でカイラルスメクティック相を示す組成物はさらに好ましい。サーモクロミック挙動を示す本発明による液晶混合物は重合性のものであることができ、また非重合性のものであることができる。
【0070】
前記説明から、当業者は本発明の基本的特徴を容易に理解することができ、かつまたその精神および範囲から逸脱することなく、各種用途および条件に適合させるための種々の変更および修飾をなすことができる。
追加の労力を要することなく、当業者は前記説明を用いて、本発明をその完全な範囲にまで利用することができるものと信じる。従って、下記の例は単に説明しようとするものであって、如何なる点でも記載の残りの部分を制限するものではない。
【0071】
【発明の実施の形態】
前記および下記の例において、別段の記載がないかぎり、温度は全部が未補正であって、摂氏度で示されおり、そして部およびパーセンテージはいずれも重量による。
液晶ホスト中のカイラル化合物のラセン状ねじり力(HTP)の数値は、方程式HTP=(p*c)-1in μm-1[式中、pはμm単位で示される分子ラセンのピッチであり、そしてcは相対値で示されるホスト中のカイラル化合物の重量による濃度である(すなわち、例えば1重量%の濃度は0.01のc値に相当する)]に従い得られる。
【0072】
下記の略号を使用して、化合物の液晶相様相を示す:K=結晶;N=ネマティック;S=スメクティック;Ch=コレステリック;I=アイソトロピック。これらの記号間の数値は相転移温度を摂氏度で示すものである。
さらに、下記の略号を使用する:
DCC=ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCU=ジシクロヘキシル尿素
DMAP=N,N−ジメチルアミノピリジン
DCM=ジクロロメタン
HTP=ラセン状ねじり力
【0073】
例1
反応経路1に従い化合物(1)を製造した(この経路において、R1 −(A1−Z)P−は下記の基を表わす;
【化21】
【0074】
化合物(1)はネマティックホスト混合物E63中で測定して、43μm-1 のHTPを示す。このホスト混合物E63はメルク社(Merck Ltd.,Poole,英国)からBL004の商品名で市販されており、下記の性質を示す:
透明点 78.5℃
複屈折率 0.224
誘電異方性 +14.6
粘度(20℃) 38mm2/s
【0075】
例2
下記のとおりに反応経路2に従い化合物(2)を製造した(この経路において、pは0であり、そして−Sp−X−は−(CH2)4−O−である)。
(S),(S)−(−)−1,2−ジフェニル−1,2−エタンジオール(23.2mmol)、DCC(48.7mmol)、4−(3−クロロプロピオニルヘキシルオキシ)安息香酸(46.4mmol)および触媒量のDMAPを、ジクロロメタン中で室温において窒素雰囲気下に48時間撹拌した。DCUを濾過により除去した。この濾液を水で洗浄し、Na2SO4を用いて乾燥させ、次いでロータリーエバポレーターで蒸発乾燥させた。この粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフイにより精製した(溶出剤=DCM)。相当するフラクションを蒸発させ、化合物(A)を淡緑色の粘性油状物として生成した。収率=4.6mmol(20%)。
【0076】
化合物(A)(4.4mmol)、トリエチルアミン(6当量)およびDCM(20ml)を、35℃で24時間撹拌した。この塩素化溶液を水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、次いで蒸発乾燥させ、化合物(2)をワックス状固形物として得た。収量=4.3mmol(98%)。
【化22】
この化合物(2)は55℃の融点を示す。化合物(2)のHTP値はネマティックホスト混合物E63中で4.1重量%の濃度で測定して、12μm-1である。
【0077】
例3
下記のとおりに反応経路2に従い化合物(3)を製造した(この経路において、(A1−Z)p−は下記の基を表わし;
【化23】
そして−Sp−X−は−(CH2)4−O−である)。
(R),(R)−(+)−1,2−ジフェニル−1,2−エタンジオール(3.2g、15mmol)、DCC(30mmol)、4−(3−クロロプロピオニルブチルオキシ)安息香酸(11.3g、30mmol)および触媒量のDMAPを、ジクロロメタン中で室温において窒素雰囲気下に36時間撹拌した。DCUを濾過により除去し、この濾液を蒸発乾燥させた。この粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフイにより精製し(溶出剤=DCM)、化合物(A3)を生成した。収量=1.2mmol(8%)。
【0078】
【化24】
化合物(A3)(1.1mmol)、トリエチルアミン(6当量)およびジクロロメタン(20ml)を、35℃で24時間撹拌した。この溶液を蒸発乾燥させ、化合物(3)を粘性油状物として得た。収量=0.9mmol(83%)。
【0079】
【化25】
この化合物(3)のHTP値はネマティックホスト混合物E63中で6.1重量%の濃度で測定して、31μm-1である。
【0080】
例4
反応経路1に従うか、または反応経路1と同様にして、下記の化合物を製造した。これらの化合物のHTP値はネマティックホスト混合物E63中で測定した。
【0081】
【化26】
【0082】
上記例は、一般的に記載されている反応剤または特定の反応剤を用いて、そして(または)前記例で使用されている操作条件の代わりに本発明の操作条件を用いて反復し、同様の成功を得ることができる。
前記記載から、当業者は本発明の特徴を容易に勘案することができ、かつまた本発明の精神および範囲から逸脱することなく、各種条件および用途に適合するように本発明の種々の変更および修飾をなすことができるものとする。
Claims (12)
- 下記式Idで表わされるカイラル化合物:
から選択される重合性基を表わす)を表わすことができ、そしてMG2は、以下の式:
- R1およびR2の少なくとも一つが、P−(Sp−X)n−を表わすことを特徴とする、請求項1に記載のカイラル化合物。
- 基R1の両方および(または)基R2の両方が、P−(Sp−X)n−を表わし、ここでそれぞれのR1およびR2は互いに異なる基を表すことができることを特徴とする、請求項2に記載のカイラル化合物。
- R1および(または)R2がそれぞれ独立して、炭素原子1〜12個を有するアルキル基またはアルコキシ基であることを特徴とする、請求項1に記載のカイラル化合物。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の少なくとも1種のカイラル化合物を含有する液晶混合物。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の少なくとも1種のカイラル化合物および式V
P−(Sp−X)n−(A1−Z)m−A2−R5 V
式中、P、Sp、X、Zおよびnは請求項1に記載の意味を有し、A1およびA2はそれぞれ独立して、1,4フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個以上のCH基はNにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4−シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基はOおよび(または)Sにより置き換えられていてもよく、あるいは1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基または1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基であり、これらの基は全部が未置換であるか、または置換基として、1個または2個以上のハロゲン、シアノまたはニトロ基を有するか、あるいは炭素原子1〜7個を有し、その分子中の1個または2個以上のH原子がFまたはClにより置換されていてもよいアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基を有し、mは0、1、2または3であり、R5は請求項1に記載のR1の意味を有する、
から選択される少なくとも1種の重合性メソゲン化合物を含有する重合性液晶混合物。 - 請求項1または4に記載の少なくとも1種のカイラル化合物であって、R1およびR2がP−(Sp−X)n−を表していない前記カイラル化合物を0.001〜15重量%の量で含有することを特徴とする、請求項5または6のいずれか一項に記載の液晶混合物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の少なくとも1種のカイラル化合物であって、R 1 および/またはR 2 がP−(Sp−X) n −を表している前記カイラル化合物を1〜80重量%の量で含有することを特徴とする、請求項5または6のいずれか一項に記載の液晶混合物。
- カイラル液晶相を備えたアニソトロピックポリマー薄膜調製のための、能動性および受動性光学素子、偏光板、補償板またはカラーフィルターのための、および液晶ディスプレイ、STN型、TN型、AMD−TN型、温度補償型、ゲスト−ホスト型または相変化型ディスプレイ、あるいは表面安定化コレステリック相組織(SSCT)ディスプレイまたはポリマー安定化コレステリック相組織(PSCT)ディスプレイにおける、請求項5〜8のいずれか一項に記載の液晶混合物の使用。
- 請求項5〜8のいずれか一項に記載の液晶混合物を含有する液晶ディスプレイ。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の少なくとも1種のカイラル化合物を含有するカイラル液晶相を備えたアニソトロピックポリマー薄膜。
- 請求項6、7または8に記載の液晶混合物を(共)重合させることによって得られることを特徴とする、カイラル液晶相を備えたポリマー薄膜。
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